JP2002189226A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置の製造工程では、外部駆動回路
との接続端子部および基板端面部は膜表面が露出してお
り、工程中で用いられる薬品や実装後も大気中の湿気や
不純物等に汚染され、電解腐食により端子部の断線や接
触不良を生じる。 【解決手段】 液晶表示装置の接続端子部に、窒化チタ
ンを厚膜化して積層するかもしくは基板端面部には酸化
インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ等の酸化物
からなる透明導電膜を積層せずに電解腐食を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング用薄
膜トランジスタがマトリクス状に形成されたアクティブ
マトリクス型液晶表示装置の外部駆動回路との接続端子
部の配線構造及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置およびその製造方法
について説明する。図6は従来の液晶表示装置の端子部
を説明するための平面図である。図7は、従来の液晶表
示装置の端子部を説明するための、第6図のA−A’
線、B−B’、C−C’及びD−D’線における断面図
である。ゲート配線にTiN/Al/Ti、ソース(ド
レイン)配線にAl/Tiを用いた例を示している。ガ
ラスからなる絶縁基板上の一部にスパッタリング法にて
ゲート配線2が形成される。その上にプラズマCVD法
にて窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜からなるゲ
ート絶縁膜3が形成される。ゲート配線2の最上層の窒
化チタン(TiN)はアルミニウムのヒロック(丘状隆
起)を抑制するためである。ここで窒化膜とするのは、
ゲート絶縁膜との密着性を向上させるためである。
【0003】窒化膜の膜厚は50nmである。ゲート絶
縁膜3はゲート配線2上の一部分5が除去される。スル
ーホール5により次工程でその上に形成するソース配線
さらには透明導電膜とのコンタクトをとる。この上の一
部に、スパッタリング法にてソース(またはドレイン)
配線6が形成される。プラズマCVD法でその上に保護
膜としての無機絶縁膜7、スピンコート法で層間絶縁膜
としての有機絶縁膜8を形成し、スルーホール5をパタ
ーン形成した後、無機絶縁膜7、有機絶縁膜8をマスク
とし、Al/Tiの2層からなるソース配線層6a材料
のうち、上層のアルミニウムの部分のみをエッチングに
より除去する。スパッタリング法にて透明導電膜9を基
板端面部まで積層し、無機絶縁膜7、有機絶縁膜8の一
部を覆うように端子部を形成する。覆いかぶさるように
形成する理由は、ゲート配線2をエッチング液の染込み
から保護するためである。また従来はITOで覆う代わ
りに端子部腐食や汚染等を防止するために端子部への樹
脂塗布工程を必要としていたので、コストがアップしそ
のために歩留低下の要因となっていた。
【0004】従来の技術では、絶縁基板1上にゲート配
線2をエッチングにより形成する。その上に、ゲート絶
縁膜3がパターニングされており、ソース配線のうち、
チタン膜6bが一部覆っている。その上に透明導電膜9
が形成されている。アクティブマトリクス型液晶表示装
置はウェットエッチングとドライエッチングを併用して
作製される。従来のTiN膜厚ではスルーホール形成時
のドライエッチング工程またはその他のエッチングダメ
ージによりTiN膜自体が消失してしまうか、薄くなっ
てしまうために、エッチング液の染込みやITOとの局
所界面腐食によりアルニウムの溶解が引き起こされると
いう問題点があった。一方、特開平5−232494号
公報には、外部接続端子やそれにつながる引出配線の電
触を防止するために、アルミニウムを含む外部接続端子
部への引出し配線の導電層をシールの内側に収め、エッ
チング液と直接接触させない構造による解決方法が示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アクティブマトリクス
基板は、ウェットエッチングとドライエッチングとを併
用して作製されるので、ウェットエッチング工程におい
て、不純物含有率の大きなアルミニウムやアルミニウム
合金膜を、エッチング液中に浸漬すると、導電部とIT
O膜が、エッチング液(電界質水溶液)との間に電位差
を生じ、電蝕反応により界面腐食を起こす。TiN膜は
スルーホール形成時のドライエッチまたは他のエッチン
グ時の際に受けるダメージによりTiN膜自体が消失す
るか、もしくは薄くなってしまう。そのためにエッチン
グ液が染込んで、透明導電膜(ITO)9と金属(アル
ミニウム)との単極電位を生じて局所界面腐食が起り、
アルミニウムが溶解していた。
【0006】アクティブマトリクス基板の外部駆動回路
との接続端子部および基板端面部はアルミニウム膜表面
が露出しており、実装工程等の後工程で用いられる各種
の薬品や、実装部品を接続後も大気中の湿気や不純物等
に汚染されやすい状態にあり、腐食や電蝕反応等により
端子部の断線や接触不良が生じる。
【0007】上記問題を解決するために、画素電極に用
いる透明導電膜(ITO)9を被覆した端子構造が用い
られるが、その理由は酸化物であるITO膜は大気中に
おいて酸化が進行しないことと、耐薬品性にも優れてい
ることによるためである。しかし、ITOは活性な酸化
物であるために還元反応のカソード極になりやすく、外
部駆動回路の接続端子を構成する金属もしくはその合金
膜と電蝕反応による界面腐食を起こしやすいという問題
点があった。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、透明導
電膜(ITO)9との局所界面腐食によるアルニウムの
溶解を解決することと、アクティブマトリクス基板作製
工程の歩留を向上させ、端子部分への樹脂塗布工程を削
減しコストダウンを行うことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
液晶表示装置は、薄膜トランジスタがマトリクス状に形
成され、薄膜トランジスタを制御するゲート配線および
薄膜トランジスタにデータ信号を供給するソース配線が
それぞれ直交して形成され、薄膜トランジスタを介して
ソース配線と接続される画素電極を有し、画素電極と画
素電極に対向して設けられた対向電極との間に液晶材料
が保持されている液晶表示装置において、ゲート配線材
料がアルミニウムを含む配線材料であって、外部駆動回
路との接続端子部の表面層に該ゲート配線材料よりも高
抵抗の材料からなる導電層を被覆することを特徴として
いる。
【0010】本発明の請求項2記載の液晶表示装置は、
上記高抵抗の材料からなる導電層が非晶質シリコンより
なる半導体層もしくはチタンまたは半導体層とチタンと
の積層からなることを特徴としている。
【0011】本発明の請求項3記載の液晶表示装置は、
配線を保護するために配線材料上に設けられる窒化チタ
ンの膜厚が800Å以上であることを特徴としている。
【0012】本発明の請求項4記載の液晶表示装置の製
造方法は、薄膜トランジスタがマトリクス状に形成さ
れ、薄膜トランジスタを制御するゲート配線および薄膜
トランジスタにデータ信号を供給するソース配線がそれ
ぞれ直交して形成され、薄膜トランジスタを介してソー
ス配線と接続される画素電極を有し、画素電極と画素電
極に対向して設けられた対向電極との間に液晶材料が保
持されている液晶表示装置の外部駆動回路との接続端子
部の製造方法において、アルミニウムを含む配線上の高
抵抗導電層の上に積層された酸化インジウム、酸化ス
ズ、酸化インジウムスズ等からなる導電膜をエッチング
により基板端面部分のみを、除去することを特徴として
いる。
【0013】以下、上記構成による作用を説明する。
【0014】外部駆動回路との電気的接続を行う端子の
構成膜の一つであるITO膜を基板端面から後退させた
パターンにすることで、基板端面においてソース配線と
の接触がなくなるために基板端面での電蝕反応を防止す
ることができ、湿度が高い大気中に液晶表示装置を放置
した場合でも基板端子部の安定性が保たれる。
【0015】基板端面部に高抵抗のa−Si膜を形成す
ることにより、TFT作製工程でのエッチング等による
ダメージからゲート配線を保護し、更にはITO膜とア
ルミニウム層との電気的接触を減らすことにより電蝕反
応を防止する。
【0016】ウェットエッチング時とドライエッチング
時の染込みやダメージに耐え、ゲートアルミニウムとI
TO膜の接触を防止するバッファ層もしくはバリア層と
してのTiN膜の膜厚制御が重要である。a−Si高抵
抗層は、特にスルーホール形成時に、エッチング工程に
よってTiN膜が消失し、アルミニウム表面が剥き出し
となることを防ぐ役割を果たす。このことにより外部駆
動回路との接続端子部における電解腐食による端子部断
線や接触不良を防止する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態1について、
以下に図を用いて説明する。
【0018】(実施の形態1)図1は本発明の液晶表示
装置の端子部を説明するための平面図である。図2は本
発明の液晶表示装置の端子部を説明するための断面図で
ある。本発明の実施の形態1では、ゲート配線2にTi
N/Al/Tiの3層構造、ゲート配線2を被覆するソ
ース(ドレイン)配線部6aにはAl/Tiの2層構造
を用いた。ソース配線部6aのTi層からなる部分は、
特にチタンソース配線部6bとした。コーニング#70
59ガラスからなる基板1上にスパッタリング法にてゲ
ート配線2を形成した。ゲート配線2の上にプラズマC
VD法にて窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜から
なるゲート絶縁膜3を形成した。ゲート絶縁膜3はゲー
ト配線2上の一部分を除去して、スルーホール5を形成
した。この上に、スパッタリング法にてソース(ドレイ
ン)配線部6を形成した。このときソースパターンの長
さ方向のパターンを分割し、同時にゲート絶縁膜3除去
部分もスルーホール5の部分もソースパターンと合わせ
て分割した。ここで言う分割とは、絶縁膜3にスルーホ
ール5を設けて、ゲート配線2とソース(ドレイン)配
線部6とが2箇所で接するようにすることである。ソー
スパターンを分割することによりソース配線部6aのア
ルミニウムの部分は有機絶縁膜8により覆われて、完全
に有機絶縁膜8により保護される。
【0019】長さ方向にパターンを分割したゲートパタ
ーンとソースパターンとの間の表面層はゲート絶縁膜3
である。前記のゲート絶縁膜3の除去部分により、ゲー
ト配線2とソース(ドレイン)配線6aさらには透明導
電膜9とのコンタクトを取れるようにする。プラズマC
VD法で無機絶縁膜7、スピンコート法で有機絶縁膜8
を形成し、パターン形成した後、無機絶縁膜7と有機絶
縁膜8をマスクとし、ソース配線部6aのうちアルミニ
ウムのみをエッチングにより除去する。スパッタリング
法にて透明導電膜9を積層し、無機絶縁膜7、有機絶縁
膜8の一部を覆うように端子部を形成する。ソースパタ
ーンを分割する目的は透明導電膜のエッチングの際にエ
ッチング液の染み込みにより生じる電解腐蝕によるソー
ス配線のアルミニウムの溶解を防止するためである。分
割により透明導電膜のエッチングの際にエッチング液の
染み込みにより生じる電解腐蝕を防止できる理由は、ソ
ースパターンを分割することによりソース配線部6aの
アルミニウムの部分は有機絶縁膜8により覆われて、完
全に有機絶縁膜8により保護される構造が実現されるか
らである。
【0020】図3は、本発明の液晶表示装置の端子部形
成プロセスを、順に説明するための工程(a)〜(f)
における平面図である。図4は、本発明である液晶表示
装置の端子部の形成プロセスを説明するための、図2に
対応する、A−A’線、B−B’、C−C’及びD−
D’線での工程(a)〜(f)における断面図である。
【0021】工程(a)で絶縁基板1上にゲート配線2
をエッチングにより形成する。次に、工程(b)で基板
全面にゲート絶縁膜3と半導体層4を積層し、その後工
程(c)でゲート配線2とソース配線6aとのコンタク
トをとるためにゲート絶縁膜3と半導体層4を一部エッ
チングにより除去したパターンを形成する。次に、工程
(d)でソース(またはドレイン)配線6aを形成す
る。これにより、ゲート配線2とソース配線6aとを接
触させる。次に、工程(e)で無機絶縁膜7及び有機系
絶縁膜8を積層し(図示せず)、この有機絶縁膜8をフ
ォトレジストの機能と同様のフォトリソ工程で用いるマ
スクパターンとし、選択エッチングにより無機絶縁膜7
をエッチングにより除去する。無機絶縁膜7を除去した
部分でソース配線6aのアルミニウムが表面に露出して
いる部分は、腐食を避けるためにウェットエッチングに
よりアルミニウムを除去する。このときソース配線6a
の表面膜はチタンソース配線部6bとなる。最後に、工
程(f)で透明導電膜9を形成する。このときゲート配
線2がアルミニウムを用いているため、透明導電膜9の
エッチング時にエッチング液の染込みを防止するため有
機絶縁膜8、無機絶縁膜7に透明導電膜9が一部かぶさ
るように形成した。
【0022】図5は本発明であるゲートTiN膜の初期
の膜厚と端子部形成後のTiN膜残膜量の関係を示す図
である。ゲート配線2として、チタンとアルミニウムを
成膜後、窒化チタン膜(TiN膜)を圧力0.9Pa、
パワー27KW、チッソガス流量50sccm、アルゴ
ン流量75sccmで成膜した。TiNの膜厚として、
配線を保護するに必要な窒化チタン膜の膜厚は800Å
以上である。800Å以下ではアルミニウムのダメージ
が発生したが、窒化チタン膜の膜厚が800Åを越えた
膜厚の場合には、アルミニウムの電解腐食によるダメー
ジの発生は検出されなかった。したがって、TiN膜厚
が800Å以上でゲートアルミニウムを保護できること
が確認できた。
【0023】
【発明の効果】本発明の端子構造では、外部駆動回路と
電気的接続をする接続端子部には透明導電膜ITOが介
在しない。したがって、アルミニウムとITOとの電解
腐食反応の発生を防止できる。本端子構造により、エッ
チング液の染込みで端子が侵される問題点を解決でき、
表面層にアルミニウムが露出することによる透明導電膜
との電蝕反応による端子部分の短絡防止もしくは断線不
良をも防止する効果を奏する。
【0024】また、端子部への樹脂塗布工程を必要とし
ないために、コスト低減と歩留向上を図る効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の端子部を説明するため
の平面図である。
【図2】図1のA-A’線、B−B’線、C-C’線、D
−D’線での断面図である。
【図3】本発明の液晶表示装置端子部の形成プロセスを
説明するための工程(a)〜(f)における平面図であ
る。
【図4】本発明である液晶表示装置の端子部の形成プロ
セスを説明するための、図1のA−A’線、B−B’
線、C−C’線及びD−D’線での工程(a)〜(f)
に対応する断面図である。
【図5】本発明であるゲートTiN膜の初期の膜厚と端
子部形成後のTiN膜の残りの膜厚を示す図である。
【図6】従来の液晶表示装置の端子部を説明するための
平面図である。
【図7】従来の液晶表示装置の端子部を説明するため
の、A−A’線、B−B’、C−C’及びD−D’線で
の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ゲート配線 3 ゲート絶縁膜 4 半導体層 5 スルーホール 6a ソース配線部 6b チタンソース配線部 7 無機絶縁膜 8 有機絶縁膜 9 透明導電膜(ITO)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA43 HA04 HA06 HA19 JA24 JA37 JA46 KA05 KA12 KA13 KA18 MA05 MA08 MA18 MA19 NA15 NA16 NA27 NA29 5C094 AA32 BA03 BA43 CA19 DA14 DA15 DB03 EA05 EA07 EB02 FB12 FB14 5F033 HH08 HH18 HH38 JJ01 JJ08 JJ18 KK08 KK18 KK33 MM08 PP15 QQ08 QQ09 QQ19 QQ37 RR04 RR06 SS15 VV15 XX18 5F110 AA26 BB01 CC07 DD02 EE01 EE03 EE04 EE15 EE37 EE44 FF02 FF03 FF30 HK01 HK03 HK04 HK21 NN03 NN27 QQ04 QQ05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜トランジスタがマトリクス状に形成
    され、薄膜トランジスタを制御するゲート配線および薄
    膜トランジスタにデータ信号を供給するソース配線がそ
    れぞれ直交して形成され、薄膜トランジスタを介してソ
    ース配線と接続される画素電極を有し、画素電極と画素
    電極に対向して設けられた対向電極との間に液晶材料が
    保持されている液晶表示装置において、 ゲート配線材料がアルミニウムを含む配線材料であっ
    て、外部駆動回路との接続端子部の表面層に該ゲート配
    線材料よりも高抵抗の材料からなる導電層を被覆するこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 上記高抵抗の材料からなる導電層が非晶
    質シリコンよりなる半導体層もしくはチタンまたは半導
    体層とチタンとの積層からなることを特徴とする請求項
    1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 配線を保護するために配線材料上に設け
    られる窒化チタンの膜厚が800Å以上であることを特
    徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 薄膜トランジスタがマトリクス状に形成
    され、薄膜トランジスタを制御するゲート配線および薄
    膜トランジスタにデータ信号を供給するソース配線がそ
    れぞれ直交して形成され、薄膜トランジスタを介してソ
    ース配線と接続される画素電極を有し、画素電極と画素
    電極に対向して設けられた対向電極との間に液晶材料が
    保持されている液晶表示装置の外部駆動回路との接続端
    子部の製造方法において、 アルミニウムを含む配線上の高抵抗導電層の上に積層さ
    れた酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ等
    からなる導電膜をエッチングにより基板端面部分のみ
    を、除去することを特徴とする液晶表示装置の製造方
    法。
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