JP2002160243A - 樹脂等のプレス成形方法および成形装置 - Google Patents

樹脂等のプレス成形方法および成形装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン樹脂やSMC等の膨張、収縮
特性のある成形材料について、スライドを応答性よく昇
降してプレス成形することにある。 【解決手段】 スライド5に軸対称状に昇降用ロッド6
を複数装着してこの複数の昇降用ロッド6をACサーボ
モータ13で同調駆動してスライド5をスライドモーシ
ョンカーブにしたがって昇降してポリプロピレン樹脂等
の成形材料をプレス成形するようにしている。そして、
特にSMCや発泡樹脂材等の成形材料16の膨張、収縮
の反力に対応してACサーボモータ13を逆転、正転し
てスライド5を所定量昇降して成形材料を加圧成形する
ようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス分野におけ
る樹脂等のプレス成形方法および成形装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、SMCやBMC等の成形材料が、
各分野において広く使用されている。これらの成形材料
は成形品の均一肉厚を必要とすることから、偏心荷重が
生じないように特殊なプレス成形装置が使用されてい
る。
【0003】本出願人は、スライドをその4隅で平行に
精密に支持する油圧平行支持装置を開発し、SMCやB
MC等の成形材料を精度よく成形できる複合樹脂材の油
圧プレス成形装置を開発して市場に提供してきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】油圧プレスは、多種多
様な成形品に対してスライドの位置制御や速度制御が柔
軟的に対応できて成形しやすいという特徴がある反面、
作動油に圧縮性があるためにスライドの偏心や同期調整
の制御の難しさが常にともない、上記したようにスライ
ドの平行支持装置を設けて精度を維持するという特殊な
技術が必要となるものであった。
【0005】近年、発泡樹脂材についてもプレス成形す
る方向にあり、均一なセル組織を生成するため発泡樹脂
材の大きな膨張、収縮性に対応して応答性よくプレス成
形することが課題となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、スラ
イドを平行に昇降駆動してポリプロピレン樹脂等の成形
材料をプレス成形する樹脂等のプレス成形方法であっ
て、上記スライドに軸対称状に昇降用ロッドを複数装着
してこの複数の昇降用ロッドをACサーボモータで同調
駆動してスライドをスライドスモーションカーブにした
がって昇降するとともに、ポリプロピレン樹脂等の成形
材料の膨張、収縮の反力に対応してACサーボモータを
逆転、正転してスライドを所定量昇降して成形材料を加
圧成形することを特徴とする樹脂等のプレス成形方法お
よび装置を提供するにある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂等のプレス成形方法
および成形装置は、スライドを平行に昇降駆動してポリ
プロピレン樹脂等の成形材料をプレス成形する樹脂等の
プレス成形方法であって、上記スライドに軸対称状に昇
降用ロッドを複数装着してこの複数の昇降用ロッドをA
Cサーボモータで同調駆動してスライドをスライドスモ
ーションカーブにしたがって昇降するとともに、ポリプ
ロピレン樹脂等の成形材料の膨張、収縮の反力に対応し
てACサーボモータを逆転、正転してスライドを所定量
昇降して成形材料を加圧成形することを特徴とするもの
である。
【0008】プレス成形装置1は、図1のようにベッド
2に垂設したアップライト3の上端にクラウン4を架設
し、アップライト3間にスライド5を昇降用ロッド6を
介して昇降駆動自在に配設している。
【0009】上記スライド5には、図1のようにその4
隅部や両側等に十分な剛性の昇降用ロッド6を軸対称状
にそれぞれ垂設し、この昇降用ロッド6にスクリュウね
じ7を設けて所定長さのナット状の昇降駆動軸8を螺合
し、この昇降駆動軸8の上部を軸支部9に軸着してその
上端を所定の回転数比率とした伝達装置10の出力軸1
1にそれぞれ連結している。
【0010】そして、図1〜図3のように伝達装置10
の入力軸12にACサーボモータ13を軸着し、スライ
ド5の位置検出器14等を介してACサーボモータ13
を所定のプレスモーションカーブに対応してスライド5
を平行に高精度で昇降同調駆動制御するようにしてい
る。
【0011】伝達装置10としては、10〜20倍等の
所定の減速比や増速比とした自動無段変速や自動多段変
速のものとすることができ、たとえば、図3(a)、
(b)のように伝達装置10をいわゆる遊星歯車列の差
動歯車減速機を利用し、ACサーボモータ13として大
出力の主サーボモータ13Aと小出力の副サーボモータ
13Bをそれぞれの入力軸に接続し、それぞれの主サー
ボモータ13A、副サーボモータ13Bを図4(c)の
ように同調駆動制御して図4(a)、(b)のようにス
ライド5を所定のストローク−速度線図で昇降するよう
にしている。
【0012】また、金型15に装填するポリプロピレン
樹脂やSMC、その他の複合樹脂や発泡樹脂等の成形材
料16をスライド5で加圧成形時に発生する成形材料1
6の膨張、収縮の反力に対応して、応答性よくACサー
ボモータ13を所要の正転、逆転制御して伝達装置10
を介してスライド5を迅速に所定量上昇したり、下降し
て図5のように成形材料16の膨張、収縮に追従し、成
形材料16に過大や過小の負荷がかからずに所定の適正
な負荷でプレス成形できるようにしている。
【0013】上記ACサーボモータ13を駆動制御する
には、所定のプログラム設定にもとづいて図4のように
プレスモーションカーブに対応して同調回転制御すると
ともに、図1のようにたとえば金型15に圧力センサー
17を設けて金型15に装填する成形材料16に負荷す
る圧力を検出し、この検出圧力にもとづいて所定の設定
圧力となるように上記したようにACサーボモータ13
を回転制御してスライド5を応答性よく所定量昇降する
ようにできるものである。
【0014】なお、スライド5の同調駆動制御として
は、たとえば図6のようにスライド5の一方側の前部の
昇降用ロッド6に対して、後部側と、スライド5の他方
側の前部の昇降用ロッド6を同調制御を行い、スライド
5の上記後部側または他方側の昇降用ロッド6にもとづ
いてスライド5の他方側の後部の昇降用ロッド6の同調
制御を行ってスライド5を平行に維持するようにでき
る。
【0015】上記では、スクリュウ方式のプレスについ
て説明したが、リンクプレス、その他本発明の趣旨にも
とづく金属加工用メカニカルプレスについて適用できる
ものである。
【0016】
【実施例】図1〜図6は、本発明の一実施例を示すもの
である。プレス成形装置1は、図1のようにスクリュウ
方式のプレスとし、そのスライド5に軸対称に垂設した
昇降用ロッド6にねじ・ナット機構を介してサイクロ減
速機のような歯型形式の遊星歯車列の伝達装置10を図
3のように接続し、ACサーボモータ13である15K
W、2000r.p.mの主サーボモータ13Aと、3
KW、1925r.p.mの副サーボモータ13Bを伝
達装置10の入力軸12にそれぞれ接続して、図4
(a)、(b)、(c)のように所要のプレスモーショ
ンカーブに主サーボモータ13A、副サーボモータ13
Bを駆動制御するようにしている。
【0017】上記伝達装置10の遊星歯車列は、たとえ
ば図3(a)、(b)のようにピニオン歯車Aに一体形
成の複合歯車B、Cを係合し、腕Gの外周部に左右の歯
車D、Eを連結した連結軸Iを軸着し、歯車Dを複合歯
車Cに係合し、歯車Eを出力軸の歯車Fに係合して形成
してできるものである。Jは、ピニオン歯車Aを停止す
るためのブレーキである。
【0018】そして、主サーボモータ13Aの2000
r.p.mの回転数に対して昇降駆動軸8の回転数を
6.25r.p.mとして加圧成形に、副サーボモータ
13Bの1925r.p.mの回転数に対して昇降駆動
軸8の回転数を625r.p.mとしてスライド5の下
降や上昇するようにし、スライド位置検出器14を介し
て上記したようにスライド5を500mm/秒の高速で
の同調昇降や、0〜5mm/秒のゆっくりした同調加
圧、1000KN時の出力でプレス成形できるようにし
ている。
【0019】そしてまた、加圧時に発生する成形材料1
6の反力を金型15に設けた圧力センサー17で検知
し、ACサーボモータ13の主サーボモータ13Aを所
定回数逆転したり、正転したりして図5のようにスライ
ド5を昇降して金型15の開閉量を所定量にわたって調
整したり、プレス加圧力を調整してプレス成形していく
ようにしている。
【0020】このようにACサーボモータでスライドを
昇降駆動することによって、スライドを高速から低速
へ、また低速から高速への速度変換を円滑に行えてプレ
ス成形することができる。
【0021】そして、スライドの加圧時には小出力の副
サーボモータの回転速度を0ないし低速にして差動歯車
減速機の出力軸の回転数を所定の低速にして大出力の主
サーボモータを制御して加圧し、スライドの非加圧の下
降時や上昇時に小出力の副サーボモータの回転速度を高
速にして出力軸の回転数を所定の高速にし、所要のプレ
ススライドモーション線図となるようにしてスライドを
駆動制御でき、低騒音で、スライドの位置制御、速度制
御の迅速化、高精度化をはかることができる。
【0022】また、スクリュウねじの回動によってスラ
イドを往復駆動するようにしたスクリュウ方式のプレス
なので、副サーボモータの停止位置を変更することで容
易にスライドのストロークの所望位置で加圧工程に入る
ようにすることができ、全ストロークのどの位置でも最
大出力を負荷することが可能となるものである。
【0023】またさらに、発泡樹脂材等の成形材料の加
圧時での膨張、収縮に対応して、迅速かつ高精度の応答
特性を有するACサーボモータでスライドを所定量迅速
かつ高精度に同調駆動して昇降できるので、成形材料の
均一なセル組織の生成が可能となるものである。
【0024】なお、伝達装置として、SC型無段変速機
やチェーンベルト式無段変速機等の自動無段変速機や、
歯車多段列の自動多段変速機を上記したACサーボモー
タと組み合わせて使用することもできる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明にあっては、ACサ
ーボモータで応答特性よく、かつ精度よくスライドをプ
レスモーションカーブにしたがって同調駆動していくこ
とができるとともに、ポリプロピレン樹脂等の成形材料
の膨張、収縮の反力に対応して迅速にACサーボモータ
を逆転、正転してスライドを所定量昇降してプレス成形
できるものである。
【0026】特に、成形材料がSMC等の複合樹脂材や
発泡樹脂材に対して、ACサーボモータで応答特性よ
く、かつ精度よくスライドを微小量または所定量昇降し
て成形材料の特性に対応してプレス成形することができ
る。
【0027】また、成形用金型に成形材料の膨張、収縮
の反力を検出可能に圧力センサーを配設し、この圧力セ
ンサーに対応してACサーボモータを逆転、正転してス
ライドを所定量昇降することによって、成形が難しいS
MC等の複合樹脂材や発泡樹脂材に対しても、容易にA
Cサーボモータで応答特性よく、かつ精度よくスライド
を所定量昇降したり、プレス加圧力を所定量にわたって
調整してプレス成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の一部省略した概要図、
【図2】同上の平面図、
【図3】同上のスライド昇降駆動源部の構造説明用側面
図(a)と端面図(b)、
【図4】同上のプレスモーションカーブ(a)、速度線
図(b)、主サーボモータ、副サーボモータの回転制御
例図(c)、
【図5】同上の成形材料の加圧時の成形説明例図、
【図6】同上のスライド平行制御例図。
【符号の説明】
1…プレス成形装置 5…スライド
6…昇降用ロッド 10…伝達装置 13…ACサーボモータ
14…位置検出器 15…金型 16…成形材料
17…圧力センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 105:06 105:06 Fターム(参考) 4E090 AA01 AB01 BA02 CC04 HA07 4F202 AA11 AA36 AD16 AP02 AR09 CA09 CB01 CK17 CL02 CL22 CL38 CL40 4F204 AA11 AA36 AB02 AD16 AG20 AP02 AR09 FA01 FB01 FQ01 FQ06 FQ09 FQ40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライドを平行に昇降駆動してポリプロ
    ピレン樹脂等の成形材料をプレス成形する樹脂等のプレ
    ス成形方法であって、 上記スライドに軸対称状に昇降用ロッドを複数装着して
    この複数の昇降用ロッドをACサーボモータで同調駆動
    してスライドをスライドスモーションカーブにしたがっ
    て昇降するとともに、 ポリプロピレン樹脂等の成形材料の膨張、収縮の反力に
    対応してACサーボモータを逆転、正転してスライドを
    所定量昇降して成形材料を加圧成形することを特徴とす
    る樹脂等のプレス成形方法。
  2. 【請求項2】 成形材料がSMC等の複合樹脂材やポリ
    プロピレン樹脂等の一般樹脂材および発泡樹脂材で、こ
    の成形材料の膨張、収縮の反力に対応してACサーボモ
    ータを逆転、正転してスライドを所定量昇降して加圧成
    形する請求項1に記載の樹脂等のプレス成形方法。
  3. 【請求項3】 スライドを平行に昇降駆動してポリプロ
    ピレン樹脂等の成形材料をプレス成形する樹脂等のプレ
    ス成形装置であって、 上記スライドに軸対称状に昇降用ロッドを複数装着して
    この複数の昇降用ロッドを同調駆動可能に所定回転比の
    伝達装置を介してACサーボモータにそれぞれ接続し、 ポリプロピレン樹脂等の成形材料の膨張、収縮の反力に
    対応してACサーボモータを逆転、正転してスライドを
    所定量昇降可能にACサーボモータを駆動制御自在に形
    成したことを特徴とする樹脂等のプレス成形装置。
  4. 【請求項4】 成形用金型に成形材料の膨張、収縮の反
    力を検出可能に圧力センサーを配設し、この圧力センサ
    ーに対応してACサーボモータを逆転、正転してスライ
    ドを所定量昇降するように形成した請求項4に記載の樹
    脂等のプレス成形装置。
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