JP4216091B2 - アロエ葉肉含有加工品 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明はヨーグルト、冷菓、デザート食品などの飲食物に添加するのに有用な葉肉の収縮が抑制されたアロエ葉肉含有加工品に関する。
【従来の技術】
最近の健康ブームから、例えば、アロエヨーグルトなどのアロエ葉肉含有加工品を配合した飲食品が市場に多く出回っている。これまでアロエ葉肉含有加工品を配合した飲食品としては、例えば、豆腐又はコンニャク原料、カルシウム及びアロエ草を擂潰して生成されるゼリー状のアロエ及びアロエ液を混合し、凝固剤を添加することにより製造される豆腐状又はコンニャク状のカルシウムを主体とするアロエ入り健康食品(特許文献1参照);破砕したアロエに加糖し、発酵させてなるアロエペーストの製造方法(特許文献2参照);粒度が3〜32メッシュのアロエ果肉(ジェル)を加えてなる繊維入り果汁飲料(特許文献3参照);ビタミンが添加されたアロエベラゲルを蒸気式釜で殺菌すると共に酸を添加してなるアロエベラゲルの製造方法(特許文献4参照);アロエ葉肉を特定濃度のカルシウム溶液で処理し、特定濃度のカルシウムを含有する食品に添加し、レトルト殺菌処理してなるアロエ葉肉を含有するレトルト食品の製造方法(特許文献5参照);ナタデココまたはアロエ葉肉をその他の副原料と共に破砕混合してから均質化処理を行った後、乾燥および粉砕してなる菓子・食品素材の製造方法(特許文献6参照);適当なサイズにカットした固形状のアロエ葉肉を、シロップ中に浸漬した状態で、糖分及びその他の成分を含浸させた後、シロップ切りを行い凍結してなるアロエ葉肉のフローズン加工方法(特許文献7参照)などが提案されている。
【特許文献1】
特開平3−53868号公報
【特許文献2】
特開平7−147931号公報
【特許文献3】
特開平8−298971号公報
【特許文献4】
特開平9−9904号公報
【特許文献5】
特開平11−137192号公報
【特許文献6】
特開2001−327254号公報
【特許文献7】
特開2002−209544号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きアロエ葉肉含有加工品を配合した飲食品においては、健康、美容イメージとともに、アロエ葉肉が本来的に有する弾力性のある固い独特の食感が好まれている。しかしながら、アロエ葉肉を加工する際の、例えば、殺菌処理や糖浸漬などの加工工程や、アロエ葉肉含有加工品を配合した飲食品での加工工程において、アロエ葉肉が収縮するに伴い、アロエ葉肉の固形量が激減し、独特の食感を味わえないという問題がある。
本発明の目的は、アロエ葉肉の収縮が抑制された、喫食時の食感・のどごし感のよいアロエ葉肉含有加工品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の如き課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、今回、アロエ葉肉含有加工品を調製する際に、アロエ葉肉に対してグアガム、キサンタンガムおよびコーンスターチから選択される少なくとも一種の安定剤を特定量配合するという簡便な方法により、上記の課題を一挙に解決することができることを見出し本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、アロエ葉肉に対してグアガム、キサンタンガムおよびコーンスターチから選択される少なくとも一種の安定剤を少なくとも0.05重量%の割合で配合してなる葉肉の収縮が抑制されたアロエ葉肉含有加工品を提供するものである。
以下、本発明についてさらに詳細に述べる。
【発明の実施の形態】
本発明のアロエ葉肉含有加工品で使用されるアロエ葉肉としては、アロエ生葉より表皮を剥離し、ゲル部分を摘出したアロエ葉肉を使用することができ、かかるアロエ葉肉を適当なサイズ、例えば、8mm×8mmないし15mm×15mmのサイズにカッティングされたものを使用することができる。簡便には、90℃で30分間程度の殺菌処理が施された市販のアロエ葉肉缶詰を使用することもできる。アロエ葉肉の配合割合は特に制限されるものではなく、所望する葉肉率により異なり一概には言えないが、通常、アロエ葉肉含有加工品に対して30〜90重量%、好ましくは50〜80重量%の範囲内を例示することができる。
本発明は、上記のアロエ葉肉に対して、グアガム、キサンタンガムおよびコーンスターチから選択される少なくとも一種の安定剤を少なくとも0.05重量%、好ましくは0.08〜3.3重量%の割合で配合することを特徴とする。特に、グアガムおよびキサンタンガムは、アロエ葉肉に対して0.05〜0.55重量%、好ましくは0.08〜0.42重量%の割合で、そしてコーンスターチは、アロエ葉肉に対して0.8〜5重量%、好ましくは1.7〜3.3重量%の割合で配合するのが適当である。これらの安定剤の配合割合が0.05重量%未満では、アロエ葉肉含有加工品中のアロエ葉肉の均一性、安定性を十分に確保できない。他方、5重量%を超える割合で配合してもそれ以上の葉肉収縮抑制効果は期待できず、却ってコスト高となる。
また、上記のアロエ葉肉に対して、グアガムを0.05〜0.55重量%、好ましくは0.08〜0.42重量%およびキサンタンガムを0.05〜0.55重量%、好ましくは0.08〜0.42重量%の割合で組み合わせて配合することにより、アロエ葉肉の収縮を一層効果的に抑制することができる。
本発明のアロエ葉肉含有加工品には、果実加工品に通常使用されている甘味料を配合することができ、かかる甘味料としては、例えば、砂糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖などの糖類;フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖などのオリゴ糖類;マルチトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元澱粉糖化物などの糖アルコール類;アセスルファムK、シュクラロースなどの合成甘味料類;ステビア、グルチルリチン、ソーマチンなどの非糖質天然甘味料類;アスパルテームなどのアミノ酸系甘味料類などの甘味料を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組合わせて使用することができる。甘味料の配合割合は特に制限されるものではなく、使用する甘味料の種類、所望する甘味度により異なり一概には言えないが、通常、アロエ葉肉含有加工品に対して5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲内を例示することができる。
アロエ葉肉含有加工品を調製する方法としては、果肉加工品を調製するための通常の方法を採用することができ、例えば、適当なサイズにカッティングされたアロエの葉肉に、上記した安定剤、甘味料および水を混合し、40〜60℃にて加熱処理し、必要であれば、脱気処理、糖度調整、有機酸の添加による酸味の調整などを行った後、加熱殺菌し、所望により香料、色素などを添加することにより、葉肉の収縮が抑制されたアロエ葉肉含有加工品を調製することができる。
本発明の一実施態様を例示すれば、アロエ葉肉含有加工品全体に対し、アロエ葉肉50〜80重量%および甘味料10〜25重量%と、アロエ葉肉に対してグアガム、キサンタンガムおよびコーンスターチから選択される少なくとも一種の安定剤0.05〜5重量%および水10〜40重量%を添加混合し、45〜65℃、好ましくは55〜60℃で、1分〜120分間、好ましくは20分〜100分間加熱処理し、加熱殺菌後、容器に充填することにより、葉肉の収縮が抑制されたアロエ葉肉含有加工品を得ることができる。
次に実施例を挙げて本発明の態様をさらに具体的に説明する。
【実施例】
実施例1
アロエベラ缶詰葉肉(10×10mm)600g、グラニュー糖160gおよび水230gを混合し、それにあらかじめ溶解したグアガム(CBC社製)3g(アロエ葉肉に対して0.5重量%)およびクエン酸1gを添加して、55℃で10分間加熱し、脱気処理後、93℃で3分間殺菌し、香料を添加して容器に充填し、本発明に従うアロエ葉肉含有加工品(本発明品1)1000gを得た。
実施例2
実施例1において、グアガムをキサンタンガム(ユニテックフーズ社製)に変更した以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(本発明品2)を得た。
実施例3
実施例1において、グアガムをコーンスターチ(王子インターナショナル社製)20g(アロエ葉肉に対して3.3重量%)に変更した以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(本発明品3)を得た。
実施例4
実施例1において、グアガム3gを、グアガム2g(アロエ葉肉に対して0.33重量%)およびキサンタンガム1g(アロエ葉肉に対して0.17重量%)に変更した以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(本発明品4)を得た。
比較例1(安定剤を無添加の例)
実施例1において、グアガムを配合しない以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(比較品1)を得た。
比較例2
実施例1において、グアガムをHMペクチン(三晶社製)に変更した以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(比較品2)を得た。
比較例3
実施例1において、グアガムをローカストビーンガム(都交易社製)に変更した以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(比較品3)を得た。
比較例4
実施例1において、グアガムをタマリンドガム(大日本製薬社製)に変更した以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(比較品4)を得た。
比較例5
実施例1において、グアガムの配合量を0.2g(アロエ葉肉に対して0.03重量%)とした以外は実施例1と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(比較品5)を得た。
比較例6
実施例2において、キサンタンガムの配合量を0.2g(アロエ葉肉に対して0.03重量%)とした以外は実施例2と同様に処理してアロエ葉肉含有加工品(比較品6)を得た。
(アロエ葉肉の固形量と安定性の評価)
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた本発明品1〜4および比較品1〜6それぞれのアロエ葉肉含有加工品から40℃のぬるま湯でシロップ部を溶解し、16メッシュふるいにより葉肉部を分離し、アロエ葉肉含有加工品全体に対する固形率(%)を測定した。また、アロエ葉肉含有加工品中の葉肉の安定性を下記の評価基準にて評価し、その結果を表1に示す。
評価基準
○:葉肉が均一に分散し、安定性がよい
△:やや葉肉が上層部に浮き安定性に劣る
×:葉肉が表面に浮き、安定性が悪い
【表1】
Figure 0004216091
表1の結果から、本発明品1〜4は、比較品2〜4に比較して固形率が高く、葉肉の収縮が抑制されていることがわかる。また、本発明品1〜4は葉肉の安定性の点でも良好であった。一方、安定剤を添加していない比較品1および安定剤の添加量が少ない比較品5および6は、固形率は高い値を示したが、葉肉浮きが見られ、安定性が悪かった。
【発明の効果】
本発明によれば、アロエ葉肉を加工する際の、例えば、殺菌処理、糖浸漬などの加工工程やアロエ葉肉含有加工品を配合した飲食品での加工工程においてアロエ葉肉が収縮するに伴い、アロエ葉肉の固形量が激減し、独特の食感を味わえないという問題を解決し、喫食時の食感・のどごし感のよいアロエ葉肉含有加工品を提供することができる。

Claims (2)

  1. アロエ葉肉に対して、グアガム、キサンタンガムおよびコーンスターチから選択される少なくとも一種の安定剤を少なくとも0.05重量%の割合で配合し、40〜60℃の範囲内の温度で加熱処理してなる葉肉の収縮が抑制されたアロエ葉肉含有加工品。
  2. アロエ葉肉に対して、グアガムを0.05〜0.55重量%およびキサンタンガムを0.05〜0.55重量%の割合で配合してなる請求項1に記載のアロエ葉肉含有加工品。
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