JP2017029049A - シューパフ改良材及びシュー生地 - Google Patents
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Description
また、シューパフは、澱粉の糊化度が高いこと、及び、一般的に糖類を含まない生地配合であることから、もともと老化しやすいことに加え、生クリームやカスタードクリーム等の冷蔵を要するクリームを充填して、冷蔵で流通・販売することが一般的であるために、ベーカリー製品の中では特に老化しやすいものであり、比較的短時間で歯切れが悪化してしまう問題があった。
一方、デキストランは製パン分野において老化防止(例えば特許文献5参照)や、冷凍障害の防止(例えば特許文献6参照)などの効果が知られているが、シューパフに対する効果は知られていない。
本発明は、上記知見により得られたものであり、分子量20万以下のデキストランを含有するシューパフ改良材を提供するものである。
また、本発明のシュー生地を焼成すると、体積・内相とも良好で、且つ、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフを安定して得ることができる。
デキストランとは、グルコースを構成糖とし、α−1,6グリコシド結合による主鎖と、一部、α−1,4グリコシド結合及び/又はα−1,3グリコシド結合を有するという構造を有する、微生物が生産する多糖類の1種である。
一般的には、乳酸菌等の細菌をショ糖を含有する培地で培養した際に、該細菌が有する又は該細菌が産生するデキストランスクラーゼによるグルコース転移反応によって生成する。また、デキストランスクラーゼを、ショ糖を含有する溶液や生地に作用させることにより得られる。
なお、デキストランとしては上記のようにデキストランスクラーゼ又はそれを有する細菌を用いて得られたデキストランに加え、該デキストランを部分的に加水分解して精製した分岐構造の少ないものも市販されている。
ここで、デキストランの分子量が20万を超えると、得られるシューパフがもっちりした食感になってしまい、良好な歯切れが得られない。また、シュー生地の物性に影響が出てしまうという問題がある。
尚、本発明において分子量とは質量平均分子量をいう。
また、デキストランの分子量の下限は、一般的に0.5万である。デキストランの質量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィにより測定する。
ここで、本発明のシューパフ改良材における上記分子量20万以下のデキストランの配合割合が0.1質量%未満であると、少ない添加量でシューパフ改良効果を付与するというシューパフ改良材としての意義がなくなるおそれがある。
本発明のシューパフ改良材中の上記分子量20万以下のデキストランの存在形態は、上記分子量20万以下のデキストランが水相に溶解した形態であることが好ましい。
上記水相に使用する水としては、特に限定されず、天然水や水道水等が挙げられる。
上記油相に使用する油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のシューパフ改良材が水中油型の形態である場合、本発明のシューパフ改良材における油分含量は、下記のその他の原材料中に含まれる油脂分も含めた油分含量が、好ましくは3質量%〜50質量%、更に好ましくは5質量%〜40質量%、より好ましくは8質量%〜40質量%であり、最も好ましくは12質量%〜30質量%となる量である。
高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンであり、従来の澱粉加水分解物とは異なり、環状を構成することにより還元末端がほとんどない構造を有し、DE(デキストロース当量)は5未満であり、水溶性が高く、その溶液の透明性が高いこと、他のデキストリンと異なり分子量分布が狭いという特徴を有する。上記の内分岐環状構造部分とは、α−1,4グリコシド結合とα−1,6グリコシド結合とで形成される環状構造部分であり、上記の外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である。
上記高度分岐環状デキストリンの配合割合が、上記分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し、0.1質量部未満であると、上記分子量20万以下のデキストランとの相乗効果が認められず、10質量部を超えると、得られるシューパフがもちもちした食感となってしまう。
上記の乳原料としては、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料であればどのようなものでも構わないが、具体的な例としてクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。先ず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明では、上記の乳原料を更に濃縮したものや乾燥したもの、冷凍処理をしたもの等を用いることも可能であるが、溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。
先ず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))×25.4×(0.1/1000)
上記酸の添加によるpHの調整は、上記酸を上記乳原料自体に添加することにより行ってもよいし、上記乳原料と、分子量20万以下のデキストラン等のシューパフ改良材の材料とを混合する際に、又は混合後に上記酸を添加することにより行ってもよい。
上記カルシウム塩としては塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム等が例示され、このうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては得られるシューパフの風味が良好である点で塩化カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを使用することが好ましい。
上記のその他の成分としては例えば、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料、澱粉類、蛋白質、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料以外の乳や乳製品、卵製品、穀類、無機塩、有機酸塩、キモシン等の蛋白質分解酵素、トランスグルタミナーゼ、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)、α―アミラーゼ、グルコアミラーゼ等の糖質分解酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー、乾燥果実、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、高度分岐環状デキストリン以外のデキストリン類、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
但し本発明では、得られるシューパフの体積の減少を防ぎ、食感が歯切れ性の悪化、更には口溶けの悪いものになることを避けるため、上記分子量20万以下のデキストランと高度分岐環状デキストリンを合計した含有量以上のゲル化剤や安定剤は使用しないことが好ましい。
例えば、本発明のシューパフ改良材の形態が顆粒状、或いは粉末状の場合は、粉体混合用混合機を使用し、各原料を混合することによって得る方法や、各原料を含有する水溶液や懸濁液或いは水中油型乳化物を製造し、製造した水溶液等をスプレードライやフリーズドライ等により粉末化する方法を挙げることができる。
該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、或いは直火等の加熱調理により行うことができる。そして前記水相を冷却することにより、本発明のシューパフ改良材が得られる。
また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。
詳しくは、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油相を用意する。そして、この水相と油相を、好ましくは45〜75℃で予備乳化し、油中水型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。殺菌方法は、タンクでのバッチ式、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式等の何れの方法を用いてもよい。
次に、前記予備乳化物を冷却し、結晶化することにより油中水型の本発明のシューパフ改良材が得られる。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−1℃/分以上とする。この際、徐冷却よりも、急速冷却の方が好ましい。尚、冷却可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンピネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
詳しくは、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油相を用意する。そして、この水相と油相を、好ましくは45℃〜75℃で予備乳化し、水中油型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。
該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、或いは直火等の加熱処理により行うことができる。そして前記予備乳化物を冷却することにより、本発明のシューパフ改良材が得られる。
また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。
本発明のシュー生地は、シュー生地で用いる澱粉類100質量部に対して、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部、好ましくは0.1質量部〜1.5質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部含有するものである。
本発明のシュー生地では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%使用する。
上記シュー生地で使用する油脂類としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂、また、それらを使用して得られたバター、マーガリン、ショートニング、液状油、ラード、ヘット、クリーム等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
なお、上記シュー生地中の水は、その一部又は全部を、下記の任意の原材料に記載の例えば、牛乳、クリーム、果汁等の、水を多く含む食品や食品素材で置換しても良い。
本発明のシュー生地は、本発明のシューパフ改良材をシュー生地の製造時に練り込むことにより、製造することができる。シュー生地に対する本発明のシューパフ改良材の使用量は、シュー生地で用いる澱粉類100質量部に対して、分子量20万以下のデキストランが0.02質量部〜3質量部、好ましくは0.1質量部〜1.5質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部となる量である。
なお、本発明のシューパフ改良材が、分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリン及び/又は乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有する場合の使用量は、上述のとおりである。
本発明のシューパフは、本発明のシューパフ生地を焼成、フライ、蒸しなどの加熱処理、好ましくは焼成することにより得られたものである。
なお、シューパフ生地を焼成する際は、通常、天板あるいはコンベア上に積置するが、焼型に入れて焼成してもよい。焼成する際の温度は、通常のシューケース同様、好ましくは160℃〜250℃、より好ましくは170℃〜220℃である。焼成温度が160℃未満であると火どおりが悪く、焼成時間が延びてしまうことに加え、窯落ちが発生するおそれがある。また焼成温度が250℃を超えると、シューパフが焦げついてしまい、外観が悪化することに加え体積も劣ったものとなってしまうおそれがある。なお、焼成時に蓋をかぶせる等の方法で蒸気圧を高めた状態で焼成することで、さらに容積の大きなシューケースとすることも可能である。
本発明のシューパフの改良方法は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部、好ましくは0.1質量部〜1.5質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部添加したシュー生地を用いるものである。
なお、本発明のシューパフの改良方法において、分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリン及び/又は乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を添加することが好ましい。
高度分岐環状デキストリンを添加する場合、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、0.05質量部〜10質量部、好ましくは0.1質量部〜4.5質量部となる量を添加することが好ましい。
乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を添加する場合、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、乳固形分として0.06質量部〜1.2質量部、好ましくは0.1質量部〜1.0質量部を添加することが好ましい。
〔実施例1〕
分子量1万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のシューパフ改良材1とした。
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のシューパフ改良材2とした。
分子量20万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のシューパフ改良材3とした。
分子量50万のデキストラン2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例のシューパフ改良材4とした。
分子量500万のデキストラン2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例のシューパフ改良材5とした。
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水86質量部を添加し、更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材6を得た。
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水85.97質量部を添加し、更にフィチン酸0.03質量部を添加して、pHを5.5に調整した。更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材7を得た。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から7.2質量部に、水の配合量を85.97質量部から88.78質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.02質量部に変更した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明のシューパフ改良材8を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から4質量部に、水の配合量を85.97質量部から91.99質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.01質量部に変更した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明のシューパフ改良材9を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部、高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製))4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)4質量部に水89.99質量部を添加し、更にフィチン酸0.01質量部を添加してpHを5.5に調整した。更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材10を得た。
高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製))の配合量を4質量部から1.6質量部に、水の配合量を89.99質量部から92.39質量部に変更した以外は実施例8と同様の配合・製法で本発明のシューパフ改良材11を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)
[実施例10〜25及び比較例3〜5]
得られたシューパフ改良材1〜11を用いて、下記の[表1]に記載の配合で、下記の製法によりシュー生地及びシューパフを製造した。尚、表1中の数値は質量部である。
水及びシューマーガリンをミキサーボウルに投入し軽く混合後、加熱し沸騰させたところに、薄力粉を加え、木へらで1分撹拌しながら、十分に糊化させた。縦型ミキサーにこのミキサーボウルをセットし、ビーターを使用し、高速で2分ミキシングした。さらに全卵(正味)及び重炭安を3回に分けて投入し、投入毎に中速で1分ミキシングし、さらに、上記シューパフ改良材を添加し、低速で1分ミキシングして均一な生地とした。
平天板に上記シュー生地を30g絞り、固定オーブンで上火190℃、下火200℃で15分焼成後、上火と下火を切り替え、さらに上火190℃、下火180℃で15分焼成し、シューケースを得た。
得られたシューパフについては下記の評価に供した。
得られたシューパフの体積及び内相を下記の評価基準に従って評価を行い、表2に結果を示した。
(評価基準)
◎:膨らみが非常に良好であり、部屋別れのない大きな単一の空洞を有する。
○:膨らみが良好であり、部屋別れのない単一の空洞を有する。
△:膨らみが不十分であり、体積がやや小さい。
×:膨らみが悪く、体積が非常に小さい。
(評価基準)
・歯切れ
5点:非常に歯切れが良い。
3点:歯切れが良い。
1点:歯切れが悪い。
0点:非常に歯切れが悪い。
〔実施例26〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、シュガーエステル0.1質量部を水75.9質量部に添加、分散・溶解し、水相を得た。ここにパーム分別軟部油20質量部からなる油相を添加・混合、乳化し、予備乳化物を得た。該予備乳化物をUHT加熱処理(142℃、4秒)を行った後、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材12を得た。
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)7.2質量部、シュガーエステル0.1質量部を水68.68質量部に添加、分散・溶解し、更にフィチン酸0.02質量部を添加してpHを5.5に調整した水相を得た。ここにパーム分別軟部油20質量部からなる油相を添加、混合、乳化し、予備乳化物を得た。該予備乳化物をUHT加熱処理(142℃、4秒)を行った後、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材13を得た。
[実施例28〜30及び比較例6]
得られたシューパフ改良材12及び13並びに実施例6で得られたシューパフ改良材8を用いて、下記の[表3]に記載の配合で、上記の製法によりシュー生地及びシューパフを製造した。尚、表3中の数値は質量部である。
水及びシューマーガリンをミキサーボウルに投入し軽く混合後、加熱し沸騰させたところに、薄力粉を加え、木へらで1分撹拌しながら、十分に糊化させた。縦型ミキサーにこのミキサーボウルをセットし、ビーターを使用し、高速で2分ミキシングした。さらに全卵(正味)、重炭安及び重曹を3回に分けて投入し、投入毎に中速で1分ミキシングし、さらに、上記シューパフ改良材を添加し、低速で1分ミキシングして均一な生地とした。
平天板に上記シュー生地を30g絞り、固定オーブンで上火190℃、下火200℃で15分焼成後、上火と下火を切り替え、さらに上火190℃、下火180℃で15分焼成し、シューケースを得た。
得られたシューパフについは下記の評価に供した。
得られたシューパフの体積及び内相を下記の評価基準に従って評価を行い、表4に結果を示した。
(評価基準)
◎:膨らみが非常に良好であり、部屋別れのない大きな単一の空洞を有する。
○:膨らみが良好であり、部屋別れのない単一の空洞を有する。
△:膨らみが不十分であり、体積がやや小さい。
×:膨らみが悪く、体積が非常に小さい。
・歯切れ
5点:非常に歯切れが良い。
3点:歯切れが良い。
1点:歯切れが悪い。
0点:非常に歯切れが悪い。
Claims (6)
- 分子量20万以下のデキストランを含有するシューパフ改良材。
- 更に高度分岐環状デキストリンを含有することを特徴とする請求項1記載のシューパフ改良材。
- 更に乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のシューパフ改良材。
- シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部含有するシュー生地。
- 請求項4に記載のシュー生地を加熱処理したシューパフ。
- シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部添加したシュー生地を用いることを特徴とするシューパフの改良方法。
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