JP2002148546A5 - - Google Patents

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JP2002148546A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】 光走査装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のビームを偏向器の同一偏向面へ前記偏向器の回転軸と直交する面に対して異なる角度をもって斜め入射させて偏向し、前記走査レンズを出射させて被走査面を走査露光する光走査装置において、
前記ビームが斜め入射することによって生じる被走査面上でのスポット形状の歪み、及び走査方向のビーム径差が、何れのビームにおいても所定範囲に納まるように、前記走査レンズを前記偏向器の回転軸と直交する面に対して傾けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】 前記同一偏向面へ入射する前記ビームは2本であり、また、前記走査レンズが前記偏向器の回転軸に平行な方向にパワーを持たず、
一方のビームのスポット形状のスキュー補正不足が、他方のビームのスポット形状のスキュー補正過多となるように、前記走査レンズの傾け角度を設定したことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】 前記同一偏向面へ入射する前記ビームは2本であり、また、前記走査レンズが前記偏向器の回転軸に平行な方向にパワーを持たず、偏向後の被走査面端部を走査するビームの副走査対応方向の各周辺光の、前記走査レンズに入射する主走査方向入射角度差と前記走査レンズから出射する主走査対応方向出射角度差とが、一方のビームは正負逆となり、他方のビームの副走査対応方向の各周辺光の、前記走査レンズに入射する主走査方向入射角度差と、前記走査レンズから出射する主走査対応方向出射角度差とが同一符号となるように、前記走査レンズを副走査方向へ傾けたことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項4】 複数光源から発せられた複数のビームを偏向面の主走査方向幅より大きい幅として偏向器へ入射し、同一の偏向面で偏向して、複数のビームにより複数の感光体を走査露光する光走査装置において、
複数のビームが、偏向器の回転軸に直交する平面に対し異なる角度で入射すると共に同一の偏向面へ入射する前に交差し、且つ、偏向器の回転軸を含み被走査面の中心を通る平面に対して主走査方向に0でない角度で同一の偏向面へ入射し、偏向面で偏向された後に交差することを特徴とする光走査装置。
【請求項5】 前記0でない所定の角度をαi、偏向器の内接半径をr、偏向器の回転軸を含み被走査面の中心を通る平面が偏向面を通る位置と、レーザービーム強度分布の最大光量となる偏向面での位置との距離δが、0<δ≦r×sin(αi/2)であることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
【請求項6】 前記ビームを2本として、偏向器への射角光と、偏向器の回転軸と直交する面とのなす角度をβ1、β2とし、偏向面から被走査面側の最初の折り返しミラーまでの距離をL、偏向面上でのビームの間隔をtとしたとき、t/L≒tan(β1−β2)であることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザプリンタ、デジタル複写機などに用いられる光走査装置に係わり、詳細には複数ビームを同一の偏向器により偏向走査する光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ドキュメントの多色化が進み画像形成装置においてもカラー画像の生産性の向上を図る試みがされており、複数の感光体を用いてカラー画像の生産性を向上させたカラーレーザプリンタが商品化されている。
【0003】
これら複数感光体を使用する画像形成装置に用いられる露光装置は各感光体に対応した複数の走査装置を並列に配置する方法が用いられているが、小型化また、部品点数を少なくし、より低コストとするために複数ビームを単一の偏向器により偏向し複数感光体を走査する方式が特開2000−18075(以下従来例1)により提案されている。
【0004】
従来例1においては、図11に示すように、複数ビームを単一の偏向器38の偏向面へ入射するとともに、複数ビームを偏向器38の回転軸に直交する平面に対して、異なる角度、すなわち、副走査対応方向に異なる角度で偏向面に入射することにより複数ビームの分離を容易にしている。
【0005】
しかし、副走査対応方向へ異なる角度で偏向器38に入射させただけでは、複数の走査ビームの分離は容易になるが、偏向器38へ入射する入射ビームと偏向された走査ビームを分離するためには、副走査方向に大きな入射角度差をつけなければならず、走査線湾曲量の増大もしくはSpot形状のくずれが顕著になる。
【0006】
この問題点に対して1つの解決案を示したのが、特開平10−206761号(以下従来例2)である。
【0007】
従来例2には、図12及び図13に示すように、被走査面を分割走査する光学系であり、2つの光源40A,40Bが走査レンズ42の光軸を基準として主走査方向に分割して設けられており、且つ、回転軸と直交する平面に対し異なる入射角度を持って入射するようにして、複数のビーム間の分離を行っている。そして、複数の感光体を走査する場合においても同様の配置とすることにより入射ビームと走査ビームの分割を行うことが可能である。
【0008】
この従来例2では、副走査対応方向の入射角度を小さくすることが望ましいと記載されているが、偏向面上で複数のビームが交差しているため第1の走査ビームAと第2の走査ビームBを分離するため比較的大きな入射角度差が必要であり、やはり走査線湾曲量の増大もしくはSpot形状のくずれが生じてしまう。
【0009】
また、従来例2を特開平8−171069号(従来例3)で開示されている偏向面の主走査方向幅より大きい幅のビームを偏向器へ入射する、いわゆるオーバーフィルド光学系に適用した場合、次のような問題点が発生する。
【0010】
偏向器の回転軸と直交する方向、すなわち、主走査方向に相異なる角度を持って2つのビームを偏向器へ入射させると、ガウシアン分布に代表される所定の強度分布を持つレーザービームをトランケートするビーム間で偏向面の回転および移動によるFナンバーの変化が非対称となり、走査開始端と走査終了端で光量差が発生し濃度差が生じるとともにビーム間でFナンバーの変化が逆となって、走査開始端と走査終了端での光量がビーム間で逆になるため、光量差が微少であっても多色画像形成装置においては、色あいが異なり色ムラが発生する。
【0011】
また、副走査対応方向に角度を持って入射させると、偏向後の光束が湾曲するため走査レンズの走査中央部と走査端部とでビームが通過する位置が異なりスポット形状の変形が生じることになる。
【0012】
このスポット形状の変形を抑止するために特開2000−19443(以下従来例4)では、図14に示すように、走査レンズ44の光軸を偏向器の回転軸に直交し、偏向反射位置を含む平面と平行に副走査方向にγずらして配置する。
【0013】
しかし、副走査方向にパワーを持つ走査レンズ44をずらすため部品取付誤差や調整誤差により走査レンズ44を通過する位置が異なるとSpot形の変形を抑止する効果が小さくなる。
【0014】
複数ビームを用いた場合さらに深刻で、副走査方向にパワーを持つため、走査ビームを干渉させないためには、副走査対応方向の入射角度差を大きくする必要が生じる。そうすると偏向器で反射された複数ビーム間の湾曲差が大きくなり、走査レンズの走査中央部と走査端部の入射位置差がより大きくなって、Spot形状の変形度合いが走査ビーム間で大きくなる。
【0015】
また、走査レンズの光軸をずらしても最適化できる位置は限られているため、最適化できない走査ビームはSpot形の変形を増長させることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの問題点を考慮し、小型かつ低コストでありながら、複数ビームの入射ビームと走査ビームの合成分離を容易とし、被走査面における光量均一性を改善した光走査装置を提供することを目的とする。
【0017】
加えて、複数ビームを同一偏向面で偏向走査した際に生じるSpot形状の変化を最小とした光走査装置を提供することをもうひとつの目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数のビームを副走査方向に異なる入射角度を持って走査レンズへ入射させ、且つ偏向器の同一偏向面へ前記偏向器の回転軸と直交する面に対して斜め入射させて偏向し、前記走査レンズを出射させて被走査面を走査露光する光走査装置において、前記ビームが斜め入射することによって生じる被走査面上でのスポット形状の歪み、及び走査方向のビーム径差が、何れのビームにおいても所定範囲に納まるように、前記走査レンズをその光軸が、偏向器回転軸と直交する平面に対し傾く、すなわち、副走査対応方向へ傾けたことを特徴としている。
【0019】
上記構成では、複数のビームが同一偏向面に斜め入射することによって生じる被走査面上でのスポット形状の歪み、及び走査方向のビーム径差を走査レンズを傾けて補正する場合、1つのビームに着目して最適な状態とするのではなく、何れのビームにおいても、スポット形状の歪み、及びビーム径差が実用上問題の生じない範囲に納まるように、走査レンズを副走査対応方向へ傾けることで、被走査面でのビーム径均一性を改善できる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、前記同一偏向面へ入射する前記ビームは2本であり、また、前記走査レンズが副走査方向にパワーを持たず、一方のビームのスポット形状のスキュー補正不足が、他方のビームのスポット形状のスキュー補正過多となるように、前記走査レンズの傾け角度を設定したことを特徴としている。
【0021】
上記構成では、副走査対応方向に角度を持って偏向器に入射することによって生じるビームのスポット形状の歪み(Spot Rotation)を、一方のビームの周辺光束のスキューの補正不足が、他方のビーム周辺光束のスキューの補正過多となるように補正することで、両方のビームのスポット形状を実使用に支障がないまでに改善でき、ビーム径差を小さくすることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記同一偏向面へ入射する前記ビームは2本であり、また、前記走査レンズが副走査方向にパワーを持たず、偏向後の被走査面端部を走査するビームの副走査対応方向の各周辺光の、前記走査レンズに入射する主走査方向入射角度差と、前記走査レンズから出射する主走査対応方向出射角度差とが、一方のビームは正負逆となり、他方のビームの副走査対応方向の各周辺光の、前記走査レンズに入射する主走査方向入射角度差と、前記走査レンズから出射する主走査対応方向出射角度差とが同一符号となるように、前記走査レンズを副走査方向へ傾けたことを特徴としている。
【0023】
上記構成では、走査両端において、一方のビームの各副走査対応方向マージナルレイの主走査方向角度差が、前記走査レンズの入射時と出射時での符号が正負で逆転し、他方のビームは、副走査対応方向マージナルレイの主走査方向角度差が走査レンズの入射時と出射時とで同一符号となるように、前記走査レンズの副走査方向傾き角度を設定することで2ビームで共通の走査レンズを用いても、2本のビームのスポット形状の変化を良好に補正することができ低コストでありながら被走査面全面にわたって良好なビーム径を得ることが可能となる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、複数光源から発せられた複数のビームを偏向面の主走査方向幅より大きい幅として偏向器へ入射し、同一の偏向面で偏向して、複数のビームにより複数の感光体を走査露光する光走査装置において、複数のビームが、偏向器の回転軸に直交する平面に対し異なる角度で入射すると共に同一の偏向面へ入射する前に交差し、且つ、偏向器の回転軸を含み被走査面の中心を通る平面に対して主走査方向に0でない角度で同一の偏向面へ入射し、偏向面で偏向された後に交差することを特徴としている。
【0025】
上記構成では、複数のビームを偏向器の回転軸と直交する平面に対し異なる角度を持って同一の偏向面に入射させると共に、偏向器への入射前にビームを副走査方向において交差させることにより、複数の走査ビームの分離スペースを確保し走査ビームの分離を容易にすることができる。
【0026】
加えて、偏向器へ入射するビームは、偏向器の回転軸を含み被走査面の中心を通る平面に対して主走査方向に0でない所定の角度を持っているので、複数の入射ビームの合成が容易にできる。
【0027】
また、偏向器へ入射するビームの光束幅が偏向面より大きく偏向面が実質的に絞りの機能を有するいわゆるオーバーフィルド光学系においては、複数ビームが偏向後に主走査方向で交差することにより、Fナンバーの非対称による走査開始端と走査終了端における光量差を、レーザービーム強度分布中心を被走査面中心に近づけることにより補正し濃度差を小さくする効果を有する。
【0028】
請求項5に記載の発明は、前記0でない所定の角度をαi、偏向器の内接半径をr、偏向器の回転軸を含み被走査面の中心を通る平面が偏向面を通る位置と、レーザービーム強度分布の最大光量となる偏向面での位置の距離δが、0<δ≦r×sin(αi/2)であることを特徴としている。
【0029】
オーバーフィルド光学系において、主走査方向に角度を持って偏向器へ入射するビームの偏向面への入射位置が上記のように構成されることで、Fナンバーの左右差によって生じる光量差とレーザービーム強度分布中心が被走査面からずれることによる光量部分布左右差が相互に補正されるように作用するため、走査開始端と走査終了端で光量が異なることによる濃度差もしくは複数ビームによる色むらを防止することができる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、前記ビームを2本として、偏向器への入射光と、偏向器の回転軸に直交する面とのなす角度をβ1、β2とし、偏向面から被走査面側の最初の折り返しミラーまでの距離をL、偏向面上でのビームの間隔をtとしたとき、t/L≒tan(β1−β2)であることを特徴としている。
【0031】
上記構成により、2本の走査ビームの分離位置におけるビームの間隔は、副走査方向の入射角度差による走査ビーム間のスペースだけでなく、偏向面上のビームの間隔を2本の走査ビームの分離スペースに加えることができるので、偏向後に生じる走査線湾曲や走査線傾きがあっても容易に走査ビームを分離することができる。
【0032】
また、t/L≒tan(β1−β2)の場合、走査ビームの分離マージンが2×tとなると同時に、2本の入射ビームが最初のミラーから副走査方向にずれた位置で交差するため入射ビームと走査ビームとのスペースと走査ビーム間のスペースを最大とすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかる実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示すように第1実施形態に係わる光走査装置10は4つの光源12A、12B、12C、12Dを備えており、この光源12A、12B、12C、12Dから出射するレーザービームA、B、C、Dで感光体32Y、32M、32C、32Kを走査露光することで、4色の多色画像を得る。
【0034】
ここで、1つの偏向器18の偏向面には、レーザービームA、B、C、Dが入射されるが、説明を重複させないために、図1で示す偏向器18の右側で偏向されるレーザービームA、Bを例に採って説明する。
【0035】
光源12A、12Bから出射されたレーザービームA、Bはカップリングレンズ14A、14Bにより集光され緩い発散光としてカップリングレンズ14A、14Βから出射される。
【0036】
レーザービームA、Bはカップリングレンズ14A、14Bの後に設けられた整形光学系16A、16Bにより副走査対応方向に集束され、レーザービームAは第1ミラー20で直接偏向器18に向かって折り返され、レーザービームBは反射ミラー22を返して、第1ミラー20により折り返され、偏向器18に向う。
【0037】
第1ミラー20により折り返されたレーザービームA、Bは走査レンズを兼ねる走査結像レンズ24により略平行光とされ、偏向面18Aの上に主走査対応方向に長い線像として結像される。
【0038】
偏向器18の偏向面18Aで偏向されたレーザービームA、Bは、ふたたび走査結像レンズ24を通過し主走査対応方向に集光されつつ略等速で走査され、レーザービームA、Bを分離する第2ミラー26A、26Bにより折り返され、副走査集束光学素子である円筒状ミラー28A、28Bに入射する。
【0039】
円筒状ミラー28A、28Bに入射したレーザービームA、Bは副走査方向に集束し、最終折り返しミラー30A、30Bにより折り返され、カバーガラスを通過して感光体32Y,32Mを走査する。
【0040】
感光体32Y,32Mが走査露光されると、潜像が形成され潜像に応じて現像され可視化されるとともに中間転写体40に転写される。中間転写体40の上では感光体32Y,32Mの上の現像像が重ね合わされて多色画像が形成され、この画像を媒体であるペーパーPに転写、定着することによりカラープリントを得る。
【0041】
なお、上述したように、本実施例では、4つのレーザービームで4つの感光体を走査露光することで、4色の多色画像を得られることはいうまでもない。
【0042】
図3に示すように、光走査装置10において、偏向器18の回転軸18Bに直交する平面Lに対する入射角度は、レーザービームAが斜め下方から2.4°、レーザービームBが斜め下方から1.5°であり、いわゆるサジタルオフセット入射光学系を構成している。
【0043】
このように、副走査方向に斜め入射されたレーザービームA、Bは、偏向器18により偏向走査され、走査結像レンズ24に入射する。走査結像レンズ24は、主走査方向のみPowerを持ち副走査方向にPowerを持たない、いわゆるシリンダレンズである。
【0044】
シリンダレンズである理由は、副走査方向にパワーをもつと副走査方向に屈折するため入射ビームと走査ビームが近づいてしまい、分離のためにより大きな副走査角度が必要となりSpot形状の変化が大きくなることを避けると共に、一度の研磨工程と切り出し工程により複数のシリンダレンズを製作することが可能なため低コストに製作できるためである。
【0045】
また、本実施例においては走査結像レンズ24の光軸を、偏向器18の回転軸18Bに直交する平面Lに対して6.8°副走査方向に傾けて配置し、レーザービームA、Bの感光体32Y、32Mの被走査面上でのビーム径を走査中央部と走査端部とで均一にしている。
【0046】
なぜなら、偏向面18Aヘ副走査方向に斜めにレーザービームを入射すると、走査ビームの偏向面は平面にならず円錐状となり、走査端部にいくほどその走査ビームがスキューして、周辺光の走査結像レンズ24への入射角度に差が生じてしまいSpot形状が変化し、走査中央部と走査端部とでビーム径が異なってしまう。
【0047】
加えて本実施例のように、レーザービームA、Bを副走査方向に異なる角度で偏向器18に入射させた場合、走査ビームのスキューの度合いも異なり、レーザービームA、Bのいずれかの走査ビームで走査中央部のビーム径と走査端部のビーム径が大きく異なってしまう。
【0048】
このため、本実施例は、レーザービームA,Bを、副走査方向に1.5°と2.4°と異なる角度で偏向器18へ入射することによって生じるBeam Spotの歪み(Spot Rotation)を、一方のレーザービームAは過補正すなわち副走査方向周辺光両側の光線の主走査対応方向の角度差を走査結像レンズ24への入射と出射とで反転し、他方のレーザービームBは補正不足、すなわち副走査方向周辺光両側の光線の主走査対応方向の角度差が走査結像レンズの入射と出射で同一符号となるように走査結像レンズ24の副走査方向傾き角度を6.8°に設定した。簡単に言えば、走査結像レンズ24を副走査方向へ傾けなければ、走査結像レンズ24への副走査方向周辺光量側の光線の主走査対応方向角度差は入射と出射における符号は同一であるが、傾け角度によっては、差が逆になるということである。
【0049】
これにより、走査結像レンズ24(本実施例では2枚)が2ビーム共用しても、レーザービームA、BのSpot形状の変化を良好に補正することができ、低コストでありながら感光体の被走査面全面にわたって良好なビーム径を得ることができる。
【0050】
ここで、図4に、本実施例における走査中央部と走査端部における被走査面上のレーザービームA、Bのビーム径の差を示し、図5にレーザービームのSpot形状の変化を示す。
【0051】
図4に示すグラフにおいて、副走査角度が2.4°のレーザービームAは走査結像レンズ24の傾け角度が8°を下限に、傾き角度が小さくなると走査中央部と走査端部でビーム径差が大きくなる。また、副走査角度が1.5°のレーザービームBは傾け角度が5.6°を下限に、傾け角度が大きくなると走査中央部と走査端部でビーム径差が大きくなる。
【0052】
これからするとレーザービームA、Bのビーム径差を小さくする走査結像レンズ24の傾け角度は、ビーム径差の曲線が交差する約6.8°近辺であることが望ましい。
【0053】
そして、図4のグラフに対応したレーザービームA,BのSpot形状の変化を示したものが図5である。レーザービームBの副走査入射角度が1.5°のとき、走査両端部のSpot形状は走査結像レンズ24の傾け角度が5.6°(a)のときがもっとも崩れが少なく、傾き角度6.8°(b)までは形状の変化は少ない。
【0054】
しかし、走査結像レンズ24の傾き角度が8°(c)では急激にSpot形状が悪化する。これは副走査入射角度が1.5°で生じる周辺光束のスキューに対し走査結像レンズ24の傾け角度を増すにしたがいSpot形状のスキューを補正される量が大きくなり、5.6°を境に補正過多になり8°以上ではかえってSpot形状を悪化させることを示している。
【0055】
一方、副走査入射角度が2.4°のレーザービームAの場合、走査結像レンズ24の傾け角8°(f)近傍で周辺光束のスキュー補正が良好となり、走査両端部のSpot形状の変化は小さいが、それ以下では周辺光束のスキュー補正が不足し、傾け角5.6°(d)では補正不足が大きくSpot形状が乱れていることがわかる。
【0056】
このように副走査入射角度の異なる2つのレーザービームA、Bに対し、一方のレーザービームAは周辺光束のスキューが補正過多となり、もう一方のレーザービームBは、周辺光束のスキューが補正不足となるように、走査結像レンズ24の傾け角度を設定することにより両方のレーザービームのSpot形状を実使用に支障がないまでに改善しビーム径差の小さい光走査装置を提供することが可能となる。
【0057】
また、本実施例における光源12A、12Bより発せられるレーザービームA,Bは、前述のように偏向器18の回転軸に直交する平面に対し、副走査方向に異なる角度で入射するとともに、第1ミラー20の近傍で交差するようになっているが、加えて、図6に示すように、主走査方向においては偏向器18の回転軸を含み感光体の被走査面の中心を通る平面に対し、レーザービームA、Bは、相反する方向からα1=α2=4°の角度をもって斜めから偏向器18へ入射する。
【0058】
また、偏向器18の回転軸を含み感光体の被走査面の中心を通る平面に対し、δ=0.32mmずれるようにレーザービームA、Bを偏向面18Aに入射させると共に、偏向器18の同一回転角度において、レーザービームA,Bが偏向後に主走査方向に交差する構成をとる。
【0059】
このように構成することにより、図1に示す光源12A、12B、カップリングレンズ14A、14B、及び整形光学系16A、16Bを干渉させることなく配置することができると同時に、最小の副走査入射角差でありながら、副走査方向において偏向器18への入射ビームと走査ビームの分離スペースを確保することができ、複数走査ビームの分離が容易に可能となる。
【0060】
次に、偏向器18の回転角度が同一のときレーザービームA,Bが偏向後に主走査方向に交差する構成をとるようにオフセットさせた効果について、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0061】
図6は、偏向器18へ入射するレーザービームA,Bを主走査断面方向から見た図であり、レーザービームAは走査結像レンズ24の光軸より紙面上方からα1の角度、またレーザービームBはα2の角度を持って光軸より下方から偏向器18へ入射する。
【0062】
このとき偏向器18が同一回転角度のときにレーザービームAとレーザービームBは、偏向反射後に交差するように、偏向器18の回転軸と感光体の被走査面中心を含む平面、すなわち走査結像レンズ24の光軸を含む平面からδだけオフセットして入射する。
【0063】
図7に示すように、偏向器18へ入射するレーザービームの光束幅が偏向面18Aより大きく、偏向面18Aが実質的に絞りの機能を有するいわゆるオーバーフィルド光学系において、被走査面の光量分布は実質的なFナンバーに相当する走査ビーム方向から見た偏向面18Aの主走査方向投影幅とガウシアン分布を代表とするレーザービーム強度分布に依存する。
【0064】
偏向器18へレーザービームAを走査結像レンズ24の光軸を含む平面Mに対し,主走査方向に斜めから入射させる場合、最大走査画角をθとするとレーザービームAが−θ角度走査されるとき偏向器18は、偏向面18Aの法線A1が走査結像レンズ24の光軸と平行になる位置から−(θ−α1)/2°回転するため、偏向面18Aの主走査方向幅は走査ビーム方向から見て偏向面18Aの主走査方向幅は、l×cos((θ−α1)/2)の大きさになる。
【0065】
逆に+θ角度走査されるときは法線A2は(θ+α1)/2°回転し、走査ビームの進行方向から見た偏向面18Aの主走査方向幅は、l×cos((θ+α1)/2)の大きさになる。
【0066】
走査画角が−θのときの走査ビーム進行方向から見た偏向面の主走査方向幅をd(−θ)、走査画角が+θのときの主走査方向幅をd(+θ)とすると、θおよびαは正数であるからd(−θ)>d(+θ)となる。このため、主走査方向に斜めに入射している側のFナンバーのほうが小さくなり光束の強度分布が一様であれば斜め入射側の光量が高くなる。
【0067】
一方、レーザービームはガウシアン分布に代表される強度分布を有している。オーバーフィルド光学系の場合、偏向面の回転および移動に伴い、ある強度分布を持つレーザービームAの一部を切り取る形で反射偏向するため、レーザービームAのどの部分を反射するかによって被走査面上の光量が変化する。
【0068】
よって、主走査方向に斜めから入射させた場合、図8に示されるように、レーザービーム強度分布中心を走査結像レンズ24の光軸を含む平面と一致させると、被走査面において入射ビームと走査レンズ光軸を含む平面とのなす角度と、走査結像レンズ24の焦点距離を乗じた位置だけ入射側と逆側が最大光量となり、結果的に被走査面において走査両端部で光量が異なってしまう。
【0069】
これらによる光量不均一を補正するために、偏向器18の回転軸を含み被走査面の中心を通る平面に対し、レーザービーム強度分布の最大光量となる位置が距離δ〔0<δ≦r×sin(α1/2)〕ずれるように、レーザービームAが斜め入射するように補正している。
【0070】
レーザービーム強度分布中心をずらすには、被走査面中心を走査する偏向器18の回転角度時に偏向面の中央にレーザービーム強度中心を一致させることにより補正可能で、その偏向面角度はα1/2度であり、偏向面中央は被走査面中心を通る平面からδ=r×sin(α/2)だけ斜め入射方向に移動するから、あらかじめその量だけずらしてレーザービームAを入射させればよい。
【0071】
しかし、Fナンバー変化は走査両端部において斜め入射する側が小さく、反対側が大きいためFナンバー変化による光量不均一はレーザービーム強度分布による光量不均一と逆側になるため、δ=r×sin(α1/2)ずらすとFナンバーによる不均一分斜め入射側の光量が大きくなる。よって、δは0<δ≦r×sin(α1/2)の範囲とすることが望ましい。
【0072】
なお、本実施例において偏向器内接半径rは12.5mm、α1=4°であるので、r×sin(α1/2)は0.436であり、δ=0.32mmは本発明の範囲にある。また、図9には、本実施例でδを変化させたときの走査両端光量差が示されている。本実施例ではδを0.32近傍にすることで両端光量差を補正することができる。
【0073】
このように、1本のレーザービームAをオーバーフィルド光学系で走査結像レンズ24の光軸を含む平面に対し主走査方向に斜めから入射させた場合でも、走査両端の光量差が補正できるという効果があるが、本実施例では2本のレーザービームA、Bを用いており、各々を相異なる側から入射させているため、互いに逆の方向に0.32mmずつずらして偏向面18へ入射させることにより個々の光量差を補正するとともに2色間の光量不均一を補正し、色むらのない良好な多色画像を得ることが可能である。
【0074】
[第2実施例]
図10に示すように、基本的な構成は、第1実施例とほぼ同じであるが、第2実施例ではレーザービームA,Bの偏向器18への副走査方向入射角度β1、β2を各々2.5°、1.2°とし、偏向面18から第1ミラー36までの距離Lを135mmにしており、レーザービームA、Bを同一の第1ミラー36により偏向器18へ折り返している。
【0075】
このとき、レーザービームA、Bは第1ミラー36の面上で交差するように偏向面18の上でのレーザービームAとレーザービームBの入射位置間隔tを3mmとし、tan(β1−β2)≒t/Lの関係となっている。
【0076】
本実施例のように、レーザービームA,Bを走査ビームと入射ビームに分離す位置で交差する構成をとることにより入射側で生じる複数ビームの副走査入射角度差に起因するマージンの減少を防止することができるため、最小の副走査入射角度で、最大の入射ビームと内側の走査ビーム間のマージンを確保することができ、第1ミラー36の配置を容易にすることが可能である。
【0077】
また、上記のように構成すると複数走査ビーム間のマージンが走査ビーム間の副走査角度差の余弦に偏向器18から第2ミラーまでの距離を乗じた量に、偏向面上のビーム間隔tを足し合わせた量になり、最小の副走査入射角度差で最大の走査ビーム間のマージンを確保することができ、副走査斜入射に起因する走査線湾曲や部品精度に起因する走査線の傾きが生じても複数の走査ビームを分離することが容易になる。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1〜請求項3では、走査レンズを傾け、副走査斜め入射する複数ビームのSpot形状のSkewを補正することで複数ビームのSpot形状変化を良好に補正でき被走査面全面に渡って均一なBeam径を得ることができる。
【0079】
請求項4では、複数ビームを副走査方向には偏向器入射前に交差し、主走査方向には偏向反射後に交差させることにより複数の入射ビーム、走査ビームともの分離スペースを確保でき合成分離を容易にできると共に、被走査面の光量不均一を防止することができる。
【0080】
請求項5では、Fナンバーの不均一とレーザービーム強度分布による光量不均一を相殺するような位置にレーザービームを入射させることで、走査開始端と終了端での光量差をなくし、プリントの濃度差の発生を防止することができる。
【0081】
請求項6では、最小の副走査入射角度差で最大の走査ビーム間のマージンを確保することができ、副走査斜入射に起因する走査線湾曲や部品精度に起因する走査線の傾きが生じても複数の走査ビームを分離することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る光走査装置の平面構成図である。
【図2】 第1実施形態に係る光走査装置の側面図である。
【図3】 第1実施形態に係る光走査装置の光学系の副走査断面図である。
【図4】 走査中央部と走査端部における被走査面上のビーム径差を示すグラフである。
【図5】 走査中央部と走査端部における被走査面上のスポット形状を示す図である。
【図6】 第1実施形態に係る光走査装置の光学系の主走査断面図である。
【図7】 オーバーフィルド光学系における光束幅と強度分布の関係を示す図である。
【図8】 オーバーフィルド光学系における主走査方向の光量不均一性を示すグラフである。
【図9】 オーバーフィルド光学系におけるオフセット量と光量差との関係を示すグラフである。
【図10】 第2実施形態に係る光走査装置の光学系の副走査断面図である。
【図11】 従来例1の光走査装置の側面図である。
【図12】 従来例2の光走査装置の光学系の副走査断面図である。
【図13】 従来例2の光走査装置の光学系の主走査断面図である。
【図14】 従来例4の光走査装置の光学系の副走査断面図である。
【符号の説明】
18 偏向器
24 走査結像レンズ(走査レンズ)
36 第1ミラー(最初の折り返しミラー)
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