JP2002155143A - ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー - Google Patents

ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー

Info

Publication number
JP2002155143A
JP2002155143A JP2001068771A JP2001068771A JP2002155143A JP 2002155143 A JP2002155143 A JP 2002155143A JP 2001068771 A JP2001068771 A JP 2001068771A JP 2001068771 A JP2001068771 A JP 2001068771A JP 2002155143 A JP2002155143 A JP 2002155143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
borazine
general formula
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001068771A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3459985B2 (ja
Inventor
Yuko Uchimaru
祐子 内丸
Hiroshi Yamashita
浩 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2001068771A priority Critical patent/JP3459985B2/ja
Publication of JP2002155143A publication Critical patent/JP2002155143A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3459985B2 publication Critical patent/JP3459985B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐燃焼性、耐熱性コーティング膜等として有
用なボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の効率的な製
造方法と、新規なボラジン含有ケイ素系ポリマーを提供
する。 【解決手段】 B,B’,B”−トリアルキニルボラジ
ン化合物と、少なくとも2個のヒドロシリル基を有する
ケイ素化合物とを、白金触媒の存在下に混合し、その溶
液を基材上に塗布することにより、ボラジン含有ケイ素
系ポリマーの薄膜を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術用分野】本発明は耐燃焼性、耐熱性
等のコーティング膜として有用な、ボラジン含有ケイ素
系ポリマーの薄膜の製造方法および新規なボラジン含有
ケイ素系ポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】ボラジン含有ケイ素系ポリマーは、空気
中でも優れた熱安定性を示し、耐燃焼性、耐熱性コーテ
ィング材料等への応用が期待されているが、薄膜の簡便
な製造例はまだ知られていなかった。また、工業的に利
用可能な直鎖状または環状のポリシロキサン構造を有す
るボラジン含有ケイ素系ポリマーは製造されていなかっ
た。さらに、通常のジインまたはトリイン化合物をモノ
マー成分として含み、ボラジンモノマーの使用量を抑え
ることができる3元系のボラジン含有ケイ素系共重合ポ
リマーも知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ボラジン含
有ケイ素系ポリマーの耐燃焼性、耐熱性に優れた薄膜の
効率的な製造法と、新規な直鎖状または環状のポリシロ
キサン構造を有するボラジン含有ケイ素系ポリマーを提
供することを目的とする。また、本発明は通常のジイン
またはトリイン化合物をモノマー成分として含み、ボラ
ジンモノマーの使用量を抑えることができる、新規な3
元系のボラジン含有ケイ素系共重合ポリマー、及び該共
重合ポリマーの耐燃焼性、耐熱性に優れた薄膜の効率的
な製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、B,B’,B”−ト
リアルキニルボラジン類と、2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物とを白金含有触媒の存在下に混合
し、その溶液を塗布することによって、アルキニル基へ
のヒドロシリル基の付加反応により生成するボラジン含
有ケイ素系ポリマーの薄膜が容易に得られるという新規
な事実を見い出すとともに、直鎖状または環状のポリシ
ロキサン構造を有する新規なボラジン含有ケイ素系ポリ
マーを見い出した。また、本発明者らはB,B’,B”
−トリアルキニルボラジン類と、ジイン又はトリイン化
合物を組み合わせて、2個以上のヒドロシリル基を有す
るケイ素化合物と白金含有触媒の存在下に混合し、その
溶液を塗布することによって、アルキニル基へのヒドロ
シリル基の付加反応により、新規な3元系ボラジン含有
ケイ素系共重合ポリマーの薄膜が容易に得られるという
新規な事実を見い出した。
【0005】すなわち本発明は、次のような構成を採る
ものである。 1.一般式(1)
【0006】
【化14】
【0007】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物と、少なくとも2個以上のヒドロシリル基を有する
ケイ素化合物とを、白金触媒存在下で混合し、その溶液
を塗布することを特徴とするボラジン含有ケイ素系ポリ
マーの薄膜の製造方法。 2.2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物
が、一般式(2)
【0008】
【化15】
【0009】(式中、RおよびRはアルキル基、ア
リール基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれ
る同一あるいは相異なる1価の基を示し、Rは置換基
を有していても良い芳香族の2価の基、酸素原子、また
は、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表さ
れるビス(ヒドロシラン)化合物であることを特徴とす
る1に記載の製造方法。 3.2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物
が、一般式(3)
【0010】
【化16】
【0011】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
またはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す)
で表されるポリ(ヒドロシラン)化合物であることを特
徴とする1に記載の製造方法。 4.一般式(1)
【化17】
【0012】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物と、一般式(3)
【0013】
【化18】
【0014】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
またはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す)
又は一般式(4)
【0015】
【化19】
【0016】(式中、RおよびR10はアルキル基、
アリール基、アラルキル基または水素原子の中から選ば
れる同一あるいは相異なる1価の基を示し、R11はオ
キシポリ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表される少
なくとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合
物とを反応させて得られるボラジン含有ケイ素系ポリマ
ー。 5.一般式(5)
【0017】
【化20】
【0018】(式中、R、R、R、R10、R
11およびRは、前記一般式(1)、(3)および
(4)中のものと同じであり、aおよびbは0以上の整
数でa+b≧1である)で表される構造を有することを
特徴とする4に記載のボラジン含有ケイ素系ポリマー。 6.空気中での5%重量減温度が200℃以上であるこ
とを特徴とする4又は5に記載のボラジン含有ケイ素系
ポリマー。 7.一般式(1)
【0019】
【化21】
【0020】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン類
と、一般式(6) (RC≡C) (6) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
る)で表されるジイン又はトリイン化合物をともに用い
て、それらを一般式(7)
【0021】
【化22】
【0022】(式中、R12およびR13はアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子の中から
選ばれる同一あるいは相異なる1価の基を示し、R14
は置換基を有していても良い芳香族の2価の基)で表さ
れる少なくとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ
素化合物と反応させて得られるボラジン含有ケイ素系共
重合ポリマー。 8.次の、一般式(8)
【0023】
【化23】
【0024】又は一般式(9)
【0025】
【化24】
【0026】(これら式中、R、R、R、R
12、R13及びR14は、前記一般式(1)、
(6)および(7)中のものと同じであり、c、d、
e、f、g、hおよびiは0以上の整数で、式(8)で
はc+d≧1およびe≧1、また式(9)ではf+g≧
1およびh+i≧1である)で表される繰り返し単位を
有することを特徴とする7に記載のボラジン含有ケイ素
系共重合ポリマー。 9.空気中での5%重量減温度が、200℃以上である
ことを特徴とする7又は8に記載のボラジン含有ケイ素
系共重合ポリマー。 10.一般式(1)
【0027】
【化25】
【0028】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン類
と、一般式(6) (RC≡C) (6) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
る)で表されるジインまたはトリイン化合物をともに用
いて、それらを一般式(7)
【0029】
【化26】
【0030】(式中、R12およびR13はアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子の中から
選ばれる同一あるいは相異なる1価の基を示し、R14
は置換基を有していても良い芳香族の2価の基)で表さ
れる2個のヒドロシリル基を有するケイ素化合物と、白
金触媒存在下で混合し、その溶液を塗布することを特徴
とするボラジン含有ケイ素系共重合ポリマーの薄膜の製
造方法。
【0031】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)において、R
はアルキル基、アリール基、アラルキル基または水素原
子を示す。アルキル基の炭素数は1〜24、好ましくは
1〜12である。アリール基の炭素数は6〜20、好ま
しくは6〜10である。アラルキル基の炭素数は7〜2
4、好ましくは7〜12である。前記Rを例示する
と、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル
基、ビフェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネ
チル基等のアラルキル基、水素原子等が挙げられる。
【0032】これらの置換基を有し、一般式(1)で表
されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物
の具体例としては、B,B’,B”−トリエチニルボラ
ジン、B,B’,B”−トリエチニル−N,N’,N”
−トリメチルボラジン、B,B’,B”−トリ(1−プ
ロピニル)ボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニル
エチニル)ボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニル
エチニル)−N,N’,N”−トリメチルボラジン、
B,B’,B”−トリエチニル−N,N’,N”−トリ
フェニルボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニルエ
チニル)−N,N’,N”−トリフェニルボラジン、
B,B’,B”−エチニル−N,N’,N”−トリベン
ジルボラジン等が挙げられるが、これに限定されるもの
ではない。また、1種類のB,B’,B”−トリアルキ
ニルボラジン化合物を単独で用いることもできるが、2
種類以上のB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物を合わせて用いることも、本発明の有利な態様に含
まれる。
【0033】本発明で用いる2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物の中のビス(ヒドロシラン)化合
物は、例えば一般式(2)で表されるものが挙げられ
る。
【0034】
【化27】
【0035】式中、RおよびRはアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれる
同一あるいは相異なる1価の基を示す。アルキル基の炭
素数は1〜24、好ましくは1〜12である。アリール
基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜10である。ア
ラルキル基の炭素数は7〜24、好ましくは7〜12で
ある。前記RおよびRを例示すると、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基
等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基、水素原子等が挙げられる。
【0036】また、前記一般式(2)において、R
置換基を有していても良い芳香族の2価の基、酸素原
子、または、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基を示
す。芳香族の2価の基の炭素数は6〜24、好ましくは
6〜12である。芳香族の2価の基としては、2価芳香
族炭化水素基(アリーレン基等)の他、酸素等のヘテロ
原子を連結基として含むアリーレン基等が含まれる。ま
た前記芳香族の2価の基に結合していても良い置換基と
しては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が含
まれる。Rが芳香族の2価の基の場合を例示すると、
フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリ
ーレン基、ジフェニルエーテル基等の置換アリーレン基
等が挙げられる。
【0037】これらの置換基を有し、一般式(2)で表
されるビス(ヒドロシラン)化合物にはビス(モノヒド
ロシラン)類、ビス(ジヒドロシラン)類、ビス(トリ
ヒドロシラン)類が含まれる。これらビス(ヒドロシラ
ン)化合物の具体例としては、m−ビス(ジメチルシリ
ル)ベンゼン、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
1,4−ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、1,5−
ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、m−ビス(メチル
エチルシリル)ベンゼン、m−ビス(メチルフェニルシ
リル)ベンゼン、p−ビス(メチルオクチルシリル)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(メチルベンジルシリル)ビフ
ェニル、4,4’−ビス(メチルフェネチルシリル)ジ
フェニルエーテル、m−ビス(メチルシリル)ベンゼ
ン、m−ジシリルベンゼン、1,1,3,3−テトラメ
チル1,3−ジシロキサン、ヒドロジメチルシロキシポ
リ(ジメチルシロキシ)ジメチルシラン等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0038】また、2個以上のヒドロシリル基を有する
ケイ素化合物の中のポリ(ヒドロシラン)化合物として
は、例えば、下記一般式(3)で表されるものが挙げら
れる。
【0039】
【化28】
【0040】式中、Rはアルキル基、アリール基、ま
たはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す。ア
ルキル基の炭素数は1〜24、好ましくは1〜12であ
る。アリール基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜1
0である。アラルキル基の炭素数は7〜24、好ましく
は7〜12である。前記Rを例示すると、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基
等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル
基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラ
ルキル基等が挙げられる。また、nは3以上の整数で、
好ましくは3〜10、より好ましくは3〜6である。
【0041】これらポリ(ヒドロシラン)化合物を例示
すると、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペ
ンタシロキサン、1,3,5,7−テトラエチルシクロ
テトラシロキサン、1,3,5−トリフェニルシクロト
リシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロ
テトラシロキサン、1,3,5,7−テトラベンジルシ
クロテトラシロキサン等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。また、2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物は、1種類を単独で用いることも
できるが、2種類以上を併用することも、本発明の有利
な態様に含まれる。
【0042】本発明で、一般式(1)で表されるB,
B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物とともに、
2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物と反応
させるジインもしくはトリイン化合物は、一般式(6) (RC≡C) (6) で表される。式中、Rはアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基または水素原子を示す。アルキル基の炭素数
は1〜24、好ましくは1〜12である。アリール基の
炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。アラル
キル基の炭素数は7〜24、好ましくは7〜16であ
る。
【0043】前記Rを例示すると、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等のア
ルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の
アリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル
基、水素原子等が挙げられる。また、Rは、置換基を
有していても良い芳香族または脂肪族の2価または3価
の基を示す。mは、Rが2価の基では2、Rが3価
の基では3である。芳香族の2価または3価の基の炭素
数は、6〜20、好ましくは6〜14である。また脂肪
族の2価または3価の基の炭素数は2〜20、好ましく
は3〜16である。前記Rを例示すると、フェニレン
基、ベンゼントリイル基、ナフチレン基、ナフタレント
リイル基、アントリレン基、ビフェニレン基、テルフェ
ニレン基、エチレン基、トリメチレン基、ペンタメチレ
ン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基、ヘキサデ
カメチレン基等が挙げられる。
【0044】これらジインもしくはトリイン化合物を例
示すると、p−およびm−ジエチニルベンゼン、1,
3,5−および1,2,4−トリエチニルベンゼン、p
−およびm−ジ(1−プロピニル)ベンゼン、1,3,
5−および1,2,4−トリ(1−プロピニル)ベンゼ
ン、p−およびm−ジ(フェニルエチニル)ベンゼン、
p−およびm−ジ(3−フェニル−1−プロピニル)ベ
ンゼン、1,3,5−および1,2,4−トリ(フェニ
ルエチニル)ベンゼン、1,4−および1,5−ジエチ
ニルナフタレン、9,10−ジエチニルアントラセン、
4,4’−ジエチニルビフェニル、1,5−ヘキサジイ
ン、1,6−ヘプタジイン、1,8−ノナジイン、1,
11−ドデカジイン、1,15−ヘキサデカジイン、
1,19−エイコサジイン等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。ジインもしくはトリイン化合
物は、1種類を単独で用いることもできるが、2種類以
上を併用することも、本発明の有利な態様に含まれる。
【0045】本発明で用いる2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物としては、一般式(7)で表され
るものが使用される。
【0046】
【化29】
【0047】式中、R12およびR13はアルキル基、
アリール基、アラルキル基または水素原子の中から選ば
れる同一あるいは相異なる1価の基を示す。アルキル基
の炭素数は1〜24、好ましくは1〜12である。アリ
ール基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜10であ
る。アラルキル基の炭素数は7〜24、好ましくは7〜
12である。前記R12およびR13を例示すると、メ
チル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オ
クチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビ
フェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基
等のアラルキル基、水素原子等が挙げられる。
【0048】また、前記一般式(7)において、R14
は置換基を有していても良い芳香族の2価の基を示す。
芳香族の2価の基の炭素数は6〜24、好ましくは6〜
12である。芳香族の2価の基としては、2価芳香族炭
化水素基(アリーレン基等)の他、酸素等のヘテロ原子
を連結基として含むアリーレン基等が含まれる。また前
記芳香族の2価の基に結合していても良い置換基として
は、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が含まれ
る。このような芳香族の2価の基としては、例えばフェ
ニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレ
ン基、ジフェニルエーテル基等の置換アリーレン基等が
挙げられる。
【0049】これらの置換基を有し、一般式(7)で表
されるビス(ヒドロシラン)化合物にはビス(モノヒド
ロシラン)類、ビス(ジヒドロシラン)類、ビス(トリ
ヒドロシラン)類が含まれる。これらビス(ヒドロシラ
ン)化合物の具体例としては、m−ビス(ジメチルシリ
ル)ベンゼン、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
1,4−ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、1,5−
ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、m−ビス(メチル
エチルシリル)ベンゼン、m−ビス(メチルフェニルシ
リル)ベンゼン、p−ビス(メチルオクチルシリル)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(メチルベンジルシリル)ビフ
ェニル、4,4’−ビス(メチルフェネチルシリル)ジ
フェニルエーテル、m−ビス(メチルシリル)ベンゼ
ン、m−ジシリルベンゼン等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0050】本発明の一般式(1)で表される化合物
と、一般式(2)または(3)で表される少なくとも2
個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物との反応
は、例えば、次のスキーム1及び2で示される。
【0051】
【化30】
【0052】上記の反応における原料化合物の量関係
は、B,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物に
対する少なくとも2個のヒドロシリル基を有するケイ素
化合物のモル比が0.1〜10の範囲で実施され、好ま
しくは0.2〜5の範囲である。
【0053】本発明で用いる白金含有触媒は、従来ヒド
ロシリル化に使用されているものを用いることができ
る。これを例示すると、白金ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン、白金環状ジビニルメチルシロキサン、塩化白
金酸、ジクロロ白金、白金カーボン、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)二白金、ビス(エチレン)テトラクロ
ロ二白金、シクロオクタジエンジクロロ白金、ビス(シ
クロオクタジエン)白金、シクロオクタジエンジメチル
白金、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロ白金、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金等が挙げら
れるが、これに限定されるものではない。
【0054】これら白金含有触媒は、B,B’,B”−
トリアルキニルボラジン化合物またはビス(ヒドロシラ
ン)化合物のうちモル量の少ない原料に対する金属原子
のモル比で0.000001〜0.5の範囲で使用され
る。
【0055】本発明は、溶媒の有無にかかわらず実施で
きるが、溶媒を用いる場合には、原料と反応するものを
除いた種々の溶媒を用いることができる。それら溶媒と
しては、芳香族炭化水素系、飽和炭化水素系、脂肪族エ
ーテル系、芳香族エーテル系等の溶媒が挙げられ、より
具体的には、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル等が挙げ
られる。
【0056】また本発明のボラジン含有ケイ素ポリマー
の薄膜を形成する際、基材上への溶液の塗布方法は特に
制限はなく、刷毛による塗布、スプレー塗布、スピンコ
ート法による塗布などいずれの方法をとることもでき
る。本発明で塗布する溶液を調製する温度としては、一
般的には室温でよいが、原料物質の構造により、好まし
い速度を達するために−20℃から200℃の範囲で冷
却または加熱することもできる。好ましい温度としては
0℃から150℃、より好ましくは0℃から100℃の
範囲で実施される。
【0057】溶液を塗布した後は、空気中、不活性雰囲
気下、または真空中で乾燥させることにより、ボラジン
含有ケイ素系ポリマーの薄膜を得ることができる。ここ
でボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜とは、その厚さ
を特に制限する意味ではなく、塊状などの樹脂ではな
く、膜状に形成したものを意味する。特に本発明方法に
よればμm単位の薄い膜から比較的厚いmmオーダーの
膜までの範囲で膜を形成することができることが特徴で
あり、膜の厚さの上限は特にない。
【0058】また、本発明によれば、一般式(1)
【化31】
【0059】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物と、一般式(3)
【0060】
【化32】
【0061】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
またはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す)
又は一般式(4)
【0062】
【化33】
【0063】(式中、RおよびR10はアルキル基、
アリール基、アラルキル基または水素原子の中から選ば
れる同一あるいは相異なる1価の基を示し、R11はオ
キシポリ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表される少
なくとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合
物とを反応させることによって、一般式(5)
【0064】
【化34】
【0065】(式中、R、R、R、R10、R
11およびRは、前記一般式(1)、(3)および
(4)中のものと同じであり、aおよびbは0以上の整
数でa+b≧1である)で表される構造を有する新規な
ボラジン含有ケイ素系ポリマーが提供される。
【0066】これら式中、R、RおよびRの具体
例としては、先の説明で示したものを挙げることができ
る。また、RおよびR10の具体例としては、先のR
およびRの説明で示したものが挙げられる。R11
はオキシポリ(ジメチルシロキシ)基である。一方、a
およびbは0以上の整数で、a+bは1以上であり、好
ましくは1〜50000、より好ましくは1〜2000
0の整数である。また、Zは原料化合物に由来する1価
の有機基であり、例えば置換基を有していてもよいビニ
ル基や水素原子等である。これらポリマーにおける末端
部の基は、ヒドロシリル基またはエチニル基等である。
【0067】また、前記一般式(5)における下記の式
(10)で表される部分は、下記の式(11)に示す4
通りの結合状態を含むことを意味する。
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】本発明のポリマーの製造において、反応は
ほぼ定量的に進行するため、減圧下または常圧下で溶媒
を除去する等の方法で容易に目的ポリマーが得られる。
また、再沈殿、ゲル浸透クロマトグラフィー等の方法で
分取することもできる。
【0071】本発明で請求項7又は10に記載された発
明における原料化合物の量関係は、一般式(1)のB,
B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物に対して、
任意のモル比の一般式(6)のジイン又はトリイン化合
物を使用することができるが、一般的には、そのモル比
は0.01〜200、好ましくは0.03〜 150、
より好ましくは0.05〜100の範囲である。 B,
B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物(1)とジ
インまたはトリイン化合物(6)を合わせたモル量に対
する、一般式(7)の2個のヒドロシリル基を有するケ
イ素化合物のモル量の比は、一般的には0.1〜10、
好ましくは0.2〜5の範囲である。
【0072】本発明では、これらのモノマーを通常は白
金含有触媒の存在下に反応させることによって、次の、
一般式(8)
【0073】
【化37】
【0074】又は一般式(9)
【0075】
【化38】
【0076】(これら式中、R、R、R、R
12、R13及びR14は、前記一般式(1)、
(6)および(7)中のものと同じであり、c、d、
e、f、g、hおよびiは0以上の整数で、式(8)で
はc+d≧1およびe≧1、また式(9)ではf+g≧
1およびh+i≧1である)で表される繰り返し単位を
有する、新規な3元系のボラジン含有ケイ素系共重合ポ
リマーを得ることができる。式中、Z21、Z31、Z
41は原料化合物に由来する1価の有機基であり、例え
ば置換基を有していてもよいビニル基や水素原子等であ
る。これらポリマーにおける末端部の基は、ヒドロシリ
ル基またはエチニル基等である。
【0077】また、前記一般式(8)又は(9)におけ
る下記の式(10)で表される部分は、下記の式(1
1)に示す4通りの結合状態を含むことを意味する。
【0078】
【化39】
【0079】
【化40】
【0080】上記反応においては、先に示した白金触媒
が使用されるが、これら白金含有触媒は、B,B’,
B”−トリアルキニルボラジン化合物(1)とジイン又
はトリイン化合物(6)の合計量、もしくはビス(ヒド
ロシラン)化合物(7)のうちモル量の少ない原料に対
する金属原子のモル比で0.000001〜0.5の範
囲で使用される。上記のポリマーの製造において、反応
はほぼ定量的に進行するため、減圧下または常圧下で溶
媒を除去する等の方法で容易に目的ポリマーが得られ
る。また、再沈殿、ゲル浸透クロマトグラフィー等の方
法で分取することもできる。
【0081】反応は、溶媒の有無にかかわらず実施でき
るが、溶媒を用いる場合には、原料と反応するものを除
いた種々の溶媒を用いることができる。それら溶媒とし
ては、芳香族炭化水素系、飽和炭化水素系、脂肪族エー
テル系、芳香族エーテル系等の溶媒が挙げられ、より具
体的には、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、
テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル等が挙げられ
る。
【0082】本発明では、これらの溶媒と白金含有触媒
の存在下に反応を行い、得られる溶液を基材等に塗布す
ることによって、耐燃焼性、耐熱性等の優れたボラジン
含有ケイ素系共重合ポリマーの薄膜を得ることができ
る。本発明のボラジン含有ケイ素系共重合ポリマーの薄
膜を形成する際、基材上への溶液の塗布方法は特に制限
はなく、刷毛による塗布、スプレー塗布、スピンコート
法による塗布などいずれの方法をとることもできる。本
発明で塗布する溶液を調製する温度としては、一般的に
は室温でよいが、原料物質の構造により、好ましい速度
を達するために−20℃から200℃の範囲で冷却また
は加熱することもできる。好ましい温度としては0℃か
ら150℃、より好ましくは0℃から100℃の範囲で
実施される。
【0083】溶液を塗布した後は、空気中、不活性雰囲
気下、または真空中で乾燥させることにより、ボラジン
含有ケイ素系共重合ポリマーの薄膜を得ることができ
る。本発明においてボラジン含有ケイ素系共重合ポリマ
ーの薄膜とは、その厚さを特に制限する意味ではなく、
塊状などの樹脂ではなく、膜状に形成したものを意味す
る。特に本発明方法によればμm単位の薄い膜から比較
的厚いmmオーダーの膜までの範囲で膜を形成すること
ができることが特徴であり、膜の厚さの上限は特にな
い。
【0084】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0085】(実施例1)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(0.
25mmol)を、トルエン(5ml)に溶解し、白金
ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレン
溶液(0.00025mmol白金)を加え、窒素下、
室温で4日間撹拌した。この溶液の0.1mlをガラス
基板上に塗布し、空気中で乾燥させることにより、無色
透明の薄膜を得た。タリステップを用いて測定した薄膜
の膜厚は2μmであった。この薄膜は耐熱性であり、こ
の膜のポリマーの熱安定性を熱重量分析で測定した結
果、5%重量減温度は、490℃(窒素下)および43
0℃(空気中)であった。1 H-NMR (C6D6, δ, ppm) 7.9-7.4 (m, 4H), 7.2-6.9
(m, 0.5H), 6.9-6.7 (m, 0.5H), 6.6-6.4 (m, 0.5H),
6.2-5.6 (m, 2.5H), 3.5-2.5 (m, ,10H) , 0.6-0.2(br
s, 12H). IR (KBr disk, cm-1) 2072, 1580 (w), 1500-1350 (pea
k top, 1448, 1396), 1247, 1133, 1085 (w), 1004
(w), 951, 841, 772 (w), 648 (w). 元素分析 C19H30N3B3Si2: 理論値C, 58.66; H, 7.77;
N, 10.80. 実測値 C, 57.50; H, 7.82; N, 9.83.
【0086】(実施例2)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン(0.25mmol)をトルエン(5ml)
に溶解し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白
金2%キシレン溶液(0.00025mmol白金)を
加え、窒素下室温で2日間撹拌した。この溶液の0.1
mlをガラス基板上に塗布し、空気中で乾燥させること
により、無色透明の薄膜を得た。タリステップを用いて
測定した薄膜の膜厚は4μmであった。この薄膜は実施
例1と同様に優れた耐熱性を示した。 IR (KBr disk, cm-1) 2164, 1230, 1021, 909, 731.
【0087】(実施例3)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、ヒドロジメチルシロキシポリ(ジメチルシロ
キシ)ジメチルシラン(HMeSiO(SiMe
O)SiMeH、Mn=6000;0.25mm
ol)を、トルエン(0.5ml)に溶解し、白金ジビ
ニルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレン溶液
(0.00025mmol白金)を加え、窒素下、室温
で1時間撹拌した結果、ゲル状溶液が得られた。反応溶
液を減圧下、加熱濃縮し、粉末状のボラジン含有ケイ素
系ポリマー(5a)をほぼ定量的な収率で得た。
【0088】IR (KBr disk, cm-1) 2056, 1945, 1593,
1470-1350, 1320-1220, 1200-900. 元素分析 C201H486N3O81B3Si81: 理論値C, 33.12; H,
8.09. 実測値 C, 32.91;H, 8.24. 熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 329℃ 26%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 333℃ 36%残(985℃)
【0089】(実施例4)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン(0.25mmol)を、トルエン(0.5
ml)に溶解し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサ
ンの白金2%キシレン溶液(0.00025mmol白
金)を加え、窒素下、室温で2時間撹拌した結果、ゲル
状溶液が得られた。反応溶液を減圧下、加熱濃縮し、粉
末状のボラジン含有ケイ素系ポリマー(5b)をほぼ定
量的な収率で得た。このポリマーは、実施例2のポリマ
ーと同じ構造を有する。
【0090】熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 204℃ 81%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 200℃ 83%残(985℃)
【0091】(実施例5)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.125
mmol)、m−ジエチニルベンゼン(0.125mm
ol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(0.2
5mmol)をトルエン(5ml)に溶解し、白金ジビ
ニルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレン溶液
(0.00025mmol白金)を加え、窒素下室温で
4日間撹拌した。この溶液の0.1mlをガラス基板上
に塗布し、空気中で乾燥させることにより、無色透明の
薄膜を得た。タリステップを用いて測定した薄膜の膜厚
は2μmであった。この膜のポリマーの熱安定性を熱重
量分析で測定した結果、5%重量減温度は、320℃
(窒素下)および360℃(空気中)であった。1 H-NMR (C6D6, δ, ppm) 8.1-7.9 (m, 0.7H), 7.8-7.6
(m, 3.4H), 7.5-7.1 (m,0.7H), 6.9-6.7 (m, 0.9H), 6.
6-6.4 (m, 0.8H), 6.2-5.7 (m, 1.5H), 3.5-2.5(m, 5H)
, 0.6-0.2 (br s, 12H). IR (KBr disk, cm-1) 2072 (w), 1578, 1446, 1396, 12
49, 1133, 1104, 1019,839, 774.
【0092】(実施例6)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.125
mmol)、1,3,5−トリエチニルベンゼン(0.
125mmol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼ
ン(0.25mmol)をトルエン(5ml)に溶解
し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金2%
キシレン溶液(0.00025mmol白金)を加え、
窒素下室温で4日間撹拌した。この溶液の0.1mlを
ガラス基板上に塗布し、空気中で乾燥させることによ
り、無色透明の薄膜を得た。タリステップを用いて測定
した薄膜の膜厚は3μmであった。この膜のポリマーの
熱安定性を熱重量分析で測定した結果、5%重量減温度
は、320℃(窒素下)および380℃(空気中)であ
った。 IR (KBr disk, cm-1) 2120, 2074, 1578, 1448, 1381,
1251, 1135, 988, 880,820.
【0093】(実施例7)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.125
mmol)、m−ジエチニルベンゼン(0.125mm
ol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(0.2
5mmol)を、トルエン(0.5ml)に溶解し、白
金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレ
ン溶液(0.00025mmol白金)を加え、窒素
下、室温で5日間撹拌した結果、ゲル状溶液が得られ
た。反応溶液を減圧下、加熱濃縮し、粉末状のボラジン
含有ケイ素系共重合ポリマー(4a)をほぼ定量的な収
率で得た。このポリマーは、実施例1のポリマーと同じ
構造を有する。 熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 321℃ 63%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 362℃ 59%残(985℃)
【0094】(実施例8)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.125
mmol)、1,3,5−トリエチニルベンゼン(0.
125mmol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼ
ン(0.25mmol)を、トルエン(0.5ml)に
溶解し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金
2%キシレン溶液(0.00025mmol白金)を加
え、窒素下、室温で6日間撹拌した結果、ゲル状溶液が
得られた。反応溶液を減圧下、加熱濃縮し、粉末状のボ
ラジン含有ケイ素系共重合ポリマー(5a)をほぼ定量
的な収率で得た。このポリマーは、実施例2のポリマー
と同じ構造を有する。 熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 322℃ 75%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 382℃ 66%残(985℃)
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、B,B’,B”−トリ
アルキニルボラジン化合物と少なくとも2個のヒドロシ
リル基を有するケイ素化合物から、耐燃焼性、耐熱性コ
ーティング膜等として機能するボラジン含有ケイ素系ポ
リマーの薄膜を、簡便かつ安全に製造することができる
とともに、工業的に利用可能な新規なボラジン含有ケイ
素系ポリマーをも得ることができる。また、B,B’,
B”−トリアルキニルボラジン化合物(1)及び通常の
ジインまたはトリイン化合物(2)を、少なくとも2個
のヒドロシリル基を有するケイ素化合物(3)と反応さ
せることによって、高価なボラジンモノマーの使用量を
抑えた新規な3元系のボラジン含有ケイ素系共重合ポリ
マー、及び該共重合ポリマーの耐燃焼性、耐熱性に優れ
た薄膜を、簡便かつ安全に製造することができる。従っ
て本発明の産業的意義は多大である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月13日(2001.3.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜
の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
B,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物と少な
くとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物
とを、白金触媒存在下で混合し、その溶液を塗布するこ
とを特徴とするボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の
製造方法。
【化2】 (式中、RおよびRはアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一あるい
は相異なる1価の基を示し、Rは置換基を有していて
も良い芳香族の2価の基、酸素原子、または、オキシポ
リ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表されるビス(ヒ
ドロシラン)化合物であることを特徴とする請求項1に
記載の薄膜の製造方法。
【化3】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、またはアラル
キル基を示し、nは3以上の整数を示す)で表されるポ
リ(ヒドロシラン)化合物であることを特徴とする請求
項1に記載の薄膜の製造方法。
【化4】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
B,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物と、一
般式(3)
【化5】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、またはアラル
キル基を示し、nは3以上の整数を示す)又は一般式
(4)
【化6】 (式中、RおよびR10はアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一ある
いは相異なる1価の基を示し、R11はオキシポリ(ジ
メチルシロキシ)基を示す)で表される少なくとも2個
以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物とを反応さ
せて得られるボラジン含有ケイ素系ポリマー。
【化7】 (式中、R、R、R、R10、R11およびR
は、前記一般式(1)、(3)および(4)中のものと
同じであり、aおよびbは0以上の整数でa+b≧1で
ある)で表される構造を有することを特徴とする請求項
4に記載のボラジン含有ケイ素系ポリマー。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術用分野】本発明は耐燃焼性、耐熱性
等のコーティング膜として有用な、ボラジン含有ケイ素
系ポリマーの薄膜の製造方法および新規なボラジン含有
ケイ素系ポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】ボラジン含有ケイ素系ポリマーは、空気
中でも優れた熱安定性を示し、耐燃焼性、耐熱性コーテ
ィング材料等への応用が期待されているが、薄膜の簡便
な製造例はまだ知られていなかった。また、工業的に利
用可能な直鎖状または環状のポリシロキサン構造を有す
るボラジン含有ケイ素系ポリマーは製造されていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ボラジン含
有ケイ素系ポリマーの耐燃焼性、耐熱性に優れた薄膜の
効率的な製造法と、新規な直鎖状または環状のポリシロ
キサン構造を有するボラジン含有ケイ素系ポリマーを提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、B,B’,B”−ト
リアルキニルボラジン類と、2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物とを白金含有触媒の存在下に混合
し、その溶液を塗布することによって、アルキニル基へ
のヒドロシリル基の付加反応により生成するボラジン含
有ケイ素系ポリマーの薄膜が容易に得られるという新規
な事実を見い出すとともに、直鎖状または環状のポリシ
ロキサン構造を有する新規なボラジン含有ケイ素系ポリ
マーを見い出し、それらの知見に基づいて本発明を完成
させるにいたった。
【0005】すなわち本発明は、次のような構成を採る
ものである。 1.一般式(1)
【0006】
【化8】
【0007】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物と、少なくとも2個以上のヒドロシリル基を有する
ケイ素化合物とを、白金触媒存在下で混合し、その溶液
を塗布することを特徴とするボラジン含有ケイ素系ポリ
マーの薄膜の製造方法。 2.2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物
が、一般式(2)
【0008】
【化9】
【0009】(式中、RおよびRはアルキル基、ア
リール基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれ
る同一あるいは相異なる1価の基を示し、Rは置換基
を有していても良い芳香族の2価の基、酸素原子、また
は、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表さ
れるビス(ヒドロシラン)化合物であることを特徴とす
る1に記載の製造方法。 3.2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物
が、一般式(3)
【0010】
【化10】
【0011】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
またはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す)
で表されるポリ(ヒドロシラン)化合物であることを特
徴とする1に記載の製造方法。 4.一般式(1)
【化11】
【0012】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物と、一般式(3)
【0013】
【化12】
【0014】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
またはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す)
又は一般式(4)
【0015】
【化13】
【0016】(式中、RおよびR10はアルキル基、
アリール基、アラルキル基または水素原子の中から選ば
れる同一あるいは相異なる1価の基を示し、R11はオ
キシポリ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表される少
なくとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合
物とを反応させて得られるボラジン含有ケイ素系ポリマ
ー。 5.一般式(5)
【0017】
【化14】
【0018】(式中、R、R、R、R10、R
11およびRは、前記一般式(1)、(3)および
(4)中のものと同じであり、aおよびbは0以上の整
数でa+b≧1である)で表される構造を有することを
特徴とする4に記載のボラジン含有ケイ素系ポリマー。 6.空気中での5%重量減温度が200℃以上であるこ
とを特徴とする4又は5に記載のボラジン含有ケイ素系
ポリマー。
【0019】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)において、R
はアルキル基、アリール基、アラルキル基または水素原
子を示す。アルキル基の炭素数は1〜24、好ましくは
1〜12である。アリール基の炭素数は6〜20、好ま
しくは6〜10である。アラルキル基の炭素数は7〜2
4、好ましくは7〜12である。前記Rを例示する
と、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル
基、ビフェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネ
チル基等のアラルキル基、水素原子等が挙げられる。
【0020】これらの置換基を有し、一般式(1)で表
されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物
の具体例としては、B,B’,B”−トリエチニルボラ
ジン、B,B’,B”−トリエチニル−N,N’,N”
−トリメチルボラジン、B,B’,B”−トリ(1−プ
ロピニル)ボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニル
エチニル)ボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニル
エチニル)−N,N’,N”−トリメチルボラジン、
B,B’,B”−トリエチニル−N,N’,N”−トリ
フェニルボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニルエ
チニル)−N,N’,N”−トリフェニルボラジン、
B,B’,B”−エチニル−N,N’,N”−トリベン
ジルボラジン等が挙げられるが、これに限定されるもの
ではない。また、1種類のB,B’,B”−トリアルキ
ニルボラジン化合物を単独で用いることもできるが、2
種類以上のB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物を合わせて用いることも、本発明の有利な態様に含
まれる。
【0021】本発明で用いる2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物の中のビス(ヒドロシラン)化合
物は、例えば一般式(2)で表されるものが挙げられ
る。
【0022】
【化15】
【0023】式中、RおよびRはアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれる
同一あるいは相異なる1価の基を示す。アルキル基の炭
素数は1〜24、好ましくは1〜12である。アリール
基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜10である。ア
ラルキル基の炭素数は7〜24、好ましくは7〜12で
ある。前記RおよびRを例示すると、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基
等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基、水素原子等が挙げられる。
【0024】また、前記一般式(2)において、R
置換基を有していても良い芳香族の2価の基、酸素原
子、または、オキシポリ(ジメチルシロキシ)基を示
す。芳香族の2価の基の炭素数は6〜24、好ましくは
6〜12である。芳香族の2価の基としては、2価芳香
族炭化水素基(アリーレン基等)の他、酸素等のヘテロ
原子を連結基として含むアリーレン基等が含まれる。ま
た前記芳香族の2価の基に結合していても良い置換基と
しては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が含
まれる。Rが芳香族の2価の基の場合を例示すると、
フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリ
ーレン基、ジフェニルエーテル基等の置換アリーレン基
等が挙げられる。
【0025】これらの置換基を有し、一般式(2)で表
されるビス(ヒドロシラン)化合物にはビス(モノヒド
ロシラン)類、ビス(ジヒドロシラン)類、ビス(トリ
ヒドロシラン)類が含まれる。これらビス(ヒドロシラ
ン)化合物の具体例としては、m−ビス(ジメチルシリ
ル)ベンゼン、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
1,4−ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、1,5−
ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、m−ビス(メチル
エチルシリル)ベンゼン、m−ビス(メチルフェニルシ
リル)ベンゼン、p−ビス(メチルオクチルシリル)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(メチルベンジルシリル)ビフ
ェニル、4,4’−ビス(メチルフェネチルシリル)ジ
フェニルエーテル、m−ビス(メチルシリル)ベンゼ
ン、m−ジシリルベンゼン、1,1,3,3−テトラメ
チル1,3−ジシロキサン、ヒドロジメチルシロキシポ
リ(ジメチルシロキシ)ジメチルシラン等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0026】また、2個以上のヒドロシリル基を有する
ケイ素化合物の中のポリ(ヒドロシラン)化合物として
は、例えば、下記一般式(3)で表されるものが挙げら
れる。
【0027】
【化16】
【0028】式中、Rはアルキル基、アリール基、ま
たはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す。ア
ルキル基の炭素数は1〜24、好ましくは1〜12であ
る。アリール基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜1
0である。アラルキル基の炭素数は7〜24、好ましく
は7〜12である。前記Rを例示すると、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基
等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル
基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラ
ルキル基等が挙げられる。また、nは3以上の整数で、
好ましくは3〜10、より好ましくは3〜6である。
【0029】これらポリ(ヒドロシラン)化合物を例示
すると、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペ
ンタシロキサン、1,3,5,7−テトラエチルシクロ
テトラシロキサン、1,3,5−トリフェニルシクロト
リシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロ
テトラシロキサン、1,3,5,7−テトラベンジルシ
クロテトラシロキサン等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。また、2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物は、1種類を単独で用いることも
できるが、2種類以上を併用することも、本発明の有利
な態様に含まれる。
【0030】本発明の一般式(1)で表される化合物と
少なくとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化
合物との反応は、例えば、次のスキーム1及び2で示さ
れる。
【0031】
【化17】
【0032】本発明の反応における原料化合物の量関係
は、B,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物に
対する少なくとも2個のヒドロシリル基を有するケイ素
化合物のモル比が0.1〜10の範囲で実施され、好ま
しくは0.2〜5の範囲である。
【0033】本発明で用いる白金含有触媒は、従来ヒド
ロシリル化に使用されているものを用いることができ
る。これを例示すると、白金ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン、白金環状ジビニルメチルシロキサン、塩化白
金酸、ジクロロ白金、白金カーボン、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)二白金、ビス(エチレン)テトラクロ
ロ二白金、シクロオクタジエンジクロロ白金、ビス(シ
クロオクタジエン)白金、シクロオクタジエンジメチル
白金、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロ白金、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金等が挙げら
れるが、これに限定されるものではない。
【0034】これら白金含有触媒は、B,B’,B”−
トリアルキニルボラジン化合物またはビス(ヒドロシラ
ン)化合物のうちモル量の少ない原料に対する金属原子
のモル比で0.000001〜0.5の範囲で使用され
る。
【0035】本発明は、溶媒の有無にかかわらず実施で
きるが、溶媒を用いる場合には、原料と反応するものを
除いた種々の溶媒を用いることができる。それら溶媒と
しては、芳香族炭化水素系、飽和炭化水素系、脂肪族エ
ーテル系、芳香族エーテル系等の溶媒が挙げられ、より
具体的には、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル等が挙げ
られる。
【0036】また本発明のボラジン含有ケイ素ポリマー
の薄膜を形成する際、基材上への溶液の塗布方法は特に
制限はなく、刷毛による塗布、スプレー塗布、スピンコ
ート法による塗布などいずれの方法をとることもでき
る。本発明で塗布する溶液を調製する温度としては、一
般的には室温でよいが、原料物質の構造により、好まし
い速度を達するために−20℃から200℃の範囲で冷
却または加熱することもできる。好ましい温度としては
0℃から150℃、より好ましくは0℃から100℃の
範囲で実施される。
【0037】溶液を塗布した後は、空気中、不活性雰囲
気下、または真空中で乾燥させることにより、ボラジン
含有ケイ素系ポリマーの薄膜を得ることができる。本発
明においてボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜とは、
その厚さを特に制限する意味ではなく、塊状などの樹脂
ではなく、膜状に形成したものを意味する。特に本発明
方法によればμm単位の薄い膜から比較的厚いmmオー
ダーの膜までの範囲で膜を形成することができることが
特徴であり、膜の厚さの上限は特にない。
【0038】また、本発明によれば、一般式(1)
【化18】
【0039】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物と、一般式(3)
【0040】
【化19】
【0041】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
またはアラルキル基を示し、nは3以上の整数を示す)
又は一般式(4)
【0042】
【化20】
【0043】(式中、RおよびR10はアルキル基、
アリール基、アラルキル基または水素原子の中から選ば
れる同一あるいは相異なる1価の基を示し、R11はオ
キシポリ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表される少
なくとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合
物とを反応させることによって、一般式(5)
【0044】
【化21】
【0045】(式中、R、R、R、R10、R
11およびRは、前記一般式(1)、(3)および
(4)中のものと同じであり、aおよびbは0以上の整
数でa+b≧1である)で表される構造を有する新規な
ボラジン含有ケイ素系ポリマーが提供される。
【0046】これら式中、R、RおよびRの具体
例としては、先の説明で示したものを挙げることができ
る。また、RおよびR10の具体例としては、先のR
およびRの説明で示したものが挙げられる。R11
はオキシポリ(ジメチルシロキシ)基である。一方、a
およびbは0以上の整数で、a+bは1以上であり、好
ましくは1〜50000、より好ましくは1〜2000
0の整数である。また、Zは原料化合物に由来する1価
の有機基であり、例えば置換基を有していてもよいビニ
ル基や水素原子等である。これらポリマーにおける末端
部の基は、ヒドロシリル基またはエチニル基等である。
【0047】また、前記一般式(5)における下記の式
(6)で表される部分は、下記の式(7)に示す4通り
の結合状態を含むことを意味する。
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】本発明のポリマーの製造において、反応は
ほぼ定量的に進行するため、減圧下または常圧下で溶媒
を除去する等の方法で容易に目的ポリマーが得られる。
また、再沈殿、ゲル浸透クロマトグラフィー等の方法で
分取することもできる。
【0051】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0052】(実施例1)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(0.
25mmol)を、トルエン(5ml)に溶解し、白金
ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレン
溶液(0.00025mmol白金)を加え、窒素下、
室温で4日間撹拌した。この溶液の0.1mlをガラス
基板上に塗布し、空気中で乾燥させることにより、無色
透明の薄膜を得た。タリステップを用いて測定した薄膜
の膜厚は2μmであった。この薄膜は耐熱性であり、こ
の膜のポリマーの熱安定性を熱重量分析で測定した結
果、5%重量減温度は、490℃(窒素下)および43
0℃(空気中)であった。1 H-NMR (C6D6, δ, ppm) 7.9-7.4 (m, 4H), 7.2-6.9
(m, 0.5H), 6.9-6.7 (m, 0.5H), 6.6-6.4 (m, 0.5H),
6.2-5.6 (m, 2.5H), 3.5-2.5 (m, ,10H) , 0.6-0.2(br
s, 12H). IR (KBr disk, cm-1) 2072, 1580 (w), 1500-1350 (pea
k top, 1448, 1396), 1247, 1133, 1085 (w), 1004
(w), 951, 841, 772 (w), 648 (w). 元素分析 C19H30N3B3Si2: 理論値C, 58.66; H, 7.77;
N, 10.80. 実測値 C, 57.50; H, 7.82; N, 9.83.
【0053】(実施例2)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン(0.25mmol)をトルエン(5ml)
に溶解し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白
金2%キシレン溶液(0.00025mmol白金)を
加え、窒素下室温で2日間撹拌した。この溶液の0.1
mlをガラス基板上に塗布し、空気中で乾燥させること
により、無色透明の薄膜を得た。タリステップを用いて
測定した薄膜の膜厚は4μmであった。この薄膜は実施
例1と同様に優れた耐熱性を示した。 IR (KBr disk, cm-1) 2164, 1230, 1021, 909, 731.
【0054】(実施例3)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、ヒドロジメチルシロキシポリ(ジメチルシロ
キシ)ジメチルシラン(HMeSiO(SiMe
O)SiMeH、Mn=6000;0.25mm
ol)を、トルエン(0.5ml)に溶解し、白金ジビ
ニルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレン溶液
(0.00025mmol白金)を加え、窒素下、室温
で1時間撹拌した結果、ゲル状溶液が得られた。反応溶
液を減圧下、加熱濃縮し、粉末状のボラジン含有ケイ素
系ポリマー(5a)をほぼ定量的な収率で得た。
【0055】IR (KBr disk, cm-1) 2056, 1945, 1593,
1470-1350, 1320-1220, 1200-900. 元素分析 C201H486N3O81B3Si81: 理論値C, 33.12; H,
8.09. 実測値 C, 32.91;H, 8.24. 熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 329℃ 26%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 333℃ 36%残(985℃)
【0056】(実施例4)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.25m
mol)、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン(0.25mmol)を、トルエン(0.5
ml)に溶解し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサ
ンの白金2%キシレン溶液(0.00025mmol白
金)を加え、窒素下、室温で2時間撹拌した結果、ゲル
状溶液が得られた。反応溶液を減圧下、加熱濃縮し、粉
末状のボラジン含有ケイ素系ポリマー(5b)をほぼ定
量的な収率で得た。このポリマーは、実施例2のポリマ
ーと同じ構造を有する。
【0057】熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 204℃ 81%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 200℃ 83%残(985℃)
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、B,B’,B”−トリ
アルキニルボラジン化合物と少なくとも2個のヒドロシ
リル基を有するケイ素化合物から、耐燃焼性、耐熱性コ
ーティング膜等として機能するボラジン含有ケイ素系ポ
リマーの薄膜を、簡便かつ安全に製造することができ
る。また、工業的に利用可能な新規なボラジン含有ケイ
素系ポリマーをも得ることができるので、本発明の産業
的意義は多大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J035 BA02 CA021 CA22M CA28M CA28N HA03 HA04 HB02 HB03 LB01 4J038 DL041 DM011 HA106 JC32 JC38 KA04 NA14 NA15 PA18 PA19 PC03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
    B,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物と少な
    くとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物
    とを、白金触媒存在下で混合し、その溶液を塗布するこ
    とを特徴とするボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 2個以上のヒドロシリル基を有するケイ
    素化合物が、一般式(2) 【化2】 (式中、RおよびRはアルキル基、アリール基、ア
    ラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一あるい
    は相異なる1価の基を示し、Rは置換基を有していて
    も良い芳香族の2価の基、酸素原子、または、オキシポ
    リ(ジメチルシロキシ)基を示す)で表されるビス(ヒ
    ドロシラン)化合物であることを特徴とする請求項1に
    記載の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 2個以上のヒドロシリル基を有するケイ
    素化合物が、一般式(3) 【化3】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、またはアラル
    キル基を示し、nは3以上の整数を示す)で表されるポ
    リ(ヒドロシラン)化合物であることを特徴とする請求
    項1に記載の薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1) 【化4】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
    B,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物と、一
    般式(3) 【化5】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、またはアラル
    キル基を示し、nは3以上の整数を示す)又は一般式
    (4) 【化6】 (式中、RおよびR10はアルキル基、アリール基、
    アラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一ある
    いは相異なる1価の基を示し、R11はオキシポリ(ジ
    メチルシロキシ)基を示す)で表される少なくとも2個
    以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物とを反応さ
    せて得られるボラジン含有ケイ素系ポリマー。
  5. 【請求項5】 一般式(5) 【化7】 (式中、R、R、R、R10、R11およびR
    は、前記一般式(1)、(3)および(4)中のものと
    同じであり、aおよびbは0以上の整数でa+b≧1で
    ある)で表される構造を有することを特徴とする請求項
    4に記載のボラジン含有ケイ素系ポリマー。
  6. 【請求項6】 空気中での5%重量減温度が、200℃
    以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載のボ
    ラジン含有ケイ素系ポリマー。
  7. 【請求項7】 一般式(1) 【化8】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
    B,B’,B”−トリアルキニルボラジン類と、一般式
    (6) (RC≡C) (6) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
    良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
    mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
    る)で表されるジイン又はトリイン化合物をともに用い
    て、それらを一般式(7) 【化9】 (式中、R12およびR13はアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一
    あるいは相異なる1価の基を示し、R14は置換基を有
    していても良い芳香族の2価の基)で表される少なくと
    も2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物と反
    応させて得られるボラジン含有ケイ素系共重合ポリマ
    ー。
  8. 【請求項8】 次の、一般式(8) 【化10】 又は一般式(9) 【化11】 (これら式中、R、R、R、R、R12、R
    13及びR14は、前記一般式(1)、(6)および
    (7)中のものと同じであり、c、d、e、f、g、h
    およびiは0以上の整数で、式(8)ではc+d≧1お
    よびe≧1、また式(9)ではf+g≧1およびh+i
    ≧1である)で表される繰り返し単位を有することを特
    徴とする請求項1に記載のボラジン含有ケイ素系共重合
    ポリマー。
  9. 【請求項9】 空気中での5%重量減温度が、200℃
    以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のボ
    ラジン含有ケイ素系共重合ポリマー。
  10. 【請求項10】 一般式(1) 【化12】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
    B,B’,B”−トリアルキニルボラジン類と、一般式
    (6) (RC≡C) (6) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
    良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
    mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
    る)で表されるジインまたはトリイン化合物をともに用
    いて、それらを一般式(7) 【化13】 (式中、R12およびR13はアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一
    あるいは相異なる1価の基を示し、R14は置換基を有
    していても良い芳香族の2価の基)で表される2個のヒ
    ドロシリル基を有するケイ素化合物と、白金触媒存在下
    で混合し、その溶液を塗布することを特徴とするボラジ
    ン含有ケイ素系共重合ポリマーの薄膜の製造方法。
JP2001068771A 2000-09-07 2001-03-12 ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー Expired - Lifetime JP3459985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001068771A JP3459985B2 (ja) 2000-09-07 2001-03-12 ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-272093 2000-09-07
JP2000272093 2000-09-07
JP2001068771A JP3459985B2 (ja) 2000-09-07 2001-03-12 ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001071162A Division JP3458157B2 (ja) 2000-09-07 2001-03-13 ボラジン含有ケイ素系共重合ポリマー及びその薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002155143A true JP2002155143A (ja) 2002-05-28
JP3459985B2 JP3459985B2 (ja) 2003-10-27

Family

ID=26599466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001068771A Expired - Lifetime JP3459985B2 (ja) 2000-09-07 2001-03-12 ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3459985B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004030070A1 (ja) * 2002-09-26 2004-04-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. ボラジン系樹脂及びその製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法、絶縁被膜を備えた電子部品
JP2004137475A (ja) * 2002-09-26 2004-05-13 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂の製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法
JP2004137473A (ja) * 2002-09-26 2004-05-13 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂及びその製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法
JP2005104993A (ja) * 2003-09-08 2005-04-21 Hitachi Chem Co Ltd コーティング剤、薄膜形成方法及び耐熱樹脂薄膜
US6924545B2 (en) 2001-03-27 2005-08-02 National Institute Of Advanced Industrial Science Low-dielectric-constant interlayer insulating film composed of borazine-silicon-based polymer and semiconductor device
US7427443B2 (en) * 2003-09-08 2008-09-23 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Low dielectric constant insulating material and semiconductor device using the material
JP2011102402A (ja) * 2002-09-26 2011-05-26 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂組成物及びその製造方法、絶縁被膜及びその形成方法、並びに電子部品
JP2011137161A (ja) * 2002-09-26 2011-07-14 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6924545B2 (en) 2001-03-27 2005-08-02 National Institute Of Advanced Industrial Science Low-dielectric-constant interlayer insulating film composed of borazine-silicon-based polymer and semiconductor device
JP2011137161A (ja) * 2002-09-26 2011-07-14 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法
JP2004137473A (ja) * 2002-09-26 2004-05-13 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂及びその製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法
JP2004137475A (ja) * 2002-09-26 2004-05-13 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂の製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法
US7625642B2 (en) 2002-09-26 2009-12-01 Hitachi Chemical Co., Ltd Borazine-based resin, and method for production thereof, borazine based resin composition, insulating coating and method for formation thereof, and electronic parts having the insulating coating
JP2011102402A (ja) * 2002-09-26 2011-05-26 Hitachi Chem Co Ltd ボラジン系樹脂組成物及びその製造方法、絶縁被膜及びその形成方法、並びに電子部品
WO2004030070A1 (ja) * 2002-09-26 2004-04-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. ボラジン系樹脂及びその製造方法、ボラジン系樹脂組成物、絶縁被膜及びその形成方法、絶縁被膜を備えた電子部品
JP4730723B2 (ja) * 2002-09-26 2011-07-20 日立化成工業株式会社 ボラジン系樹脂の製造方法
JP4730724B2 (ja) * 2002-09-26 2011-07-20 日立化成工業株式会社 ボラジン系樹脂の製造方法
US8362199B2 (en) 2002-09-26 2013-01-29 Hitachi Chemical Co., Ltd. Borazine-based resin, process for its production, borazine-based resin composition, insulating film and method for its formation
JP2005104993A (ja) * 2003-09-08 2005-04-21 Hitachi Chem Co Ltd コーティング剤、薄膜形成方法及び耐熱樹脂薄膜
US7427443B2 (en) * 2003-09-08 2008-09-23 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Low dielectric constant insulating material and semiconductor device using the material
JP4502310B2 (ja) * 2003-09-08 2010-07-14 日立化成工業株式会社 コーティング剤、薄膜形成方法及び耐熱樹脂薄膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP3459985B2 (ja) 2003-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101480587B1 (ko) 신규 실페닐렌 골격 함유 실리콘형 고분자 화합물 및 그의 제조 방법
US6225247B1 (en) Polymer precursor composition, crosslinked polymers, thermosets and ceramics made with silyl and siloxyl substituted carboranes with unsaturated organic end groups
JP2000265066A (ja) 有機溶剤可溶性の水素化オクタシルセスキオキサン−ビニル基含有化合物共重合体及び同共重合体からなる絶縁材料
JP2979145B1 (ja) 新型含シルセスキオキサンポリマー及びその製造方法
US5969072A (en) Silyl and siloxyl substituted carboranes with unsaturated organic end groups
JP2004099638A (ja) イミドシリコーン樹脂およびその製造方法
JP2002155143A (ja) ボラジン含有ケイ素系ポリマーの薄膜の製造方法及びボラジン含有ケイ素ポリマー
JP2735463B2 (ja) ポリカルボランシロキサンを用いた結合方法
WO2006001874A1 (en) Linear polysiloxanes, silicone composition, and organic light-emitting diode
JP3458157B2 (ja) ボラジン含有ケイ素系共重合ポリマー及びその薄膜の製造方法
JP2970391B2 (ja) 導電性重合体組成物
JP3041424B1 (ja) カルボシランボラジン系ポリマ―およびその製造方法
US5420238A (en) Poly(silyleneethynylene phenyleneethynylenes), method for preparing same and hardened product thereof
US20110306744A1 (en) Polyarylacetylenes containing siloxane, silane, and carborane moieties
Budy et al. Synthesis and Properties of Polymers with an Organosilicon–Acetylene Backbone
JP2884073B2 (ja) 新しい含シルセスキオキサンポリマーとその製造方法、およびハードコート膜、耐熱性素材
WO2012144481A1 (ja) シロキサン化合物およびその硬化物
JP2884074B2 (ja) 新規含シルセスキオキサンポリマーとその製造法および耐熱性素材
JP4143768B2 (ja) 低誘電率層間絶縁膜材料およびこれを用いた半導体装置
JP3564536B2 (ja) シリレン基を有するポリカルボシランの製造方法
JPH06166690A (ja) 含フッ素有機ケイ素化合物
Attanayake Study of different routes to develop asymmetric double decker silsesquioxane (DDSQ)
EP1276807A1 (en) Curable silicone resin composition and reactive silicon compounds
JP2956432B2 (ja) ピロリル基ペンダントポリシラン及びその製造方法
JP3636904B2 (ja) カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3459985

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term