JP2002363014A - トリフェニルボロン含有ポリマーおよびそれを含む水棲付着生物による汚損防止剤 - Google Patents

トリフェニルボロン含有ポリマーおよびそれを含む水棲付着生物による汚損防止剤

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JP2002363014A
JP2002363014A JP2001211386A JP2001211386A JP2002363014A JP 2002363014 A JP2002363014 A JP 2002363014A JP 2001211386 A JP2001211386 A JP 2001211386A JP 2001211386 A JP2001211386 A JP 2001211386A JP 2002363014 A JP2002363014 A JP 2002363014A
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methacrylate
triphenylboron
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JP2001211386A
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Masaaki Yoshimaru
正哲 吉丸
Masanori Kohara
正則 古原
Yuji Koga
裕二 古賀
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Yoshitomi Fine Chemicals Ltd
Original Assignee
Yoshitomi Fine Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリフェニルボロン含有ポリマーおよびその
用途に関し、腔腸動物、貝類、管棲多毛類等の水棲汚損
生物に対する優れた付着防止効果を示す防汚成分、並び
に当該成分を含有し、長期にわたって効果が持続する汚
損防止剤を提供。 【解決手段】 新規なトリフェニルボロンとジアミノ置
換第2級アミンの付加物およびカルボン酸残基を有する
ポリマーとの塩を含有する水中防汚剤により、水中汚損
生物が定置網、養殖用漁網および船舶の船底に付着し繁
殖することを防止することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリフェニルボロ
ン含有ポリマーおよびその用途に関し、より詳しくは、
養殖用または定置用の漁網に水棲汚損生物が付着し、繁
殖することを防止する漁網防汚剤や、船舶の船底、漁網
に使用される浮き子やロープ等の資材、原子力および火
力発電所の復水器冷却用水路等に水棲汚損生物が付着
し、繁殖することを防止する水中防汚塗料(例えば、船
底防汚塗料)等の水棲汚損生物の付着による汚損の防止
剤(以下、汚損防止剤ともいう)に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶の船底または養殖用もしくは定置用
の漁網等に、ヒドロ虫、オベリア等の腔腸動物、貝類、
管棲多毛類、海藻類、コケムシ、軟体動物類等の水棲生
物が付着すると、船舶や漁網に大きな経済的損失を与え
るので、これらの水棲生物は水棲汚損生物と呼ばれる。
例えば、漁網にフジツボ等が付着すると網目が塞がれる
ため、潮の流通が阻害されて水中酸素が不足して養殖魚
を窒息死させたり、波浪抵抗が大きくなって台風時には
網の破損等を引き起こすことがある。また、船底にこれ
らの水棲生物が付着すると、船の推進効率を低下させて
燃費が上昇し経済的損失を被ることになる。そのため汚
損対象物の保守に努め経済的損失の低減を計るのに多大
の労力と保守費用をかけているのが現状である。
【0003】これまで水棲生物の付着防止策として種々
の研究や提案がなされてきた。実用的には一連の有機錫
化合物が有効であるが、有機錫化合物は概して毒性が強
く、これらを含有する商品を不用意に取り扱うと取扱者
に障害を及ぼす恐れがあるうえに、環境汚染につながる
可能性もある。この様な理由から低公害性の漁網防汚
剤、水中防汚塗料(例えば、船底防汚塗料等)等の水棲
汚損生物の付着による汚損の防止剤、すなわち汚損防止
剤の出現が望まれている。
【0004】例えば、特公昭51−10849号にはベ
ンゾチアゾール化合物を有効成分とする水中防汚塗料
が、特開昭60−38306号、特開昭63−2842
75号、特公平1−11606号には、テトラアルキル
チウラムジスルフィッド化合物とその他の化合物とを組
み合わせた種々の漁網用防汚剤、防汚塗料組成物が、特
公昭61−50984号には3−イソチアゾロン化合物
を有効成分とする海洋構築物の汚染防止剤が、特公平1
−20665号、特公平2−24242号、特開昭53
−9320号、特開平5−201804号、特開平6−
100405号、特開平6−100408号等にはマレ
イミド化合物を有効成分とする水中防汚塗料がそれぞれ
開示されている。
【0005】しかし、これらの防汚剤は、いずれもヒド
ロ虫、オベリア等の腔腸動物に対する付着防止効果が弱
く、東北地方や北海道沿岸等の腔腸動物棲息海域では使
用できなかった。さらに、フジツボやイガイ等の貝類や
カサネカンザシ等の管棲多毛類が多く棲息する東海、西
日本海域等では従来の防汚剤ではその付着防止効果が弱
く、これらの水棲汚損生物の付着を有効に防止すること
はできなかった。
【0006】従来より、亜酸化銅が貝類に対し有効であ
ることが知られており、また、銅ピリチオン等の有機銅
系の防汚剤が貝類と管棲多毛類に対し効果があることが
確認されている。しかし、亜酸化銅は管棲多毛類や腔腸
動物の付着防止には効果が弱く、また、有機銅系の防汚
剤は、塗料に混合すると塗料を増粘、ゲル化することが
多いので、塗料に混合し難いといった欠点があった。
【0006】また、特開平8−295608号にはトリ
フェニルボランアルキルアミン付加化合物を有効成分と
する漁網防汚剤が、特開平8−295609号にはトリ
フェニルボランオクタデシルアミン付加化合物を含有す
る溶液、WO98/33892号にはトリフェニルボロ
ン含有アリルアミン型ポリマーが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決しようとするものであり、その目的は、腔腸動
物、貝類、管棲多毛類等の水棲汚損生物に対する優れた
付着防止効果を示す防汚成分、並びに当該成分を含有
し、長期にわたって効果が持続する汚損防止剤を提供す
ることにある。さらに、他の防汚成分、塗料樹脂等との
混和性に優れ、かつバインダー(結着剤)としての機能
も有しており、環境に与える悪影響が少ない防汚成分、
並びに当該成分を含有する汚損防止剤を提供することも
併せて目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
従来の漁網防汚剤、水中防汚塗料等の汚損防止剤の諸欠
点を克服するために、鋭意研究に努力した結果、環境汚
染の恐れが少なく、水棲汚損生物に対して優れた付着防
止効果を長期にわたって示す、新規なトリフェニルボロ
ン含有ポリマーおよびこれを含有する汚損防止剤を発明
した。すなわち、新規なトリフェニルボロン含有ポリマ
ーが、ヒドロ虫、オベリア等の腔腸動物;フジツボ、ム
ラサキイガイ、カキ、セルプラ等の貝類;カサネカンザ
シ、ヒトエカンザシ、ヤッコカンザシ、ウズマキゴカイ
等の管棲多毛類;あるいはその他の水棲汚損生物に対し
て優れた付着防止効果を長期にわたって示すことを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0009】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
は、トリフェニルボロン化合物単量体を含むものであ
り、同一分子内に塗膜形成能を有する樹脂部分を持つた
めに、有効成分としてのみあらずバインダーとしての機
能を併せてもたせることができ、他の塗料用樹脂との混
和性もよく、しかも環境に与える悪影響が少ないという
特徴をもっている。すなわち、本発明は、 一般式(1):
【化3】 〔式中、R、RおよびRは、それぞれ水素原子お
よび1〜4個の炭素原子を有するアルキル基よりなる群
から選択され、R、Rは、各々同一または異なっ
て、−C(=O)−または−O−構造を含んでいてもよ
い炭素数1〜18のアルキレン基、−C(=O)−また
は−O−構造を含んでいてもよい炭素数2−18のアル
ケニレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アラルケ
ニレン基を示し、Xは炭素数1〜18のアルキレン基、
フェニレン基、ベンジレン基、−C(=O)−基、−C
(=O)−O−R−基、−O−R−基、または−C
(=O)−O−R−O−C(=O)−基(ここでR
は炭素数1〜18のアルキレン基もしくはフェニレン基
を示す)を、mは0または1を示す〕で表されるトリフ
ェニルボロン含有構成単位を含むポリマー。 重量平均分子量が1,000〜1,000,000
である記載のポリマー。 さらに、一般式(1)で表される構成単位以外の重
合性不飽和モノマー由来の構成単位を含む、記載のポ
リマー。 重合性不飽和モノマーが一般式(2):
【化4】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を示し、Mは金属原子または珪素原子を示し、Mが金
属原子のとき、R、RおよびR10はそれぞれ同一
または異なってもよい有機酸残基を示し、Mが珪素原子
のとき、R、RおよびR10はそれぞれ同一または
異なって、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基ま
たはシクロアルキル基を示し、pおよびqは、Mが2価
の金属原子のとき、ともに0を示し、Mが3価の金属原
子のとき、pが1、qが0を示し、Mが4価の珪素原子
のとき、ともに1を示す)で表される、記載のポリマ
ー。 金属原子が、亜鉛、銅、マグネシウムである、記
載のポリマー 〜記載のポリマーとシリコーンオイル、溶出調
整剤および記載のポリマー以外の防汚成分からなる群
より選ばれる少なくとも1つを含有する組成物。 〜記載のポリマーとシリコーンオイル、溶出調
整剤および記載のポリマー以外の防汚成分からなる群
より選ばれる少なくとも1つを含有する汚損防止剤。 漁網防汚剤用である、または記載の汚損防止剤 水中防汚塗料用である、または記載の汚損防止
剤。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、一般式(1)に
おけるR、RおよびRの炭素数1〜4のアルキル
基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル等の直鎖または分岐鎖アルキル基が挙げられ、
中でもメチルが好ましい。R、RおよびRとして
は、それぞれ水素原子、メチルが好ましい。一般式
(1)におけるR、Rの、−C(=O)−または−
O−構造を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキレ
ン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチ
レン、プロピレン、テトラメチレン、3−メチルテトラ
メチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン、オクタデ
カメチレン等の直鎖または分岐鎖アルキレン基が挙げら
る。一般式(1)におけるR、Rの−C(=O)−
または−O−構造を含んでいてもよい炭素数2〜18の
アルケニレン基としては、例えば、ビニレン、プロペニ
レン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、3−メチル−
1−ブテニレン、1−オクテニレン、1−ドデセニレ
ン、1−オクタデセニレン等の直鎖または分岐鎖アルケ
ニレン基が挙げられる。一般式(1)におけるR、R
のアリーレン基としては、例えば、o−フェニレン、
m−フェニレン、p−フェニレン、1,8−ナフチレ
ン、1,7−ナフチレン、1,6−ナフチレン、1,4
−ナフチレン、1,3−ナフチレン、1,2−ナフチレ
ン、2,3−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7
−ナフチレン等が挙げられる。一般式(1)におけるR
、Rのアラルキレン基とは、−Ar−Alk−また
は−Alk−Ar−(ここでArはアリーレン基をい
い、Alkはアルキレン基をいう。)をいい、例えば、
ベンジレン(−C−CH−または−CH−C
−)、フェネチレン(−C−C−ま
たは−C−C−)等が挙げられる。一般式
(1)におけるR、Rのアラルケニレン基とは、−
Ar−Alke−または−Alke−Ar−(ここでA
rはアリーレン基をいい、Alkeはアルケニレン基を
いう。)をいい、例えば、スチリレン(−C−C
H=CH−または−CH=CH−C−)等が挙げ
られる。一般式(1)におけるR、Rとしては、メ
チレン、エチレン、トリメチレンが好ましい。一般式
(1)におけるXの炭素数1〜18のアルキレン基とし
ては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プ
ロピレン、テトラメチレン、3−メチルテトラメチレ
ン、オクタメチレン、ドデカメチレン、オクタデカメチ
レン等の直鎖または分岐鎖アルキレン基が挙げられる。
一般式(1)におけるXの、−C(=O)−O−R
−基、−O−R−基、または−C(=O)−O−R
−O−C(=O)−基におけるRの炭素数1〜18の
アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、
トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、3−メチ
ルテトラメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン、
オクタデカメチレン等の直鎖または分岐鎖アルキレン基
が挙げられる。一般式(1)におけるXとしては、存在
しない(すなわちmが0)か、炭素数1〜4のアルキレ
ン基が好ましい。
【0011】一般式(2)におけるRの炭素数1〜4
のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル等の直鎖または分岐鎖アルキル基
が挙げられ、中でもメチルが好ましい。Rとしては、
水素原子、メチルが好ましい。一般式(2)におけるR
、RおよびR10の有機酸残基とは、有機酸のカル
ボキシル基から水素原子を除いた残りをいい、有機酸と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、プロピオ
ン酸、オクチル酸、バーサチック酸、ステアリン酸、イ
ソステアリン酸、パルミチン酸、モノクロロ酢酸、モノ
フルオロ酢酸等の置換基を有していてもよい炭素数1〜
18の飽和および不飽和脂肪族カルボン酸;安息香酸、
α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、ニトロ安息香酸、ニ
トロナフタレンカルボン酸、サリチル酸、クレソチン酸
等の置換基を有していてもよい芳香族カルボン酸;2,
4−ジクロロフェノキシ酢酸、2,4,5−トリクロロ
フェノキシ酢酸等の置換基を有していてもよい芳香族脂
肪族カルボン酸;キノリンカルボン酸等の複素環カルボ
ン酸、ピルビン酸等が挙げられる。一般式(2)におけ
るR、RおよびR10の炭素数1〜18のアルキル
基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、2−メチルプロピル、3−
メチルプロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−ドデ
シル、n−オクタデシル等の直鎖または分岐鎖アルキル
基が挙げられる。一般式(2)におけるR、Rおよ
びR10のアリール基としては、例えば、フェニル、ナ
フチルトリル、キシリル等の置換基を有していてもよい
アリール基が挙げられる。一般式(2)におけるR
およびR10のシクロアルキル基としては、例え
ば、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロオクチ
ル、シクロデシル等の炭素数3〜10のものが挙げられ
る。一般式(2)におけるMの金属原子としては、C
u、Zn、Fe、Ni、Co,Pb、Al、Mg等が挙
げられ、好ましくは、Cu、Zn、Mgである。
【0012】Mが金属原子のとき、R、RおよびR
10としては、炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸残基
が好ましく、Mが珪素原子のとき、R、RおよびR
10としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0013】本発明の一般式(1)で表されるトリフェ
ニルボロン含有構成単位を含むポリマー(以下、トリフ
ェニルボロン含有ポリマーともいう)における、当該一
般式(1)で表されるトリフェニルボロン含有構成単位
は、一般式(3):
【化5】 (式中、各記号は前記と同義である。)で表されるカル
ボキシル基含有構成単位と、一般式(4):
【化6】 (式中、各記号は前記と同義である。)で表されるトリ
フェニルボロンのジアミノ置換第2級アミン付加物とか
らなる。
【0014】一般式(3)で表されるカルボキシル基含
有構成単位としては、アクリル酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、2−エチルアク
リル酸、2−n−プロピルアクリル酸、2−イソプロピ
ルアクリル酸、2−n−ブチルアクリル酸、2−sec
−ブチルアクリル酸、2−tert−ブチルアクリル
酸、2−エチル−2−ブテン酸、2−n−プロピル−2
−ブテン酸、2−イソプロピル−2−ブテン酸、2−n
−ブチル−2−ブテン酸、2−sec−ブチル−2−ブ
テン酸、2−tert−ブチル−2−ブテン酸、2−ペ
ンテン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−
2−ペンテン酸、4−メチル−2−ペンテン酸、2−エ
チル−2−ペンテン酸、2−n−プロピル−2−ペンテ
ン酸、2−イソプロピル−2−ペンテン酸、2−n−ブ
チル−2−ペンテン酸、2−sec−ブチル−2−ペン
テン酸、2−tert−ブチル−2−ペンテン酸、3−
ペンテン酸、4−メチル−3−ペンテン酸、2−ヘキセ
ン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−エチル−2−
ヘキセン酸、2−n−プロピル−2−ヘキセン酸、2−
イソプロピル−2−ヘキセン酸、2−n−ブチル−2−
ヘキセン酸、2−sec−ブチル−2−ヘキセン酸、2
−tert−ブチル−2−ヘキセン酸、3−ヘキセン
酸、4−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテン
酸、2−メチル−2−ヘプテン酸、2−エチル−2−ヘ
プテン酸、2−n−プロピル−2−ヘプテン酸、2−イ
ソプロピル−2−ヘプテン酸、2−n−ブチル−2−ヘ
プテン酸、2−sec−ブチル−2−ヘプテン酸、2−
tert−ブチル−2−ヘプテン酸、3−ヘプテン酸、
4−ヘプテン酸、5−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、4
−メチル−2−ヘキセン酸、5−メチル−2−ヘキセン
酸、4,4−ジメチル−2−ペンテン酸、2,4−ジメ
チル−2−ペンテン酸、2,4−ジメチル−2−ヘキセ
ン酸、2,5−ジメチル−2−ヘキセン酸、2,4,4
−トリメチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ブテ
ン酸、2,3−ジメチル−2−ブテン酸、3−メチル−
2−ペンテン酸、2,3−ジメチル−2−ペンテン酸、
3−メチル−2−ヘキセン酸、2,3−ジメチル−2−
ヘキセン酸、3,4−ジメチル−2−ペンテン酸、2,
3,4−トリメチル−ペンテン酸、3−メチル−2−ヘ
プテン酸、2,3−ジメチル−2−ヘプテン酸、3,4
−ジメチル−2−ヘキセン酸、2,3,4−トリメチル
−2−ヘキセン酸、3,5−ジメチル−2−ヘキセン
酸、2,3,5−トリメチル−2−ヘキセン酸、3,
4,4−トリメチル−2−ペンテン酸、2,3,4,4
−テトラメチル−2−ペンテン酸、7−オクテン酸、1
1−ドデセン酸、15−ヘキサデセン酸、17−オクタ
デセン酸、2−メチル−3−ブテン酸、2−メチル−4
−ペンテン酸、2−メチル−5−ヘキセン酸、2−メチ
ル−6−ヘプテン酸、2−メチル−7−オクテン酸、2
−メチル−11−ドデセン酸、2−メチル−15−ヘキ
サデセン酸、2−メチル−17−オクタデセン酸、4−
ビニル安息香酸、4−(1−プロペニル)安息香酸、4
−(イソプロペニル)安息香酸、4−(1−メチル−1
−プロペニル)安息香酸、4−(2−メチル−1−プロ
ペニル)安息香酸、4−ビニルフェニル酢酸、4−(1
−プロペニル)フェニル酢酸、4−(イソプロペニル)
フェニル酢酸、4−(1−メチル−1−プロペニル)フ
ェニル酢酸、4−(2−メチル−1−プロペニル)フェ
ニル酢酸、2−オキソ−3−ブテン酸、3−オキソ−4
−ペンテン酸、4−オキソ−5−ヘキセン酸、アクリル
酸カルボキシメチルエステル、アクリル酸−2−カルボ
キシエチルエステル、アクリル酸−3−カルボキシプロ
ピルエステル、アクリル酸−4−カルボキシブチルエス
テル、アクリル酸−5−カルボキシペンチルエステル、
アクリル酸−6−カルボキシヘキシルエステル、アクリ
ル酸−7−カルボキシヘプチルエステル、アクリル酸−
8−カルボキシオクチルエステル、アクリル酸−12−
カルボキシドデシルエステル、アクリル酸−18−カル
ボキシオクタデシルエステル、アクリル酸o−カルボキ
シフェニルエステル、アクリル酸m−カルボキシフェニ
ルエステル、アクリル酸p−カルボキシフェニルエステ
ル、2−ビニルオキシ酢酸、3−ビニルオキシプロピオ
ン酸、シュウ酸モノアクリロイルオキシメチルエステ
ル、シュウ酸モノ−3−アクリロイルオキシプロピルエ
ステル、マロン酸モノアクリロイルオキシメチルエステ
ル、マロン酸モノ−3−アクリロイルオキシプロピルエ
ステル等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー由
来の構成単位が挙げられ、中でも、アクリル酸、メタク
リル酸由来の構成単位が好ましい。これらの構成単位
は、ポリマー中に単独で含まれても、2種以上組み合わ
せて含まれてもよい。
【0015】一般式(4)で表されるトリフェニルボロ
ンのジアミノ置換第2級アミン付加物における、後述す
る一般式(5)で表されるジアミノ置換第2級アミン
は、イミノビス(メチルアミン)、2,2’−イミノビ
ス(エチルアミン)、3,3’−イミノビス(プロピル
アミン)、4,4’−イミノビス(ブチルアミン)、
5,5’−イミノビス(ペンチルアミン)、6,6’−
イミノビス(ヘキシルアミン)、8,8’−イミノビス
(オクチルアミン)、12,12’−イミノビス(ドデ
シルアミン)、18,18’−イミノビス(オクタデシ
ルアミン)等の置換基を有していてもよい、炭素数1〜
18の直鎖または分岐鎖飽和脂肪族ジアミノ置換第2級
アミン類;2,2’−イミノビス(ビニルアミン)、
3,3’−イミノビス(アリルアミン)等の置換基を有
していてもよい、炭素数2〜18の直鎖または分岐鎖不
飽和脂肪族ジアミノ置換第2級アミン類;4,4’−イ
ミノビス(フェニルアミン)、4,4’−イミノビス
(ナフチルアミン)等の置換基を有していてもよい芳香
族ジアミノ置換第2級アミン類;4,4’−イミノビス
(フェネチルアミン)、4,4’−イミノビス(スチリ
ルアミン)等の置換基を有していてもよい、芳香族脂肪
族ジアミノ置換第2級アミン類;が挙げられる。
【0016】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
は、例えば、下記の方法により合成することができる。
【化7】 (式中、各記号は前記と同義である。) すなわち、一般式(4)で表されるトリフェニルボロン
のジアミノ置換第2級アミン付加物またはその溶液を、
一般式(3)で表されるカルボキシル基含有構成単位を
含むポリマー(以下、カルボキシル基含有ポリマーと略
すこともある)の溶液に滴下して反応させ、次いで溶媒
を減圧下にて留去して除去することによって得られる。
トリフェニルボロンのジアミン付加物またはその溶液を
カルボン酸残基を有するポリマー溶液に滴下、反応さ
せ、溶媒を減圧下において留去して除去することによっ
て得られる。
【0017】なお、一般式(3)で表されるカルボキシ
ル基含有構成単位を含むポリマーは、上記のカルボキシ
ル基含有不飽和モノマーを含む重合性不飽和モノマーを
従来公知の方法により重合させることにより得られる。
また、一般式(4)で表されるトリフェニルボロンのジ
アミノ置換第2アミン付加物は、例えば、下記の式に示
す方法により合成することができる。
【化8】 (式中、各記号は前記と同義である。) すなわち、トリフェニルボロンの水酸化ナトリウム付加
物の水溶液に、一般式(5)で表されるジアミノ置換第
2級アミンまたはその溶液を滴下し、目的物が不溶物と
して析出したならば、その析出した不溶物を濾過して分
取し、水洗後乾燥することによって、また、目的物が溶
解しているならば、分液した後、溶媒を減圧下に留去す
ることによって得られる。
【0018】上記トリフェニルボロン含有ポリマーは、
上記製造法以外にも、以下の方法によって製造すること
ができる。すなわち、上記トリフェニルボロン含有ポリ
マーは、一般式(7):
【化9】 (式中、各記号は前記と同義である。)で表されるトリ
フェニルボロン含有ビニルモノマーを単独重合させる
か、またはこれと他の重合性不飽和モノマーとを共重合
させることによって合成することができる。
【0019】上記一般式(7)で表されるトリフェニル
ボロン含有ビニルモノマーは、以下に示す方法によって
合成することができる。
【化10】 (式中、各記号は前記と同義である。) すなわち、一般式(8)で表されるビニル化合物と一般
式(4)で表されるトリフェニルボロンのジアミノ置換
第2級アミン付加物とを反応させることによって得られ
る。
【0020】本発明で使用するトリフェニルボロンは市
販品を用いてもよく、また、三フッ化ホウ素とフェニル
マグネシウムブロマイドを反応させることにより製造す
ることもできる。
【0021】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜1,00
0,000、より好ましく3,000〜500,00
0、さらに好ましくは、3,000〜100,000で
ある。当該分子量が1,000未満であると形成される
と膜が脆弱となり、逆に1,000,000を越えると
重合体溶液の粘度が増し、その取り扱いが困難となり、
好ましくない。
【0022】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
中の、一般式(1)で表されるトリフェニルボロン含有
構成単位の含有量は、好ましくは1.0重量%以上、よ
り好ましくは5〜95重量%、さらに好ましくは5〜7
0重量%である。当該含有量が1.0重量%未満である
と、水棲汚損生物に対する付着防止効果が不足するた
め、好ましくない。本発明のトリフェニルボロン含有ポ
リマー中の、トリフェニルボロンの含有量は、好ましく
は0.5重量%以上、より好ましくは2〜70重量%、
さらに好ましくは2〜45重量%である。当該含有量が
0,5重量%未満であると、水棲汚損生物に対する付着
防止効果が不足するため、好ましくない。
【0023】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
は、一般式(1)で表されるトリフェニルボロン含有構
成単位以外の重合性不飽和モノマー由来の構成単位を含
んでいてもよい。このような構成単位を含むことによ
り、トリフェニルボロン含有ポリマー中のトリフェニル
ボロン含有量を調整することができる。従って、一般式
(3)で表されるカルボキシル基含有構成単位を含むポ
リマーは、ホモポリマーでもコポリマーでもよく、コポ
リマーの場合は、前述のカルボキシル基含有重合性不飽
和モノマーと当該カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マー以外の重合性不飽和モノマーとを共重合させて得ら
れたものである。
【0024】一般式(1)で表されるトリフェニルボロ
ン含有構成単位以外の重合性不飽和モノマー由来の構成
単位としては、例えば、ボロンを含まない重合性不飽和
モノマー由来の構成単位が挙げられる。このような重合
性不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピ
レン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、インデ
ン等のビニル系炭化水素類;アクリロニトリル、メタア
クリロニトリル等のアクリロニトリル類;アクリル酸、
クロトン酸、イソクロトン酸、メタアクリル酸、ビニル
酢酸、ビニルプロピオン酸、ビニル酪酸、p−ビニル安
息香酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カル
ボン酸無水物;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルカルバゾール
等の複素環ビニル化合物類;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、
パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビ
ニル等のビニルエステル類;ビニルクロライド、ビニリ
デンクロライド等のハロゲン化ビニル類;ビニルアミン
類;アリルアミン類;ビニルアルコール類;アリルアル
コール類;メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン
等のビニルケトン類;メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ラウリルビ
ニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類;メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ビ
ニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルア
クリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒ
ドロキシブチルアクリレート、グリセロールアクリレー
ト、ブチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルア
ミノブチルアクリレート、ジブチルアミノエチルアクリ
レート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキ
シエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、2−(2−エチルヘキサオキシ)エチルアクリレー
ト、1−メチル−2−メトキシエチルアクリレート、3
−メトキシブチルアクリレート、3−メチル−3−メト
キシブチルアクリレート、o−メトキシフェニルアクリ
レート、m−メトキシフェニルアクリレート、p−メト
キシフェニルアクリレート、o−メトキシフェニルエチ
ルアクリレート、m−メトキシフェニルエチルアクリレ
ート、p−メトキシフェニルエチルアクリレート等のア
クリル酸エステル類;メチルメタアクリレート、エチル
メタアクリレート、n−プロピルメタアクリレート、i
−プロピルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレ
ート、i−ブチルメタアクリレート、t−ブチルメタア
クリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ラ
ウリルメタアクリレート、ステアリルメタアクリレー
ト、ビニルメタアクリレート、ベンジルメタアクリレー
ト、フェニルメタアクリレート、イソボルニルメタアク
リレート、シクロヘキシルメタアクリレート、グリシジ
ルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2
−ヒドロキシブチルメタアクリレート、4−ヒドロキシ
ブチルメタアクリレート、グリセロールメタアクリレー
ト、ブチルアミノエチルメタアクリレート、ジメチルア
ミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタアクリレ
ート、ジメチルアミノブチルメタアクリレート、ジブチ
ルアミノエチルメタアクリレート、2−メトキシエチル
メタアクリレート、2−エトキシエチルメタアクリレー
ト、フェノキシエチルメタアクリレート、2−(2−エ
チルヘキサオキシ)エチルメタアクリレート、1−メチ
ル−2−メトキシエチルメタアクリレート、3−メトキ
シブチルメタアクリレート、3−メチル−3−メトキシ
ブチルメタアクリレート、o−メトキシフェニルメタア
クリレート、m−メトキシフェニルメタアクリレート、
p−メトキシフェニルメタアクリレート、o−メトキシ
フェニルエチルメタアクリレート、m−メトキシフェニ
ルエチルメタアクリレート、p−メトキシフェニルエチ
ルメタアクリレート等のメタアクリル酸エステル類;ア
クリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアクリル酸
アミド類;メタアクリルアミド、ジメチルアミノエチル
メタアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアク
リルアミド等のメタアクリル酸アミド類;シアノアクリ
ル酸エステル類;アクロレイン、クマロン、インデン、
テトラフルオロエチレン、ビニルホルマール、ビニルホ
ルムアミド等が挙げられ、中でも、エチレンや、メチル
メタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタ
アクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、t−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
アクリレート、イソブチルメタアクリレート、t−ブチ
ルメタアクリレート等のアクリル酸もしくはメタクリル
酸由来エステル類が好ましい。
【0025】また、一般式(2)
【化11】 (式中、各記号は前記と同義である。)で表される重合
性不飽和モノマーも挙げられる。上記一般式(2)にお
いては、(メタ)アクリル酸金属塩や(メタ)アクリル
酸シリルエステルが好ましく、Mとしては亜鉛、銅、マ
グネシウムの金属原子と、珪素原子が好ましい。このよ
うな重合性不飽和モノマーの具体例としては、例えば以
下のものが挙げられる。
【0026】アクリル酸亜鉛、安息香酸亜鉛アクリレー
ト、プロピオン酸亜鉛アクリレート、オクチル酸亜鉛ア
クリレート、バーサチック酸亜鉛アクリレート、ステア
リン酸亜鉛アクリレート、イソステアリン酸亜鉛アクリ
レート、パルミチン酸亜鉛アクリレート、クレソチン酸
亜鉛アクリレート、α−ナフトエ酸亜鉛アクリレート、
β−ナフトエ酸亜鉛アクリレート、モノクロロ酢酸亜鉛
アクリレート、モノフルオロ酢酸亜鉛アクリレート、
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸亜鉛アクリレート、
2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸亜鉛アクリレー
ト、キノリンカルボン酸亜鉛アクリレート、ニトロ安息
香酸亜鉛アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸亜
鉛アクリレート、ピルビン酸亜鉛アクリレート等のアク
リル酸亜鉛塩類;メタアクリル酸亜鉛、安息香酸亜鉛メ
タアクリレート、プロピオン酸亜鉛メタアクリレート、
オクチル酸亜鉛メタアクリレート、バーサチック酸亜鉛
メタアクリレート、ステアリン酸亜鉛メタアクリレー
ト、イソステアリン酸亜鉛メタアクリレート、パルミチ
ン酸亜鉛メタアクリレート、クレソチン酸亜鉛メタアク
リレート、α−ナフトエ酸亜鉛メタアクリレート、β−
ナフトエ酸亜鉛メタアクリレート、モノクロロ酢酸亜鉛
メタアクリレート、モノフルオロ酢酸亜鉛メタアクリレ
ート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸亜鉛メタアクリ
レート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸亜鉛メ
タアクリレート、キノリンカルボン酸亜鉛メタアクリレ
ート、ニトロ安息香酸亜鉛メタアクリレート、ニトロナ
フタレンカルボン酸亜鉛メタアクリレート、ピルビン酸
亜鉛メタアクリレート等のメタアクリル酸亜鉛塩類;、
アクリル酸銅、安息香酸銅アクリレート、プロピオン酸
銅アクリレート、オクチル酸銅アクリレート、バーサチ
ック酸銅アクリレート、ステアリン酸銅アクリレート、
イソステアリン酸銅アクリレート、パルミチン酸銅アク
リレート、クレソチン酸銅アクリレート、α−ナフトエ
酸銅アクリレート、β−ナフトエ酸銅アクリレート、モ
ノクロロ酢酸銅アクリレート、モノフルオロ酢酸銅アク
リレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸銅アクリレ
ート2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸銅アクリレ
ート、キノリンカルボン酸銅アクリレート、ニトロ安息
香酸銅アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸銅ア
クリレート、ピルビン酸銅アクリレート等のアクリル酸
度銅塩類;メタアクリル酸銅、安息香酸銅メタアクリレ
ート、プロピオン酸銅メタアクリレート、オクチル酸銅
メタアクリレート、バーサチック酸銅メタアクリレー
ト、ステアリン酸銅メタアクリレート、イソステアリン
酸銅メタアクリレート、パルミチン酸銅メタアクリレー
ト、クレソチン酸銅メタアクリレート、α−ナフトエ酸
銅メタアクリレート、β−ナフトエ酸銅メタアクリレー
ト、モノクロロ酢酸銅メタアクリレート、モノフルオロ
酢酸銅メタアクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ
酢酸銅メタアクリレート、2,4,5−トリクロロフェ
ノキシ酢酸銅メタアクリレート、キノリンカルボン酸銅
メタアクリレート、ニトロ安息香酸銅メタアクリレー
ト、ニトロナフタレンカルボン酸銅メタアクリレート、
ピルビン酸銅メタアクリレート等のメタアクリル酸度銅
塩類;、アクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウ
ムアクリレート、プロピオン酸マグネシウムアクリレー
ト、オクチル酸マグネシウムアクリレート、バーサチッ
ク酸マグネシウムアクリレート、ステアリン酸マグネシ
ウムアクリレート、イソステアリン酸マグネシウムアク
リレート、パルミチン酸マグネシウムアクリレート、ク
レソチン酸マグネシウムアクリレート、α−ナフトエ酸
マグネシウムアクリレート、β−ナフトエ酸マグネシウ
ムアクリレート、モノクロロ酢酸マグネシウムアクリレ
ート、モノフルオロ酢酸マグネシウムアクリレート、
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸マグネシウムアクリレ
ート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸マグネシ
ウムアクリレート、キノリンカルボン酸マグネシウムア
クリレート、ニトロ安息香酸マグネシウムアクリレー
ト、ニトロナフタレンカルボン酸マグネシウムアクリレ
ート、ピルビン酸マグネシウムアクリレート等のアクリ
ル酸マグネシウム塩類;メタアクリル酸マグネシウム、
安息香酸マグネシウムメタアクリレート、プロピオン酸
マグネシウムメタアクリレート、オクチル酸マグネシウ
ムメタアクリレート、バーサチック酸マグネシウムメタ
アクリレート、ステアリン酸マグネシウムメタアクリレ
ート、イソステアリン酸マグネシウムメタアクリレー
ト、パルミチン酸マグネシウムメタアクリレート、クレ
ソチン酸マグネシウムメタアクリレート、α−ナフトエ
酸マグネシウムメタアクリレート、β−ナフトエ酸マグ
ネシウムメタアクリレート、モノクロロ酢酸マグネシウ
ムメタアクリレート、モノフルオロ酢酸マグネシウムメ
タアクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸マグ
ネシウムメタアクリレート、2,4,5−トリクロロフ
ェノキシ酢酸マグネシウムメタアクリレート、キノリン
カルボン酸マグネシウムメタアクリレート、ニトロ安息
香酸マグネシウムメタアクリレート、ニトロナフタレン
カルボン酸マグネシウムメタアクリレート、プルビン酸
マグネシウムメタアクリレート等のメタアクリル酸マグ
ネシウム塩類;、トリメチルシリルアクリレート、トリ
エチルシリルアクリレート、トリ−n−プロピルシリル
アクリレート、トリイソプロピルシリルアクリレート、
トリ−n−ブチルシリルアクリレート、トリイソプロピ
ルシリルアクリレート、トリフェニルシリルアクリレー
ト、ジメチルブチルシリルアクリレート、ジメチルヘキ
シルシリルアクリレート、ジメチルオクチルシリルアク
リレート、ジメチルシクロヘキシルシリルアクリレー
ト、ジメチルフェニルシリルアクリレート、ジブチルフ
ェニルシリルアクリレート、メチルジブチルシリルアク
リレート、エチルジブチルシリルアクリレート、ジブチ
ルシクロヘキシルシリルアクリレート、ジブチルフェニ
ルシリルアクリレート等のアクリル酸シリルエステル
類;トリメチルシリルメタアクリレート、トリエチルシ
リルメタアクリレート、トリ−n−プロピルシリルメタ
アクリレート、トリイソプロピルシリルメタアクリレー
ト、トリ−n−ブチルシリルメタアクリレート、トリイ
ソプロピルシリルメタアクリレート、トリフェニルシリ
ルメタアクリレート、ジメチルブチルシリルメタアクリ
レート、ジメチルヘキシルシリルメタアクリレート、ジ
メチルオクチルシリルメタアクリレート、ジメチルシク
ロヘキシルシリルメタアクリレート、ジメチルフェニル
シリルメタアクリレート、ジブチルフェニルシリルメタ
アクリレート、メチルジブチルシリルメタアクリレー
ト、エチルジブチルシリルメタアクリレート、ジブチル
シクロヘキシルシリルメタアクリレート、ジブチルフェ
ニルシリルメタアクリレート等のメタアクリル酸シリル
エステル類。
【0027】上記具体例の中でも、(メタ)アクリル酸
亜鉛塩類、(メタ)アクリル酸銅塩類、(メタ)アクリ
ル酸マグネシウム塩類が好ましく、さらには(メタ)ア
クリル酸亜鉛塩類が好ましい。
【0028】上記の一般式(1)で表されるトリフェニ
ルボロン含有構成単位以外の重合性不飽和モノマー由来
の構成単位の含有量は、本発明のトリフェニルボロン含
有ポリマー中、好ましくは0〜99重量%、より好まし
くは5〜95重量%である。当該含有量が99重量%を
越えると、水棲汚損生物に対する付着防止効果が不足
し、好ましくない。
【0029】上記の重合性不飽和モノマーの導入は、一
般式(3)で表されるカルボキシル基含有構成単位を含
むポリマーの合成時、あるいは一般式(7)で表される
トリフェニルボロン含有ビニルモノマーの重合時に行わ
れる。また、上記の重合性不飽和モノマーは、単独でも
使用しても2種以上を併用してもよい。
【0030】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
は、通常の方法、例えば以下の方法により、漁網防汚剤
や水中防汚塗料(例えば船底防汚塗料)等の汚損防止剤
に調整することができる。
【0031】A.漁網防汚剤 本発明の漁網防汚剤は、低毒性で安全性が高く、かつ長
期にわたってヒドロ虫、オベリア等の腔腸動物;フジツ
ボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラ等の貝類;カサネ
カンザシ、ヒトエカンザシ、ヤッコカンザシ、ウズマキ
ゴカイ等の管棲多毛類、およびその他の水棲汚損生物に
対して優れた付着防止効果を示す。
【0032】本発明の漁網防汚剤は、トリフェニルボロ
ン含有ポリマーをキシレン等の有機溶剤で分散または溶
解させることにより調製される。本発明の漁網防汚剤
中、トリフェニルボロン含有ポリマーの含有量は、その
適用環境によって任意に変更できるが、好ましくは1〜
50重量%、より好ましくは3〜25重量%である。当
該含有量が1重量%未満であると、水棲汚損生物に対す
る付着防止効果が不足し、逆に50重量%を越えると漁
網防汚剤の粘度が大きくなり、取り扱いが困難となり、
好ましくない。
【0033】本発明の漁網防汚剤に使用される有機溶剤
としては、芳香族化合物系有機溶剤、ケトン化合物系有
機溶剤、脂肪族化合物系有機溶剤等が挙げられるが、よ
り具体的には、例えば、キシレン、トルエン、プソイド
クメン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、メシ
チレン、ソルベントナフサ、ブタノール、イソプロパノ
ール、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。また、
これらの溶剤は単独で使用してもよく、または2種以上
混合して使用してもよい。また、必要に応じて、アクリ
ル樹脂、合成ゴム、ロジン樹脂、シリコン系樹脂、ポリ
ブテン樹脂、塩化ゴム樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキッ
ド樹脂、クマロン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エ
ポキシ系樹脂等の各種樹脂を配合してもよい。これらの
樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上混合して使
用してもよい。
【0034】本発明におけるトリフェニルボロン含有ポ
リマーを漁網防汚剤として使用する場合、当該ポリマー
だけでも水棲汚損生物に対する優れた付着防止効果を発
揮するが、シリコーンオイル、溶出調整剤、本発明にお
けるトリフェニルボロン含有ポリマー以外の防汚成分を
配合することにより、より優れた付着防止効果を発揮で
きる。
【0035】本発明の漁網防汚剤で使用されるシリコー
ンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチル水素シリコーンオイル、(高級)脂肪酸変性
シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、ア
ミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオ
イル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルフェ
ニルシリコーンオイル等が挙げられ、中でも、ポリエー
テル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーン
オイル等が好ましい。これらは単独で使用してもよく、
また2種以上併用してもよい。これらのシリコーンオイ
ルの含有量は、その適用環境によって任意に変更できる
が、漁網防汚剤中、好ましくは、0.1〜50重量%、
より好ましくは0.5〜25重量%である。当該含有量
が0.1重量%未満であると、その併用効果は望めず、
逆に50重量%を越えると塗膜物性を低下させ、好まし
くない。
【0036】本発明の漁網防汚剤で使用されるトリフェ
ニルボロン含有ポリマー以外の防汚成分としては、公知
の防汚成分が挙げられ、例えば、1,3−ジシアノテト
ラクロロベンゼン、2−(チオシアノメチルチオ)ベン
ゾチアゾール、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシ
ド)亜鉛、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)
銅、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミ
ノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン、亜酸化
銅、チオシアン酸銅(CuSCN)、N,N−ジメチル
ジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オ
クチル−3−イソチアゾロン、N−(フルオロジクロロ
メチルチオ)フタルイミド、2,3,5,6−テトラク
ロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2,4,
5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、ジメチルジ
チオカーバメイト亜鉛塩、ビス(ジメチルジチオカルバ
モイル)ジンクエチレンビスジチオカーバメイト、ピリ
ジン−トリフェニルボロン、トリフェニルボロン−アル
キル(炭素数3〜30)アミン(例えば、トリフェニル
ボロン−n−オクタデシルアミン、トリフェニルボロン
−n−ヘキサデシルアミン、トリフェニルボロン−n−
オクチルアミン等)、トリフェニルボロン−ロジンアミ
ン、ロダン銅、水酸化銅、ナフテン酸銅、マンガニーズ
エチレンビスジチオカーバメイト、ジンクエチレンビス
ジチオカーバメイト、N,N’−ジメチル−N’−フェ
ニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)スルフィ
ド、3−ヨード−2−プロピニールブチルカーバメー
ト、ジヨードメチルパラトリルスルファン、2−(4−
チアゾリル)−ベンゾイミダゾール等や、その他の非錫
系防汚化合物が挙げられる。
【0037】また、一般式(8)
【化12】 (式中、R11は各々同一または異なって炭素数1〜4
個のアルキル基を示す)で表されるテトラアルキルチウ
ラムジスルフィッド類も挙げられる。一般式(8)にお
けるR11の炭素数1〜4個のアルキル基としては、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル等
の直鎖または分岐鎖のものが挙げられ、中でも、エチ
ル、ブチルが好ましい。
【0038】一般式(8)で表されるテトラアルキルチ
ウラムジスルフィッド類の具体例としては、テトラメチ
ルチウラムスルフィッド、テトラエチルチウラムジスル
フィッド、テトライソプロピルチウラムジスルフィッ
ド、テトラ−n−ブチルチウラムジスルフィッド等が挙
げられる。
【0040】また、一般式(9)
【化13】 (式中、R12は水素原子、アルキル基、ハロゲン置換
アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、アルキル
置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、ベンジル
基、アルキル置換ベンジル基またはハロゲン置換ベンジ
ル基を示す)により表される2,3−ジクロロマレイミ
ド類も挙げられる。
【0041】一般式(9)におけるR12のアルキル基
としては、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n
−ブチル、t−ブチル、オクチル、ドデシル、テトラデ
シル、ヘキサデシル、オクタデシル等の炭素数1〜18
の直鎖または分岐鎖のものが挙げられる。ハロゲン置換
アルキル基としては、ジクロロメチル、ジクロロエチ
ル、トリクロロエチル等が挙げられる。シクロアルキル
基としては、シクロヘキシル等が挙げられる。アルキル
置換フェニル基としては、ジメチルフェニル、ジエチル
フェニル、メチルエチルフェニル等が挙げられる。ハロ
ゲン置換フェニル基としては、ジクロロフェニル等が挙
げられる。アルキル置換ベンジル基としては、メチルベ
ンジル、ジメチルベンジル、ジエチルベンジル、α−メ
チルベンジル等が挙げられる。ハロゲン置換ベンジル基
としては、クロロベンジル、ジクロロベンジル等が挙げ
られる。R12としては、エチル、ブチル、ジエチルフ
ェニル、メチルエチルフェニル、ベンジルが好ましい。
【0042】一般式(9)で表される2,3−ジクロロ
マレイミド類の具体例としては、例えば、2,3−ジク
ロロ−N−エチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−
イソプロピルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−n−
ブチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−第3級ブチ
ルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−n−オクチルマ
レイミド、2,3−ジクロロ−N−シクロヘキシルマレ
イミド、2,3−ジクロロ−N−ベンジルマレイミド、
2,3−ジクロロ−N−(2−クロロベンジル)マレイ
ミド、2,3−ジクロロ−N−(4−クロロベンジル)
マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−メチルベン
ジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4−
ジメチルベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N
−(3,4−ジメチルベンジル)マレイミド、2,3−
ジクロロ−N−α−メチルベンジルマレイミド、2,3
−ジクロロ−N−(2,4−ジクロロベンジル)マレイ
ミド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチル−6−メチ
ルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−
(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、2,3−ジ
クロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミ
ド、2,3−ジクロロ−N−(2,4−ジエチルフェニ
ル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4,6
−トリメチルフェニル)マレイミド等が挙げられる。
【0043】上記のトリフェニルボロン含有ポリマー以
外の防汚成分の中でも、ビス(2−ピリジルチオ−1−
オキシド)亜鉛、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシ
ド)銅、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピル
アミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン、亜
酸化銅、チオシアン酸銅(CuSCN)、N,N−ジメ
チルジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n
−オクチル−3−イソチアゾロン、N−(フルオロジク
ロロメチルチオ)フタルイミド、2,3,5,6−テト
ラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2,
4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、ジメチ
ルジチオカーバメイト亜鉛塩、ビス(ジメチルジチオカ
ルバモイル)ジンクエチレンビスジチオカーバメイト、
ピリジン−トリフェニルボロン、トリフェニルボロン−
アルキル(炭素数3〜30)アミン(例えば、トリフェ
ニルボロン−n−オクタデシルアミン、トリフェニルボ
ロン−n−ヘキサデシルアミン、トリフェニルボロン−
n−オクチルアミン等)、トリフェニルボロン−ロジン
アミン、ロダン銅、テトラエチルチウラムジスルフィッ
ドが好ましい。
【0044】上記のトリフェニルボロン含有ポリマー以
外の防汚成分は単独で使用してもよく、または2種以上
併用してもよい。また、上記のトリフェニルボロン含有
ポリマー以外の防汚成分と本発明のトリフェニルボロン
含有ポリマーとの重量比は、その適用環境によって任意
に変更できるが、好ましくは1:50〜50:1、より
好ましくは1:25〜25:1、さらに好ましくは1:
10〜10:1の範囲である。上記の防汚成分が上記範
囲より多いと塗膜物性を低下させ、逆に少ないと併用効
果が望めず、好ましくない。
【0045】本発明の漁網防汚剤に使用される溶出調整
剤としては、一般式(10):
【化14】 (式中、R13は、各々同一または異なって炭素数1〜
20個のアルキル基を示し、rは2〜10の整数を示
す)で表されるジアルキルポリスルフィッド類が挙げら
れる。
【0046】一般式(10)において、R13で示され
る炭素数1〜20のアルキル基としては、エチル、プロ
ピル、t−ブチル、t−アミル、t−ノニル、t−ドデ
シル、ノナデシル等の炭素数2〜19の直鎖または分岐
鎖のものが好ましい。rとしては3〜8が好ましい。一
般式(10)で表されるジアルキルポリスルフィッド類
の具体例としては、例えば、ジエチルペンタスルフィッ
ド、ジプロピルテトラスルフィッド、ジ第3級ブチルジ
スルフィッド、ジ第3級ブチルテトラスルフィッド、ジ
第3級アミルテトラスルフィッド、ジ第3級ノニルペン
タスルフィッド、ジ第3級オクチルペンタスルフィッ
ド、ジ第3級ドデシルペンタスルフィッド、ジノナデシ
ルテトラスルフィッド等が挙げられる。
【0047】また、平均分子量が200〜1,000の
ポリブテン、パラフィン類、ワセリン、グリセリン、多
価アルコール類、脂肪酸エステル類も溶出調整剤として
使用できる。平均分子量が200〜1,000のポリブ
テンとしては、例えば、日本石油(株)製のLV−5、
LV−10、LV−25、LV−50、LV−100、
HV−15、HV−35、HV−50、HV−100、
HV−300等が挙げられる。パラフィン類としては、
例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、塩化パ
ラフィン等が挙げられる。ワセリンとして、白色ワセリ
ン、黄色ワセリン等が挙げられる。多価アルコール類と
しては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピ
レングリコール等が挙げられる。
【0048】上記の溶出調製剤の中でも、ジ第3級ノニ
ルペンタスルフィッド、ジ第3級オクチルペンタスルフ
ィッド、ポリブテン、流動パラフィン、白色ワセリン、
黄色ワセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールが好ましい。上記の溶出調整剤は単独で使
用しても、または2種以上混合して使用してもよい。
【0049】上記の溶出調製剤の含有量は、その適用環
境によって任意に変更できるが、漁網防汚剤中、好まし
くは1〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%、
さらに好ましくは5〜10重量%である。当該含有量が
1重量%未満であるとその併用効果が望めず、逆に30
重量%を越えると塗膜物性を低下させ、好ましくない。
【0050】B.水中防汚塗料 本発明の水中防汚塗料は、低毒性で安全性が高く、かつ
長期にわたってヒドロ虫、オベリア等の腔腸動物;フジ
ツボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラ等の貝類;カサ
ネカンザシ、ヒトエカンザシ、ヤッコカンザシ、ウズマ
キゴカイ等の管棲多毛類、およびその他の水棲汚損生物
に対して優れた付着防止効果を示す。
【0051】本発明の水中防汚塗料は、トリフェニルボ
ロン含有ポリマーを水溶性樹脂または非水溶性樹脂に配
合し、ペイントコンディショナー、ホモミキサー等を用
いて混合分散することにより調製される。その他塗料に
一般的に用いられる成分、溶剤(キシレン、メチルイソ
ブチルケトン、n−ブタノール、酢酸ブチル等)、顔料
(ベンガラ、酸化チタン、酸化亜鉛等)、可塑剤、充填
剤(タルク、微粉シリカ等)、硬化促進剤等の添加剤を
必要に応じて配合することもできる。
【0052】本発明の水中防汚剤中、トリフェニルボロ
ン含有ポリマーの含有量は、その適用環境によって任意
に変更できるが、好ましくは1〜80重量%、より好ま
しくは3〜40重量%である。当該含有量が1重量%未
満であると、水棲汚損生物に対する付着防止効果が不足
し、逆に80重量%を越えると塗料の粘度が大きくな
り、取り扱いが困難となり、好ましくない。
【0053】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマー
を水中防汚剤として使用する場合、当該ポリマーだけで
も水棲汚損生物に対する優れた付着防止効果を発揮する
が、シリコーンオイル、溶出調整剤、本発明におけるト
リフェニルボロン含有ポリマー以外の防汚成分を配合す
ることにより、より優れた付着防止効果を発揮できる。
シリコーンオイル、溶出調製剤、トリフェニルボロン含
有ポリマー以外の防汚成分等は、漁網防汚剤の説明にお
いて記載したようなものが挙げられる。また、必要に応
じて、漁網防汚剤の説明において記載したような各種樹
脂を配合してもよい。
【0054】シリコーンオイルの含有量は、その適用環
境によって任意に変更できるが、水中防汚塗料中、好ま
しくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜2
5重量%である。当該含有量が0.1重量%未満である
とその併用効果は望めず、逆に50重量%を越えると塗
膜物性を低下させ、好ましくない。
【0055】トリフェニルボロン含有ポリマー以外の防
汚成分と本発明のトリフェニルボロン含有ポリマーとの
重量比は、その適用環境によって任意に変更できるが、
好ましくは1:50〜50:1、より好ましくは1:2
5〜25:1、さらに好ましくは1:10〜10:1の
範囲である。上記の防汚成分が上記範囲より多いと塗膜
物性を低下させ、逆に少ないと併用効果が望めず、好ま
しくない。
【0056】溶出調製剤の含有量は、その適用環境によ
って任意に変更できるが、漁網防汚剤中、好ましくは1
〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%、さらに
好ましくは5〜10重量%である。当該含有量が1重量
%未満であるとその併用効果が望めず、逆に30重量%
を越えると塗膜物性を低下させ、好ましくない。
【0057】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、特に明記しない限り配合は重量%を示
す。また、表中、トリフェニルボロンはTPBと略す。
【0058】実施例1 <ジ(トリフェニルボロン)−
3,3’−イミノビス(プロピルアミン)付加物(トリ
フェニルボロン付加物A)の合成> メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロート、温度計を
取り付けた1Lの四つ口フラスコに、トリフェニルボロ
ンの水酸化ナトリウム付加物水溶液(東京化成株式会社
製;9%水溶液)860.5gを仕込み、撹拌を開始し
た。3,3’−イミノビス(プロピルアミン)(和光純
薬工業(株)試薬)の18.4gを蒸留水18.4gに
溶解した水溶液を、室温にて、滴下ロートから徐々に滴
下する。滴下終了後、50℃で3時間撹拌した。析出物
を濾取し、水洗した後、乾燥すると、白色粉体物質8
1.6gを得た。得られた化合物を元素分析およびIR
(赤外線)スペクトルにて分析した結果、目的物のジ
(トリフェニルボロン)−3,3’−イミノビス(プロ
ピルアミン)付加物(トリフェニルボロン付加物A)で
あることが確認された。融点は167〜169℃であっ
た。
【0059】実施例2 <トリフェニルボロン含有ポリ
マーAの合成> メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロート、温度計を
取り付けた300mLの四つ口フラスコに、メタクリル
酸/メチルメタアクリレート/2−エチルヘキシルアク
リレート共重合体(Mw=約1万、樹脂固形分酸価4
6.0mgKOH/g)の40%キシレン/n−BuO
H溶液90.5gを仕込み、攪拌を開始した。50℃に
昇温した後、実施例1で合成したトリフェニルボロン−
3,3’−イミノビス(プロピルアミン)付加物(トリ
フェニルボロン付加物A)18.5g投入し、キシレン
166gを加えた。完溶確認後、同温度で3時間撹拌
し、反応を完結させた。反応終了後、減圧下にて溶媒を
留去して除去し、乾燥して淡黄白色樹脂状物(TPB含
有ポリマーA)を得た。IR(赤外線)スペクトルにて
分析した結果、目的物であることが確認された。
【0060】実施例3 <トリフェニルボロン含有ポリ
マーBの合成> メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロート、温度計を
取り付けた300mLの四つ口フラスコに、アクリル酸
/メチルメタアクリレート/エチルアクリレート共重合
体(Mw=5千、樹脂固形分酸価53.6mgKOH/
g)の50%キシレン/プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル(PGM)=80/20(wt/wt%)溶
液61.9gを仕込み、攪拌を開始した。50℃に昇温
した後、実施例1で合成したトリフェニルボロン−3,
3’−イミノビス(プロピルアミン)付加物(トリフェ
ニルボロン付加物A)18.5g投入し、キシレン/P
GM混合溶媒167gを加えた。完溶確認後、同温度で
3時間撹拌し、反応を完結させた。反応終了後、減圧下
にて溶媒を留去して除去し、乾燥して淡黄白色樹脂状物
(TPB含有ポリマーB)を得た。IR(赤外線)スペ
クトルにて分析した結果、目的物であることが確認され
た。
【0061】実施例4 <トリフェニルボロン含有ポリ
マーCの合成> メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロート、温度計を
取り付けた300mLの四つ口フラスコに、アクリル酸
/メチルメタアクリレート/2−エチルヘキシルアクリ
レート共重合体(Mw=5千、樹脂固形分酸価53.6
mgKOH/g)の50%キシレン/プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル(PGM)=80/20(wt
/wt%)溶液61.9gを仕込み、攪拌を開始した。
50℃に昇温した後、実施例1で合成したトリフェニル
ボロン−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)付加
物(トリフェニルボロン付加物A)18.5g投入し、
キシレン/PGM混合溶媒167gを加えた。完溶確認
後、同温度で3時間撹拌し、反応を完結させた。反応終
了後、減圧下にて溶媒を留去して除去し、乾燥して淡黄
白色樹脂状物(TPB含有ポリマーC)を得た。IR
(赤外線)スペクトルにて分析した結果、目的物である
ことが確認された。
【0062】実施例5〜13および比較例1〜3 <漁
網防汚剤の処方例> 実施例2〜4で得たポリマー溶液A〜Cを用いて、本発
明の漁網防汚剤を表1に示す配合により調製した。ま
た、同様に比較例1〜3の漁網防汚剤を調製した。
【表1】
【0063】実施例14〜19および比較例4〜7 <
船底防汚塗料の処方例> 実施例2〜3で得たポリマーA〜Cを用いて、本発明の
船底塗料を表2に示す配合により調製した。また、同様
に比較例4〜7の船底防汚塗料を調製した。
【表2】
【0064】漁網防汚剤効果試験例 本発明の実施例5〜13および比較例1〜3に示した漁
網防汚剤を、それぞれポリエチレン製無結節網(6節、
400デニール/60本)に浸漬塗布して風乾した後、
金枠にセットした。これらの試験網を高知県宿毛市沖の
海面下約1.5mに浸海して水棲生物の付着による試験
網の汚損状態を観察した。以下に示した基準により網の
汚損状況を評価し、結果を表3に示した。網の汚損状況
の評価基準 評価A:漁網の汚損面積0%。付着生物なし。 評価B:漁網の汚損面積0〜10%。わずかに付着生物
が存在するが、実用上差し支えない。 評価C:漁網の汚損面積10〜50%。付着生物が多
く、もはや漁網として使用できない。 評価D:漁網の汚損面積50%以上。著しく多量に生物
が付着。
【表3】
【0065】比較例1〜3、および無処理網には、1ヶ
月〜2ヶ月後には、フジツボやカサネカンザシをはじめ
とする多数の生物が付着した。一方、実施例5〜13で
は、少なくとも4ヶ月間、浸海した網に貝類、管棲多毛
類、およびその他の水棲生物の付着は全く認められなか
った。
【0066】船底塗料効果試験例 本発明の実施例14〜19および比較例4〜7に示した
船底塗料を50×100×2mmの硬質塩化ビニル板の
両面に約100ミクロンの乾燥塗膜が得られるように塗
布した。1日風乾した後、これらの試験板を高知県宿毛
市沖の海面下約1.5mに浸海して水棲生物の付着によ
る試験板の汚損状態を観察した。以下に示した基準によ
り網の汚損状況を評価し、結果を表4に示した。試験板
の汚損状況の評価基準 評価A:試験板の汚損面積0%。付着生物なし。 評価B:試験板の汚損面積0〜10%。わずかに付着生
物が存在するが、実用上差し支えない。 評価C:試験板の汚損面積10〜50%。付着生物が多
く、船底塗料としての用をなさず。 評価D:試験板の汚損面積50%以上。著しく多量に生
物が付着。
【表4】
【0067】比較例4〜7、および無処理板には、1ヶ
月〜4ヶ月後には、フジツボやカサネカンザシをはじめ
とする多数の生物が付着した。一方、実施例14〜19
では、6ヶ月間浸海した試験板に貝類、管棲多毛類、お
よびその他の水棲生物の付着は全く認められなかった。
【0068】
【発明の効果】本発明のトリフェニルボロン含有ポリマ
ーを含有する水棲汚損生物による付着防止剤、例えば、
漁網防汚剤、船底防汚塗料を用いることによって、漁網
や船底等に、ヒドロ虫、オベリア等の腔腸動物、フジツ
ボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラ等の貝類、およ
び、カサネカンザシ、ヒトエカンザシ、ヤッコカンザ
シ、ウズマキゴカイ等の管棲多毛類、あるいはその他の
水棲生物の付着が極めて少なく、優れた防汚効果を示す
ことが判明した。
【0069】また、本発明のトリフェニルボロン含有ポ
リマーは、有効成分のみならずバインダー(結着剤)と
しての機能を有し、他の防汚成分や塗料樹脂との混和性
に優れ、環境に与える悪影響も少ない。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られたポリマーのIR(赤外線)
スペクトルを示す。
【図2】実施例3で得られたポリマーのIR(赤外線)
スペクトルを示す。
【図3】実施例4で得られたポリマーのIR(赤外線)
スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/04 C09D 183/04 (72)発明者 古賀 裕二 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富ファインケミカル株式会社研究開発本部 研究所内 Fターム(参考) 4H011 AD01 BB16 BB19 BC19 DA23 DH08 DH19 4J038 CL001 DL032 JC01 KA02 NA05 PB02 PB07 4J100 AB07P AG04P AJ01P AJ10P AK07Q AK12Q AL08P BA03P BA16P BA32H BC43P HA31 HC43

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1): 【化1】 〔式中、R、RおよびRは、それぞれ水素原子お
    よび1〜4個の炭素原子を有するアルキル基よりなる群
    から選択され、R、Rは、各々同一または異なっ
    て、−C(=O)−または−O−構造を含んでいてもよ
    い炭素数1〜18のアルキレン基、−C(=O)−また
    は−O−構造を含んでいてもよい炭素数2−18のアル
    ケニレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アラルケ
    ニレン基を示し、Xは炭素数1〜18のアルキレン基、
    フェニレン基、ベンジレン基、−C(=O)−基、−C
    (=O)−O−R−基、−O−R−基、または−C
    (=O)−O−R−O−C(=O)−基(ここでR
    は炭素数1〜18のアルキレン基もしくはフェニレン基
    を示す)を、mは0または1を示す〕で表されるトリフ
    ェニルボロン含有構成単位を含むポリマー。
  2. 【請求項2】重量平均分子量が1,000〜1,00
    0,000である、請求項1記載のポリマー。
  3. 【請求項3】さらに、一般式(1)で表される構成単位
    以外の重合性不飽和モノマー由来の構成単位を含む、請
    求項1記載のポリマー。
  4. 【請求項4】重合性不飽和モノマーが一般式(2): 【化2】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル
    基を示し、Mは金属原子または珪素原子を示し、Mが金
    属原子のとき、R、RおよびR10はそれぞれ同一
    または異なってもよい有機酸残基を示し、Mが珪素原子
    のとき、R、RおよびR10はそれぞれ同一または
    異なって、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基ま
    たはシクロアルキル基を示し、pおよびqは、Mが2価
    の金属原子のとき、ともに0を示し、Mが3価の金属原
    子のとき、pが1、qが0を示し、Mが4価の珪素原子
    のとき、ともに1を示す)で表される、請求項3記載の
    ポリマー。
  5. 【請求項5】金属原子が、亜鉛、銅、マグネシウムであ
    る、請求項4記載のポリマー。
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載のポリマーとシリコーン
    オイル、溶出調整剤および請求項1記載のポリマー以外
    の防汚成分からなる群より選ばれる少なくとも1つを含
    有する組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜5記載のポリマーとシリコーン
    オイル、溶出調整剤および請求項1記載のポリマー以外
    の防汚成分からなる群より選ばれる少なくとも1つを含
    有する汚損防止剤。
  8. 【請求項8】漁網防汚剤用である、請求項6または7記
    載の汚損防止剤。
  9. 【請求項9】水中防汚塗料用である、請求項6または7
    記載の汚損防止剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4806884B2 (ja) * 1999-07-21 2011-11-02 株式会社エーピーアイ コーポレーション トリフェニルボロン含有ポリマーおよびその用途

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