JP2002155148A - 配合ゴム組成物の製造方法、配合ゴム組成物およびゴム製品 - Google Patents

配合ゴム組成物の製造方法、配合ゴム組成物およびゴム製品

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JP2002155148A
JP2002155148A JP2000352375A JP2000352375A JP2002155148A JP 2002155148 A JP2002155148 A JP 2002155148A JP 2000352375 A JP2000352375 A JP 2000352375A JP 2000352375 A JP2000352375 A JP 2000352375A JP 2002155148 A JP2002155148 A JP 2002155148A
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Japan
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rubber
polyolefin resin
olefin
rubber composition
temperature
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Application number
JP2000352375A
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English (en)
Inventor
Hidenari Nakahama
秀斉 仲濱
Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン・α−オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴム中にポリオレフィン樹脂および
各種配合剤が含有され、ポリオレフィン樹脂が適切な粒
径とアスペクト比を持った粒子状でその共重合体ゴム中
にミクロ分散した配合ゴム組成物の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 共重合体ゴムの中に結晶性ポリオ
レフィン樹脂粒子が分散したオレフィンゴム・樹脂アロ
イと加硫剤以外の各種ゴム配合剤とを、混練機を用いて
ポリオレフィン樹脂の融点未満の温度で混合し、その後
混練温度と同一または異なる融点未満の温度でブレンド
体を排出する製造方法。あるいは、そのブレンド体をポ
リオレフィン樹脂の結晶化温度よりも10℃以上高い温
度で排出を開始し、排出されたブレンド体が結晶化温度
未満の温度に達する間は外部より剪断応力を加えない条
件で製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを用いた配合ゴ
ム組成物の製造方法、配合ゴム組成物、およびそれを成
形したゴム製品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】結晶性樹脂をフィラーとして含む
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ムは、オレフィンゴム・樹脂アロイと呼ばれ、その成形
体は、その結晶性樹脂の持つ融点あるいは結晶化温度を
利用して形状記憶性を有するゴム製品として、あるいは
発泡成形によって製造し易いスポンジゴム製品として広
い利用範囲を有している。
【0003】そのオレフィンゴム・樹脂アロイは、共重
合体ゴムを海相とする中に結晶性樹脂が粒子になって島
相を形成したミクロ分散構造をとっている。その構造に
由来するアロイの特性を十分に発揮させるためには、結
晶性樹脂粒子の平均粒径が小さく、かつ粒子のアスペク
ト比ができるだけ1に近いことが望ましく、それによっ
てアロイに必要な樹脂粒子の適切なモルフォロジーが保
たれている。仮に樹脂粒子のアスペクト比が大きくなっ
てモルフォロジーに変化が起きると、成形品のゴム弾性
が上昇するばかりでなく、時には成形時に粘度上昇が生
じて、成形品の生産が困難になることがある。
【0004】また、一般にゴム製品にはカーボンブラッ
クやオイル等の配合剤が多く含有されているが、オレフ
ィンゴム・樹脂アロイを用いる場合にも同様の配合剤が
加えられるので、混合後にも前記した樹脂粒子のモルフ
ォロジーを保っていることが必要である。しかし、アロ
イ製造の段階で一旦粒径やアスペクト比を整えても、そ
の後各種配合剤を混合混練する段階で混練温度が結晶性
樹脂の融点以上に上昇すると、樹脂粒子のモルフォロジ
ーが崩れてしまうことがある。従って、混練条件下にお
いて、モルフォロジーの変化を抑制できる配合ゴム組成
物の製造方法が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合
体ゴム中にポリオレフィン樹脂および各種配合剤が含有
され、その共重合体ゴム中にポリオレフィン樹脂が適切
な粒径とアスペクト比を持った粒子状で分散し、その粒
子が良好なモルフォロジーを保っている配合ゴム組成物
の製造方法を提供することである。また本発明の第2の
目的は、そのような構造を持った配合ゴム組成物を提供
することである。また本発明の第3の目的は、そのよう
な配合ゴム組成物を成形して得られた優れたゴム弾性を
有するゴム製品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、エチ
レン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムの
中に粒径0.05〜20μmの結晶性ポリオレフィン樹
脂粒子が分散したオレフィンゴム・樹脂アロイと加硫剤
以外の各種ゴム配合剤の内少なくとも1種とを、混練機
を用いてポリオレフィン樹脂の融点未満の温度で混合
し、その後混練温度と同一でも異なっていてもよい融点
未満の温度でブレンド体を排出する配合ゴム組成物の製
造方法に関する。ここで、加硫剤以外の各種ゴム配合剤
とは、加硫促進剤、加硫助剤、補強材、充填剤、軟化
剤、加工助剤、老化防止剤、発泡剤、および発泡助剤か
らなる群から選ばれる配合剤が好ましい。
【0007】また本発明は、エチレン・α−オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴムの中に粒径0.05〜2
0μmの結晶性ポリオレフィン樹脂粒子が分散したオレ
フィンゴム・樹脂アロイと加硫剤以外の各種ゴム配合剤
の内少なくとも1種とを混練機を用いて混合し、その後
そのブレンド体をポリオレフィン樹脂の結晶化温度より
も10℃以上高い温度で排出を開始し、排出されたブレ
ンド体が結晶化温度未満の温度に達する間は外部より剪
断応力を加えない条件とする配合ゴム組成物の製造方法
に関する。
【0008】また、本発明は、前記の混練りされたブレ
ンド体をポリオレフィン樹脂の結晶化温度よりも10℃
以上高い温度で排出を開始し、排出後、外部からの剪断
応力付与前に排出されたブレンド体を結晶化温度未満に
冷却する配合ゴム組成物の製造方法に関する。
【0009】本発明においては、前記の配合ゴム組成物
を製造する際、その後加硫剤を含む各種の配合剤を加え
られた配合ゴム組成物の加硫プレスシートの硬さ
(H1)と、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴムと加硫剤を含む各種ゴム配合剤とからな
る組成物の加硫プレスシートの硬さ(H0)と、共重合
体ゴム100重量部に対する結晶性ポリオレフィン樹脂
のブレンド量(W重量部)との間に次の関係式(1)を
満たすように製造することが望ましい。 0.3×W ≦ H1−H0 ≦ 0.8×W・・・・・・・(1)
【0010】ここで、結晶性ポリオレフィン樹脂は、D
SCで測定されるその融点が120〜190℃の範囲に
あることが好ましく、具体的にはポリプロピレンまたは
ポリ1−ブテンであることが望ましい。
【0011】また、本発明は、前記の製造方法を一方法
として得られた配合ゴム組成物に関し、共重合体ゴム中
にポリオレフィン樹脂粒子が適度の粒径とアスペクト比
でミクロ分散したモルフォロジーを保っており、そのゴ
ム組成物は前記した式(1)を満たしていることが望ま
しい。さらに本発明は、それから成形して得られたゴム
製品に関し、優れたゴム弾性を有している。
【0012】
【発明の具体的説明】次に、本発明に係わる配合ゴム組
成物の製造方法、配合ゴム組成物、それを成形したゴム
製品、および発明を構成する各成分について具体的に説
明する。
【0013】共重合体ゴム 本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴムは、エチレン、炭素原子数3〜2
0のα−オレフィンおよび非共役ポリエンをランダム共
重合して得られるゴム状の三元共重合体である。
【0014】α−オレフィンの具体例としては、プロピ
レン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデ
セン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキ
サデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エ
イコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1
−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどが挙
げられる。中でも、プロピレン、1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ま
しく、特にプロピレンおよび1−ブテンが好ましい。そ
れらのα−オレフィンは、それ単独で、または2種以上
を組合わせて用いることができる。
【0015】非共役ポリエンとしては、具体的に次の化
合物を例示することができる。 (1)鎖状非共役ジエン類:1,4−ヘキサジエン、3
−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4
−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、
4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル
−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン
−1,7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウン
デカジエン
【0016】(2)環状非共役ジエン類:メチルテトラ
ヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、
5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデ
ン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボル
ネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノ
ルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−イソ
プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2
−ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエ
【0017】(3)トリエン類:2,3−ジイソプロピ
リデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソ
プロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−
2,2−ノルボルナジエン、4−エチリデン−8−メチ
ル−1,7−ナノジエン
【0018】これらの中でも、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、シクロペ
ンタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナ
ノジエンが好ましい。
【0019】共重合体ゴム中のエチレン含量は、50〜
95、好ましくは60〜85、さらに好ましくは65〜
80モル%であり、α−オレフィン含量は、5〜50、
好ましくは15〜40、さらに好ましくは20〜35モ
ル%である。非共役ポリエンの含量は、それをヨウ素価
で表示すると、1〜40、好ましくは2〜35、さらに
好ましくは3〜30であることが望ましい。また、この
共重合体ゴムの135℃、デカリン中で測定した極限粘
度[η]が、0.8〜4、好ましくは1〜3.5(dl
/g)であることが望ましい。
【0020】このような共重合体ゴムは、従来公知の方
法により製造することができる。また本発明で用いられ
る共重合体ゴムは、前記したエチレン・α−オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴムに不飽和カルボン酸また
はその誘導体がグラフト共重合した変性体であってもよ
い。
【0021】ポリオレフィン樹脂 フィラーとして配合されるポリオレフィン樹脂は、結晶
性の熱可塑性樹脂であって、次の重合体を例示すること
ができる。 (1)エチレン単独重合体およびエチレンと炭素原子数
3〜20のα−オレフィンとの共重合体:高密度ポリエ
チレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・1−ブテン共
重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合
体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−
オクテン共重合体
【0022】(2)プロピレン単独重合体およびプロピ
レンとそれ以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィン
との共重合体:ポリプロピレン、プロピレン・エチレン
ブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重
合体、プロピレン・1−ブテン共重合体
【0023】(3)1−ブテン単独重合体および1−ブ
テンとそれ以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィン
との共重合体:ポリ1−ブテン、1−ブテン・エチレン
共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体
【0024】これらの重合体の中でも、ASTM D−
3418−97に準拠し、DSCによって測定される融
点が、120〜190℃であるエチレン系、プロピレン
系、または1−ブテン系の重合体が好ましく、中でもポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテンが好まし
く、特にポリプロピレンおよびポリ1−ブテンが好適で
ある。なお、後述する重合体の結晶化温度は、同様にA
STM D−3418−97に準拠し、DSCによって
測定することができる。
【0025】オレフィンゴム・樹脂アロイ 配合ゴム組成物の主成分になるオレフィンゴム・樹脂ア
ロイは、前記したエチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴムの中にフィラーとなる結晶性ポリオ
レフィン樹脂粒子が粒径0.05〜20、好ましくは
0.1〜10μmで分散した海島構造をとっている。そ
の樹脂粒子は、アスペクト比(長径/短径)が、好まし
くは5以下、さらに好ましくは3〜1であることが望ま
しい。アスペクト比が5以下であると、樹脂粒子は共重
合体ゴム中に良好な状態でミクロ分散をしている。
【0026】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴムとポリオレフィン樹脂との構成割合は、
両者の合計量100重量部中に、ポリオレフィン樹脂が
好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40
重量部の割合で含有していることが望ましい。
【0027】海島構造を持ったアロイの製造方法は、特
に制限されるものではないが、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリオレフィン樹脂
とを共に十分溶融させ、その後共重合体ゴム中にポリオ
レフィン樹脂がミクロ分散するまでブレンドできる方法
を採用するならば、いかなる製造方法でもよい。その際
に押出機を用いる場合には、例えば1軸または2軸押出
機により、200℃〜250℃で20秒から4分間混合
混練する方法で、通常のゴム混練機を用いる場合には、
例えばバンバリーミキサーの様な密閉式混練機により、
180℃〜230℃で3分から10分間混合する方法に
よって、ポリオレフィン樹脂の分散状態が良好なアロイ
を得ることができる。
【0028】その一方法として、共重合体ゴムと有機溶
媒とをまず多段ベント式押出機の供給部から供給し、一
方ポリオレフィン樹脂を不活性ガス雰囲気下で押出機の
他の供給部から供給し、両者を押出機中で十分に混練り
し、かつ脱溶媒する方法を採用すると、短時間でペレッ
トまたはフライアブルベールの形状でアロイを製造する
ことができる。このようにして製造されたアロイを電子
顕微鏡で観察すると、ポリオレフィン樹脂粒子が共重合
体ゴム中にミクロ分散している状態を確認することがで
き、またそのような構造のアロイは物性のバラツキが少
ない。有機溶媒としては、脂肪族、脂環族、あるいは芳
香族炭化水素、およびそれらのハロゲン化物が使用可能
である。
【0029】ゴ ム 配 合 剤 オレフィンゴム・樹脂アロイに配合されるゴム配合剤と
しては、通常ゴムに配合される加硫剤およびそれ以外の
各種配合剤をそのまま使用することができる。加硫剤と
しては、イオウまたはイオウ系化合物、あるいは有機過
酸化物を挙げることができ、必要に応じて加硫促進剤ま
たは加硫助剤を併用することができる。好ましい具体例
としては、イオウおよび加硫促進剤との組み合わせ、ま
たは有機過酸化物と加硫助剤との組み合わせを挙げるこ
とができる。
【0030】加硫剤以外の配合剤としては、加硫促進
剤、加硫助剤、補強材、充填剤、軟化剤、加工助剤、老
化防止剤等を挙げることができる。また、発泡成形体を
製造する場合には、前記した配合剤の他に発泡剤が添加
され、必要に応じて発泡助剤や脱泡剤が同時に添加され
ることもある。さらに、成形方法や用途によっては、酸
化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤等を
本発明の目的の範囲内において配合することができる。
次に、代表的な加硫剤およびそれ以外の各種ゴム配合剤
について説明する。
【0031】<加硫剤>加硫剤としては、イオウ、イオ
ウ系化合物、および有機過酸化物のいずれをも使用する
ことができる。イオウ系化合物としては、例えば塩化イ
オウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィド、アル
キルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラムジ
スルフィド、ジチオカルバミン酸セレンが挙げられる。
【0032】イオウまたはイオウ系化合物中でも、イオ
ウが好ましく、それらは、エチレン・α−オレフィン・
非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常
0.1〜10、好ましくは0.5〜5、より好ましくは
1.0〜3.0重量部の割合で添加される。
【0033】有機過酸化物としては、ジクミルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ
−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチ
ルヒドロペルオキシドなどが挙げられる。中でも、ジク
ミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−
t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンが好ましく用いられる。有機過酸化物の使用量
は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合
体100gに対して、通常3×10-3〜5×10-2、好
ましくは1×10-3〜3×10-2モルの範囲が望まし
い。
【0034】<加硫促進剤>加硫剤としてイオウまたは
イオウ系化合物を使用する場合には、加硫促進剤の併用
が好ましく、その例として次の化合物を挙げることがで
きる。 (1)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスル
フェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチア
ゾ−ルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−
2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、2−メルカプ
トベンゾチアゾ−ル、2−(2,4−ジニトロフェニ
ル)メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(2,6−ジエ
チル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾ−ル、ジベ
ンゾチアジル−ジスルフィド等のチアゾ−ル系化合物
【0035】(2)ジフェニルグアニジン、トリフェニ
ルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジ
ン系化合物 (3)アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアル
デヒド−アニリン縮合物等のアルデヒドアミン系化合物 (4)2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系
化合物 (5)ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチ
オウレア系化合物
【0036】(6)テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系
化合物 (7)ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチ
オカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テル
ル等のジチオカルバミン酸塩系化合物 (8)ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン系
化合物 (9)亜鉛華など
【0037】これらの加硫促進剤は、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対し
て、0.1〜20、好ましくは0.2〜10、より好ま
しくは0.5〜5重量部の割合で添加される。
【0038】<加硫助剤>加硫剤として有機過酸化物を
使用する場合は、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤
としては、例えば、硫黄;p−キノンジオキシム等のキ
ノンジオキシム系化合物;エチレングリコ−ルジメタク
リレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト
等の(メタ)アクリレート系化合物;ジアリルフタレ−
ト、トリアリルイソシアヌレ−ト等のアリル系化合物;
その他マレイミド系化合物、ジビニルペンゼンが挙げら
れる。このような加硫助剤は、使用する有機過酸化物1
モルに対し、0.5〜2モル、好ましくは均等モルの割
合で添加される。
【0039】<補強材>各種カ−ポンブラックおよび微
粉ケイ酸等が補強材として使用できる。カーボンブラッ
クとしては、具体的には、SRF、GPF、FEF、M
AF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカー
ボンブラックが挙げられる。これらのカーボンブラック
は、シランカップリング剤などによる表面処理が施され
ていてもよく、その平均粒径は、通常10〜100μ
m、好ましくは20〜80μmであって、ゴム成形体の
引張り強さ、引裂き強さ、耐摩耗性などの機械的強度を
高める効果がある。
【0040】カーボンブラックは、エチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対し
て、通常20〜300重量部、好ましくは30〜250
重量部の割合で用いられるが、この範囲に限定されるも
のではない。カーボンブラックの配合量が前記の範囲内
にあると、成形体の機械的強度を高めると共に耐候性を
向上させることができる。
【0041】<充填材>充填材としては、軽質炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ−などが用
いられる。これらの充填材は、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通
常200重量部以下、好ましくは150重量部以下の割
合で配合される。
【0042】<軟化剤>軟化剤としては、通常ゴムに使
用される軟化剤(オイル)を用いることができる。その
具体例として次の物質を挙げることができる。 (1)プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラ
フィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤 (2)コ−ルタ−ル、コ−ルタ−ルピッチ等のコ−ルタ
−ル系軟化剤 (3)ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪
油系軟化剤 (4)ト−ル油 (5)サブ (6)密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類 (7)リシノ−ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂
肪酸および脂肪酸塩 (8)石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロ
ンインデン樹脂等の合成高分子物質
【0043】本発明においては、これらの中でも石油系
軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましく用い
られる。これらの軟化剤は、エチレン・α−オレフィン
・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常
100重量部以下、好ましくは70重量部以下の割合で
用いられる。軟化剤の配合量が前記の範囲内にあると、
ゴム組成物の加工性を高めることができる。
【0044】<加工助剤>通常のゴム加工に使用される
加工助剤を使用することができ、その例として次の化合
物を挙げることができる。すなわち、リシノ−ル酸、ス
テアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪
酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩;リシノ−ル酸エス
テル、ステアリン酸エステル、パルミチン酸エステル、
ラウリン酸エステル等の高級脂肪酸エステル類。これら
の加工助剤は、通常、エチレン・α−オレフィン・非共
役ポリエン共重合体100重量部に対して、10重量部
以下、好ましくは1〜5重量部の割合で配合される。
【0045】<老化防止剤>本発明では、老化防止剤を
特に添加しなくても優れた耐熱性と耐久性とを示すが、
適当量配合すれば一層製品寿命を長くすることが可能に
なる。老化防止剤としては、例えば、フェニルブチルア
ミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジ
アミン等の芳香族第二アミン系安定剤;ジブチルヒドロ
キシトルエン、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シンナメ−
ト]メタン等のフェノ−ル系安定剤;ビス[2−メチル
−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−
5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエ−テル
系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジ
チオカルバミン酸塩系安定剤を挙げることができる。
【0046】これらの老化防止剤は、単独であるいは2
種以上を組み合わせて混合使用することができ、エチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重
量部に対して、通常0.1〜5、好ましくは0.5〜3
重量部の割合で配合することができる。
【0047】<発泡剤>発泡成形に使用する発泡剤とし
ては、無機系および有機系の発泡剤のいずれをも好適に
使用することができ、例えば次の化合物を例示すること
ができる。 (1)重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アン
モニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の
無機系発泡剤
【0048】(2)N,N’−ジニトロソテレフタルア
ミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン
等のニトロソ化合物 (3)アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニト
リル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベン
ゼン、バリウムアゾジカルボキシレ−ト等のアゾ化合物
【0049】(4)ベンゼンスルフォニルヒドラジド、
トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’一オキシビ
ス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、ジフエニルス
ルフォン−3,3’−ジスルフェニルヒドラジド等のス
ルフォニルヒドラジド化合物 (5)カルシウムアジド、4,4’一ジフェニルジスル
ホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等のアジ
ド化合物
【0050】これらの中でも、アゾ化合物、スルフォニ
ルヒドラジド化合物、アジド化合物が好適に使用され
る。発泡剤の配合量は、加硫発泡後の発泡体の比重が
0.01〜0.9になるよう適宜調整されるが、通常、
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体1
00重量部に対し、0.5〜30、好ましくは1〜2
0、より好ましくは2〜10重量部の割合で配合され
る。
【0051】また、必要に応じて発泡剤と共に発泡助剤
を併用しても差し支えない。発泡助剤の添加は、発泡剤
の分解温度の調節、気泡の均一化などに効果がある。発
泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステ
アリン酸、シュウ酸等の有機酸、尿素およびその誘導体
などが挙げられる。
【0052】製 造 方 法 本発明に係わる配合ゴム組成物の製造方法は、前記した
オレフィンゴム・樹脂アロイおよび加硫剤以外の各種ゴ
ム配合剤の内少なくとも1種をまず所定量準備し、それ
らをバンバリミキサー、インターミックス、ニーダーの
ような混練機へと供給して十分に混合混練し、次いでそ
のブレンド体を混練機から排出して配合ゴム組成物を製
造する方法である。その後、加硫剤、必要に応じて加硫
促進剤または加硫助剤、あるいは別のゴム配合剤とを加
え、成形に使用される最終的な配合ゴム組成物を製造す
る。
【0053】ここで重要なことは、配合ゴム組成物中に
おける樹脂粒子のモルフォロジーが、原料アロイ中での
樹脂粒子のモルフォロジーに近い状態を保てるような方
法を選択することである。最終段階で行われる加硫剤の
混合は、通常比較的に低温で行われるので、その操作条
件が樹脂粒子のモルフォロジーに影響を与えることはな
いが、加硫剤以外の各種ゴム配合剤の混合は、一般によ
り高温度で行われるので、その段階で樹脂粒子のモルフ
ォロジーが影響を受けることのないような混合方法を選
択する必要がある。
【0054】そこで第一の発明では、オレフィンゴム・
樹脂アロイおよび加硫剤以外の各種配合剤の内少なくと
も1種を、ポリオレフィン樹脂の融点未満の温度で混合
混練し、その後混練温度と同一でも異なっていてもよい
融点未満の温度でブレンド体を排出する方法である。従
って、混練機の回転数、充填率、冷却の有無等の混練り
条件を制御して、ブレンド体の温度がポリオレフィン樹
脂の融点未満、好ましくは融点より少なくとも5℃低
く、さらに好ましくは10℃低い温度に保たれ、かつ成
分間の十分な混合混練が行われるようにする。
【0055】この方法によれば、ポリオレフィン樹脂の
融点未満の温度で混合混練が行われるが、混練り条件を
選択することによって成分間の混合混練は十分に行わ
れ、かつ樹脂粒子のモルフォロジーに変化がないので、
得られたブレンド体中のポリオレフィン樹脂粒子のモル
フォロジーは良好な分散状態が保たれている。
【0056】次に第二の発明では、オレフィンゴム・樹
脂アロイおよび加硫剤以外の各種配合剤の内少なくとも
1種とを混練機を用いて混合混練し、その後そのブレン
ド体をポリオレフィン樹脂の結晶化温度よりも10℃以
上高い温度で排出を開始し、ブレンド体が結晶化温度未
満の温度に達する間は外部より剪断応力を加えない条件
でブレンド体を製造する方法である。一般に、この混練
り工程は連続的に次工程へと移され、排出されたブレン
ド体は直ちに受けロールで冷却され、シート出しあるい
は加硫剤が加えられる。従って、ここで剪断応力を加え
ない条件とは、具体的には、排出の際に受けロールや型
へと供給してブレンド体をシート状や他の形に変えるこ
となく、ブレンド体をそのまま回収する方法である。
【0057】第三の発明では、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴムの中に粒径0.05〜
20μmの結晶性ポリオレフィン樹脂粒子が分散したオ
レフィンゴム・樹脂アロイと加硫剤以外の各種ゴム配合
剤の内少なくとも1種とを混練機を用いて混合し、その
後そのブレンド体をポリオレフィン樹脂の結晶化温度よ
りも10℃以上高い温度で排出を開始し、排出後そのブ
レンド体を外部からの剪断応力付与前に結晶化温度未満
に冷却する配合ゴム組成物の製造方法である。ここで、
結晶化温度未満に冷却する方法としては、積極的に冷却
を加えてもよいし、静置ないしそのまま放置することで
冷却してもよい。
【0058】ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で混
練を行うと、一般に樹脂粒子には剪断応力が加わって粒
形は変形してしまう。そして、ポリオレフィン樹脂が溶
融した状態で受けロールや型によって冷却されると、粒
子のアスペクト比は5を越えてしまうことがある。とこ
ろが、この第二ないし第三の方法によると、結晶化温度
よりも10℃以上高い温度で排出される時には、樹脂粒
子が変形し易い状態であっても、剪断応力が加わらなけ
れば、樹脂の粒子形状が一時的に変形しても、再び固化
する迄の間にほぼ元の球形に復帰する。従って、ポリオ
レフィン樹脂粒子は、アロイ中での粒径とアスペクト比
がほぼ再現され、また海相および島相の状態が逆転する
ことなくほぼそのまま維持され、最終的に樹脂粒子のモ
ルフォロジーがほとんど変化することはない。それ故
に、得られた配合ゴム組成物から加硫成形して得られた
成形体は、優れたゴム弾性を示す。
【0059】本発明に係わる配合ゴム組成物の製造方法
では、さらに加硫剤を含む各種配合剤を加えた後に、得
られた加硫配合ゴム組成物の硬さと、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと加硫剤を含む
各種ゴム配合剤とからなる加硫組成物の硬さと、共重合
体ゴム中の結晶性ポリオレフィン樹脂のブレンド量との
間に次の関係式(1)を満す条件をとることが望まし
い。 0.3×W ≦ H1−H0 ≦ 0.8×W・・・・・・・(1)
【0060】ここで、H1、H0およびWは、次の通りで
ある。 H1:最終配合ゴム組成物をプレス成形して、厚さ2m
mの加硫シートにした時の表面硬さ H0:エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体ゴムと加硫剤を含む各種ゴム配合剤とからなり、実
質的に結晶性ポリオレフィン樹脂を含まない組成物をプ
レス成形して、厚さ2mmの加硫シートにした時の表面
硬さ W:配合ゴム組成物における共重合体ゴム100重量部
に対する結晶性ポリオレフィン樹脂のブレンド量(重量
部)
【0061】前記の条件の範囲内で製造された配合ゴム
組成物は、樹脂粒子の粒径およびアスペクト比が、アロ
イ中での状態をほぼ維持したものになっており、分散粒
子のモルフォロジーは良好な状態を保っている。また、
その製造方法によれば、ブレンド体の混練り時における
粘度にほとんど変化がないので、混練り作業およびその
後の成形作業を安定して進めることができる。
【0062】配合ゴム組成物およびゴム製品 オレフィンゴム・樹脂アロイおよび加硫剤以外の各種配
合剤の内少なくとも1種を前記の方法で混練りして得ら
れるブレンド体は、その後加硫剤等の配合剤が混合され
て最終的な配合ゴム組成物が得られる。勿論、前記以外
の方法によって最終的な配合ゴム組成物を得てもよい。
いずれの製造方法によっても、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム中にポリオレフィン樹
脂と各種のゴム配合剤とが分散混合された状態にあっ
て、ポリオレフィン樹脂粒子のモルフォロジーはアロイ
中での状況をほぼそのまま保っている。
【0063】ここで得られた配合ゴム組成物は、その硬
度と結晶性ポリオレフィン樹脂のブレンド量との間に次
の関係式(1)を満たした組成物がさらに好ましい。 0.3×W ≦ H1−H0 ≦ 0.8×W・・・・・・・(1)
【0064】ここで、H1、H0およびWは、次の通りで
ある。 H1:最終配合ゴム組成物をプレス成形して、厚さ2m
mの加硫シートにした時の表面硬さ H0:エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体ゴムと加硫剤を含む各種ゴム配合剤とからなり、実
質的に結晶性ポリオレフィン樹脂を含まない組成物をプ
レス成形して、厚さ2mmの加硫シートにした時の表面
硬さ W:配合ゴム組成物における共重合体ゴム100重量部
に対する結晶性ポリオレフィン樹脂のブレンド量(重量
部)
【0065】式(1)の範囲内にある配合ゴム組成物
は、樹脂粒子の粒子径が0.05〜20、好ましくは
0.1〜10μmであり、アスペクト比が好ましくは5
以下、より好ましくは3〜1であって、樹脂粒子は良好
なモルフォロジーの状態で分散している。そして、樹脂
粒子はゴム成分のフィラーとしての効果を発揮すると共
に、その他の配合剤はそれぞれの役割を発揮し、全体と
して優れたゴム組成物を形成している。
【0066】前記したゴム配合組成物から押出成形、カ
レンダー成形、プレス成形、射出成形、トランスファー
成形等の成形手段によって、各種ゴム成形体を製造する
ことができる。その成形体にさらに加硫操作を加える
と、良好なゴム弾性を示すと共に、表面平滑で良好な外
観を持ったゴム製品が得られる。また、発泡成形を行う
と、大きさの揃った気泡が均一分散したスポンジゴムが
得られる。そのようなゴム製品は、各種自動車部品や建
築用材等に利用できるし、またスポンジゴム製品は、断
熱材、クッション材、シール材等として利用することが
できる。
【0067】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれらの実施例によって何ら制限されるものでは
ない。なお、各例で得られた加硫体は、硬さおよびリボ
ン成形性でその性能を評価したが、その試験方法および
評価方法は次の通りであった。
【0068】硬さ試験:コンパウンドを20g秤量し、
50tプレス機を用いて65℃の温度で、10cm角で
厚さが2mmのシートを成形し、これを6枚重ねてJI
S K6253に準拠して測定した。
【0069】リボン成形性:14インチロールを用い
て、F/B=50℃/50℃の条件で、幅40mm厚み
8mmのサイズでリボン状に切り取り、そのリボン状コ
ンパウンドのエッジ部分の状態を以下の定義に従って5
段階評価を行った。 5:リボンのエッジが明確で、コンパウンド表面が平滑
である 3:リボンのエッジが不明瞭で、コンパウンド表面が凹
凸である 1:リボン状コンパウンドを得ることができない 4および2は、それぞれ5と3、および3と1の中間で
ある。
【0070】(実施例1〜3)(比較例1〜5) まず、ここで使用した共重合体ゴムは、エチレン・α−
オレフィン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合
体であって、その性状を表1に示した。
【表1】
【0071】次に、前記の共重合体ゴム100重量部に
対して結晶性ポリオレフィン樹脂を表2に記した割合
(重量部)で混合し、2軸押出機を用いて250℃で4
分間混合混練することによってオレフィンゴム・樹脂ア
ロイを得た。
【0072】なお、表2において、ポリプロピレンおよ
びポリ1−ブテンは、次の製品を用いた。 ポリプロピレン:(株)グランドポリマー製品 商品名 グランドポリプロJ106W 融点:161℃、結晶化温度:119℃ ポリ1−ブテン:三井化学(株)製品、商品名 P−7
000 融点130℃、結晶化温度:74℃
【0073】
【表2】
【0074】次に、前記のアロイに表4に記載した各種
の配合剤を加えた。使用した配合剤は、次の通りであっ
た。 (1)活性亜鉛華:井上石灰工業(株)製、商品名 メ
タZ102 比表面積:20(m2/g) (2)カーボンブラック:SRF−HSカーボンブラッ
ク 旭カーボン(株)製、商品名 旭#50HG (3)パラフィンオイル:出光興産(株)製、商品名
ダイアナプロセスオイル PS−430)
【0075】 (4)ポリエチレングリコール:分子量4000 ライオン(株)製、商品名 PEG#4000 (5)脱泡剤:酸化カルシウム 井上石灰工業(株)製、商品名 ベスタ#20
【0076】アロイにカーボンブラック、重炭酸カルシ
ウム、パラフィンオイル、ポリエチレングリコール、お
よび脱泡剤を加え、BB4型バンバリーミキサー(神戸
製鋼(株)製)を用いて混練した。混練り条件は、次の
3種類で行った。
【表3】
【0077】バンバリミキサーから排出したコンパウン
ドを直ちに14インチオープンロール(日本ロール
(株)製)に巻き付け、コンパウンド表面温度が50℃
になるまで巻き付けた。そのロールからコンパウンドを
リボン状に切り出し、そのコンパウンドの硬さおよびリ
ボン成形性を調べて、その結果を表4に示した。
【0078】なお、このロールでの混練り工程で、共通
して用いた加硫剤を含む配合剤は次の通りである。 (1)2−メルカプトチアゾール:1.0重量部 (三新化学工業(株)製、商品名 サンセラ−M) (2)エチレンチオ尿素:1.0重量部 (三新化学工業(株)製、商品名 サンセラ−22) (3)1,3−ジエチルチオウレア:1.0重量部 (三新化学工業(株)製、商品名 サンセラ−EUR) (4)ノクセラーTOT:1.0重量部 (大内新興化学(株)製) (5)粉末硫黄:1.5重量部 (細井化学工業(株)製)
【0079】
【表4】
【0080】表4において、排出温度とは、混練機から
ブレンド体を排出した直後に、ブレンド体に温度計を差
し込んで測定した値である。表4に記載した実施例の結
果から明らかなように、ポリプロピレンの融点161℃
未満の温度で混練し、そのまま排出したコンパウンド
は、その硬さの変化が小さく、かつリボン成形性も良好
であった。また、ポリ1−ブテンの融点130℃未満の
温度で混練し、そのまま排出したコンパウンドも、同様
にその硬さの変化が小さく、かつリボン成形性も良好で
あった。一方、ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で
混練した比較例では、コンパウンドが固くなり、リボン
成形性は悪いものであった。
【0081】(実施例4〜6)実施例1〜2と同様の配
合組成物を用い、ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度
で混練し、その後その樹脂の結晶化温度以下に冷却して
からロールにかけてコンパウンドを得た(表5では「放
置有り」と表現した)。その結果を表5に示した。
【0082】(比較例6)実施例6において、混練り
後、直ちに受けロールにかけてコンパウンドを得た(表
5では「放置無し」と表現した)。その結果を表5に示
した。
【0083】実施例4〜6では、ポリオレフィン樹脂の
融点以上の温度で混練を行っても、排出後直ちにバケッ
ト内に収めて静置して樹脂の結晶化温度まで冷却する
と、その後ロールでせん断をかけても、コンパウンドは
良好なリボン成形性を示した。しかし、混練り後直ちに
ロールがけした比較例では、得られたコンパウンドは硬
さが高く、かつリボン成形性も不良であった。
【0084】
【表5】
【0085】
【発明の効果】本発明に係わる製造方法によると、特定
の混練および排出条件を採用したことによって、共重合
体ゴム中に結晶性ポリオレフィン樹脂粒子が適切な粒径
とアスペクト比でミクロ分散した配合ゴム組成物を製造
することができた。従って、この組成物は、その混練り
時においても、またその後の成形時においても、粘度上
昇することがなく、安定した成形性を有している。また
ここで得られた配合ゴム組成物は、前記した構造を有し
ているので、それを加硫成形すると、良好なゴム弾性と
平滑で良好な外観を持ったゴム製品を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/08 C08L 23/08 23/16 23/16 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA13 AA15 AA16 AA40 AB11 AB16 AC04 AC05 AC13 AC50 AC56 AC94 AE01 AE02 AE03 AE08 AE12 FA07 FA17 FB06 FB07 4F071 AA14 AA15X AA20 AA20X AA21 AA21X AB04 AC08 AE01 AE02 AE04 AE05 AE17 AG05 AG28 AG29 AH03 AH07 AH19 BB06 BC01 BC07 4J002 AE043 AE053 BA013 BB032 BB052 BB111 BB122 BB133 BB142 BB151 BB152 BB172 BK003 BP022 CC153 DA036 DA046 DA047 DE106 DE236 DG027 DJ006 EA046 EF056 EG016 EH006 EJ066 EK017 EK037 EK057 EK067 EN006 ER026 ES016 EU006 EV006 EV087 EV147 EV167 FD016 FD023 FD026 FD076 FD147 FD153 FD156 FD326 GC00 GJ02 GL00 GN00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
    ン共重合体ゴムの中に粒径0.05〜20μmの結晶性
    ポリオレフィン樹脂粒子が分散したオレフィンゴム・樹
    脂アロイと加硫剤以外の各種ゴム配合剤の内少なくとも
    1種とを、混練機を用いてポリオレフィン樹脂の融点未
    満の温度で混合し、その後混練温度と同一でも異なって
    いてもよい融点未満の温度でブレンド体を排出すること
    を特徴とする配合ゴム組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
    ン共重合体ゴムの中に粒径0.05〜20μmの結晶性
    ポリオレフィン樹脂粒子が分散したオレフィンゴム・樹
    脂アロイと加硫剤以外の各種ゴム配合剤の内少なくとも
    1種とを混練機を用いて混合し、その後そのブレンド体
    をポリオレフィン樹脂の結晶化温度よりも10℃以上高
    い温度で排出を開始し、排出されたブレンド体が結晶化
    温度未満の温度に達する間は外部より剪断応力を加えな
    いことを特徴とする配合ゴム組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
    ン共重合体ゴムの中に粒径0.05〜20μmの結晶性
    ポリオレフィン樹脂粒子が分散したオレフィンゴム・樹
    脂アロイと加硫剤以外の各種ゴム配合剤の内少なくとも
    1種とを混練機を用いて混合し、その後そのブレンド体
    をポリオレフィン樹脂の結晶化温度よりも10℃以上高
    い温度で排出を開始し、排出後そのブレンド体を外部か
    らの剪断応力付与前に結晶化温度未満に冷却することを
    特徴とする配合ゴム組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】前記の配合ゴム組成物が、その後加硫剤を
    含む各種ゴム配合剤を加えられた組成物の加硫プレスシ
    ートの硬さ(H1)と、エチレン・α−オレフィン・非
    共役ポリエン共重合体ゴムと加硫剤を含む各種ゴム配合
    剤とからなる組成物の加硫プレスシートの硬さ(H0
    と、共重合体ゴム100重量部に対する結晶性ポリオレ
    フィン樹脂のブレンド量(W重量部)との間に次の関係
    式(1)を満たしていることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の配合ゴム組成物の製造方法。 0.3×W ≦ H1−H0 ≦ 0.8×W・・・・・・・(1)
  5. 【請求項5】前記の結晶性ポリオレフィン樹脂は、DS
    Cで測定されるその融点が120〜190℃であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の配合ゴム
    組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】前記の結晶性ポリオレフィン樹脂が、ポリ
    プロピレンまたはポリ1−ブテンであることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の配合ゴム組成物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記の加硫剤が、イオウまたは有機過酸化
    物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の配合ゴム組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】前記の加硫剤以外のゴム配合剤が、加硫促
    進剤、加硫助剤、補強材、充填剤、軟化剤、加工助剤、
    老化防止剤、発泡剤、および発泡助剤からなる群から選
    ばれる配合剤であることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の配合ゴム組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法
    により得られることを特徴とする配合ゴム組成物。
  10. 【請求項10】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリ
    エン共重合体ゴムの中に粒径0.05〜20μmの結晶
    性ポリオレフィン樹脂粒子が分散したオレフィンゴム・
    樹脂アロイと加硫剤を含む各種ゴム配合剤とを混合した
    配合ゴム組成物であって、その加硫プレスシートの硬さ
    (H1)が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
    ン共重合体ゴムと加硫剤を含む各種ゴム配合剤とからな
    る組成物の加硫プレスシートの硬さ(H0)と、共重合
    体ゴム100重量部に対する結晶性ポリオレフィン樹脂
    のブレンド量(W重量部)との間に次の関係式(1)を
    満たしていることを特徴とする配合ゴム組成物。 0.3×W ≦ H1−H0 ≦ 0.8×W・・・・・・・(1)
  11. 【請求項11】請求項9または10のいずれかに記載の
    配合ゴム組成物を成形して得られることを特徴とするゴ
    ム製品。
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