JP2002153213A - 抽出ココアパウダー及びそれを含有する飲食物 - Google Patents

抽出ココアパウダー及びそれを含有する飲食物

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JP2002153213A JP2000358478A JP2000358478A JP2002153213A JP 2002153213 A JP2002153213 A JP 2002153213A JP 2000358478 A JP2000358478 A JP 2000358478A JP 2000358478 A JP2000358478 A JP 2000358478A JP 2002153213 A JP2002153213 A JP 2002153213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ざらつき及び沈殿がなく、且つ風味の良い抽出
ココアパウダー及びそれを含有する飲食物を提供する。 【解決手段】アルカリ処理をしていないココアパウダー
を5〜15倍量の温水に分散させ、アルカリ剤を添加
し、PH7.0〜8.5に於いて撹拌しながらアルカリ
処理を行い、しかる後に不溶性部分を除去した可溶性部
分を乾燥後、加熱することにより得られる抽出ココアパ
ウダー及びそれを含有する飲食物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はざらつき及び沈殿が
なく、且つ風味の良い抽出ココアパウダー及びそれを含
有する飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のココアパウダーは焙焼又は未焙焼
のカカオ豆又はカカオニブをアンモニア、マグネシウ
ム、ナトリウム、カリウム等の炭酸塩、重炭酸塩、水酸
化物等のアルカリ溶液に浸漬処理し、乾燥、ロースト
後、磨砕し、以後搾油、粉砕をし、通常のココアパウダ
ーを得ている。該従来製法によって得られるココアパウ
ダーは微粒化しても人間がざらつきとして感じるとされ
る粒径25μm以上の粒子を3重量%以上含有し、且つ
温水に不溶性の粒子が多く、ココア飲料は一般的に他の
飲料にはない粉っぽさ、ざらつき、重さ、くどさを感じ
ている。
【0003】これらの欠点を取り除くべく、カカオ豆の
水溶性成分を抽出する方法について特公昭63−982
4号公報にはカカオ豆を焙煎、粗砕、脱皮処理して得ら
れるココア砕豆(ニブス)に常法によりアルカリ処理を
施した後又は施さないまま直ちにこれを脱油処理しココ
アバターを抽出処理後のココアケーキを粉砕し得られる
粗粒のココア粉を必要に応じアルカリ処理した後、加熱
容器に入れ熱湯によりココア粉の加熱溶解抽出処理を行
ない、必要に応じこれにアルカリを添加してアルカリ処
理を併行して行ない得られるココア溶解抽出液を濾過を
行ない不溶物残滓を除去し得られるココア濾液に乳化
剤、安定剤を添加混合し、ココア中の脂肪を均一に分散
せしめることを特徴とする飲料用ココアの製造法が開示
されている。
【0004】また特公平1−42657号公報にはアン
モニア、マグネシア、ソーダ、カリ等の炭酸塩、重炭酸
塩、水酸化物等のアルカリ剤を用いてアルカリ処理した
カカオマス又は該カカオマスより一部搾油して得たココ
アパウダーを70〜130℃のエタノールを含有又は非含有
の熱水中に均一に混合せしめて該熱水中に水可溶性物を
溶解させ、その混合物中より水可溶性部と微粒子部とを
含有する成分を抽出分離することを特徴とするカカオ豆
の処理方法が開示されている。
【0005】また更に特開平9−75003号公報には
カカオ豆の全粒を選別後、焙炒せずに破砕ロールにかけ
て粗砕した外皮や胚芽が混入したカカオ豆全粒粗砕物を
アルカリ処理後水を加えて加熱抽出し、遠心分離、濾過
して、カカオ抽出液を製造する工程において(a)カカ
オ豆全粒破砕物を原料として用いること、(b)アルカ
リ剤を、アルカリ処理後に得られるカカオ抽出液のpH
が6.5〜8.0となるよう添加すること、(c)カカ
オ豆全粒破砕物に水を加え85〜120℃の条件下で加
熱抽出すること、を特徴とするカカオ抽出液の製造法が
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の如く、該製造方
法によって得られる製品は、喫食した時にココア飲料に
一般的に感じられる温水に不溶性の粒子によるざらつ
き、沈殿の発生等を防止する面では成功しているが、コ
コア抽出液から粉末化する際に大量の水を蒸散させる必
要があり、従来製法によるココアパウダー特有の風味と
はかけ離れ、苦み、渋み、えぐみなどが強くなり、風味
のバランスが崩れた製品となる欠点を有していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記従来製
法の課題を解決すべく鋭意研究の結果、前記の如くアル
カリ処理をした原料ココアパウダー1に対して60〜9
0℃の温水を重量比で5〜15倍添加、混合後、アルカ
リ剤を加えて再度のアルカリ処理をしながら攪拌し、次
に不溶性部分を除去し、乾燥して得た乾燥物を加熱処理
することによって得られる抽出ココアパウダー及びそれ
を含有する飲食物を完成するに至った。
【0008】本発明に供する原料ココアパウダーとは、
カカオ豆を剥皮し、粗砕したカカオニブを炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸塩を含むアルカリ溶液に浸漬
処理した後、焙焼し、磨砕し、ココアプレス機で搾油
し、油分含量10〜24重量%のココアケーキを得、粉
砕して製造する方法、またはカカオ豆を弱焙焼後、剥皮
し、粗砕したカカオニブを炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の炭酸塩を含むアルカリ溶液に浸漬処理した後、焙
焼し、磨砕し、ココアプレス機で搾油し、油分含量10
〜24重量%のココアケーキを得、粉砕して製造する方
法によって得られる。
【0009】上記の如く通常のアルカリ処理した原料コ
コアパウダーに添加する温水の量は抽出効率をよく行う
ために、最低でも該ココアパウダー1に対して60〜9
0℃の温水を重量比で5〜15倍添加することが好まし
く、該ココアパウダー1に対して重量比で15を超える
加水では以降の濃縮-乾燥時の風味成分のロスが大きく
なり好ましくない。また重量比5未満では抽出効率が悪
い。
【0010】本発明の再度のアルカリ処理に使用するア
ルカリ剤としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを使用
して行う。かくして撹拌終了時の溶液のpHを7.0〜
8.5になるよう調整することが好ましく、pHが8.
5を越える場合には独特のアルカリ臭や、苦みが発生し
好ましくない。一方pH7.0未満の場合には、えぐ
み、渋みが強く、好ましい本発明の特徴とする抽出ココ
ア粉末が得られない。
【0011】次に本発明による抽出時間は、60〜90
℃の温水温度で1時間以上3時間以下攪拌しながら抽出
することが好ましい。60℃未満で3時間を超える時間
の抽出では抽出効率が悪く、90℃を超える温度でも抽
出可能であるが独特の不快臭が生成され好ましくない。
【0012】かくして得た再度のアルカリ処理された不
溶性成分が混在する攪拌液を、遠心分離により固液分離
を行い、粒径25μm以上の不溶性成分を取り除く。こ
の際使用する遠心分離機としては連続式、バッチ式のい
ずれの遠心分離機をも使用することが可能である。
【0013】該不溶性成分を分離した抽出液を粉末化す
るために、濃縮、及び乾燥工程に移るが、濃縮、乾燥方
法としては通常の真空乾燥法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法
等を採用することが出来る。直接乾燥法又は凍結乾燥法
で得た乾燥物はピンミル、カッターミル等で粉砕する。
上記乾燥法により得られた乾燥物の水分を5重量%以
下、1重量%以上とし、更に通風型オーブン、流動層乾
燥機等により、加熱処理を行う。加熱処理としては該乾
燥物の品温を110〜140℃、好ましくは品温125
〜135℃の特定温度条件で加熱処理することであっ
て、該加熱処理により、香ばしく、ココアらしい香気を
引き出す本発明の特徴とする該加熱処理効果の現われた
抽出ココアパウダーが得られる。
【0014】加熱処理する際の該乾燥物の水分は1〜5
重量%が好ましく、該乾燥物の水分が5重量%超える場
合には以降の加熱処理時に固結が起こり、後工程の微粒
化が困難となり好ましくない。一方、該乾燥物の水分が
1重量%未満の場合には加熱処理が急激に起こり均一な
処理がし難く、焦げ臭が強く、好ましい風味でなくな
る。好ましい加熱処理時の乾燥物の水分は2〜3重量%
であることがより好ましい。
【0015】乾燥物の加熱処理に対する加熱時間は30
分を越えると著しく美味しさが低下をし、又20分未満
では美味しさが発現しない。
【実施例】次に実施例を挙げて,本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】実施例1 カカオ豆を剥皮し、粗砕したカカオニブに対し炭酸カリ
ウム2重量%、水25重量%を加え、90℃で1時間混
合しながらアルカリ処理し、焙焼し、磨砕して得たカカ
オマスをカカオプレス機で搾油してpH7.4の油分1
2重量%の原料ココアパウダーを得た。上記ののアルカ
リ処理をした油分12重量%の原料ココアパウダー10
重量部を140重量部の熱水に溶解させ、80℃に加温
しながら、炭酸カリウム0.4重量部を添加し、1時間
攪拌と同時に再度のアルカリ処理を行う。当該アルカリ
処理した溶液を31000Nで遠心分離機にかけ、固液
分離を行い不溶性成分を取り除いた。該抽出溶液を、ブ
リックス計による測定濃度Bx:25まで真空濃縮し、
しかる後噴霧乾燥にて水分5重量%に乾燥後、135
℃、30分間、通風型オーブン(ADVATEC FV−43
0 FORCED CONVENCTION OVEN)を使用して加熱処理
し、PH7.9、水分1.0重量%の抽出ココアパウダ
ーを得た。当該品はココア風味の優れた抽出ココアパウ
ダーであった。
【0017】実施例2 実施例1に示すpH7.4のアルカリ処理をした油分1
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の熱水に溶解させ、80℃に加温しながら、炭酸ナト
リウム0.3重量部を添加し、1時間攪拌と同時に再度
のアルカリ処理を行う。該アルカリ処理した溶液を31
000Nで遠心分離機にかけ、固液分離を行い不溶性成
分を取り除いた。該抽出溶液を、ブリックス計による測
定濃度Bx:25まで真空濃縮し、しかる後噴霧乾燥に
て水分5重量%に乾燥後、135℃、30分間、通風型
オーブン(ADVATEC FV−430 FORCED CONVENCTI
ONOVEN)を使用して加熱処理し、pH7.8、水分1.
0重量%の抽出ココアパウダーを得た。当該品はココア
風味の優れた抽出ココアパウダーであった。
【0018】実施例3 実施例1に記載の製造方法で得られた抽出ココアパウダ
ー20重量部、グラニュー糖49.9重量部、脱脂粉乳
10重量部、クリームパウダー20重量部、食塩0.1
0重量部を混合し、調整ココアパウダーを得た。該調整
ココアパウダー13gを100mlの温水に溶かして抽出
ココアパウダー含有飲食物を調製した。
【0019】実施例4 実施例2記載の方法で得た抽出ココアパウダー7.5重
量部、牛乳200重量部、生クリーム200重量部、卵
50重量部、卵黄70重量部、グラニュー糖50重量部
を準備し、卵50重量部と卵黄70重量部をほぐし、該
抽出ココアパウダー7.5重量部とグラニュー糖50重
量部の中に分散、溶解させ、ペースト状にした後、牛乳
200重量部と生クリーム200重量部を添加し、アイ
スクリームフリーザー(SIMAC社製 GELATAIO MAGUNM
PLUS)にて処理し、アイスクリームを得た。該アイス
クリームは口溶けが非常に良く、なめらかな食感で、色
調が均一であった。
【0020】実施例5 実施例1の抽出ココアパウダー10重量部、砂糖150
重量部、水分25重量%含有酸糖化水飴150重量部、
仕込水50重量部を準備する。該抽出ココアココアパウ
ダー以外の原料を蒸気ケットルに計り入れ、攪拌しなが
ら150℃まで煮詰める。さらに抽出ココアパウダーを
少量づつ添加し、均一になるまで攪拌し、成形、冷却
し、キャンディーを得た。該キャンディーはざらつきが
全くなく、なめらかであった。
【0021】実施例6 砂糖27.8重量部、粉末ソルビトール6重量部及び水
分25重量%含有酸糖化水飴50重量部に3分の1量の
水を加え、125℃迄煮詰めた糖液を得た。一方ゼラチ
ン6重量部を1.5倍量の水にて膨潤させた。次に上記
糖液及び膨潤したゼラチンを混合し、実施例1の抽出コ
コアパウダー3.3重量部を加えてグミ生地を得た。最
後にスターチモールドにこのグミ生地を流し込み、一昼
夜放置した後、抽出ココアパウダー入りグミを得た。該
グミはざらつきが全くなく、なめらかであった。
【0022】試験例1 実施例1に示すpH7.4のアルカリ処理をした油分12
重量%の原料ココアパウダー10重量部を45,50、
100、150、180重量部の80℃温水に分散溶解
させ、炭酸カリウム0.4重量部を添加し、1時間攪拌
しながら再度のアルカリ処理を行った。該アルカリ処理
した溶液を実施例1の通り遠心分離にかけ、固液分離を
行い不溶性成分を取り除き、抽出液の乾燥後の抽出乾燥
物収量%の結果を表1に示した。また,温水量150重
量部と180重量部で抽出した乾燥物を実施例1の通り
に加熱処理をして実施例3に示す方法で調整ココア飲料
を調製し、40人のパネルにより美味しさの二者択一選
択率により評価をした。その結果、有意水準95%にお
いて28対12で温水量150重量部による抽出で得ら
れた調整ココア飲料が好まれた。
【表1】
【0023】試験例2 実施例1に示すpH7.4のアルカリ処理をした油分1
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の温水に溶解させ、80℃に加温しながら、炭酸カリ
ウムを必要に応じて添加し、pH6.8,7.0,7.
5,8.5,8.7で再度のアルカリ処理を行った。こ
こに於いて搾油後のココアパウダーのpHは高く、加水
して撹拌することによりカカオパウダーの粒子が膨潤し
て粒子内より溶出する有機酸類、ミネラル類の作用によ
り緩衝作用が働き当初のカカオパウダーのpHより低下
すのが一般的である。該アルカリ処理した溶液を実施例
1の通り遠心分離にかけ、固液分離を行い不溶性成分を
取り除き、抽出液の乾燥後、実施例1の通りに加熱処理
をして抽出ココアパウダーを得、上記5水準のpHで再
度のアルカリ処理した抽出ココアパウダー3gと砂糖6
gを温水100mlに溶解し、以下の評価基準(5段階評
価)により嗜好調査を40人のパネルで実施し、その評
価値の平均点を示すと共に有意水準95%による検定を
行った。その結果を表2に示す。 評価用語:苦み、渋み、臭み、えぐみ、酸味について 評価値 :+2を「好ましい」、+1を「やや好まし
い」、 0を「どちらともいえない」、 −1を「やや
好ましくない」、 −2を「好ましくない」
【表2】 上記結果より苦みについてはpH6.8と7.0の間に
於いて差があり、pH7.0以上が好ましい。臭みにつ
いてはpH8.5と8.7の間に於いて差があり、pH
8.5以下が好ましい。えぐみについてはpH6.8と
7.0の間に於いて差があり、pH7.0以上が好まし
い。渋み・酸味についてはpH6.8と7.0の間に於
いて差があり、pH7.0以上が好ましい。総合的にp
H7.0〜8.5が好ましい。
【0024】試験例3 実施例1に示すpH7.4のアルカリ処理をした油分1
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の温水に溶解させ、80℃に加温しながら、炭酸カリ
ウムを添加し、pH7.5で再度アルカリ処理を行っ
た。該アルカリ処理した溶液を実施例1の通り遠心分離
にかけ、固液分離を行い不溶性成分を取り除き、抽出液
の乾燥後、実施例1の通りに加熱処理をして抽出ココア
パウダーを得、pH7.5で再度アルカリ処理した抽出
ココアパウダー3gと砂糖6gを温水100mlに溶解し
た。一方、特公平1−42657号公報に則り従来のコ
コアパウダーを下記の通り調製した。カカオマスを剥皮
し、粗砕したカカオニブに対して炭酸カリウム1.6重
量%、水25重量%を加え、90℃で一時間混合しなが
らアルカリ処理し、焙焼し、磨砕して得たpH7.0の
カカオマス100kgに対し70℃の温水500kgを
加え、70℃を保ちながら混合撹拌をする。次に遠心分
離をして水可溶成分を得、70℃にて減圧乾燥して従来
のココアパウダーを調製し、該ココアパウダー3gと砂
糖6gを温水100mlに溶解した。上記本発明品と従来
品の抽出ココアパウターより得た調整ココア飲料を40
人のパネルにより美味しさの二者択一選択率により評価
をした。その結果、有意水準95%において30対10
で本発明によって得られた調整ココア飲料が好まれた。
こくの有る苦み、渋みを有し、臭み、えぐみが感じられ
ないと言う評価であった。
【0025】試験例4 実施例1に示すpH7.4のアルカリ処理をした油分12
重量%の原料ココアパウダー10重量部に150重量部
の55℃,60℃、80℃、90℃、98℃の各温水に
分散溶解させ、炭酸カリウムを0.4重量部を添加し、
40分、60分、120分、180分、200分間攪拌
しながら再度アルカリ処理を行った。該アルカリ処理し
た溶液を実施例1の通り遠心分離にかけ、固液分離を行
い不溶性成分を取り除き、抽出液の乾燥後の抽出乾燥物
収量%の結果を表3に示した。
【表3】 次に、80℃、180分抽出の乾燥物と同じく200分
抽出の乾燥物をそれぞれ試験例3に示す通りにココア飲
料を調製し、試験例3同様の嗜好調査を行なった結果、
180分抽出より得たココア飲料が有意に好まれた。そ
の主たる理由は200分抽出より得たココア飲料は不快
臭が有る事であった。また、90℃、180分抽出の乾
燥物と同じく200分抽出の乾燥物をそれぞれ試験例3
に示す通りにココア飲料を調製し、試験例3同様の嗜好
調査を行なった結果、180分抽出より得たココア飲料
が有意に好まれた。その主たる理由は200分抽出より
得たココア飲料は不快臭がやや強く有る事であった。更
にまた、90℃、180分抽出の乾燥物と同じく98
℃、180分抽出の乾燥物をそれぞれ試験例3に示す通
りにココア飲料を調製し、試験例3同様の嗜好調査を行
なった結果、90℃、180分抽出より得たココア飲料
が有意に好まれた。その主たる理由は98℃、180分
抽出より得たココア飲料は香味が弱い事であった。
【0026】試験例5 実施例1に示すpH7.4のアルカリ処理をした油分1
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の温水に溶解させ、80℃に加温した後、炭酸カリウ
ムを添加し、pH8.5で再度アルカリ処理を行った。
該アルカリ処理した溶液を実施例1の通り遠心分離にか
け、固液分離を行い不溶性成分を取り除き、抽出液の乾
燥後、実施例1の装置で、105℃、110℃、120
℃、125℃、130℃、135℃、140℃、145
℃の各温度で10分、20分、30分、40分間加熱処
理をして抽出ココアパウダーを得、上記8水準で加熱温
度処理し、4水準での加熱時間で得た抽出ココアパウダ
ー3gと砂糖6gを温水100mlに溶解し、以下の評価
基準(5段階評価)により嗜好調査を40人のパネルで
実施し、その美味しさの評価値の平均点を示すと共に有
意水準95%による検定を行った。その結果を表4に示
した。 評価値 :+2を「好ましい」、+1を「やや好まし
い」、 0を「どちらともいえない」、 −1を「やや
好ましくない」、 −2を「好ましくない」
【表4】 その結果、30分間の加熱処理では105℃と110℃
の間では有意差があり、105℃はココア感に乏しく、
110℃は淡いココア感と言う評価。30分間の加熱処
理では120℃と125℃の間では有意差があり、12
0℃は淡いココア感と言う評価で、125℃はパンチの
あるココアと言う評価。30分間の加熱処理では135
℃と140℃の間では有意差があり、135℃は香りの
良いココアと言う評価。30分間の加熱処理では140
℃と145℃の間では有意差があり、140℃は深いコ
コア感であり、145℃は焦げ臭を感じると言う評価。
40分間の加熱処理では110〜140℃の全ての範囲
に於いて30分間の加熱処理との間に有意差が有り、美
味しくないと言う評価。20分間の加熱処理では125
〜135℃の間では30分間の加熱処理と有意差が無
く、美味しいという評価。20分間の加熱処理では11
0℃,120℃及び140℃では30分間の加熱処理と
有意差が有り、110℃,120℃及び140℃はまず
くココアらしくないという評価。10分間の加熱処理で
は125〜135℃の間では20分間の加熱処理と有意
差が有り、10分間の加熱処理は極めて不評。
【0027】試験例6 実施例1に示す通りに処理して得た加熱処理前の乾燥物
は原料として用いる実施例1に示すアルカリ処理をした
油分12重量%の原料ココアパウダーと比べて遊離アミ
ノ酸、及び還元糖が増加する。その結果を表5に示し
た。
【表5】 表5に示す結果より、アルカリ処理することにより、遊
離アミノ酸、還元糖量が増加し、次行程の加熱処理によ
り、香味成分であるピラジン類が増加する事を下記試験
例7で示す。
【0028】試験例7 実施例1に示す原料ココアパウダーと実施例1の抽出コ
コアパウダーのピラジン成分を分析した結果は表6に示
す通り、実施例1に示す原料ココアパウダーに比して、
ピラジン類の含量が5倍量以上の含量であり、ココア風
味の優れた抽出ココアパウダーを得た。
【表6】 上記表6の結果から、本発明に則り処理して得た抽出コ
コアパウダーはピラジン類の総量が実施例1に示す原料
ココアパウダーと比較して5倍量以上増加しており、特
徴的にはdimethyl disulfide、dimethyl trisulfid
e、2、5−dimethylpyrazineが5倍量以上の含量である。
【0029】本香気成分のGC/MS(ガスマス)によ
る香気成分分析は下記の条件で実施した。また、試料の
抽出にSPME法を用いているが、その条件を下記に示す。
ここで云うSPME法とはSolid Phase Microextractio
nの略称を云い、異種相間の分配係数と移動の原理によ
る化合物の分離手法を意味し、詳しくは化合物濃度ゼロ
のSPMEのファイバー構造体上の液相に、化合物を含
有する試料液相より化合物のそれぞれの分配係数に則っ
た濃度比に成るまで、化合物は試料液相からSPMEの
ファイバー構造体上の液相へと移動する。一定時間内で
分配平衡に至る化合物の移動量がSPMEでの抽出効率
となり、その一定時間が抽出時間となる。 条件 ・機種名 Hewlett-Packard , Ltd.製 GC:HP6890、 MS:HP5973 ・カラム HP−5MS:内径0.25mm×30m、膜厚0.25μm 微極性、Polysiloxane、脂肪酸エステル等の分析用 ・キャリアガス流量 定圧モード:95kPa=1.7ml/min(オーブン40 ℃)ヘリウム使用 ・スプリットレス法 インジェクト時の加圧はなし ・オーブン温度 40℃(5min hold)→(5℃/min)85℃→(10℃/min)→ 220℃(5.5min) 分析時間合計:33min ・注入口温度 250℃ ・MSインーターフェース 230℃ ・MS四重極 150℃ SPMEトラップ条件 ・サンプル調製 10mlバイアル、試料1g秤量 加水3g ・トラップ条件 60℃、20分
【0030】上記方法により分析したクロマトグラムの
結果を図1,図2に示す。該クロマトグラムの結果から
も、リテンションタイムが8分から20分の間に、pyra
zine類の化合物が検出され、本発明に則り処理して得た
抽出ココアパウダーは原料として用いる実施例1に示す
原料ココアパウダーに比して、該pyrazine類の化合物成
分が5倍量以上多く含まれいる事が判明した。
【0031】
【発明の効果】かくして得られる本発明による抽出ココ
アパウダーは、従来のココアパウダー中の粒径25μm
以上の不溶性成分に由来する、沈殿やざらつきが無く、
且つ従来製法によるココアパウダーはもとより、特公平
1−42657号公報より得た抽出ココアパウダーにも
感じられる特有の渋み、えぐみが無い。更に本発明によ
る抽出ココアパウダーはココア特有の好ましい風味とロ
ースト感のあるものである。特にGC/MSによる香気
成分にて検出された香気成分中のピラジン類が上記従来
法と比べ、5倍量以上であり優れた製品である。本発明
による抽出ココアパウダーはキャンディー、ゼリー類、
アイスクリーム、焼成菓子類等の飲食物に利用すること
ができる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に示す原料ココアパウダーのガスマス
分析結果を示すチャートを示し、横軸は分の時間を示
し、縦軸は化合物のイオン存在量を示す相対値である。
【図2】実施例1に則り処理して得た抽出ココアパウダ
ーのガスマス分析結果を示すチャートを示し、横軸は分
の時間を示し、縦軸は化合物のイオン存在量を示す相対
値である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B014 GB05 GB06 GB07 GB18 GE06 GG06 GG07 GG11 GL02 GL11 GP23 GP27 4B041 LC03 LD02 LK17 LK26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常の方法でアルカリ処理をした原料ココ
    アパウダー1に対して60〜90℃の温水を重量比で5
    〜15倍添加、混合後、アルカリ剤を加えて再度のアル
    カリ処理をしながら攪拌し、次に不溶性部分を除去し、
    乾燥して得た乾燥物を加熱処理することによって得られ
    る抽出ココアパウダー。
  2. 【請求項2】再度のアルカリ処理のアルカリ剤がナトリ
    ウム、カリウムの炭酸塩である請求項1記載の抽出ココ
    アパウダー。
  3. 【請求項3】再度のアルカリ処理をしながら攪拌する該
    ココアパウダー含有温水のpHが7.0〜8.5で処理
    して得られる請求項1及び2記載の抽出ココアパウダ
    ー。
  4. 【請求項4】乾燥して得た乾燥物を品温110〜140
    ℃で加熱処理して得られる請求項1乃至3記載の抽出コ
    コアパウダー。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の抽出ココアパウダー
    を含有する飲食物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4記載の抽出ココアパウダー
    と糖類、粉乳とより成る調整ココアパウダー。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4記載の抽出ココアパウダー
    と糖類、乳製品、乳化剤より成る冷菓。
  8. 【請求項8】請求項1乃至4項記載の抽出ココアパウダ
    ーと砂糖、水飴、乳製品より成る飴菓子。
  9. 【請求項9】請求項1乃至4項記載の抽出ココアパウダ
    ーと砂糖、水飴、糊料または膠質より成るゼリー菓子。
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