JP2002166779A - 格納式ステップ装置 - Google Patents

格納式ステップ装置

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JP2002166779A
JP2002166779A JP2000363540A JP2000363540A JP2002166779A JP 2002166779 A JP2002166779 A JP 2002166779A JP 2000363540 A JP2000363540 A JP 2000363540A JP 2000363540 A JP2000363540 A JP 2000363540A JP 2002166779 A JP2002166779 A JP 2002166779A
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step device
state
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retractable
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JP2000363540A
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Toru Awazaki
徹 粟崎
Fumiaki Kato
文彰 加藤
Mitsuru Takahashi
充 高橋
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Araco Co Ltd
Uchihama Kasei Co Ltd
Original Assignee
Araco Co Ltd
Uchihama Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 展開操作時に異音が生じることを回避できる
格納式ステップ装置を提供すること。 【解決手段】 格納式ステップ装置1は、車両の出入口
2に設けられたものであり、リンク機構8,9を介し
て、階段として使用可能な使用状態と、出入口2の内部
に格納された格納状態との間を互いに変移可能に構成さ
れている。右手摺り10の中央やや上部寄りの位置に
は、ロック機構30が設けられており、ロック受部39
に係合することにより、格納式ステップ装置1を格納状
態にロックする。ロック機構30から突設されたロック
レバー35を右手摺り10に近接する方向に押し倒すこ
とにより、ロック機構30とロック受部39との係合を
解除できるので、格納式ステップ装置1の展開操作とロ
ック解除操作とを同時に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、格納式ステップ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9には、格納式ステップ100を備え
た折り畳み式シート101を示した。このシート101
は、全体が折り畳まれた格納状態(図9(a))と、シ
ート部102のみを使用可能とした第一使用状態(図9
(b))と、シートの下方にステップ100を展開した
第二使用状態(図9(c))との間を相互に変移可能に
構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のシー
ト101において、第一使用状態から第二使用状態に移
行するには、シート部102の下面側前部に設けられた
ロック機構(詳細には図示しないが、矢印Aの位置に設
けられている)のロックを解除する。ところが、ロック
の解除操作によって、ステップ100はシート部102
の前側下方に倒れるようにして展開するために、展開操
作に伴って異音が生じてしまう。これを避けるために
は、一方の手でロック解除を行いつつ、別の手でステッ
プ100の下面側を保持しておかなければならないが、
そのような操作は煩雑である。
【0004】また、ロック解除によって、ステップ10
0にかかる重力で自然に展開方向に倒れてしまうため
に、誤って解除操作を行った場合にも、簡単にステップ
100が展開してしまうという不都合があった。本発明
は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目
的は、展開操作時に異音が生じることを回避できる格納
式ステップ装置を提供することにある。また他の目的
は、ロック機構の誤動作によっても、自然に展開してし
まうことを規制できる格納式ステップ装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに第一の発明は、ステップを格納位置と足部を載置す
る場所として使用可能な使用位置との間で相互に移行可
能とされ、前記格納位置を保持するロック機構が設けら
れた格納式ステップ装置であって、前記ロック機構を解
除するためのロック解除部と、前記格納位置から前記使
用位置へと展開操作するときに操作する展開操作部とが
同時に操作可能な位置に設けられていることを特徴とす
る。第二の発明は、足部を載置可能なステップと、この
ステップを格納された格納位置と足部を載置する場所と
して使用可能な使用位置との間で相互に移行可能な格納
機構と、前記ステップを前記格納位置から前記使用位置
へと展開操作するときに操作する展開操作部と、前記ス
テップを前記格納位置に保持するロック機構と、このロ
ック機構のロックを解除操作するロック解除部とを備え
た格納式ステップ装置であって、前記ロック解除部と前
記展開操作部とは、同時に操作可能な位置に設けられて
いることを特徴とする。第一及び第二の発明において、
「同時に操作可能」とは、時間的な意味と場所的な意味
との両者を含んでいる。すなわち、ロック解除部と展開
操作部とが場所的に近接したところに設けられており、
操作者が同じ手で操作可能であるということを意味して
いる。
【0006】第三の発明は、第二の発明において、車両
の出入口に設けられ、前記使用位置にあるときには前記
ステップが車外に位置して階段を形成する一方、前記格
納位置にあるときには前記ステップが車両内に格納され
るように構成されていると共に、前記展開操作部は前記
ステップを階段として使用するときの手摺りとして使用
可能であることを特徴とする。第四の発明は、第二また
は第三の発明において、前記格納機構には、前記ステッ
プが使用位置にあるときに前記ロック機構のロックが不
用意に解除されたときに、前記ステップを格納位置側に
付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする。
付勢部材は、ステップが格納位置付近にあるときに、ス
テップを格納位置側に付勢する付勢力が作用するもので
あれば足りる。但し、ステップが格納位置から使用位置
に至るときに、重力に対して鉛直下方に移動するように
構成されている場合には、付勢部材の付勢力がステップ
に対して常に、つまり使用位置から格納位置のいずれの
場所にあるときにも、作用していることが好ましい。そ
のようにすれば、使用位置にあるステップを格納位置に
移動させるときに、付勢部材の付勢力がステップを重力
に抗して上昇させるように作用するので、格納操作が容
易となる。
【0007】
【発明の作用、および発明の効果】第一及び第二の発明
によれば、展開操作部を操作できる状態としておき、ロ
ック解除部によってロック機構を解除し、ステップを格
納位置から使用位置へと移動させる。このように、操作
者がステップを操作できる状態でロック解除がなされる
ので、格納式ステップ装置が自然に展開してしまうとい
う事態を回避でき、ステップの展開に際して異音が生じ
ることがない。第三の発明によれば、ステップを格納位
置から使用位置への展開するときの展開操作部は、手摺
りとしても使用可能である。このため、展開操作部と手
摺りとを別々に設ける必要がなく、簡易な構成とでき
る。第四の発明によれば、ロック機構が不用意に解除さ
れたときであっても付勢部材がステップを格納位置側に
付勢するので、ステップが自然に展開してしまう事態を
回避できる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の一実施形態につい
て、図1〜図8を参照しつつ詳細に説明する。図1に
は、格納式ステップ装置1(以下、単に「ステップ装置
1」と言う)が使用状態にあるときの様子を示した。こ
のステップ装置1は、車両の出入口2に設けられてお
り、足部を載置して階段として使用可能な使用状態と、
出入口2を開閉するドア7(図1にのみ示す。なお詳細
には示さないが、本実施形態のドア7は、車両の前後方
向にスライドするものである。)の内側に格納された格
納状態との間を相互に折畳み又は展開可能に構成されて
いる。なお、ステップ装置1が使用状態にあるときの各
ステップ3,4,5の位置(地面に対して、ほぼ水平な
状態となり、かつ互いに所定の段差を備えて整列した位
置)を使用位置という。また、ステップ装置1が格納状
態にあるときの各ステップ3,4,5の位置を格納位置
という。
【0009】ステップ装置1が使用状態にあるときに
は、車両の出入口2からステップ3,4,5の一部が車
両の外側に飛び出しており、地上から車両の床面6まで
を適当な段差を備えて階段として使用可能となってい
る。なお、以下の説明において、地上にいる人が車両の
内部に乗り込むときにステップ装置1を進む姿勢に基づ
いて、図1中に矢印で示すように、前(E)後(F)、
左(G)右(H)、及び上(J)下(K)の方向を示
す。
【0010】三段のステップ3,4,5が使用位置にあ
るときには、地上から近い順に一段目ステップ3、二段
目ステップ4及び三段目ステップ5とされており、四段
目が車両の床面6となっている。ステップ装置1におい
て左右両側縁部分には、一段目と二段目のステップ3,
4の間に第一リンク機構8が、また二段目と三段目のス
テップ4,5の間に第二リンク機構9が設けられている
(本実施形態において、各リンク機構8,9が、本発明
における「格納機構」に該当する。)。また、ステップ
装置1の左右には、一対の手摺り10,11が設けられ
ており、使用者がステップ装置1を昇降する際に使用で
きる。なお、後述するように、右手摺り10は、本発明
における「展開操作部」を兼ねた構成とされている。
【0011】次に、図2及び図3を参照しつつ、ステッ
プ装置1が格納状態または使用状態にあるときの各ステ
ップ3,4,5の位置(すなわち格納位置と使用位置)
と、格納機構であるリンク機構8,9の詳細とについて
説明する。車両側にはブラケット12が固定されてお
り、このブラケット12に対して左右一対のロアアーム
15が軸ピン15Aによって回動可能に軸支されてい
る。そして、両ロアアーム15の上面に載置された状態
で三段目ステップ5が一体化されている。後述するよう
に、ステップ装置1が格納状態と使用状態との間を変移
するときには、ロアアーム15が軸ピン15Aを回動中
心として上下方向に回動するが、この回動と共に、三段
目ステップ5もほぼ垂直方向の格納位置とほぼ水平方向
の使用位置との間を回動する。また、三段目ステップ5
の後端縁5Aは、使用位置において下方に折り曲げられ
ている。
【0012】また、二段目ステップ4の左右両端縁に
は、一対の支持用ブラケット13が固定されており、こ
の支持用ブラケット13と二段目ステップ4とが一体と
なって、第二リンク機構9を介して回動可能とされてい
る。なお、支持用ブラケット13は、カバー状に形成さ
れており、その内部にリンク機構8,9の一部を収容し
ている。車両側のブラケット12の左右両側部からは、
各支持用ブラケット13の方向に向かって、それぞれ上
下一対のアーム14,15が延設されており、これらの
アーム14,15が第二リンク機構9を構成している。
このうち上側のアッパアーム14は、その一端部付近が
ブラケット12に対して軸ピン14Aで上下方向に回動
可能に軸支されている。また、アッパアーム14の他端
部は、支持用ブラケット13の上端部に対して軸ピン1
4Bで上下方向に回動可能に軸支されている。
【0013】また、ロアアーム15は、その一端部がブ
ラケット12に対して軸ピン15Aによって、上下方向
に回動可能に軸支されている。この軸ピン15Aには、
周囲を取り巻くようにして、コイル状のスプリング17
(本発明における付勢部材に該当する)が設けられてい
る。スプリング17は、常にロアアーム15に作用して
三段目ステップ5を上方向(すなわち、三段目ステップ
5を使用位置から格納位置に移動させる方向)に付勢す
るように設けられている。また、軸ピン15Aの後側
(図2において左側)には、ブラケット12の上面側に
ストッパゴム16が配置されており、ロアアーム15が
図6の位置に至ったときに、ロアアーム15がストッパ
ゴム16の上面に当接することにより、ロアアーム15
の下方への回転が規制されると共に、二段目ステップ4
の位置決めがなされて、ステップ装置1が使用状態とな
る。
【0014】二段目ステップ4及び支持用ブラケット1
3は、第二リンク機構9によって、上下の位置関係を維
持した状態で軸ピン14A,15Aの周りを上下方向に
回動するようになっている。ところで、その回動動作の
途中で、二段目ステップ4と三段目ステップ5との当接
を回避するために、ステップ装置1が使用状態となった
ときに二段目ステップ4の前端縁4Aと三段目ステップ
5の後端縁5Aとの間に前後方向の隙間S(図3を参
照)を設けることを避け得ない。この隙間Sを狭めるた
めに、本実施形態では、補助ステップ18が設けられて
いる。補助ステップ18は、左右一対のロアアーム15
の内側に回動可能に軸支された支持部19と、両支持部
19の間を架設するステップ部20とから構成されてお
り、全体として略コ字状とされている。
【0015】支持部19は全体として滑らかに湾曲する
と共に先細形状とされており、その先端部分が軸ピン2
1によってロアアーム15に対して上下方向に回動可能
に軸支されている。この軸支により、補助ステップ18
は、常にステップ部20が最下方に位置するようにモー
メントがかかっている。また、支持部19の下面側に
は、二つの凹部22,23が設けられている。このう
ち、先端に近い側の当接回避凹部22は、後述する第1
リンク機構8との当接を回避するためのものである。ま
た、ステップ部20側に近接する位置決め用凹部23
は、ロアアーム15から突設された位置決めピン24に
当接可能に設けられている。
【0016】位置決め用凹部23が位置決めピン24に
当接することで、補助ステップ18の位置決めがなさ
れ、補助ステップ18とロアアーム15とがほぼ並行と
なる。この状態でステップ装置1が使用状態となり、補
助ステップ18のステップ部20が三段目ステップ5の
後端縁5Aの僅かに後方(図3において左側)におい
て、両ステップ5,18がほぼ水平となるように配置さ
れる。また、支持用ブラケット13において、ステップ
装置1が使用状態のときに、支持部19の上端縁から僅
かに上方の位置には、ストッパ25が突設されている。
このストッパ25は、使用状態において、支持部19の
上端縁に当接することで、補助ステップ18のがたつき
又は上方への回動を規制している。
【0017】また、支持部19において、両凹部22,
23の中間には、所定の長さを備えたがた止めワイヤ2
6の一端が取り付けられている。このがた止めワイヤ2
6の他端は、ロアアーム15において、ストッパ25の
後端側に取り付けられている。図2に示すように、ステ
ップ装置1が格納状態にあるときに、がた止めワイヤ2
6が補助ステップ18の上方への回転を規制すること
で、がたつきを規制している。
【0018】次に、一段目ステップ3と二段目ステップ
4とを接続する第一リンク機構8の構成について説明す
る。第一リンク機構8には、左右一対のアーム29が設
けられている。アーム29の上端部は、ロアアーム15
に対して軸ピン32で軸支されており、ロアアーム15
の回動に伴ってアーム29の上端部が連れ動きするよう
になっている。また、アーム29の下端には、軸ピン3
3によって一段目ステップ3の前端部が上下方向に回動
可能に軸支されている。
【0019】また、両支持用ブラケット13からは、後
端下方に向かって、支持脚片27が延設されており、こ
の支持脚片27の下端には、軸ピン28によって一段目
ステップ3が上下方向に回動可能に軸支されている。こ
うして、一段目ステップ3は、二つの軸ピン28,33
によって軸支された構成となっている。二段目ステップ
4と一段目ステップ3との高さ間隔は、支持脚片27
(軸ピン28)によって固定されている。このため、軸
ピン33を軸ピン28に対して上下の方向に移動するこ
とによって、一段目ステップ3が水平方向(図2)また
は垂直方向(図3)に回動する。実際には、ステップ装
置1が使用状態と格納状態との間を変移するときには、
ロアアーム15が上下方向に回動し、その回動に連れて
アーム29の上端部が移動する。このため、前方の軸ピ
ン33が後方の軸ピン28に対して相対的に上下方向に
回動するので、一段目ステップ3が軸ピン28を回動中
心として、後端側(図示左端側)を上方(格納状態)ま
たは水平方向(使用状態)に回動する。
【0020】次に、ステップ装置1を格納状態にロック
して、ステップ3,4,5を格納位置に保持するための
ロック機構30の構成について、図7及び図8を参照し
つつ説明する。ロック機構30は、右手摺り10の中央
やや上端よりの位置に設けられている。ロック機構30
は、カム機構によって可動するようになっており、本体
部31と、この本体部31に対して軸支されたロック金
具34と、ロックを解除するためのロックレバー35
(本発明における「ロック解除部」に該当する)と、ロ
ックレバー35とロック金具34とを連動させる連結部
36とが設けられている。ロックレバー35の先端は、
本体部31から上方に突設されており、右手摺り10の
延設方向に合わせて形成されている。こうして、ロック
レバー35と右手摺り10とは、同時に操作可能とされ
ており、ロックレバー35によるロック機構の解除操作
と、右手摺り10によるステップ装置1を使用状態に展
開する展開操作とが、操作者の同じ手で操作可能となっ
ている。
【0021】ロックレバー35の中間部分は、本体部3
1に対して軸ピン37によって軸支されており、ロック
レバー35は軸ピン37を回動中心として、前後方向に
所定の角度で回動することができる。また、連結部36
は、ロックレバー35の後端部と、ロック金具34の後
端部との両部に対して軸ピン40,41を介して軸支さ
れている。ロックレバー35が前側(右手摺り10に近
接する側、図8中の矢印M方向)に押し込まれると、連
結部36が上側に移動すると共に、軸ピン41を介し
て、ロック金具34の後端を上方に移動させる。また、
ロック金具34は、本体部31に対して軸ピン38によ
って回動可能に軸支されている。ロック金具34の先端
には、上向きにロック爪34Aが突設されている。な
お、図には示さないが、軸ピン38の周囲には、スプリ
ングが配置されており、ロック爪34Aが上側に回動す
る方向(図7中の矢印L方向)にロック金具34を付勢
している。一方、車両側には、ステップ装置1が格納状
態となったときに、ロック爪34Aに整合する位置に、
ロック受部39が設けられている。このロック受部39
は、棒状金具を略U字状に折曲げ、その自由端を車両側
に固定することにより形成されている。
【0022】次に上記のように構成された本実施形態の
作用および効果について、図4〜図8を参照しつつ詳細
に説明する。ステップ装置1が格納状態にあるときに
は、図4に示すように、ステップ装置1は、車両の出入
口2を開閉するドア7の内側に格納されている。このと
き、第二リンク機構9の両アーム14,15は、ほぼ垂
直方向に起立した状態となっており、三段目ステップ5
もロアアーム15と共に起立した位置にある。また、一
段目ステップ3も同様にほぼ垂直方向に起立した状態と
なっている。一方、二段目ステップ4は、ステップ装置
1の状態に依らず常に水平状態を維持している。こうし
て各ステップ3,4,5は、所定の格納位置に格納され
ている。
【0023】また、補助ステップ18は、二段目ステッ
プ4の前端面(図示右端上面)に載置されており、各ス
テップ3,4,5及びリンク機構8,9との干渉が回避
されている。また、このときには、補助ステップ18の
がた止めワイヤ26がほぼ一直線状に牽引された状態と
なっており、格納状態における補助ステップ18のがた
つきが規制されている。また、図7に示すように、ロッ
ク機構30のロック爪34Aがロック受部39に係合し
てロックした状態となっており、ステップ装置1が不用
意に使用状態の方向に変移しないようになっている。
【0024】このステップ装置1を使用状態とするに
は、まず予めドア7を開放操作して出入口2を開放して
おき、ロック機構30のロックを解除する。このロック
解除操作においては、ロックレバー35を右手摺り10
に近接する方向に押し倒す。このロック解除操作は、ス
テップ装置1を展開するための展開操作部としての右手
摺り10を握る動作と同時に、操作者が片手で行うこと
ができるので、操作性が良好とされている。
【0025】ロックレバー35を押し倒すことにより、
ロックレバー35が軸ピン37を回動中心として図示右
方向に回動する。この回動が軸ピン40を介して、連結
部36に伝わり、連結部36を上方に移動させる。する
と、その移動は軸ピン41を介して、ロック金具34を
軸ピン38周りに回動させる。その回動は、ロック爪3
4Aを下方に移動させるので、図8に示すように、ロッ
ク爪34Aとロック受部39との係合が解除可能とな
る。そこで、右手摺り10を握りながら、ステップ装置
1を出入口2の外側(図8中の矢印N方向)に引っぱり
出すようにして、展開操作を行う。また、このときに
は、スプリング17がロアアーム15を上方に(つま
り、第三ステップ5を格納位置側に)付勢しているの
で、たとえロック機構30が不用意に解除されたときで
あっても、ステップが自然に展開してしまう事態を回避
できる。
【0026】展開操作の途中では、図5に示すように、
両アーム14,15が軸ピン14A,15Aの周りに回
動し、前方(図示左方)に倒れ込むようにして変移が進
行する。なお、このときには、スプリング17がロアア
ーム15を上方に(変移方向とは逆方向に)付勢してい
るので、節度なく倒れ込む事態が回避されるので、適当
な節度感を備えつつ、使用性の良好な展開操作が行われ
る。
【0027】また、このときには、ロアアーム15の回
動に伴って、軸ピン32が移動する。すると、アーム2
9下端位置の軸ピン33が一段目ステップ3の軸ピン2
8の位置に対して、相対的に上側に位置するように移動
する。このため、一段目ステップ3は、軸ピン28を回
動中心として回動し、格納状態時の垂直位置から使用状
態時の水平位置の方向に移動する。また、所定の位置
で、ロアアーム15の位置決めピン24が補助ステップ
18の位置決め用凹部23に当接して、補助ステップ1
8のそれ以上の回転が規制される。この位置では、支持
部19はロアアーム15の延設方向とほぼ同じ方向にな
っており、以降は、この位置関係を維持した状態で展開
操作が進行する。
【0028】さらにステップ装置1の展開を続けると、
所定の位置でロアアーム15がストッパゴム16の上面
に載置することにより、展開操作が完了し、図6に示す
ように、ステップ装置1が使用状態に至る。このとき、
全てのステップ3,4,5は、ほぼ水平方向を向き、か
つ垂直方向には互いに所定の段差を備えた使用位置に配
置されており、階段として使用することが可能となる。
また、補助ステップ18のステップ部20は三段目ステ
ップ5の後端縁5Aに近接した使用位置に至っており、
三段目ステップ5とステップ部20とがほぼ水平位置に
あることで三段目ステップ5の面積が拡がっている。ま
た、補助ステップ18は、二段目ステップ4と三段目ス
テップ5との間において、両ステップ4,5の隙間を狭
めるようにして配置されている。更に、このときには補
助ステップ18の上端縁付近には、ストッパ25が位置
しており、補助ステップ18のがたつきや上方への回転
が規制されている。
【0029】なお、使用状態にあるステップ装置1を格
納状態に変移させるには、上記の動作とは逆方向の操作
を行う。すなわち、手摺り10又は11を握りつつ、ス
テップ装置1を出入口2の方向に僅かに上方に持ち上げ
ながら押し入れるようにして格納する。このとき、スプ
リング17の付勢力は、三段目ステップ5を使用位置か
ら格納位置に付勢するように作用している。
【0030】格納操作の進行に伴って、両アーム14,
15が垂直方向に立ち上がることにより、支持用ブラケ
ット13及び二段目ステップ4が出入口2の内部に移動
する。また、ロアアーム15の回動に伴って、三段目ス
テップ5が軸ピン15Aを回動中心として垂直方向に回
動する。また、アーム29が移動することにより、下端
の軸ピン32が軸ピン28に対して相対的に下方に移動
するので、一段目ステップ3が垂直方向に回動する。最
後に、右手摺り10に設けられたロック機構30がロッ
ク受部39に押し付けられることにより、ロック爪34
Aがロック受部39に係合し、全てのステップ3,4,
5が所定の格納位置に至ると共にステップ装置1が格納
状態となる。
【0031】このように本実施形態によれば、手摺り1
0を操作できる状態としておき、ロックレバー35によ
ってロック機構30を解除し、ステップ装置1を格納位
置から使用位置へと展開する。このように、操作者がス
テップ装置1を操作できる状態でロック解除がなされる
ので、ステップ装置1が自然に展開してしまうという事
態を回避でき、ステップ装置1の展開に際して異音が生
じることがない。
【0032】また、右手摺り10は、手摺りとして使用
可能であると共に、ステップ3,4,5を格納位置から
使用位置へと展開するときの展開操作部として機能す
る。このため、展開操作部と手摺りとを別々に設ける必
要がなく、簡易な構成とできる。さらに、ロック機構3
0が不用意に解除されたときであっても、スプリング1
7が三段目ステップ5を使用位置側に付勢するので、ス
テップ装置1が自然に展開してしまう事態を回避でき
る。加えて、スプリング17の付勢力は、三段目ステッ
プ5を使用位置から格納位置に付勢するように作用して
おり、スプリング17の付勢力が重力に抗してステップ
装置1を上昇させるように作用するので、ステップ装置
1の格納操作が容易となる。
【0033】なお、本発明の技術的範囲は、上記した実
施形態によって限定されるものではなく、様々に変更し
て実施することができる。その他、本発明の技術的範囲
は、均等の範囲にまで及ぶものである。 (1)本実施形態においては、ロック機構30は右手摺
り10に設けられているが、本発明によれば、ステップ
装置が固定されている固定側(例えば、本実施形態では
車両側)にロック機構を設けてもよい。 (2)本実施形態では、三段目ステップ5は階段の一部
であったが、本発明によれば、ステップは必ずしも階段
である必要はなく、例えばシートの下部に設けられるス
テップであってもよい。 (3)本実施形態では、格納式ステップ装置1には、三
段のステップ3,4,5が設けられているが、本発明に
よれば、一つ又は二つのステップが設けられていてもよ
く、更に四段以上のステップが設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における格納式ステップ装置を使用
状態としたときの斜視図
【図2】格納式ステップ装置を格納状態としたときの要
部の側面図
【図3】格納式ステップ装置を使用状態としたときの要
部の側面図
【図4】格納式ステップ装置を格納状態としたときの全
体の側面図
【図5】格納式ステップ装置が使用状態と格納状態との
変移の途中にあるときの全体の側面図
【図6】格納式ステップ装置を使用状態としたときの全
体の側面図
【図7】ロック部がロックされているときの様子を示す
部分拡大図
【図8】ロック部を解除したときの様子を示す部分拡大
【図9】従来例において、格納状態と使用状態との変移
を示す図
【符号の説明】
1…格納式ステップ装置 2…車両の出入口 3,4,5…ステップ 8,9…リンク機構(格納機構) 10…右手摺り(展開操作部) 17…スプリング(付勢部材) 30…ロック機構 35…ロックレバー(ロック解除部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 文彰 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 高橋 充 愛知県豊田市四郷町宮下河原1番地 内浜 化成株式会社内 Fターム(参考) 3D022 AA02 AB08 AC02 AD02 AE10 AE22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステップを格納位置と足部を載置する場
    所として使用可能な使用位置との間で相互に移行可能と
    され、前記格納位置を保持するロック機構が設けられた
    格納式ステップ装置であって、 前記ロック機構を解除するためのロック解除部と、前記
    格納位置から前記使用位置へと展開操作するときに操作
    する展開操作部とが同時に操作可能な位置に設けられて
    いることを特徴とする格納式ステップ装置。
  2. 【請求項2】 足部を載置可能なステップと、このステ
    ップを格納された格納位置と足部を載置する場所として
    使用可能な使用位置との間で相互に移行可能な格納機構
    と、前記ステップを前記格納位置から前記使用位置へと
    展開操作するときに操作する展開操作部と、前記ステッ
    プを前記格納位置に保持するロック機構と、このロック
    機構のロックを解除操作するロック解除部とを備えた格
    納式ステップ装置であって、 前記ロック解除部と前記展開操作部とは、同時に操作可
    能な位置に設けられていることを特徴とする格納式ステ
    ップ装置。
  3. 【請求項3】 車両の出入口に設けられ、前記使用位置
    にあるときには前記ステップが車外に位置して階段を形
    成する一方、前記格納位置にあるときには前記ステップ
    が車両内に格納されるように構成されていると共に、前
    記展開操作部は前記ステップを階段として使用するとき
    の手摺りとして使用可能であることを特徴とする請求項
    2に記載の格納式ステップ装置。
  4. 【請求項4】 前記格納機構には、前記ステップが使用
    位置にあるときに前記ロック機構のロックが不用意に解
    除されたときに、前記ステップを格納位置側に付勢する
    付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項2ま
    たは請求項3のいずれかに記載の格納式ステップ装置。
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