JP2002173392A - 単結晶引上げ装置用c/c部材 - Google Patents
単結晶引上げ装置用c/c部材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 CZ法による単結晶引上げ装置に使用され
る、例えば石英ルツボの支持ルツボやヒータ、遮蔽板な
どの高温部材として好適なC/C部材を提供すること。 【解決手段】 嵩密度(AD)が1.5 g/cm3以上、3
点曲げ強度(St )が120MPa 以上で、比強度(S
t /AD)の値が80( MPa/ g/cm3)以上の特性を有
し、更に気孔率が10%以下、層間剪断強度が10MP
a以上の特性を備えた炭素繊維強化炭素材からなること
を特徴とする単結晶引上げ装置用C/C部材。
る、例えば石英ルツボの支持ルツボやヒータ、遮蔽板な
どの高温部材として好適なC/C部材を提供すること。 【解決手段】 嵩密度(AD)が1.5 g/cm3以上、3
点曲げ強度(St )が120MPa 以上で、比強度(S
t /AD)の値が80( MPa/ g/cm3)以上の特性を有
し、更に気孔率が10%以下、層間剪断強度が10MP
a以上の特性を備えた炭素繊維強化炭素材からなること
を特徴とする単結晶引上げ装置用C/C部材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維強化炭素
材(C/C材)からなり、チョコラルスキー法(以下
「CZ法」という)によるシリコンなどの単結晶引上げ
装置に使用される高温部材、例えば、ルツボなどとして
好適なC/C部材に関する。
材(C/C材)からなり、チョコラルスキー法(以下
「CZ法」という)によるシリコンなどの単結晶引上げ
装置に使用される高温部材、例えば、ルツボなどとして
好適なC/C部材に関する。
【0002】
【従来の技術】ICやLSIなどの製造に用いるシリコ
ンなどの単結晶は、通常CZ法により製造されている。
CZ法は、高純度の石英ルツボの中にシリコン多結晶を
入れ、石英ルツボを所定速度で回転させながらヒータに
よりシリコン多結晶を加熱溶融し、シリコン多結晶の溶
融液の表面に種結晶(シリコン単結晶)を接触させて、
所定速度で回転させながら、ゆっくりと引上げることに
よりシリコン多結晶の溶融液を凝固させて、シリコン単
結晶に成長させるものである。このCZ法による単結晶
引上げ装置に使用される高温部材、例えば石英ルツボを
支持するための支持ルツボ、あるいはヒータ、遮蔽板な
どの部材には、従来から炭素材が用いられてきた。
ンなどの単結晶は、通常CZ法により製造されている。
CZ法は、高純度の石英ルツボの中にシリコン多結晶を
入れ、石英ルツボを所定速度で回転させながらヒータに
よりシリコン多結晶を加熱溶融し、シリコン多結晶の溶
融液の表面に種結晶(シリコン単結晶)を接触させて、
所定速度で回転させながら、ゆっくりと引上げることに
よりシリコン多結晶の溶融液を凝固させて、シリコン単
結晶に成長させるものである。このCZ法による単結晶
引上げ装置に使用される高温部材、例えば石英ルツボを
支持するための支持ルツボ、あるいはヒータ、遮蔽板な
どの部材には、従来から炭素材が用いられてきた。
【0003】例えば、石英ルツボ中にシリコン多結晶を
入れ、高温に加熱してシリコン多結晶を溶融する際に石
英ルツボが軟化し、また強度も充分でないため、通常、
石英ルツボは炭素ルツボ内に嵌合され、炭素ルツボで石
英ルツボを支持することにより補強して用いられてい
る。この石英ルツボを嵌合する支持ルツボとしては高温
強度が高く、耐熱性や熱伝導率が大きい黒鉛材が一般的
に使用されている。しかしながら、黒鉛材は表面から黒
鉛の微粉が離脱、飛散し易いので、微粉が装置内を浮遊
してシリコン溶融液中に混入し、シリコン単結晶の品質
を低下させる難点がある。
入れ、高温に加熱してシリコン多結晶を溶融する際に石
英ルツボが軟化し、また強度も充分でないため、通常、
石英ルツボは炭素ルツボ内に嵌合され、炭素ルツボで石
英ルツボを支持することにより補強して用いられてい
る。この石英ルツボを嵌合する支持ルツボとしては高温
強度が高く、耐熱性や熱伝導率が大きい黒鉛材が一般的
に使用されている。しかしながら、黒鉛材は表面から黒
鉛の微粉が離脱、飛散し易いので、微粉が装置内を浮遊
してシリコン溶融液中に混入し、シリコン単結晶の品質
を低下させる難点がある。
【0004】また、石英と黒鉛とは熱膨張率が大きく異
なるために、加熱、冷却を繰り返し行っている間に、加
熱時には石英ルツボが軟化して黒鉛ルツボに密着し、一
方冷却時には黒鉛ルツボの収縮量が石英ルツボの収縮量
に比べて大きくなることにより石英ルツボから内圧を受
けることとなり、黒鉛ルツボの変形、割損などが生じる
難点もある。この熱膨張差による割損を防止するため、
通常、黒鉛ルツボは分割構成されているが、繰り返し使
用するための耐用回数が充分でなく、加えて、近年にお
ける装置の大型化により黒鉛ルツボも大きくなり、重量
増に伴い作業性が悪化するという問題もある。
なるために、加熱、冷却を繰り返し行っている間に、加
熱時には石英ルツボが軟化して黒鉛ルツボに密着し、一
方冷却時には黒鉛ルツボの収縮量が石英ルツボの収縮量
に比べて大きくなることにより石英ルツボから内圧を受
けることとなり、黒鉛ルツボの変形、割損などが生じる
難点もある。この熱膨張差による割損を防止するため、
通常、黒鉛ルツボは分割構成されているが、繰り返し使
用するための耐用回数が充分でなく、加えて、近年にお
ける装置の大型化により黒鉛ルツボも大きくなり、重量
増に伴い作業性が悪化するという問題もある。
【0005】更に、高温加熱時には石英ルツボ(SiO
2 )と黒鉛ルツボ(C)とは接触する嵌合面において反
応してSiOガスを発生し、発生したSiOガスは装置
内を浮遊しながら黒鉛ルツボと反応し、特に黒鉛ルツボ
表層部の開気孔内を浸透しながら黒鉛ルツボ(C)と反
応して黒鉛ルツボの開気孔内を次第にSiC化してい
く。したがって、このような加熱処理が繰り返し行われ
ると、黒鉛ルツボの開気孔を中心に徐々にSiCへと転
化して材質的に脆弱化し、ミクロクラックが発生し易
く、遂には黒鉛ルツボの割損を招くこととなる。
2 )と黒鉛ルツボ(C)とは接触する嵌合面において反
応してSiOガスを発生し、発生したSiOガスは装置
内を浮遊しながら黒鉛ルツボと反応し、特に黒鉛ルツボ
表層部の開気孔内を浸透しながら黒鉛ルツボ(C)と反
応して黒鉛ルツボの開気孔内を次第にSiC化してい
く。したがって、このような加熱処理が繰り返し行われ
ると、黒鉛ルツボの開気孔を中心に徐々にSiCへと転
化して材質的に脆弱化し、ミクロクラックが発生し易
く、遂には黒鉛ルツボの割損を招くこととなる。
【0006】そこで、黒鉛材に比べて軽量な上に強度特
性に優れ、また石英との熱膨張率の差異も少ない炭素繊
維強化炭素材(C/C材)を用いて支持ルツボを構成す
ることにより、上記の問題を解消する提案が行われてお
り、例えば実開昭63−7174号公報には、少なくと
も側壁部分が一体のC/C材により構成された単結晶引
き上げ用ルツボが、また、特開平9−263482号公
報には、ルツボ内側を炭素繊維クロス積層体または炭素
繊維フェルト積層体を用いたC/C材とし、ルツボ外側
をフィラメントワインディング法により成形したC/C
材で構成した二層よりなるシリコン単結晶引上げ用炭素
繊維強化炭素ルツボ、などが提案されている。
性に優れ、また石英との熱膨張率の差異も少ない炭素繊
維強化炭素材(C/C材)を用いて支持ルツボを構成す
ることにより、上記の問題を解消する提案が行われてお
り、例えば実開昭63−7174号公報には、少なくと
も側壁部分が一体のC/C材により構成された単結晶引
き上げ用ルツボが、また、特開平9−263482号公
報には、ルツボ内側を炭素繊維クロス積層体または炭素
繊維フェルト積層体を用いたC/C材とし、ルツボ外側
をフィラメントワインディング法により成形したC/C
材で構成した二層よりなるシリコン単結晶引上げ用炭素
繊維強化炭素ルツボ、などが提案されている。
【0007】しかしながら、C/C材は黒鉛材などの炭
素材と同様に高温加熱時に石英ルツボ(SiO2 )と接
触する嵌合面において、SiO2 +C→SiO+COの
反応によりSiOガスを発生する。C/C材は黒鉛材に
比べて多孔質であり、C/C材の表面には多くの微小開
気孔が存在するため、発生したSiOガスはC/Cルツ
ボの表層面の微小開気孔内に浸透しながら気孔内壁面
を、SiO+2C→SiC+COの反応により次第にS
iC化するとともに内壁面(C)を損耗し、前記したS
iO2 +C→SiO+COの反応によるCの消耗と相ま
って、C/Cルツボの損耗やミクロクラックが発生し、
遂には割損を招くことになる。
素材と同様に高温加熱時に石英ルツボ(SiO2 )と接
触する嵌合面において、SiO2 +C→SiO+COの
反応によりSiOガスを発生する。C/C材は黒鉛材に
比べて多孔質であり、C/C材の表面には多くの微小開
気孔が存在するため、発生したSiOガスはC/Cルツ
ボの表層面の微小開気孔内に浸透しながら気孔内壁面
を、SiO+2C→SiC+COの反応により次第にS
iC化するとともに内壁面(C)を損耗し、前記したS
iO2 +C→SiO+COの反応によるCの消耗と相ま
って、C/Cルツボの損耗やミクロクラックが発生し、
遂には割損を招くことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、C/Cルツボ
のSiC化を低減させることにより長時間の使用を可能
とするために、特開平10−59795号公報には、C
/C材料を全部または一部に含んで形成される半導体単
結晶引き上げ用ルツボであって、前記C/C材料の少な
くとも一部分に熱分解炭素の被膜が形成され、前記被膜
は開気孔の内面まで生成することを特徴とする半導体単
結晶引き上げ用ルツボ、および、開気孔にCVD法によ
って0.2μm /hr以下の析出速度で熱分解炭素の被膜
を形成する製造方法が提案されている。
のSiC化を低減させることにより長時間の使用を可能
とするために、特開平10−59795号公報には、C
/C材料を全部または一部に含んで形成される半導体単
結晶引き上げ用ルツボであって、前記C/C材料の少な
くとも一部分に熱分解炭素の被膜が形成され、前記被膜
は開気孔の内面まで生成することを特徴とする半導体単
結晶引き上げ用ルツボ、および、開気孔にCVD法によ
って0.2μm /hr以下の析出速度で熱分解炭素の被膜
を形成する製造方法が提案されている。
【0009】また、特開平11−171681号公報に
は、C/C材を全部または一部に含んで形成される単結
晶引上げ装置用高温部材であって、前記C/C材が特性
として、嵩密度が1.3 g/cm3以上、曲げ強度が80 M
Pa以上、引張り強さが100MPa以上の値を有し、かつ
該C/C材の表面の全体または一部に熱分解炭素の析出
層が形成されてなることを特徴とする単結晶引上げ装置
用高温部材、及び、嵩密度が1.3 g/cm3以上、曲げ強
度が80 MPa以上、引張り強さが100 MPa以上の特性
値を有するC/C材の表面の全体または一部に、化学蒸
着法により熱分解炭素の析出層を形成する工程を含むこ
とを特徴とする製造方法が提案されている。
は、C/C材を全部または一部に含んで形成される単結
晶引上げ装置用高温部材であって、前記C/C材が特性
として、嵩密度が1.3 g/cm3以上、曲げ強度が80 M
Pa以上、引張り強さが100MPa以上の値を有し、かつ
該C/C材の表面の全体または一部に熱分解炭素の析出
層が形成されてなることを特徴とする単結晶引上げ装置
用高温部材、及び、嵩密度が1.3 g/cm3以上、曲げ強
度が80 MPa以上、引張り強さが100 MPa以上の特性
値を有するC/C材の表面の全体または一部に、化学蒸
着法により熱分解炭素の析出層を形成する工程を含むこ
とを特徴とする製造方法が提案されている。
【0010】このような状況下に、本発明はCZ法によ
る単結晶引上げ装置に用いられる各種部材、例えば、石
英ルツボを支持するC/Cルツボなどとして、SiC化
を抑制するためのより好適な材質性状を備え、耐久性に
優れた単結晶引上げ装置用のC/C部材を提供すること
を目的とする。
る単結晶引上げ装置に用いられる各種部材、例えば、石
英ルツボを支持するC/Cルツボなどとして、SiC化
を抑制するためのより好適な材質性状を備え、耐久性に
優れた単結晶引上げ装置用のC/C部材を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の単結晶引上げ装置用C/C部材は、嵩密度
(AD)が1.5 g/cm3以上、3点曲げ強度(St )が
120MPa 以上で、比強度(St /AD)の値が80
( MPa/ g/cm3)以上の特性を有し、更に気孔率が10
%以下、層間剪断強度が10MPa以上の特性を備えた
炭素繊維強化炭素材(C/C材)からなることを構成上
の特徴とする。
めの本発明の単結晶引上げ装置用C/C部材は、嵩密度
(AD)が1.5 g/cm3以上、3点曲げ強度(St )が
120MPa 以上で、比強度(St /AD)の値が80
( MPa/ g/cm3)以上の特性を有し、更に気孔率が10
%以下、層間剪断強度が10MPa以上の特性を備えた
炭素繊維強化炭素材(C/C材)からなることを構成上
の特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】C/C材は、ポリアクリロニトリ
ル系、レーヨン系、ピッチ系などの原料から製造された
炭素繊維を強化材として、これらの炭素繊維がフェノー
ル系やフラン系などの熱硬化性樹脂あるいは石炭系や石
油系のピッチを焼成炭化したマトリックス(炭化物)に
より結着され、一体化されたものである。
ル系、レーヨン系、ピッチ系などの原料から製造された
炭素繊維を強化材として、これらの炭素繊維がフェノー
ル系やフラン系などの熱硬化性樹脂あるいは石炭系や石
油系のピッチを焼成炭化したマトリックス(炭化物)に
より結着され、一体化されたものである。
【0013】本発明のC/C部材は、その材質性状とし
て、嵩密度(AD)が1.5 g/cm3以上、3点曲げ強度
(St )が120MPa 以上で、比強度(St /AD)
の値が80( MPa/ g/cm3)以上の特性を有し、更に気
孔率が10%以下、層間剪断強度が10MPa以上の特
性を備えたものである。以下、本発明をCZ法における
石英ルツボを支持するC/Cルツボを例に説明する。
て、嵩密度(AD)が1.5 g/cm3以上、3点曲げ強度
(St )が120MPa 以上で、比強度(St /AD)
の値が80( MPa/ g/cm3)以上の特性を有し、更に気
孔率が10%以下、層間剪断強度が10MPa以上の特
性を備えたものである。以下、本発明をCZ法における
石英ルツボを支持するC/Cルツボを例に説明する。
【0014】嵩密度(AD)は材質の緻密性を示し、強
度特性とも関係するが、石英ルツボとの反応性(SiO
2 +C→SiO+CO)およびSiOガスとの反応性
(SiO+2C→SiC+CO)に大きく関わり、この
値が1.5 g/cm3より小さい場合には、材質組織の緻密
性が低いために、これらの反応、特にSiOガスとの反
応性を低位に抑制することが困難であり、SiC化に伴
うC/C部材の損耗が大きくなる。
度特性とも関係するが、石英ルツボとの反応性(SiO
2 +C→SiO+CO)およびSiOガスとの反応性
(SiO+2C→SiC+CO)に大きく関わり、この
値が1.5 g/cm3より小さい場合には、材質組織の緻密
性が低いために、これらの反応、特にSiOガスとの反
応性を低位に抑制することが困難であり、SiC化に伴
うC/C部材の損耗が大きくなる。
【0015】また、C/C材の強度は高いほど、C/C
ルツボの壁厚などを薄くできるので軽量化を図る上で有
利であり、材質強度は3点曲げ強度(St )が120M
Pa以上であることが必要で、好ましくは150MPa
以上である。なお、3点曲げ強度はJIS K7074
により測定される。
ルツボの壁厚などを薄くできるので軽量化を図る上で有
利であり、材質強度は3点曲げ強度(St )が120M
Pa以上であることが必要で、好ましくは150MPa
以上である。なお、3点曲げ強度はJIS K7074
により測定される。
【0016】また、本発明においては、耐SiC化性を
高位に保持するとともに軽量化を図る観点から、3点曲
げ強度と嵩密度との比から比強度(St /AD)を求
め、比強度の値により耐SiC化性および軽量化の指標
とするものである。すなわち、その値を80( MPa/ g
/cm3)以上に設定することにより、耐SiC化性と軽量
化とを図るものである。
高位に保持するとともに軽量化を図る観点から、3点曲
げ強度と嵩密度との比から比強度(St /AD)を求
め、比強度の値により耐SiC化性および軽量化の指標
とするものである。すなわち、その値を80( MPa/ g
/cm3)以上に設定することにより、耐SiC化性と軽量
化とを図るものである。
【0017】更に、本発明はC/C材の特性として、気
孔率を10%以下、層間剪断強度を10MPa以上の特
性に設定する。気孔率および層間剪断強度はC/C材内
部の組織構造、例えば内部組織中の気孔量と関連し、C
/Cルツボとして使用した際の前記のSiO2 やSiO
との反応性に影響する。
孔率を10%以下、層間剪断強度を10MPa以上の特
性に設定する。気孔率および層間剪断強度はC/C材内
部の組織構造、例えば内部組織中の気孔量と関連し、C
/Cルツボとして使用した際の前記のSiO2 やSiO
との反応性に影響する。
【0018】すなわち、気孔率は炭素繊維とマトリック
ス炭化物との結着性の指標となり、層間剪断強度は水銀
圧入法では測定し難い大きな気孔の指標として、例え
ば、積層した炭素繊維シート間に存在する気孔(クラッ
ク)の指標となる。そして、両者ともSiOとの反応
性、すなわち、耐SiC化性を示すパラメータとなるも
ので、気孔率が10%を超えたり、層間剪断強度が10
MPaを下回ると、SiOガスの浸透により材質の内部
組織までSiC化が進行し易くなるため、C/Cルツボ
の耐久性が低下する。更に、C/C材の使用中に表層が
SiC化されると基材とSiCの熱膨張率の差により応
力が発生し、層間剪断強度が10MPaを下回ると基材
の剥離、割れの原因となる。なお、気孔率は水銀圧入法
で測定した気孔径 300〜 0.001μの気孔量であり、層間
剪断強度はJIS K7078により測定した値であ
る。
ス炭化物との結着性の指標となり、層間剪断強度は水銀
圧入法では測定し難い大きな気孔の指標として、例え
ば、積層した炭素繊維シート間に存在する気孔(クラッ
ク)の指標となる。そして、両者ともSiOとの反応
性、すなわち、耐SiC化性を示すパラメータとなるも
ので、気孔率が10%を超えたり、層間剪断強度が10
MPaを下回ると、SiOガスの浸透により材質の内部
組織までSiC化が進行し易くなるため、C/Cルツボ
の耐久性が低下する。更に、C/C材の使用中に表層が
SiC化されると基材とSiCの熱膨張率の差により応
力が発生し、層間剪断強度が10MPaを下回ると基材
の剥離、割れの原因となる。なお、気孔率は水銀圧入法
で測定した気孔径 300〜 0.001μの気孔量であり、層間
剪断強度はJIS K7078により測定した値であ
る。
【0019】本発明のC/C部材を構成するC/C材の
強化材となる炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系、レ
ーヨン系、ピッチ系などの原料から製造された炭素繊維
の繊布を一次元または多次元方向に配向した繊維体、フ
ェルト、トウなどが用いられる。また、マトリックス結
合材にはフェノール系、フラン系など残炭率50重量%
以上の熱硬化性樹脂やピッチ類が使用される。
強化材となる炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系、レ
ーヨン系、ピッチ系などの原料から製造された炭素繊維
の繊布を一次元または多次元方向に配向した繊維体、フ
ェルト、トウなどが用いられる。また、マトリックス結
合材にはフェノール系、フラン系など残炭率50重量%
以上の熱硬化性樹脂やピッチ類が使用される。
【0020】本発明の単結晶引上げ装置用C/C部材
は、例えば、炭素繊維織布に熱硬化性樹脂を浸漬または
塗布などの方法により含浸し、加熱硬化してプリプレグ
シートを作製し、所望の形状に成形したのち非酸化性雰
囲気中で焼成炭化することにより作製される。この後、
更に、熱硬化性樹脂の含浸、焼成炭化を繰り返したり、
CVD法やCVI法により気相析出させた熱分解炭素を
沈着させるなどの方法により本発明の材質性状を備えた
C/C部材が製造される。
は、例えば、炭素繊維織布に熱硬化性樹脂を浸漬または
塗布などの方法により含浸し、加熱硬化してプリプレグ
シートを作製し、所望の形状に成形したのち非酸化性雰
囲気中で焼成炭化することにより作製される。この後、
更に、熱硬化性樹脂の含浸、焼成炭化を繰り返したり、
CVD法やCVI法により気相析出させた熱分解炭素を
沈着させるなどの方法により本発明の材質性状を備えた
C/C部材が製造される。
【0021】以下、本発明の実施例を比較例と対比して
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0022】実施例1〜8、比較例1〜2 ポリアクリロニトリル系の平織炭素繊維織布の表面にフ
ェノール樹脂(残炭率50%)を塗布して含浸させ、48
時間風乾してプリプレグシートを作製した。このプリプ
レグシートを20枚積層してモールドに入れ、温度11
0℃、圧力2MPaの条件で熱圧成形し、次いで、25
0℃に加熱して樹脂成分を完全に硬化したのち、窒素ガ
ス雰囲気に調整した電気炉中で5℃/hの昇温速度で10
00℃に加熱し、その温度に5時間保持して焼成炭化し
た。更に、1800℃の温度で塩素ガスにより高純度化
処理を行って、250×250mm、厚さ6mmの成形体を
作製した。
ェノール樹脂(残炭率50%)を塗布して含浸させ、48
時間風乾してプリプレグシートを作製した。このプリプ
レグシートを20枚積層してモールドに入れ、温度11
0℃、圧力2MPaの条件で熱圧成形し、次いで、25
0℃に加熱して樹脂成分を完全に硬化したのち、窒素ガ
ス雰囲気に調整した電気炉中で5℃/hの昇温速度で10
00℃に加熱し、その温度に5時間保持して焼成炭化し
た。更に、1800℃の温度で塩素ガスにより高純度化
処理を行って、250×250mm、厚さ6mmの成形体を
作製した。
【0023】これらの成形体について、フェノール樹脂
を再含浸して焼成炭化する緻密化処理を繰り返し行い、
最終的に2000℃の温度で熱処理して、異なる材質性
状のC/C材を製造(実施例1〜4、比較例1)した。
また、プロパンと水素の混合ガス(プロパン濃度5〜1
5 vol%)を原料ガスとして、温度1250℃、圧力
6.7KPaの条件で熱分解炭素を沈着させ、最終的に
2000℃の温度で熱処理して、材質性状の異なるC/
C材(実施例5〜8、比較例2)を製造した。
を再含浸して焼成炭化する緻密化処理を繰り返し行い、
最終的に2000℃の温度で熱処理して、異なる材質性
状のC/C材を製造(実施例1〜4、比較例1)した。
また、プロパンと水素の混合ガス(プロパン濃度5〜1
5 vol%)を原料ガスとして、温度1250℃、圧力
6.7KPaの条件で熱分解炭素を沈着させ、最終的に
2000℃の温度で熱処理して、材質性状の異なるC/
C材(実施例5〜8、比較例2)を製造した。
【0024】これらのC/C材について、下記の方法に
よりSiOガスとの反応性を測定した。 SiOガスとの反応性の測定;シリカ(SiO2)とフェ
ノール樹脂を、フェノール樹脂中の残炭素分(C)がS
iO2 :C=1:1(重量比)の割合となるように混合
し、加熱硬化して板状体(30×30×3mm)に成形し
た。この板状成形体を、C/C材(30×30×6mm)
の上に乗せ、アルゴン雰囲気中で1850℃の温度に加
熱して3.5時間処理を行い、発生したSiOガスとの
反応によるC/C材の重量増加率、すなわちC/C材の
SiC化による重量増加率を求めた。
よりSiOガスとの反応性を測定した。 SiOガスとの反応性の測定;シリカ(SiO2)とフェ
ノール樹脂を、フェノール樹脂中の残炭素分(C)がS
iO2 :C=1:1(重量比)の割合となるように混合
し、加熱硬化して板状体(30×30×3mm)に成形し
た。この板状成形体を、C/C材(30×30×6mm)
の上に乗せ、アルゴン雰囲気中で1850℃の温度に加
熱して3.5時間処理を行い、発生したSiOガスとの
反応によるC/C材の重量増加率、すなわちC/C材の
SiC化による重量増加率を求めた。
【0025】比較例3〜4 材質性状の異なる2種類の等方性黒鉛材を試料として用
いて、上記の方法によりSiOガスとの反応性を測定し
た。
いて、上記の方法によりSiOガスとの反応性を測定し
た。
【0026】得られた結果を、材質性状とともに表1に
示した。
示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、本発明で特定した材質性
状を有する実施例1〜8のC/C材は、比強度(St/
AD)が高く、また材質組織が緻密であり、少なくとも
いずれか一つの材質性状が本発明で特定した値を外れる
比較例1、2のC/C材に比べて、SiOガスとの反応
性が低く、C/C材のSiC化による重量増加率が小さ
いことが判明する。また、比較例3、4の等方性黒鉛材
に比較しても、実施例1〜8のC/C材はSiC化によ
る重量増加率は同等であり、黒鉛材に比べて軽量で、強
度特性が高く、石英との熱膨張率の差異も少ない上に、
耐SiC化性が同等であることが認められる。
状を有する実施例1〜8のC/C材は、比強度(St/
AD)が高く、また材質組織が緻密であり、少なくとも
いずれか一つの材質性状が本発明で特定した値を外れる
比較例1、2のC/C材に比べて、SiOガスとの反応
性が低く、C/C材のSiC化による重量増加率が小さ
いことが判明する。また、比較例3、4の等方性黒鉛材
に比較しても、実施例1〜8のC/C材はSiC化によ
る重量増加率は同等であり、黒鉛材に比べて軽量で、強
度特性が高く、石英との熱膨張率の差異も少ない上に、
耐SiC化性が同等であることが認められる。
【0029】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の単結晶引上げ装
置用C/C部材によれば、嵩密度(AD)、3点曲げ強
度(St )、比強度(St /AD)および気孔率、層間
剪断強度を特定した材質性状を備えたC/C材から形成
することにより、耐SiC化性に優れた性能を付与する
ことができる。したがって、CZ法による単結晶引上げ
装置に使用する、例えば、石英ルツボを支持する支持ル
ツボをはじめ、ヒータや遮蔽板などの高温部材として、
耐久性に優れ、長期に亘って安定に使用することのでき
るC/C部材の提供が可能となる。
置用C/C部材によれば、嵩密度(AD)、3点曲げ強
度(St )、比強度(St /AD)および気孔率、層間
剪断強度を特定した材質性状を備えたC/C材から形成
することにより、耐SiC化性に優れた性能を付与する
ことができる。したがって、CZ法による単結晶引上げ
装置に使用する、例えば、石英ルツボを支持する支持ル
ツボをはじめ、ヒータや遮蔽板などの高温部材として、
耐久性に優れ、長期に亘って安定に使用することのでき
るC/C部材の提供が可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 嵩密度(AD)が1.5 g/cm3以上、3
点曲げ強度(St )が120MPa 以上で、比強度(S
t /AD)の値が80( MPa/ g/cm3)以上の特性を有
し、更に気孔率が10%以下、層間剪断強度が10MP
a以上の特性を備えた炭素繊維強化炭素材からなること
を特徴とする単結晶引上げ装置用C/C部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369807A JP2002173392A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 単結晶引上げ装置用c/c部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000369807A JP2002173392A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 単結晶引上げ装置用c/c部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002173392A true JP2002173392A (ja) | 2002-06-21 |
Family
ID=18839792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000369807A Pending JP2002173392A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 単結晶引上げ装置用c/c部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002173392A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2113497A2 (en) | 2008-04-30 | 2009-11-04 | Ibiden Co., Ltd. | High purity carbon fiberreinforced carbon composite for semiconductor manufacturing apparatus and method for producing the same |
WO2024121901A1 (ja) * | 2022-12-05 | 2024-06-13 | 東洋炭素株式会社 | C/Cコンポジット及びSi単結晶引き上げ炉用部材 |
-
2000
- 2000-12-05 JP JP2000369807A patent/JP2002173392A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2113497A2 (en) | 2008-04-30 | 2009-11-04 | Ibiden Co., Ltd. | High purity carbon fiberreinforced carbon composite for semiconductor manufacturing apparatus and method for producing the same |
US7998584B2 (en) | 2008-04-30 | 2011-08-16 | Ibiden Co., Ltd. | High-purity carbon fiber-reinforced carbon composite and method for producing the same |
WO2024121901A1 (ja) * | 2022-12-05 | 2024-06-13 | 東洋炭素株式会社 | C/Cコンポジット及びSi単結晶引き上げ炉用部材 |
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