JP2002155107A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP2002155107A
JP2002155107A JP2000354867A JP2000354867A JP2002155107A JP 2002155107 A JP2002155107 A JP 2002155107A JP 2000354867 A JP2000354867 A JP 2000354867A JP 2000354867 A JP2000354867 A JP 2000354867A JP 2002155107 A JP2002155107 A JP 2002155107A
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Masahiro Usu
雅浩 薄
Minoru Shigemitsu
稔 重光
Tadashi Amano
正 天野
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    • C08F14/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F14/02Monomers containing chlorine
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長距離輸送または長期保存された塩化ビニル又
はそれを含む単量体混合物は通常重合禁止剤とFeイオン
を含むために、重合中の攪拌トルクが上昇し、重合缶ジ
ャケットによる反応熱の除熱が不十分になりがちで重合
体の品質も悪影響を受け易い。この問題を解決した塩化
ビニル系重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】重合禁止剤及びFeイオンを含有する塩化ビ
ニル又は塩化ビニルおよびこれと共重合可能な単量体の
混合物を、水性媒体中で重合し塩化ビニル系重合体を製
造する製造方法において、オキシカルボン酸系化合物を
重合混合物に前記単量体又は単量体混合物に対して50〜
1000ppm添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系重合体の製
造方法に関するものであり、特に重合に供される単量体
が重合禁止剤とFeイオンを含有する場合に重合体製造時
の攪拌トルクの上昇に伴う重合缶ジャケットの除熱能力
の低下と重合体の品質低下を抑制することができる塩化
ビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】塩化ビニル又は塩化ビニルおよびこれと共
重合可能な単量体の混合物を水性媒体中で重合させて塩
化ビニル系重合体を製造するに際し、通常重合器内に塩
化ビニル又はそれを含む単量体混合物、仕込み水、分散
剤、および重合開始剤を仕込んで所定の重合温度で所定
時間重合して塩化ビニル系重合体を製造する。この際、
重合器内に仕込まれる塩化ビニル又はそれを含む単量体
混合物が、長距離輸送または長期保存されたものである
場合、重合中に見かけのスラリー粘度が上昇して攪拌ト
ルクが上昇する結果、重合缶ジャケットによる反応熱の
除熱能力が低下し重合温度の制御が困難となり、さらに
は得られる重合体の嵩比重、可塑剤吸収量、および粒度
が細粒化するという問題があった。この問題の対策とし
て、単量体仕込み量に対する仕込む水の量を増加させる
方法、分散剤の種類の選定およびその添加量を調整する
方法、重合中に水を追加添加する方法などがあるが、こ
れらの問題が十分に解決されるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、長距離輸送または長期保存された塩化ビニル又はそ
れを含む単量体混合物を重合に供しても、重合中の攪拌
トルクを安定させて重合缶ジャケットによる反応熱の除
熱を容易にし、かつ重合体の品質にも悪影響を与えるこ
となく塩化ビニル系重合体を製造できる塩化ビニル系重
合体の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】通常、貯蔵タンク内に塩
化ビニル又はそれを含む単量体混合物を入れて長距離輸
送または長期保存する場合、タンク内での重合を抑制す
るため重合禁止剤が単量体中に添加されている。本発明
者らは、鋭意検討した結果、長距離輸送または長期保存
された塩化ビニル又はそれを含む単量体混合物を重合に
供すると上述の問題が発生する原因は単量体中に含有さ
れている重合禁止剤hのみならず、長期輸送中または長
期保存中に貯蔵タンク内壁から腐食等により2価ないし3
価のFeイオンが単量体に混入し上記問題の原因であるこ
とを見出した。さらにはこの問題は重合混合物にオキシ
カルボン酸系化合物を特定量添加することにより解決す
ることができることを見出して本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は、上記課題を解決する
手段として、重合禁止剤を0.1ppm以上、そしてFeイオン
を0.01ppm以上含有する塩化ビニル又は塩化ビニルおよ
びこれと共重合可能な単量体の混合物を、水性媒体中で
重合し塩化ビニル系重合体を製造する製造方法におい
て、オキシカルボン酸系化合物を重合混合物に前記単量
体又は単量体混合物に対して50〜1000ppm添加すること
を特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法をより詳細に
説明する。なお、説明においてppmは特記しない限り重
量基準である。 [オキシカルボン酸系化合物]本発明に用いられるオキ
シカルボン酸系化合物は、好適にはFeイオンと錯体を生
成するものである。Feイオンは2価もしくは3価又は2
価と3価とが併存していてもよい。これらのFeイオンは
遊離状態で存在していてもよいし、場合によっては塩を
形成していてもよい。
【0007】オキシカルボン酸系化合物は、一分子内に
水酸基とカルボキシル基とをもつものであり、例えば、
グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル
酸、α−ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン
酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の脂肪族オキシカル
ボン酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒド
ロキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等の
芳香族オキシカルボン酸、およびこれらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩があげられ、中でもアルカリ金属
塩、アンモニウム塩が好ましい。本発明に使用されるオ
キシカルボン酸系化合物は特にこれらに限定されるもの
ではなく、不斉炭素原子をもつものは、D−体、L−体、
DL−体いずれでもよい。またアルカリ金属塩やアンモニ
ウム塩は、正塩、酸性塩(水素塩)、単塩、複塩いずれの
形態であってもよく、一部または全部が塩の状態であっ
てもよい。これらオキシカルボン酸系化合物は一種単独
でも二種以上を組み合わせても用いられる。上記オキシ
カルボン酸系化合物の中で特に好適に実施されるものは
リンゴ酸、酒石酸、クエン酸のアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩であり、さらにはこれらのアンモニウム塩が好
ましい。
【0008】本発明におけるオキシカルボン酸系化合物
の添加量は、仕込み塩化ビニル又はそれを含む単量体混
合物に対して50〜1000ppmである。添加時期は特に限定
されないが、通常、原材料の仕込み時に水または塩化ビ
ニルもしくはそれを含む単量体混合物に添加するとよ
い。添加方法等も特に制限はなく、水溶液、水性分散
体、粉体等との様な形態でよく、取り扱いが容易である
という意味から、水溶液または水性分散体として添加す
ることが好ましい。この場合添加量が少なすぎると添加
効果が十分ではなく、また添加量が多すぎると、重合体
レジンの帯電性の悪化や、コストアップとなってしまう
ので好ましくない。
【0009】[その他の原材料]本発明の重合に使用さ
れる単量体及びその他の材料、添加剤は通常塩化ビニル
又はそれを含む単量体混合物の水性媒体中における重合
に使用されるものでよい。以下、個別に説明する。
【0010】・単量体 本発明で用いられる単量体原料は、塩化ビニル又は塩化
ビニルを主成分とする単量体混合物である。塩化ビニル
を主成分とする単量体混合物は、少なくとも50重量%以
上の塩化ビニルと、塩化ビニルと共重合可能な他の単量
体とからなる混合物である。用いられている塩化ビニル
と共重合可能な他の単量体としては、例えば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、
またはメタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等
のオレフィン類;無水マレイン酸;アクリロニトリル;
スチレン;塩化ビニリデン等が挙げられる。これらは一
種単独で又は二種以上を組み合わせて用いられる。
【0011】・重合禁止剤 上記単量体が長距離輸送または長期保存される場合に
は、Feを組成中に含むタンク材料内壁等の腐食により上
記単量体中に2価ないし3価のFeイオンの溶出が起こる。
また長距離輸送または長期保存の目的で単量体中に安定
剤として重合禁止剤が添加される。この重合禁止剤とし
ては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノー
ル、t−ブチルカテコールなどのフェノール類、および
その他分子内にフェノールやハイドロキノンの構造を有
する重合禁止剤等があげられる。本発明が好適に実施さ
れるのはこれらの重合禁止剤が単量体中に0.1ppm以上、
特に0.1ppm〜50ppm含まれ、Feイオンが0.01ppm以上、特
に0.01ppm〜20ppm含まれる場合である。また、本発明の
方法が好適に実施されるのは重合禁止剤としてハイドロ
キノンが添加されいる場合であり、特に重合禁止剤とFe
イオンの合計含有量が3〜30ppm含まれる場合である。
【0012】長距離輸送または長期保存のために添加さ
れる重合禁止剤とは別に、下記の酸化防止剤を重合混合
物に添加することができる。かかる酸化防止剤に特に制
限はなく、塩化ビニル系重合体の製造に於いて一般に用
いられるものでよい。例えば、2,2−ジ(4'−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ハイドロキノン、p−メトキシフェ
ノール、t−ブチルヒドロキシアニソ−ル、n−オクタデ
シル−3−(4−ヒドロキシ3,5−ジ−t−ブチルフェニル)
プロピオネート、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−
t−ブチルハイドロキノン、4.4'−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシトルエン、2,2'−メチレン−ビス(4
−エチル6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリ
コール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、2,6−ジ−t−ブチル
−4−sec−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール、t−ブチルカテコール、4,4'−チ
オビス(6−t−ブチル−m−クレゾ−ル)、トロフェロー
ル、ノルジヒドログアイアレチン酸等のフェノール化合
物;セミカルバジド、および1−アセチルセミカルバジ
ド、1−クロルアセチルセミカルバジド、1−ジクロルア
セチルセミカルバジド、1−ベンゾイルセミカルバジ
ド、セミカルバゾン等のセミカルバジド誘導体、カルボ
ヒドラジド、チオセミカルバジド、チオセミカルバゾン
等のチオカルバジドの誘導体、フェニルナフチルアミ
ン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'
−ビス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のアミン
化合物;ニトロアニソール、N−ニトロソジフェニルア
ミン、ニトロアニリン、N−ニトロソフェニルヒドロキ
シリルアミシアルミニウム塩等のニトロまたはニトロソ
化合物;トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデ
シルホスファイト、フェニルシイソデシルホスファイ
ト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリッ
クソオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファ
イト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト等のリン化合物;スチ
レン、1,3−ヘキサジエン、メチルスチレン等の不飽和
炭化水素化合物;ジラウリルチオジプロピオネート、ジ
ミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジ
プロピオネート、ドデシルメルカプタン、1,3−ジフェ
ニル−2−チオ尿素等の硫黄化合物等が挙げられる。こ
れらの化合物のうちで、得られる重合体をシート等に成
形した際の初期着色が少ない点、重合器へのスケール付
着が少ない点で、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
トルエン、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、t−ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチ
ルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−sec−ブチ
ルフェノール、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
【0013】上記酸化防止剤は一種単独でも二種以上を
組み合わせても用いられ、仕込み単量体100重量部に対
して0.006〜0.01重量部添加される。またこの酸化防止
剤の添加時期については、原材料の仕込み段階から重合
の終了段階の間の任意の時期に行ってよい。
【0014】・分散助剤 塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物を水性
媒体中で重合する場合に使用される分散助剤としては、
例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル;水
溶性部分鹸化ポリビニルアルコール;アクリル酸重合
体;ゼラチン等の水溶性ポリマー;ソルビタンモノラウ
レート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステ
アレート、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロ
ック共重合体等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリ
ンオレート、ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤な
どが挙げられる。これらは一種単独でも二種以上を組み
合わせても用いられ、仕込み単量体に100重量部に対し
て0.02〜1重量部添加される。
【0015】・重合開始剤 本発明の方法において用いられる重合開始剤は特に限定
されず、従来の塩化ビニル系重合体の製造に用いられて
いるものでよい。例えば、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネー
ト等のパーオキシカーボネート化合物;t−ブチルパー
オキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミル
パーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル化合
物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシ
アセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキ
シド等の過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素等が挙げられる。これらは一種
単独でも二種以上を組み合わせても用いられ、仕込み単
量体100重量部に対して0.01〜0.2重量部添加される。
【0016】本発明の方法においては、その他、必要に
応じて塩化ビニル系重合体の製造に一般的に使用されて
いる重合度調整剤、連鎖移動剤、ゲル化改良剤、耐電防
止剤などを適宜使用することもできる。また、酸化防止
剤を重合反応の制御、生成重合体の劣化防止などの目的
で、重合開始前、重合中あるいは重合終了後に重合系に
添加することもできる。
【0017】・その他の重合条件 重合における他の条件、例えば、重合器への水性媒体、
塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物、分散
助剤、重合開始剤等の仕込み方法、仕込み割合、あるい
は重合温度なども従来と同様でよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】実施例1 内容量2m3のステンレス製重合器に脱イオン水980kg、酒
石酸アンモニウムの10wt%水溶液700kg、(酒石酸アンモ
ニウムとして70g)ケン化度80.5モル%の部分ケン化ポリ
ビニルアルコール382g、及びメトキシ置換度28.5重量%
及びヒドロキシプロポキシ置換度8.9%のヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース143gを仕込んだ。ついで重合器
内を内圧が60mmHgとなるまで脱気した後、塩化ビニル単
量体(ハイドロキノン6ppm、Fe 1ppm含有)700kgを仕込ん
だ。攪拌しながら、重合開始剤としてジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート350gを仕込み、同時に
ジャケットに温水を通して昇温を開始し、重合器内が5
7.0℃まで昇温したところで、その温度を保ち重合を続
けた。
【0020】重合器内の圧力が0.588MPaに降圧した時点
(重合率86%)で、重合器内にトリエチレングリコール−
ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕の30%水性分散液を700g添
加し、未反応単量体を回収した。得られた重合体スラリ
ー中に25%アンモニア水280gを添加しpHを調整後、重合
体スラリ−を脱水、乾燥して塩化ビニル重合体を得た。
得られた重合体の#100パス%、嵩比重、可塑剤吸収量、
および重合中の攪拌トルク数の最大値、最低ジャケット
温度を表1、2に示す。なお、単量体中のハイドロキノ
ンとFeイオンの定量、得られた重合体の#100を超える
粒子の割合、嵩比重、可塑剤吸収量は以下のようにして
測定した。
【0021】・塩化ビニル単量体中のハイドロキノン、
Feイオンの定量 塩化ビニル中のハイドロキノンおよびFeの定量は、とも
に単量体をガス化させて残った蒸発残分より、前者はア
セトニトリルで抽出分を液体クロマトグラフィーにて定
量し、後者は1N塩酸で抽出分をICPにて定量を行った。 ・粒度 #100% JIS Z-8801の粒度分布測定法に準じて、#100の篩を通過
した試料の重量%を求めた。 ・嵩比重 JIS K-6273に準じて測定した。 ・可塑剤吸収量 内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合金製容器の底に、
グラスファイバーを詰め、該容器に試料10gを投入し、
さらにジオクチルフタレート(D0P)15mlを加え30分間放
置して試料に十分D0Pを浸透させた後、1500Gの加速度下
で過剰のD0Pを遠心分離して除いた。この重量を測定
し、試料に吸収されたD0P量を吸収前の試料の重量に対
する重量%として求めた。
【0022】実施例2、3および比較例1〜3 実施例1の酒石酸アンモニウムの代わりに、表1に示し
た量の初期添加剤を使用するかまったく使用しない以外
は、実施例1と同様に行った。 参考例1〜4 実施例1の塩化ビニル単量体の代わりに、表2に示した
条件の塩化ビニル単量体を仕込み、かつ酒石酸アンモニ
ウムの代わりに、表2に示した量の初期添加剤を使用ま
たは使用しない以外は、実施例1と同様に行った。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、塩化ビニルおよ
び塩化ビニルと共重合可能な単量体中に重合禁止剤やFe
イオンが含まれる場合においても、重合中に攪拌トルク
数が上昇しジャケットによる除熱が困難になることな
く、かつ品質の安定した塩化ビニル系重合体を製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 正 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信 越化学工業株式会社塩ビ技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA01 AA05 JB26 NA23 NB01 PA28 PA29 PB40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合禁止剤を0.1ppm以上、そしてFeイオ
    ンを0.01ppm以上含有する塩化ビニル又は塩化ビニルお
    よびこれと共重合可能な単量体の混合物を、水性媒体中
    で重合し塩化ビニル系重合体を製造する製造方法におい
    て、オキシカルボン酸系化合物を重合混合物に前記単量
    体又は単量体混合物に対して50〜1000ppm添加すること
    を特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、前記重合
    禁止剤がハイドロキノンであることを特徴とする塩化ビ
    ニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法であって、前記オキ
    シカルボン酸系化合物が、オキシカルボン酸アンモニウ
    ム塩であることを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法であって、前記単量
    体又は単量体混合物中の重合禁止剤とFeイオンの合計含
    有量が、3〜30ppmであることを特徴とする塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
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