JP3458157B2 - ボラジン含有ケイ素系共重合ポリマー及びその薄膜の製造方法 - Google Patents

ボラジン含有ケイ素系共重合ポリマー及びその薄膜の製造方法

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JP3458157B2
JP3458157B2 JP2001071162A JP2001071162A JP3458157B2 JP 3458157 B2 JP3458157 B2 JP 3458157B2 JP 2001071162 A JP2001071162 A JP 2001071162A JP 2001071162 A JP2001071162 A JP 2001071162A JP 3458157 B2 JP3458157 B2 JP 3458157B2
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祐子 内丸
浩 山下
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐燃焼性、耐熱性等
のコーティング膜として有用な、新規なボラジン含有ケ
イ素系共重合ポリマー、及び該ボラジン含有ケイ素系共
重合ポリマーの薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボラジン含有ケイ素系ポリマーは、空気
中でも優れた熱安定性を示し、耐燃焼性、耐熱性コーテ
ィング材料等への応用が期待されているが、薄膜の簡便
な製造例はまだ知られていなかった。また、通常のジイ
ンまたはトリイン化合物をモノマー成分として含み、ボ
ラジンモノマーの使用量を抑えることができる3元系の
ボラジン含有ケイ素系共重合ポリマーも知られていなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
通常のジインまたはトリイン化合物をモノマー成分とし
て含み、ボラジンモノマーの使用量を抑えることができ
る、新規な3元系のボラジン含有ケイ素系共重合ポリマ
ー、及び該共重合ポリマーの耐燃焼性、耐熱性に優れた
薄膜の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、B,B’,B”−ト
リアルキニルボラジン類と、ジイン又はトリイン化合物
を組み合わせて、2個以上のヒドロシリル基を有するケ
イ素化合物と白金含有触媒の存在下に混合し、その溶液
を塗布することによって、アルキニル基へのヒドロシリ
ル基の付加反応により、新規な3元系ボラジン含有ケイ
素系共重合ポリマーの薄膜が容易に得られるという新規
な事実を見い出し、本発明を完成させるにいたった。
【0005】すなわち、本発明は次のような構成をとる
ものである。 1.一般式(1)
【0006】
【化7】
【0007】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン類
と、一般式(2) (RC≡C) (2) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
る)で表されるジイン又はトリイン化合物をともに用い
て、それらを一般式(3)
【0008】
【化8】
【0009】(式中、RおよびRはアルキル基、ア
リール基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれ
る同一あるいは相異なる1価の基を示し、Rは置換基
を有していても良い芳香族の2価の基)で表される少な
くとも2個以上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物
と反応させて得られるボラジン含有ケイ素系共重合ポリ
マー。 2.次の、一般式(4)
【0010】
【化9】
【0011】又は一般式(5)
【0012】
【化10】
【0013】(これら式中、R、R、R、R
、RおよびRは、前記一般式(1)、(2)お
よび(3)中のものと同じであり、c、d、e、f、
g、hおよびiは0以上の整数で、式(4)ではc+d
≧1およびe≧1、また式(5)ではf+g≧1および
h+i≧1である)で表される繰り返し単位を有するこ
とを特徴とする1に記載のボラジン含有ケイ素系共重合
ポリマー。 3.空気中での5%重量減温度が、200℃以上である
ことを特徴とする1又は2に記載のボラジン含有ケイ素
系共重合ポリマー。 4.一般式(1)
【0014】
【化11】
【0015】(式中、Rはアルキル基、アリール基、
アラルキル基または水素原子を示し、Rはアルキル
基、アリール基、アラルキル基または水素原子を示す)
で表されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン類
と、一般式(2) (RC≡C) (2) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
る)で表されるジインまたはトリイン化合物をともに用
いて、それらを一般式(3)
【0016】
【化12】
【0017】(式中、RおよびRはアルキル基、ア
リール基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれ
る同一あるいは相異なる1価の基を示し、Rは置換基
を有していても良い芳香族の2価の基)で表される2個
のヒドロシリル基を有するケイ素化合物と、白金触媒存
在下で混合し、その溶液を塗布することを特徴とするボ
ラジン含有ケイ素系共重合ポリマーの薄膜の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)において、R
はアルキル基、アリール基、アラルキル基または水素原
子を示す。アルキル基の炭素数は1〜24、好ましくは
1〜12である。アリール基の炭素数は6〜20、好ま
しくは6〜10である。アラルキル基の炭素数は7〜2
4、好ましくは7〜12である。前記Rを例示する
と、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル
基、ビフェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェネ
チル基等のアラルキル基、水素原子等が挙げられる。
【0019】これらの置換基を有し、一般式(1)で表
されるB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化合物
の具体例としては、B,B’,B”−トリエチニルボラ
ジン、B,B’,B”−トリエチニル−N,N’,N”
−トリメチルボラジン、B,B’,B”−トリ(1−プ
ロピニル)ボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニル
エチニル)ボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニル
エチニル)−N,N’,N”−トリメチルボラジン、
B,B’,B”−トリエチニル−N,N’,N”−トリ
フェニルボラジン、B,B’,B”−トリ(フェニルエ
チニル)−N,N’,N”−トリフェニルボラジン、
B,B’,B”−エチニル−N,N’,N”−トリベン
ジルボラジン等が挙げられるが、これに限定されるもの
ではない。また、1種類のB,B’,B”−トリアルキ
ニルボラジン化合物を単独で用いることもできるが、2
種類以上のB,B’,B”−トリアルキニルボラジン化
合物を合わせて用いることも、本発明の有利な態様に含
まれる。
【0020】本発明で、B,B’,B”−トリアルキニ
ルボラジン化合物とともに、2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物と反応させるジインもしくはトリ
イン化合物は、一般式(2) (RC≡C) (2) で表される。式中、Rはアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基または水素原子を示す。アルキル基の炭素数
は1〜24、好ましくは1〜12である。アリール基の
炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。アラル
キル基の炭素数は7〜24、好ましくは7〜16であ
る。
【0021】前記Rを例示すると、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等のア
ルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の
アリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル
基、水素原子等が挙げられる。また、Rは、置換基を
有していても良い芳香族または脂肪族の2価または3価
の基を示す。mは、Rが2価の基では2、Rが3価
の基では3である。芳香族の2価または3価の基の炭素
数は、6〜20、好ましくは6〜14である。また脂肪
族の2価または3価の基の炭素数は2〜20、好ましく
は3〜16である。前記Rを例示すると、フェニレン
基、ベンゼントリイル基、ナフチレン基、ナフタレント
リイル基、アントリレン基、ビフェニレン基、テルフェ
ニレン基、エチレン基、トリメチレン基、ペンタメチレ
ン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基、ヘキサデ
カメチレン基等が挙げられる。
【0022】これらジインもしくはトリイン化合物を例
示すると、p−およびm−ジエチニルベンゼン、1,
3,5−および1,2,4−トリエチニルベンゼン、p
−およびm−ジ(1−プロピニル)ベンゼン、1,3,
5−および1,2,4−トリ(1−プロピニル)ベンゼ
ン、p−およびm−ジ(フェニルエチニル)ベンゼン、
p−およびm−ジ(3−フェニル−1−プロピニル)ベ
ンゼン、1,3,5−および1,2,4−トリ(フェニ
ルエチニル)ベンゼン、1,4−および1,5−ジエチ
ニルナフタレン、9,10−ジエチニルアントラセン、
4,4’−ジエチニルビフェニル、1,5−ヘキサジイ
ン、1,6−ヘプタジイン、1,8−ノナジイン、1,
11−ドデカジイン、1,15−ヘキサデカジイン、
1,19−エイコサジイン等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。ジインもしくはトリイン化合
物は、1種類を単独で用いることもできるが、2種類以
上を併用することも、本発明の有利な態様に含まれる。
【0023】本発明で用いる2個以上のヒドロシリル基
を有するケイ素化合物としては、一般式(3)で表され
るものが使用される。
【0024】
【化13】
【0025】式中、RおよびRはアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基または水素原子の中から選ばれる
同一あるいは相異なる1価の基を示す。アルキル基の炭
素数は1〜24、好ましくは1〜12である。アリール
基の炭素数は6〜20、好ましくは6〜10である。ア
ラルキル基の炭素数は7〜24、好ましくは7〜12で
ある。前記RおよびRを例示すると、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、t−ブチル基、オクチル基等
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基
等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基、水素原子等が挙げられる。
【0026】また、前記一般式(3)において、R
置換基を有していても良い芳香族の2価の基を示す。芳
香族の2価の基の炭素数は6〜24、好ましくは6〜1
2である。芳香族の2価の基としては、2価芳香族炭化
水素基(アリーレン基等)の他、酸素等のヘテロ原子を
連結基として含むアリーレン基等が含まれる。また前記
芳香族の2価の基に結合していても良い置換基として
は、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が含まれ
る。このような芳香族の2価の基としては、例えばフェ
ニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレ
ン基、ジフェニルエーテル基等の置換アリーレン基等が
挙げられる。
【0027】これらの置換基を有し、一般式(3)で表
されるビス(ヒドロシラン)化合物にはビス(モノヒド
ロシラン)類、ビス(ジヒドロシラン)類、ビス(トリ
ヒドロシラン)類が含まれる。これらビス(ヒドロシラ
ン)化合物の具体例としては、m−ビス(ジメチルシリ
ル)ベンゼン、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
1,4−ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、1,5−
ビス(ジメチルシリル)ナフタレン、m−ビス(メチル
エチルシリル)ベンゼン、m−ビス(メチルフェニルシ
リル)ベンゼン、p−ビス(メチルオクチルシリル)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(メチルベンジルシリル)ビフ
ェニル、4,4’−ビス(メチルフェネチルシリル)ジ
フェニルエーテル、m−ビス(メチルシリル)ベンゼ
ン、m−ジシリルベンゼン等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0028】本発明の反応における原料化合物の量関係
は、一般式(1)のB,B’,B”−トリアルキニルボ
ラジン化合物に対して、任意のモル比の一般式(2)の
ジイン又はトリイン化合物を使用することができるが、
一般的には、そのモル比は0.01〜200、好ましく
は0.03〜 150、より好ましくは0.05〜10
0の範囲である。 B,B’,B”−トリアルキニルボ
ラジン化合物(1)とジインまたはトリイン化合物
(2)を合わせたモル量に対する、一般式(3)の2個
のヒドロシリル基を有するケイ素化合物のモル量の比
は、一般的には0.1〜10、好ましくは0.2〜5の
範囲である。
【0029】本発明では、これらのモノマーを通常は白
金含有触媒の存在下に反応させることによって、次の、
一般式(4)
【0030】
【化14】
【0031】又は一般式(5)
【0032】
【化15】
【0033】(これら式中、R、R、R、R
、RおよびRは、前記一般式(1)、(2)お
よび(3)中のものと同じであり、c、d、e、f、
g、hおよびiは0以上の整数で、式(4)ではc+d
≧1およびe≧1、また式(5)ではf+g≧1および
h+i≧1である)で表される繰り返し単位を有する、
新規な3元系のボラジン含有ケイ素系共重合ポリマーを
得ることができる。式中、Z21、Z31、Z41は原
料化合物に由来する1価の有機基であり、例えば置換基
を有していてもよいビニル基や水素原子等である。これ
らポリマーにおける末端部の基は、ヒドロシリル基また
はエチニル基等である。
【0034】また、前記一般式(4)又は(5)におけ
る下記の式(6)で表される部分は、下記の式(7)に
示す4通りの結合状態を含むことを意味する。
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】本発明で用いる白金含有触媒は、従来ヒド
ロシリル化に使用されているものを用いることができ
る。これを例示すると、白金ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン、白金環状ジビニルメチルシロキサン、塩化白
金酸、ジクロロ白金、白金カーボン、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)二白金、ビス(エチレン)テトラクロ
ロ二白金、シクロオクタジエンジクロロ白金、ビス(シ
クロオクタジエン)白金、シクロオクタジエンジメチル
白金、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロ白金、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金等が挙げら
れるが、これに限定されるものではない。
【0038】これら白金含有触媒は、B,B’,B”−
トリアルキニルボラジン化合物(1)とジイン又はトリ
イン化合物(2)の合計量、もしくはビス(ヒドロシラ
ン)化合物(3)のうちモル量の少ない原料に対する金
属原子のモル比で0.000001〜0.5の範囲で使
用される。本発明のポリマーの製造において、反応はほ
ぼ定量的に進行するため、減圧下または常圧下で溶媒を
除去する等の方法で容易に目的ポリマーが得られる。ま
た、再沈殿、ゲル浸透クロマトグラフィー等の方法で分
取することもできる。
【0039】本発明は、溶媒の有無にかかわらず実施で
きるが、溶媒を用いる場合には、原料と反応するものを
除いた種々の溶媒を用いることができる。それら溶媒と
しては、芳香族炭化水素系、飽和炭化水素系、脂肪族エ
ーテル系、芳香族エーテル系等の溶媒が挙げられ、より
具体的には、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル等が挙げ
られる。
【0040】本発明では、これらの溶媒と白金含有触媒
の存在下に反応を行い、得られる溶液を基材等に塗布す
ることによって、耐燃焼性、耐熱性等の優れたボラジン
含有ケイ素系共重合ポリマーの薄膜を得ることができ
る。本発明のボラジン含有ケイ素系共重合ポリマーの薄
膜を形成する際、基材上への溶液の塗布方法は特に制限
はなく、刷毛による塗布、スプレー塗布、スピンコート
法による塗布などいずれの方法をとることもできる。本
発明で塗布する溶液を調製する温度としては、一般的に
は室温でよいが、原料物質の構造により、好ましい速度
を達するために−20℃から200℃の範囲で冷却また
は加熱することもできる。好ましい温度としては0℃か
ら150℃、より好ましくは0℃から100℃の範囲で
実施される。
【0041】溶液を塗布した後は、空気中、不活性雰囲
気下、または真空中で乾燥させることにより、ボラジン
含有ケイ素系共重合ポリマーの薄膜を得ることができ
る。本発明においてボラジン含有ケイ素系共重合ポリマ
ーの薄膜とは、その厚さを特に制限する意味ではなく、
塊状などの樹脂ではなく、膜状に形成したものを意味す
る。特に本発明方法によればμm単位の薄い膜から比較
的厚いmmオーダーの膜までの範囲で膜を形成すること
ができることが特徴であり、膜の厚さの上限は特にな
い。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)B,B’,B”−トリエチニル−N,
N’,N”−トリメチルボラジン(0.125mmo
l)、m−ジエチニルベンゼン(0.125mmo
l)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(0.25
mmol)をトルエン(5ml)に溶解し、白金ジビニ
ルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレン溶液
(0.00025mmol白金)を加え、窒素下室温で
4日間撹拌した。この溶液の0.1mlをガラス基板上
に塗布し、空気中で乾燥させることにより、無色透明の
薄膜を得た。タリステップを用いて測定した薄膜の膜厚
は2μmであった。この膜のポリマーの熱安定性を熱重
量分析で測定した結果、5%重量減温度は、320℃
(窒素下)および360℃(空気中)であった。1 H-NMR (C6D6, δ, ppm) 8.1-7.9 (m, 0.7H), 7.8-7.6
(m, 3.4H), 7.5-7.1 (m,0.7H), 6.9-6.7 (m, 0.9H), 6.
6-6.4 (m, 0.8H), 6.2-5.7 (m, 1.5H), 3.5-2.5(m, 5H)
, 0.6-0.2 (br s, 12H). IR (KBr disk, cm-1) 2072 (w), 1578, 1446, 1396, 12
49, 1133, 1104, 1019,839, 774.
【0043】(実施例2)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.125
mmol)、1,3,5−トリエチニルベンゼン(0.
125mmol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼ
ン(0.25mmol)をトルエン(5ml)に溶解
し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金2%
キシレン溶液(0.00025mmol白金)を加え、
窒素下室温で4日間撹拌した。この溶液の0.1mlを
ガラス基板上に塗布し、空気中で乾燥させることによ
り、無色透明の薄膜を得た。タリステップを用いて測定
した薄膜の膜厚は3μmであった。この膜のポリマーの
熱安定性を熱重量分析で測定した結果、5%重量減温度
は、320℃(窒素下)および380℃(空気中)であ
った。 IR (KBr disk, cm-1) 2120, 2074, 1578, 1448, 1381,
1251, 1135, 988, 880,820.
【0044】(実施例3)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.125
mmol)、m−ジエチニルベンゼン(0.125mm
ol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン(0.2
5mmol)を、トルエン(0.5ml)に溶解し、白
金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金2%キシレ
ン溶液(0.00025mmol白金)を加え、窒素
下、室温で5日間撹拌した結果、ゲル状溶液が得られ
た。反応溶液を減圧下、加熱濃縮し、粉末状のボラジン
含有ケイ素系共重合ポリマー(4a)をほぼ定量的な収
率で得た。このポリマーは、実施例1のポリマーと同じ
構造を有する。 熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 321℃ 63%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 362℃ 59%残(985℃)
【0045】(実施例4)B,B’,B”−トリエチニ
ル−N,N’,N”−トリメチルボラジン(0.125
mmol)、1,3,5−トリエチニルベンゼン(0.
125mmol)、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼ
ン(0.25mmol)を、トルエン(0.5ml)に
溶解し、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金
2%キシレン溶液(0.00025mmol白金)を加
え、窒素下、室温で6日間撹拌した結果、ゲル状溶液が
得られた。反応溶液を減圧下、加熱濃縮し、粉末状のボ
ラジン含有ケイ素系共重合ポリマー(5a)をほぼ定量
的な収率で得た。このポリマーは、実施例2のポリマー
と同じ構造を有する。 熱重量分析(窒素中) Td(5%重量減温度) 322℃ 75%残(985℃) 熱重量分析(空気中) Td(5%重量減温度) 382℃66%残(985
℃)
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、B,B’,B”−トリ
アルキニルボラジン化合物(1)及び通常のジインまた
はトリイン化合物(2)を、少なくとも2個のヒドロシ
リル基を有するケイ素化合物(3)と反応させることに
よって、高価なボラジンモノマーの使用量を抑えた新規
な3元系のボラジン含有ケイ素系共重合ポリマー、及び
該共重合ポリマーの耐燃焼性、耐熱性に優れた薄膜を、
簡便かつ安全に製造することができる。従って本発明の
産業的意義は多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 - 77/62 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
    B,B’,B”−トリアルキニルボラジン類と、 一般式(2) (RC≡C) (2) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
    良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
    mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
    る)で表されるジイン又はトリイン化合物をともに用い
    て、それらを一般式(3) 【化2】 (式中、RおよびRはアルキル基、アリール基、ア
    ラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一あるい
    は相異なる1価の基を示し、Rは置換基を有していて
    も良い芳香族の2価の基)で表される少なくとも2個以
    上のヒドロシリル基を有するケイ素化合物と反応させて
    得られるボラジン含有ケイ素系共重合ポリマー。
  2. 【請求項2】 次の、一般式(4) 【化3】 又は一般式(5) 【化4】 (これら式中、R、R、R、R、R、R
    よびRは、前記一般式(1)、(2)および(3)中
    のものと同じであり、c、d、e、f、g、hおよびi
    は0以上の整数で、式(4)ではc+d≧1およびe≧
    1、また式(5)ではf+g≧1およびh+i≧1であ
    る)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする
    請求項1に記載のボラジン含有ケイ素系共重合ポリマ
    ー。
  3. 【請求項3】 空気中での5%重量減温度が、200℃
    以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のボ
    ラジン含有ケイ素系共重合ポリマー。
  4. 【請求項4】 一般式(1) 【化5】 (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rはアルキル基、アリール
    基、アラルキル基または水素原子を示す)で表される
    B,B’,B”−トリアルキニルボラジン類と、一般式
    (2) (RC≡C) (2) (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または水素原子を示し、Rは、置換基を有していても
    良い芳香族または脂肪族の2価または3価の基を示し、
    mはRが2価の基では2、Rが3価の基では3であ
    る)で表されるジインまたはトリイン化合物をともに用
    いて、それらを一般式(3) 【化6】 (式中、RおよびRはアルキル基、アリール基、ア
    ラルキル基または水素原子の中から選ばれる同一あるい
    は相異なる1価の基を示し、Rは置換基を有していて
    も良い芳香族の2価の基)で表される2個のヒドロシリ
    ル基を有するケイ素化合物と、白金触媒存在下で混合
    し、その溶液を塗布することを特徴とするボラジン含有
    ケイ素系共重合ポリマーの薄膜の製造方法。
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