JP2002176918A - メレンゲ菓子の製造方法 - Google Patents

メレンゲ菓子の製造方法

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JP2002176918A
JP2002176918A JP2000382983A JP2000382983A JP2002176918A JP 2002176918 A JP2002176918 A JP 2002176918A JP 2000382983 A JP2000382983 A JP 2000382983A JP 2000382983 A JP2000382983 A JP 2000382983A JP 2002176918 A JP2002176918 A JP 2002176918A
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Motonori Koide
元紀 小出
Hirofumi Ochi
裕文 越智
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Ezaki Glico Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 茶含有メレンゲ、および茶含有メレンゲの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 茶含有メレンゲの製造方法であって、茶
原料およびサイクロデキストリンを含有する第1原料
と、卵白を含有する第2原料とを混合して、メレンゲ生
地を得る工程;該メレンゲ生地を起泡してメレンゲ生地
発泡体を得る工程;および該メレンゲ生地発泡体を焼成
して、茶含有メレンゲを得る工程、を包含する、茶含有
メレンゲの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶含有メレンゲ、
茶を含有するメレンゲ生地、茶含有メレンゲを調製する
ための組成物、および茶含有メレンゲの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、卵白を主成分とする材料を起
泡させて焼成したメレンゲが知られている。しかし、こ
れまで、茶を含有するメレンゲは知られていない。
【0003】従来の茶を含有しないメレンゲ(メレンゲ
菓子ともいう)は、卵白を主原料とし、必要に応じて小
麦および砂糖などを含有する、多孔質の焼き菓子であ
る。卵白中には、アルブミンという蛋白質が含まれてい
る。これには、混合時に薄い均一な薄層を作り空気を抱
き込み泡を作る性質がある。メレンゲの原料を混合する
ことにより、メレンゲ生地が得られる。メレンゲ生地を
起泡することにより、きめ細かな泡のあるメレンゲ生地
発泡体が得られる。メレンゲ生地発泡体をオーブンなど
で焼成することにより、メレンゲが製造される。メレン
ゲ生地発泡体の気泡は、卵白タンパク質の有する起泡力
に基づいて形成される。メレンゲ生地発泡体を焼成する
と、メレンゲ生地発泡体に含まれる気泡中の空気が膨張
し、膨らんだ状態でメレンゲの形状が固定化されるた
め、メレンゲは、軽い口当たりで、食感の良好でかつ多
孔質の、口溶けのよい菓子となる。
【0004】油脂は一般に消泡力を有する。そのため、
油脂または油性原料(たとえばココナッツパウダー、ア
ーモンドプードルなど)をメレンゲの原料に混ぜてメレ
ンゲ生地を製造すると、メレンゲ生地に起泡を行ったと
き、気泡が形成できないかまたは極めて不十分な起泡状
態となる。このとき得られるメレンゲ生地発泡体を焼成
しても、得られるメレンゲの食感は満足できないものと
なる。
【0005】油脂を含むメレンゲを得るために、油脂原
料にタンパク質、多糖類(アルギン酸プロピレングリコ
ールエステル、キサンタンガムなど)を表面にコートす
る方法が検討されている。
【0006】一方、作用機作は不明であるが、茶もま
た、卵白タンパク質の起泡力を阻害する。そのため、茶
をメレンゲの原料に混ぜてメレンゲ生地を製造すると、
メレンゲ生地に起泡を行ったとき、卵白タンパク質の起
泡力低下によりメレンゲ生地発泡体の気泡形成が不充分
となる。また、得られるメレンゲ生地発泡体の焼成時に
メレンゲの表面張力が低下するため、薄層を作る力が極
端に低下するという欠点、焼成時の膨張力に乏しいとい
う欠点、焼成時の保形成が低下するという欠点などがあ
る。そのため、得られるメレンゲは、膨張が不充分な口
溶けの悪い菓子となる。上述した理由により、従来、茶
を含有するメレンゲを生産することはできなかった。
【0007】茶を含有していて、かつ口溶けの良いメレ
ンゲを得ることは不可能であった。このような、茶を含
有するメレンゲを製造する際の困難性は、メレンゲの起
泡コントロールの困難性に起因していると考えられる。
以下にメレンゲの起泡について説明する。
【0008】メレンゲは、卵白のタンパク質が起泡の役
割を果たす。このため、ケーキなどのように卵黄の油脂
成分と卵白のタンパク質との両方で起泡させるタイプの
菓子とは起泡のメカニズムが全く異なり、起泡された生
地の状態も大きく異なる。
【0009】従来のメレンゲ生地は、卵白だけで泡立て
るため、起泡力が非常に高い。泡立て後の生地は硬く、
しっかりとした気泡性の生地となる。そのため、主に絞
り出して成型する方法に最適で、生地成型および焼成を
行った後も形が崩れにくく、軽い歯ざわりと口溶けが得
られる。
【0010】このようにメレンゲは卵白の強力な起泡力
を利用して起泡するため、卵白の起泡力を阻害する物質
が少しでも存在する場合、メレンゲの起泡は極めて困難
になる。例えば、茶が存在する場合である。
【0011】他方、ケーキ生地は、卵白と卵黄とを同時
に泡立てるため、卵白の泡立ちが少なく、泡立て後の生
地はきめが細かく柔らかいクリーム状の生地となる。そ
のため、絞り出し成型などは困難であり、通常はシェル
フルなどの型に流し込み焼成する。焼成後は、しっとり
した状態に仕上がる。このようにケーキ生地では、卵白
の起泡力を抑えているで、卵白の起泡力を阻害する物質
が多少存在しても、ケーキ生地の発泡状態はほとんど変
らない。
【0012】さらにケーキでは、多くの場合、起泡用の
乳化油脂を用いることも工業的に行われる。起泡用の乳
化油脂としては、主にショートニングが使用される。こ
れは動植物性油脂に乳化剤を大量に含んだ製品であり、
乳化剤は、レシチン、モノグリセリドなどを10〜20
%程度含んでいる。メレンゲの場合、乳化油脂が乳化剤
を含んでいても、油脂自身の消泡作用が強いので卵白の
泡立ちが少なく、十分な発泡が得られず、メレンゲの性
状が得られないので、このような起泡用の乳化油脂を用
いることはできない。
【0013】このように、メレンゲでは卵白のタンパク
質のみに起泡作用を依存するという特徴があり、起泡を
コントロールする素材が開発されていないため、ケーキ
などとは異なり、起泡のコントロールが難しい。特に、
茶のような卵白の起泡力を阻害する材料が存在する場合
に良好な起泡作用を得ることは極めて難しい。特に、穀
粉を含まないタイプのメレンゲの場合、この問題はさら
に顕著である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
の解決を意図するものであり、起泡状態が良好であって
口溶けのよい茶含有メレンゲを提供すること、および茶
含有メレンゲの製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、茶原料をサイ
クロデキストリンで予め表面処理することにより、茶を
含んでいるにもかかわらず起泡状態が良好であって口溶
けの良いメレンゲが得られることを見出し、特に穀粉を
含まないタイプのメレンゲにおいても起泡の良好な製品
が得られることを見出し、これに基づいて本発明を完成
させた。
【0016】本発明の茶含有メレンゲは、茶を含有す
る。
【0017】1つの実施態様では、本発明のメレンゲ
は、さらにサイクロデキストリンを含有し得る。本発明
のメレンゲは、茶固形分100重量部に対して、上記サ
イクロデキストリンを10重量部〜700重量部含み得
る。
【0018】さらなる実施態様では、本発明のメレンゲ
は、さらに乳化剤を含有し得る。本発明のメレンゲは、
茶固形分100重量部に対して、上記乳化剤を0.00
2重量部〜4重量部含み得る。
【0019】1つの実施態様では、本発明のメレンゲの
比重は、0.00001〜0.8であり得る。
【0020】本発明のメレンゲ生地は、茶を含有する。
【0021】1つの実施態様では、本発明のメレンゲ生
地は、さらにサイクロデキストリンを含有し得る。本発
明のメレンゲ生地は、茶固形分100重量部に対して、
上記サイクロデキストリンを10重量部〜700重量部
含み得る。
【0022】さらなる実施態様では、本発明のメレンゲ
生地は、さらに乳化剤を含有し得る。本発明のメレンゲ
は、茶固形分100重量部に対して、上記乳化剤を0.
002重量部〜4重量部含み得る。
【0023】本発明のメレンゲ用原料は、茶原料および
サイクロデキストリンを含有する。
【0024】1つの実施態様では、上記茶原料は、上記
サイクロデキストリンによって表面処理された状態であ
り得る。
【0025】1つの実施態様では、本発明のメレンゲ用
材料は、さらに乳化剤を含有し得る。
【0026】本発明のメレンゲ用原料の製造方法は、茶
原料、サイクロデキストリンおよび水を混合して混合物
を得る工程、および該混合物を乾燥する工程を包含す
る。
【0027】本発明のメレンゲ用原料の製造方法は、茶
原料、サイクロデキストリン、乳化剤および水を混合し
て混合物を得る工程、および該混合物を乾燥する工程を
包含する。
【0028】1つの実施態様では、上記乾燥工程は、ス
プレードライによって行われ得る。
【0029】本発明の茶含有メレンゲの製造方法は、茶
原料およびサイクロデキストリンを含有する第1原料
と、卵白を含有する第2原料とを混合し、起泡してメレ
ンゲ生地発泡体を得る工程;および該メレンゲ生地発泡
体を焼成して、茶含有メレンゲを得る工程、を包含す
る。
【0030】1つの実施態様では、本発明の茶含有メレ
ンゲの製造方法は、茶原料およびサイクロデキストリン
を含有する第1原料と、卵白を含有する第2原料とを混
合し、メレンゲ生地を得る工程;該メレンゲ生地を起泡
してメレンゲ生地発泡体を得る工程;および該メレンゲ
生地発泡体を焼成して、茶含有メレンゲを得る工程、を
包含する。
【0031】1つの実施態様では、上記サイクロデキス
トリンの重量は、上記茶原料の固形分100重量部に対
して、10重量部〜700重量部であり得る。
【0032】1つの実施態様では、本発明の方法では、
さらに、上記第1原料は、乳化剤を含有し得る。さらな
る実施態様では、上記乳化剤の重量は、上記茶原料の固
形分100重量部に対して、0.01重量部〜7重量部
であり得る。
【0033】1つの実施態様では、本発明の方法はさら
に、茶原料、サイクロデキストリンおよび水を混合して
第1原料用混合物を得る工程;および該第1原料用混合
物を乾燥して第1原料を得る工程、を包含し得る。
【0034】さらなる実施態様では、上記水の重量は、
上記茶原料の固形分100重量部に対して、100重量
部〜2000重量部であり得る。
【0035】1つの実施態様では、本発明の方法はさら
に、茶原料、サイクロデキストリン、乳化剤および水を
混合して第1原料用混合物を得る工程;および該第1原
料用混合物を乾燥して第1原料を得る工程、を包含し得
る。
【0036】さらなる実施態様では、本発明の方法で
は、上記乾燥工程は、スプレードライによって行われ得
る。
【0037】1つの実施態様では、本発明の方法では、
上記茶含有メレンゲの比重は、0.00001〜0.8
であり得る。
【0038】本発明の茶含有メレンゲ生地の製造方法
は、茶原料およびサイクロデキストリンを含有する第1
原料と、卵白を含有する第2原料とを混合して、メレン
ゲ生地を得る工程を包含する。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0040】<茶含有メレンゲの材料>本発明の茶含有
メレンゲは、茶を含有する。
【0041】本明細書中で「メレンゲ」とは、卵白を主
原料とした発泡体であって、焼成などによってその発泡
構造が固定化された食品をいう。例えば、ラング・ド・
シャーなども本発明のメレンゲに該当する。
【0042】本発明の茶含有メレンゲに含まれる「茶」
とは、好ましくは、ツバキ属チャノキ(Camelli
a sinensis)の葉、茎、芽などの植物体に由
来する加工品であって、実質的に水分を含有しないもの
をいう。「実質的に水分を含有しない」とは、水分含量
が、代表的には20%以下、好ましくは10%以下、よ
り好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、より
好ましくは0.1%以下、さらにより好ましくは0.0
1%以下0%以上である。
【0043】本発明の茶含有メレンゲの原料は、第1原
料と第2原料とに分けられる。
【0044】(1)第1原料 「第1原料」とは、サイクロデキストリンによって表面
処理された茶原料を含む原料であって、第2原料と混合
する前の原料をいう。サイクロデキストリンによる表面
処理とは、例えば、茶原料とサイクロデキストリンとを
含む溶液を乾燥することをいう。乾燥は、例えば、スプ
レードライヤーによって行われる。表面処理とは、茶原
料の起泡に対する悪影響をサイクロデキストリンと茶原
料との間の作用により防ぐための処理をいう。作用機構
の詳細は明確にはわかっていないが、サイクロデキスト
リンが茶原料をコーティングするか、または茶原料とサ
イクロデキストリンとで凝集体が形成されることなどに
より茶原料の弊害が除去されると考えられる。表面処理
の程度は、必ずしも茶原料を完全にコーティングする必
要はなく、メレンゲが良好に起泡し得る程度であれば充
分である。
【0045】第1原料は、第1原料用組成物から製造さ
れる。
【0046】第1原料用組成物は、第1の成分として
「茶原料」を含む。茶原料とは、ツバキ属チャノキ(C
amellia sinensis)の葉、茎、芽など
の植物体に由来する加工品をいう。加工とは、植物体を
蒸すこと、乾燥すること、凍結すること、粉砕すること
など、植物体に作用してその状態を変化させる行為であ
ればどのような行為であってもよい。茶原料は、このよ
うな加工の結果得られる産物である。茶原料は、単一の
加工を行うことによって得られるものであってもよい
し、複数の加工を行うことによって得られるものであっ
てもよい。
【0047】飲用、着香用、調味用などの各種用途に使
用される任意の茶製品が本発明における茶原料として使
用可能である。
【0048】茶原料は、好ましくはチャノキの植物体の
乾燥物であり得る。このような乾燥物は、チャノキの植
物体に含まれる成分を発酵させたものであってもよい
し、発酵させていないものであってもよい。このような
乾燥物は、発酵の度合いによって、不発酵茶、半発酵
茶、および発酵茶に分類される。不発酵茶は、製造工程
で発酵を行わない茶である。不発酵茶の例としては、緑
茶が挙げられる。緑茶はその製法の相違により、煎茶、
番茶、ほうじ茶、玉露、抹茶などが挙げられる。が挙げ
られる。半発酵茶は、製造工程で発酵を中程度に行う茶
である。半発酵茶の例としては、ウーロン茶が挙げられ
る。発酵茶は、製造工程において発酵を完全に行う茶で
ある。発酵茶の例としては、紅茶が挙げられる。
【0049】茶原料は、固形、半固形および液体のいず
れの形態であってもよい。固形である場合、茶原料は代
表的には、粉末の形態である。粉末を構成する個々の粒
子は、球形、楕円形、不正楕円形など任意の形状を採り
得る。粒子の平均粒子径は、代表的には500μm以
下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μ
m以下、さらにより好ましくは30μm以下、最も好ま
しくは10μm以下である。例えば、スプレードライを
行って第1原料を製造する場合であれば、茶原料の形
態、大きさおよび形状は、スプレードライが可能であれ
ば、制限されない。平均粒子径が小さいほど、得られる
メレンゲの舌触りがよい。平均粒子径が500μmを超
えると、乾燥して第1原料を得る際にむらが生じやす
く、また得られるメレンゲに粉っぽさを感じる原因とな
り得る。
【0050】このような粉末は、当業者によって容易に
入手され得る。このような粉末は、例えば、乾燥した茶
葉を挽いたり、粉砕したりすることによって入手され得
る。あるいは、このような粉末は、生の茶葉を凍結粉砕
することによって得ることもできる。さらに、このよう
な粉末は、茶の風味を損なわない任意の溶媒を用いて茶
葉を抽出して得られる茶抽出物を乾燥させ、これを粉砕
することによっても入手され得る。茶抽出物を得る際の
茶葉は生のものであってもよいし、乾燥後のものであっ
てもよい。抽出に用いられる溶媒の例としては、水(温
水を含む)、有機溶媒(例えば、エーテル、エタノー
ル、エタノールと水との混合物、アセトン)などが挙げ
られる。茶葉の粉末化の方法は限定されない。
【0051】茶原料が半固形の形態である場合、茶原料
は、例えば、茶抽出物の濃縮物であり得る。
【0052】茶原料が液体の形態である場合、茶原料
は、例えば、液体の抽出物であり得る。
【0053】第1原料用組成物は、第2の成分として
「サイクロデキストリン」を含む。サイクロデキストリ
ンとは、D−グルコースがα−1,4結合して環状構造
を形成しているオリゴ糖をいう。サイクロデキストリン
の環状構造を構成するD−グルコースの数(重合度とも
いう)は、6〜8個である。サイクロデキストリンは、
D−グルコースの数が6個の場合、α−サイクロデキス
トリンと称される。D−グルコースの数が7個の場合、
β−サイクロデキストリンと称される。D−グルコース
の数が8個の場合、γ−サイクロデキストリンと称され
る。
【0054】サイクロデキストリンは、環状構造部分の
みから構成されていてもよいし、環状構造部分以外に分
枝部分を有してもよい。分枝部分を有するサイクロデキ
ストリンを、分枝サイクロデキストリンという。分枝部
分を有する場合、分枝部分は、環状構造を構成するグル
コースにα−1,6結合している。通常、分枝部分の数
は、1である。1箇所の分枝部分は、通常1〜複数個、
より好ましくは1または2個のα−1,4結合したグル
コースから形成される。
【0055】サイクロデキストリンは、1種類のものを
単独で用いてもよいし、複数種のものを混合して用いて
もよい。
【0056】第1原料用組成物に含まれるサイクロデキ
ストリンの重量は、茶原料の固形分100重量部に対し
て、代表的には約5重量部〜約1000重量部であり、
好ましくは約10重量部〜約700重量部であり、より
好ましくは約50重量部〜約300重量部である。サイ
クロデキストリンの重量が多すぎると、茶の風味が得ら
れにくくなる場合がある。使用量が少なすぎると、添加
の効果が得られにくい場合がある。
【0057】第1原料用組成物は、第3の成分として
「水」を含む。水は、軟水、中間水および硬水のいずれ
であってもよい。軟水とは、硬度20°以上の水をい
い、中間水とは、硬度10°以上20°未満の水をい
い、硬水とは、硬度10°未満の水をいう。水は、好ま
しくは軟水または中間水であり、より好ましくは軟水で
ある。
【0058】第1原料用組成物に含まれる水の重量は、
茶原料の固形分100重量部に対して、代表的には約1
0重量部〜約10000重量部であり、好ましくは約1
00重量部〜約2000重量部であり、より好ましくは
約400重量部〜約1000重量部である。水の重量が
多すぎると、第1原料用混合物を乾燥する際に多量のエ
ネルギーが必要となり、コストが過大になる場合があ
る。使用量が少なすぎると、第1原料用混合物が不均質
になりやすく、添加の効果が得られにくい場合がある。
【0059】第1原料用組成物は、好ましくは、さらに
第4の成分として「乳化剤」を含み得る。乳化剤とは、
分子内に親水基および親油基の両方を含み、従って水と
油との界面に吸着層を作りやすい物質をいう。例えば、
公知の各種界面活性剤が挙げられる、乳化剤は、一般に
食品に使用される乳化剤であればいずれの乳化剤を用い
てもよい。乳化剤の例としては、グリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどの非イオ
ン界面活性剤;レシチン、アラビアゴム、アルギン酸、
卵黄、ゼラチンなどの天然物が挙げられる。ソルビタン
脂肪酸エステルの例としては、ソルビタンモノオレイン
酸エステル(スパン80)、ソルビタンモノラウリン酸
エステル(スパン20)などが挙げられる。ショ糖脂肪
酸エステルの例としては、パルミチン酸またはステアリ
ン酸を脂肪酸として含むショ糖脂肪酸エステルが挙げら
れる。レシチンとしては、大豆レシチンまたは卵黄レシ
チンなどが挙げられる。レシチンは、酵素分解レシチン
であってもよい。
【0060】第1原料用組成物に含まれる乳化剤の重量
は、気泡形成の目的を達し、且つ呈味的に好ましい範囲
であれば良く、茶原料の固形分100重量部に対して、
代表的には約0.002重量部〜約4重量部であり、好
ましくは約0.01重量部〜約1重量部であり、より好
ましくは約0.02重量部〜約0.06重量部である。
乳化剤の重量が多すぎると、乳化剤の味が強く出ること
により食味が劣ること、および乳化剤の種類によっては
乳化機能が低下することがある。使用量が少なすぎる
と、第1原料用混合物における乳化が不均質になりやす
く、添加の効果が得られにくい場合がある。
【0061】第1原料用組成物は、サイクロデキストリ
ンによる効果を妨害せず、かつ茶の風味を損なわない限
り、必要に応じて他の添加物または菓子材料を含むこと
ができる。他の添加物または菓子材料としては、香料、
色素、呈味料、甘味料などが挙げられる。
【0062】(2)第2原料 第2原料とは、メレンゲ生地を製造するために第1原料
と混合される原料をいう。
【0063】第2原料は、第1の成分として「卵白」を
含む。卵白とは、卵殻以外の、卵の無色または白色の部
分をいう。従来公知のメレンゲに使用される任意の卵白
が使用可能である。卵白は、代表的には鶏卵から採取さ
れるが、他の卵から採取した卵白であってもよい。コス
トの面から、鶏卵から採取することが好ましい。卵白
は、卵から分離したのみであって、濃縮、乾燥などの処
理を行っていない液状卵白であり得る。液状卵白は、卵
白タンパク質の物性が保たれやすいという利点を有す
る。卵白はまた、液状卵白を凍結することにより得られ
る凍結卵白であり得る。凍結卵白は、殻付き卵よりも起
泡性および乳化性が劣る場合があるという一方で、コス
トが低いという利点を有する。卵白はまた、液状卵白を
スプレードライ法、フリーズドライ法などによって乾燥
した乾燥卵白であり得る。乾燥卵白は、乾燥によってリ
ポタンパク質が変性して溶解度が低下し脂肪が遊離する
ため、起泡しにくい場合がある一方で、貯蔵運搬に便利
であるという利点を有する。
【0064】卵白は、熱変性を受けていないことが好ま
しい。また、卵白は卵黄が実質的に混入していないこと
が好ましい。1つの実施態様では、乾燥卵白を使用する
場合には、水で卵白を戻して第2原料とすることが好ま
しい。
【0065】第2原料に含有される卵白の重量は、メレ
ンゲ生地の重量を100重量%とした場合の、メレンゲ
生地に含まれる卵白固形分の含有量が、代表的には約2
重量%〜約50重量%、より好ましくは約3重量%〜約
30重量%となるような量である。卵白固形分の重量が
多すぎると、歯ざわりが極端に硬く、嗜好性に乏しいも
のとなる場合がある。使用量が少なすぎると、メレンゲ
生地が起泡しにくくなり、また焼成の際に起泡が潰れや
すくなって、充分に起泡されたメレンゲが得られにくい
場合がある。
【0066】好ましい実施態様では、第2原料は穀粉を
実質的に含まない。穀粉を実質的に含まない材料を用い
てメレンゲを製造する場合、本発明の効果は特に顕著で
ある。「穀粉を実質的に含まない」とは、例えば、メレ
ンゲの最終製品のうちの穀粉の含有量が好ましくは5%
以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%
以下であることをいい、最も好ましくは0%である。し
かし、第2原料は、必要に応じて第2の成分として「穀
粉」を含み得る。穀粉とは、穀物の穀粒を必要に応じて
加工することによって得られる粉末である。穀物として
は、コムギ、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、イ
ネ、マメ、アワ、ヒエなどが挙げられる。穀粉は、当該
分野で周知の方法によって製造され得る。穀粉は、好ま
しくは、小麦粉である。小麦粉は、タンパク質含量によ
って、強力粉、準強力粉、中力粉、および薄力粉に分け
られる。強力粉とは、タンパク質含量が12.0%〜1
4.0%のものをいう。準強力粉とは、タンパク質含量
が11.0%〜12.5%のものをいう。中力粉とは、
タンパク質含量が8.0%〜11.0%のものをいう。
薄力粉とは、タンパク質含量が7.0%〜8.5%のも
のをいう。タンパク質含量が多いほどグルテン量が多
く、得られるメレンゲ生地に粘りが出易い。粘りが出る
と起泡が潰れやすいので、小麦粉は、薄力粉が好まし
い。
【0067】第2原料に含有される穀粉の重量は、メレ
ンゲ生地の重量を100重量%とした場合の、メレンゲ
生地に含まれる穀粉の含有量が、代表的には約0重量%
〜約15重量%、より好ましくは約0重量%〜約10重
量%となるような量である。穀粉の重量が多すぎると、
メレンゲ生地が起泡しにくくなり、またメレンゲ発泡体
の焼成の際に起泡が潰れやすくなって、充分に起泡され
たメレンゲが得られにくい場合がある。
【0068】第2原料は、第3の成分として「糖類」を
含み得る。糖類とは、ポリアルコールのアルデヒド、ケ
トン、酸、ポリアルコール自身、それらの誘導体、縮合
体などをいう。糖類の例としては、ショ糖、乳糖、麦芽
糖、トレハロース、マルチトール、パラチニットなどが
挙げられる。甘味を補うために、その他の甘味料を添加
してもよい。
【0069】第2原料は、必要に応じて第4の成分とし
て「水」を含み得る。水は、軟水、中間水および硬水の
いずれであってもよい。第2原料として用いられる水の
重量は、卵白固形分100重量部に対して、代表的には
約10重量部〜約10000重量部であり、好ましくは
約100重量部〜約2000重量部であり、より好まし
くは約200重量部〜約1000重量部である。なお、
水は第2原料に添加する代わりに、第1原料と第2原料
とを混合した後に加えてもよい。
【0070】第2原料は、茶およびサイクロデキストリ
ンの添加の効果を実質的に損なわない限り、必要に応じ
てさらに他の成分を含み得る。他の成分としては、澱
粉、香料、色素、保存料、pH安定剤、調味料(例え
ば、食塩)などが挙げられる。例えば、従来のメレンゲ
に用いられるような各種材料が添加され得る。
【0071】<第1原料の製造>第1原料は、例えば、
第1原料用組成物の全成分を混合して、第1原料用混合
物を得、次いでこの第1原料用混合物を乾燥させること
により、製造される。
【0072】まず、茶原料、サイクロデキストリンおよ
び水、必要に応じて乳化剤などの他の成分を、パステラ
イザー、ケーキミキサー、ホリゾンタルミキサーなどに
よって混合して第1原料混合物を得る。混合方法として
は、得られる第1原料混合物が均一に混合されていれば
混合時間および混合方法は特に問わない。
【0073】次に第1原料混合物をホモゲナイザーなど
を用いて乳化する。乳化は好ましくは水中油型の乳化で
ある。乳化状態が得られる限り、粒子径は大きくとも小
さくともよい。従って、乳化において使用する機種は、
乳化を行い得る機種であれば特に問わない。例えば、ホ
モゲナイザー、モンドミキサー、2軸エクストルーダ
ー、ケーキミキサーなどを用い得る。
【0074】次に乳化した第1原料混合物を乾燥して、
第1原料を得る。乾燥方法は、乳化した状態が乾燥終了
直前まで維持されるような乾燥方法であることが好まし
い。また、第1原料混合物を大量に処理し得る乾燥方法
であることも工業的生産の観点から好ましい。このよう
な乾燥方法の例として、スプレードライ(噴霧乾燥とも
いう)、ドラムドライなどが挙げられる。好ましくは、
乾燥は、スプレードライによって行われる。
【0075】このようにして第1原料を得ることによ
り、茶原料が、サイクロデキストリンによって表面処理
される。「表面処理」とは、茶原料とサイクロデキスト
リンとの間で、茶の卵白に対する作用を実質的に阻害で
きる程度の相互作用が得られる程度の処理をいう。
【0076】<メレンゲの製造>本発明の茶含有メレン
ゲは、通常、第1原料と第2原料とを混合してメレンゲ
生地を得る工程、得られたメレンゲ生地を起泡してメレ
ンゲ生地発泡体を得る工程、次いでメレンゲ生地発泡体
を焼成する工程により製造される。
【0077】ここで、通常、工業的には、メレンゲ生地
を得る工程と、メレンゲ生地発泡体を得る工程とは、別
々の工程とすることが、良好な発泡体を得やすい点で好
ましい。ただし、メレンゲ生地を得る工程と、メレンゲ
生地発泡体を得る工程とを1つの工程として連続的に行
ってもよい。すなわち、第1原料と第2原料とを混合し
て、そのままさらに起泡してメレンゲ生地発泡体を得て
もよい。
【0078】まず、第1の原料と第2の原料とを混合す
る。第1の原料と第2の原料とは、当該分野で公知の方
法および装置を用いて混合される。なお、本明細書中で
はこの混合工程を「予備混合」ともいう。混合は、原料
が実質的に均一に混合されるのであれば、どのような方
法を用いて行ってもよいし、また、混合時間も適切に選
択され得る。第1の原料および第2の原料は、各成分を
一度に添加した後に混合してもよいし、特定の成分の添
加を他の成分の混合中に行ってもよい。
【0079】本明細書中では、メレンゲ生地とは、メレ
ンゲの全ての原料が混合されて均一な混合物になったも
のをいう。メレンゲの原料を混合する際に卵白の起泡作
用が働くので、均一に混合されるまでに、混合物は通
常、10%程度のオーバーランを有し得る。オーバーラ
ンは一般的には、通常、0〜20%の範囲である。メレ
ンゲ生地は、次いで最終的な起泡工程に供されることに
より、所望の発泡状態のメレンゲ生地発泡体となる。
【0080】第1原料と第2原料との混合比は、メレン
ゲを製造し得る任意の比であり得る。好ましくは第2原
料100重量部に対して第1原料0.1〜100重量部
であり、より好ましくは0.5〜50重量部、さらに好
ましくは1〜25重量部である。
【0081】第1原料と第2原料との混合比は、好まし
くは、茶固形分100重量部に対して卵白1〜5000
重量部、より好ましくは50〜3000重量部、さらに
より好ましくは200重量部〜1000重量部である。
ここで、茶固形分とは、第1原料中の、茶原料の固形分
に由来する部分をいい、サイクロデキストリン、乳化剤
などを含まない。
【0082】このように混合比を任意に選択することに
より、得られるメレンゲ中での茶の含有量が、メレンゲ
の重量に対して、代表的には0.01重量%〜80重量
%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、より好まし
くは1重量%〜20重量%となるようにすることが望ま
しい。メレンゲ中にこの範囲の茶が含まれることによ
り、メレンゲに対して茶の味および風味が良好に付与さ
れる。茶の含量が多すぎると、メレンゲ生地の起泡が不
充分になりやすいという欠点がある。茶の含量が少なす
ぎると、メレンゲ生地に対して茶の味および風味が付与
されにくい場合がある。
【0083】次いで、メレンゲ生地に起泡を行ってメレ
ンゲ生地発泡体を得る。起泡は、当該分野で公知の方法
および装置を用いて行われ得る。起泡は、好ましくは連
続起泡であり得る。起泡のために用いられる装置は、メ
レンゲ生地と、空気、窒素などの気体とを実質的に均質
に混合し得る装置であればよく、その形式、種類、メー
カーは特に問わない。起泡に用いられ得る装置として
は、例えば、モンドミックス社のモンドミキサー、ベー
カーパーキンス社の2軸エクストルーダー、および一般
に市販されている菓子パン製造用のミキサーに生地の連
続供給装置を付加したものが挙げられる。起泡は、メレ
ンゲ生地発泡体中に含まれる気泡が充分細かくなるまで
行われる。「気泡が充分細かくなるまで」とは、焼成前
のメレンゲ生地発泡体中に、好ましくは直径5mm以上
の独立気泡がない状態、より好ましくは直径3mm以上
の独立気泡がない状態、さらに好ましくは直径1mm以
上の独立気泡がない状態をいう。
【0084】焼成前のメレンゲ生地発泡体の比重は、代
表的には約0.01〜1.0であり、好ましくは約0.
1〜0.7であり、より好ましくは約0.1〜0.2で
ある。メレンゲ発泡体の比重は、当該分野で公知の方法
によって測定され得る。
【0085】このようにして得られたメレンゲ生地発泡
体を焼成して、メレンゲを得る。メレンゲの焼成方法お
よび焼成条件は、当該分野で公知のメレンゲ焼成方法に
よって行われ得る。焼成は、例えば、ガスオーブン、電
気オーブン、遠赤外線オーブン、マイクロ波オーブンな
どのオーブンにて約120℃〜約250℃にて、約5分
間〜約40分間にて行われ得る。
【0086】得られるメレンゲの比重は、代表的には約
0.0001〜0.8であり、好ましくは約0.001
〜0.5であり、より好ましくは約0.01〜0.2で
ある。
【0087】得られるメレンゲは、メレンゲの重量に対
して、茶を、好ましくは0.01重量%〜80重量%、
より好ましくは0.1重量%〜50重量%、さらにより
好ましくは1重量%〜20重量%含有する。
【0088】得られるメレンゲは、メレンゲの重量に対
して、サイクロデキストリンを、好ましくは0.01重
量%〜80重量%、より好ましくは0.1重量%〜50
重量%、さらにより好ましくは1重量%〜20重量%含
有する。
【0089】得られるメレンゲは、メレンゲの重量に対
して、卵白を、好ましくは0.02重量%〜99重量
%、より好ましくは0.2重量%〜99重量%、さらに
より好ましくは2重量%〜40重量%含有する。
【0090】得られるメレンゲは、メレンゲの重量に対
して、乳化剤を、好ましくは0.00002重量%〜
0.64重量%、より好ましくは0.0008重量%〜
0.4重量%、さらにより好ましくは0.008重量%
〜0.16重量%含有する。
【0091】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
【0092】<製造例1:サイクロデキストリンによっ
て表面処理された抹茶の製造>以下の条件で、サイクロ
デキストリンによって表面処理された抹茶を調製した。
まず、以下の表1に記載された配合の原料をホモミキサ
ー(特殊機械工業社製)に入れ、6000rpmにて3
0分間予備混合して原料混合物を得た。予備混合時間は
15分間であった。予備混合の間、外部から原料混合物
を加熱し、原料混合物の最終的な品温が80℃になるよ
うにした。混合終了後、原料混合物を、ホモゲナイザー
(イズミフード・マシナリー会社製)を圧力100〜1
50kgf/cm2にて1パスで用いて乳化した。次に
乳化後の原料混合物をアットマイザー方式のスプレード
ライによって乾燥し、粉状の抹茶パウダーを得た。乾燥
条件は、入り口温度160℃、出口温度80℃、乾燥直
後の品温が50℃であった。得られた抹茶パウダーの平
均粒子径は、25〜50μmであった。
【0093】
【表1】 <実施例1:抹茶含有メレンゲの製造>表2に示されて
いる配合の原料をケーキミキサー(関東混合機工業社
製)にすべて投入し、5分間低速攪拌を行い予備混合し
て、メレンゲ生地を得た。本実施例では、実施例1で製
造した抹茶パウダーを用いた。次いで、予備混合時の比
重が0.85〜0.90になるように予備的な起泡を調
整した。予備混合の終了したメレンゲ生地をモンドミキ
サーミニコンパクト型(モンドミックス社製)に投入
し、回転数500rpm、空気量を毎時40リットルの
条件で連続起泡を行った。連続起泡15分後に200m
lの計量カップにメレンゲ生地発泡体をサンプリング
し、重量を計測し、測定された重量から焼成前の生地の
比重を算出した。
【0094】また、サンプリング後に残ったメレンゲ生
地発泡体を、160℃にて15分間、電気オーブン(ベ
ーカーズ・プロダクション社製)中で焼成した。焼成後
のメレンゲの外観および形状を観察し、さらに焼成後の
製品を食感および口溶けについて試食評価した。
【0095】
【表2】 <実施例2>表2の配合に従って各配合材料をケーキ
ミキサーに全て投入し、5分間低速攪拌を行い予備混合
して、メレンゲ生地を得たこと以外は、実施例1と同様
の方法で抹茶メレンゲを得た。
【0096】<比較例>製造例1で得た抹茶パウダーの
代わりに、抹茶の単品を用いた(表2の配合)以外
は、実施例1と同様の方法で抹茶メレンゲを得た。
【0097】<実施例1および2、ならびに比較例の結
果の比較>実施例1および2、ならびに比較例の結果を
表3に示す。比較例(配合)に比べて実施例1および
2(配合および)で得られたメレンゲの生地比重は
小さく、生地の起泡性能および成形性は良好であった。
このことから、抹茶とともにサイクロデキストリンを添
加することによって、メレンゲ生地の発泡性が改善され
ることが示された。
【0098】また、デキストリンで予め表面処理した抹
茶パウダーを用いることにより、焼成後の形状(多孔
質)および外観がさらに良好になり、そして食感がさら
に軽く口溶けの良いメレンゲ菓子が得られた。
【0099】
【表3】
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、茶含有メレンゲが製造
され得る。本発明によれば、原料中に茶原料が存在して
も、卵白の表面張力を低下させることなく均一でかつき
めの細かい気泡を生成させることができる。茶原料をサ
イクロデキストリンで表面処理して茶の与えるメレンゲ
への悪影響を抑えることにより、メレンゲ生地の比重が
安定し、そして焼成後の形状および食感の良いメレンゲ
菓子の製造が可能となる。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶含有メレンゲ。
  2. 【請求項2】 さらにサイクロデキストリンを含有す
    る、請求項1に記載のメレンゲ。
  3. 【請求項3】 さらに乳化剤を含有する、請求項2に記
    載のメレンゲ。
  4. 【請求項4】 比重が0.00001〜0.8である、
    請求項1に記載のメレンゲ。
  5. 【請求項5】 茶を含有する、メレンゲ生地。
  6. 【請求項6】 さらにサイクロデキストリンを含有す
    る、請求項5に記載のメレンゲ生地。
  7. 【請求項7】 さらに乳化剤を含有する、請求項6に記
    載のメレンゲ生地。
  8. 【請求項8】 茶原料およびサイクロデキストリンを含
    有する、メレンゲ用原料。
  9. 【請求項9】 前記茶原料が、前記サイクロデキストリ
    ンによって表面処理されている、請求項8に記載の原
    料。
  10. 【請求項10】 さらに乳化剤を含有する、請求項8に
    記載の原料。
  11. 【請求項11】 茶原料、サイクロデキストリンおよび
    水を混合して混合物を得る工程、および該混合物を乾燥
    する工程を包含する、メレンゲ用原料の製造方法。
  12. 【請求項12】 茶原料、サイクロデキストリン、乳化
    剤および水を混合して混合物を得る工程、および該混合
    物を乾燥する工程を包含する、メレンゲ用原料の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記乾燥工程が、スプレードライによ
    って行われる、請求項11または12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 茶含有メレンゲの製造方法であって、 茶原料およびサイクロデキストリンを含有する第1原料
    と、卵白を含有する第2原料とを混合し、起泡してメレ
    ンゲ生地発泡体を得る工程;および該メレンゲ生地発泡
    体を焼成して、茶含有メレンゲを得る工程、を包含す
    る、茶含有メレンゲの製造方法。
  15. 【請求項15】 さらに、前記第1原料が、乳化剤を含
    有する、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 さらに、 茶原料、サイクロデキストリンおよび水を混合して第1
    原料用混合物を得る工程;および該第1原料用混合物を
    乾燥して第1原料を得る工程、を包含する、請求項14
    に記載の方法。
  17. 【請求項17】 さらに、 茶原料、サイクロデキストリン、乳化剤および水を混合
    して第1原料用混合物を得る工程;および該第1原料用
    混合物を乾燥して第1原料を得る工程、を包含する、請
    求項14に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記乾燥工程が、スプレードライによ
    って行われる、請求項16または17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記茶含有メレンゲの比重が0.00
    001〜0.8である、請求項14に記載の方法。
  20. 【請求項20】 茶原料およびサイクロデキストリンを
    含有する第1原料と、卵白を含有する第2原料とを混合
    して、メレンゲ生地を得る工程を包含する、茶含有メレ
    ンゲ生地の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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