JP2002186443A - 加工済み野菜の製造方法 - Google Patents

加工済み野菜の製造方法

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JP2002186443A JP2000388498A JP2000388498A JP2002186443A JP 2002186443 A JP2002186443 A JP 2002186443A JP 2000388498 A JP2000388498 A JP 2000388498A JP 2000388498 A JP2000388498 A JP 2000388498A JP 2002186443 A JP2002186443 A JP 2002186443A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 レトルト加熱殺菌、凍結・解凍処理によ
る組織の変性が少なく、食感の優れた加工済み野菜の製
造方法の提供。 【解決手段】 濃度が0.1〜10重量%の安定剤を含
む溶液、例えば澱粉の溶液、又は安定剤に加えて適宜の
糖及び/又は糖アルコール、カルシウム塩及び/又はマ
グネシウム塩、尿素を含む溶液に、野菜類を浸漬してレ
トルト加熱するか、又は加熱下で該溶液に浸漬し、次い
で凍結処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱及び/又は凍
結・解凍による組織の変性が少なく、食感の優れた加工
済み野菜の製造方法に関する。さらに詳しくは、レトル
ト殺菌後の軟化や、凍結・解凍後の軟化、離水が防止さ
れた加工済み野菜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の健康志向の高まりや食生
活の簡便化に伴い、手軽に調理することのできる冷凍野
菜やレトルト食品の需要が高まっている。しかしなが
ら、冷凍食品やレトルト食品を食卓に供した場合、生か
ら調理したときに感じられる野菜の持つ自然な食感を再
現することは困難である。一般に、加熱、凍結・解凍し
た野菜では、加熱による組織の変性や凍結時の氷晶によ
る組織の破壊から食感が悪くなる。この問題を解決する
ために、従来より(1)加熱・凍結前に組織を強化する
方法や、(2)凍結時に形成される氷晶を小さくする方
法が提案されている。前者の方法としては、植物の骨格
形成成分としてのペクチン物質とカルシウム塩との結合
により細胞壁を強固にして、レトルト殺菌による組織の
破壊を回避する方法(特開平4-190756号公報)及び氷晶
による組織の破壊を回避する方法(日本食品工学会誌、
vol.25,p.213、1978)があり、後者の方法としては,
凍結前に不凍性物質を組織に浸漬させることによって、
組織中の水を不凍性物質と置き換える方法、すなわち、
糖液を浸漬させて凍結する方法(特開平5-103587号公
報)及び糖と無機塩類、糖とエタノール等の混合液に浸
漬させ凍結する方法(特開平4-27375号公報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のレトルト殺菌方法や凍結・解凍方法は、依然十分なも
のではなく、さらに食感の良い加工済み野菜の出現が求
められている。本発明者らは、従来より、食感の良い加
工済み野菜を提供するために鋭意研究を進めていたとこ
ろ、野菜を安定剤を含む溶液に浸漬させた後、凍結させ
ることにより、凍結後に良好な食感が得られることを見
出し、さらには、野菜を安定剤を含む溶液に浸漬させた
後、レトルト殺菌することにより、組織の過度の軟化を
防ぐことができることも見出した。したがって、本発明
は、野菜を安定剤に浸漬することにより、加熱及び/又
は凍結・解凍による組織の変性が少なく、食感の優れた
加工済み野菜の製造方法を提供することを課題とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の加工済み野菜の
製造方法は、野菜類を安定剤を含む溶液に浸漬してレト
ルト殺菌するか、又は該溶液に加熱下に浸漬し、次いで
凍結させることを特徴とする。本発明において、安定剤
を含む溶液には、さらに、(1)糖及び/又は糖アルコ
ール、(2)カルシウム塩及び/又はマグネシウム塩、
(3)尿素のいずれかが含有されているのが好ましい。
また、これら(1)〜(3)の成分は、1〜3種組み合
わせて含有されていてもよい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に説明
する。本発明では、野菜をカットした後に、安定剤を含
有する溶液に浸漬し、その後レトルト殺菌するか、又は
加熱下に浸漬し、その後、凍結処理を行う。レトルト殺
菌は、安定剤を含有する溶液と共に野菜を、例えばレト
ルトパウチ袋に入れて加熱すればよい。また、加熱下で
の浸漬処理は、安定剤を含有する溶液を沸騰させて行え
ばよい。処理時間は加工する野菜の種類に応じて、適
宜、設定すればよい。
【0006】浸漬処理に使用する安定剤としては、ゼラ
チン、グアガム、ローカストビーンガム、グルコマンナ
ン、キサンタンガム、タマリンド種子抽出物、ジェラン
ガム、澱粉及び加工澱粉等を例示することができる。澱
粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコー
ンスターチ、米澱粉、糯米澱粉、コーンスターチ、小麦
澱粉等の原料澱粉を例示することができる。また、加工
澱粉としては、原料澱粉に、熱、酸、アルカリ、酵素な
どの加工処理を行ったもの、例えば、α化澱粉、アセチ
ル化澱粉、リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋
澱粉、ヒドロキシルプロピル化架橋澱粉、エーテル化リ
ン酸架橋澱粉等を例示することができる。
【0007】上記安定剤については、澱粉及び加工澱粉
の場合は、0.1〜10重量%の範囲が好ましく、その
他の易溶性の安定剤の場合は、0.1〜5重量%、難溶
性の安定剤の場合は0.1〜2重量%の範囲で使用する
のが好ましい。安定剤の濃度が0.1重量%未満の場合
には所望の効果が期待できなくなり、また、上記の範囲
を超えると、組織表面がべたつくので好ましくない。
【0008】本発明において、上記の安定剤を含む溶液
には、さらに糖及び/又は糖アルコール、カルシウム塩
及び/又はマグネシウム塩、又は尿素が含有されている
のが好ましい。これらのものが溶解している溶液に野菜
を浸漬すると、野菜組織が、加熱、凍結・解凍いずれの
処理後においても、野菜の持つ自然な硬さを保持してお
り、安定剤のみを含む溶液に浸漬した場合と比較して、
食感が優れており、また、凍結・解凍処理によっても、
水っぽさがなく、好ましいものとなる。
【0009】本発明において使用することができる糖及
び糖アルコールとしては、グルコース、フラクトース、
キシロース、シュクロース、ラクトース、マルトース、
ソルビトール、キシリトール、ラクチトール及びグリセ
リン等を例示することができる。これらの糖及び糖アル
コールは、濃度1〜30重量%となるように溶解して用
いるのが好ましい。この濃度が1重量%未満の場合に
は、所望の効果が期待できない。また、この濃度が30
重量%を超えると、風味に影響を及ぼすので好ましくな
い。
【0010】また、本発明において使用することができ
るカルシウム塩及びマグネシウム塩としては、乳酸カル
シウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム及び炭酸マグネシウム等を例
示することができる。これらのカルシウム塩及びマグネ
シウム塩は、濃度0.001〜0.1M(モル)程度と
なるように溶解して用いるのが好ましい。この濃度が
0.001M未満の場合には、所望の効果が得られな
く、また、0.1Mを超えると、苦味を生じるので好ま
しくない。なお、カルシウム塩やマグネシウム塩は、そ
の添加によりゲル化する安定剤に対しては使用するのは
好ましくない。
【0011】さらにまた、本発明において使用すること
ができる尿素としては、化成品の尿素、及びナノフィル
トレーション(NF)膜や逆浸透(RO)膜を使用し
て、乳や乳素材等の天然物から調製した尿素含有組成物
を例示することができる。尿素の濃度は、0.005〜
0.1重量%の範囲が好ましい。この濃度が0.005
重量%未満の場合には、所望の効果が得られなく、ま
た、0.1重量%を超えると、風味に悪影響を及ぼすの
で好ましくない。上記のような安定剤を含む溶液中に、
野菜を浸漬した後、レトルト殺菌するか、又は加熱下に
浸漬した後、凍結させることによって、レトルト殺菌処
理後あるいは凍結・解凍処理後も野菜の持つ自然な硬さ
を有し、好ましい食感を有する加工済み野菜を得ること
ができる。
【0012】
【実施例】次に、実施例を示し、本発明をさらに詳しく
説明する。
【実施例1】澱粉濃度が5重量%となるように、水にエ
ーテル化リン酸架橋澱粉を添加して浸漬液を調製した。
この浸漬液に、カットしたニンジン又はダイコンを投入
し、沸騰させて20分間加熱した後、室温まで放冷し
た。そして、放冷したニンジン又はダイコンを−20℃
で急速凍結処理し、同温度で3日間凍結保存した。その
後、電子レンジで加熱解凍し、本発明品1とした。
【0013】
【実施例2】安定剤濃度が2重量%となるように、水に
ローカストビーンガムを添加して浸漬液を調製した。こ
の浸漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイコンを
実施例1と同様に処理し、本発明品2とした。
【0014】
【比較例1】水に、カットしたニンジン又はダイコンを
投入し、沸騰させて20分間加熱した後、室温まで放冷し
た。そして、放冷したニンジン又はダイコンを−20℃
で急速凍結処理し、同温度で3日間凍結保存した。その
後、電子レンジで加熱解凍し、比較品1とした。
【0015】
【試験例1】本発明品1、本発明品2及び比較品1の食
感について、パネラー15名による官能評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】 ─────────────────────────────── ニンジン ダイコン ─────────────────────────────── 本発明品1 2.7 2.8 本発明品2 2.8 2.7 比較品1 1.5 1.3 ──────────────────────────────
【0017】なお、評価は、評価基準として、5:非常
に良好、4:良好、3:普通、2:悪い、1:非常に悪
い、の5段階で行い、15名の平均点で表した。表1の
結果から明らかなように、比較品1は、水っぽく、軟ら
かく、歯ごたえがなく、好ましくない食感であった。そ
れに対し、本発明品1及び2は、比較品1よりも硬く、
歯ごたえがあり、やや好ましい食感であった。
【0018】
【実施例3】澱粉濃度が5重量%となるように、水にエ
ーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、糖濃度が2
0重量%となるようにグルコースを溶解して浸漬液を調
製した。この浸漬液に、カットしたニンジン又はダイコ
ンを投入し、沸騰させて20分間加熱した後、室温まで
放冷した。そして、放冷したニンジン又はダイコンを−
20℃で急速凍結処理し、同温度で3日間凍結保存し
た。その後、電子レンジで加熱解凍し、本発明品3とし
た。
【0019】
【実施例4】安定剤濃度が2重量%となるように、水に
ローカストビーンガムを添加し、さらに、糖濃度が20
重量%となるようにグルコースを溶解して浸漬液を調製
した。この浸漬液を用いて、カットしたニンジン又はダ
イコンを実施例3と同様に処理し、本発明品4とした。
【0020】
【実施例5】澱粉濃度が5重量%となるように、水にエ
ーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、カルシウム
濃度が0.05Mとなるように乳酸カルシウムを溶解し
て浸漬液を調製した。この浸漬液に、カットしたニンジ
ン又はダイコンを投入し、沸騰させて20分間加熱した
後、室温まで放冷した。そして、放冷したニンジン又は
ダイコンを−20℃で急速凍結処理し、同温度で3日間
凍結保存した。その後、電子レンジで加熱解凍し、本発
明品5とした。
【0021】
【実施例6】安定剤濃度が2重量%となるように、水に
ローカストビーンガムを添加し、さらに、カルシウム濃
度が0.05Mとなるように、乳酸カルシウムを溶解し
て浸漬液を調製した。この浸漬液を用いて、カットした
ニンジン又はダイコンを実施例5と同様に処理し、本発
明品6とした。
【0022】
【参考例1】11.3mg/100mlの割合で尿素を
含んでいるホエー50lについて、食塩阻止率が50%
のNF膜(Desal-5; Desalination社製)を使用し、3
倍濃縮を行った。膜処理は、操作温度50℃、圧力1.
3Mpaの条件で行った。このNF膜での処理により透
過液を分離、回収した後、この透過液を凍結乾燥して、
乳由来の尿素含有組成物の粉末200gを得た。この乳由
来の尿素含有組成物の粉末の尿素濃度は2.5重量%で
あった。この粉末の一般組成を表2に示す。
【0023】
【表2】 ────────────────── 水分 3.0重量% 脂肪 0.2重量% 蛋白質 24.8重量% 糖質 3.1重量% 灰分 68.9重量% ──────────────────
【0024】
【実施例7】澱粉濃度が5重量%となるように、水にエ
ーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、糖濃度が2
0重量%、尿素濃度が0.05重量%となるように、グ
ルコース及び参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成
物を溶解して浸漬液を調製した。この浸漬液に、カット
したニンジン又はダイコンを投入し、沸騰させて20分
間加熱した後、室温まで放冷した。そして、放冷したニ
ンジン又はダイコンを−20℃で急速凍結処理し、同温
度で3日間凍結保存した。その後、電子レンジで加熱解
凍し、本発明品7とした。
【0025】
【実施例8】安定剤濃度が2重量%となるように、水に
ローカストビーンガムを添加し、さらに、糖濃度が20
重量%、尿素濃度が0.05重量%となるように、グル
コース及び参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成物
を溶解して浸漬液を調製した。この浸漬液を用いて、カ
ットしたニンジン又はダイコンを実施例7と同様に処理
し、本発明品8とした。
【0026】
【実施例9】澱粉濃度が5重量%となるように、水にエ
ーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、カルシウム
濃度が0.05M、尿素濃度が0.05重量%となるよ
うに、乳酸カルシウム及び参考例1で得られた乳由来の
尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製した。この浸漬
液を用いて、カットしたニンジン又はダイコンを実施例
7と同様に処理し、本発明品9とした。
【0027】
【実施例10】安定剤濃度が2重量%となるように、水
にローカストビーンガムを添加し、さらに、、カルシウ
ム濃度が0.05M、尿素濃度が0.05重量%となる
ように、乳酸カルシウム及び参考例1で得られた乳由来
の尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製した。この浸
漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイコンを実施
例7と同様に処理し、本発明品10とした。
【0028】
【実施例11】澱粉濃度が5重量%となるように、水に
エーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、糖濃度が
20重量%、カルシウム濃度が0.05M、尿素濃度が
0.05重量%となるように、グルコース、乳酸カルシ
ウム及び参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成物を
溶解して浸漬液を調製した。この浸漬液を用いて、カッ
トしたニンジン又はダイコンを実施例7と同様に処理
し、本発明品11とした。
【0029】
【実施例12】安定剤濃度が2重量%となるように、水
にローカストビーンガムを添加し、さらに、糖濃度が2
0重量%、カルシウム濃度が0.05M、尿素濃度が
0.05重量%となるように、グルコース、乳酸カルシ
ウム及び参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成物を
溶解して浸漬液を調製した。この浸漬液を用いて、カッ
トしたニンジン又はダイコンを実施例7と同様に処理
し、本発明品12とした。
【0030】
【比較例2】糖濃度が20重量%となるように、水にグ
ルコースを溶解して浸漬液を調製した。この浸漬液に、
カットしたニンジン又はダイコンを投入し、沸騰させて
20分間加熱した後、室温で放冷した。そして、放冷し
たニンジン又はダイコンを−20℃で急速凍結処理し、
同温度で3日間凍結保存した。その後、電子レンジで加
熱解凍し、比較品2とした。
【0031】
【比較例3】カルシウム濃度が0.05Mとなるよう
に、水に乳酸カルシウムを溶解した浸漬液を調製した。
この浸漬液を用いてカットしたニンジン又はダイコンを
比較例2と同様に処理し、比較品3とした。
【0032】
【比較例4】参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成
物を使用し、尿素濃度が0.05重量%となるように、
水に乳由来の尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製し
た。この浸漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイ
コンを比較例2と同様に処理し、比較品4とした。
【0033】
【試験例2】本発明品3〜12及び比較品2〜4の食感
について、試験例1と同様に官能評価を行った。その結
果を表3に示す。
【0034】
【表3】 ───────────────────────────── ニンジン ダイコン ───────────────────────────── 本発明品3 3.2 2.9 本発明品4 3.1 2.9 本発明品5 3.0 3.3 本発明品6 3.1 3.0 本発明品7 3.7 3.5 本発明品8 3.5 3.8 本発明品9 3.4 3.5 本発明品10 3.6 3.3 本発明品11 4.0 4.2 本発明品12 4.2 4.4 比較品2 2.3 2.3 比較品3 2.1 1.9 比較品4 2.5 2.6 ─────────────────────────────
【0035】表3の結果から明らかなように、比較品2
は、やや水っぽくなかったが、軟らかく、歯ごたえがな
い食感であった。比較品3は、歯ごたえはあったが、筋
っぽく、水っぽく、また、比較品4も、やや水っぽくな
かったが、やや軟らかい食感であった。それに対し、本
発明品3及び4は、比較品2よりも硬く、歯ごたえのあ
る食感であり、本発明品5及び6は、比較品3よりも、
水っぽくない食感であった。また、本発明品7及び8
は、比較品2及び4よりも、硬く、水っぽくない食感で
あり、本発明品9及び10は、比較品3及び4よりも水
っぽくなく、筋っぽくない食感であった。さらに、本発
明品11及び12は、本発明品7〜10よりも水っぽく
なく、筋っぽくない、さくさくとした歯ごたえがあり、
野菜の持つ自然な硬さを有していて、好ましい食感であ
った。
【0036】
【実施例13】澱粉濃度が5重量%となるように、水に
エーテル化リン酸架橋澱粉を添加して浸漬液を調製し
た。この浸漬液と、カットしたニンジン又はダイコンを
耐熱性レトルトパウチ袋に充填し、加圧加熱殺菌機を用
いニンジン又はダイコンの中心部分のF値が10分とな
るように、120℃でレトルト殺菌した。処理後、冷
却、開封し、本発明品13とした。
【0037】
【実施例14】安定剤濃度が2重量%となるように、水
にローカストビーンガムを添加して浸漬液を調製した。
この浸漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイコン
を実施例13と同様に処理し、本発明品14とした。
【0038】
【比較例5】水とカットしたニンジン又はダイコンを耐
熱性レトルトパウチ袋に充填し、加圧加熱殺菌機を用い
ニンジン又はダイコンの中心部分のF値が120℃で、
10分となるようにレトルト殺菌した。処理後、冷却、
開封し、比較品5とした。
【0039】
【試験例3】本発明品13、本発明品14及び比較品5
の食感について、試験例1と同様に官能評価を行った。
その結果を表4に示す。
【0040】
【表4】 ───────────────────────────── ニンジン ダイコン ───────────────────────────── 本発明品13 2.2 2.5 本発明品14 2.3 2.2 比較品5 1.0 1.1 ─────────────────────────────
【0041】表4の結果から明らかなように、比較品5
は、舌でつぶせる程度に軟らかく、歯ごたえがなく、好
ましくない食感であった。それに対し、本発明品13及
び14は、比較品5よりも、硬く、歯ごたえがあり、や
や好ましい食感であった。
【0042】
【実施例15】澱粉濃度が5重量%となるように、水に
エーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、カルシウ
ム濃度が0.05Mとなるように乳酸カルシウムを溶解
して浸漬液を調製した。この浸漬液と、カットしたニン
ジン又はダイコンを耐熱性レトルトパウチ袋に充填し、
加圧加熱殺菌機を用いニンジン又はダイコンの中心部分
のF値が10分となるように、120℃でレトルト殺菌
した。処理後、冷却、開封し、本発明品15とした。
【0043】
【実施例16】安定剤濃度が2重量%となるように、水
にローカストビーンガムを添加し、さらに、乳酸カルシ
ウム濃度が0.05Mとなるように、乳酸カルシウムを
溶解して浸漬液を調製した。この浸漬液を用いて、カッ
トしたニンジン又はダイコンを実施例15と同様に処理
し、本発明品16とした。
【0044】
【実施例17】澱粉濃度が5重量%となるように、水に
エーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、尿素濃度
が0.05重量%となるように、参考例1で得られた乳
由来の尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製した。こ
の浸漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイコンを
実施例15と同様に処理し、本発明品17とした。
【0045】
【実施例18】安定剤濃度が2重量%となるように、水
にローカストビーンガムを添加し、さらに、尿素濃度が
0.05重量%となるように、参考例1で得られた乳由
来の尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製した。この
浸漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイコンを実
施例15と同様に処理し、本発明品18とした。
【0046】
【実施例19】澱粉濃度が5重量%となるように、水に
エーテル化リン酸架橋澱粉を添加し、さらに、カルシウ
ム濃度が0.05M、尿素濃度が0.05重量%となる
ように、乳酸カルシウム及び参考例1で得られた乳由来
の尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製した。この浸
漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイコンを実施
例15と同様に処理し、本発明品19とした。
【0047】
【実施例20】安定剤濃度が2重量%となるように、水
にローカストビーンガムを添加し、さらに、カルシウム
濃度が0.05M、尿素濃度が0.05重量%となるよ
うに、乳酸カルシウム及び参考例1で得られた乳由来の
尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製した。この浸漬
液を用いて、カットしたニンジン又はダイコンを実施例
15と同様に処理し、本発明品20とした。
【0048】
【比較例6】カルシウム濃度が0.05Mとなるよう
に、水に乳酸カルシウムを溶解して浸漬液を調製した。
この浸漬液と、カットしたニンジン又はダイコンを耐熱
性レトルトパウチ袋に充填し、加圧加熱殺菌機を用いニ
ンジン又はダイコンの中心部分のF値が10分となるよ
うに、120℃でレトルト殺菌した。処理後、冷却、開
封し、比較品6とした。
【0049】
【比較例7】参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成
物を使用し、尿素濃度が0.05重量%となるように、
水に乳由来の尿素含有組成物を溶解して浸漬液を調製し
た。この浸漬液を用いて、カットしたニンジン又はダイ
コンを比較例6と同様に処理し、比較品7とした。
【0050】
【試験例4】本発明品15〜20及び比較品6、比較品
7の食感について、試験例1と同様に官能評価を行っ
た。その結果を表5に示す。
【0051】
【表5】 ───────────────────────────── ニンジン ダイコン ───────────────────────────── 本発明品15 2.9 2.8 本発明品16 2.7 3.0 本発明品17 3.3 3.5 本発明品18 2.6 2.8 本発明品19 3.7 4.0 本発明品20 4.0 3.7 比較品6 2.1 2.0 比較品7 1.7 1.9 ─────────────────────────────
【0052】表5の結果から明らかなように、比較品6
は、硬く、歯ごたえがあったが、かなり筋っぽい食感で
あった。また、比較品7は、歯ごたえはあったが、やや
軟らかい食感であった。それに対し、本発明品15及び
16は、比較品6よりも、筋っぽくなく、歯ごたえがあ
り、また、本発明品17及び18は、比較品7よりも、
硬く、歯ごたえのある食感であった。さらに、本発明品
19及び20は、本発明品15〜18よりも、筋っぽく
ない、さくさくとした歯ごたえがあり、野菜の持つ自然
な硬さを有していて、好ましい食感であった。
【0053】
【発明の効果】本発明は、安定剤を含む浸漬溶液を用い
て野菜を浸漬処理して後、レトルト殺菌や凍結処理する
から、レトルト殺菌後や解凍後も、水っぽくなく、野菜
の持つ自然な硬さを有する優れた食感を有する加工済み
野菜を製造することができる。さらに、上記の浸漬液
に、糖及び/又は糖アルコール、カルシウム塩及び/又
はマグネシウム塩、尿素を溶解した浸漬液を使用した場
合には、安定剤のみを添加した浸漬液を浸漬液とした場
合と比較して、野菜組織の食感が、さらに、水っぽくな
く、野菜の持つ自然な硬さを一層有するものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑本 二美 埼玉県川越市並木43−1 コーポレート南 古谷駅前201 (72)発明者 河原 啓子 埼玉県所沢市けやき台1−30−1 パーク シティーガーデン201 (72)発明者 藤田 孝 埼玉県日高市大字高萩450−15 Fターム(参考) 4B016 LC05 LC06 LG05 LG08 LK01 LK02 LK07 LK08 LK09 LP06 LP11 LP13 4B069 AA01 CA04 HA01 HA02 HA06 KA10 KB03 KC13 KC21 KC29

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野菜類を安定剤を含む溶液に浸漬してレ
    トルト殺菌するか、又は該溶液に加熱下に浸漬し、次い
    で凍結させることを特徴とする加工済み野菜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 安定剤が、澱粉又は加工澱粉であること
    を特徴とする請求項1記載の加工済み野菜の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶液中の安定剤濃度が、0.1〜10重
    量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の加工
    済み野菜の製造方法。
  4. 【請求項4】 安定剤を含む溶液が、さらに糖及び/又
    は糖アルコールを含有することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の加工済み野菜の製造方法。
  5. 【請求項5】 糖及び/又は糖アルコールの濃度が、1
    〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の加工済み野菜の製造方法。
  6. 【請求項6】 安定剤を含む溶液が、さらにカルシウム
    塩及び/又はマグネシウム塩を含有することを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の加工済み野菜の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 カルシウム塩及び/又はマグネシウム塩
    の濃度が、0.001〜0.1Mであることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の加工済み野菜の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 安定剤を含む溶液が、さらに尿素を含有
    することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    加工済み野菜の製造方法。
  9. 【請求項9】 尿素の濃度が、0.005〜0.1重量
    %であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
    載の加工済み野菜の製造方法。
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