JP2002170960A - 薄膜トランジスタの製造方法および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法および液晶表示装置の製造方法

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JP2002170960A
JP2002170960A JP2000367553A JP2000367553A JP2002170960A JP 2002170960 A JP2002170960 A JP 2002170960A JP 2000367553 A JP2000367553 A JP 2000367553A JP 2000367553 A JP2000367553 A JP 2000367553A JP 2002170960 A JP2002170960 A JP 2002170960A
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Japan
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film
manufacturing
insulating film
polycrystalline silicon
thin film
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Mamoru Furuta
守 古田
Yoshiaki Nakasaki
能彰 中崎
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性が良好な薄膜トランジスタを生産性よく
製造できる薄膜トランジスタの製造方法、およびそれを
用いた液晶表示装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 活性層となる多結晶シリコン膜12を透
光性基板11上に形成する第1の工程と、多結晶シリコ
ン膜12の一部に不純物を注入し、450℃以上の温度
で熱処理する第2の工程と、多結晶シリコン膜12の上
方に酸化シリコン膜を含む絶縁膜15を形成する第3の
工程と、絶縁膜15上に窒化シリコン膜18を形成した
のち、300℃以上の温度で熱処理する第4の工程とを
含み、第2の工程ののちであって第4の工程の前に、透
光性基板11のうち多結晶シリコン膜12が形成された
側を、水素を含むプラズマ雰囲気に曝すプラズマ処理工
程をさらに含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコンか
らなる活性層を用いた薄膜トランジスタ(以下、TFT
という場合がある)の製造方法、および液晶表示装置の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶装置などに用いられるTFTの活性
層の材料として、多結晶シリコンが用いられる場合があ
る。多結晶シリコンは微小な結晶粒の集合体であるた
め、結晶粒の界面である結晶粒界に多くの結晶欠陥を含
んでいる。この結晶欠陥はキャリアの移動度を低下させ
たり、素子のリーク電流を増大させるといった問題を引
き起こす要因となっている。このため、多結晶シリコン
を用いたTFTでは、結晶粒界の欠陥を補償することが
必要になる。
【0003】結晶粒界の欠陥を補償する方法として、保
護膜である窒化シリコン膜中に含有する水素を熱処理に
よって拡散させる方法が提案されている(たとえば、特
開平9−252135号公報参照)。このような従来の
製造方法について、一例の製造工程を図10に示す。
【0004】この製造方法では、まず、図10(a)に
示すように、透光性基板1上に、多結晶シリコン膜2、
ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を形成する。多結晶
シリコン膜2は、透光性基板1上に非晶質シリコン膜を
形成したのち、エキシマレーザを照射すること(レーザ
アニール)によって形成する。そして、ゲート電極4を
マスクとして燐イオンを注入することによって、チャネ
ル領域2aおよびLDD(Lightly Doped
Drain)領域2bを形成する。
【0005】その後、図10(b)に示すように、フォ
トレジストをマスクとして高濃度の不純物ドーピングを
行うことによって、ソース領域2cおよびドレイン領域
2dを形成する。このとき、不純物を活性化するために
600℃で2時間の熱処理を行う。
【0006】その後、図10(c)に示すように、層間
絶縁膜5と、ソース電極6およびドレイン電極7とを形
成する。
【0007】その後、図10(d)に示すように、層間
絶縁膜5、ソース電極6およびドレイン電極7を覆うよ
うに、保護絶縁膜である窒化シリコン膜8を形成する。
最後に、水素雰囲気下で400℃、2時間の熱処理を行
う。この熱処理によって、窒化シリコン膜8中の水素を
多結晶シリコン膜2中へ拡散させ、膜中の結晶欠陥を補
償(水素化)する。このようにして、薄膜トランジスタ
が完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化シ
リコン膜8中に含有する水素を熱処理によって拡散させ
る方法では、TFTのON特性に対する改善効果は大き
いもののOFF特性に対する改善効果が不十分であると
いう課題があった。
【0009】一方、水素プラズマ処理によって多結晶シ
リコン膜中の欠陥を補償する方法も提案されている(た
とえば、I−WEI Wuら、IEEE Electr
onDevice Letter Vol.10,N
o.3(1989)p123−p125参照)。しかし
ながら、水素プラズマに曝すことのみによって多結晶シ
リコン膜の結晶欠陥を補償する方法では、処理に長時間
(数時間〜数十時間)を要するため量産化が困難である
という問題があった。
【0010】上記課題を解決するため、本発明は、特性
が良好な薄膜トランジスタを生産性よく製造できる薄膜
トランジスタの製造方法、およびこれを用いた液晶表示
装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、透光性基
板上に、チャネル領域、ソース領域、ドレイン領域およ
びLDD領域を備える活性層であって多結晶シリコンか
らなる活性層を備える薄膜トランジスタの製造方法であ
って、前記活性層となる多結晶シリコン膜を前記透光性
基板上に形成する第1の工程と、前記多結晶シリコン膜
のうち前記ソース領域、前記ドレイン領域および前記L
DD領域となる部分に不純物を注入し、450℃以上の
温度で熱処理する第2の工程と、前記多結晶シリコン膜
の上方に酸化シリコン膜を含む絶縁膜を形成する第3の
工程と、前記絶縁膜上に窒化シリコン膜を形成したの
ち、300℃以上の温度で熱処理する第4の工程とを含
み、前記第2の工程ののちであって前記第4の工程の前
に、前記透光性基板のうち前記多結晶シリコン膜が形成
された側を、水素を含むプラズマ雰囲気に曝すプラズマ
処理工程をさらに含むことを特徴とする。上記製造方法
では、活性層となる多結晶シリコン膜の欠陥が、水素プ
ラズマ処理および第4の工程の熱処理によって補償され
る。このため、特性が高い薄膜トランジスタを生産性よ
く製造できる。
【0012】上記製造方法では、前記酸化シリコン膜
が、テトラエトキシシランを用いて形成されてもよい。
上記構成によれば、段差被覆性に優れた絶縁膜を形成で
きる。
【0013】上記製造方法では、前記第2の工程におけ
る熱処理が、水素を主成分とする雰囲気下で行われても
よい。上記構成によれば、水素の脱離を防止できるた
め、水素による欠陥の補償効果を高めることができる。
【0014】上記製造方法では、前記プラズマ処理工程
が、前記酸化シリコン膜の成膜温度と等しい温度で行わ
れてもよい。上記構成によれば、温度による水素の脱離
を防止し、水素による欠陥の補償効果を高めることがで
きる。
【0015】上記製造方法では、前記第4の工程におけ
る熱処理が、水素を主成分とする雰囲気下で行われても
よい。上記構成によれば、水素の脱離を防止できるた
め、水素による欠陥の補償効果を高めることができる。
【0016】上記製造方法では、前記絶縁膜が、前記酸
化シリコン膜上に形成された窒化シリコン膜をさらに含
み、前記プラズマ処理工程が、前記酸化シリコンの形成
後であって前記絶縁膜中の前記窒化シリコン膜の形成前
に行われてもよい。上記構成によれば、窒化シリコン膜
の成膜時に、水素による欠陥の補償効果を高めることが
できる。
【0017】上記製造方法では、前記絶縁膜に含まれる
前記酸化シリコン膜および前記窒化シリコン膜を、同一
装置内で連続して形成してもよい。上記構成によれば、
水素による欠陥の補償効果を高めることができる。
【0018】また、本発明の液晶表示装置の製造方法
は、表示電極駆動用のトランジスタを備える液晶表示装
置の製造方法であって、前記トランジスタを上記本発明
の薄膜トランジスタの製造方法によって製造することを
特徴とする。上記製造方法によれば、表示性能が良好な
液晶表示装置を生産性よく製造できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0020】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
薄膜トランジスタの製造方法について一例を説明する。
実施形態1の製造方法について、製造工程を図1に示
す。
【0021】実施形態1の製造方法では、まず図1
(a)に示すように、透光性基板11(ハッチングは省
略する。以下の図面においても同様である。)上の一部
に、活性層となる多結晶シリコン膜12を形成し(第1
の工程)、多結晶シリコン膜12上にゲート絶縁膜13
およびゲート電極14を順次形成する。透光性基板11
には、たとえば酸化シリコン(図示せず)を表面にコー
トしたガラス基板を用いることができる。多結晶シリコ
ン膜12は、たとえば、非晶質シリコン膜を形成したの
ち、これをレーザアニールすることによって形成でき
る。ゲート絶縁膜13は、多結晶シリコン膜12を覆う
ように形成し、ゲート電極14は、多結晶シリコン膜1
2の上方の一部に形成する。
【0022】その後、図1(b)に示すように、多結晶
シリコン膜12の一部(ソース領域、ドレイン領域、お
よびLDD領域となる部分)に不純物を注入し、450
℃以上の温度(好ましくは、500℃〜600℃)で熱
処理することによって、ソース領域12a、ドレイン領
域12b、およびLDD領域12cを形成する(第2の
工程)。LDD領域12cは、不純物濃度が小さい領域
である。不純物が注入されなかった部分は、チャネル領
域12dとなる。各領域は、2段階の不純物注入を行う
ことによって形成できる。第2の工程における熱処理
は、水素を主成分とする雰囲気下で行われることが好ま
しい。
【0023】その後、透光性基板11のうち多結晶シリ
コン膜12が形成された側(すなわち、この場合にはゲ
ート絶縁膜13)を、水素を含むプラズマ雰囲気に曝す
(プラズマ処理工程)。このプラズマ処理工程は、40
0℃以下の温度(より好ましくは300℃〜400℃)
で行われることが好ましい。なお、このプラズマ処理工
程は、第3の工程ののちであって第4の工程の前に行っ
てもよい(この場合には、水素を含むプラズマに絶縁膜
15を曝す)。すなわち、プラズマ処理工程は、第2の
工程ののちであって第4の工程の前に行われる。ただ
し、酸化シリコン中の水素ラジカルの拡散速度の方が、
窒化シリコン中の水素ラジカルの拡散速度よりも大きい
ため、窒化シリコン膜を形成する前にプラズマ処理工程
を行うことによって、欠陥の補償効果を高めることがで
きる。また、プラズマ処理工程を層間絶縁膜の成膜工程
と同一の装置内で行う場合には、プラズマ処理の温度と
層間絶縁膜の成膜温度とを略等しくすることによって、
製造タクトを短縮できる。
【0024】その後、図1(c)に示すように、一部に
不純物が注入された多結晶シリコン膜12の上方に、酸
化シリコン膜を含む絶縁膜(層間絶縁膜)15を形成し
(第3の工程)、さらにソース電極16およびドレイン
電極17を形成する。絶縁膜15に含まれる酸化シリコ
ン膜は、テトラエトキシシラン(以下、TEOSという
場合がある)をプラズマ分解することによって形成する
ことが好ましい。絶縁膜15は、酸化シリコン膜上に形
成された窒化シリコン膜をさらに含んでもよい。絶縁膜
15が窒化シリコン膜を含む場合、上記プラズマ処理工
程は、酸化シリコン膜の形成後であって絶縁膜15中の
窒化シリコン膜の形成前に行うことが好ましい。
【0025】その後、図1(d)に示すように、絶縁膜
15を覆うように、すなわち多結晶シリコン膜12の上
方に保護絶縁膜である窒化シリコン膜18を形成したの
ち、300℃以上の温度(好ましくは、300℃〜40
0℃)で熱処理する(第4の工程)。第4の工程におけ
る熱処理は、水素を主成分とする雰囲気下で行われるこ
とが好ましい。
【0026】実施形態1の製造方法では、プラズマ処理
工程および第4の工程において、多結晶シリコン膜12
中の欠陥が水素で補償される。このため、実施形態1の
製造方法によれば、特性が良好な薄膜トランジスタを生
産性よく製造できる。
【0027】(実施形態2)実施形態2では、本発明の
液晶表示装置の製造方法について一例を説明する。
【0028】実施形態2の液晶表示装置の製造方法は、
表示電極駆動用のトランジスタを備える液晶表示装置の
製造方法であって、表示電極駆動用のトランジスタを実
施形態1に記載の製造方法によって製造することを特徴
とする。
【0029】上記実施形態2の製造方法によれば、表示
性能が良好な液晶表示装置を生産性よく製造できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0031】(実施例1)実施例1では、実施形態1の
製造方法で薄膜トランジスタを製造した一例について説
明する。
【0032】実施例1の製造方法では、まず、図2
(a)に示すように、表面に酸化シリコンをコートした
ガラス基板21上に、多結晶シリコンからなる多結晶シ
リコン膜22、ゲート絶縁膜23、およびゲート電極2
4を順次形成した。多結晶シリコン膜22の形成は、以
下のようにして行った。まず、プラズマCVD法でガラ
ス基板21上に非晶質シリコン膜(膜厚50nm)を形
成した。そして、非晶質シリコン膜を窒素中で熱処理
(450℃で90分)することによって膜中の水素濃度
を低減させ、さらにエキシマレーザを照射して非晶質シ
リコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成した。
最後に、多結晶シリコン膜を所定の形状に加工して、多
結晶シリコン膜22を形成した。ゲート絶縁膜23は、
膜厚85nmの酸化シリコン膜からなる。また、ゲート
電極24は、ゲート絶縁膜23側からタンタル膜(膜厚
20nm)とモリブデン−タングステン合金膜(モリブ
デン:35wt%、膜厚250nm)とを積層して形成
した。
【0033】その後、図2(b)に示すように、ゲート
電極24をマスクとし、イオンドーピング法を用いて多
結晶シリコン膜22の一部に燐イオンを注入することに
よって、LDD領域22cを形成した。具体的には、5
vol%のPH3を含む水素ガスを高周波放電によって
プラズマ分解し、生成した燐イオンを質量分離すること
なく加速して注入した。注入は、加速電圧70kV、注
入ドーズ量3×1013/cm2の条件で行った。
【0034】その後、図2(c)に示すように、ソース
領域22aおよびドレイン領域22bを形成し、さら
に、注入した不純物の活性化処理と水素プラズマ処理と
を連続して行った。ソース領域22aおよびドレイン領
域22bは、LDD領域22cの上方の一部にフォトレ
ジストを形成し、フォトレジストをマスクとして燐イオ
ンを高濃度に注入することによって形成した。このと
き、燐イオンを、加速電圧70kV、ドーズ量1×10
15/cm2の条件で注入した。活性化処理は、水素雰囲
気中、600℃の温度で1時間基板を保持することによ
って行った。この活性化処理はバッチ方式の熱処理炉を
用いて行った。また、水素プラズマ処理は、活性化処理
後の降温過程で炉内温度が300℃になった時点で高周
波電力を印加して水素プラズマを発生させ、水素プラズ
マが発生した状態で1時間基板を保持することによって
行った。
【0035】その後、図2(d)に示すように、ゲート
絶縁膜23およびゲート電極24を覆うように酸化シリ
コンからなる層間絶縁膜25を形成した。層間絶縁膜2
5は、プラズマCVD法を用いて形成した。具体的に
は、TEOSと酸素との混合ガス(流量比1:15)を
原料ガスとし、基板温度300℃、放電電力1W/cm
2の条件で形成した。
【0036】TEOSを原料ガスとしたプラズマCVD
法によって酸化シリコン膜を形成することによって、層
間絶縁膜に要求される段差被覆性(ステップカバレッ
ジ)に優れた酸化シリコン膜を形成できる。しかし、こ
の方法では、成膜時に多結晶シリコン膜の欠陥を十分に
補償することはできない。一方、シラン(SiH4)と
2Oとの混合ガスを用いたプラズマCVD法によって
酸化シリコン膜を形成する場合、成膜時の分解反応過程
で多量の水素が生成するため、酸化シリコン膜の成膜を
行うと同時に多結晶シリコン膜の欠陥を補償できる。実
施例1では、層間絶縁膜の形成前に水素プラズマ処理を
行うことによって多結晶シリコン膜の欠陥を十分に補償
するとともに、TEOSを用いたプラズマCVD法によ
って段差被覆性に優れた層間絶縁膜を形成した。なお、
水素プラズマ処理と層間絶縁膜25の形成とは、同一の
チャンバーで行っても別のチャンバーで行ってもよい。
【0037】層間絶縁膜25を形成した後、図2(e)
に示すように、ソース電極26、ドレイン電極27、お
よび保護絶縁膜である窒化シリコン膜28(膜厚400
nm)を形成した。そして、水素雰囲気下で、350
℃、1時間の熱処理を行った(以下、この工程を水素ア
ニール処理という場合がある)。ソース電極26および
ドレイン電極27は、以下のようにして形成した。ま
ず、ドライエッチングによって層間絶縁膜25にコンタ
クトホールを形成した。ドライエッチングは、四弗化炭
素(CF4)と三弗化炭素(CHF3)との混合ガスを用
い、真空度13.3Pa(100mTorr)、放電電
力1.2W/cm2の条件で行った。コンタクトホール
形成後、チタン(Ti)薄膜とアルミニウム(Al)薄
膜とを積層することによって、ソース電極26およびド
レイン電極27を形成した。また、窒化シリコン膜28
は、シラン(SiH4)とアンモニア(NH3)との混合
ガスを用いたプラズマCVDによって形成した。
【0038】以上のようにして薄膜トランジスタを製造
した。また、比較例として、水素プラズマ処理のみを行
って水素アニール処理を行わなかった薄膜トランジス
タ、および、水素アニール処理のみを行って水素プラズ
マ処理を行わなかった薄膜トランジスタを作製した。以
上の3種類の薄膜トランジスタについて、ON電流およ
びOFF電流を測定した。OFF電流の測定結果を図3
に、ON電流の測定結果を図4にそれぞれ示す。なお、
図3および図4中、σは電流値の標準偏差を示す。
【0039】図3および4から明らかなように、水素ア
ニール処理のみを行った薄膜トランジスタでは、ON電
流が大きいもののOFF電流も大きく、その素子間ばら
つきも大きかった。一方、水素プラズマ処理のみを行っ
た薄膜トランジスタでは、OFF電流が小さく、その素
子間ばらつきも小さかったが、ON電流が不十分であっ
た。これに対して、実施例1の薄膜トランジスタは、O
FF電流およびその素子間ばらつきが小さく、さらにO
N電流が大幅に増大した。このように、本発明の製造方
法を用いて作製した薄膜トランジスタは、ON/OFF
電流比、すなわち素子のダイナミックレンジが大幅に向
上した。
【0040】(実施例2)実施例2では、実施形態1の
製造方法によって薄膜トランジスタを製造した他の一例
について説明する。
【0041】実施例2の製造方法では、まず、図5
(a)に示すように、表面に酸化シリコンをコートした
ガラス基板51上に、多結晶シリコンからなる多結晶シ
リコン膜52、ゲート絶縁膜53、およびゲート電極5
4を順次形成した。
【0042】その後、図5(b)に示すように、ゲート
電極54をマスクとし、イオンドーピング法を用いて多
結晶シリコン膜52の一部に燐イオンを注入することに
よって、LDD領域52cを形成した。
【0043】その後、図5(c)に示すように、ソース
領域52aおよびドレイン領域52bを形成した。図5
(a)〜(c)の工程については、図2(a)〜(c)
の工程と同様の方法および条件で行った。
【0044】その後、注入した不純物の活性化処理を行
った。活性化処理は、水素雰囲気中、600℃の温度で
1時間基板を保持することによって行った。
【0045】活性化処理後、図5(d)に示すように、
ゲート絶縁膜53およびゲート電極54を覆うように層
間絶縁膜55を形成し、さらに水素プラズマ処理を行っ
た。層間絶縁膜55は、ゲート絶縁膜53側から順に、
酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とを積層することによ
って形成した。酸化シリコン膜は、TEOSを用いて層
間絶縁膜25と同様の方法で形成した。水素プラズマ処
理の効果を高めるため、酸化シリコン膜の形成、窒化シ
リコン膜の形成、および水素プラズマ処理は、同一装置
内で連続して行った。なお、水素プラズマ処理は、別の
装置を用いて行ってもよい。
【0046】層間絶縁膜55を形成した後、図5(e)
に示すように、ソース電極56、ドレイン電極57、お
よび保護絶縁膜である窒化シリコン膜58(膜厚400
nm)を形成した。そして、水素雰囲気下で、350
℃、1時間の熱処理(水素アニール処理)を行った。ソ
ース電極56、ドレイン電極57および窒化シリコン膜
58は、それぞれ、ソース電極26、ドレイン電極27
および窒化シリコン膜28と同様の方法で形成した。
【0047】以上のようにして、薄膜トランジスタを製
造した。実施例2の製造方法によっても、実施例1の製
造方法と同様に、特性に優れた薄膜トランジスタを生産
性よく製造できる。
【0048】(実施例3)実施例3では、液晶表示装置
用のアクティブマトリクスアレイを製造した一例につい
て説明する。
【0049】実施例3では、まず、図6(a)に示すよ
うに、酸化シリコンを表面コートしたガラス基板61上
の一部に、多結晶シリコン膜62を形成した。多結晶シ
リコン膜62は、多結晶シリコン膜22と同様の方法で
形成した。さらに、多結晶シリコン膜62を覆うように
酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜63(膜厚85n
m)を形成し、ゲート絶縁膜63上の一部にゲート電極
64を形成した。ゲート絶縁膜63およびゲート電極6
4は、ゲート絶縁膜23およびゲート電極24と同様の
方法で形成した。同時に、蓄積容量部となる部分には電
極64aを形成した。
【0050】その後、図6(b)に示すように、フォト
レジスト65をマスクとして、多結晶シリコン膜62に
低濃度の燐イオンをドーピングすることによって、低濃
度不純物領域62aを形成した。低濃度不純物領域62
aは、LDD領域22cと同様の方法で形成した。
【0051】その後、図7(c)に示すように、所定の
部分にフォトレジスト65を形成し、pチャネル薄膜ト
ランジスタとなる部分にボロンを注入することによっ
て、p形領域62bを形成した。このp形領域62b
が、pチャネル薄膜トランジスタのソース・ドレイン領
域となる。ボロンの注入はイオンドーピング法によって
行った。具体的には、15%に水素希釈したジボラン
(B26)をプラズマ分解し、質量分離することなく加
速電圧70kV、ドーズ量8×1014/cm2の条件で
注入した。
【0052】ボロンイオンの注入後、図7(d)に示す
ように、所定の部分にフォトレジスト65を形成して燐
イオンを注入することによって、n形領域62cを形成
した。燐イオンの注入は、ソース領域22aおよびドレ
イン領域22bと同様の方法で行った。n形領域62c
は、nチャネル薄膜トランジスタのソース・ドレイン領
域となる。また、n形領域62cとならなかった低濃度
不純物領域62aは、LDD領域となる。
【0053】不純物注入後、窒素雰囲気において600
℃で1時間の熱処理を行い、注入した不純物を活性化し
た。
【0054】その後、図8(e)に示すように、酸化シ
リコンからなる層間絶縁膜66と、チタン/アルミニウ
ム/チタンの三層積層構造からなるソース・ドレイン電
極67と、保護絶縁膜である窒化シリコン膜68(ハッ
チングは省略する)とを形成した。これらは、層間絶縁
膜25、ソース電極26、および窒化シリコン膜28と
同様の方法で形成した。
【0055】窒化シリコン膜68を形成したのち、水素
雰囲気下で、350℃、1時間の熱処理(水素アニール
処理)を行った。
【0056】水素化処理後、図8(f)に示すように、
平坦化膜69(膜厚3μm)と、ITO(Indium
−Tin−Oxide)からなる画素電極70とを形成
した。このようにして、アクティブマトリクスアレイ8
0を製造した。図8(f)に示すように、アクティブマ
トリクスアレイ80には、pチャネルTFT81および
nチャネルTFT82を含むCMOS駆動回路部と、画
素TFT83(Dual Gate TFT)および蓄
積容量84を含む画素部とが形成されている。
【0057】図9は、アクティブマトリクスアレイ80
を用いて作製した液晶表示装置90の一例の断面図であ
り、画素部を拡大表示したものである。液晶表示装置9
0は、アクティブマトリクスアレイ80を用いて常法に
従い、製造できる。
【0058】液晶表示装置90は、アクティブマトリク
スアレイ80と、アクティブマトリクスアレイ80に対
向するように配置された対向基板91と、アクティブマ
トリクスアレイ80と対向基板91との間に配置された
液晶92とを備える。
【0059】対向基板91の液晶92側には、カラーフ
ィルタ93、ブラックマトリクス94、透明導電膜95
および配向膜96が形成されている。また、アクティブ
マトリクスアレイ80の液晶92側の表面にも配向膜9
6が形成されている。アクティブマトリクスアレイ80
および対向基板91の外側(液晶92とは反対の側)に
は、それぞれ偏光板97が形成されている。アクティブ
マトリクスアレイ80では、薄膜トランジスタをスイッ
チング素子として画素電極70を駆動して画像表示を行
っている。
【0060】本発明の液晶表示装置の製造方法は本発明
の薄膜トランジスタの製造方法を用いているため、従来
の製造方法に比べて、薄膜トランジスタのOFF電流が
大幅に低減する。したがって、本発明の液晶表示装置の
製造方法によれば、液晶表示装置の表示品位を大幅に改
善できる。同時に、補助容量値を小さくできるため、開
口率および輝度を向上させることができ、消費電力を低
減することができる。
【0061】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜トラ
ンジスタの製造方法によれば、特性が良好な薄膜トラン
ジスタを生産性よく製造できる。
【0063】また、本発明の液晶表示装置の製造方法に
よれば、画素電極駆動用の薄膜トランジスタのOFF電
流とその素子間バラツキを低減できるため、中間調表示
の輝度むらを解消でき表示品位を向上できる。さらに、
OFF電流値の低減によって、画素電極に形成する補助
容量値も低減できるため、表示素子の開口率の向上や、
消費電力の低減といった性能改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜トランジスタの製造方法につい
て一例を示す工程図
【図2】 本発明の薄膜トランジスタの製造方法につい
て他の一例を示す工程図
【図3】 本発明および比較例の薄膜トランジスタにつ
いてOFF電流とそのバラツキの一例を示す図
【図4】 本発明および比較例の薄膜トランジスタにつ
いてON電流とそのバラツキの一例を示す図
【図5】 本発明の薄膜トランジスタの製造方法につい
てその他の一例を示す工程図
【図6】 本発明の液晶表示装置の製造方法について一
例を示す工程図
【図7】 図6の工程の続きを示す工程図
【図8】 図7の工程の続きを示す工程図
【図9】 本発明の液晶表示装置の製造方法によって製
造される液晶表示装置
【図10】 従来の薄膜トランジスタの製造方法につい
て一例を示す工程図
【符号の説明】
11 透光性基板 12 多結晶シリコン膜 12a ソース領域 12b ドレイン領域 12c LDD領域 12d チャネル領域 13 ゲート絶縁膜 14 ゲート電極 15 絶縁膜 16 ソース電極 17 ドレイン電極 18 窒化シリコン膜 80 アクティブマトリクスアレイ 90 液晶表示装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA29 HA28 JA24 JA34 JA37 JA41 JA46 KA04 KB25 MA08 MA29 MA30 NA26 PA08 5F110 AA06 AA19 CC02 DD02 DD13 EE04 EE06 EE14 FF02 GG02 GG13 GG25 HJ01 HJ18 HJ23 HL03 HL04 HL11 HL12 HM15 NN03 NN23 NN24 NN35 NN72 NN73 PP03 QQ09 QQ10 QQ25

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板上に、チャネル領域、ソース
    領域、ドレイン領域およびLDD領域を備え多結晶シリ
    コンからなる活性層が形成された薄膜トランジスタの製
    造方法であって、 前記活性層となる多結晶シリコン膜を前記透光性基板上
    に形成する第1の工程と、 前記多結晶シリコン膜のうち前記ソース領域、前記ドレ
    イン領域および前記LDD領域となる部分に不純物を注
    入し、450℃以上の温度で熱処理する第2の工程と、 前記多結晶シリコン膜の上方に酸化シリコン膜を含む絶
    縁膜を形成する第3の工程と、 前記絶縁膜上に窒化シリコン膜を形成したのち、300
    ℃以上の温度で熱処理する第4の工程とを含み、 前記第2の工程ののちであって前記第4の工程の前に、
    前記透光性基板のうち前記多結晶シリコン膜が形成され
    た側を、水素を含むプラズマ雰囲気に曝すプラズマ処理
    工程をさらに含むことを特徴とする薄膜トランジスタの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化シリコン膜が、テトラエトキシ
    シランを用いて形成される請求項1に記載の薄膜トラン
    ジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程における熱処理が、水素
    を主成分とする雰囲気下で行われる請求項1に記載の薄
    膜トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ処理工程が、前記酸化シリ
    コン膜の成膜温度と等しい温度で行われる請求項1に記
    載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第4の工程における熱処理が、水素
    を主成分とする雰囲気下で行われる請求項1に記載の薄
    膜トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記絶縁膜が、前記酸化シリコン膜上に
    形成された窒化シリコン膜をさらに含み、 前記プラズマ処理工程が、前記酸化シリコン膜の形成後
    であって前記絶縁膜中の前記窒化シリコン膜の形成前に
    行われる請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記絶縁膜に含まれる前記酸化シリコン
    膜および前記窒化シリコン膜を、同一装置内で連続して
    形成する請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 表示電極駆動用のトランジスタを備える
    液晶表示装置の製造方法であって、 前記トランジスタを請求項1ないし7のいずれかに記載
    の薄膜トランジスタの製造方法によって製造することを
    特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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