JP3220945B2 - 防汚性塗料組成物 - Google Patents
防汚性塗料組成物Info
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- JP3220945B2 JP3220945B2 JP34155991A JP34155991A JP3220945B2 JP 3220945 B2 JP3220945 B2 JP 3220945B2 JP 34155991 A JP34155991 A JP 34155991A JP 34155991 A JP34155991 A JP 34155991A JP 3220945 B2 JP3220945 B2 JP 3220945B2
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- acrylate
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、水中における防汚機能
を長期間発揮する塗膜を形成することのできる新規な防
汚性塗料組成物に関し、更に詳しくはその防汚性塗料組
成物のビヒクル成分に用いる共重合体に関する。
を長期間発揮する塗膜を形成することのできる新規な防
汚性塗料組成物に関し、更に詳しくはその防汚性塗料組
成物のビヒクル成分に用いる共重合体に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、船舶や海洋構造物の没水部には、
フジツボ、フナクイムシ、藻類等海中生物の付着による
腐食防止や船舶の航行速度の低下防止を目的として、ロ
ジン系や有機錫を含有する防汚塗料が塗装されている。
また養殖用の網においても、海中生物の付着による魚介
類の致死防止等の目的でロジン系や有機錫を含有する防
汚塗料が塗装されている。
フジツボ、フナクイムシ、藻類等海中生物の付着による
腐食防止や船舶の航行速度の低下防止を目的として、ロ
ジン系や有機錫を含有する防汚塗料が塗装されている。
また養殖用の網においても、海中生物の付着による魚介
類の致死防止等の目的でロジン系や有機錫を含有する防
汚塗料が塗装されている。
【０００３】この防汚塗料においては、その塗膜に含ま
れるロジン及び防汚成分が水中に溶出することによって
防汚効果を発揮するものであるが、該塗膜は長時間にわ
たって水中に浸漬されていると、徐々に溶出分が少なく
なって不溶出分が多くなり、それと共に塗膜面が凸凹状
となり、そのため海中生物等の生物の付着防止効果が著
しく劣化してくる。また、有機錫含有塗料は毒性が強い
ことから魚介類に対して悪影響を及ぼす。そのために、
毒性が少なくかつ長期にわたり水中で防汚機能を発揮す
る防汚性塗料組成物の開発に対する要望はきわめて強く
なっている。
れるロジン及び防汚成分が水中に溶出することによって
防汚効果を発揮するものであるが、該塗膜は長時間にわ
たって水中に浸漬されていると、徐々に溶出分が少なく
なって不溶出分が多くなり、それと共に塗膜面が凸凹状
となり、そのため海中生物等の生物の付着防止効果が著
しく劣化してくる。また、有機錫含有塗料は毒性が強い
ことから魚介類に対して悪影響を及ぼす。そのために、
毒性が少なくかつ長期にわたり水中で防汚機能を発揮す
る防汚性塗料組成物の開発に対する要望はきわめて強く
なっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、魚介類に悪
影響を及ぼすことなく、長期間にわたって水中で防汚効
果を発揮する防汚性塗料組成物を提供することを目的と
する。特にこの防汚性塗料組成物のビヒクル成分に用い
る長期間にわたり微水溶性を維持できる共重合体を提供
することを目的とする。
影響を及ぼすことなく、長期間にわたって水中で防汚効
果を発揮する防汚性塗料組成物を提供することを目的と
する。特にこの防汚性塗料組成物のビヒクル成分に用い
る長期間にわたり微水溶性を維持できる共重合体を提供
することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成できる塗料組成物について鋭意研究を重ねた結
果、次の特定の共重合体樹脂をビヒクル成分とする防汚
性塗料組成物が優れた性能を有することを見出し本発明
を完成した。すなわち、本発明は、 （ａ）２価以上の金属の塩の対イオンとして、カルボキシル基とビニル基を有す る化合物（当該化合物が分子内に有するカルボキシル基とビニル基は各々１個ず つである）が２〜３個イオン結合している重合性単量体 ２〜３０重量％ （ｂ）水酸基及び／又はアミノ基を含有するビニル単量体 ２〜３０重量％ （ｃ）共重合可能な他の単量体 ４０〜９６重量％ からなる共重合体をビヒクル成分とする防汚性塗料組成
物である。
を達成できる塗料組成物について鋭意研究を重ねた結
果、次の特定の共重合体樹脂をビヒクル成分とする防汚
性塗料組成物が優れた性能を有することを見出し本発明
を完成した。すなわち、本発明は、 （ａ）２価以上の金属の塩の対イオンとして、カルボキシル基とビニル基を有す る化合物（当該化合物が分子内に有するカルボキシル基とビニル基は各々１個ず つである）が２〜３個イオン結合している重合性単量体 ２〜３０重量％ （ｂ）水酸基及び／又はアミノ基を含有するビニル単量体 ２〜３０重量％ （ｃ）共重合可能な他の単量体 ４０〜９６重量％ からなる共重合体をビヒクル成分とする防汚性塗料組成
物である。
【０００６】以下、本発明の防汚性塗料組成物で使用す
るビヒクル用共重合体について詳しく説明する。先ず、
その各単量体成分について説明する。 （ａ）２価以上の金属の塩の対イオンとして、カルボキ
シル基とビニル基を有する化合物（当該化合物が分子内
に有するカルボキシル基とビニル基は各々１個ずつであ
る）が２〜３個イオン結合している重合性単量体につい
て。この（ａ）の単量体成分は、本発明の防汚性塗料組
成物を塗布して形成された塗膜が海水中において常に新
鮮な塗膜を露出し、長期間にわたって防汚性能を維持す
ることができるよう塗膜に微水溶性を付与するための成
分である。その機構は明確には解明されていないが、金
属を含有する一般の化合物や二重結合を１個のみ含有す
る単量体を使用した場合に比べ卓越した長期にわたる防
汚性能を付与することができる。
るビヒクル用共重合体について詳しく説明する。先ず、
その各単量体成分について説明する。 （ａ）２価以上の金属の塩の対イオンとして、カルボキ
シル基とビニル基を有する化合物（当該化合物が分子内
に有するカルボキシル基とビニル基は各々１個ずつであ
る）が２〜３個イオン結合している重合性単量体につい
て。この（ａ）の単量体成分は、本発明の防汚性塗料組
成物を塗布して形成された塗膜が海水中において常に新
鮮な塗膜を露出し、長期間にわたって防汚性能を維持す
ることができるよう塗膜に微水溶性を付与するための成
分である。その機構は明確には解明されていないが、金
属を含有する一般の化合物や二重結合を１個のみ含有す
る単量体を使用した場合に比べ卓越した長期にわたる防
汚性能を付与することができる。
【０００７】（ａ）の単量体成分が含有する金属は、周
期律表のIｂ、IIａ、IIｂ、IIIａ、IIIｂ、IVａ、IV
ｂ、Vａ、Vｂ、VIｂ、VIIｂ及びVIII属金属から選ばれ
るものである。この金属として例えばＣｕ、Ｚｎ、Ｎ
ｉ、Ｃｏ、Ｐｂ、Ａｌ、Ｓｎ、Ｍｇ等２価以上のものが
挙げられる。（ａ）の単量体成分は例えばアクリル酸ア
ルミニウム〔Ａｌ（ＡＡ）3〕、アクリル酸亜鉛〔Ｚｎ
（ＡＡ）2〕、メタクリル酸亜鉛〔Ｚｎ（ＭＡＡ）2〕、
メタクリル酸マグネシウム〔Ｍｇ（ＭＡＡ）2〕等であ
る。 （ａ）の単量体成分の共重合体に占める割合は、２〜３
０％の範囲にあるときが最も適している。（ａ）の単量
体成分が２％よりも低い場合には塗膜の溶ける速度が遅
くなり過ぎ、微水溶性を付与するという所期の目的が達
成できない。また、逆に（ａ）の単量体成分が３０％を
越える場合には塗膜の溶ける速度が速くなり過ぎ、塗膜
が持つべき本来の恒久的な防汚性能を維持することがで
きなくなる。
期律表のIｂ、IIａ、IIｂ、IIIａ、IIIｂ、IVａ、IV
ｂ、Vａ、Vｂ、VIｂ、VIIｂ及びVIII属金属から選ばれ
るものである。この金属として例えばＣｕ、Ｚｎ、Ｎ
ｉ、Ｃｏ、Ｐｂ、Ａｌ、Ｓｎ、Ｍｇ等２価以上のものが
挙げられる。（ａ）の単量体成分は例えばアクリル酸ア
ルミニウム〔Ａｌ（ＡＡ）3〕、アクリル酸亜鉛〔Ｚｎ
（ＡＡ）2〕、メタクリル酸亜鉛〔Ｚｎ（ＭＡＡ）2〕、
メタクリル酸マグネシウム〔Ｍｇ（ＭＡＡ）2〕等であ
る。 （ａ）の単量体成分の共重合体に占める割合は、２〜３
０％の範囲にあるときが最も適している。（ａ）の単量
体成分が２％よりも低い場合には塗膜の溶ける速度が遅
くなり過ぎ、微水溶性を付与するという所期の目的が達
成できない。また、逆に（ａ）の単量体成分が３０％を
越える場合には塗膜の溶ける速度が速くなり過ぎ、塗膜
が持つべき本来の恒久的な防汚性能を維持することがで
きなくなる。
【０００８】（ｂ）水酸基及び／又はアミノ基を含有す
るビニル単量体について。 この（ｂ）の単量体成分も、本発明の防汚性塗料組成物
を塗布して形成された塗膜が海水中において常に新鮮な
塗膜を露出し、長期間にわたって防汚性能を維持するこ
とができるよう塗膜に微水溶性を付与するための成分で
ある。この（ｂ）の単量体成分の共重合体に占める割合
は、２〜３０％の範囲にあるときが最も適している。
（ｂ）の単量体成分が２％よりも低い場合には塗膜の溶
ける速度が遅くなり過ぎ、微水溶性を付与するという所
期の目的が達成できない。また、逆に（ｂ）の単量体成
分が３０％を越える場合には塗膜の溶ける速度が速くな
り過ぎ、塗膜が持つべき本来の恒久的な防汚性能を維持
することができなくなる。
るビニル単量体について。 この（ｂ）の単量体成分も、本発明の防汚性塗料組成物
を塗布して形成された塗膜が海水中において常に新鮮な
塗膜を露出し、長期間にわたって防汚性能を維持するこ
とができるよう塗膜に微水溶性を付与するための成分で
ある。この（ｂ）の単量体成分の共重合体に占める割合
は、２〜３０％の範囲にあるときが最も適している。
（ｂ）の単量体成分が２％よりも低い場合には塗膜の溶
ける速度が遅くなり過ぎ、微水溶性を付与するという所
期の目的が達成できない。また、逆に（ｂ）の単量体成
分が３０％を越える場合には塗膜の溶ける速度が速くな
り過ぎ、塗膜が持つべき本来の恒久的な防汚性能を維持
することができなくなる。
【０００９】（ｂ）の単量体成分を例示する。水酸基を
含有するビニル単量体としては、例えば２−ヒドロキエ
チル（メタ）アクリレ−ト、２−ヒドロキシプロピル
（メタ）アクリレ−ト、３−ヒドロキシプロピル（メ
タ）アクリレ−ト、２−ヒドロキシブチル（メタ）アク
リレ−ト、４−ヒドロキ（メタ）アクリレ−ト等が挙げ
られる。また２−ヒドロキシエチル（メタ）アクリレ−
トとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドγ−ブ
チロラクトン又はε−カプロラクトン等との付加物も使
用でき、２−ヒドロキシエチル（メタ）アクリレ−ト、
２−ヒドロキシプロピル（メタ）アクリレ−ト等の二量
体、三量体等も使用できる。更にはグリセロ−ル（メ
タ）アクリレ−トの如く水酸基を複数有する単量体も使
用できる。
含有するビニル単量体としては、例えば２−ヒドロキエ
チル（メタ）アクリレ−ト、２−ヒドロキシプロピル
（メタ）アクリレ−ト、３−ヒドロキシプロピル（メ
タ）アクリレ−ト、２−ヒドロキシブチル（メタ）アク
リレ−ト、４−ヒドロキ（メタ）アクリレ−ト等が挙げ
られる。また２−ヒドロキシエチル（メタ）アクリレ−
トとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドγ−ブ
チロラクトン又はε−カプロラクトン等との付加物も使
用でき、２−ヒドロキシエチル（メタ）アクリレ−ト、
２−ヒドロキシプロピル（メタ）アクリレ−ト等の二量
体、三量体等も使用できる。更にはグリセロ−ル（メ
タ）アクリレ−トの如く水酸基を複数有する単量体も使
用できる。
【００１０】アミノ基を含有するビニル単量体としては
ブチルアミノエチル（メタ）アクリレ−ト、（メタ）ア
クリルアミド等の第一級及び第二級アミノ基含有ビニル
単量体等が挙げられる。また、第三級アミノ基含有ビニ
ル単量体としてはジメチルアミノエチル（メタ）アクリ
レ−ト、ジエチルアミノエチル（メタ）アクリレ−ト、
ジメチルアミノプロピル（メタ）アクリレ−ト、ジメチ
ルアミノブチル（メタ）アクリレ−ト、ジブチルアミノ
エチル（メタ）アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル
（メタ）アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル（メ
タ）アクリルアミド等が挙げられる。その他ビニルピロ
リドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾ−ルの如き複
素環族系塩基性単量体等も使用できる。
ブチルアミノエチル（メタ）アクリレ−ト、（メタ）ア
クリルアミド等の第一級及び第二級アミノ基含有ビニル
単量体等が挙げられる。また、第三級アミノ基含有ビニ
ル単量体としてはジメチルアミノエチル（メタ）アクリ
レ−ト、ジエチルアミノエチル（メタ）アクリレ−ト、
ジメチルアミノプロピル（メタ）アクリレ−ト、ジメチ
ルアミノブチル（メタ）アクリレ−ト、ジブチルアミノ
エチル（メタ）アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル
（メタ）アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル（メ
タ）アクリルアミド等が挙げられる。その他ビニルピロ
リドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾ−ルの如き複
素環族系塩基性単量体等も使用できる。
【００１１】（ｃ）の共重合可能な他の単量体につい
て。 （ｃ）の単量体成分としては、メチル（メタ）アクリレ
−ト、エチル（メタ）アクリレ−ト、ｎ−プロピル（メ
タ）アクリレ−ト、ｉ−プロピル（メタ）アクリレ−
ト、ｎ−ブチル（メタ）アクリレ−ト、ｉ−ブチル（メ
タ）アクリレ−ト、ｔ−ブチル（メタ）アクリレ−ト、
２−エチルヘキシル（メタ）アクリレ−ト、ラウリル
（メタ）アクリレ−ト、ステアリル（メタ）アクリレ−
ト、ベンジル（メタ）アクリレ−ト、フェニル（メタ）
アクリレ−ト、イソボルニル（メタ）アクリレ−ト、シ
クロヘキシル（メタ）アクリレ−ト、グリシジル（メ
タ）アクリレ−トの如き（メタ）アクリル酸エステル類
をはじめ（メタ）アクリル酸などのカルボン酸類、また
イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、更にはこれらの半
エステル、ジエステル等が挙げられる。その他スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、（メタ）ア
クリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等も
使用できる。
て。 （ｃ）の単量体成分としては、メチル（メタ）アクリレ
−ト、エチル（メタ）アクリレ−ト、ｎ−プロピル（メ
タ）アクリレ−ト、ｉ−プロピル（メタ）アクリレ−
ト、ｎ−ブチル（メタ）アクリレ−ト、ｉ−ブチル（メ
タ）アクリレ−ト、ｔ−ブチル（メタ）アクリレ−ト、
２−エチルヘキシル（メタ）アクリレ−ト、ラウリル
（メタ）アクリレ−ト、ステアリル（メタ）アクリレ−
ト、ベンジル（メタ）アクリレ−ト、フェニル（メタ）
アクリレ−ト、イソボルニル（メタ）アクリレ−ト、シ
クロヘキシル（メタ）アクリレ−ト、グリシジル（メ
タ）アクリレ−トの如き（メタ）アクリル酸エステル類
をはじめ（メタ）アクリル酸などのカルボン酸類、また
イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、更にはこれらの半
エステル、ジエステル等が挙げられる。その他スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、（メタ）ア
クリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等も
使用できる。
【００１２】次ぎに本発明の防汚性塗料組成物のビヒク
ル成分として使用する共重合体の重合について説明す
る。本発明で用いる共重合体は、公知の方法にしたがっ
て製造される。すなわち、上記した（ａ）、（ｂ）及び
（ｃ）の単量体を混合し、この混合物をラジカル重合開
始剤の存在下に６０〜１８０℃の反応温度において５〜
１４時間反応を続けて重合させる。重合方法は、有機溶
剤中で行う溶液重合法のほかに乳化重合法、懸濁重合
法、塊状重合法等が採用できるが、トルエン、キシレ
ン、メチルイソブチルケトン、酢酸ｎ−ブチル等の一般
の有機溶剤を用いる溶液重合法を採用するのが生産性、
性能の点で有利である。
ル成分として使用する共重合体の重合について説明す
る。本発明で用いる共重合体は、公知の方法にしたがっ
て製造される。すなわち、上記した（ａ）、（ｂ）及び
（ｃ）の単量体を混合し、この混合物をラジカル重合開
始剤の存在下に６０〜１８０℃の反応温度において５〜
１４時間反応を続けて重合させる。重合方法は、有機溶
剤中で行う溶液重合法のほかに乳化重合法、懸濁重合
法、塊状重合法等が採用できるが、トルエン、キシレ
ン、メチルイソブチルケトン、酢酸ｎ−ブチル等の一般
の有機溶剤を用いる溶液重合法を採用するのが生産性、
性能の点で有利である。
【００１３】本発明で使用する共重合体は数平均分子量
５，０００〜１００，０００の範囲のものである。５０
００未満では長期の防汚性能が劣り好ましくなく、また
１００，０００を越えると防汚剤が溶出しにくくなると
共に塗装作業がしにくくなるので好ましくない。また、
本発明で使用する共重合体のガラス転移温度は−２０〜
５０℃の範囲のものである。−２０℃未満では塗膜に粘
着性を生じ５０℃を越えると塗膜がもろくなるためいず
れも好ましくない。
５，０００〜１００，０００の範囲のものである。５０
００未満では長期の防汚性能が劣り好ましくなく、また
１００，０００を越えると防汚剤が溶出しにくくなると
共に塗装作業がしにくくなるので好ましくない。また、
本発明で使用する共重合体のガラス転移温度は−２０〜
５０℃の範囲のものである。−２０℃未満では塗膜に粘
着性を生じ５０℃を越えると塗膜がもろくなるためいず
れも好ましくない。
【００１４】防汚性塗料組成物は、本発明の共重合体を
ビヒクル成分とし、これに従来公知の防汚剤を配合して
製造する。本発明の共重合体は長期にわたり塗膜に微水
溶性を付与するという特徴を有し、したがってこの共重
合体をビヒクル成分として使用すると、配合された防汚
剤は均一にかつ徐々に海水中に溶出し、その結果長期に
わたり優れた防汚性が発揮される。防汚剤としては、要
求性能に応じて従来使用されている公知の防汚剤、例え
ば亜酸化銅、チオシアン銅、銅粉末等の銅系防汚剤を始
め、鉛、亜鉛、ニッケル等その他の金属化合物、ジフェ
ニルアミン等のアミン誘導体、ニトリル化合物、ベンゾ
チアゾ−ル系化合物、マレイミド系化合物、ピリジン系
化合物等が単独あるいは複数で使用される。
ビヒクル成分とし、これに従来公知の防汚剤を配合して
製造する。本発明の共重合体は長期にわたり塗膜に微水
溶性を付与するという特徴を有し、したがってこの共重
合体をビヒクル成分として使用すると、配合された防汚
剤は均一にかつ徐々に海水中に溶出し、その結果長期に
わたり優れた防汚性が発揮される。防汚剤としては、要
求性能に応じて従来使用されている公知の防汚剤、例え
ば亜酸化銅、チオシアン銅、銅粉末等の銅系防汚剤を始
め、鉛、亜鉛、ニッケル等その他の金属化合物、ジフェ
ニルアミン等のアミン誘導体、ニトリル化合物、ベンゾ
チアゾ−ル系化合物、マレイミド系化合物、ピリジン系
化合物等が単独あるいは複数で使用される。
【００１５】その他防汚剤ではないが、塗膜の表面に潤
滑性を付与し、生物の付着を防止する目的でジメチルポ
リシロキサン、シリコ−ンオイル等のシリコン化合物や
フッ化炭素等の含フッ素化合物等も使用することができ
る。更に本発明の防汚性塗料組成物は、前記した防汚剤
以外にも体質顔料、着色顔料、可塑剤、各種塗料用添加
剤、その他の樹脂等を必要に応じて配合することができ
る。
滑性を付与し、生物の付着を防止する目的でジメチルポ
リシロキサン、シリコ−ンオイル等のシリコン化合物や
フッ化炭素等の含フッ素化合物等も使用することができ
る。更に本発明の防汚性塗料組成物は、前記した防汚剤
以外にも体質顔料、着色顔料、可塑剤、各種塗料用添加
剤、その他の樹脂等を必要に応じて配合することができ
る。
【００１６】本発明の組成物を用いて塗膜を形成には、
前記した防汚性塗料組成物を、船舶、各種漁網、港湾施
設、オイルフェンス、橋梁、海底基地等の水中構造物等
の基材表面に直接もしくは、基材にウオッシュプライマ
−、塩化ゴム系、エポキシ系等のプライマ−、中塗り塗
料等を塗布した塗膜の上に刷毛塗、吹き付け塗り、ロ−
ラ−塗り、浸漬塗り等の手段で塗布する。塗布量は一般
的には乾燥塗膜として５０〜４００μｍの厚さの範囲で
ある。塗膜の乾燥は一般的には室温で行われるが、加熱
乾燥を行っても差し支えない。
前記した防汚性塗料組成物を、船舶、各種漁網、港湾施
設、オイルフェンス、橋梁、海底基地等の水中構造物等
の基材表面に直接もしくは、基材にウオッシュプライマ
−、塩化ゴム系、エポキシ系等のプライマ−、中塗り塗
料等を塗布した塗膜の上に刷毛塗、吹き付け塗り、ロ−
ラ−塗り、浸漬塗り等の手段で塗布する。塗布量は一般
的には乾燥塗膜として５０〜４００μｍの厚さの範囲で
ある。塗膜の乾燥は一般的には室温で行われるが、加熱
乾燥を行っても差し支えない。
【００１７】
【実施例】本発明を実施例及び比較例により説明する。
なお、部及び％はそれぞれ重量部及び重量％を表す。 実施例１〜５及び比較例１〜３ 冷却器、温度計、滴下ロ−ト及び撹拌機を備えた四つ口
フラスコにｎ−ブタノ−ル３０部およびキシレン４０部
を仕込み，撹拌しながら１００℃に昇温した。つづい
て、滴下ロ−トから表１に示す単量体及び重合開始剤等
の混合物を３時間で等速滴下した。滴下終了１時間後に
タ−シャリブチルパ−オキシオクトエ−ト１部とキシレ
ン１０部を２時間で滴下し、更に２時間撹拌した後キシ
レンを２０部添加して表１に示す特性値を有するビヒク
ル用共重合体Ｐ−１〜Ｐ−８を得た。
なお、部及び％はそれぞれ重量部及び重量％を表す。 実施例１〜５及び比較例１〜３ 冷却器、温度計、滴下ロ−ト及び撹拌機を備えた四つ口
フラスコにｎ−ブタノ−ル３０部およびキシレン４０部
を仕込み，撹拌しながら１００℃に昇温した。つづい
て、滴下ロ−トから表１に示す単量体及び重合開始剤等
の混合物を３時間で等速滴下した。滴下終了１時間後に
タ−シャリブチルパ−オキシオクトエ−ト１部とキシレ
ン１０部を２時間で滴下し、更に２時間撹拌した後キシ
レンを２０部添加して表１に示す特性値を有するビヒク
ル用共重合体Ｐ−１〜Ｐ−８を得た。
【００１８】
【表１】
【００１９】〔表１において、Ａｌ（ＡＡ）3はアクリ
ル酸アルミニウム、Ｚｎ（ＭＡＡ）2はメタクリル酸亜
鉛、Ｍｇ（ＭＡＡ）2はメタクリル酸マグネシウム、Ｚ
ｎ（ＡＡ）2はアクリル酸亜鉛を表す。これらのアクリ
ル酸、メタクリル酸の金属塩は浅田化学工業株式会社製
のものを使用した。またＤＭＡＥＭＡはジメチルアミノ
エチルメタクリレ−ト、ＤＭＡＥＡＡＭはジメチルアミ
ノエチルアクリルアミド、２−ＨＥＭＡは２−ヒドロキ
シエチルメタクリレ−ト、ｔ−ＢＰＯはタ−シヤリブチ
ルパ−オキシオクトエ−トを意味し、またガラス転移点
はＤＳＣ（示差熱量計）により測定した。〕
ル酸アルミニウム、Ｚｎ（ＭＡＡ）2はメタクリル酸亜
鉛、Ｍｇ（ＭＡＡ）2はメタクリル酸マグネシウム、Ｚ
ｎ（ＡＡ）2はアクリル酸亜鉛を表す。これらのアクリ
ル酸、メタクリル酸の金属塩は浅田化学工業株式会社製
のものを使用した。またＤＭＡＥＭＡはジメチルアミノ
エチルメタクリレ−ト、ＤＭＡＥＡＡＭはジメチルアミ
ノエチルアクリルアミド、２−ＨＥＭＡは２−ヒドロキ
シエチルメタクリレ−ト、ｔ−ＢＰＯはタ−シヤリブチ
ルパ−オキシオクトエ−トを意味し、またガラス転移点
はＤＳＣ（示差熱量計）により測定した。〕
【００２０】次いで、前記共重合体６０部、亜酸化銅３
０部、亜鉛１０部、ビス（ジメチルジチオカルバミン
酸）亜鉛５部、コロイド状シリカ５部、メチルイソブチ
ルケトン１５部及びキシレン１５部を混合後、ボ−ルミ
ル中で６時間混練し防汚性塗料組成物を調整した。更に
実施例１〜５及び比較例１〜３の塗料をサンドプラスト
処理鋼板に防錆塗料を塗布してある塗板に、乾燥塗膜が
８０μｍになるように塗装し、１０日間乾燥したものを
試験板として広島県広島湾内で３６ケ月浸漬して防汚性
を評価した。その結果を表２に示す。なお表内の数字は
付着生物の付着面積を％で表した。
０部、亜鉛１０部、ビス（ジメチルジチオカルバミン
酸）亜鉛５部、コロイド状シリカ５部、メチルイソブチ
ルケトン１５部及びキシレン１５部を混合後、ボ−ルミ
ル中で６時間混練し防汚性塗料組成物を調整した。更に
実施例１〜５及び比較例１〜３の塗料をサンドプラスト
処理鋼板に防錆塗料を塗布してある塗板に、乾燥塗膜が
８０μｍになるように塗装し、１０日間乾燥したものを
試験板として広島県広島湾内で３６ケ月浸漬して防汚性
を評価した。その結果を表２に示す。なお表内の数字は
付着生物の付着面積を％で表した。
【００２１】
【表２】
【００２２】表２の結果より本発明のビヒクル用共重合
体を用いた防汚性塗料は、長期にわたり優れた防汚効果
を発揮することがわかる。本発明の好ましい実施態様は
次ぎのとおりである。 １．金属が周期律表のIｂ、IIａ、IIｂ、IIIａ、III
ｂ、IVａ、IVｂ、Vａ、Vｂ、VIｂ、VIIｂ及びVIII属金
属から選ばれた金属である請求項１記載の防汚性塗料組
成物。 ２．金属がＣｕ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｐｂ、Ａｌ、Ｓ
ｎ、Ｍｇからなる群より選ばれた金属である請求項１記
載の防汚性塗料組成物。
体を用いた防汚性塗料は、長期にわたり優れた防汚効果
を発揮することがわかる。本発明の好ましい実施態様は
次ぎのとおりである。 １．金属が周期律表のIｂ、IIａ、IIｂ、IIIａ、III
ｂ、IVａ、IVｂ、Vａ、Vｂ、VIｂ、VIIｂ及びVIII属金
属から選ばれた金属である請求項１記載の防汚性塗料組
成物。 ２．金属がＣｕ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｐｂ、Ａｌ、Ｓ
ｎ、Ｍｇからなる群より選ばれた金属である請求項１記
載の防汚性塗料組成物。
【００２３】
【発明の効果】本発明におけるビヒクル成分として用い
る共重合体は、長期にわたり微水溶性を維持できるの
で、この共重合体をビヒクル成分とした防汚性塗料用組
成物は、毒性のきわめて低い防汚剤を使用して配合した
ものでも、あるいは毒性の高い防汚剤を極力希薄濃度に
して配合したものでも、従来の毒性の高い有機錫系防汚
塗料と同等以上の長期にわたる防汚性能を有する。この
ように本発明によると、長期にわたり防汚性能が持続で
きる画期的な防汚性塗料用組成物を得ることができ、海
洋汚染防止の点からも極めて有用である。
る共重合体は、長期にわたり微水溶性を維持できるの
で、この共重合体をビヒクル成分とした防汚性塗料用組
成物は、毒性のきわめて低い防汚剤を使用して配合した
ものでも、あるいは毒性の高い防汚剤を極力希薄濃度に
して配合したものでも、従来の毒性の高い有機錫系防汚
塗料と同等以上の長期にわたる防汚性能を有する。この
ように本発明によると、長期にわたり防汚性能が持続で
きる画期的な防汚性塗料用組成物を得ることができ、海
洋汚染防止の点からも極めて有用である。
Claims (1)
- 【請求項１】 （ａ）２価以上の金属の塩の対イオンとして、カルボキシル基とビニル基を有す る化合物（当該化合物が分子内に有するカルボキシル基とビニル基は各々１個ず つである）が２〜３個イオン結合している重合性単量体 ２〜３０重量％ （ｂ）水酸基及び／又はアミノ基を含有するビニル単量体 ２〜３０重量％ （ｃ）共重合可能な他の単量体 ４０〜９６重量％ からなる共重合体をビヒクル成分とする防汚性塗料組成
物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34155991A JP3220945B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 防汚性塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34155991A JP3220945B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 防汚性塗料組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05171066A JPH05171066A (ja) | 1993-07-09 |
| JP3220945B2 true JP3220945B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=18347008
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34155991A Expired - Fee Related JP3220945B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 防汚性塗料組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3220945B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4118356B2 (ja) * | 1996-12-12 | 2008-07-16 | 日本ペイント株式会社 | 防汚塗料組成物 |
| EP1006156B1 (en) * | 1997-05-20 | 2006-07-12 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Antifouling paint compositions |
| JP2010265462A (ja) * | 1998-03-13 | 2010-11-25 | Chugoku Marine Paints Ltd | 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法 |
| JP4573929B2 (ja) * | 1999-09-06 | 2010-11-04 | 中国塗料株式会社 | ポリシロキサン−アクリル樹脂ブロック共重合体組成物、防汚剤組成物、防汚塗膜、防汚処理基材、並びに基材の防汚処理方法 |
| JP4633224B2 (ja) * | 2000-04-03 | 2011-02-16 | 中国塗料株式会社 | 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに船舶外板または水中構造物の防汚方法 |
| US6727304B2 (en) | 2000-06-28 | 2004-04-27 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Metal-containing monomer dissolved mixture, metal-containing resin and antifouling paint composition |
| JP7349312B2 (ja) * | 2019-10-07 | 2023-09-22 | 株式会社日本触媒 | 汚損生物付着抑制剤、汚損生物付着抑制用組成物、防汚塗膜及び防汚塗膜付き基材 |
-
1991
- 1991-12-24 JP JP34155991A patent/JP3220945B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05171066A (ja) | 1993-07-09 |
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