JP2002161115A - トリフェニルボロン含有ポリマー - Google Patents

トリフェニルボロン含有ポリマー

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JP2002161115A JP25989797A JP25989797A JP2002161115A JP 2002161115 A JP2002161115 A JP 2002161115A JP 25989797 A JP25989797 A JP 25989797A JP 25989797 A JP25989797 A JP 25989797A JP 2002161115 A JP2002161115 A JP 2002161115A
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Akira Shimada
朗 嶋田
Masanori Kohara
正則 古原
Keiji Shibuya
恵史 渋谷
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    • C08F30/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
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    • A01N55/08Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, containing organic compounds containing elements other than carbon, hydrogen, halogen, oxygen, nitrogen and sulfur containing boron
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    • C09D5/1606Antifouling paints; Underwater paints characterised by the anti-fouling agent
    • C09D5/1637Macromolecular compounds
    • C09D5/165Macromolecular compounds containing hydrolysable groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、水棲汚損生物に対して、すぐれた
防汚効果を示す、漁網防汚剤、船底防汚塗料など水中付
着生物防汚剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 トリフェニルボロン含有ポリマーを含有
する組成物は、腔腸動物、貝類、管棲多毛類、その他の
水棲生物の付着に対して優れた防汚効果を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、養殖用または定置用の漁網に水
棲汚損生物が付着し、繁殖することを防止する漁網防汚
剤、および船舶の船底、漁網に使用される浮き子やロー
プなどの資材、原子力および火力発電所の復水器冷却用
水路などに水中汚損生物が付着し、繁殖することを防止
する水中防汚塗料などの水中付着生物防汚剤に関する。
【0003】
【従来の技術】船舶の船底または養殖用もしくは定置用
の漁網等は、海中や淡水に長期間保持されるため、ヒド
ロ虫、オベリアなどの腔腸動物、貝類、管棲多毛類、海
藻類、コケムシ、軟体動物類などの水棲生物が付着す
る。これら水棲生物の付着は、大きな経済的損失を与え
るため、これらの水棲生物は水棲汚損生物と呼ばれる。
水棲汚損生物による経済的損失を低減するため、多大の
労力と費用をかけて、被汚損対象物の保守に努めている
のが現状である。
【0004】これまで付着生物への対策として種々の研
究、提案がなされてきた。実用的には一連の有機錫化合
物が有効であることが知られている。しかし、有機錫化
合物は概して毒性が強く、これらを含有する商品を不用
意に取り扱うと取扱者に障害を及ぼす恐れがあるうえ
に、環境に悪影響を与える可能性もある。この様な理由
から低公害性の漁網防汚剤、防汚塗料など水中付着生物
防汚剤の出現が望まれるようになった。
【0005】たとえば、特公昭51−10849号公報
にはベンゾチアゾール化合物を有効成分とする水中防汚
塗料が、特開昭60−38306号公報、特開昭63−
284275号公報、特公平1−11606号公報に
は、テトラアルキルチウラムジスルフィッド化合物とそ
の他の化合物とを組み合わせた種々の漁網用防汚剤、防
汚塗料組成物、漁網防汚用溶液が、特公昭61−509
84号公報には3−イソチアゾロン化合物を有効成分と
する海洋構築物の汚染防止剤が、特公平1−20665
号公報、特公平2−24242号公報、特開昭53−9
320号公報、特開平5−201804号公報、特開平
6−100405号公報、特開平6−100408号公
報などにはマレイミド化合物を有効成分とする防汚塗料
がそれぞれ開示されている。
【0006】しかし、これらの防汚剤は、いずれも、ヒ
ドロ虫、オベリアなどの腔腸動物に対する付着防止効果
が弱く、腔腸動物発生海域では使用できなかった。腔腸
動物発生海域とは、主に、東北地方と北海道沿岸であ
る。さらに、東海、西日本海域では、フジツボやイガイ
などの貝類やカサネカンザシなどの管棲多毛類に対し
て、先に記した従来の防汚剤ではその付着防止効果が弱
く、これらの水棲汚損生物の付着を有効に防止すること
はできなかった。
【0007】貝類に対しては亜酸化銅が有効である事が
知られており、事実、銅系の防汚剤が貝類と管棲多毛類
に対し効果があることが確認されている。しかし、銅系
の防汚剤には重金属である銅を利用しているため、環境
に悪影響を及ぼす等の欠点があった。
【0008】また、特開平8−295608号公報には
トリフェニルボランアルキルアミン付加化合物を有効成
分とする漁網防汚剤が、特開平8−295609号公報
にはトリフェニルボランオクタデシルアミン付加化合物
を含有する溶液が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】本発明は、腔腸動物、貝類、管棲多毛類な
どの水棲汚損生物に対し、すぐれた防汚効果を示す、水
中付着生物防汚剤を提供することを目的とする。
【0011】さらに、バインダー(結着剤)としての機
能も有している有効成分、あるいは環境に与える影響が
さらに少ない水中付着生物防汚剤を提供することも合わ
せて目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】本発明者らは、上記した従来の水中付着生
物防汚剤の諸欠点を克服するために、鋭意研究に努力し
た結果、環境汚染の恐れが少なく、水棲汚損生物に対し
すぐれた防汚効果を示す新規トリフェニルボロン含有ポ
リマーおよびこれを含有する水中付着生物防汚剤を発明
した。すなわち、新規トリフェニルボロン含有ポリマー
を含有する水中付着生物防汚剤は、ヒドロ虫、オベリア
などの腔腸動物、フジツボ、ムラサキイガイ、カキ、セ
ルプラなどの貝類、および、カサネカンザシ、ヒトエカ
ンザシ、ヤッコカンザシ、ウズマキゴカイなどの管棲多
毛類、あるいはその他の水棲生物の付着に対してすぐれ
た防汚効果を示すことを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0014】本発明のトリフェニルボラン含有ポリマー
は、トリフェニルボロン化合物単量体を高分子化するこ
とにより、同一分子内に塗膜形成能を有する樹脂部分を
持つために、有効成分のみならずバインダーとしての機
能を合わせて持たせることができ、環境に与える影響が
さらに少ないという特徴も持っている。
【0015】すなわち、本発明は、
【0016】(1):下記式で表される繰り返し単位を
有するホモポリマーまたはコポリマーで、且つ1000
〜1000000の平均分子量を有するポリマー(以
下、アリルアミン型ポリマーともいう。)
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1、R2、およびR3は、それぞ
れ水素および1〜4個の炭素原子を有するアルキル基よ
りなる群から選択される。)、
【0019】(2):下記式で表される繰り返し単位を
有するホモポリマーまたはコポリマーで、且つ1000
〜1000000の平均分子量を有するポリマー(以
下、ビニルアミン型ポリマーともいう。)、
【0020】
【化4】
【0021】(3):上記(1)または(2)記載のト
リフェニルボロン含有ポリマー含有することを特徴とす
る水中付着生物防汚剤、
【0022】(4):上記(1)または(2)記載のト
リフェニルボロン含有ポリマーを含有することを特徴と
する漁網防汚剤に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のトリフェニルボロン含有
ポリマーのうち、アリルアミン型ポリマーについて、下
記の式に示す方法により合成することができる。
【0024】
【化5】
【0025】(式中、各記号は前記と同義である。)
【0026】すなわち、トリフェニルボロンの水酸化ナ
トリウム付加物の水溶液にアミンのホモポリマー水溶液
を滴下し、析出した不溶物を水洗した後、乾燥すること
により得られる。
【0027】ここでアミンとしては、アリルアミン、2
−メチルアリルアミン、3−メチルアリルアミン、2,
3−ジメチルアリルアミン、2−エチルアリルアミン、
3−エチルアリルアミン、2−ブチルアリルアミンなど
が挙げられる。
【0028】また、アミンのコポリマーとトリフェニル
ボロンとを、トルエン、キシレンなどの有機溶媒中で反
応させることにより、目的とするアリルアミン型ポリマ
ーであるトリフェニルボロン含有ポリマーを合成するこ
とができる。
【0029】
【化6】
【0030】(式中、各記号は前記と同義である。)
【0031】反応温度は室温で良いが、必要に応じて8
0℃まで変化させることができる。また、反応時間は1
時間から20時間である。本コポリマーは、アミン源と
しては前述のアリルアミン誘導体が挙げられ、これらと
適当なエチレン性不飽和モノマーとで構成されたもので
ある。
【0032】エチレン性不飽和モノマーとは、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、
インデン、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、アク
リル酸エステル類、メタクリル酸エステル類などが挙げ
られる。
【0033】次に、ビニルアミン型ポリマーは、下記の
式に示す方法により合成することができる。
【0034】
【化7】
【0035】(式中、a、b、nは1以上の整数を示
す。)
【0036】すなわち、アミン源としてN−ビニルホル
ムアミドを使い、各種の重合体を生成する。次に加水分
解により、任意の組成のポリビニルアミン系ポリマーを
得る。つづいてトリフェニルボロンと反応させることに
より、目的とするビニルアミン型ポリマーであるトリフ
ェニルボロン含有ポリマーを合成することができる。
【0037】反応温度は室温で良いが、必要に応じて8
0℃まで変化させることができる。また、反応時間は1
時間から20時間である。本コポリマーは、アミン源と
して前述のN−ビニルホルムアミドを使用し、これらと
適当なエチレン性不飽和モノマーとで構成されたもので
ある。
【0038】エチレン性不飽和モノマーとは、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、
インデン、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、アク
リル酸エステル類、メタクリル酸エステル類などが挙げ
られる。
【0039】ここで用いるトリフェニルボロンは市販品
を用いてもよく、また三フッ化ホウ素とフェニルマグネ
シウムブロマイドを反応させることにより製造すること
もできる。
【0040】得られたトリフェニルボロン含有ポリマー
の平均分子量は、1000〜1000000であり、好
ましくは平均分子量が3000〜500000のものが
使用できる。
【0041】得られたトリフェニルボロン含有ポリマー
は、通常の方法により水中付着生物防汚剤、例えば漁網
防汚剤、船底防汚塗料などとすることができる。
【0042】たとえば漁網防汚剤としては、トリフェニ
ルボロン含有ポリマーをキシレンなどの有機溶剤で分
散、または溶解させればよい。必要に応じて、アクリル
樹脂、合成ゴム、ロジン、シリコン樹脂、ポリブテン樹
脂などの各種樹脂をブレンドする。
【0043】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
の配合量は、漁網防汚剤の適用環境によって任意に変更
できるが、通常1重量%から50重量%未満、好ましく
は3重量%から25重量%未満である。
【0044】本発明に使用される有機溶剤は、芳香族化
合物系有機溶剤、ケトン化合物系有機溶剤、脂肪族化合
物系有機溶剤を使用することができ、たとえば、キシレ
ン、トルエン、プソイドクメン、ジエチルベンゼン、ト
リエチルベンゼン、メシチレン、ソルベントナフサ、ブ
タノール、イソプロパノール、メチルイソブチルケト
ン、ヘキサンなどがあげられる。またこれらの混合物で
あってもよい。
【0045】本発明の漁網防汚剤は低毒性で安全性が高
く、かつ長期にわたってヒドロ虫、オベリアなどの腔腸
動物、フジツボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラなど
の貝類、カサネカンザシ、ヒトエカンザシ、ヤッコカン
ザシ、ウズマキゴカイなどの管棲多毛類、およびその他
の生物の付着に対し優れた防汚効果を示す。
【0046】また、本発明の船底防汚塗料は、トリフェ
ニルボロン含有ポリマーを水溶性樹脂または不水溶性樹
脂に、溶剤、溶出助剤、顔料、可塑剤、充填剤、硬化促
進剤などの添加剤を配合し、ペイントコンディショナ
ー、ホモミキサーなどを用いて、混合分散することによ
り製造することができる。
【0047】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
の配合量は、船底防汚塗料の適用環境によって任意に変
更できるが、通常1重量%から80重量%未満、好まし
くは3重量%から40重量%未満である。
【0048】本発明の漁網防汚剤、船底防汚塗料などの
水中付着生物防汚剤は低毒性で安全性が高く、かつ長期
にわたってヒドロ虫、オベリアなどの腔腸動物、フジツ
ボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラなどの貝類、カサ
ネカンザシ、ヒトエカンザシ、ヤッコカンザシ、ウズマ
キゴカイなどの管棲多毛類、およびその他の生物の付着
に対し優れた防汚効果を示す。
【0049】
【実施例】以下に合成例および実施例を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の
配合は重量%を示す。
【0050】合成例1
【0051】メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロー
ト、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコ
に、トリフェニルボロンの水酸化ナトリウム付加物水溶
液(東京化成株式会社の試薬;9%水溶液)275gを
仕込み、撹拌を開始した。系内を50℃に昇温し、ポリ
アリルアミン(日東紡績株式会社製、「PAA−L」:
20%水溶液、分子量約1万)25gを、滴下ロートか
ら約30分かけて滴下する。滴下終了後、同温度で1時
間撹拌を続ける。析出した不溶物を濾取し、水洗した
後、乾燥すると、白色のポリマー物質24.9gを得
た。
【0052】IR(赤外線)スペクトルを図1に示し
た。この結果より、目的物であることが確認された。ま
た、ゲル透過クロマトグラフィー(HPLC)によって
重量平均分子量を測定したところ、53000であっ
た。
【0053】合成例2
【0054】メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロー
ト、温度計を取り付けた300mLの四つ口フラスコ
に、窒素気流下、トリフェニルボロン(アルドリッチ社
の試薬)10g、キシレン50gを仕込み、撹拌を開始
した。70℃に昇温し、2:6:2のメタアクリル酸メ
チル−アクリル酸ブチル−アリルアミンコポリマー(5
0%キシレン溶液、分子量約7万)44gを、約30分
かけて、滴下した。同温度で3時間撹拌し、反応を進行
させた。溶媒を減圧で留去すると、淡黄色の粘ちょうな
ポリマー物質30.4gを得た。
【0055】IR(赤外線)スペクトルの結果より、目
的物であることが確認された。また、ゲル透過クロマト
グラフィー(HPLC)によって重量平均分子量を測定
したところ、101000であった。
【0056】合成例3
【0057】メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロー
ト、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコ
に、トリフェニルボロンの水酸化ナトリウム付加物水溶
液(東京化成株式会社の試薬;9%水溶液)275gを
仕込み、撹拌を開始した。系内を20℃とし、ポリN−
ビニルホルムアミドの加水分解率59%のポリマー(三
菱化学株式会社製「PVAM」:10%水溶液、分子量
約10万)81gを、滴下ロートから約30分かけて滴
下する。滴下終了後、同温度で1時間撹拌を続ける。析
出した不溶物を濾取し、水洗した後乾燥すると、白色の
ポリマー物質29gを得た。
【0058】IR(赤外線)スペクトルの結果より、目
的物であることが確認された。また、ゲル透過クロマト
グラフィー(HPLC)によって重量平均分子量を測定
したところ、360000であった。
【0059】漁網防汚剤の処方例
【0060】以下の処方例、または比較例に示した量の
各成分を混合し、漁網用防汚剤を調製した。処方例中ま
たは比較例中記載されたポリブテンは、日本石油化学
(株)製のLV−50(商品名)を示し、アクリル樹脂
(50%キシレン液)は、三菱レイヨン(株)製のLR
−155(商品名)を、それぞれ示す。
【0061】 処方例1 ・合成例1により合成したポリマー物質 5% ・アクリル樹脂(50%キシレン溶液) 30% ・キシレン 65%
【0062】 処方例2 ・合成例2により合成したポリマー物質 20% ・アクリル樹脂(50%キシレン溶液) 10% ・キシレン 70%
【0063】 処方例3 ・合成例3により合成したポリマー物質 20% ・アクリル樹脂(50%キシレン溶液) 10% ・キシレン 70%
【0064】比較例の処方は次の通りである。
【0065】 比較例1 ・テトラエチルチウラムジスルフィッド 10% ・ポリブテン 5% ・黄色ワセリン 5% ・アクリル樹脂(50%キシレン溶液) 20% ・キシレン 60%
【0066】 比較例2 ・ビス(ジメチルジチオカルバモイル) 10% エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛 ・ポリブテン 5% ・流動パラフィン 5% ・アクリル樹脂(50%キシレン溶液) 20% ・キシレン 60%
【0067】漁網防汚剤効果試験例1
【0068】本発明の処方例1、2、および比較例1、
2に示した漁網用防汚剤をそれぞれ、テトロン製無結節
網(1000/26、3寸目)に浸漬塗布して風乾した
後に、平成8年8月から4ヶ月間、北海道昆布森近海の
海面下約15mに浸海保持した。網の汚損状況を下記の
基準により評価し、結果を表1にまとめた。付着生物は
ほとんどがヒドロ虫であった。
【0069】網の汚損状況の評価基準 評価A:漁網の汚損面積0%。付着生物なし。 評価B:漁網の汚損面積0〜10%。わずかに付着生物
が存在するが、実用上差し支えない。 評価C:漁網の汚損面積10〜50%。付着生物が多
く、もはや漁網として使用できない。 評価D:漁網の汚損面積50%以上。著しく多量に生物
が付着。
【0070】
【0071】表1より、処方例1、2の漁網防汚剤は、
少なくとも3ヶ月間にわたり、海中に浸海した漁網に、
ヒドロ虫、オベリアが全く付着せず、比較例1、および
比較例2に優る効力を持つことが判明した。すなわち、
本発明の合成例1、2により合成したポリマー物質は、
ヒドロ虫、オベリアなどの腔腸動物に対し、極めて強力
な持続性のある実用的な防汚効果を示すことが判明し
た。
【0072】漁網防汚剤効果試験例2 本発明の処方例3、および比較例1、2に示した漁網用
防汚剤を、それぞれテトロン製無結節網(1000/2
6、3寸目)に浸漬塗布して風乾した後に、平成8年1
1月から4ヶ月間、岩手県種市町近海の海面下約15m
に浸海保持した。網の汚損状況を漁網防汚剤効果試験例
1に示した基準により評価し、結果を表2にまとめた。
付着生物はほとんどがヒドロ虫であった。
【0073】
【0074】表2より、処方例3の漁網防汚剤は、少な
くとも3ヶ月間にわたり、海中に浸海した漁網に、ヒド
ロ虫、オベリアが全く付着せず、比較例1、および比較
例2に優る効力を持つことが判明した。すなわち、本発
明の合成例3により合成したポリマー物質は、ヒドロ
虫、オベリアなどの腔腸動物に対し、極めて強力な持続
性のある実用的な防汚効果を示すことが判明した。
【0075】漁網防汚剤効果試験例3 本発明の処方例1、2、および比較例1に示した漁網用
防汚剤を、それぞれポリエチレン製無結節網(6節、4
00デニール/60本)に浸漬塗布して風乾した後に、
平成8年4月から6ヶ月間、和歌山県田辺湾内の海面下
約1mに浸海保持した。網の汚損状況を漁網防汚剤効果
試験例1に示した基準により評価し、結果を表3に示し
た。
【0076】 表3 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 処方例1 A A A A A B 処方例2 A A A A B B 比較例1 B C D 無処理網 C D
【0077】比較例1、および無処理網には、1ヶ月〜
2ヶ月後には、フジツボやカサネカンザシをはじめとす
る多数の生物が付着した。一方、処方例1、2では、少
なくとも4ヶ月間、浸海した網に貝類、管棲多毛類、お
よびその他の生物の付着が全く認められなかった。
【0078】漁網防汚剤効果試験例4 本発明の処方例3、および比較例1、比較例2に示した
漁網用防汚剤を、それぞれポリエチレン製無結節網(6
節、400デニール/60本)に浸漬塗布して風乾した
後に、平成9年2月から5ヶ月間、高知県宿毛湾内の海
面下約1mに浸海保持した。網の汚損状況を漁網防汚剤
効果試験例1に示した基準により評価し、結果を表4に
示した。
【0079】 表4 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 処方例3 A A A A A B 比較例1 B C D 比較例2 B C C D 無処理網 C D
【0080】比較例1、比較例2および無処理網には、
1ヶ月〜2ヶ月後には、フジツボやカサネカンザシをは
じめとする多数の生物が付着した。一方、処方例3で
は、5ヶ月間、浸海した網に貝類、管棲多毛類、および
その他の生物の付着が全く認められなかった。
【0081】
【発明の効果】トリフェニルボロン含有ポリマーを含有
する水中付着生物防汚剤、たとえば漁網防汚剤、船底防
汚塗料などを用いることによって、漁網や船底などの水
中に保持されたものに、ヒドロ虫、オベリアなどの腔腸
動物、フジツボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラなど
の貝類、および、カサネカンザシ、ヒトエカンザシ、ヤ
ッコカンザシ、ウズマキゴカイなどの管棲多毛類、ある
いはその他の水棲生物の付着が著しく少なく、すぐれた
防汚効果を示すことが判明した。
【0082】また、本発明のトリフェニルボラン含有ポ
リマーは、有効成分のみならずバインダー(結着剤)と
しての機能を有し、さらに環境に与える影響が少ない有
効成分であることも判明した。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得られたポリマーのIR(赤外線)
スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 532 C02F 1/50 532E 532K C08F 8/42 C08F 8/42 C08L 39/00 C08L 39/00 C09D 5/16 C09D 5/16 // C08F 30/06 C08F 30/06 C08L 43/00 C08L 43/00 C09D 139/00 C09D 139/00 143/00 143/00 (72)発明者 渋谷 恵史 大阪府大阪市中央区平野町二丁目6番9号 吉富ファインケミカル株式会社開発部内 Fターム(参考) 2B106 EA02 EA16 HA16 4H011 AD01 4J002 BJ001 GH00 4J038 CR071 GA16 NA05 PC02 PC10 4J100 AN02P AN03P BA13P BA29H BA87H CA01 CA31 DA01 HA08 HA61 HC83 JA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で表される繰り返し単位を有する
    ホモポリマーまたはコポリマーで、且つ1000〜10
    00000の平均分子量を有するポリマー。 【化1】 (式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ水素および
    1〜4個の炭素原子を有するアルキル基よりなる群から
    選択される。)
  2. 【請求項2】 下記式で表される繰り返し単位を有する
    ホモポリマーまたはコポリマーで、且つ1000〜10
    00000の平均分子量を有するポリマー。 【化2】
  3. 【請求項3】 請求項1記載または2記載のトリフェニ
    ルボロン含有ポリマーを含有することを特徴とする水中
    付着生物防汚剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載または2記載のトリフェニ
    ルボロン含有ポリマーを含有することを特徴とする漁網
    防汚剤。
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