JP4278857B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜トランジスタ及びその製造方法に関するものであり、特に、アクティブマトリクス型液晶表示装置のデータドライバ及びゲートドライバ、或いは、画素スイッチング素子等として用いる多結晶シリコン薄膜トランジスタ(TFT)における高速化と安定化を両立するためのゲート絶縁膜構造に特徴のある薄膜トランジスタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置は小型・軽量・低消費電力であるため、OA端末やプロジェクター等に使用されたり、或いは、携帯可能性を利用して小型液晶テレビ等に使用されており、特に、高品質液晶表示装置用には、画素毎にスイッチング用のアクティブ素子を設けたアクティブマトリクス型液晶表示装置が用いられている。
【0003】
近年の液晶表示装置の高精細化、高品質化に伴い、この様なアクティブマトリクス型液晶表示装置のアドレス用TFTや画素スイッチング用TFTのゲート線或いはデータ線に印加する電圧を制御する画素周辺部の駆動ドライバには、高移動度を達成できる多結晶シリコン薄膜を能動層として用いたTFTが用いられている。
【0004】
ここで、図8を参照して従来のTFTを説明する。
図8参照
図8は、従来のTFTの概略的断面図であり、ガラス基板31上に下地絶縁膜となるSiN膜及びSiO2 膜(図示を省略)を介して、PCVD法(プラズマCVD法)を用いて、厚さが、例えば、50nmのアモルファスシリコン膜を堆積させたのち、エキシマレーザを用いてレーザアニールを施すことによって多結晶シリコン膜に変換する。
【0005】
次いで、ドライ・エッチングを施すことによって多結晶シリコン膜を所定形状の島状領域にエッチングして多結晶シリコン島状パターン32としたのち、再び、PCVD法によって、厚さが、例えば、30nmのゲート絶縁膜33を堆積させ、次いで、スパッタリング法によってAl膜を堆積させたのち、ドライ・エッチングを施すことによってゲート電極34を形成する。
【0006】
次いで、ゲート電極34をマスクとしてP(リン)等のn型不純物をイオン注入することによってn型ソース・ドレイン領域35を形成したのち、全面にSiO2 膜36及びSiN膜37を順次堆積させて層間絶縁膜とし、次いで、n型ソース・ドレイン領域35及びゲート電極34に対するコンタクトホールを形成したのち、全面に、Ti,Al,Tiを順次堆積させ、パターニングすることによってTi/Al/Ti構造のゲート引出電極38及びソース・ドレイン電極39を形成することによってTFTの基本構成が得られる。
【0007】
しかし、この様な多結晶シリコンTFTにおいては、レーザ光を用いてアモルファスシリコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成しており、この結晶化の際に、アモルファスシリコン膜中に含まれる水素が遊離して表面の凹凸が大きくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この表面の凹凸が大きいと、ステップカヴァレッジに起因するゲート絶縁膜33の膜厚分布の不均一性によるしきい値電圧Vthのバラツキが大きくなり、このようなVthのバラツキをなくすためにはゲート絶縁膜33を薄くすれば良いが、そうするとゲート電極34からのリーク電流が増大し、TFTのオフ電流が劣化するという問題がある。
【0009】
また、リーク電流が増加すると絶縁破壊を起こすことも多々有り、デバイスの高速化と安定性とを両立することが非常に困難になるという問題がある。
【0010】
したがって、本発明は、デバイスの高速化と安定性とを両立させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ここで、図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図1は薄膜トランジスタの概略的断面図であり、図における符号6,7,8は、夫々、ゲート電極、n- 型LDD領域、及び、n+ 型ソース・ドレイン領域である。
図1参照
上述の目的を達成するために、本発明は、薄膜トランジスタの製造方法において、絶縁性基板1上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、前記アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して多結晶シリコン膜2に変換する工程と、前記多結晶シリコン膜2をN 2 O或いはNOのいずれかのガス雰囲気中でプラズマ処理して窒素含有酸化シリコン膜を形成する工程と、前記窒素含有酸化シリコン膜上にSiO 2 膜4を形成する工程と、前記窒素含有酸化シリコン膜とSiO 2 膜4とによりゲート絶縁膜5を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
この様に、N 2 O或いはNOのいずれかのガス雰囲気中でプラズマ処理することによって、アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して変換した多結晶シリコン膜2の表面を酸化して表面の凹凸を小さくすることができるとともに界面準位を低減することができ、且つ、窒素含有酸化シリコン膜、即ち、窒素リッチ領域3を形成することができる。それによって、リーク電流を低減することができる。
【0013】
この様な窒素リッチ領域3における窒素濃度としては、例えば、2×1020〜2×1021cm-3とすることが望ましく、2×1020cm-3未満であれば、リーク電流低減効果が低く、一方、2×1021cm-3を越えるとしきい値Vthが負となり正常なトランジスタ動作ができなくなる。
なお、この窒素リッチ領域3における窒素濃度は、ESCA法による定量においては10%以下とすることが望ましい。
【0014】
また、ゲート絶縁膜5の膜厚としては、40nmを越えると膜厚分布における均一性が高まるとともに、多結晶シリコン膜2の凹凸に対するカヴァレージが向上し、窒素リッチ領域3を設ける必然性は薄れるので、40nm以下の場合、即ち、より微細化された薄膜トランジスタに好適であり、それによって、高速化と安定性の向上が可能になる。
【0017】
この場合、N2 Oを用いた場合には、ガス流及び放電を停止することなく、引き続いてシラン系ガスを流すことによってSiO2 膜4を連続して形成することができるので、好適である。
一方、NH3 またはN2 を用いた場合には、窒素リッチ領域3における窒素濃度が高くなりやすいので、Vthの変動を抑制するためには、プラズマ処理工程における条件の制御に精度を要する。
【0018】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図7を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、まず、図2及び図3を参照して、本発明の実施の形態の薄膜トランジスタ(TFT)の製造工程を説明する。
図2(a)参照
まず、TFT基板となる厚さが、例えば、1.1mmの透明のガラス基板11上に、PCVD法を用いて厚さが、例えば、200nmの下地絶縁膜となるSiO2 膜(図示を省略)、及び、厚さが、例えば、50nmのアモルファスシリコン膜12を順次堆積させたのち、450℃で2時間、常圧の窒素ガス雰囲気中でアニールしてアモルファスシリコン膜12中の水素を放出し、次いで、XeClエキシマレーザを用いて、400mJ/cm2 のパワーでレーザ光13をオーバラップさせながらスキャンニングしてレーザアニールすることによってアモルファスシリコン膜12を多結晶化して多結晶シリコン膜に変換する。
【0019】
図2(b)参照
次いで、多結晶化させた多結晶シリコン膜にドライ・エッチングを施すことによって多結晶シリコン島状パターン14としたのち、多結晶シリコン島状パターン14をPCVD装置(平行平板電極の面積:50cm×40cm)内において、N2 Oガスを導入し、例えば、40Paの圧力下で、350℃の温度で、400Wのパワーの条件でプラズマ化させたN2 Oプラズマ15中において30分間のプラズマ処理を行う。
【0020】
このプラズマ処理によって、多結晶シリコン島状パターン14の表面は酸化されて、表面の凹凸が小さくなるとともに、界面準位が低減し、且つ、約10nm程度のSiO2 を主体とした窒素リッチ層16が形成される。
【0021】
図2(c)参照
引き続いて、N2 Oガスの導入及びパワーの印加を停止することなく、H2 ガスをキャリアガスとしてSiH4 ガスを導入し、SiH4 とN2 Oとを原料としたPCVD法によって、350℃において、厚さが、例えば、30nmのSiO2 膜17を連続して成膜したのち、再び、450℃で2時間、常圧の窒素ガス雰囲気中でアニールする。
【0022】
図2(d)参照
次いで、スパッタリング法を用いて、厚さが、例えば、300nmのAl膜を成膜したのち、Cl2 +BCl3 +SiCl4 ガスを用いたドライ・エッチングを施すことによってゲート電極19を形成する。
【0023】
次いで、CHF3 ガスを用いたドライ・エッチングを施すことによって、SiO2 膜17及び窒素リッチ層16を選択的に除去することによって、ゲート絶縁膜18を形成する。
【0024】
図3(e)参照
次いで、Pイオン20を、例えば、90keVの加速エネルギーで、1×1014cm-2のドーズ量でイオン注入することによって多結晶シリコン島状パターン14にn- 型LDD(Lightly Doped Drain)領域21を形成する。
なお、この場合には、加速エネルギーの関係からゲート電極19のみがイオン注入マスクとなる。
【0025】
図3(f)参照
引き続いて、Pイオン22を、例えば、10keVの加速エネルギーで、2×1015cm-2のドーズ量でイオン注入することによって多結晶シリコン島状パターン14の露出部にn+ 型ソース・ドレイン領域23を形成する。
なお、この場合には、加速エネルギーの関係からゲート絶縁膜18もイオン注入マスクとなり、ゲート絶縁膜18の直下の領域はn- 型LDD領域21のままとなる。
【0026】
次いで、XeClエキシマレーザにより、例えば、250mJ/cm2 のパワーで、n- 型LDD領域21及びn+ 型ソース・ドレイン領域23に注入した不純物を活性化する。
【0027】
図3(g)参照
次いで、全面に、厚さが、例えば、30nmのSiO2 膜24及び370nmのSiN膜25を順次堆積させて層間絶縁膜としたのち、SiO2 膜24をエッチングストッパ層としてCF4 +O2 ガスを用いたドライ・エッチングを施すことによってSiN膜25を選択的に除去し、次いで、HF+NH4 F+H2 Oからなるエッチャントを用いたウェット・エッチングを施すことによって、露出しているSiO2 膜24を除去することによって、n+ 型ソース・ドレイン領域23及びゲート電極19に対するコンタクトホールを形成する。
【0028】
次いで、全面に厚さが、例えば、100nmのTi膜、200nmのAl膜、及び、100nmのTi膜を順次堆積させたのち、パターニングすることによってTi/Al/Ti構造のゲート引出電極26、ソース・ドレイン電極27、及び、それらと一体になった配線を形成することによってnチャネル型TFTの基本構成が得られる。
【0029】
図4参照
図4は、この様な形成したTFTにおけるSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)法によって測定した窒素濃度デスプロファイルであり、多結晶シリコン島状パターン14/ゲート絶縁膜18界面から10nm程度の範囲のゲート絶縁膜18中の窒素濃度が他の領域より高くなっており、この領域が上述の窒素リッチ層16に相当する。
【0030】
この場合、図においては、ゲート絶縁膜18中において、3×1020cm-3の窒素ピークが見られる。
なお、多結晶シリコン島状パターン14側における約1×1023cm-3の窒素ピークは、SIMS法に特有のマトリックス効果によるものと考えられる。
【0031】
図5参照
図5は、同じTFTにおけるESCA法による窒素濃度デスプロファイルであり、多結晶シリコン島状パターン14/ゲート絶縁膜18界面近傍における窒素濃度のピークは4%程度の原子濃度となっていることが分かる。
【0032】
このESCA法による定量は、一般にSIMS法より精度が劣るものの、この程度の窒素が含有されている場合には、ESCA法によって窒素濃度を測定することも可能になることが理解される。
【0033】
図6参照
図6は、本発明の実施の形態のnチャネル型TFTにおけるチャネル長、即ち、ゲート長Wを3μm、ゲート幅Lを5μmとするとともに、Vd =1Vとした場合のId −Vg 曲線から求めたドレイン電流Id がId =1×10-9Aの時のしきい値電圧Vthの変化をプロットしたものである。
【0034】
図から明らかなように、多結晶シリコン島状パターン14/ゲート絶縁膜18界面近傍における窒素濃度の上昇とともに、Vthが負の側にシフトし、約2×1021cm-3でVth=0となり、2×1021cm-3以上ではVth<0となり、正常なトランジスタ動作が不可能になる。
したがって、窒素濃度は、2×1021cm-3以下にすることが望ましい。
【0035】
図7参照
図7は、本発明の実施の形態のnチャネル型TFTにおけるチャネル長、即ち、ゲート長Wを3μm、ゲート幅Lを5μmとし、ドレイン電圧Vd をVd =5Vとした状態でゲート電圧Vg を変化させた場合の移動度μの劣化率Δμ/μを示した図である。
【0036】
図から明らかなように、N2 Oプラズマ処理を行った場合には、従来の様にN2 Oプラズマ処理を行わない場合に比べて移動度μの劣化が少なくなっており、特に、Vth近傍における劣化率が顕著に改善されていることが理解される。
【0037】
このことから、N2 Oプラズマ処理を行うことによって、多結晶シリコン/SiO2 界面における界面準位が低減されていることが推測され、信頼性の向上が可能になることが理解される。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は実施の形態に記載した構成及び条件に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、界面準位を低減させるとともに、窒素リッチ層16を形成するために、N2 Oプラズマ処理を行っているが、プラズマ処理はN2 Oに限られるものではなく、NO、NH3 、或いは、N2 を用いたプラズマ処理でも良いものである。
【0039】
但し、NO、NH3 、或いは、N2 を用いた場合には、SiH4 を導入したSiO2 膜の成膜工程を引き続いて連続して行うことはできなくなる。
また、NH3 またはN2 を用いた場合には、窒素リッチ層16における窒素濃度が高くなりやすいので、Vthの変動を抑制するためには、プラズマ処理工程における条件の制御に精度を要する。
【0040】
また、上記の実施の形態においては、LDD構造を採用しているが、必ずしも設ける必要はないものであり、ゲート絶縁膜の幅をゲート電極のキャリア移動方向の幅、即ち、ゲート長と同じにするこによって単純な、n+ 型領域のみによってソース・ドレイン領域を構成しても良いものである。
【0041】
また、上記の実施の形態においては、プラズマ処理及びSiO2 膜の成膜を350℃において行っているが、使用している基板に影響を与えない温度範囲であれば良く、基板としてガラス基板を用いる場合には、例えば、450℃以下であれば良いものである。
【0042】
また、上記の実施の形態においては、SiO2 膜の成膜をSiH4 を用いて行っているがSiH4 に限られるものではなく、シラン系ガスであれば良く、例えば、ジシラン(Si2 H6 )を用いても良いものである。
【0043】
また、上記の実施の形態においては、プラズマ処理とSiO2 膜の成膜工程を同一チャンバー内で連続して行っているが、異なった反応装置を用いてバッチ処理で行っても良いものである。
【0044】
また、上記の実施の形態においては、多結晶シリコン膜の膜厚を50nmとしているが、50nmに限られるものではなく、特に限定されないが、膜厚が30nm程度に薄くなった場合には、ゲートリークの大きな増大は見られないが、素子間の特性のバラツキが大きくなるので、本発明のプラズマ処理を適用することによってバラツキは低減され、信頼性が向上する。
【0045】
また、上記の実施の形態においては、SiO2 膜の膜厚を30nmとしているが、特に限定されるものではない。
但し、SiO2 膜を40nm以上にした場合には、膜厚の均一性が高まるとともに、多結晶シリコン膜の凹凸に対するカヴァレージが向上し、本発明のプラズマ処理を行う必然性はあまりなくなるので、30nm以下の場合に特に有効である。
【0046】
また、上記実施の形態においては、nチャネル型TFTとして説明しているが、nチャネル型TFTに限られるものではなく、pチャネル型TFTにも適用されるものであり、その場合には、ソース・ドレイン領域の形成工程において、Bイオン或いはBF2 イオンを用いれば良い。
【0047】
ここで、再び、図1を参照して、本発明の詳細な特徴を説明する。
(付記1) 絶縁性基板1上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して多結晶シリコン膜2に変換する工程と、多結晶シリコン膜2をN2O或いはNOのいずれかのガス雰囲気中でプラズマ処理して窒素含有酸化シリコン膜を形成する工程と、窒素含有酸化シリコン膜上にSiO2膜4を形成する工程と、窒素含有酸化シリコン膜とSiO2膜4とによりゲート絶縁膜5を形成する工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
(付記2) 上記SiO2膜4を上記窒素含有酸化シリコン膜を形成するプラズマ処理に連続して成膜する工程を有することを特徴とする付記1記載の薄膜トランジスタの製造方法。
(付記3) 上記SiO2膜の成膜工程が、上記プラズマ処理と同一の反応室内で、プラズマ処理のための放電を行ったのち、放電を停止することなく連続してシラン系ガスを導入して成膜する工程であることを特徴とする付記2記載の薄膜トランジスタの製造方法。
(付記4) 上記SiO2膜の成膜を、プラズマ化学気相成長を用いて、450℃以下の温度で行うことを特徴とする付記2または3に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
(付記5) 上記窒素含有酸化シリコン膜における窒素濃度が、2×1020〜2×1021cm-3であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
(付記6) 上記窒素含有酸化シリコン膜における窒素濃度が、X線の照射による光電子分光法による定量において10%以下であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
(付記7) 上記ゲート絶縁膜5の膜厚が、40nm以下であることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザアニールによって多結晶化した多結晶シリコン薄膜の表面を窒素含有ガス中でプラズマ処理しているので、多結晶シリコン薄膜の凹凸を低減するとともに界面準位を低減することができ、さらに、界面近傍に窒素リッチ層を形成することができ、それによって、リーク電流を低減するとともにデバイス特性の信頼性を高めることができ、ひいては、非常に安定で高速な薄膜トランジスタを再現性良く製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の図2以降の製造工程の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるSIMS法による窒素濃度デスプロファイルである。
【図5】本発明の実施の形態におけるESCA法による窒素濃度デスプロファイルである。
【図6】本発明の実施の形態のTFTのVthの窒素濃度依存性の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態のTFTのVthの信頼性のN2 O処理依存性の説明図である。
【図8】従来のTFTの概略的断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2 多結晶シリコン膜
3 窒素リッチ領域
4 SiO2膜
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
7 n- 型LDD領域
8 n+ 型ソース・ドレイン領域
11 ガラス基板
12 アモルファスシリコン膜
13 レーザ光
14 多結晶シリコン島状パターン
15 N2Oプラズマ
16 窒素リッチ層
17 SiO2膜
18 ゲート絶縁膜
19 ゲート電極
20 Pイオン
21 n- 型LDD領域
22 Pイオン
23 n+ 型ソース・ドレイン領域
24 SiO2膜
25 SiN膜
26 ゲート引出電極
27 ソース・ドレイン電極
31 ガラス基板
32 多結晶シリコン島状パターン
33 ゲート絶縁膜
34 ゲート電極
35 n型ソース・ドレイン領域
36 SiO2膜
37 SiN膜
38 ゲート引出電極
39 ソース・ドレイン電極
Claims (4)
- 絶縁性基板上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
前記アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して多結晶シリコン膜に変換する工程と、
前記多結晶シリコン膜をN2O或いはNOのいずれかのガス雰囲気中でプラズマ処理して窒素含有酸化シリコン膜を形成する工程と、
前記窒素含有酸化シリコン膜上にSiO2膜を形成する工程と、
前記窒素含有酸化シリコン膜とSiO2膜とによりゲート絶縁膜を形成する工程と
を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 上記SiO2膜を上記窒素含有酸化シリコン膜を形成するプラズマ処理に連続して成膜する工程を有することを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 上記SiO2膜の成膜工程が、上記プラズマ処理と同一の反応室内で、プラズマ処理のための放電を行ったのち、放電を停止することなく連続してシラン系ガスを導入して成膜する工程であることを特徴とする請求項2記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 上記SiO2膜の成膜を、プラズマ化学気相成長を用いて、450℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項2または3に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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