JP2002184440A - 燃料電池用加湿装置および燃料電池システム - Google Patents

燃料電池用加湿装置および燃料電池システム

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JP2002184440A
JP2002184440A JP2001309154A JP2001309154A JP2002184440A JP 2002184440 A JP2002184440 A JP 2002184440A JP 2001309154 A JP2001309154 A JP 2001309154A JP 2001309154 A JP2001309154 A JP 2001309154A JP 2002184440 A JP2002184440 A JP 2002184440A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池用加湿装置内の中空糸膜が水で閉塞
しないようにする。 【解決手段】 本発明の燃料電池用加湿装置は、中空糸
膜65を束ねた中空糸膜束をハウジング64内に収納し
た中空糸膜モジュール61を備える。このモジュール6
1は、排出ガスを中空糸膜65の内側に供給する入口ヘ
ッド62と、中空糸膜65の内側を通過した排出ガスを
中空糸膜モジュール61の他端側で合流させる出口ヘッ
ド63と、入口ヘッド62に溜まった液体を排出する排
出口67とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば中空糸膜を
利用した水透過型の燃料電池用加湿装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池自動車等に搭載されるPEM
(Polymer Electrolytic Membrane)型の燃料電池に
は、固体高分子電解質膜の両側にアノードとカソードと
を備えた電極膜構造体と、この電極膜構造体の両側にそ
れぞれ反応ガスを供給するためのガス通路を形成すると
ともに電極膜構造体を両側から支持するセパレータと、
を積層して構成したものがある。
【0003】この燃料電池では、アノードに燃料供給ガ
スとして水素ガスを供給し、カソードに酸化剤供給ガス
として酸素あるいは空気を供給して、燃料供給ガスの酸
化還元反応にかかる化学エネルギを直接電気エネルギと
して抽出する。
【0004】つまり、アノード側で水素ガスがイオン化
して固体高分子電解質中を移動し、電子は、外部負荷を
通ってカソード側に移動し、酸素と反応して水を生成す
る一連の電気化学反応による電気エネルギを取り出すこ
とができる。
【0005】ところで、この燃料電池にあっては、固体
高分子電解質膜が乾燥してしまうと、イオン伝導率が低
下し、エネルギ変換効率が低下してしまう。したがっ
て、良好なイオン伝導を保つために個体高分子電解質膜
に水分を供給する必要がある。
【0006】このため、この種の燃料電池には、燃料供
給ガスおよび酸化剤供給ガスを加湿して固体高分子電解
質膜に水分を供給し、良好な反応を維持させる加湿装置
が設けられている。
【0007】この種の加湿装置としては、例えば、特開
平8−273687号公報に開示されているように、膜
厚方向に水蒸気の透過を許容する中空糸膜を備えた水透
過型の加湿装置が知られている。
【0008】図16は、従来の加湿装置を備えた燃料電
池システムの構成図である。酸化剤供給ガスとしての外
気はスーパーチャージャー81によって加圧され、酸化
剤供給ガス管82を介して酸化剤用加湿装置80Aに供
給され、酸化剤用加湿装置80Aにおいて加湿されて燃
料電池(以下、スタックという)83のカソードに供給
される。カソードに供給された空気中の酸素が酸化剤と
して用いられた後、オフガスとしてスタック83から排
気される。スタック83での反応時に発生した水分を含
むオフガスは、スタック83からオフガス管84を介し
て酸化剤用加湿装置80Aに送られ、酸化剤用加湿装置
80Aにおいてオフガス中の水蒸気が酸化剤供給ガスへ
受け渡される。その後、オフガスは排気される。
【0009】燃料供給ガスとしての水素ガスは燃料供給
用ガス管85を介して燃料用加湿装置80Bに供給さ
れ、燃料用加湿装置80Bにおいて加湿されてスタック
83のアノードに供給される。アノードに供給された水
素ガスの一部が燃料として用いられ、酸化還元反応に供
される。水素ガスはその一部が反応に供された後、オフ
ガスとなってスタック83から排出される。
【0010】ところで、固体高分子電解質膜は、イオン
水和効果によって固体高分子電解質膜を境にして水分濃
度の高い側から低い側に水蒸気を透過させる性質を有し
ている。前述したようにカソード側を流れるオフガス
は、反応時に発生した水分を含むためアノード側を流れ
るオフガスよりも水分濃度が高くなるが、前記イオン水
和効果によりカソード側を流れるオフガス中の水分が水
蒸気となって固体高分子電解質膜を透過して、アノード
側を流れるオフガス中に拡散する。したがって、アノー
ド側のオフガス中にも水分が含まれている。
【0011】このように水分を含むアノード側のオフガ
スは、スタック83からオフガス用管86を介して燃料
用加湿装置80Bに送られ、燃料用加湿装置80Bにお
いてオフガス中の水蒸気が燃料供給ガスへ受け渡され、
その後、排気される。
【0012】図17は酸化剤用加湿装置80Aおよび燃
料用加湿装置80B(以下、特に区別する必要がない場
合には加湿装置80とする)を示す。これら加湿装置8
0は、複数の加湿器91と、これら加湿器91を並列に
連結する入口ヘッド92と出口ヘッド93とを備える。
加湿器91は、円筒状のハウジング94の内部に、水蒸
気透過膜(水透過膜)からなる多数のチューブ状の多孔
質の中空糸膜95を束ねたものが収納されており、中空
糸膜95の両端部を束ねる仕切部材96が、中空糸膜9
5の外表面同士および中空糸膜95の外表面とハウジン
グ94の内周面とを気密に結合する。各ハウジング94
の一端側は入口ヘッド92に連結されており、他端側は
出口ヘッド93に連結されている。また、各ハウジング
94の外周部であって両仕切部材96よりも内側にはガ
ス入口孔97aとガス出口孔97bが設けられており、
各ハウジング94のガス入口孔97aはハウジング94
の外部に設けられた図示しない接続通路で互いに連通
し、ガス出口孔97bはハウジング94の外部に設けら
れた図示しない接続通路で互いに連通している。
【0013】この加湿装置80では、反応ガスは各加湿
器91のハウジング94のガス入口孔97aから供給さ
れて、ハウジング94内の中空糸膜95の間を通ってガ
ス出口孔97bから流出し、一方、オフガスは入口ヘッ
ド92に供給され、入口ヘッド92から各加湿器91の
ハウジング94に供給されて中空糸膜95の中空部に入
り、この中空部を通ってハウジング94の他端側から出
口ヘッド93に流れ込み、出口ヘッド93から流出す
る。
【0014】中空糸膜95は、径方向に貫通する無数の
毛管部を有しており、中空糸膜95の中空部内に送り込
まれたオフガス中の水蒸気が、前記毛管部内で凝縮して
外周側へ移動し、反応ガスへ蒸発して受け渡される。つ
まり、この加湿装置80により、オフガス中の水分が反
応ガスへ受け渡され、反応ガスが加湿される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
加湿装置80では、オフガス中の水蒸気が入口ヘッド9
2において凝縮し、次のような不具合が生じる。
【0016】凝縮水が加湿器91の中空糸膜95の中空
部を流れた場合には、凝縮水は中空糸膜95を透過する
ことができず中空部を吹き抜けてしまうため、この凝縮
水は回収されることなく排出されることになり、水回収
率が低下するという問題がある。水回収率が低下する
と、加湿装置の加湿性能が低下する。また、燃料電池へ
の加湿が過剰に行われると、燃料電池内のガス通路が閉
塞してしまい、燃料電池が過加湿状態となって発電性能
が低下する。
【0017】また、入口ヘッド92において凝縮水が溜
まり、その水位が加湿器91の中空糸膜95の最下位位
置よりも上方に達すると、凝縮水が中空糸膜95の入口
側を閉塞し、オフガスの流通面積を減少させて圧力損失
の上昇を招くという問題が生じる。また、オフガスの流
通面積の減少は水回収率を低下させて、加湿性能を低下
させるという問題も生じる。これは、出口ヘッド93に
おいて凝縮水が生じた場合にも生じる問題である。
【0018】この発明は、中空糸膜などの水透過型加湿
器を用いた燃料電池用加湿装置において、凝縮水に起因
する不具合を防止し、燃料電池を最適な加湿状態で運転
させることができる燃料電池用加湿装置を提供すること
を課題としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る燃料電池用加湿装置は、複数の中空糸
膜を束ねた中空糸膜束と、この中空糸膜束を収容するハ
ウジングとを有し、前記ハウジングの内部であって前記
中空糸膜の外側に、燃料電池へ供給する反応ガスを流通
させ、前記中空糸膜の内部に前記燃料電池から排出され
た排出ガスを流通させることにより、前記排出ガス中の
水分を前記中空糸膜を介して前記反応ガスに移行させて
加湿する中空糸膜モジュールを具備し、前記中空糸膜モ
ジュールの一端側には、前記排出ガスを前記中空糸膜の
内側に流入させる排出ガス流入口が形成され、前記排出
ガス流入口に流入する前記排出ガスから生じた液体を排
出する液体排出機構が設けられていることを特徴とす
る。
【0020】この構成によれば、排出ガス流入口に溜ま
った液体を液体排出機構で排出することにより、水で閉
塞される中空糸膜をなくすか、若しくは減少させること
ができるので、加湿に寄与できる中空糸膜を多くするこ
とができるとともに、排出ガスの流路面積の減少を抑制
し、排出ガスの圧力損失の上昇を抑制することができ
る。
【0021】前記排気ガス流入口の水詰まりを検知する
水詰まり検知手段を備え、前記液体排出機構は前記水詰
まり検知手段の検知結果に応じて制御されるようにして
もよい。この構成によれば、中空糸膜の水詰まりが広が
らないうちに排出ガス入口に溜まった液体を確実に排出
することができ、信頼性が向上する。
【0022】前記排出された液体を蓄えておく貯蔵手段
と、前記貯蔵手段に蓄えられた液体を利用して前記反応
ガスを補助加湿する補助加湿手段を備えていてもよい。
この構成によれば、排出された液体を再利用して反応ガ
スを補助加湿するから、加湿性能がさらに向上するとい
う効果が奏される。
【0023】前記燃料電池の出力電圧を検出する出力電
力検出手段と、この出力電力検出手段により検出された
出力電力が所定値未満の時に前記液体排出機構によって
液体を排出するコントローラとをさらに具備してもよ
い。この構成によれば、燃料電池の出力電圧が低下した
場合に、反応ガス中の水がガス流路内に溜まっていると
判断して、前記液体排出機構により効率的に液体を排出
することができる。
【0024】本発明の他の態様の燃料電池用加湿装置
は、複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、この中空糸
膜束を収容するハウジングとを有し、前記ハウジングの
内部であって前記中空糸膜の外側に、燃料電池から排出
された排出ガスを流通させるとともに、前記中空糸膜の
内部に前記燃料電池へ供給する反応ガスを流通させるこ
とにより、前記排出ガス中の水分を前記中空糸膜を介し
て前記反応ガスに移行させて加湿する中空糸膜モジュー
ルを具備し、前記中空糸膜モジュールの一端側には、前
記反応ガスを前記中空糸膜の内側から排出させる供給ガ
ス流出口が形成され、前記供給ガス流出口から流出した
前記反応ガスから生じた液体を排出する液体排出機構が
設けられていることを特徴とする。
【0025】この構成によれば、中空糸膜を通過した際
に反応ガスの温度が下がり、反応ガス中の水分が凝縮し
た場合にも、燃料電池へ供給する前に反応ガス中の液体
を排出して、燃料電池内へ凝縮水を供給しないようにす
ることができる。したがって、燃料電池膜の過加湿や、
多量の生成水によるガス流路内の閉塞を未然に防止でき
る。
【0026】前記供給ガス流出口の水詰まりを検知する
水詰まり検知手段を備え、前記液体排出機構は前記水詰
まり検知手段の検知結果に応じて制御されてもよい。こ
の構成によれば、供給ガス流出口に水が詰まったことを
検知し、前記液体排出機構により効率的に水を排出する
ことができ、燃料電池へ供給する反応ガスの加湿状態が
安定する。
【0027】前記燃料電池の出力電力を検出する出力電
力検出手段と、この出力電力検出手段により検出された
出力電力が所定値未満の時に、前記液体排出機構によっ
て水を排出するコントローラとを具備してもよい。
【0028】本発明の燃料電池システムは、反応ガスが
供給されることにより発電する燃料電池と、前記燃料電
池より排出された排出ガスに含まれる水分によって前記
反応ガスを加湿する水透過型加湿器とを備え、前記燃料
電池は、固体高分子膜の両側にアノードとカソードとを
備えた電極膜構造体と、前記電極膜構造体の両側にそれ
ぞれ反応ガスを供給するガス流路と、前記電極膜構造体
を両側から支持するセパレータとを積層して構成され、
前記水透過型加湿器は、前記排出ガスまたは前記反応ガ
スの少なくとも一方から生じた水を排出する液体排出機
構と、前記燃料電池の加湿状態に応じて前記液体排出機
構を制御するコントローラとを具備することを特徴とす
る。
【0029】前記水透過型加湿器は、複数の中空糸膜を
束ねた中空糸膜束と、この中空糸膜束を収容するハウジ
ングとを具備した中空糸膜モジュールであり、前記中空
糸膜の内側に、前記排出ガスおよび前記反応ガスの一方
を流通させ、前記中空糸膜の外側に前記排出ガスおよび
前記反応ガスの他方を流通させることにより、前記反応
ガス中の水分を前記中空糸膜を介して前記反応ガスに移
行させて加湿してもよい。
【0030】前記中空糸膜モジュールの一端側には、前
記排出ガスを前記中空糸膜モジュールに流通させる流出
ガス流入口が形成され、前記中空糸膜モジュールの他端
側には、前記排出ガスを前記中空糸膜モジュールから排
出させる排出ガス流出口が形成され、前記液体排出機構
は、前記排出ガス流入口に設けられていてもよい。
【0031】前記中空糸膜モジュールの一端側には、前
記反応ガスを前記中空糸膜モジュールに流通させる反応
ガス流入口が形成され、前記中空糸膜モジュールの他端
側には、前記反応ガスを前記中空糸膜モジュールから排
出させる反応ガス流出口が形成され、前記液体排出機構
は、前記反応ガス流出口に設けられていてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る燃料電池用
加湿装置の実施形態を図1から図15を参照して説明す
る。以下に記載する各実施形態は、燃料電池自動車に搭
載された燃料電池の加湿装置としての態様であるが、本
発明はこれに限定されず、車載用以外の燃料電池にも適
用可能である。
【0033】〔第1実施形態〕この発明に係る燃料電池
用加湿装置の第1実施形態を図1から図10を参照して
説明する。図1は、燃料電池自動車に搭載された燃料電
池(以下、スタックという)1のカソード側の反応ガス
の供給システムを示す図である。酸化剤供給ガスとして
の空気はスーパーチャージャー2によって加圧され、空
気供給管3を介して反応ガス入口4からカソード加湿器
ユニット5Aに供給され、カソード加湿器ユニット5A
を通過する際に加湿される。その後、カソード加湿器ユ
ニット5Aの反応ガス出口6から空気供給管7に流出
し、空気供給管7を介してスタック1のカソードに供給
される。カソードに供給された空気中の酸素が酸化剤と
して用いられた後、空気は排出ガス(以下、オフガスと
いう)としてスタック1からオフガス管8に排出され
る。
【0034】このオフガスはスタック1での反応時に発
生した水分を含んでおり、オフガス管8を介してオフガ
ス入口(排出ガス入口)9からカソード加湿器ユニット
5Aに供給され、カソード加湿器ユニット5Aを通過す
る際に、オフガス中の水蒸気が反応ガスとしての前記空
気に受け渡され、該空気は加湿される。その後、オフガ
スはカソード加湿器ユニット5Aのオフガス出口(排出
ガス出口)10からオフガス管11に排出され、圧力調
整弁12を介して排気される。圧力調整弁12はスタッ
ク内1の内圧を調整する弁である。
【0035】図2から図4を参照してカソード加湿器ユ
ニット5Aについて説明する。カソード加湿器ユニット
5Aは、複数本(この実施形態では5本)の中空糸膜モ
ジュール61と、これら中空糸膜モジュール61を並列
に連結する入口ヘッド(排出ガス流入口)62と出口ヘ
ッド(排出ガス流出口)63とを備える。中空糸膜モジ
ュール61は、円筒状のハウジング64の内部に、水蒸
気透過膜(水透過膜)からなる多数のチューブ状の多孔
質の中空糸膜65を束ねてなる中空糸膜束が収納されて
構成されている。中空糸膜65はその両端部において仕
切部材66によって束ねられており、仕切部材66は、
中空糸膜65の外表面同士および中空糸膜65の外表面
とハウジング64の内周面とを気密に結合している。
【0036】各中空糸膜モジュール61のハウジング6
4の一端側はオフガス入口9を有する入口ヘッド62に
連結されており、他端側はオフガス出口10を有する出
口ヘッド63に連結されている。入口ヘッド62および
出口ヘッド63の底部にはそれぞれ排水口67,68が
設けられており、入口ヘッド62および出口ヘッド63
の内底部に溜まった水を排出することができる。入口ヘ
ッド62の排水口67は、図3に示すように、入口ヘッ
ド62の内部空間62aの最下部を連通する連通通路6
9から延出させてもよいし、図4に示すように、入口ヘ
ッド62の内部空間62aの中で水が一番溜まり易い部
位62bから延出させてもよい。出口ヘッド63の排水
口68についても同様である。
【0037】各ハウジング64の外周部であって両仕切
部材66よりも内側には、反応ガス入口4と反応ガス出
口6が設けられており、各ハウジング64の反応ガス入
口4はハウジング64の外周部に設けられた図示しない
接続通路で互いに連通し、反応ガス出口6はハウジング
64の外周部に設けられた図示しない接続通路で互いに
連通している。
【0038】カソード加湿器ユニット5Aでは、反応ガ
スとしての空気が各中空糸膜モジュール61のハウジン
グ64の反応ガス入口4からハウジング64内に導入さ
れて、ハウジング64内の中空糸膜65の間を通って反
応ガス出口6から流出する。一方、オフガスはオフガス
入口9から入口ヘッド62の内部空間62aに導入さ
れ、内部空間62aを通って各中空糸膜モジュール61
のハウジング64の一端側から中空糸膜65の内部に入
り、この中空糸膜65の内部を通ってハウジング64の
他端側から出口ヘッド63の内部空間63aに流れ込ん
で合流し、オフガス出口10から流出する。この際に、
各中空糸膜モジュール61内において、オフガス中の水
分が中空糸膜65を介して反応ガスへ受け渡され、反応
ガスが加湿される。
【0039】図1に示すように、空気供給管3と空気供
給管7は、カソード加湿器ユニット5Aをバイパスする
バイパス管13によって接続されており、バイパス管1
3の途中にはその上流側から順に補助加湿器14と補助
加湿制御弁15が設けられている。補助加湿器14は、
ハウジング16の内部にカソード加湿器ユニット5Aの
中空糸膜65と同様の多数の中空糸膜17が束になって
収納されて構成されており、補助加湿制御弁15が開い
ている時には、空気供給管3からバイパス管13に流れ
込んだ空気が中空糸膜17の内部を通り下流側のバイパ
ス管13および制御弁15を通って空気供給管7に流れ
込み、カソード加湿器ユニット5Aを通過した空気と合
流してスタック1に供給される。この実施形態におい
て、バイパス管13と補助加湿器14と補助加湿制御弁
15は補助加湿手段を構成する。
【0040】ハウジング16は、排水管18を介して、
カソード加湿器ユニット5Aの排水口67,68に取り
付けられた排水制御弁(液体排出機構)19,20に接
続されており、カソード加湿器ユニット5Aの入口ヘッ
ド62内および出口ヘッド63内に溜まった水をハウジ
ング16内に導入することができる。この第1実施形態
において、ハウジング16はこの発明における貯蔵手段
を構成している。また、補助加湿器14には、ハウジン
グ16内の水の水位を検出する水位計(水位検知手段)
21が取り付けられている。この補助加湿器14では、
ハウジング16内に水を貯水した状態で中空糸膜17の
内部に空気を流すと、中空糸膜17のイオン水和効果に
より、ハウジング16内の水が水蒸気となって中空糸膜
17を透過し中空糸膜17内の空気に受け渡され、空気
を加湿することができる。
【0041】このように構成された第1実施形態の燃料
電池用加湿装置においては、スタック1での発電に際
し、酸化剤供給ガスとしての空気が、カソード加湿器ユ
ニット5Aを通る際に加湿されてスタック1に供給さ
れ、スタック1を通過したオフガスがカソード加湿器ユ
ニット5Aを通過する際に前記空気を加湿する。オフガ
ス中の水分がカソード加湿器ユニット5Aの入口ヘッド
62あるいは出口ヘッド63において凝縮し、入口ヘッ
ド62内あるいは出口ヘッド63内に溜まり、中空糸膜
モジュール61の中空糸膜65を目詰まりさせる場合が
あるが、この燃料電池用加湿装置では、そのようになっ
た時あるいはそうなる前に所定のタイミングで排水制御
弁19,20を開き、入口ヘッド62および出口ヘッド
63の内部に溜まった水(液体)を排水する。これによ
り、水で閉塞される中空糸膜65を水で閉塞されないよ
うにしたり、あるいは、水で閉塞される中空糸膜65を
減少させることができるので、加湿に寄与できる中空糸
膜65を多くすることができるとともに、オフガスの流
路面積の減少を抑制することができ、オフガスの圧力損
失の上昇を抑制することができる。その結果、燃料電池
用加湿装置の加湿性能が向上する。
【0042】排水制御弁19,20は、中空糸膜65が
水による目詰まりを起こした時もしくは起こす前に開く
ように、コントローラ(図示略)によって制御される。
排水制御弁19,20の開弁タイミングの決定方法(換
言すれば中空糸膜65の水詰まり検知手段)は、以下の
ような方法が考えられる。
【0043】一つは、一定時間毎に排水制御弁19,2
0を開弁するようにする。これは、スタック1を一定時
間運転したときの入口ヘッド62あるいは出口ヘッド6
3に溜まる水の量を予測できることに基づく。
【0044】別の方法は、スタック1の出力電圧毎に設
定された規定時間毎に排水制御弁19,20を開弁す
る。これは、前述した一定時間毎に排水制御弁19,2
0を開弁する方法をより精度よくした。つまり、同じ一
定時間であっても、スタック1の出力が大きいほど入口
ヘッド62あるいは出口ヘッド63に溜まる水の量が多
いので、予め、実験的に出力電圧と開弁間隔との関係を
求めて図5に示すようなマップにしておき、出力電圧毎
の規定時間が経過したときに排水制御弁19,20を開
弁する。
【0045】別の方法は、入口ヘッド62と出口ヘッド
63の間の圧力損失を検出し、この圧力損失が所定値以
上(例えば、5kPa以上)になったときに排水制御弁
19,20を開く。これは、中空糸膜65の目詰まりの
増大に伴って圧力損失が増大することに基づく。
【0046】別の方法は、スタック1の出力電圧が所定
値以下になったときに排水制御弁19,20を開く。こ
れは、中空糸膜65の目詰まりの増大に伴って供給ガス
の加湿量(相対湿度、露点等)が下がるので、燃料電池
の加湿不足によりスタック1の出力電圧が低下すること
に基づく。
【0047】別の方法は、入口ヘッド62および/また
は出口ヘッド63内の温度が急激に低下したときに排水
制御弁19,20を開く。ヘッド62、63内の温度が
下がることにより、その内部の水蒸気が飽和し、ヘッド
62、63内に凝縮水が溜まるからである。
【0048】スタック1を構成する単セルのセル電圧が
所定値(例えば、0.3V)未満になったときに排水制
御弁19,20を開くという運転方法も可能である。ス
タック1は、固体高分子電解質膜をアノードとカソード
でサンドウィッチ状に挟んでなる単セルを複数枚積み重
ねて構成されているが、この各単セルのセル電圧を検知
可能にしておく。単セルのセル電圧が前記所定値未満で
あるときには、単セルが目詰まりを起こしている(すな
わち、燃料電池の加湿が過剰である)と判断し、排水制
御弁19,20を開く。これにより、中空糸膜モジュー
ル61での圧力損失を減少させてスタック1における排
水性を向上させ、単セルに溜まった水を排水させること
ができる。
【0049】また、この第1実施形態の燃料電池用加湿
装置では、上述のように、カソード加湿器ユニット5A
の入口ヘッド62および出口ヘッド63から排水される
水を廃棄しないで、排水管18を介して補助加湿器14
のハウジング16に回収し、補助加湿用の水として再利
用している。
【0050】スタック1が定常状態で発電を行っている
ときには、スタック1の固体高分子電解質膜のイオン水
和効果によりオフガスに水分が供給されるので、水分を
含むオフガスがカソード加湿器ユニット5Aに送られる
ため、カソード加湿器ユニット5Aにおいて空気供給管
3から供給される空気を加湿することができ、スタック
1に加湿された空気を供給することができる。したがっ
て、この場合には、補助加湿は必要ない。
【0051】ところが、自動車の始動時などではカソー
ド加湿器ユニット5Aでの空気に対する加湿量が足ら
ず、加湿されていない空気がスタック1に供給されてし
まい、スタック1の発電状態が低下してしまう。このよ
うな時に加湿補助が必要になる。この第1実施形態で
は、バイパス管13と補助加湿器14と補助加湿制御弁
15によって補助加湿手段が構成されており、空気供給
管7に湿度計や露点計(いずれも図示せず)等を設け
て、スタック1に供給される空気の相対湿度を検出し、
相対湿度が所定値よりも低いとき(例えば、80%以下
のとき)に、補助加湿制御弁15を開くことにより、空
気供給管3を流れる空気の一部をバイパス管13に導
き、補助加湿器14を通過させることにより加湿して、
空気供給管7に戻し、これにより加湿された空気を、カ
ソード加湿器ユニット5Aを通ってきた加湿不十分な空
気とともにスタック1のカソードに供給するようにし
た。ただし、補助加湿器14のハウジング16内の水位
が所定水位よりも高くないと、補助加湿手段14が効果
的に機能しないので、所定水位以上あるときにだけ補助
加湿制御弁15を開き、補助加湿を実行することにし
た。これにより、始動時などにおいてスタック1の出力
電圧を大きくすることができる。しかも、カソード加湿
器ユニット5Aの入口ヘッド62および出口ヘッド63
に溜まった水を冷却させずに補助加湿器14に導入する
ことができるので、外部から熱を与えることなく補助加
湿を行うことができる。
【0052】以下の説明の都合上、補助加湿制御弁15
を閉じてカソード加湿器ユニット5Aを通過させた空気
だけをスタック1に供給する加湿処理を「通常加湿処
理」と称し、補助加湿制御弁15を開いて補助加湿器1
4に空気を通過させて空気の加湿を補助する加湿処理を
「補助加湿処理」と称す。
【0053】図6から図10のフローチャートを参照し
て、補助加湿処理を説明する。図6を参照して、まず、
ステップS101においてスタック1で発電すると、ス
テップS102に進んで通常加湿処理が実行される。前
述したように、通常加湿処理では補助加湿制御弁15は
閉じている。
【0054】ステップS103に進んで一定時間経過し
たか否か判定し、一定時間経過していない場合にはステ
ップS102に戻って通常加湿処理を実行する。一方、
ステップS103において一定時間が経過したと判定さ
れた場合には、ステップS104に進んで、排水制御弁
19,20を開く。これは、前述したように、一定時間
経過した時には入口ヘッド62あるいは出口ヘッド63
に水が溜まって中空糸膜65が水で目詰まりしている
か、その虞があるからである。尚、排水制御弁19,2
0の開弁期間は短時間に設定されている。排水制御弁1
9,20を長時間開けていると、カソード加湿器ユニッ
ト5Aの中空糸膜65を流れるオフガス流量が低下する
虞があるからである。
【0055】次に、ステップS105に進み、水位計2
1により検出された補助加湿器14内の水位が所定水位
以上か否か判定する。ステップS105において補助加
湿器14の水位が所定水位以下と判定した場合には、補
助加湿器14の加湿性能が低く効果的な補助加湿処理を
行うことができないので、ステップS102に戻って通
常加湿処理を実行する。一方、ステップS105におい
て補助加湿器14の水位が所定水位以上であると判定し
た場合には、補助加湿器14が十分に加湿性能を発揮す
ることができるので、補助加湿制御弁15を開弁して補
助加湿処理を実行する。これにより、空気供給管3を流
れる空気の一部が補助加湿器14によって加湿されて空
気供給管7を介してスタック1に供給される。
【0056】この後、ステップS106からステップS
103に戻って、再び、一定時間が経過したか否か判定
する。図7は、排水制御弁19,20を開弁するか否か
の判定基準を、スタック1の出力電圧毎に設定された規
定時間経過したか否かにした場合を示すもので、この場
合には、ステップS103において、スタック1の出力
電圧毎に設定された規定時間を経過したか否かを判定
し、肯定判定したときにはステップS104に進み、否
定判定したときにはステップS102に進む。
【0057】図8は、排水制御弁19,20を開弁する
か否かの判定基準を、入口ヘッド62と出口ヘッド63
の間の圧力損失が所定値以上か否かにした場合を示すも
ので、この場合には、ステップS103において、圧力
損失が所定値以上か否かを判定し、肯定判定したときに
はステップS104に進み、否定判定したときにはステ
ップS102に進む。
【0058】図9は、排水制御弁19,20を開弁する
か否かの判定基準を、スタック1の出力電圧が所定値以
下か否かにした場合を示すもので、この場合には、ステ
ップS103において、出力電圧が所定値以下か否かを
判定し、肯定判定したときにはステップS104に進
み、否定判定したときにはステップS102に進む。
【0059】図10は、排水制御弁19,20を開弁す
るか否かの判定基準を、入口ヘッド62あるいは出口ヘ
ッド63内の温度が急激に低下したか否かにした場合を
示すもので、この場合には、ステップS103におい
て、温度が急激に低下したか否かを判定し、肯定判定し
たときにはステップS104に進み、否定判定したとき
にはステップS102に進む。
【0060】この第1実施形態では、燃料電池用加湿装
置を酸化剤供給ガスを加湿する燃料電池システムに適用
した場合で説明したが、この第1実施形態の燃料電池用
加湿装置は、燃料供給ガスを加湿する加湿システムに適
用することもできる。さらに、酸化剤供給ガスを加湿す
る加湿システムと、燃料供給ガスを加湿する加湿システ
ムの両方を設けた燃料電池システムも可能である。後述
する他の実施形態においても同様である。
【0061】〔第2実施形態〕次に、この発明に係る燃
料電池用加湿装置の第2実施形態を図11および図12
の図面を参照して説明する。図11は、スタック1のカ
ソード側の反応ガス供給システムを示す図である。前述
した第1実施形態の反応ガス供給システムと同一態様部
分については図中同一符号を付して説明を省略し、第1
実施形態と相違する点について以下に説明するものとす
る。
【0062】第2実施形態の反応ガス供給システムに
は、カソード加湿器ユニット(水透過型加湿器)5Aの
排水口67,68、排水制御弁19,20、排水管18
がない。すなわち、第2実施形態のカソード加湿器ユニ
ット5Aは、図17に示す従来の加湿装置80と同様の
構成をなしている。
【0063】その代わりに、オフガス管8の途中と、オ
フガス管11の途中に、オフガスから凝縮水を除去する
気液分離器30A,30B(以下、特に区別する必要が
ない場合には気液分離器30と記す)が設けられてい
る。気液分離器30はデミスターや透湿膜によって構成
することもできるが、気液分離器30の具体例を図12
を参照して説明すると、気液分離器30は、ハウジング
31と、ハウジング31の内部を下から上に向かって蛇
行する流路32を形成する多数の仕切板33と、ハウジ
ング31の下部に設けられ流路32に連通するオフガス
入口(排気ガス導入口)34と、ハウジング31の上部
に設けられ流路32に連通するオフガス出口(気体排出
口)35と、ハウジング31の底部に設けられ流路32
に連通する排水口(液体排出口)36と、を備えてい
る。
【0064】この気液分離器30では、水分を含むオフ
ガスがオフガス入口34からハウジング31内に供給さ
れ、流路32を蛇行しながら上昇していく。オフガス中
の水分は空気より比重が大きいので、オフガスが流路3
2を流れると、オフガス中の水分(液体)は慣性によっ
て仕切板33の壁面やハウジング31の壁面に衝突して
付着する。これら壁面に付着した水分は液体となって重
力により壁面に沿って落下していき、ハウジング31の
底部に到達し、排水口36から液体として排出される。
一方、水分を除去されたオフガスは飽和状態のオフガス
となってオフガス出口35から排出される。つまり、こ
の気液分離器30にオフガスを通すことによって、オフ
ガスは気液分離されて、過剰な水分を除去された飽和状
態のオフガスだけがオフガス出口35から流出し、オフ
ガス中の過剰な水分は液体(水)となって排水口36か
ら排出される。
【0065】気液分離器30Aのオフガス入口34はオ
フガス管8を介してスタック1に連通し、オフガス出口
35はオフガス管8を介してカソード加湿器ユニット5
Aのオフガス入口9に連通し、排水口36は排水管37
を介して補助加湿器14のハウジング16の内部に連通
しており、スタック1から排出されたオフガスがオフガ
ス通路8を介して気液分離器30Aに導入され、過剰な
水分を除去された飽和状態のオフガスがオフガス管8を
介してカソード加湿器ユニット5Aに供給され、オフガ
ス中の過剰な水分が排水管37を介して補助加湿器14
のハウジング16内に供給される。
【0066】また、気液分離器30Bのオフガス入口3
4はオフガス管11を介してカソード加湿器ユニット5
Aのオフガス出口10に連通し、オフガス出口35はオ
フガス管11を介して圧力調整弁12に接続され、排水
口36は排水管38を介して補助加湿器14のハウジン
グ16の内部に連通している。カソード加湿器ユニット
5Aから排出されたオフガスがオフガス通路11を介し
て気液分離器30Bに導入され、過剰な水分を除去され
た飽和状態のオフガスがオフガス管11を介して排気さ
れ、オフガス中の過剰な水分が排水管38を介して補助
加湿器14のハウジング16内に供給される。
【0067】補助加湿制御弁15は、第1実施形態の場
合と同様に、水位計21で検出した水位に基づいてコン
トローラ(図示略)により開閉制御される。この第2実
施形態の燃料電池用加湿装置においては、カソード加湿
器ユニット5Aの上流のオフガス管8の途中に気液分離
器30Aを設けたことにより、過剰な水分を除去された
オフガスがカソード加湿器ユニット5Aの入口ヘッド6
2に導入されるので、入口ヘッド62内および出口ヘッ
ド63内で凝縮水が生じなくなる。したがって、カソー
ド加湿器ユニット5Aの中空糸膜65が凝縮水によって
目詰まりを起こすのを未然に防止することができる。ま
た、カソード加湿器ユニット5A内におけるオフガスの
流路面積が減少するということも防止できる。その結
果、加湿装置の加湿性能が向上し、信頼性も向上する。
【0068】この気液分離器30A,30Bでオフガス
から分離抽出した水は、補助加湿器14のハウジング1
6内に回収されて、第1実施形態と同様に、補助加湿用
の水として再利用することができる。これにより、始動
時などにおいてスタック1の出力電圧を大きくすること
ができる。しかも、気液分離器30A,30Bで抽出さ
れた水を冷却させずに補助加湿器48に導入することが
できるので、外部から熱を与えることなく補助加湿を行
うことができる。
【0069】〔第3実施形態〕次に、この発明に係る燃
料電池用加湿装置の第3実施形態を図13を参照して説
明する。図13は、スタック1のアノード側の反応ガス
供給システムを示す図である。この実施形態に用いられ
るアノード加湿器ユニット(水透過型加湿器)5Bは、
第2実施形態におけるカソード加湿器ユニット5Aと同
じであるので、図中同一態様部分に同一符号を付して説
明するものとし、詳細説明は省略する。
【0070】燃料供給ガスとしての水素ガスは、途中に
エゼクタ42を備えた水素供給管41を介して反応ガス
入口4からアノード加湿器ユニット5Bに供給され、ア
ノード加湿器ユニット5Bを通過する際に加湿された
後、アノード加湿器ユニット5Bの反応ガス出口6から
水素供給管43に流出し、水素供給管43を介してスタ
ック1のアノードに供給される。アノードに供給された
水素の一部が燃料として用いられ、酸化還元反応に供さ
れる。水素ガスはその一部が反応に供された後、オフガ
スとなってスタック1から排出されるが、前述したよう
に、スタック1の固体高分子電解質膜のイオン水和効果
によって、カソード側を流れるオフガス中の水分が固体
高分子電解質膜を透過し水蒸気となってアノード側を流
れる水素のオフガス中に拡散する。
【0071】スタック1から排出された水素のオフガス
は、途中に気液分離器30Cを備えたオフガス管44に
排出され、このオフガス管44を介してオフガス入口
(排気ガス入口)9からアノード加湿器ユニット5Bに
供給され、アノード加湿器ユニット5Bを通過する際
に、オフガス中の水蒸気が反応ガスとしての水素ガスに
受け渡され、水素ガスは加湿される。その後、オフガス
はアノード加湿器ユニット5Bのオフガス出口(排気ガ
ス出口)10から、途中に気液分離器30Dを備えたオ
フガス管45に排出され、エゼクタ42の二次流体入口
に供給される。このエゼクタ42では、水素供給管41
からエゼクタ42に供給された水素ガスの流れによって
生じる負圧により、オフガス管45を介して導入される
オフガスが吸引され、水素ガスとオフガスの混合ガスが
アノード加湿器ユニット5Bに供給される。
【0072】気液分離器30C,30Dの構成について
は第2実施形態における気液分離器30A,30Bと同
じであるのでその説明は省略する。気液分離器30Cの
オフガス入口34はオフガス管44を介してスタック1
に連通し、オフガス出口35はオフガス管44を介して
アノード加湿器ユニット5Bのオフガス入口9に連通
し、排水口36は排水管46を介して後述する補助加湿
器48のハウジング49の内部に連通しており、スタッ
ク1から排出されたオフガスがオフガス通路44を介し
て気液分離器30Cに導入され、オフガスは気液分離さ
れる。過剰な水分を除去された飽和状態のオフガスがオ
フガス管44を介してアノード加湿器ユニット5Bに供
給され、オフガス中の過剰な水分が液体となって排水管
46を介して補助加湿器48のハウジング49内に導入
される。
【0073】気液分離器30Dのオフガス入口34はオ
フガス管45を介してアノード加湿器ユニット5Bのオ
フガス出口10に連通し、オフガス出口35はオフガス
管45を介してエゼクタ42に接続され、排水口36は
排水管47を介して補助加湿器48のハウジング49の
内部に連通しており、アノード加湿器ユニット5Bから
排出されたオフガスがオフガス通路45を介して気液分
離器30Dに導入され、オフガスは気液分離される。過
剰な水分を除去された飽和状態のオフガスがオフガス管
45を介してエゼクタ42に導入され、オフガス中の過
剰な水分が液体となって排水管47を介して補助加湿器
48のハウジング49内に導入される。この第3実施形
態において、ハウジング49はこの発明における貯蔵手
段を構成している。
【0074】水素供給管41においてエゼクタ42より
も上流部位と空気供給管43は、アノード加湿器ユニッ
ト5Bをバイパスするバイパス管51によって接続され
ており、バイパス管51の途中にはその上流側から順に
補助加湿器48と補助加湿制御弁52が設けられてい
る。補助加湿器48の構成は、第1あるいは第2実施形
態における補助加湿器17と同様であり、ハウジング4
9の内部に多数の中空糸膜50が束になって収納されて
構成されており、補助加湿制御弁52が開いている時に
は、水素供給管41からバイパス管51に流れ込んだ水
素ガスが中空糸膜50の内部を通り下流側のバイパス管
51および補助加湿制御弁52を通って水素供給管43
に流れ込み、アノード加湿器ユニット5Bを通過した水
素ガスと合流してスタック1に供給される。前述したよ
うに、ハウジング49は、排水管46,47を介して気
液分離器30C,30Dの排水口36に接続されてい
て、気液分離器30C,30Dにおいてオフガスから分
離された液体(水)がハウジング49内に導入される。
この第3実施形態においては、補助加湿器48とバイパ
ス管51と補助加湿制御弁52によって補助加湿手段が
構成されている。
【0075】補助加湿器48には、ハウジング49内の
水の水位を検出する水位計53が取り付けられている。
この補助加湿器48の機能は第1あるいは第2実施形態
における補助加湿器14と同じであり、ハウジング49
内に水を貯水した状態で中空糸膜50の内部に空気を流
すと、中空糸膜50のイオン水和効果により、ハウジン
グ49内の水が水蒸気となって中空糸膜50を透過し中
空糸膜50内の水素ガスに受け渡され、水素ガスを加湿
する。
【0076】補助加湿制御弁52は、第1実施形態にお
ける補助加湿制御弁15の場合と同様に、水位計(水位
検知手段)53で検出した水位に基づいて、コントロー
ラ(図示略)により開閉制御される。
【0077】この第3実施形態の燃料電池用加湿装置に
おいては、アノード加湿器ユニット5bの上流のオフガ
ス管44の途中に気液分離器30Cを設けたことによ
り、過剰な水分を除去されたオフガスがアノード加湿器
ユニット5bの入口ヘッド62に導入されるので、入口
ヘッド62内および出口ヘッド63内で凝縮水が生じな
くなり、したがって、アノード加湿器ユニット5bの中
空糸膜65が凝縮水によって目詰まりを起こすのを未然
に防止することができる。アノード加湿器ユニット5b
内におけるオフガスの流路面積が減少するということも
ない。その結果、燃料電池用加湿装置の加湿性能が向上
し、信頼性も向上する。
【0078】この気液分離器30C,30Dでオフガス
から分離抽出した水は、補助加湿器48のハウジング4
9内に回収されて、第1および第2実施形態と同様に、
補助加湿用の水として再利用することができる。これに
より、始動時などにおいてスタック1の出力電圧を大き
くすることができる。しかも、気液分離器30C,30
Dで抽出された水を冷却させずに補助加湿器48に導入
することができるので、外部から熱を与えることなく補
助加湿を行うことができる。
【0079】〔第4実施形態〕次に、この発明に係る燃
料電池用加湿装置の第4実施形態を図14および図15
を参照して説明する。この第4実施形態では、前述した
加湿器ユニット5Aへのガス供給方法を変更した点を特
徴としており、他の構成は第1実施形態と同様でよい。
【0080】第4実施形態では、加湿器ユニット5Aの
ガス入口9から反応ガス(空気または水素)が供給さ
れ、各中空糸膜モジュール61中の中空糸膜65の内部
を通過して、ガス出口10から排出される。一方、ガス
入口4からオフガス(湿った空気または湿った水素)が
供給され、中空糸膜65の外面に沿ってハウジング64
内を通過して、ガス出口6から流出する。この過程で、
オフガス中の水分の一部が反応ガスへ移り、反応ガスが
加湿される。
【0081】このようなガス供給方法を採用したことに
より、反応ガスから入口ヘッド62内に生じた水が排水
口67から排出され、出口ヘッド63内に生じた水が排
水口68から排出される。排水口67,68から排出さ
れた水は、第1実施形態と同様に、排水制御弁19,2
0を介して補助加湿器14へと供給される。排水制御弁
19,20は前述のようにコントローラ(図示略)によ
り制御される。
【0082】第1実施形態では、反応ガスが中空糸膜モ
ジュールを通過した際に反応ガスの温度が下がり、反応
ガス中の水分が凝結して液体を生じることがある。この
液体が反応ガスとともに燃料電池内へ供給されると、燃
料電池膜が過剰に加湿されたり、多量の液体によってガ
ス流路が狭められる可能性がある。この現象は、燃料電
池の温度が運転時よりも低下する始動時などに起こりや
すい。したがって、燃料電池始動時に排水制御弁19,
20を一定時間解放して凝縮した水を排水することが望
ましい。
【0083】一方、この第4実施形態によれば、燃料電
池へ供給される反応ガスから生じた過剰な液体を除去で
きるから、燃料電池内へ液体が流入することを抑制で
き、燃料電池膜の過加湿や多量の生成水によるガス流路
内のフラッディング状態を防止できる利点を有する。
【0084】〔第5実施形態〕次に、この発明に係る第
5実施形態を説明する。この実施形態では、図示しない
コントローラにより、例えば図14および図15に示
す、出口ヘッド63の底部に形成された排水口68を開
閉する排水制御弁19を制御する。そして、出口ヘッド
63の内部に水が溜まった時、または溜まる前に、排水
制御弁19を一定時間開くようにする。排水制御弁19
を開閉するタイミングは、第1実施形態で用いた水詰ま
り検知手段により決定すればよく、特に好ましくは、燃
料電池セルの出力が所定電圧(例えば0.3V)未満と
なった場合に、単セルが目詰まりを起こしたと判断し、
排水制御弁19を開く。これにより、燃料電池へ供給さ
れる反応ガス中の水分量(液体量)を減らすことがで
き、燃料電池のガス流路内の目詰まりを回復することが
できるから、燃料電池を常に安定した加湿状態で運転す
ることが可能となる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の第1態様
によれば、排出ガス流入口に溜まった液体を液体排出機
構で排出することにより、水で閉塞される中空糸膜をな
くすか、若しくは減少させることができるので、加湿に
寄与できる中空糸膜を多くすることができるとともに、
排出ガスの流路面積の減少を抑制し、排出ガスの圧力損
失の上昇を抑制することができる。
【0086】前記排気ガス流入口の水詰まりを検知する
水詰まり検知手段を備え、前記液体排出機構は前記水詰
まり検知手段の検知結果に応じて制御されるようにした
場合には、中空糸膜の水詰まりが広がらないうちに排出
ガス入口に溜まった液体を確実に排出することができ、
信頼性が向上する。
【0087】前記排出された液体を蓄えておく貯蔵手段
と、前記貯蔵手段に蓄えられた液体を利用して前記反応
ガスを補助加湿する補助加湿手段を備えている場合に
は、排出された液体を再利用して反応ガスを補助加湿す
るから、加湿性能がさらに向上するという効果が奏され
る。
【0088】前記燃料電池の出力電圧を検出する出力電
力検出手段と、この出力電力検出手段により検出された
出力電力が所定値未満の時に前記液体排出機構によって
液体を排出するコントローラとをさらに具備する場合に
は、燃料電池の出力電圧が低下した場合に、反応ガス中
の水がガス流路内に溜まっていると判断して、前記液体
排出機構により効率的に液体を排出することができる。
【0089】本発明の他の態様の燃料電池用加湿装置
は、中空糸膜モジュールの一端側に前記反応ガスを前記
中空糸膜の内側から排出させる供給ガス流出口が形成さ
れ、前記供給ガス流出口から流出した前記反応ガスから
生じた液体を排出する液体排出機構が設けられているか
ら、中空糸膜を通過した際に反応ガスの温度が下がり、
反応ガス中の水分が凝縮した場合にも、燃料電池へ供給
する前に反応ガス中の液体を排出して、燃料電池内へ凝
縮水を供給しないようにすることができる。したがっ
て、燃料電池膜の過加湿や、多量の生成水によるガス流
路内の閉塞を未然に防止できる。
【0090】前記供給ガス流出口の水詰まりを検知する
水詰まり検知手段を備え、前記液体排出機構は前記水詰
まり検知手段の検知結果に応じて制御される場合には、
供給ガス流出口に水が溜まったことを検知し、前記液体
排出機構により効率的に水を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る燃料電池用加湿装置の第1実
施形態のブロック図である。
【図2】 第1実施形態におけるカソード加湿器ユニッ
トの断面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 第1実施形態におけるカソード加湿器ユニッ
トの変形例における図3に相当する断面図である。
【図5】 燃料電池の出力電圧と開弁間隔規定時間との
関係の一例を示す図である。
【図6】 第1実施形態における燃料電池用加湿装置の
補助加湿処理のフローチャートである。
【図7】 第1実施形態における燃料電池用加湿装置の
補助加湿処理のフローチャートである。
【図8】 第1実施形態における燃料電池用加湿装置の
補助加湿処理のフローチャートである。
【図9】 第1実施形態における燃料電池用加湿装置の
補助加湿処理のフローチャートである。
【図10】 第1実施形態における燃料電池用加湿装置
の補助加湿処理のフローチャートである。
【図11】 この発明に係る燃料電池用加湿装置の第2
実施形態のブロック図である。
【図12】 第2実施形態における気液分離器の概略断
面図である。
【図13】 この発明に係る燃料電池用加湿装置の第3
実施形態のブロック図である。
【図14】 第4実施形態におけるカソード加湿器ユニ
ットの断面図である。
【図15】 図14のXV−XV線断面図である。
【図16】 従来の燃料電池用加湿装置のブロック図で
ある。
【図17】 従来の燃料電池用加湿装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・スタック(燃料電池) 4・・・供給反応ガス入口4 5A・・・カソード加湿器ユニット(水透過型加湿器) 5B・・・アノード加湿器ユニット(水透過型加湿器) 6・・・供給反応ガス出口 8・・・オフガス管(排出ガス流路) 9・・・オフガス入口(排出ガス入口) 10・・・オフガス出口(排出ガス出口) 13・・・バイパス管(補助加湿手段) 14・・・補助加湿器(補助加湿手段) 15・・・補助加湿制御弁(補助加湿手段) 16・・・ハウジング(貯蔵手段) 19・・・排水制御弁(液体排出手段) 21・・・水位計(水位検知手段) 30A,30C,・・・気液分離器(気液分離手段) 34・・・オフガス入口(排出ガス導入口) 35・・・オフガス出口(気体排出口) 36・・・排水口(液体排出口) 44・・・オフガス管(排出ガス流路) 48・・・補助加湿器(補助加湿手段) 49・・・ハウジング(貯蔵手段) 51・・・バイパス管(補助加湿手段) 52・・・補助加湿制御弁(補助加湿手段) 53・・・水位計(水位検知手段) 61・・・中空糸膜モジュール 62・・・入口ヘッド(排出ガス流入口) 63・・・出口ヘッド(排出ガス流出口) 64・・・ハウジング 65・・・中空糸膜 67・・・排水口(液体排出手段) ステップS103・・・水詰まり検知手段
フロントページの続き (72)発明者 片桐 敏勝 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 草野 佳夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA16 HA19 JA25A KE17P KE21P KE22Q MA01 MB04 PA10 PB19 PB65 PC80 5H026 AA06 CC03 CX05 5H027 AA06 KK52 MM02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池用加湿装置であって、 複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、この中空糸膜束
    を収容するハウジングとを有し、前記ハウジングの内部
    であって前記中空糸膜の外側に、燃料電池へ供給する反
    応ガスを流通させ、前記中空糸膜の内部に前記燃料電池
    から排出された排出ガスを流通させることにより、前記
    排出ガス中の水分を前記中空糸膜を介して前記反応ガス
    に移行させて加湿する中空糸膜モジュールを具備し、 前記中空糸膜モジュールの一端側には、前記排出ガスを
    前記中空糸膜の内側に流入させる排出ガス流入口が形成
    され、 前記排出ガス流入口に流入する前記排出ガスから生じた
    液体を排出する液体排出機構が設けられていることを特
    徴とする燃料電池用加湿装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の燃料電池用加湿装置であっ
    て、前記排気ガス流入口の水詰まりを検知する水詰まり
    検知手段を備え、前記液体排出機構は前記水詰まり検知
    手段の検知結果に応じて制御されることを特徴とする燃
    料電池用加湿装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の燃料電池用加湿装置であっ
    て、前記排出された液体を蓄えておく貯蔵手段と、前記
    貯蔵手段に蓄えられた液体を利用して前記反応ガスを補
    助加湿する補助加湿手段を備えることを特徴とする燃料
    電池用加湿装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の燃料電池用加湿装置であっ
    て、前記燃料電池の出力電圧を検出する出力電力検出手
    段と、この出力電力検出手段により検出された出力電力
    が所定値未満の時に前記液体排出機構によって液体を排
    出するコントローラとを具備することを特徴とする燃料
    電池用加湿装置。
  5. 【請求項5】 燃料電池用加湿装置であって、 複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、この中空糸膜束
    を収容するハウジングとを有し、前記ハウジングの内部
    であって前記中空糸膜の外側に、燃料電池から排出され
    た排出ガスを流通させるとともに、前記中空糸膜の内部
    に前記燃料電池へ供給する反応ガスを流通させることに
    より、前記排出ガス中の水分を前記中空糸膜を介して前
    記反応ガスに移行させて加湿する中空糸膜モジュールを
    具備し、 前記中空糸膜モジュールの一端側には、前記反応ガスを
    前記中空糸膜の内側から排出させる供給ガス流出口が形
    成され、 前記供給ガス流出口から流出した前記反応ガスから生じ
    た液体を排出する液体排出機構が設けられていることを
    特徴とする燃料電池用加湿装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の燃料電池用加湿装置であっ
    て、前記供給ガス流出口の水詰まりを検知する水詰まり
    検知手段を備え、前記液体排出機構は前記水詰まり検知
    手段の検知結果に応じて制御されることを特徴とする燃
    料電池用加湿装置。
  7. 【請求項7】 請求項5の燃料電池用加湿装置であっ
    て、前記燃料電池の出力電力を検出する出力電力検出手
    段と、この出力電力検出手段により検出された出力電力
    が所定値未満の時に、前記液体排出機構によって水を排
    出するコントローラとを具備することを特徴とする燃料
    電池用加湿装置。
  8. 【請求項8】 燃料電池システムであって、 反応ガスが供給されることにより発電する燃料電池と、 前記燃料電池より排出された排出ガスに含まれる水分に
    よって前記反応ガスを加湿する水透過型加湿器とを備
    え、 前記燃料電池は、固体高分子膜の両側にアノードとカソ
    ードとを備えた電極膜構造体と、前記電極膜構造体の両
    側にそれぞれ反応ガスを供給するガス流路と、前記電極
    膜構造体を両側から支持するセパレータとを積層して構
    成され、 前記水透過型加湿器は、前記排出ガスまたは前記反応ガ
    スの少なくとも一方から生じた水を排出する液体排出機
    構と、前記燃料電池の加湿状態に応じて前記液体排出機
    構を制御するコントローラとを具備することを特徴とす
    る燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 請求項8の燃料電池システムであって、
    前記水透過型加湿器は、複数の中空糸膜を束ねた中空糸
    膜束と、この中空糸膜束を収容するハウジングとを具備
    した中空糸膜モジュールであり、 前記中空糸膜の内側に、前記排出ガスおよび前記反応ガ
    スの一方を流通させ、前記中空糸膜の外側に前記排出ガ
    スおよび前記反応ガスの他方を流通させることにより、
    前記反応ガス中の水分を前記中空糸膜を介して前記反応
    ガスに移行させて加湿することを特徴とする燃料電池シ
    ステム。
  10. 【請求項10】 請求項9の燃料電池システムであっ
    て、前記中空糸膜モジュールの一端側には、前記排出ガ
    スを前記中空糸膜モジュールに流通させる流出ガス流入
    口が形成され、前記中空糸膜モジュールの他端側には、
    前記排出ガスを前記中空糸膜モジュールから排出させる
    排出ガス流出口が形成され、前記液体排出機構は、前記
    排出ガス流入口に設けられていることを特徴とする燃料
    電池システム。
  11. 【請求項11】 請求項9の燃料電池システムであっ
    て、前記中空糸膜モジュールの一端側には、前記反応ガ
    スを前記中空糸膜モジュールに流通させる反応ガス流入
    口が形成され、前記中空糸膜モジュールの他端側には、
    前記反応ガスを前記中空糸膜モジュールから排出させる
    反応ガス流出口が形成され、前記液体排出機構は、前記
    反応ガス流出口に設けられていることを特徴とする燃料
    電池システム。
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