JP2002174787A - マルチビーム走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
マルチビーム走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置Info
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Abstract
つマルチビーム走査光学系において、発光部の偏光角の
角度差に起因する走査線の副走査方向の間隔誤差を軽減
し、印字品位を改善する。 【解決手段】 走査光学手段は樹脂製の走査光学素子を
少なくとも1枚有しており、樹脂製の走査光学素子は成
形加工の冷却時に生じる応力分布により、光軸を中心と
して主走査方向に向って樹脂製の走査光学素子の一端の
複屈折の主軸の向きと樹脂製の走査光学素子の他端の複
屈折の主軸の向きが異なっており、被走査面上に結像す
る複数の光束が被走査面上に描く走査線のうち隣接する
走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変
位しており、複数の発光部から各々出射される光束の偏
光角が互いに異なることに起因する走査線の副走査方向
の間隔誤差を所望の走査線間隔の1/5以下に設定する
設定手段を少なくとも1つ有すること。
Description
学装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に複数
の発光部を有する光源手段から出射した複数の光束を光
偏向器としてのポリゴンミラーにより偏向させた後、f
θ特性を有する走査光学手段を介して被走査面上を光走
査して画像情報を記録するようにした、例えば電子写真
プロセスを有するレーザービームプリンタやデジタル複
写機、マルチファンクションプリンタ等の画像形成装置
に好適なものである。
光学装置(走査光学系)は光源手段から出射した光束を
入射光学手段を介して偏向手段に導き、この偏向手段で
偏向した光束をfθ特性を有する走査光学手段を介して
被走査面上にスポット状に結像、且つ走査するよう構成
されることが多い。
化が進展するに伴い、走査光学装置の高速化の要求も高
まっている。そこで高速化の要求に応えるために複数の
光源(発光部)を使用することが考えられ、例えば特開
平9−54263号公報では光源手段として一個のチッ
プから一直線上に並んだ複数本の光束(レーザ光)を放
射するマルチビームレーザーチップを使用している。
おいては様々な理由により走査線の副走査方向の間隔が
場所ごとに異なると印字される画像の品位は劣化してし
まう。特に発光部を複数有するマルチビーム走査光学装
置においては発光部が複数あるが故にこの現象が生じ易
い。
ら各々出射される光束の偏光角が互いに異なることに起
因する走査面上における走査線の副走査方向の間隔誤差
を所望の値以下と成るように各要素を設定し、有効走査
領域内の走査線の副走査方向の間隔誤差を低減すること
により、比較的ローコストで、しかも高速で高品位の印
字が可能なマルチビーム走査光学装置及びそれを用いた
画像形成装置の提供を目的とする。
置は、複数の発光部を有する光源手段から出射された複
数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、該偏
向手段で偏向された複数の光束を被走査面上に結像させ
る走査光学手段と、を有するマルチビーム走査光学装置
において、前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素子
を少なくとも1枚有しており、該樹脂製の走査光学素子
は、成形加工の冷却時に生じる応力分布により、光軸を
中心として主走査方向に向って該樹脂製の走査光学素子
の一端の複屈折の主軸の向きと該樹脂製の走査光学素子
の他端の複屈折の主軸の向きが異なっており、該樹脂製
の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結像する複
数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣接する走
査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変位
しており、該複数の発光部から各々出射される光束の偏
光角が互いに異なることに起因する走査線の副走査方向
の間隔誤差を所望の走査線間隔の1/5以下に設定する
設定手段を少なくとも1つ有すること特徴としている。
て、前記樹脂製の走査光学素子の成形加工の冷却時に生
じる応力分布により、該樹脂製の走査光学素子の端部の
複屈折の主軸の向きが副走査方向において非対称な分布
となっていることを特徴としている。
おいて、前記樹脂製の走査光学素子を複数枚有している
ことを特徴としている。
明において、前記走査光学手段が有する屈折光学素子
は、全て前記樹脂製の走査光学素子であることを特徴と
している。
明において、前記走査光学手段は、ガラス製の走査光学
素子を有することを特徴としている。
の発明において、前記走査光学手段は、パワーを備えた
反射光学素子を有することを特徴としている。
か一項の発明において、前記設定手段は、前記複数の発
光部から各々出射される光束の偏光角の角度差を20度
以下と成るように設定した手段であることを特徴として
いる。
か一項の発明において、前記設定手段は、前記樹脂製の
走査光学素子に入射する複数の光束の偏光角の角度差を
補正する補正手段であることを特徴としている。
て、前記補正手段は、前記光源手段と前記樹脂製の走査
光学素子との間の光路中に設けられた偏光制限手段であ
ることを特徴としている。
て、前記偏光制限手段は前記入射光学手段の光軸に対し
て傾斜して設けられていることを特徴としている。
ずれか一項の発明において、前記複数の発光部は各々独
立して設けられていることを特徴としている。
いて、前記設定手段は、前記複数の発光部から各々出射
される光束の偏光角が各々独立に調整可能な調整手段で
あることを特徴としている。
ずれか一項の発明において、前記光源手段はモノリシッ
クなマルチビーム光源であることを特徴としている。
いて、前記モノリシックなマルチビーム光源を複数有す
ることを特徴としている。
いて、前記設定手段は、前記複数のモノリシックなマル
チビーム光源から各々出射される光束の偏光角が各々独
立に調整可能な調整手段であることを特徴としている。
ずれか一項の発明において、前記設定手段は副走査方向
に垂直にシフト偏心させるか又は/及び主走査方向を軸
として回転偏心させた樹脂製の走査光学素子であること
を特徴としている。
ずれか一項の発明において、前記樹脂製の走査光学素子
の副走査方向の幅をh、光軸方向の幅をdとしたとき、 h/d≦1.8 を満足することを特徴としている。
ずれか一項の発明において、前記樹脂製の走査光学素子
の副走査方向の幅をh、該樹脂製の走査光学素子を通過
する光束の副走査方向の幅をtとしたとき、 h/t≦15 を満足することを特徴としている。
項1乃至18のいずれか1項に記載のマルチビーム走査
光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記
マルチビーム走査光学装置で走査された光束によって前
記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像
する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写す
る転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させ
る定着器とを有することを特徴としている。
項1乃至18のいずれか一項に記載のマルチビーム走査
光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像
信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリン
タコントローラとを有していることを特徴としている。
装置は、複数の発光部を有する光源手段から出射された
複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、該
偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上に結像さ
せる走査光学手段と、を有するマルチビーム走査光学装
置において、前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素
子を少なくとも1枚有しており、該樹脂製の走査光学素
子は、成形加工の冷却時に生じる応力分布により、光軸
を中心として主走査方向に向って該樹脂製の走査光学素
子の一端の複屈折の主軸の向きと該樹脂製の走査光学素
子の他端の複屈折の主軸の向きが異なっており、該樹脂
製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結像する
複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣接する
走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変
位しており、該複数の発光部から各々出射される光束の
偏光角が互いに異なることに起因する走査線の副走査方
向の間隔誤差を所望の走査線間隔の1/5以下に設定す
る設定手段を少なくとも1つ有し、該設定手段の1つ
は、該複数の発光部から各々出射される光束の偏光角の
角度差を20度以下と成るように設定した手段であるこ
とを特徴としている。
項21に記載のマルチビーム走査光学装置と、前記被走
査面に配置された感光体と、前記マルチビーム走査光学
装置で走査された光束によって前記感光体上に形成され
た静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像さ
れたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写され
たトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有するこ
とを特徴としている。
項21に記載のマルチビーム走査光学装置と、外部機器
から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走
査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有
していることを特徴としている。
装置は、複数の発光部を有する光源手段から出射された
複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、該
偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上に結像さ
せる走査光学手段と、を有するマルチビーム走査光学装
置において、前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素
子を少なくとも1枚有しており、該樹脂製の走査光学素
子は、成形加工の冷却時に生じる応力分布により、光軸
を中心として主走査方向に向って該樹脂製の走査光学素
子の一端の複屈折の主軸の向きと該樹脂製の走査光学素
子の他端の複屈折の主軸の向きが異なっており、該樹脂
製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結像する
複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣接する
走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変
位しており、該複数の発光部から各々出射される光束の
偏光角が互いに異なることに起因する走査線の副走査方
向の間隔誤差を所望の走査線間隔の1/5以下に設定す
る設定手段を少なくとも1つ有し、該設定手段の1つ
は、該樹脂製の走査光学素子に入射する複数の光束の偏
光角の角度差を補正する補正手段であることを特徴とし
ている。
いて、前記設定手段は、前記複数の発光部から各々出射
される光束の偏光角が各々独立に調整可能な調整手段で
あることを特徴としている。
いて、前記設定手段は、前記光源手段と前記樹脂製の走
査光学素子との間の光路中に設けられた偏光制限手段で
あることを特徴としている。
項24に記載のマルチビーム走査光学装置と、前記被走
査面に配置された感光体と、前記マルチビーム走査光学
装置で走査された光束によって前記感光体上に形成され
た静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像さ
れたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写され
たトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有するこ
とを特徴としている。
項24に記載のマルチビーム走査光学装置と、外部機器
から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走
査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有
していることを特徴としている。
装置は、複数の発光部を有する光源手段から出射された
複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、該
偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上に結像さ
せる走査光学手段と、を有するマルチビーム走査光学装
置において、前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素
子を少なくとも1枚有しており、該樹脂製の走査光学素
子は、成形加工の冷却時に生じる応力分布により、光軸
を中心として主走査方向に向って該樹脂製の走査光学素
子の一端の複屈折の主軸の向きと該樹脂製の走査光学素
子の他端の複屈折の主軸の向きが異なっており、該樹脂
製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結像する
複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣接する
走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変
位しており、該複数の発光部から各々出射される光束の
偏光角が互いに異なることに起因する走査線の副走査方
向の間隔誤差を所望の走査線間隔の1/5以下に設定す
る設定手段を少なくとも1つ有し、該設定手段の1つは
副走査方向に垂直にシフト偏心させるか又は/及び主走
査方向を軸として回転偏心させた樹脂製の走査光学素子
であることを特徴としている。
項29に記載のマルチビーム走査光学装置と、前記被走
査面に配置された感光体と、前記マルチビーム走査光学
装置で走査された光束によって前記感光体上に形成され
た静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像さ
れたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写され
たトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有するこ
とを特徴としている。
項29に記載のマルチビーム走査光学装置と、外部機器
から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走
査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有
していることを特徴としている。
装置は、複数の発光部を有する光源手段から出射された
複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、該
偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上に結像さ
せる走査光学手段と、を有するマルチビーム走査光学装
置において、前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素
子を少なくとも1枚有しており、該樹脂製の走査光学素
子は、成形加工の冷却時に生じる応力分布により、光軸
を中心として主走査方向に向って該樹脂製の走査光学素
子の一端の複屈折の主軸の向きと該樹脂製の走査光学素
子の他端の複屈折の主軸の向きが異なっており、該樹脂
製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結像する
複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣接する
走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変
位しており、該複数の発光部から各々出射される光束の
偏光角の相対変位に基づく該被走査面上での走査線の副
走査方向の間隔誤差より、実際の該被走査面上での走査
線の副走査方向の間隔誤差を小さく設定する設定手段を
少なくとも1つ有し、該設定手段の1つは副走査方向に
垂直にシフト偏心させるか又は/及び主走査方向を軸と
して回転偏心させた樹脂製の走査光学素子であることを
特徴としている。
項32に記載のマルチビーム走査光学装置と、前記被走
査面に配置された感光体と、前記マルチビーム走査光学
装置で走査された光束によって前記感光体上に形成され
た静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像さ
れたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写され
たトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有するこ
とを特徴としている。
項32に記載のマルチビーム走査光学装置と、外部機器
から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走
査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有
していることを特徴としている。
装置は、複数の発光部を有する光源手段から出射された
複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、該
偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上に結像さ
せる走査光学手段と、を有するマルチビーム走査光学装
置において、前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素
子を少なくとも1枚有しており、該樹脂製の走査光学素
子は、成形加工の冷却時に生じる応力分布により、光軸
を中心として主走査方向に向って該樹脂製の走査光学素
子の一端の複屈折の主軸の向きと該樹脂製の走査光学素
子の他端の複屈折の主軸の向きが異なっており、該樹脂
製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結像する
複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣接する
走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変
位しており、該複数の発光部から各々出射される光束の
偏光角の相対変位に基づく該被走査面上での走査線の副
走査方向の間隔誤差より、実際の該被走査面上での走査
線の副走査方向の間隔誤差を小さく設定する設定手段を
少なくとも1つ有し、該設定手段の1つは、前記光源手
段と前記樹脂製の走査光学素子との間の光路中に設けら
れた偏光制限手段であることを特徴としている。
項35に記載のマルチビーム走査光学装置と、前記被走
査面に配置された感光体と、前記マルチビーム走査光学
装置で走査された光束によって前記感光体上に形成され
た静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像さ
れたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写され
たトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有するこ
とを特徴としている。
項35に記載のマルチビーム走査光学装置と、外部機器
から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走
査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有
していることを特徴としている。
々な理由により走査線の副走査方向の間隔が場所ごとに
異なると印字される画像の品位は劣化してしまう。特に
発光部を複数有するマルチビーム走査光学装置において
は発光部が複数あるが故にこの現象が生じ易い。
光学面(光学系)が設計値通りにできていない、(2)
走査光学手段の副走査方向の倍率(副走査倍率)が主走
査方向に対して一定になっていない、(3)光束が感光
ドラム面ヘ垂直に入射していない、といった事項がこれ
までに提言されているが、これらの事項とは別に複数の
発光部から各々出射される光束の偏光角が互いに異なる
ことによっても走査線の副走査方向の間隔が変化する。
の加工等の問題より、走査光学手段に樹脂製の光学素子
(プラスチックレンズ)を用いることが多い。樹脂製の
光学素子は一般に複屈折を持ち易く、このため入射光束
の偏光方向により屈折率が異なり、このような光学素子
に光束が入射した場合、偏光方向が直交する2光束に分
離されレンズ内を伝搬し、該レンズ射出後に合成され
る。本明細書においては直交する前記二つの偏光方向を
各々主軸と称す。
面垂直方向より入射する光束LA(不図示)が入射する
ときの入射光束の偏光方向をP、光学素子GAの各複屈
折の主軸をNo,Neとし、入射光束LAの偏光方向P
と複屈折の主軸Neとのなす角度をθとする。このよう
な場合、光学素子GA内部において光束はNo方向の偏
光成分PoとNe方向の偏光成分Peの2つの偏光成分
に分離され、各偏光成分Po,Peは各々の屈折率に応
じて伝搬される。このため各偏光成分間に位相差が生じ
直線偏光の光束が楕円偏光等に状態を変える。
inθ、Pe=P・cosθで表され、各偏光成分P
o,Peの強度は各偏光成分の自乗に比例する。
れた光束は走査光学手段(fθ光学系)を主走査方向に
移動しつつ場所を変えて透過していく。走査光学手段に
おいて、コスト低減のため例えば成形加工された光学素
子を用いることが多いが、このような光学素子は型内部
において冷却時に生じる温度分布及び応力分布によって
図17、図18、図19(A),(B)に示すように場
所によって異なった複屈折を持つ。
ト的に有利ではあっても複屈折を発生させ易く、更に、
冷却に要する時間が5分未満と短い時間で成形されるレ
ンズでは、複屈折の主軸の向きはレンズの位置によって
大きく異なる。
学素子(レンズ)GAを光軸OA方向から見た平面図で
ある。図33はレンズ内における応力の分布を示した図
である。図の曲線に対して垂直方向に内部応力が働いて
おり、複屈折の主軸はこの曲線に対し水平及び垂直な方
向を向く。
学素子(レンズ)GAを光軸OA方向から見た平面図で
ある。同図において、30はレンズ中央部の領域を透過
する光束、31は一端のレンズ端部の領域を透過する光
束、32は他端のレンズ端部を透過する光束を示してい
る。図18、図19(A),(B)は各々図17に示す
光学素子6A上の光束30,31,32内における光学
素子の複屈折の主軸方向を示した図である。
に複屈折の主軸の向きはレンズの位置によって異なる。
これは成形加工中における冷却時の温度分布に複屈折の
主軸の方向が影響されるためである。例えばレンズ中央
部を透過する光束30の断面内の主軸の向きは図18に
示すようにレンズの上下、左右の対称性からほぼレンズ
の長軸(主走査方向)、短軸(副走査方向)の方向に一
致している。このとき図20(A)に示すように光学素
子GAに入射する入射光束Laの偏光方向が長軸Yある
いは短軸Z方向になっていれば、入射光束の偏光方向P
と主軸とのなす角度は略0度、あるいは90度となり、
レンズ内部で異なる方向の偏光成分はほとんど発生しな
い。よってこのときに得られる走査面上のスポットは図
21の曲線36に示すような理想状態に近い強度分布を
もつ。図21は横軸が副走査方向、縦軸が結像スポット
の強度分布を示しており、縦軸、横軸の関係は後述する
図22、図23、図24でも同様である。
ばレンズ中央部を透過する光束Laの偏光方向が長軸Y
あるいは短軸Zに対して入射光束Laの偏光方向Pが傾
いている場合は、その傾きに応じて異なる方向の偏光成
分が発生する。この場合は偏光方向Pと主軸の成す角度
θは光束内全域に渡ってほぼ同じであるため光束内部は
ほぼ均一な位相差を持ち、入射光束の偏光方向Pがレン
ズの長軸あるいは短軸と一致している場合と同様に最終
的に得られるスポットは図21の曲線36と同様な理想
状態に近い強度分布を持つ。
る光束32の断面内の主軸の傾きは図19(A)に示す
ように上下が非対称性の分布となる。この場合、主軸の
傾きは光束の内部の各場所によって異なりレンズ中央部
からレンズ端部へと離れるに従い大きく傾く。この結
果、光学素子GAに入射する入射光束Laが図20
(A)に示すようにレンズの長軸Yあるいは短軸Z方向
に偏光方向Pを持っていても、レンズ内部を伝搬する光
束には入射光束とは異なる偏光成分が出現し、その量は
光束内部で異なる。図29にレンズ端部透過後の光束の
偏光の状態を示す。
様、主軸を示し、上下2つの楕円及び中央の横線は、レ
ンズ透過後の光束の偏光状態を示している。又、楕円上
の矢印は偏光の回転方向を示している。図中、中央部を
透過する光線は入射光束の偏光方向と主軸の向きが一致
するため、入射光束と同じ偏光状態で射出する。これに
対し上部及び下部を透過する光線は入射光束と主軸の向
きが一致しないため同図に示すように直線偏光が楕円偏
光に変換されて射出する。
回転を示すが以下に詳細に説明していく。
光方向、主軸及び射出光束の偏光方向の関係を示した図
である。また、同図(A)は光束上部の光線を、同図
(B)は光束下部の光線を示している。レンズに入射し
た光束は主軸の方向に従い2光束に分離される。同図で
はNo及びNe方向の偏光を持つ光束に分離される。分
離された光束は複屈折を有するレンズを透過することで
No方向の偏光成分に対しNe方向の偏光成分の位相が
ズレてしまう。この結果、レンズ射出後の合成された光
束は直線偏光から楕円偏光に変換される。仮にNoに対
しNeの位相がπ/4遅れたとすると同図に示すような
回転方向を持つ楕円偏光になる。
が逆になっているため偏光の回転方向は中央を挟んで逆
になる。
振動しているわけではなく、光束上部の偏光が図29に
おいての方向を示すとき、光束中央および下部の偏光
は各々のの方向を示す。同様に上部の偏光が、、
の方向を示すとき、光束中央および下部の偏光は各々
の、、の方向を示す。このような光束において、
ある任意な瞬間の光束内の偏光の分布を見ると、入射光
束の偏光方向と同じ図中横方向の偏光成分は光束の場所
によらず同じ方向を向く。これに対し入射光束の偏光方
向に垂直な図中上下方向の成分は中央部を挟んで向きが
逆方向になる。
9でいうところのの瞬間における射出光束の各場所に
おける偏光方向を示した図である。
偏光方向及びそれを入射光束の偏光方向に対して水平、
垂直成分に分けた状態を示し、同図(B)の矢印及び同
図(C)の矢印の組みは射出光束内の各場所の偏光方向
及びそれを入射光束の偏光方向に対して水平、垂直成分
に分けた状態を示している。
に水平な方向(図中横方向)の成分は全て同一の方向を
向いているのに対し、入射光束の偏光方向に垂直な方向
(図中上下方向)の成分は中央部を逆の方向を向いてい
ることが分かる。
うな状態を位相差の分布という形で示すと、光束内にお
ける位相差の分布は図27に示すようになる。図27は
横軸がレンズGAの上下方向(Z方向)、縦軸が光束3
2の中心の位相に対する入射光束の偏光方向Pに垂直な
偏光の位相の差を示している。
つのスポットになるのに対し、光束内で位相が反転して
いる成分を持つ光束を結像させるとスポットが複数発生
することが知られている。これまで述べてきたようにレ
ンズ端部を透過した光束の入射光束に対し垂直な成分の
位相は副走査方向において中央を挟んで反転する。この
結果、入射光束の偏光方向Pに対して垂直な偏光成分は
走査面上において図22の曲線38cに示すような2つ
のピークを有する強度分布を持つスポットとして結像す
る。これに対し入射光束の偏光方向Pに対して平行な偏
光成分の光束は光束内において均一な位相であるため、
走査面上のスポットは図22の曲線38bに示すような
強度分布を持つ通常のスポット状に結像する。これら2
つの偏光成分は互いに直交している為、非干渉であり、
最終的に得られるスポットは図22の2つの曲線38
b,38cを重ね合わせた曲線38aのような肥大化し
たスポットになる。
素子GAの長軸Yあるいは短軸Zに対して入射光束La
の偏光方向Pが傾いて入射している場合は光束Laの中
心においても入射光束の偏光方向Pと主軸の方向とが一
致しないため、光束内における位相差の分布は図28に
示すようになる。図28は横軸がレンズGAの上下方向
(Z方向)、縦軸が入射光束の偏光方向Pに垂直な偏光
の位相の差を示している。
り、この場合は位相差は中央から離れたところで反転し
ている。これは入射光束の偏光方向Pが傾いているた
め、光束の中央から離れたところで光束の偏光方向Pと
主軸の方向が一致するためである。このように位相の反
転する位置が偏った影響を受けて走査面上における入射
光束の偏光方向Pに対して垂直な偏光成分の結像スポッ
トは図23の曲線39cに示すように2つの偏ったピー
クを有する強度分布を持つスポットとして結像する。
成分の位相は入射光束が傾く前と同様、光束内において
均一なため走査面上において図23の曲線39bに示す
ような強度分布を持つ通常のスポット状に結像する。こ
れら2つの偏光成分は互いに直交している為、非干渉で
あり、最終的に得られるスポットは図23の2つの曲線
39b,39cを重ね合わせた曲線39aのような,こ
の場合は図中左側(レンズ下側方向)に偏って肥大した
スポットになる。
(B)に示すように図19(A)とは逆の傾き方を有す
るため走査面上において最終的に得られるスポットは図
23の曲線39aとは逆に、右側(レンズ上側方向)に
偏って肥大したスポットになる。
軸あるいは短軸と一致していないと光束がレンズ上の透
過位置を変えるにつれて走査面上におけるスポットの強
度分布のピーク位置は図24に示すように移動し、走査
面上において最終的に得られる走査線は図25に示すよ
うに傾いてしまう。
において図26(A)に示すように有効走査領域内です
べての走査線が同様に傾くため印字品位への影響は比較
的軽微ですむが、発光部が複数ある場合において各発光
部の偏光方向Pが揃っていないと有効走査領域内で走査
面SP上において図26(B)〜図26(E)に示すよ
うに各走査線の傾き方がまちまちになり印字品位の劣化
を招く。
学装置内に発光部が2つある場合の例を示している。一
方の発光部Aから出射された光束が描く走査線をA線、
他方の発光部Bから出射された光束が描く走査線をB線
として、各発光部A、Bの偏光方向Pに対応した被走査
面上での走査線の傾き方を示している。
面上に描く走査線のうち隣接する走査線Aと走査線Bの
間隔が有効走査領域内で主走査方向に向って変位してお
り、隣接する走査線Aと走査線Bの左端と隣接する走査
線Aと走査線Bの右端の副走査方向の間隔が異なってお
り、印字品位の劣化を招いている。図26(B)、
(E)では、隣接する走査線Aと走査線Bの副走査方向
の間隔が主走査方向において左から右に向い単調に増加
している。図26(C)、(D)では逆に単調に減少し
ている。
内に発光部が4つある場合の例を示している。一方向に
順に並んだ第1の発光部Aから出射された光束が描く走
査線をA線、第2の発光部Bから出射された光束が描く
走査線をB線、第3の発光部Cから出射された光束が描
く走査線をC線、第4の発光部Dから出射された光束が
描く走査線をD線として、各発光部A、B、C、Dの偏
光方向Pに対応した被走査面上での走査線の傾き方を示
している。
等しい場合を示したが、発光部の偏光方向がほぼ垂直な
関係にある場合も、これまで問題にしてきた走査線間隔
誤差を生じる。
す光束のレンズ透過後の偏光の状態を示す。図29と異
なる点は入射光束の偏光方向が図中上下方向に向いてい
る点である。尚、図29と矢印等の意味は同じである。
偏光方向と主軸の向きが一致するため、入射光束と同じ
偏光状態で射出する。これに対し上部及び下部を透過す
る光線は入射光束と主軸の向きが一致しないため同図に
示すように直線偏光が楕円偏光に変換されて射出する。
分は光束の位置によらず常に一致しているのに対し、入
射光束の偏光方向に垂直な成分は光束の上下部で常に逆
向きになる。このため入射光束の偏光方向に垂直な成分
は結像面において2つのスポットになるため、最終的に
得られるスポットは入射光束に平行な偏光成分によるス
ポットと重なった、肥大化したスポットになる。
発光部のスポットは偏向走査中も同様の肥大化を示す。
なぜならば2本ある主軸の向きは常に直交しているから
である。このため、これまで単に偏光角度差として扱っ
ていたものを平行または直交状態からのズレ角度として
扱えば、これまで述べていたことを当てはめることがで
きる。そして偏光方向が水平または垂直な状態からずれ
ているとスポットの状態が、各発光部ごとに異なるた
め、例えば図26(B)に示す印字状態になり、印字品
位を劣化させる。
線偏光の光を発する光源と偏光板を用いる方法がある。
直線偏光を持つ光を偏光板に照射し、偏光板から射出す
る光量が最大になるように偏光板若しくは光源を回転さ
せて調整する。次に光源と偏光板の間に主軸の向きを測
定したい試料を配置し、試料を光軸周りに回転させて光
量が最大になる角度をさがす。この時の角度が主軸の方
向になる。もちろん光源と偏光板の角度関係を光量が最
小になるようにしておいて、試料挿入後、光量が最小に
なる角度を探しても良い。
の実施形態1の主走査方向の要部断面図(主走査断面
図)、図2は図1に示した光源手段の要部断面図(副走
査断面図)である。
束が反射偏向(偏向走査)される方向を主走査方向、走
査光学手段の光軸及び主走査方向と直交する方向を副走
査方向と定義する。
シックなマルチビーム半導体レーザーより成っており、
第1、第2の2つの発光部1a,1bを有している。第
1、第2の発光部1a,1bは図2に示すように主走査
方向及び副走査方向に対して、それぞれ所定量離して配
置されている。2はコリメーターレンズであり、光源手
段1の2つの発光部1a,1bから出射した発散光束を
各々略平行光束に変換している。4はシリンドリカルレ
ンズ(シリンダーレンズ)であり、副走査方向にのみ所
定の屈折力を有しており、コリメーターレンズ2を通過
した略平行光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の
偏向面5aにほぼ線像として結像させている。3は開口
絞りであり、シリンドリカルレンズ4から射出した光束
を所望の最適なビーム形状に成形している。本実施形態
では開口絞り3を後述する光偏光器5の偏向面5aに近
い位置に配置することにより各光束の主走査方向の印字
位置ずれを軽減している。
ルレンズ4、開口絞り3等の各要素は入射光学手段8の
一要素を構成している。
ラー(回転多面鏡)より成る光偏向器であり、モータ等
の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度
で回転している。
レンズ系)であり、射出成形で成形した樹脂(プラスチ
ック)より成る第1、第2の2つの光学素子(トーリッ
クレンズ)6a,6bとを有しており、光偏向器5によ
って偏向された画像情報に基づく2つの光束を感光ドラ
ム面7上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向
器5の偏向面5aと感光ドラム面7とを共役関係にする
ことにより面倒れ補正機能を有している。
る。
ビーム半導体レーザー1の2つの発光部1a,1bから
出射した各々の発散光束はコリメーターレンズ2により
略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ4に入射
している。シリンドリカルレンズ4に入射した2本の略
平行光束のうち主走査断面においてはそのままの状態で
射出して開口絞り3を通過する(一部遮光される)。ま
た副走査断面内においては収束して開口絞り3を通過し
(一部遮光される)光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像
(主走査方向に長手の線像)として結像している。そし
て光偏向器5の偏向面5aで偏向された2つの光束は第
1、第2の光学素子6a,6bを介して感光ドラム面7
上に導光され、該光偏向器5を矢印A方向に回転させる
ことによって、該感光ドラム面7上を矢印B方向に光走
査している。これにより記録媒体としての感光ドラム面
7上に画像記録を行なっている。
走査方向の倍率を全走査範囲に対してほぼ一律に設定す
ることにより、走査線の副走査方向の間隔を理想的な状
況においてほぼ一定になるようにしている。
ンズ2によってマルチビーム半導体レーザー1の2つの
発光部1a,1bから出射した各々の発散光束を略平行
光束に変換しているが、収束光束もしくは発散光束に変
換していたとしても以下に述べるような本発明の効果が
得られる。
ストの低減を図るため走査光学手段6を構成する第1、
第2の光学素子6a,6bを樹脂材料であるゼオネック
スを用いて成形加工している。このため例えば前記図1
8、図19(A),(B)に示すような主軸の分布が第
1、第2の光学素子6a,6bにそれぞれ存在してお
り、前述の従来例で述べたように第1、第2の発光部1
a,1bから各々出射される光束の偏光角が互いに異な
っていると副走査方向の走査線の間隔が一定にならず印
字品位を劣化させてしまう。
発光部から各々出射される光束の偏光角の角度差と、走
査線の副走査方向の間隔誤差との関係は、該角度差が3
0度のとき、走査面上における走査線の間隔誤差が±
2.5μm程度になることが判明した。また別の実験よ
り本来の走査線間隔の1/5以上の間隔誤差が発生する
と印字品位が著しく劣化することも判明した。
像度は1200dpi程度である。よって理想的な走査
線の間隔は約21μmとなり、少なくとも間隔誤差は本
来の走査線間隔の1/5である±4.2μm以下である
ことが望ましい。
線の副走査方向の間隔誤差が所望の走査線間隔の1/5
以下となるように第1、第2の発光部1a,1bから各
々出射される光束の偏光角の角度差を設計値が元々持っ
ている間隔誤差分や光学素子の偏心等を考慮して45度
以下に設定した。これにより走査線の副走査方向の間隔
誤差を低減し、比較的ローコストで、かつ高速にて高品
位の印字が可能なマルチビーム走査光学装置を得てい
る。
出射される光束の偏光角の角度差を45度以下と成るよ
うに設定したが、望ましくは20度以下が良い。
複屈折を持ち、更に複屈折の主軸の向きが場所によって
異なる。特に図19の如く副走査方向において非対称な
分布となっている。
走査方向の幅)hが通過する光束の副走査方向の幅tに
対し15倍以上と大きい場合、光束内における複屈折の
主軸の非対称な分布は相対的に小さくなる。複屈折の影
響を軽減するには、本来ならば上記のようなレンズを用
いるべきではあるが、実際のところ、材料費及び成形に
かかる時間が長くなることによりコストアップが懸念さ
れるため、走査光学手段に用いるレンズに対し(h/
t)>15とすることは難しい。
うなレンズを用いることで、本明細書で指摘した課題が
顕著になる場合でも本明細書で述べてきた手段を用いる
ことで問題を軽減することが可能になる。
偏光手段側のレンズ6aでは(h/t)=22.3と複
屈折の影響を軽減するには好ましいレンズ形状になって
いるが、感光ドラム面7側のレンズ6bは(h/t)=
11.7と複屈折の影響を受けやすい形状になってい
る。しかしながらこれまでに述べてきた対策を施すこと
で影響を軽減している。
向の幅)hが光学素子の肉厚d(光軸方向の幅)に対し
1.8倍以上の場合、成形加工における冷却の時、高さ
方向よりも肉厚方向からの放熱が多くなり結果として、
レンズは急速に冷え固まっていく。このため複屈折の主
軸が大きく傾きはじめる前に方向が固定されてしまう。
よって副走査方向における主軸の非対称な分布は小さく
なる。
上記のようなレンズを用いるべきではあるが、実際のと
ころ、あまりに肉厚を薄くすると型内に樹脂を流し込む
際にスムーズに流れなくなり、それが故に複屈折を生じ
させてしまう。また、レンズ高さ(副走査方向の幅)h
を高くすると前述したようにコストが高くなるため好ま
しくない。
ようなレンズを用いることで、本明細書で指摘した課題
が顕著になる場合でも本明細書で述べてきた手段を用い
ることで問題を軽減することが可能になる。本実施形態
では走査光学手段に用いている偏光手段側のレンズ6a
では(h/d)=1.53、感光ドラム面7側のレンズ
6bは(h/t)=1.63と複屈折の影響を受けやす
い形状になっている。しかしながらこれまでに述べてき
た対策を施すことで影響を軽減している。
ズが、全て樹脂製の複屈折を有するレンズから構成され
ている場合に複屈折の影響が大きくなる理由について述
べる。
するレンズから構成されている場合、複屈折による間隔
誤差は、ほぼ各レンズの複屈折の影響を足し合わせた状
態で現れる。なぜならば複屈折の主軸の傾きの分布はレ
ンズ外形に依存し易く、且つ走査光学手段で用いられて
いるレンズはスペースの関係より通常、矩形状にするこ
とが多いため、程度の差こそあれ、レンズの場所に対す
る複屈折の主軸が傾いていく方向は、レンズを問わず同
様になるためである。
向やレンズの形状にも依存する。このため走査線の副走
査方向の間隔誤差は主走査方向に対し、厳密には線形的
に変化しない。よって複屈折を有するレンズを複数枚用
いると、間隔誤差が大きく発生する箇所が足し合わされ
て、走査線の間隔誤差が局所的に大きく発生する箇所が
現れ得る。このような場所が局所的に生じると印字画像
上でその箇所が非常に目立ち、印字品位の劣化を招く。
響され、一般に肉厚が厚くなるほど影響が現れ易い。よ
って樹脂製の複屈折を有するレンズが1枚しかない場合
でも、そのレンズの肉厚が厚い場合は走査線の間隔誤差
を生じさせ易くなる。走査光学手段に用いるレンズが1
枚のみの場合、fθ特性等を得るためにレンズ肉厚が厚
くなる傾向にある。このため、走査光学手段に用いられ
た唯一のレンズが樹脂製の複屈折を有するレンズの場
合、走査線の間隔誤差を生じさせ易くなる。
ズが、全て樹脂製の複屈折を有するレンズから構成され
ている場合、複屈折の影響が大きくなるため、走査線の
間隔誤差が発生し易くなる。よって本来ならばこのよう
な構成は避けるべきではあるが、コスト及び光学性能を
両立させるために、あえて上記のような構成にする場合
が多い。本明細書の発明の効果は特にこのような場合に
おいて得られ、本明細書で提案した解決手段を用いるこ
とで走査線の間隔誤差に起因する印字画像の品位の劣化
を軽減することができる。
枚のレンズにどちらも樹脂製の複屈折を有するレンズを
用いている。しかしながらこれまでに述べてきた対策を
施すことで影響を軽減している。
の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。同
図において図1に示した要素と同一要素には同符番を付
している。
なる点は開口絞り3の直後に特定の偏光方向の成分のみ
を透過する機能をもつ、例えば偏光制限手段としての偏
光板18を入射光学手段8の光軸まわりに回転調整可能
にして設けたことである。この偏光制限手段は樹脂製の
走査光学素子に入射する複数の光束の偏光角の角度差を
補正する補正手段(設定手段)として作用している。そ
の他の構成及び光学的作用は実施形態1と略同様であ
り、これにより同様な効果を得ている。
あり、例えば偏光板より成り、特定の偏光方向の成分の
光束のみを透過する機能を有し、開口絞り3の直後に入
射光学手段8の光軸に対して傾けて設けている。光軸に
対して傾けているのは光源手段1への戻り光を軽減する
ためである。
2の発光部1a,1bから出射された2つの光束の偏光
方向が揃っていなくとも偏光板18を透過させることで
樹脂材料より成形加工された第1、第2の光学素子6
a,6bに入射する前に偏光方向Pを互いに略揃えてい
る。これにより走査線の副走査方向の間隔誤差が本来の
走査線間隔の1/5以下と成るようにしている。
まわりに回転調整可能にしているが、調整できない場合
や、調整できても調整可能な角度が小さすぎる場合には
以下に記すような問題が発生する場合がある。上記のよ
うな場合において第1、第2の発光部1a,1bから各
々出射される光束の偏光角の角度差が大きくなりすぎる
と偏光板18から出射する光束の光量が大きく異なるこ
とが考えられる。この時、副走査方向の間隔誤差を軽減
できても走査線ごとに濃淡が異なってしまい、やはり印
字品位を劣化させ好ましくない。よって偏光制限手段は
光軸まわりに回転調整可能であることが望ましいのであ
るが、そのような構成をとることができない場合は第
1、第2の発光部1a,1bから各々出射される光束の
偏光角の角度差は前述の実施形態1と同様に45度以下
にすることがのぞまれる。若しくは各発光部の光量を各
々調整しても良い。
を効果的に軽減するため開口絞り3の直後に偏光板18
を設けたが、該光源手段1と走査光学手段6との間の光
路内であれば場所によらず同様の効果が得られる。
の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。図
5は図4の光源手段近傍の要部概略図である。図4、図
5において図1に示した要素と同一要素には同符番を付
している。
なる点は第1、第2の発光部1a,1bをそれぞれ独立
して設けたことと、第1、第2の発光部1a,1bから
各々出射される光束の偏光角を調整手段により走査光学
手段6の主軸に対して回転調整可能と成るように構成し
たことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態
1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
り、第1、第2の発光部1a,1bをそれぞれ独立して
構成している。本実施形態においては第1、第2の発光
部1a,1bから各々出射される光束の偏光角を調整手
段により走査光学手段6の主軸に対して回転調整可能と
成るように構成することによって走査線の副走査方向の
間隔誤差を軽減している。9は光路合成手段であり、第
1、第2の発光部1a,1bから出射したそれぞれの光
束の光路を副走査方向に微小な角度をつけて最終的に被
走査面で所望の間隔が得られるように導光している。
に光路合成手段9を用いて第1、第2の発光部1a,1
bから出射したそれぞれの光束の光路を略同一方向に導
光したが、第1、第2の発光部1a,1bの副走査方向
の距離が十分に短ければ光路合成手段9は無くても構わ
ない。
光学素子6a,6bの主走査断面上における入射光束の
偏光方向Pを一致させたい主軸に対し、略直角方向の偏
光角を持つ成分のみを透過するような、例えば偏光板を
用意し、第1の発光部1aまたは第2の発光部1bのい
ずれか一方を発光後、該偏光板を通してスポットを観測
する。このとき観測されるのは前記一致させたい主軸と
異なる方向の偏光成分であるから、このときの光量がも
っとも少なくなるように発光している発光部の偏光角を
調整する。しかしながらどうしても走査線間隔に影響を
およぼす程度の光量が残ってしまう場合には発生する2
つのスポットが副走査方向に対しほぼ同量の光量になる
ように発光している発光部の光束の偏光角を調整する。
束の偏光角を同様に調整する。この後、副走査方向の走
査線間隔を調整するために光源手段11を光軸周りに回
転させたとしても走査光学手段6を構成する第1、第2
の光学素子6a,6bの主走査断面上における主軸と第
1、第2の発光部1a,1bとの偏光角の角度差はほぼ
同じであるため、走査位置に応じて走査線が広がったり
狭まったりすることはない。もちろん調整等を見込んで
第1、第2の光学素子6a,6bの主軸に対して該第
1、第2の発光部1a,1bから各々出射される光束の
偏光角を同じ角度だけずらして調整してもよい。
光方向Pを調整する方法として偏光板を用いずにスポッ
トのピーク光量を観測することで調整してもよい。なぜ
ならば異常光がもっとも少なくなるときがスポットのピ
ーク光量がもっとも大きくなるときであり、このとき一
般に異常光の分布も主走査断面に対しほぼ対称になるか
らである。何らかの問題で偏光方向Pを調整できない場
合は実施形態2で示したように偏光板を用いて偏光角の
角度差を軽減してもよい。
たが、例えば図6に示すように発光部の数を2以上増し
ても上記に記した構成および調整を行うことで同等の効
果が得られる。
それぞれ独立して設けた4つの発光部1a〜1dを有し
ている。9a〜9cは各々図5で示したのと同様の光路
合成手段である。
コリメータレンズ2の間に光路合成手段9を設けたが、
コリメータレンズ2と光路合成手段9の順番は逆でもか
まわない。また、その場合はコリメータは各発光部ごと
に設ける必要がある。
の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図8は図
7の光源手段周辺の要部概略図である。図7、図8にお
いて図4、図5に示した要素と同一要素には同符番を付
している。
なる点は光源手段31をモノリシックな第1、第2の2
つのマルチビーム光源(マルチビームアレイレーザ)2
1,22より構成したことと、第1、第2のマルチビー
ム光源から各々出射される光束の偏光角を調整手段によ
り走査光学手段6の主軸に対して回転調整可能と成るよ
うに構成したことである。その他の構成及び光学的作用
は実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を
得ている。
り、モノリシックな第1、第2の2つのマルチビーム光
源21,22を有しており、該第1のマルチビーム光源
21は第1、第2の2つの発光部21a,21bより成
り、第2のマルチビーム光源22は第1、第2の2つの
発光部22a,22bより成っている。9は光路合成手
段であり、図5で示したのと同様の作用を有し、第1、
第2のマルチビーム光源21,22から出射したそれぞ
れの光束の光路を略同一方向に導光している。
して発光部の数を増やすことでより、いっそうの高速
化、高精細化を行うことを可能としている。また第1、
第2のマルチビーム光源21,22はそれぞれ独立して
おり、且つそれぞれのマルチビーム光源を走査光学手段
6の主軸に対して回転調整可能にしている。これにより
走査線の副走査方向の間隔誤差を軽減している。
した調整方法と同様である。ただし、第1のマルチビー
ム光源21の第1、第2の発光部21a,21bおよび
第2のマルチビーム光源22の第1、第2の発光部22
a,22bの偏光角の角度差は変えることができないた
め、適度にバランスをとることになる。あまりに偏光角
の角度差がある場合は前記実施形態2で示したように偏
光制限手段(偏光板)を用いて偏光角の角度差を軽減し
てもよい。これらの効果は光源および発光部の数によら
ず同様に得られる。
の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。同
図において図1に示した要素と同一要素には同符番を付
している。
なる点は走査光学手段を構成する第1の光学素子6aを
副走査方向に偏心させたことである。その他の構成及び
光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより同
様な効果を得ている。
6を構成する第1の光学素子6aを副走査方向に偏心さ
せて配置することにより走査線の副走査方向の間隔誤差
を軽減している。
(距離の差)を完全になくすことはリレー光学系等を用
いない限り難しく、複数の発光部は主走査方向にいくら
か間隔誤差を持つ。このため主走査方向に対し同一の箇
所で印字するよう複数の発光部に対して変調するタイミ
ングを調整しても複数の発光部に対するこの複数の光束
の透過位置は図10に示すように走査光学手段6を構成
する第1、第2の光学素子6a,6b上で異なる。
子の一部もしくは全部を偏心させると各光束が透過する
位置における副走査方向のパワーおよび屈折面から被走
査面までの光路長に応じて各光束の結像位置は主に副走
査方向にずれる。例えば偏心させる光学素子が光軸から
離れるに従い副走査方向のパワーが大きくなるような場
合は、偏心方向を図面上、上方向とすると図11に示す
ように先行する光束が上側の走査線を描く場合は後から
走査を開始する光束の方がより上方に光路を曲げられる
ので走査開始位置においては図12に示すように走査線
の間隔は狭まり、逆に走査終端位置においては先行する
光束の方がより光路を上方に曲げられるので走査線の間
隔は広がる。
が小さくなる場合はこの関係は逆になるし、上側を走査
する光束が先行から後行になっても逆になる。
場合にも光路長は異なるので副走査方向に偏心させれば
走査線の間隔は変化する。本実施形態ではこの現象を積
極的に用い偏光角の角度差が存在することによる走査線
の間隔誤差をキャンセルしている。
させたが、これに限らず、例えば図13に示すように第
2の光学素子6bを偏心させても同様の効果は得られる
し、また図14に示すように第1、第2の光学素子6
a,6bをバランスとって共に偏心させても同様の効果
は得られる。また本実施形態では偏心方向を副走査方向
に垂直にシフト偏心させたが主走査方向を軸として上下
方向(回転偏心)に傾けても同様の効果が得られる。
を両方行っても同様の効果は得られる。
の何れかと組み合わせて構成しても良い。
レンズ右端(軸外)で複屈折の主軸の向きが異なり(図
17〜図19)、且つ、レンズ端部の複屈折の主軸の向
きが副走査方向において非対称な分布(図19)となっ
ている本発明の樹脂製のレンズは、実施形態1〜5にお
いて、2枚であるが、それに限定されることなく、1枚
でも3枚以上でも良い。図35に樹脂製のレンズが1枚
系である例を示す。60は樹脂からなる成形加工で成形
された複屈折を有する屈折光学素子(レンズ)である。
らなる成形加工で成形された複屈折を有する屈折光学素
子(レンズ)以外にパワーを有するガラス製の反射光学
素子を含んでいても良い。
ても良い。本発明の走査光学素子は、パワーを有する屈
折光学素子(レンズ)面上に回折面が形成された素子で
も平板ガラス面上に回折面が形成された素子でも良い。
の走査光学素子(レンズ)は、正のパワーを有する素子
でも負のパワーを有する素子でも良い。
ズ2やシリンドリカルレンズ4等を用いずに、光源手段
1からの光束を直接開口絞り3を介して光偏向器5に導
光しても良い。
光学手段6が全て樹脂製の走査用のレンズであるが、そ
れに限定されない。走査光学手段6がガラス製の走査レ
ンズを1枚又は複数枚含んでいても良い。
置の実施形態6の主走査方向の要部断面図(主走査断面
図)である。
なる点は光源手段10をシングルビーム半導体レーザー
より構成したことである。その他の構成及び光学的作用
は実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を
得ている。
束が反射偏向(偏向走査)される方向を主走査方向、走
査光学手段の光軸及び主走査方向と直交する方向を副走
査方向と定義する。
ばシングルビーム半導体レーザーより成っており、1つ
の発光部を有している。2はコリメーターレンズであ
り、光源手段10の1つの発光部から出射した発散光束
を略平行光束に変換している。4はシリンドリカルレン
ズ(シリンダーレンズ)であり、副走査方向にのみ所定
の屈折力を有しており、コリメーターレンズ2を通過し
た略平行光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏
向面5aにほぼ線像として結像させている。3は開口絞
りであり、シリンドリカルレンズ4から射出した光束を
所望の最適なビーム形状に成形している。本実施形態で
は開口絞り3を後述する光偏光器5の偏向面5aに近い
位置に配置することにより各光束の主走査方向の印字位
置ずれを軽減している。
ルレンズ4、開口絞り3等の各要素は入射光学手段8の
一要素を構成している。
ラー(回転多面鏡)より成る光偏向器であり、モータ等
の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度
で回転している。
レンズ系)であり、樹脂製(プラスチック製)より成る
第1、第2の2つの光学素子(トーリックレンズ)6
a,6bとを有しており、光偏向器5によって偏向され
た画像情報に基づく1つの光束を感光ドラム面7上に結
像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面
5aと感光ドラム面7とを共役関係にすることにより面
倒れ補正機能を有している。
る。
レーザー10の1つの発光部から出射した発散光束はコ
リメーターレンズ2により略平行光束に変換され、シリ
ンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレ
ンズ4に入射した1本の略平行光束のうち主走査断面に
おいてはそのままの状態で射出して開口絞り3を通過す
る(一部遮光される)。また副走査断面内においては収
束して開口絞り3を通過し(一部遮光される)光偏向器
5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)
として結像している。そして光偏向器5の偏向面5aで
偏向された1つの光束は第1、第2の光学素子6a,6
bを介して感光ドラム面7上に導光され、該光偏向器5
を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム
面7上を矢印B方向に光走査している。これにより記録
媒体としての感光ドラム面7上に画像記録を行なってい
る。
走査方向の倍率を全走査範囲に対してほぼ一律に設定す
ることにより、走査線の副走査方向の間隔を理想的な状
況においてほぼ一定になるようにしている。
ンズ2によってシングルビーム半導体レーザー10の1
つの発光部から出射した発散光束を略平行光束に変換し
ているが、収束光束もしくは発散光束に変換していたと
しても以下に述べるような本発明の効果が得られる。
ストの低減を図るため走査光学手段6を構成する第1、
第2の光学素子6a,6bを樹脂材料であるゼオネック
スを用いて成形加工している。このため例えば前記図1
8、図19(A),(B)に示すような主軸の分布が第
1、第2の光学素子6a,6bにそれぞれ存在してお
り、前述の従来例で述べたように第1、第2の発光部1
a,1bから各々出射される光束の偏光角が互いに異な
っていると副走査方向の走査線の間隔が一定にならず印
字品位を劣化させてしまう。
験より主走査方向に伸びた走査線の有効走査領域の左端
と右端の副走査方向の間隔誤差が1mm以上発生すると
印字品位が著しく劣化することも判明した。
走査線の有効走査領域の左端と右端の副走査方向の間隔
誤差が1mm未満となるように光源手段10の発光部か
ら出射される光束の偏光角の角度を光軸回りに回転させ
て偏光角の角度を調整し、走査線の有効走査領域の左端
と右端の副走査方向の間隔誤差を低減し、比較的ローコ
ストで、かつ高速にて高品位の印字が可能なシングルビ
ーム走査光学装置を得ている。
手段を構成する第1の光学素子6aを副走査方向に偏心
させても同様な効果が得られる。
に限らず、例えば図13に示すように第2の光学素子6
bを偏心させても同様の効果は得られるし、また図14
に示すように第1、第2の光学素子6a,6bをバラン
スとって共に偏心させても同様の効果は得られる。また
本実施形態では偏心方向を副走査方向に垂直にシフト偏
心させたが主走査方向を軸として上下方向(回転偏心)
に傾けても同様の効果が得られる。
を両方行っても同様の効果は得られる。
複屈折を持ち、更に複屈折の主軸の向きが場所によって
異なる。特に図19の如く副走査方向において非対称な
分布となっている。
走査方向の幅)hが通過する光束の副走査方向の幅tに
対し15倍以上と大きい場合、光束内における複屈折の
主軸の非対称な分布は相対的に小さくなる。複屈折の影
響を軽減するには、本来ならば上記のようなレンズを用
いるべきではあるが、実際のところ、材料費及び成形に
かかる時間が長くなることによりコストアップが懸念さ
れるため、走査光学手段に用いるレンズに対し(h/
t)>15とすることは難しい。
うなレンズを用いることで、本明細書で指摘した課題が
顕著になる場合でも本明細書で述べてきた手段を用いる
ことで問題を軽減することが可能になる。
偏向手段側のレンズ6aでは(h/t)=22.3と複
屈折の影響を軽減するには好ましいレンズ形状になって
いるが、感光ドラム面7側のレンズ6bは(h/t)=
11.7と複屈折の影響を受けやすい形状になってい
る。しかしながらこれまでに述べてきた対策を施すこと
で影響を軽減している。
向の幅)hが光学素子の肉厚(光軸方向の幅)dに対し
1.8倍以上の場合、成形加工における冷却の時、高さ
方向よりも肉厚方向からの放熱が多くなり結果として、
レンズは急速に冷え固まっていく。このため複屈折の主
軸が大きく傾きはじめる前に方向が固定されてしまう。
よって副走査方向における主軸の非対称な分布は小さく
なる。
上記のようなレンズを用いるべきではあるが、実際のと
ころ、あまりに肉厚を薄くすると型内に樹脂を流し込む
際にスムーズに流れなくなり、それが故に複屈折を生じ
させてしまう。また、レンズ高さ(副走査方向の幅)h
を高くすると前述したようにコストが高くなるため好ま
しくない。
ようなレンズを用いることで、本明細書で指摘した課題
が顕著になる場合でも本明細書で述べてきた手段を用い
ることで問題を軽減することが可能になる。本実施形態
では走査光学手段に用いている偏光手段側のレンズ6a
では(h/d)=1.53、感光ドラム面7側のレンズ
6bは(h/t)=1.63と複屈折の影響を受けやす
い形状になっている。しかしながらこれまでに述べてき
た対策を施すことで影響を軽減している。
合、複屈折による走査線の間隔誤差は、ほぼ各レンズご
との複屈折の影響の和の状態で現れる。
させるために、樹脂製の走査用のレンズを複数枚(2枚
以上)用いる必要がある場合が多い。また複屈折による
影響は光束が入射する方向やレンズの形状にも依存す
る。このため走査線の副走査方向の間隔誤差は主走査方
向に対し、線形的に変化しない。まして複数枚ある場
合、互いに打ち消しあう箇所もありえるが、同時に誤差
を増幅する箇所も生じる。局所的にこのような場所が生
じると印字画像上でその箇所が非常に目立ち、印字品位
の劣化を招く。本実施形態では走査光学手段に複屈折を
有するレンズを2枚用いている。しかしながらこれまで
に述べてきた対策を施すことで影響を軽減している。
が、全て樹脂製の複屈折を有するレンズから構成されて
いる場合に複屈折の影響が大きくなる理由について述べ
る。
するレンズから構成されている場合、複屈折による間隔
誤差は、ほぼ各レンズの複屈折の影響を足し合わせた状
態で現れる。なぜならば複屈折の主軸の傾きの分布はレ
ンズ外形に依存し易く、且つ走査光学手段で用いられて
いるレンズはスペースの関係より通常、矩形状にするこ
とが多いため、程度の差こそあれ、レンズの場所に対す
る複屈折の主軸が傾いていく方向は、レンズを問わず同
様になるためである。
向やレンズの形状にも依存する。このため走査線の有効
走査領域の左端と右端の副走査方向の間隔誤差は主走査
方向に対し、厳密には線形的に変化しない。よって複屈
折を有するレンズを複数枚用いると、間隔誤差が大きく
発生する箇所が足し合わされて、走査線の間隔誤差が局
所的に大きく発生する箇所が現れ得る。このような場所
が局所的に生じると印字画像上でその箇所が非常に目立
ち、印字品位の劣化を招く。
響され、一般に肉厚が厚くなるほど影響が現れ易い。よ
って樹脂製の複屈折を有するレンズが1枚しかない場合
でも、そのレンズの肉厚が厚い場合は走査線の有効走査
領域の左端と右端の副走査方向の間隔誤差を生じさせ易
くなる。走査光学手段に用いるレンズが1枚のみの場
合、fθ特性等を得るためにレンズ肉厚が厚くなる傾向
にある。このため、走査光学手段に用いられた唯一のレ
ンズが樹脂製の複屈折を有するレンズの場合、走査線の
間隔誤差を生じさせ易くなる。
ズが全て樹脂製の複屈折を有するレンズから構成されて
いる場合、複屈折の影響が大きくなるため、走査線の有
効走査領域の左端と右端の副走査方向の間隔誤差が発生
し易くなる。よって本来ならばこのような構成は避ける
べきではあるが、コスト及び光学性能を両立させるため
に、あえて上記のような構成にする場合が多い。本明細
書の発明の効果は特にこのような場合において得られ、
本明細書で提案した解決手段を用いることで走査線の間
隔誤差に起因する印字画像の品位の劣化を軽減すること
ができる。
枚のレンズにどちらも樹脂製の複屈折を有するレンズを
用いている。しかしながらこれまでに述べてきた対策を
施すことで影響を軽減している。
レンズ右端(軸外)で複屈折の主軸の向きが異なり(図
17〜図19)、且つ、レンズ端部の複屈折の主軸の向
きが副走査方向において非対称な分布(図19)となっ
ている本発明の樹脂製のレンズは、実施形態6におい
て、2枚であるが、それに限定されることなく、1枚で
も3枚以上でも良い。
らなる成形加工で成形された複屈折を有する屈折光学素
子(レンズ)以外にパワーを有するガラス製の反射光学
素子を含んでいても良い。
ても良い。本発明の走査光学素子は、パワーを有する屈
折光学素子(レンズ)面上に回折面が形成された素子で
も平板ガラス面上に回折面が形成された素子でも良い。
の走査光学素子(レンズ)は、正のパワーを有する素子
でも負のパワーを有する素子でも良い。
レンズ2やシリンドリカルレンズ4等を用いずに、光源
手段10からの光束を直接開口絞り3を介して光偏向器
5に導光しても良い。
段6が全て樹脂製の走査用のレンズであるが、それに限
定されない。走査光学手段6がガラス製の走査レンズを
1枚又は複数枚含んでいても良い。
形態1から5のいずれかのマルチビーム走査光学装置を
用いた画像形成装置(電子写真プリンタ)の実施形態を
示す副走査方向の要部断面図である。図15において、
符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置1
04には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117
からコードデータDcが入力する。このコードデータD
cは、装置内のプリンタコントローラ111によって、
画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画
像データDiは、本発明の実施形態1から5のいずれか
の光走査ユニット(マルチビーム走査光学装置)100
に入力される。そして、この光走査ユニット100から
は、画像データDiに応じて変調された光ビーム(光
束)103が出射され、この光ビーム103によって感
光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
101は、モータ115によって時計廻りに回転させら
れる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の
感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交す
る副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方に
は、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電
ローラ102が表面に当接するように設けられている。
そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラ
ム101の表面に、前記光走査ユニット100によって
走査される光ビーム103が照射されるようになってい
る。
画像データDiに基づいて変調されており、この光ビー
ム103を照射することによって感光ドラム101の表
面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光
ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101
の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するよう
に配設された現像器107によってトナー像として現像
される。ここで用いられるトナー粒子は、例えば帯電ロ
ーラ102によって帯電された電荷とは逆符号を持つも
のが用いられる。そして、感光ドラムの非露光部にトナ
ーが付着する部分(画線部)となる。つまり、本実施形
態においては、所謂正規現像が行われる。尚、本実施形
態において感光ドラムの露光部にトナーが付着する反転
現像を行うようにしても良い。
は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対
向するように配設された転写ローラ108によって被転
写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光
ドラム101の前方(図15において右側)の用紙カセ
ット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可
能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ1
10が配設されており、用紙カセット109内の用紙1
12を搬送路へ送り込む。
された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図1
5において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内
部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113
とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加
圧ローラ114とで構成されており、転写部から撒送さ
れてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ1
14の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙
112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ロ
ーラ113の後方には排紙ローラ116が配設されてお
り、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せ
しめる。
ントコントローラ111は、先に説明したデータの変換
だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部
や、光走査ユニット100内のポリゴンモータなどの制
御を行う。
の走査光学素子を少なくとも1枚有しており、該樹脂製
の走査光学素子は、成形加工の冷却時に生じる応力分布
により、光軸を中心として主走査方向に向って該樹脂製
の走査光学素子の一端の複屈折の主軸の向きと該樹脂製
の走査光学素子の他端の複屈折の主軸の向きが異なって
おり、該樹脂製の走査光学素子を通過して前記被走査面
上に結像する複数の光束が該被走査面上に描く走査線の
うち隣接する走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方
向に向って変位しており、該複数の発光部から各々出射
される光束の偏光角が互いに異なることに起因する走査
線の副走査方向の間隔誤差を所望の走査線間隔の1/5
以下に設定する設定手段を少なくとも1つ有すること
で、比較的簡易な構成で、高速で高品位の印字を得るこ
とができるマルチビーム走査光学装置及びそれを用いた
画像形成装置を達成することができる。
図
図
図
図
図
示す図
結像位置を示す図
置関係を示す図
面図
面図
置(電子写真プリンタ)の構成例を示す副走査方向の要
部断面図
した図
の強度分布図
の強度分布の推移図
走査線の傾斜を示した説明図
説明図
説明図
説明図
折の主軸の関係を示した説明図
説明図
例を示した説明図
る説明図
Claims (37)
- 【請求項1】 複数の発光部を有する光源手段から出射
された複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手段
と、該偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上に
結像させる走査光学手段と、を有するマルチビーム走査
光学装置において、 前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素子を少なくと
も1枚有しており、 該樹脂製の走査光学素子は、成形加工の冷却時に生じる
応力分布により、光軸を中心として主走査方向に向かっ
て該樹脂製の走査光学素子の一端の複屈折の主軸の向き
と該樹脂製の走査光学素子の他端の複屈折の主軸の向き
が異なっており、 該樹脂製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結
像する複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣
接する走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向
って変位しており、 該複数の発光部から各々出射される光束の偏光角が互い
に異なることに起因する走査線の副走査方向の間隔誤差
を所望の走査線間隔の1/5以下に設定する設定手段を
少なくとも1つ有すること特徴とするマルチビーム走査
光学装置。 - 【請求項2】 前記樹脂製の走査光学素子の成形加工の
冷却時に生じる応力分布により、該樹脂製の走査光学素
子の端部の複屈折の主軸の向きが副走査方向において非
対称な分布となっていることを特徴とする請求項1記載
のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項3】 前記樹脂製の走査光学素子を複数枚有し
ていることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチビ
ーム走査光学装置。 - 【請求項4】 前記走査光学手段が有する屈折光学素子
は、全て前記樹脂製の走査光学素子であることを特徴と
する請求項1、2又は3記載のマルチビーム走査光学装
置。 - 【請求項5】 前記走査光学手段は、ガラス製の走査光
学素子を有することを特徴とする請求項1、2又は3記
載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項6】 前記走査光学手段は、パワーを備えた反
射光学素子を有することを特徴とする請求項1、2、3
又は5記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項7】 前記設定手段は、前記複数の発光部から
各々出射される光束の偏光角の角度差を20度以下と成
るように設定した手段であることを特徴とする請求項1
乃至6のいずれか一項記載のマルチビーム走査光学装
置。 - 【請求項8】 前記設定手段は、前記樹脂製の走査光学
素子に入射する複数の光束の偏光角の角度差を補正する
補正手段であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
か一項記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項9】 前記補正手段は、前記光源手段と前記樹
脂製の走査光学素子との間の光路中に設けられた偏光制
限手段であることを特徴とする請求項8記載のマルチビ
ーム走査光学装置。 - 【請求項10】 前記偏光制限手段は前記入射光学手段
の光軸に対して傾斜して設けられていることを特徴とす
る請求項9記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項11】 前記複数の発光部は各々独立して設け
られていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれ
か一項記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項12】 前記設定手段は、前記複数の発光部か
ら各々出射される光束の偏光角が各々独立に調整可能な
調整手段であることを特徴とする請求項11記載のマル
チビーム走査光学装置。 - 【請求項13】 前記光源手段はモノリシックなマルチ
ビーム光源であることを特徴とする請求項1乃至10の
いずれか一項記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項14】 前記モノリシックなマルチビーム光源
を複数有することを特徴とする請求項13記載のマルチ
ビーム走査光学装置。 - 【請求項15】 前記設定手段は、前記複数のモノリシ
ックなマルチビーム光源から各々出射される光束の偏光
角が各々独立に調整可能な調整手段であることを特徴と
する請求項14記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項16】 前記設定手段は副走査方向に垂直にシ
フト偏心させるか又は/及び主走査方向を軸として回転
偏心させた樹脂製の走査光学素子であることを特徴とす
る請求項1乃至15のいずれか一項記載のマルチビーム
走査光学装置。 - 【請求項17】 前記樹脂製の走査光学素子の副走査方
向の幅をh、光軸方向の幅をdとしたとき、 h/d≦1.8 を満足することを特徴とする請求項1乃至16のいずれ
か一項記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項18】 前記樹脂製の走査光学素子の副走査方
向の幅をh、該樹脂製の走査光学素子を通過する光束の
副走査方向の幅をtとしたとき、 h/t≦15 を満足することを特徴とする請求項1乃至17のいずれ
か一項記載のマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項19】 請求項1乃至18のいずれか1項に記
載のマルチビーム走査光学装置と、前記被走査面に配置
された感光体と、前記マルチビーム走査光学装置で走査
された光束によって前記感光体上に形成された静電潜像
をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー
像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像
を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴と
する画像形成装置。 - 【請求項20】 請求項1乃至18のいずれか一項に記
載のマルチビーム走査光学装置と、外部機器から入力し
たコードデータを画像信号に変換して前記走査光学装置
に入力せしめるプリンタコントローラとを有しているこ
とを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項21】 複数の発光部を有する光源手段から出
射された複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手
段と、該偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上
に結像させる走査光学手段と、を有するマルチビーム走
査光学装置において、 前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素子を少なくと
も1枚有しており、 該樹脂製の走査光学素子は、成形加工の冷却時に生じる
応力分布により、光軸を中心として主走査方向に向って
該樹脂製の走査光学素子の一端の複屈折の主軸の向きと
該樹脂製の走査光学素子の他端の複屈折の主軸の向きが
異なっており、該樹脂製の走査光学素子を通過して前記
被走査面上に結像する複数の光束が該被走査面上に描く
走査線のうち隣接する走査線の間隔が有効走査領域内で
主走査方向に向って変位しており、 該複数の発光部から各々出射される光束の偏光角が互い
に異なることに起因する走査線の副走査方向の間隔誤差
を所望の走査線間隔の1/5以下に設定する設定手段を
少なくとも1つ有し、 該設定手段の1つは、該複数の発光部から各々出射され
る光束の偏光角の角度差を20度以下と成るように設定
した手段であることを特徴とするマルチビーム走査光学
装置。 - 【請求項22】 請求項21に記載のマルチビーム走査
光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記
マルチビーム走査光学装置で走査された光束によって前
記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像
する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写す
る転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させ
る定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項23】 請求項21に記載のマルチビーム走査
光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像
信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリン
タコントローラとを有していることを特徴とする画像形
成装置。 - 【請求項24】 複数の発光部を有する光源手段から出
射された複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手
段と、該偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上
に結像させる走査光学手段と、を有するマルチビーム走
査光学装置において、 前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素子を少なくと
も1枚有しており、 該樹脂製の走査光学素子は、成形加工の冷却時に生じる
応力分布により、光軸を中心として主走査方向に向って
該樹脂製の走査光学素子の一端の複屈折の主軸の向きと
該樹脂製の走査光学素子の他端の複屈折の主軸の向きが
異なっており、 該樹脂製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結
像する複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣
接する走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向
って変位しており、 該複数の発光部から各々出射される光束の偏光角が互い
に異なることに起因する走査線の副走査方向の間隔誤差
を所望の走査線間隔の1/5以下に設定する設定手段を
少なくとも1つ有し、 該設定手段の1つは、該樹脂製の走査光学素子に入射す
る複数の光束の偏光角の角度差を補正する補正手段であ
ることを特徴とするマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項25】 前記設定手段は、前記複数の発光部か
ら各々出射される光束の偏光角が各々独立に調整可能な
調整手段であることを特徴とする請求項24記載のマル
チビーム走査光学装置。 - 【請求項26】 前記設定手段は、前記光源手段と前記
樹脂製の走査光学素子との間の光路中に設けられた偏光
制限手段であることを特徴とする請求項24記載のマル
チビーム走査光学装置。 - 【請求項27】 請求項24に記載のマルチビーム走査
光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記
マルチビーム走査光学装置で走査された光束によって前
記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像
する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写す
る転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させ
る定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項28】 請求項24に記載のマルチビーム走査
光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像
信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリン
タコントローラとを有していることを特徴とする画像形
成装置。 - 【請求項29】 複数の発光部を有する光源手段から出
射された複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手
段と、該偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上
に結像させる走査光学手段と、を有するマルチビーム走
査光学装置において、 前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素子を少なくと
も1枚有しており、 該樹脂製の走査光学素子は、成形加工の冷却時に生じる
応力分布により、光軸を中心として主走査方向に向って
該樹脂製の走査光学素子の一端の複屈折の主軸の向きと
該樹脂製の走査光学素子の他端の複屈折の主軸の向きが
異なっており、 該樹脂製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結
像する複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣
接する走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向
って変位しており、 該複数の発光部から各々出射される光束の偏光角が互い
に異なることに起因する走査線の副走査方向の間隔誤差
を所望の走査線間隔の1/5以下に設定する設定手段を
少なくとも1つ有し、 該設定手段の1つは副走査方向に垂直にシフト偏心させ
るか又は/及び主走査方向を軸として回転偏心させた樹
脂製の走査光学素子であることを特徴とするマルチビー
ム走査光学装置。 - 【請求項30】 請求項29に記載のマルチビーム走査
光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記
マルチビーム走査光学装置で走査された光束によって前
記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像
する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写す
る転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させ
る定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項31】 請求項29に記載のマルチビーム走査
光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像
信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリン
タコントローラとを有していることを特徴とする画像形
成装置。 - 【請求項32】 複数の発光部を有する光源手段から出
射された複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手
段と、該偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上
に結像させる走査光学手段と、を有するマルチビーム走
査光学装置において、 前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素子を少なくと
も1枚有しており、 該樹脂製の走査光学素子は、成形加工の冷却時に生じる
応力分布により、光軸を中心として主走査方向に向って
該樹脂製の走査光学素子の一端の複屈折の主軸の向きと
該樹脂製の走査光学素子の他端の複屈折の主軸の向きが
異なっており、 該樹脂製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結
像する複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣
接する走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向
って変位しており、 該複数の発光部から各々出射される光束の偏光角の相対
変位に基づく該被走査面上での走査線の副走査方向の間
隔誤差より、実際の該被走査面上での走査線の副走査方
向の間隔誤差を小さく設定する設定手段を少なくとも1
つ有し、 該設定手段の1つは副走査方向に垂直にシフト偏心させ
るか又は/及び主走査方向を軸として回転偏心させた樹
脂製の走査光学素子であることを特徴とするマルチビー
ム走査光学装置。 - 【請求項33】 請求項32に記載のマルチビーム走査
光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記
マルチビーム走査光学装置で走査された光束によって前
記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像
する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写す
る転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させ
る定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項34】 請求項32に記載のマルチビーム走査
光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像
信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリン
タコントローラとを有していることを特徴とする画像形
成装置。 - 【請求項35】 複数の発光部を有する光源手段から出
射された複数の光束を偏向手段に入射させる入射光学手
段と、該偏向手段で偏向された複数の光束を被走査面上
に結像させる走査光学手段と、を有するマルチビーム走
査光学装置において、 前記走査光学手段は、樹脂製の走査光学素子を少なくと
も1枚有しており、 該樹脂製の走査光学素子は、成形加工の冷却時に生じる
応力分布により、光軸を中心として主走査方向に向って
該樹脂製の走査光学素子の一端の複屈折の主軸の向きと
該樹脂製の走査光学素子の他端の複屈折の主軸の向きが
異なっており、 該樹脂製の走査光学素子を通過して前記被走査面上に結
像する複数の光束が該被走査面上に描く走査線のうち隣
接する走査線の間隔が有効走査領域内で主走査方向に向
って変位しており、 該複数の発光部から各々出射される光束の偏光角の相対
変位に基づく該被走査面上での走査線の副走査方向の間
隔誤差より、実際の該被走査面上での走査線の副走査方
向の間隔誤差を小さく設定する設定手段を少なくとも1
つ有し、 該設定手段の1つは、前記光源手段と前記樹脂製の走査
光学素子との間の光路中に設けられた偏光制限手段であ
ることを特徴とするマルチビーム走査光学装置。 - 【請求項36】 請求項35に記載のマルチビーム走査
光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記
マルチビーム走査光学装置で走査された光束によって前
記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像
する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写す
る転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させ
る定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項37】 請求項35に記載のマルチビーム走査
光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像
信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリン
タコントローラとを有していることを特徴とする画像形
成装置。
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