JP2002179705A - 重合体の製造方法および製造装置 - Google Patents

重合体の製造方法および製造装置

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JP2002179705A JP2000374929A JP2000374929A JP2002179705A JP 2002179705 A JP2002179705 A JP 2002179705A JP 2000374929 A JP2000374929 A JP 2000374929A JP 2000374929 A JP2000374929 A JP 2000374929A JP 2002179705 A JP2002179705 A JP 2002179705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に重合時に反応液が発泡し易い重合系であ
る場合においても、反応器への仕込み量を少なくする必
要が無く、単量体成分を高濃度で重合させることがで
き、これによって、低分子量かつ分子量分布の狭い重合
体を製造することができる方法および装置を提供する。 【解決手段】 重合期間中に、反応液10から発生する
蒸気のうちの少なくとも一部を留出させると共に、反応
温度よりも低温の液体Aを反応液10に添加する。製造
装置は、原料供給管2…、攪拌翼3を備えた攪拌装置、
および温度計等が取り付けられた反応器1を備えてい
る。また、反応器1には、反応器1から溶媒等の蒸気を
抜き取る抜取管6と、液体Aを供給する導入管5とが取
り付けられている。反応液10から発生する蒸気のうち
の少なくとも一部は、抜取管6等を介して留出液として
重合系外に排出され、一方、反応温度よりも低温の液体
Aは、導入管5を介して反応液10に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、洗剤ビル
ダーや無機顔料分散剤等として好適に用いることができ
る重合体を、簡便にかつ効率的に製造する方法および装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、重合体の製造方法において
は、重合期間中(重合反応の進行時)に、反応液から発
生する溶媒等の蒸気を冷却装置を用いて冷却して液体に
した後、該液体を反応液に還流液として還流させること
が行われている。この際、冷却装置の性能等にもよる
が、還流液は、その沸点に近い温度で以て反応液に還流
されることになり、例えば、反応温度が重合系の沸点で
ある場合には、反応温度(反応液の温度)と還流液の温
度との差は殆ど無いことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法を
採用して、例えば、重合体としてポリアクリル酸を製造
する場合においては、重合時に反応液が発泡し易いた
め、該反応液中のアクリル酸濃度を20重量%程度の低
濃度に設定しなければならず、しかも、発泡しない重合
系の反応液と比較して反応器への仕込み量を少なくしな
ければならない。従って、ポリアクリル酸の生産性が低
くなるという問題点を有している。その上、泡に取り込
まれたアクリル酸は高濃度で存在することになるので、
その部分で重合反応が進行して超高分子量の重合体が生
成し易い。このため、低分子量(重量平均分子量が5万
以下)の重合体を得ることができず、しかも、該重合体
の分子量分布が広くなってしまうという問題点も有して
いる。
【0004】また、ポリアクリル酸を溶液の状態で製品
化する場合には、該ポリアクリル酸の濃度は、一般に、
40重量%程度に調整されている。ところが、反応液中
のアクリル酸濃度は、上述した理由で高濃度に設定する
ことができない。従って、上記従来の製造方法では、一
旦、低濃度(20重量%程度)でアクリル酸を重合して
ポリアクリル酸を製造した後、濃縮等の操作を行って高
濃度(40重量%程度)にしなければならない。それゆ
え、ポリアクリル酸の生産性がより一層低くなるという
問題点を有している。その上、濃縮時に副反応等が起こ
り易くなるので、ポリアクリル酸の品質に悪影響を及ぼ
す場合がある。
【0005】また、一般に、洗剤ビルダーや無機顔料分
散剤等として好適に用いることができる重合体は、比較
的、低分子量である。そして、低分子量の重合体を得る
場合には、反応液中の単量体成分の濃度を低濃度に設定
する必要がある。このため、重合時に反応液が発泡し易
いと、生産性を高めるために反応液中の単量体成分の濃
度を単純に高濃度にしても、高分子量の重合体が生成し
易くなるので、低分子量の重合体を効率的に得ることが
できない。
【0006】つまり、上記従来の製造方法においては、
特に重合時に反応液が発泡し易い重合系である場合に
は、単量体成分を高濃度(40重量%程度)で重合させ
ることができない、また、単純に高濃度で重合させるこ
とができても、低分子量(重量平均分子量が5万以下)
の重合体を得ることができない;反応器への仕込み量を
少なくする必要がある;得られる重合体の分子量分布が
広くなってしまう;等の問題点を有している。それゆ
え、例えば、洗剤ビルダーや無機顔料分散剤等として好
適に用いることができる重合体の生産性を向上させるこ
とができないので、該重合体を安価に(簡便にかつ効率
的に)製造することができない。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その主たる目的は、特に重合時に反応液
が発泡し易い重合系である場合においても、反応器への
仕込み量を少なくする必要が無く、単量体成分を高濃度
で重合させることができ、これによって、低分子量かつ
分子量分布の狭い重合体を製造することができる方法お
よび装置を提供することにある。より具体的には、本発
明の目的は、例えば、洗剤ビルダーや無機顔料分散剤等
として好適に用いることができる重合体の生産性を向上
させることができ、該重合体を安価に製造することがで
きる方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の重合体の製造方
法は、上記の課題を解決するために、重合期間中に、反
応液から発生する蒸気のうちの少なくとも一部を留出さ
せると共に、反応温度よりも低温の液体Aを上記反応液
に添加することを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、反応温度よりも低温
の液体Aを反応液に添加するので、液面近傍の該反応液
の温度を局所的に低下させることができる。このため、
重合期間中(重合反応の進行時)に反応液が発泡するこ
とを抑制することができるので、単量体成分を高濃度
(40重量%程度)で重合させることができる。また、
反応液の発泡が抑制されるので、反応器への仕込み量を
少なくする必要が無く、しかも、反応時間を短縮するこ
とができる。さらに、反応液の発泡が抑制されるので、
単量体成分を高濃度で重合させても、低分子量(重量平
均分子量が5万以下)の重合体を得ることができると共
に、該重合体の分子量分布を狭くすることができる。こ
のため、該重合体を例えば洗剤ビルダーや無機顔料分散
剤等として用いた場合には、優れた性能(分散性能等)
を発揮させることができる。その上、重合体を溶液の状
態で製品化する場合においても、単量体成分を高濃度で
重合させることができるので、濃縮等の操作を行うこと
なく製品化することができる。それゆえ、上記の構成に
よれば、重合体の生産性を向上させることができ、従っ
て該重合体を安価に製造することができる。
【0010】また、本発明の重合体の製造方法は、上記
の課題を解決するために、反応液に液体Aをシャワー状
で添加すること;反応液中の単量体成分の濃度が40重
量%以上であること;用いる単量体成分が不飽和カルボ
ン酸(塩)系単量体を含むこと;重合開始剤として過酸
化水素を用いること;を特徴としている。
【0011】例えば、反応液に液体Aをシャワー状で添
加することにより、重合期間中に反応液が発泡すること
をより効率的に抑制することができる。このように、上
記の構成によれば、重合体の生産性をより一層向上させ
ることができ、従って該重合体をより安価に製造するこ
とができる。
【0012】即ち、上記の構成によれば、特に重合時に
反応液が発泡し易い重合系である場合においても、反応
器への仕込み量を少なくする必要が無く、単量体成分を
高濃度で重合させることができ、これによって、低分子
量かつ分子量分布の狭い重合体を製造することができる
方法を提供することができる。より具体的には、上記の
構成によれば、例えば、洗剤ビルダーや無機顔料分散剤
等として好適に用いることができる重合体の生産性を向
上させることができ、該重合体を安価に製造することが
できる方法を提供することができる。
【0013】本発明の重合体の製造装置は、上記の課題
を解決するために、重合期間中に、反応液から発生する
蒸気のうちの少なくとも一部を留出させる留出管と、反
応温度よりも低温の液体Aを上記反応液に添加する導入
管とを備えていることを特徴としている。
【0014】上記の構成によれば、特に重合時に反応液
が発泡し易い重合系である場合においても、反応器への
仕込み量を少なくする必要が無く、単量体成分を高濃度
で重合させることができ、これによって、低分子量かつ
分子量分布の狭い重合体を製造することができる装置を
提供することができる。より具体的には、上記の構成に
よれば、例えば、洗剤ビルダーや無機顔料分散剤等とし
て好適に用いることができる重合体の生産性を向上させ
ることができ、該重合体を安価に製造することができる
装置を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。尚、本発明において、
「重合期間」とは、単量体成分の少なくとも一部と、重
合開始剤の少なくとも一部とが混合されると共に、例え
ば昇温操作等の重合動作が開始された時点(重合開始時
点)から、例えば冷却操作等を行うことによって重合動
作を終了した時点(重合終了時点)までの期間を示すこ
ととする。従って、「重合期間」には、いわゆる「熟成
期間」も含まれる。
【0016】本発明にかかる製造方法を適用して得られ
る重合体、つまり、該製造方法を適用して重合するのに
好適な単量体成分は、特に限定されるものではないが、
不飽和カルボン酸(塩)系単量体を含む単量体成分がよ
り好ましく、(メタ)アクリル酸(塩)を含む単量体成
分や、マレイン酸(塩)を含む単量体成分がさらに好ま
しく、(メタ)アクリル酸(塩)を主成分として(50
重量%以上)含む単量体成分や、マレイン酸(塩)を主
成分として(50重量%以上)含む単量体成分が特に好
ましい。また、単量体成分が(メタ)アクリル酸(塩)
やマレイン酸(塩)を主成分として含む場合、該含有量
は60重量%以上であることがより好ましく、90重量
%以上であることがさらに好ましく、100重量%であ
ることが特に好ましい。(メタ)アクリル酸(塩)やマ
レイン酸(塩)を主成分として含む単量体成分を重合す
ることにより、水溶性の重合体を得ることができる。
【0017】(メタ)アクリル酸(塩)としては、具体
的には、例えば、アクリル酸;アクリル酸ナトリウム、
アクリル酸カリウム等のアクリル酸一価金属塩;アクリ
ル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム等のアクリル
酸二価金属塩;アクリル酸アンモニウム;等のアクリル
酸(塩)、並びに、メタクリル酸;メタクリル酸ナトリ
ウム、メタクリル酸カリウム等のメタクリル酸一価金属
塩;メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸カルシウ
ム等のメタクリル酸二価金属塩;メタクリル酸アンモニ
ウム;等のメタクリル酸(塩)が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これら(メタ)アクリル酸
(塩)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以
上を併用してもよい。
【0018】マレイン酸(塩)としては、具体的には、
例えば、マレイン酸、無水マレイン酸;ナトリウムやカ
リウム等の一価金属を含む化合物、マグネシウムやカル
シウム等の二価金属を含む化合物、アンモニア、アミン
等の塩基で、マレイン酸を部分中和または完全中和して
なる中和物;が挙げられる。これらマレイン酸(塩)
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。
【0019】上記(メタ)アクリル酸(塩)およびマレ
イン酸(塩)以外の不飽和カルボン酸(塩)系単量体と
しては、具体的には、例えば、クロトン酸(塩)等の不
飽和モノカルボン酸(塩)系単量体;フマル酸(塩)、
イタコン酸(塩)、シトラコン酸(塩)等の不飽和ジカ
ルボン酸(塩)系単量体;が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。これら単量体は、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0020】上記不飽和カルボン酸(塩)系単量体以外
に単量体成分として用いることができる単量体として
は、具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド、t
−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;
(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル
等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチ
ルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;ビニルスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロ
パンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、
スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
スルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマ
レイミド等の不飽和スルホン酸系単量体;該不飽和スル
ホン酸系単量体を、ナトリウムやカリウム等の一価金属
を含む化合物、マグネシウムやカルシウム等の二価金属
を含む化合物、アンモニア、アミン等の塩基で部分中和
または完全中和してなる中和物;3−メチル−2−ブテ
ン−1−オール(プレノール)、3−メチル−3−ブテ
ン−1−オール(イソプレノール)、2−メチル−3−
ブテン−2−オール(イソプレンアルコール)、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノイソプレノールエーテル、ポリプロピレング
リコールモノイソプレノールエーテル、ポリエチレング
リコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルモノアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテ
ル、α−ヒドロキシアクリル酸、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリ
レート、ビニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量
体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のカチオ
ン性単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系
単量体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、
(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステ
ル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパン
ホスホン酸等の含リン単量体;等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。これら単量体は、一種類のみ
を用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0021】本発明にかかる製造方法を適用して単量体
成分を重合する際に好適に用いることができる重合開始
剤としては、具体的には、例えば、過酸化水素;ペルオ
キソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム)、ペル
オキソ二硫酸ナトリウム(過硫酸ナトリウム)、ペルオ
キソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)等のペルオキソ
二硫酸塩(過硫酸塩);2,2’−アゾビス−(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4
−シアノバレリン酸)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸
化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク
酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機
過酸化物;等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。これら重合開始剤は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の重
合開始剤のうち、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩、有
機過酸化物等の過酸化物がより好ましく、ペルオキソ二
硫酸塩がさらに好ましい。本発明にかかる製造方法は、
特に重合時に反応液が発泡し易い重合系である場合に最
適な方法であり、従って発泡し易い過酸化水素を好適に
用いることができる。単量体成分1モルに対する重合開
始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、0.
0001モル〜0.05モルの範囲内が好適である。
尚、重合をより促進させるために、上記重合開始剤と、
(重)亜硫酸塩や遷移金属塩等の還元剤とを併用するこ
ともできる。
【0022】本発明にかかる製造方法を適用して単量体
成分を重合する際に好適に用いることができる連鎖移動
剤としては、具体的には、例えば、チオグリコール酸、
チオ酢酸、メルカプトエタノール等の含硫黄化合物;亜
リン酸、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸(塩);次亜
リン酸、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩);
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール;等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これら連
鎖移動剤は、必要に応じて、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の連
鎖移動剤のうち、次亜リン酸(塩)がより好ましく、次
亜リン酸ナトリウムがさらに好ましい。単量体成分1モ
ルに対する連鎖移動剤の使用量は、特に限定されるもの
ではないが、0.005モル〜0.15モルの範囲内が
好適である。
【0023】本発明にかかる製造方法を適用して単量体
成分を重合する際に採用することができる重合法の種類
(重合形態)は、特に限定されるものではないが、溶液
重合が最適である。溶液重合を行う際に好適に用いるこ
とができる溶媒としては、具体的には、例えば、水;水
と相溶性を有する水性溶媒;水と水性溶媒との混合溶
媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
等の、非水性溶媒;が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。該水性溶媒としては、具体的には、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール;
アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン;ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル
等の低級エーテル;等が挙げられる。上記例示の溶媒の
うち、水や水性溶媒がより好ましく、水が特に好まし
い。また、溶媒として上記混合溶媒を用いる場合におけ
る水の割合は、特に限定されるものではないが、40重
量%以上であることがより好ましい。単量体成分1モル
に対する溶媒の使用量は、特に限定されるものではな
い。尚、溶媒として低級アルコールを用いた場合には、
該低級アルコールは、連鎖移動剤としての機能も兼ねる
ことになる。また、溶媒は、単量体成分と共沸組成物を
形成しないことが望ましい。
【0024】本発明における重合期間中に反応液に添加
する液体Aは、その温度(液温)が添加時において反応
温度(反応液の温度)よりも低温であればよく、特に限
定されるものではないが、反応液から発生する蒸気の組
成と略同一の組成を有していることが望ましい。従っ
て、液体Aは、水や水性溶媒がより好ましく、水が特に
好ましい。また、重合反応に用いる上記溶媒が例えば水
と水性溶媒との混合溶媒であって、共沸組成物を形成す
る場合には、液体Aとして、留出液の組成(蒸気の組
成)と略同一の組成を有する混合溶媒を用いることが望
ましい。これにより、重合期間中に溶媒の組成が大きく
変動することを防止することができる。尚、反応液から
発生する蒸気は、通常、その殆どが水や水性溶媒で占め
られるが、僅かに単量体成分等を含む場合もあり得る。
しかしながら、この場合においては、液体Aに単量体成
分等を添加する必要は無い。
【0025】本発明にかかる重合体の製造方法は、重合
期間中に、反応液から発生する蒸気のうちの少なくとも
一部を留出させると共に、反応温度よりも低温の液体A
を上記反応液に添加する方法である。本発明において、
「反応液から発生する蒸気のうちの少なくとも一部を留
出させる」とは、具体的には、例えば、反応液から発生
する溶媒等の蒸気を大気開放すること、或いは、該蒸気
を冷却装置を用いて冷却して液体にした後、該液体の少
なくとも一部を反応液に還流液として還流させることな
く、重合系外に留出液として留出させる(抜き取る)こ
とを示す。
【0026】単量体成分は、重合開始前に一括して反応
器に仕込んでもよく、その一部を反応器に仕込み、残り
を重合期間中に連続的に反応液に添加してもよく、全量
を重合期間中に連続的に反応液に添加してもよいが、な
かでも、用いる単量体成分が不飽和カルボン酸(塩)系
単量体を含む場合には、少なくともその一部を重合期間
中に連続的に反応液に添加することがより望ましく、重
合開始剤や連鎖移動剤を連続的に反応液に添加している
期間と少なくとも一部重複する期間、連続的に反応液に
添加することが特に望ましい。また、単量体成分は、重
合開始剤や連鎖移動剤を反応液に添加し終える前に、添
加し終えることがより好ましい。溶媒は、少なくともそ
の一部が重合開始前に反応器に仕込まれていればよい。
【0027】重合開始剤や連鎖移動剤の添加方法や添加
時期(タイミング)等は、特に限定されるものではない
が、なかでも、用いる単量体成分が不飽和カルボン酸
(塩)系単量体を含む場合には、少なくともその一部を
重合期間中に連続的に反応液に添加することがより望ま
しく、単量体成分を連続的に反応液に添加している期間
と少なくとも一部重複する期間、連続的に反応液に添加
することが特に望ましい。尚、単量体成分や重合開始
剤、連鎖移動剤等を連続的に反応液に添加するには、滴
下を行えばよい。
【0028】重合反応の反応条件は、特に限定されるも
のではないが、本発明にかかる製造方法においては単量
体成分を高濃度で重合させることができるので、反応液
中の該単量体成分の濃度は、40重量%以上であること
がより好ましい。また、反応温度は、50℃以上、重合
系の沸点以下の範囲内がより好ましく、50℃〜120
℃の範囲内がさらに好ましく、60℃〜115℃の範囲
内が特に好ましく、90℃〜110℃の範囲内が最も好
ましい。反応温度が50℃未満である場合には、超高分
子量の重合体が生成し易くなる。反応時間は、重合開始
剤や連鎖移動剤の添加量、単量体成分の組成、反応温度
等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではな
い。
【0029】重合期間中に反応液に添加する液体Aの添
加方法や添加時期(タイミング)等は、特に限定される
ものではないが、添加方法としては、連続的に反応液に
添加することがより好ましく、しかもシャワー状で添加
することが特に好ましい。また、液体Aの添加量は、特
に限定されるものではないが、重合期間中に溶媒の量が
大きく変動することを防止するために、留出液の量と同
量を反応液に添加することが特に好ましい。液体Aの温
度は、反応温度よりも低温であればよいが、例えば反応
温度が高温である場合、より具体的には反応温度が重合
系の沸点である場合には、該反応温度と液体Aの温度と
の差が50℃以上であることが特に好ましい。但し、該
液体Aの温度は、反応温度よりも低温であり、かつ、液
体Aが凝固しない範囲内の温度に適宜調節すればよい。
尚、液体Aを連続的に反応液に添加するには、滴下を行
えばよい。
【0030】一方、重合期間中に重合系外に留出させた
留出液(抜き出した抜き出し液)は、一旦、所定の容器
やタンク等に貯えた後、充分に冷却する等の処理を行う
ことにより、例えば、液体Aとして再利用すればよい。
従って、本発明にかかる製造方法においては、重合系か
ら除去された水性溶媒等の留出液(溶媒)は、液体Aと
して再利用することができるので、無駄になることがな
い。
【0031】本発明にかかる製造方法を実施するのに好
適な製造装置について、図1および図2を参照しなが
ら、以下に説明する。図1に示すように、本発明にかか
る製造装置は、例えばガラス製やステンレス製の反応器
1を備えており、該反応器1には、単量体成分や溶媒、
重合開始剤、連鎖移動剤等を反応器1に供給する複数の
原料供給管2…、攪拌翼3を備えた攪拌装置(図示せ
ず)、および、温度計(図示せず)等が取り付けられて
いる。原料供給管2…の先端部分には、滴下ノズル(図
示せず)が取り付けられている。そして、反応器1は、
ジャケット等の加熱・冷却機(図示せず)を備えてい
る。尚、原料供給管2の本数は、製造する重合体の種類
や重合形態等に応じて、適宜設定される。
【0032】また、反応器1には、該反応器1から溶媒
等の蒸気を抜き取る抜取管6と、液体Aを供給する導入
管5とが取り付けられている。導入管5の先端部分に
は、滴下ノズル(図示せず)が取り付けられている。抜
取管6は、通常、抜き取った蒸気を冷却して液体にする
冷却装置4に接続されており、該冷却装置4には、液体
の少なくとも一部を留出液として重合系外に排出する排
出管7と、必要に応じて液体の一部を還流液として反応
器1に還流させる還流管(図示せず)とが接続されてい
る。従って、上記抜取管6、冷却装置4および排出管7
によって、蒸気のうちの少なくとも一部を留出させる排
出ライン(留出管)が構成されている。上記の還流管
は、その先端部分が反応器1に直接、接続されていても
よく、或いは、導入管5に接続されていてもよい。つま
り、還流液は、反応器1に直接、還流されてもよく、液
体Aと混合された状態で反応器1に還流されてもよい。
尚、冷却装置4における液体の冷却方法は、冷却水を用
いる方法が簡便であるが、特に限定されるものではな
い。排出管7を介して排出された留出液は、一旦、所定
の容器やタンク等に貯えられ、充分に冷却する等の処理
が行われた後、例えば、液体Aとして再利用される。
【0033】上記の構成において、重合期間中には、反
応液10が攪拌翼3によって攪拌されると共に、必要に
応じて、該反応液10に単量体成分や溶媒、重合開始
剤、連鎖移動剤等が、原料供給管2…を介して添加され
る。そして、反応液10から発生する蒸気のうちの少な
くとも一部は、抜取管6、冷却装置4および排出管7を
介して留出液として重合系外に排出され、一方、反応温
度(反応液10の温度)よりも低温の液体Aは、導入管
5を介して反応液10に供給される。
【0034】従って、上記の構成によれば、反応温度よ
りも低温の液体Aを反応液10に添加するので、液面近
傍の該反応液10の温度を局所的に低下させることがで
きる。このため、重合期間中(重合反応の進行時)に反
応液10が発泡すること、即ち、泡11が発生すること
を抑制することができるので、単量体成分を高濃度(4
0重量%程度)で重合させることができる。また、反応
液10の発泡が抑制されるので、反応器1への仕込み量
を少なくする必要が無く、しかも、反応時間を短縮する
ことができる。
【0035】また、上記の製造装置は、図2に示すよう
に、液体Aを供給する導入管5の先端部分(反応器1内
部に位置する部分)に、滴下ノズルの代わりに、シャワ
ーノズル8を有していることがより好ましい。シャワー
ノズル8の形状や大きさ等は、特に限定されるものでは
なく、反応液10の液面全体に均一に、液体Aをシャワ
ー状で添加することができる形状や大きさ等であればよ
い。反応液10に液体Aをシャワー状で添加することに
より、重合期間中に反応液10が発泡すること、即ち、
泡11が発生することをより効率的に抑制することがで
きる。
【0036】以上のように、本発明にかかる製造方法並
びに製造装置を採用すれば、反応液の発泡が抑制される
ので、単量体成分を高濃度で重合させても、低分子量
(重量平均分子量が5万以下)の重合体を得ることがで
きると共に、該重合体の分子量分布を狭く(シャープ
に)することができる。このため、該重合体を例えば洗
剤ビルダーや無機顔料分散剤等として用いた場合には、
優れた性能(分散性能等)を発揮させることができる。
その上、重合体を溶液の状態で製品化する場合において
も、単量体成分を高濃度で重合させることができるの
で、濃縮等の操作を行うことなく製品化することができ
る。それゆえ、上記の方法並びに構成によれば、重合体
の生産性を向上させることができ、従って該重合体を安
価に製造することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「%」は「重量%」を表す。
【0038】実施例および比較例において、重合体の分
子量(重量平均分子量および数平均分子量)、並びに、
分子量分布は、下記測定条件; ポンプ:L−7110(株式会社日立製作所製) キャリアー液:リン酸水素二ナトリウム・12水和物3
4.5gおよびリン酸二水素ナトリウム・2水和物4
6.2gに超純水を加えて全量を5000gに調節した
水溶液 流速:0.5ml/min カラム:水系GPCカラム TSK−GEL G300
0PWXL(東ソー株式会社製)・1本 検出器:UV検出器 L−7400(株式会社日立製作
所製)・波長214nm 分子量標準サンプル:ポリアクリル酸ナトリウム(創和
科学株式会社製) を採用して測定した。
【0039】〔実施例1〕滴下ノズルを備えた複数の原
料供給管、滴下ノズルを備えた導入管、排出ライン、温
度計、加熱・冷却機、および攪拌装置を備えた容量60
00LのSUS316製重合容器(反応器)を、製造装
置として用いた。該重合容器に、溶媒としてのイオン交
換水610.9kgを仕込み、攪拌しながら100℃に
昇温させた。そして、内容物を攪拌しながら、それぞれ
別個の原料供給管から同時に、80%アクリル酸水溶液
1534.1kg、重合開始剤としての35%過酸化水
素水292.2kg、重合開始剤としての15%ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム水溶液284.1kg、および、
48%水酸化ナトリウム水溶液1278.7kgの滴下
を開始することにより、重合反応を開始した。
【0040】上記アクリル酸水溶液は180分間かけて
等速で滴下(フィード)した。過酸化水素水は150分
間かけて等速で滴下した。ペルオキソ二硫酸ナトリウム
水溶液および水酸化ナトリウム水溶液は190分間かけ
て等速で滴下した。上記各水溶液の滴下期間中は、反応
温度を重合系の沸点(100℃〜102℃)に維持し
た。滴下操作の終了後、即ち、ペルオキソ二硫酸ナトリ
ウム水溶液および水酸化ナトリウム水溶液の滴下終了
後、同温度でさらに50分間攪拌して熟成させ、重合反
応を終了した。
【0041】そして、上記の重合期間中(計240分
間)、反応液から発生する蒸気の全量を、排出ラインを
介して留出液として重合系外に留出させると共に、液体
Aとしての30℃のイオン交換水を、導入管から滴下し
た。液体Aとして供給するイオン交換水の量は、留出さ
せた留出液(水)の量と同量になるように、滴下期間
中、適宜調節した。重合期間中の反応液の泡立ちの高さ
は、目測で20cm程度であった。
【0042】これにより、重合体としてのポリアクリル
酸部分中和物(ナトリウム塩)を得た。該ポリアクリル
酸部分中和物の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量
(Mn)、および、分子量分布(D値=Mw/Mn)を
上記測定条件で以て測定した。その結果、重量平均分子
量は14000であり、D値は3.2であった。
【0043】〔実施例2〕液体Aとして供給するイオン
交換水の温度を40℃に変更した以外は、実施例1の方
法と同様の方法で重合反応を行い、ポリアクリル酸部分
中和物(ナトリウム塩)を得た。重合期間中の反応液の
泡立ちの高さは、目測で50cm程度であった。該ポリ
アクリル酸部分中和物の重量平均分子量は16000で
あり、D値は3.5であった。
【0044】〔実施例3〕滴下ノズルを備えた導入管の
代わりに、シャワーノズルを備えた導入管を使用して、
液体Aとしての30℃のイオン交換水をシャワー状で添
加(滴下)した以外は、実施例1の方法と同様の方法で
重合反応を行い、ポリアクリル酸部分中和物(ナトリウ
ム塩)を得た。重合期間中の反応液の泡立ちは非常に少
なく、目測でその高さを殆ど確認できない程度であっ
た。該ポリアクリル酸部分中和物の重量平均分子量は1
2000であり、D値は2.7であった。
【0045】〔実施例4〕アクリル酸水溶液、過酸化水
素水、ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液、および水酸
化ナトリウム水溶液の滴下時間を、それぞれ、150分
間、120分間、160分間、160分間に変更した以
外は、実施例3の方法と同様の方法で重合反応を行い、
ポリアクリル酸部分中和物(ナトリウム塩)を得た。重
合期間中の反応液の泡立ちの高さは、目測で20cm程
度であった。該ポリアクリル酸部分中和物の重量平均分
子量は15000であり、D値は3.3であった。
【0046】〔比較例1〕滴下ノズルを備えた複数の原
料供給管、熱交換機(還流冷却装置)、温度計、加熱・
冷却機、および攪拌装置を備えた容量6000LのSU
S316製重合容器を、比較用の製造装置として用い
た。該重合容器に、イオン交換水610.9kgを仕込
み、攪拌しながら100℃に昇温させた。そして、内容
物を攪拌しながら、それぞれ別個の原料供給管から同時
に、80%アクリル酸水溶液1534.1kg、35%
過酸化水素水292.2kg、15%ペルオキソ二硫酸
ナトリウム水溶液284.1kg、および、48%水酸
化ナトリウム水溶液1278.7kgの滴下を開始する
ことにより、重合反応を開始した。
【0047】上記アクリル酸水溶液は180分間かけて
等速で滴下した。過酸化水素水は150分間かけて等速
で滴下した。ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液および
水酸化ナトリウム水溶液は190分間かけて等速で滴下
した。上記各水溶液の滴下期間中は、反応温度を重合系
の沸点(100℃〜102℃)に維持した。滴下操作の
終了後、即ち、ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液およ
び水酸化ナトリウム水溶液の滴下終了後、同温度でさら
に50分間攪拌して熟成させ、重合反応を終了した。
【0048】そして、上記の重合期間中(計240分
間)、反応液から発生する蒸気を熱交換機で冷却し、そ
の全量を還流液として反応液(重合系)に還流させた。
該還流液の温度は68℃であった。つまり、液体Aとし
ての低温のイオン交換水を供給することなく、重合反応
を実施した。重合期間中の反応液の泡立ちの高さは、目
測で1m程度であり、非常に高かった。
【0049】これにより、比較用の重合体としてのポリ
アクリル酸部分中和物(ナトリウム塩)を得た。該ポリ
アクリル酸部分中和物の重量平均分子量は39000で
あり、D値は12.6であった。
【0050】従って、上記結果から明らかなように、液
体Aとしての低温のイオン交換水を供給しないで重合反
応を実施した場合には、低分子量かつ分子量分布の狭い
重合体を製造することができないことが判った。
【0051】
【発明の効果】本発明の重合体の製造方法は、以上のよ
うに、重合期間中に、反応液から発生する蒸気のうちの
少なくとも一部を留出させると共に、反応温度よりも低
温の液体Aを上記反応液に添加する構成である。
【0052】それゆえ、特に重合時に反応液が発泡し易
い重合系である場合においても、反応器への仕込み量を
少なくする必要が無く、単量体成分を高濃度で重合させ
ることができ、これによって、低分子量かつ分子量分布
の狭い重合体を製造することができる方法を提供するこ
とができるという効果を奏する。より具体的には、上記
の構成によれば、例えば、洗剤ビルダーや無機顔料分散
剤等として好適に用いることができる重合体の生産性を
向上させることができ、該重合体を安価に製造すること
ができる方法を提供することができるという効果を奏す
る。
【0053】本発明の重合体の製造装置は、以上のよう
に、重合期間中に、反応液から発生する蒸気のうちの少
なくとも一部を留出させる留出管と、反応温度よりも低
温の液体Aを上記反応液に添加する導入管とを備えてい
る構成である。
【0054】それゆえ、特に重合時に反応液が発泡し易
い重合系である場合においても、反応器への仕込み量を
少なくする必要が無く、単量体成分を高濃度で重合させ
ることができ、これによって、低分子量かつ分子量分布
の狭い重合体を製造することができる装置を提供するこ
とができるという効果を奏する。より具体的には、上記
の構成によれば、例えば、洗剤ビルダーや無機顔料分散
剤等として好適に用いることができる重合体の生産性を
向上させることができ、該重合体を安価に製造すること
ができる装置を提供することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における製造装置の概略
の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の他の形態における製造装置の概
略の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 原料供給管 4 冷却装置(留出管) 5 導入管 6 抜取管(留出管) 7 排出管(留出管) 8 シャワーノズル 10 反応液

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合期間中に、反応液から発生する蒸気の
    うちの少なくとも一部を留出させると共に、反応温度よ
    りも低温の液体Aを上記反応液に添加することを特徴と
    する重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】反応液に液体Aをシャワー状で添加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】反応液中の単量体成分の濃度が40重量%
    以上であることを特徴とする請求項1または2記載の重
    合体の製造方法。
  4. 【請求項4】用いる単量体成分が不飽和カルボン酸
    (塩)系単量体を含むことを特徴とする請求項1ないし
    3の何れか1項に記載の重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】重合開始剤として過酸化水素を用いること
    を特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の重
    合体の製造方法。
  6. 【請求項6】重合期間中に、反応液から発生する蒸気の
    うちの少なくとも一部を留出させる留出管と、反応温度
    よりも低温の液体Aを上記反応液に添加する導入管とを
    備えていることを特徴とする重合体の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006273896A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Kaneka Corp リフラックスコンデンサー付設重合器並びにその重合器を用いた重合体の製造方法
JP2008231150A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Nitto Denko Corp 重合反応制御方法及び重合反応制御装置

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