JP4633563B2 - 植物性キャンディ及び植物性ソフトキャンディの製法 - Google Patents

植物性キャンディ及び植物性ソフトキャンディの製法 Download PDF

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Description

本発明は、豆乳を含有する植物性キャンディ及びその製法に関する。
一般に、キャンディは砂糖、水飴などの糖類を主原料とし、乳製品、油脂、酸、食用色素、果実、ナッツ類、増粘剤等を副原料とする。特に、乳製品は風味向上を目的に、ゼラチンはチューイング性付与を目的に、しばしば用いられる。しかしながら、これらの原料は動物性原料であって、この動物性原料には多量のコレステロールが含有され、現代人に多い動脈硬化症はこのコレステロールが関係することが認められている。従って、キャンディにおいても、実質的に植物由来の原料主体で調製された植物性キャンディの需要が高まっている。
従来の植物性キャンディとしては、例えば、糖類として砂糖、水飴の他に少量のキシロースと、蛋白源として豆乳および/または大豆加工品と、油脂類として植物性油脂とを主要原料にする植物性原料からなるソフトキャンディが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記ソフトキャンディでは、ストレート豆乳を使用しており、豆乳を高含有とした場合にはストレート豆乳の量が大量になるために、煮詰めの工程で焦げ付いたり、煮詰めの時間が長くなって製造効率が悪化することや、ストレート豆乳の量が大量にできたとしてもコクや豆乳の濃厚感が得られず、またソフトキャンディの食感で重要となるチューイング性と歯への付着防止性について考慮されていないという問題点があった。
その他、ソフトキャンディ等の油性食品に加糖豆乳を使用することで、油性食品にソフトな食感を付与し得ることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。このソフトキャンディでは、加糖豆乳として、糖類の存在下に豆乳を濃縮したものを用いてもよいことが開示されている。
しかしながら、上記ソフトキャンディでも、やはりコクや豆乳の濃厚感が満足するものではなく、またソフトキャンディの食感で重要となるチューイング性と歯への付着防止性について考慮されていない。また、豆乳は、大豆固形分として4重量%未満しか添加できない。
他方、ソフトキャンディのチューイング性付与に関しては、プルラン0.2〜5重量%及びカラギナン0.2〜5重量%を含ませることにより、噛みごたえのあるソフトな食感を有し、歯への付着が防止され、保存時の保型性が良好であることが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記ソフトキャンディでは、プルラン又はカラギナン単体の場合には、食感及び保存の状態の少なくとも一方に改善の余地があった。
特公昭59−7411号公報 特開2004−236510号公報 特開2004−105105号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、キャンディの種類に拘わらず、コレステロール値を抑えることができ、豆乳を多く含有していても煮詰め工程の時間を短縮して製造適性を上げると共に、焦げつきが生じることな
く、コク及び豆乳の濃厚感を有し、更にソフトキャンディの場合には、従来のソフトキャンディのチューイング付与剤であるゼラチンの含有量を低減させたり、含有させない場合であっても、従来のソフトキャンディと遜色ないチューイング食感、成形性、保形性及び歯付き抑制効果を有する植物性キャンディを提供するにある。
本発明は、豆乳を含有する植物性キャンディであって、上記豆乳が濃縮豆乳であることを特徴とする植物性ハードキャンディにより上記目的を達成する。
好ましくは、コレステロール値が0%である。
本発明は、豆乳を含有する植物性キャンディであって、上記豆乳が濃縮豆乳であり、更に増粘多糖類を含有することを特徴とする植物性ソフトキャンディにより上記目的を達成する。
好ましくは、更に、澱粉を含有する。更に好ましくは、増粘多糖類がプルランである。また、コレステロール値が0%であることが好ましい。また、ゼラチンを含有しないことが更に好ましい。
また、本発明は、下記の工程を順次備えてなることを特徴とする植物性ソフトキャンディの製法により上記目的を達成する。
(1)糖質甘味料と水性媒体とを含有する混合物を、加熱溶解後、均一化する工程
(2)上記溶解物に、濃縮豆乳を加えて煮詰め、所定の水分量に調整したキャンディ生地を得る工程
(3)上記キャンディ生地に、増粘多糖類を加え、混合する工程
(4)上記(3)で得られたキャンディ生地を成形する工程
すなわち、本発明者らは、ハードキャンディやソフトキャンディ等のキャンディの種類に拘わらず、食品100g中コレステロールが10mg以下の低コレステロール値であってもコク及び豆乳の濃厚感を有する方法について、鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、濃縮豆乳を用いると、コレステロール値を抑えながらも、コク及び豆乳の濃厚感を付与することができ、豆乳を高含有させた場合でも煮詰めの際に焦げつきが起こらず、煮詰め時間も短縮できて製造効率が良好な植物性キャンディが得られることを見出した。
また、ソフトキャンディの場合は、上記に加えてチューイング性、成形性、保形性及び歯付き抑制の全てが良好となるよう検討した結果、動物性原料であるゼラチンの含有量を低減もしくは含有しない場合でも、濃縮豆乳と増粘多糖類とを組合せること、更に好ましくは澱粉を組合せることにより、増粘多糖類の種類や組合せを問わず、従来のソフトキャンディと遜色のないチューイング性、成形性、保形性及び歯付き抑制が得られることを見出し、本発明に到達した。
本発明の植物性キャンディによれば、煮詰め工程での熱履歴を最小限に抑制したり、焦げつき防止効果及び煮詰め時間短縮による製造適性向上効果が得られると共に、従来よりも豆乳を多く含有させることが出来、コク及び豆乳の濃厚感があり、コレステロール値が0%となるようにも設計できる。
また、特にソフトキャンディの場合は、濃縮豆乳に、増粘多糖類、更に好ましくは澱粉を組合せることで、増粘多糖類の種類や組合せを問わず、ゼラチンの含有量を抑制したり、含有させない場合でも、従来のソフトキャンディ(ゼラチンを固形分換算で約1.5〜2%含有)と遜色のないチューイング性、成形性、保形性及び歯付き抑制効果を有した植物性ソフトキャンディを得ることができる。
また、本発明の植物性キャンディは、従来のキャンディにおいて一般的に用いられてきた乳原料、ゼラチン等を含まない設計とすることが可能なため、乳及び/又はゼラチン等のアレルギーの人へもキャンディを安心して提供できる。
さらに、本発明の植物性キャンディの製造には、特殊な装置は必要なく、従来のキャンディ製造装置で製造することができる。
次に、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の植物性キャンディとは、実質的に動物性原料を含有しないキャンディである。すなわち、本発明は、動物性原料が、固形分換算で植物性キャンディ全体重量中1.5重量%未満であるという主旨であるが、好ましくは、動物性原料を全く用いないことが望ましい。
なお、本発明の植物性キャンディは、動物性原料を実質的に含有しなければよく、塩等の鉱物等が含有されていてもよい。
本発明の植物性キャンディは、従来の動物性原料が主体で構成されるキャンディに比べ、コレステロール値を抑えることができるが、好ましくはコレステロール値が0.01%以下、更に好ましくは0%に設定されることが望ましい。コレステロール値が0%とは、健康増進法で定められている通り、食品100g中のコレステロールが5mg未満であることを意味する。なお、食品中に含まれるコレステロール量は、ガスクロマトグラフィーで測定すればよい。
一般に、砂糖菓子の一種であるキャンディは、ハードキャンディとソフトキャンディとに分類することができる。
ハードキャンディは、概ね水分1〜5重量%のハードキャンディ生地を用いたものであり、硬い食感を有するものである。これに対し、ソフトキャンディは、概ね水分を5〜15重量%程度に煮詰めたソフトキャンディ生地を用いたものであり、チューイング性を有するものである。
本発明の植物性キャンディは、ハードキャンディ、ソフトキャンディのいずれの種類でも良いが、特にソフトキャンディとした場合には、高いチューイング性、成形性及び保形性を有し、歯付きをも防止できるという点で好ましい。
本発明におけるハードキャンディは、上記ハードキャンディ生地のみからなるものだけではなく、チューインガム、ソフトキャンディ、グミ、ゼリー、糖衣等と組合せたものであってもよい。
本発明におけるソフトキャンディとは、キャラメル等のチューイング性を有するソフトキャンディ類だけでなく、グミやペクチンゼリー等も包含する。また、ソフトキャンディは、ソフトキャンディ生地のみからなるものだけではなく、ゼリービーンズ等のような糖衣、ガム等と組合せたものであってもよい。
次に、本発明にかかる濃縮豆乳の原料となる豆乳は、特に限定するものではなく、市販や業務用豆乳等から適宜選択すればよい。
上記豆乳は、公知の製造方法で製造されたものでよく、例えば、大豆を水に浸漬して膨潤大豆とし、これを微粉砕して懸濁液を得、適宜この懸濁液を加熱した後、これを遠心分離機等によって固液分離を行い、おからに相当する不溶性残渣を除去することにより豆乳を調製すればよい。
上記豆乳には、各種副原料が含有されていてもよい。また、得られた豆乳又は豆乳調製工程中の大豆原料に、適宜蛋白質架橋酵素を作用させ、滅菌処理を行ってもよい。
上記濃縮豆乳は、上記豆乳を濃縮したものであれば特に限定をするものではないが、そ
の濃縮率は好ましくは1.5倍以上、更に好ましくは1.7倍以上であることが濃厚感、豆乳本来のうまみやコクを付与し得る点で好適である。
上記濃縮豆乳は、濃縮豆乳全体重量中の大豆固形分が、好ましくは8〜30重量%、更に好ましくは10〜25重量%、より好ましくは15〜25重量%であることが、濃厚感及び豆乳本来のうまみやコクを得ることができると共に、操業性の点で望ましい。本発明においては、単独の豆乳であっても、それぞれ大豆固形分量の異なる2種以上の豆乳を組合せて用いてもよい。
上記濃縮豆乳は、炭水化物を濃縮豆乳全体重量中2.5重量%以上含有し、かつ重量比で蛋白質1に対し炭水化物0.4以上に設定されることが、煮詰め工程で焦げ付きを防止し、コク及び濃厚感を付与する点で重要である。更に好適には、炭水化物を4重量%以上含有することが望ましい。
なお、上記炭水化物及び蛋白質が、豆乳及び豆乳以外の原料由来の混合である場合には、少なくとも豆乳由来のもの単独で上記特定含有量及び比率を満たすことが、コクや豆乳特有の濃厚感を付与し得る点で望ましい。
上記濃縮豆乳の含有量は、固形物換算で植物性キャンディ全体重量中、好ましくは1〜5.1重量%であることが、風味、食感及び煮詰め工程での焦げ付き防止の点で好適である。
上記濃縮豆乳の濃縮方法は、特に限定するものではなく、例えば真空蒸発濃縮、凍結濃縮、膜濃縮等が挙げられる。
上記真空蒸発濃縮の装置としては、例えば、エバポレーター、遠心薄膜真空蒸発装置((株)大川原製作所)、プレート式濃縮試験機REV−T2型((株)日阪製作所)、品川式真空濃縮機((株)品川工業所)、多機能型氷温濃縮機(大青工業(株))、大型ロータリーエバポレータN−21NS型(東京理化器械(株))、遠心式濃縮装置(CEHシリーズ)((株)アルバック)等が挙げられる。
上記凍結濃縮の装置としては、例えば、凍結濃縮装置NFC(ニロジャパン(株))、凍結濃縮システムFREECIS(新日本空調(株))、前進凍結濃縮装置((株)前川製作所)等が挙げられる。
上記膜濃縮の装置としては、日本ポール(株)、日本ガイシ(株)等で販売される、一般的な膜を用いて行えばよい。
上記濃縮方法の中でも、好適には真空蒸発濃縮法が、更に好適には(株)大川原製作所製の遠心薄膜真空蒸発装置(エバポール(登録商標)等)を用いた真空蒸発濃縮法は、短時間で所定の比率に濃縮でき、栄養成分的にロスが非常に少なく、また、炭水化物と蛋白質の濃縮比を好適な範囲に調整しやすく乳製品に匹敵する濃度感を付与でき、且つ、豆乳の青臭みが低減され風味がよいという点で好ましい。
上記濃縮方法における濃縮条件は、特に限定するものではなく、適宜設定すればよい。
なお、上記濃縮豆乳に加糖する場合は、濃縮後に加糖することが、炭水化物と蛋白質の濃縮比を好適な範囲に調整する点で望ましい。
また、本発明の植物性キャンディの種類がソフトキャンディである場合には、上記濃縮豆乳の他に、増粘多糖類を含有させることが、チューイング性、保形性及び歯付き抑制の点で重要である。
上記増粘多糖類としては、増粘させる効果がある多糖類であれば特に限定するものではなく、具体的には、アラビアガム、アルギン酸ナトリウムまたはその塩、カラギナン、寒天、キサンタンガム、グアーガム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、タラガム、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガム等が挙げられ、適宜単独もしくは複数組み合わ
せて用いればよい。この中でも、特にプルランは、溶解性、チュ−イング性及び風味の点で好適である。
上記プルランとは、微生物発酵母であるプルラリア・プルランスを培養する時、培養液中に生産される粘性の多糖類であり、培養液により菌体分離、脱色、濃縮、乾燥して精製したプルランは、無味、無臭、非結晶性、白色不定形粉末である。具体的には、林原(株)製「プルランPF−20」等が挙げられる。
上記増粘多糖類の含有量は、固形分換算で植物性ソフトキャンディ全体重量中、好ましくは0.3〜3重量%、更に好ましくは0.7〜3重量%であることが、特に、プルランを用いる場合は、好ましくは0.3〜3重量%であることがチューイング性、保形性及び歯付き抑制の点、その他に、キャンディ生地に弾力が出すぎて成形時(例えばキャンディ生地を延伸してロープ状にした時)にロープが縮んで成形性が悪くなることが抑制される点で好適である。
また、本発明の植物性ソフトキャンディには、更に澱粉を含有させることが、チューイング性、保形性、成形性、歯付き抑制の点で好適である。
上記澱粉としては、穀類、いも類、豆類等に含まれる澱粉であれば特に由来は限定しない。この中でも、保形性の点で、澱粉ゲル強度の高い穀類澱粉が好ましい。更に好ましくは、蛋白質1重量%以下、且つ炭水化物80重量%以上の澱粉であることが、チューイング性、保形性、成形性を付与しつつ、風味に優れる点で好適である。このような澱粉として最も適しているのは、米澱粉である。
上記澱粉の含有量は、固形分換算で植物性ソフトキャンディ全体重量中、好ましくは2〜5重量%、更に好ましくは2〜3重量%であることが、チューイング性、保形性、成形性、歯付き抑制、食感及び煮詰め時の粘度上昇抑制の点で好適である。
なお、上記増粘多糖類及び澱粉は、ハードキャンディにおいてもキャンディの割れ防止や糖衣する場合の原料等で使用可能であるが、ハードキャンディの物性を考慮し、適宜含有量を設定すればよい。
また、本発明の植物性キャンディには、上記濃縮豆乳、増粘多糖類、澱粉以外に、本願の目的を損なわない範囲であれば、適宜選択した副原料を用いてもよい。例えば、糖質甘味料(果糖,ブドウ糖,タガトース,アラビノース等の単糖類や、乳糖,トレハロース,麦芽糖,ショ糖等の二糖類、粉末水あめ等の多糖類といった結晶性糖類や、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖や、水あめ,糖アルコール等の非結晶性糖類等)、非糖質甘味料(アセスルファムK、ステビア、スクラロース等)、植物性油脂、酸味料、安定剤、乳化剤、着香料、着色料、各種果物の果肉、果汁、乾燥果実、種実類、濃縮豆乳以外の豆乳(ストレート豆乳,粉末豆乳等)、各種風味原料(コーヒー、茶類、ココア、酒類、ハーブ類等)、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維、美肌成分(コラーゲン,ヒアルロン酸等)等が挙げられる。この中でも、好適には、コレステロール値が0%の副原料を用いることが望ましい。これらは、単独でも複数組合せて用いてもよい。
また、その他には、ゼラチン、コラーゲン、卵白、乳蛋白等動物性蛋白質(誘導蛋白質、硬蛋白質等)等の動物性原料を本発明の主旨から逸脱しない範囲で用いてもよい。しかしながら、本発明のソフトキャンディにおいては、増粘多糖類で良好な食感を得ることができるため、特に従来のチューイング性付与剤であるゼラチンを含有させないことが好適である。なお、上記ゼラチンとは、その由来は特に問わず、牛、豚、鳥、魚等から得られるものであればいずれでも該当するものである。
本発明の植物性キャンディは、例えば以下のようにして製造される。
すなわち、予め豆乳を適宜の方法で濃縮し、炭水化物を濃縮豆乳全体重量中2.5重量%以上含有し、かつ重量比で蛋白質1に対し炭水化物0.4以上に設定された濃縮豆乳を準備しておく。
次に、糖質甘味料と水性媒体と、好ましくは澱粉とを含有する混合物を、加熱溶解し、均一化する。なお、この工程においては、濃縮豆乳及び増粘多糖類は、未添加の状態にする。
上記水性媒体は、特に限定するものではなく、上水道水、各種水溶液等が挙げられる。
上記加熱は、混合物中の結晶性糖類が水性媒体に完全に溶解する程度に加熱すればその温度は特に限定するものではないが、具体的には100℃程度でよい。
次いで、上記溶解物に、濃縮豆乳及び必要に応じて植物性油脂等の油脂類を加え、真空クッカー等の一般的なキャンディ用煮詰め装置で煮詰め、所定の水分量に調整したキャンディ生地を調製する。
この煮詰め工程の条件は、特に限定するものではないが、ハードキャンディならば、最終製品の水分値が1〜5重量%程度になるように、後工程で添加する原料に含まれる水分量を考慮した設定温度まで煮詰めればよい。ソフトキャンディならば、最終製品の水分値が5〜15重量%程度になるように、後工程で添加する原料に含まれる水分量を考慮した設定温度まで煮詰めればよい。
次いで、上記キャンディ生地に、必要に応じその他副原料を添加、混合する。ソフトキャンディの場合には、増粘多糖類を合わせて添加、混合する。この際、予め増粘多糖類を水溶液化させておくことがキャンディ生地への浸透性の点で好適である。なお、水溶液化する際、湯せん等を適宜組合せてもよい。
その後、必要に応じて、ソフトキャンディの場合は、ソフトキャンディ生地を1晩程度エージングする。エージングすることにより、生地内の糖結晶が安定するため、噛み始めの歯付き防止の点で好適である。
エージング条件は、生地品温が30〜40℃程度となるように環境条件を設定することが結晶化の促進及び噛み始めの歯付き防止の点で好適である。
次いで、上記キャンディ生地を成形する。
成形方法は、特に限定するものではないが、例えば、エクストルーダーを用いてキャンディ生地を押し出した後、ローラー等によってロープ成形したり、バッチフォーマーを用いてロープ成形した後、スタンピングまたはカッティング成形したり、更には、キャンディ生地を圧延機により、シート状に切断成形したり、モールドにキャンディ生地を流し入れて冷却成形したりする等が挙げられる。これらの方法は必要に応じて適当なものを選択すればよい。
このようにすることで、本発明の植物性キャンディが得られる。
この植物性キャンディを製品化する際には、適宜包装体で包装すればよい。好ましくは、包装体の材質がアルミ、アルミ蒸着、ガラス蒸着等の防湿性で密封可能な材質であることが、包装後植物性キャンディの水分値が変化せず、風味及び食感を維持出来る点で好適である。特に、植物性キャンディがソフトキャンディの場合には、チューイング性、保形性、歯付き防止効果をも維持出来るという点でよい。
以下、実施例を用いて説明する。
<実施例1>
≪植物性ハードキャンディの調製≫
表1の実施例1の処方に従い、まず、砂糖、水飴、還元水飴、米澱粉と上水道水との混合物を、約100℃に加熱して上記原料を水に完全に溶解して均一化した。次いで、上記溶解物に、濃縮豆乳、続いて植物性油脂を加え、攪拌混合して均一化した後、連続式真空クッカーで、真空度500mmHg、煮詰め温度120〜125℃で煮詰め、キャンディ生地を調製した。その後、このキャンディ生地に、乳化剤及び香料を添加、混合した後、2g/粒の球状にスタンピング成形し、水分値3.2%の植物性ハードキャンディを得た。
なお、濃縮豆乳は、ストレート豆乳(紀文(株)製「業務用豆乳」、大豆固形分約9.9%、炭水化物含有量2.0重量%、蛋白質含有量4.4重量%)を薄膜遠心濃縮法によって、濃縮したもの(大豆固形分約19.4%、炭水化物含有量4.1重量%、蛋白質含有量8.5重量%)を用いた。
また、コントロールとして、上記濃縮豆乳のわりに、上記ストレート豆乳を固形分換算で同量用い、水分値3.2%のハードキャンディを調製した。
上記のようにして得られた実施例1品及びコントロール品は、共に植物性原料で構成され、コレステロール値が0%(ガスクロマトグラフィーにて測定)であった。
更に、専門パネラー10名で、風味を評価した。
その結果、実施例1品はコントロールに比べてコクがあり、豆乳の濃厚感が顕著に得られ、豆乳感が心地よいハードキャンディであった。
また、実施例1品は、焦げ付きなく目的の水分値とすることが出来たが、コントロール品では、煮詰前の水分量が多いので、煮詰めに時間がかかり、実施例1品と比べると焦げ付きも生じた。更には、ハードキャンディはソフトキャンディに比べ、水分含量が低いため、煮詰め時間が長くなる傾向にあるが、コントロール品が60分以上かかったにも拘わらず、実施例1品は50分程度で煮詰めることができた。
<実施例2〜12及び比較例1〜2>
≪植物性ソフトキャンディの調製≫
表1の処方に従い、下記のとおり調製した。
(1)キャンディ生地の調製
砂糖、水飴、還元水飴、米澱粉、上水道水の混合物を、約100℃に加熱して完全に予備溶解して、均一化した。
次いで、上記溶解物に、植物性油脂、濃縮豆乳あるいはストレート豆乳を加え、攪拌混合し、均一化した後、真空クッカーで、真空度540mmHg、煮詰め温度約100℃で煮詰め、煮詰め所要時間を確認しながらキャンディ生地を調製した。
なお、濃縮豆乳、ストレート豆乳は、実施例1及びそのコントロールで使用したものを用いた。
(2)増粘多糖類の添加
上記で得られたキャンディ生地に、予め少量の上水道水に完全溶解させた増粘多糖類水溶液(プルラン:林原株式会社製「PF-20」又はカラギナン:三栄源FFI社製「ゲルリッチNo.4」)と、乳化剤(理研ビタミン株式会社製「ポエムB200」)及び結晶種となる砂糖及び香料を加え、よく混合した。
(3)エージング及び成形
その後、品温30℃となるよう1晩放置しエージングした後、5g/粒のブロック状に成形することにより、表1記載の水分値に調整された植物性ソフトキャンディを得た。
以上のようにして得られた植物性ソフトキャンディは、全て植物性原料で構成され、コ
レステロール値が0%(ガスクロマトグラフィーにて測定)であった。更に、風味及び食感(チューイング性、歯付き抑制効果)、保形性について、また、成形時には成形性について、専門パネラー10名で評価した結果を表1に合わせて示す。
Figure 0004633563
評価の結果、実施例2〜12では、煮詰めにかかる時間は、従来品である比較例1〜2品に比べて短縮されており、焦げ付きも見られず、コク及び豆乳の濃厚感があった。また、ゼラチンが含有されていないにも拘わらず、ゼラチンを1.5重量%含有したソフトキャンディとほぼ遜色ないチューイング性、成形性及び保形性を有し、歯付きが抑制された植物性ソフトキャンディが得られた。特に実施例2は、全ての項目で最良の結果を得ることが出来、好適であった。
これに対し、比較例1、2は、煮詰めに長時間を要し、製造適性が悪く、焦げ付きも生じたため、コクや濃厚感がなく、焦げ臭がする風味であった。更に、比較例1は、チュ−イング性がなく、成形性及び保形性が悪く、噛み始めるとすぐに歯付きが生じた。

Claims (8)

  1. 豆乳を含有する植物性キャンディであって、上記豆乳が濃縮豆乳であり、かつ該濃縮豆乳を、固形物換算で植物性キャンディ全体重量中、1.0〜5.1重量%含有し、更に増粘多糖類を含有することを特徴とする植物性ソフトキャンディ。
  2. 更に、澱粉を含有する請求項1記載の植物性ソフトキャンディ。
  3. 増粘多糖類がプルランである請求項1記載の植物性ソフトキャンディ。
  4. コレステロール値が0%である請求項1乃至3の何れか1項に記載の植物性ソフトキャンディ。
  5. ゼラチンを含有しない請求項1乃至4の何れか1項に記載の植物性ソフトキャンディ。
  6. 下記の工程を順次備えてなることを特徴とする植物性ソフトキャンディの製法。
    (1)糖質甘味料と水性媒体とを含有する混合物を、加熱溶解後、均一化する工程
    (2)上記溶解物に、濃縮豆乳を固形物換算で植物性キャンディ全体重量中、1.0〜5.1重量%含有するように加えて煮詰め、所定の水分量に調整したキャンディ生地を得る工程
    (3)上記キャンディ生地に、増粘多糖類を加え、混合する工程
    (4)上記(3)で得られたキャンディ生地を成形する工程
  7. 濃縮豆乳を、固形物換算で植物性ソフトキャンディ全体重量中、1.0〜5.1重量%含有する植物性ソフトキャンディ用歯付き防止剤であって、歯付き防止成分として米澱粉及びプルランを含有することを特徴とする植物性ソフトキャンディ用歯付き防止剤。
  8. 濃縮豆乳を、固形物換算で植物性ソフトキャンディ全体重量中、1.0〜5.1重量%含有する植物性ソフトキャンディの歯付き防止方法であって、歯付き防止成分として米澱粉及びプルランを使用することを特徴とする植物性ソフトキャンディの歯付き防止方法。
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