JP2002153213A - 抽出ココアパウダー及びそれを含有する飲食物 - Google Patents
抽出ココアパウダー及びそれを含有する飲食物Info
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Abstract
ココアパウダー及びそれを含有する飲食物を提供する。 【解決手段】アルカリ処理をしていないココアパウダー
を5〜15倍量の温水に分散させ、アルカリ剤を添加
し、PH7.0〜8.5に於いて撹拌しながらアルカリ
処理を行い、しかる後に不溶性部分を除去した可溶性部
分を乾燥後、加熱することにより得られる抽出ココアパ
ウダー及びそれを含有する飲食物。
Description
なく、且つ風味の良い抽出ココアパウダー及びそれを含
有する飲食物に関する。
のカカオ豆又はカカオニブをアンモニア、マグネシウ
ム、ナトリウム、カリウム等の炭酸塩、重炭酸塩、水酸
化物等のアルカリ溶液に浸漬処理し、乾燥、ロースト
後、磨砕し、以後搾油、粉砕をし、通常のココアパウダ
ーを得ている。該従来製法によって得られるココアパウ
ダーは微粒化しても人間がざらつきとして感じるとされ
る粒径25μm以上の粒子を3重量%以上含有し、且つ
温水に不溶性の粒子が多く、ココア飲料は一般的に他の
飲料にはない粉っぽさ、ざらつき、重さ、くどさを感じ
ている。
水溶性成分を抽出する方法について特公昭63−982
4号公報にはカカオ豆を焙煎、粗砕、脱皮処理して得ら
れるココア砕豆(ニブス)に常法によりアルカリ処理を
施した後又は施さないまま直ちにこれを脱油処理しココ
アバターを抽出処理後のココアケーキを粉砕し得られる
粗粒のココア粉を必要に応じアルカリ処理した後、加熱
容器に入れ熱湯によりココア粉の加熱溶解抽出処理を行
ない、必要に応じこれにアルカリを添加してアルカリ処
理を併行して行ない得られるココア溶解抽出液を濾過を
行ない不溶物残滓を除去し得られるココア濾液に乳化
剤、安定剤を添加混合し、ココア中の脂肪を均一に分散
せしめることを特徴とする飲料用ココアの製造法が開示
されている。
モニア、マグネシア、ソーダ、カリ等の炭酸塩、重炭酸
塩、水酸化物等のアルカリ剤を用いてアルカリ処理した
カカオマス又は該カカオマスより一部搾油して得たココ
アパウダーを70〜130℃のエタノールを含有又は非含有
の熱水中に均一に混合せしめて該熱水中に水可溶性物を
溶解させ、その混合物中より水可溶性部と微粒子部とを
含有する成分を抽出分離することを特徴とするカカオ豆
の処理方法が開示されている。
カカオ豆の全粒を選別後、焙炒せずに破砕ロールにかけ
て粗砕した外皮や胚芽が混入したカカオ豆全粒粗砕物を
アルカリ処理後水を加えて加熱抽出し、遠心分離、濾過
して、カカオ抽出液を製造する工程において(a)カカ
オ豆全粒破砕物を原料として用いること、(b)アルカ
リ剤を、アルカリ処理後に得られるカカオ抽出液のpH
が6.5〜8.0となるよう添加すること、(c)カカ
オ豆全粒破砕物に水を加え85〜120℃の条件下で加
熱抽出すること、を特徴とするカカオ抽出液の製造法が
開示されている。
法によって得られる製品は、喫食した時にココア飲料に
一般的に感じられる温水に不溶性の粒子によるざらつ
き、沈殿の発生等を防止する面では成功しているが、コ
コア抽出液から粉末化する際に大量の水を蒸散させる必
要があり、従来製法によるココアパウダー特有の風味と
はかけ離れ、苦み、渋み、えぐみなどが強くなり、風味
のバランスが崩れた製品となる欠点を有していた。
法の課題を解決すべく鋭意研究の結果、前記の如くアル
カリ処理をした原料ココアパウダー1に対して60〜9
0℃の温水を重量比で5〜15倍添加、混合後、アルカ
リ剤を加えて再度のアルカリ処理をしながら攪拌し、次
に不溶性部分を除去し、乾燥して得た乾燥物を加熱処理
することによって得られる抽出ココアパウダー及びそれ
を含有する飲食物を完成するに至った。
カカオ豆を剥皮し、粗砕したカカオニブを炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸塩を含むアルカリ溶液に浸漬
処理した後、焙焼し、磨砕し、ココアプレス機で搾油
し、油分含量10〜24重量%のココアケーキを得、粉
砕して製造する方法、またはカカオ豆を弱焙焼後、剥皮
し、粗砕したカカオニブを炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の炭酸塩を含むアルカリ溶液に浸漬処理した後、焙
焼し、磨砕し、ココアプレス機で搾油し、油分含量10
〜24重量%のココアケーキを得、粉砕して製造する方
法によって得られる。
コアパウダーに添加する温水の量は抽出効率をよく行う
ために、最低でも該ココアパウダー1に対して60〜9
0℃の温水を重量比で5〜15倍添加することが好まし
く、該ココアパウダー1に対して重量比で15を超える
加水では以降の濃縮-乾燥時の風味成分のロスが大きく
なり好ましくない。また重量比5未満では抽出効率が悪
い。
ルカリ剤としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを使用
して行う。かくして撹拌終了時の溶液のpHを7.0〜
8.5になるよう調整することが好ましく、pHが8.
5を越える場合には独特のアルカリ臭や、苦みが発生し
好ましくない。一方pH7.0未満の場合には、えぐ
み、渋みが強く、好ましい本発明の特徴とする抽出ココ
ア粉末が得られない。
℃の温水温度で1時間以上3時間以下攪拌しながら抽出
することが好ましい。60℃未満で3時間を超える時間
の抽出では抽出効率が悪く、90℃を超える温度でも抽
出可能であるが独特の不快臭が生成され好ましくない。
溶性成分が混在する攪拌液を、遠心分離により固液分離
を行い、粒径25μm以上の不溶性成分を取り除く。こ
の際使用する遠心分離機としては連続式、バッチ式のい
ずれの遠心分離機をも使用することが可能である。
るために、濃縮、及び乾燥工程に移るが、濃縮、乾燥方
法としては通常の真空乾燥法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法
等を採用することが出来る。直接乾燥法又は凍結乾燥法
で得た乾燥物はピンミル、カッターミル等で粉砕する。
上記乾燥法により得られた乾燥物の水分を5重量%以
下、1重量%以上とし、更に通風型オーブン、流動層乾
燥機等により、加熱処理を行う。加熱処理としては該乾
燥物の品温を110〜140℃、好ましくは品温125
〜135℃の特定温度条件で加熱処理することであっ
て、該加熱処理により、香ばしく、ココアらしい香気を
引き出す本発明の特徴とする該加熱処理効果の現われた
抽出ココアパウダーが得られる。
重量%が好ましく、該乾燥物の水分が5重量%超える場
合には以降の加熱処理時に固結が起こり、後工程の微粒
化が困難となり好ましくない。一方、該乾燥物の水分が
1重量%未満の場合には加熱処理が急激に起こり均一な
処理がし難く、焦げ臭が強く、好ましい風味でなくな
る。好ましい加熱処理時の乾燥物の水分は2〜3重量%
であることがより好ましい。
分を越えると著しく美味しさが低下をし、又20分未満
では美味しさが発現しない。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ウム2重量%、水25重量%を加え、90℃で1時間混
合しながらアルカリ処理し、焙焼し、磨砕して得たカカ
オマスをカカオプレス機で搾油してpH7.4の油分1
2重量%の原料ココアパウダーを得た。上記ののアルカ
リ処理をした油分12重量%の原料ココアパウダー10
重量部を140重量部の熱水に溶解させ、80℃に加温
しながら、炭酸カリウム0.4重量部を添加し、1時間
攪拌と同時に再度のアルカリ処理を行う。当該アルカリ
処理した溶液を31000Nで遠心分離機にかけ、固液
分離を行い不溶性成分を取り除いた。該抽出溶液を、ブ
リックス計による測定濃度Bx:25まで真空濃縮し、
しかる後噴霧乾燥にて水分5重量%に乾燥後、135
℃、30分間、通風型オーブン(ADVATEC FV−43
0 FORCED CONVENCTION OVEN)を使用して加熱処理
し、PH7.9、水分1.0重量%の抽出ココアパウダ
ーを得た。当該品はココア風味の優れた抽出ココアパウ
ダーであった。
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の熱水に溶解させ、80℃に加温しながら、炭酸ナト
リウム0.3重量部を添加し、1時間攪拌と同時に再度
のアルカリ処理を行う。該アルカリ処理した溶液を31
000Nで遠心分離機にかけ、固液分離を行い不溶性成
分を取り除いた。該抽出溶液を、ブリックス計による測
定濃度Bx:25まで真空濃縮し、しかる後噴霧乾燥に
て水分5重量%に乾燥後、135℃、30分間、通風型
オーブン(ADVATEC FV−430 FORCED CONVENCTI
ONOVEN)を使用して加熱処理し、pH7.8、水分1.
0重量%の抽出ココアパウダーを得た。当該品はココア
風味の優れた抽出ココアパウダーであった。
ー20重量部、グラニュー糖49.9重量部、脱脂粉乳
10重量部、クリームパウダー20重量部、食塩0.1
0重量部を混合し、調整ココアパウダーを得た。該調整
ココアパウダー13gを100mlの温水に溶かして抽出
ココアパウダー含有飲食物を調製した。
量部、牛乳200重量部、生クリーム200重量部、卵
50重量部、卵黄70重量部、グラニュー糖50重量部
を準備し、卵50重量部と卵黄70重量部をほぐし、該
抽出ココアパウダー7.5重量部とグラニュー糖50重
量部の中に分散、溶解させ、ペースト状にした後、牛乳
200重量部と生クリーム200重量部を添加し、アイ
スクリームフリーザー(SIMAC社製 GELATAIO MAGUNM
PLUS)にて処理し、アイスクリームを得た。該アイス
クリームは口溶けが非常に良く、なめらかな食感で、色
調が均一であった。
重量部、水分25重量%含有酸糖化水飴150重量部、
仕込水50重量部を準備する。該抽出ココアココアパウ
ダー以外の原料を蒸気ケットルに計り入れ、攪拌しなが
ら150℃まで煮詰める。さらに抽出ココアパウダーを
少量づつ添加し、均一になるまで攪拌し、成形、冷却
し、キャンディーを得た。該キャンディーはざらつきが
全くなく、なめらかであった。
分25重量%含有酸糖化水飴50重量部に3分の1量の
水を加え、125℃迄煮詰めた糖液を得た。一方ゼラチ
ン6重量部を1.5倍量の水にて膨潤させた。次に上記
糖液及び膨潤したゼラチンを混合し、実施例1の抽出コ
コアパウダー3.3重量部を加えてグミ生地を得た。最
後にスターチモールドにこのグミ生地を流し込み、一昼
夜放置した後、抽出ココアパウダー入りグミを得た。該
グミはざらつきが全くなく、なめらかであった。
重量%の原料ココアパウダー10重量部を45,50、
100、150、180重量部の80℃温水に分散溶解
させ、炭酸カリウム0.4重量部を添加し、1時間攪拌
しながら再度のアルカリ処理を行った。該アルカリ処理
した溶液を実施例1の通り遠心分離にかけ、固液分離を
行い不溶性成分を取り除き、抽出液の乾燥後の抽出乾燥
物収量%の結果を表1に示した。また,温水量150重
量部と180重量部で抽出した乾燥物を実施例1の通り
に加熱処理をして実施例3に示す方法で調整ココア飲料
を調製し、40人のパネルにより美味しさの二者択一選
択率により評価をした。その結果、有意水準95%にお
いて28対12で温水量150重量部による抽出で得ら
れた調整ココア飲料が好まれた。
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の温水に溶解させ、80℃に加温しながら、炭酸カリ
ウムを必要に応じて添加し、pH6.8,7.0,7.
5,8.5,8.7で再度のアルカリ処理を行った。こ
こに於いて搾油後のココアパウダーのpHは高く、加水
して撹拌することによりカカオパウダーの粒子が膨潤し
て粒子内より溶出する有機酸類、ミネラル類の作用によ
り緩衝作用が働き当初のカカオパウダーのpHより低下
すのが一般的である。該アルカリ処理した溶液を実施例
1の通り遠心分離にかけ、固液分離を行い不溶性成分を
取り除き、抽出液の乾燥後、実施例1の通りに加熱処理
をして抽出ココアパウダーを得、上記5水準のpHで再
度のアルカリ処理した抽出ココアパウダー3gと砂糖6
gを温水100mlに溶解し、以下の評価基準(5段階評
価)により嗜好調査を40人のパネルで実施し、その評
価値の平均点を示すと共に有意水準95%による検定を
行った。その結果を表2に示す。 評価用語:苦み、渋み、臭み、えぐみ、酸味について 評価値 :+2を「好ましい」、+1を「やや好まし
い」、 0を「どちらともいえない」、 −1を「やや
好ましくない」、 −2を「好ましくない」
於いて差があり、pH7.0以上が好ましい。臭みにつ
いてはpH8.5と8.7の間に於いて差があり、pH
8.5以下が好ましい。えぐみについてはpH6.8と
7.0の間に於いて差があり、pH7.0以上が好まし
い。渋み・酸味についてはpH6.8と7.0の間に於
いて差があり、pH7.0以上が好ましい。総合的にp
H7.0〜8.5が好ましい。
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の温水に溶解させ、80℃に加温しながら、炭酸カリ
ウムを添加し、pH7.5で再度アルカリ処理を行っ
た。該アルカリ処理した溶液を実施例1の通り遠心分離
にかけ、固液分離を行い不溶性成分を取り除き、抽出液
の乾燥後、実施例1の通りに加熱処理をして抽出ココア
パウダーを得、pH7.5で再度アルカリ処理した抽出
ココアパウダー3gと砂糖6gを温水100mlに溶解し
た。一方、特公平1−42657号公報に則り従来のコ
コアパウダーを下記の通り調製した。カカオマスを剥皮
し、粗砕したカカオニブに対して炭酸カリウム1.6重
量%、水25重量%を加え、90℃で一時間混合しなが
らアルカリ処理し、焙焼し、磨砕して得たpH7.0の
カカオマス100kgに対し70℃の温水500kgを
加え、70℃を保ちながら混合撹拌をする。次に遠心分
離をして水可溶成分を得、70℃にて減圧乾燥して従来
のココアパウダーを調製し、該ココアパウダー3gと砂
糖6gを温水100mlに溶解した。上記本発明品と従来
品の抽出ココアパウターより得た調整ココア飲料を40
人のパネルにより美味しさの二者択一選択率により評価
をした。その結果、有意水準95%において30対10
で本発明によって得られた調整ココア飲料が好まれた。
こくの有る苦み、渋みを有し、臭み、えぐみが感じられ
ないと言う評価であった。
重量%の原料ココアパウダー10重量部に150重量部
の55℃,60℃、80℃、90℃、98℃の各温水に
分散溶解させ、炭酸カリウムを0.4重量部を添加し、
40分、60分、120分、180分、200分間攪拌
しながら再度アルカリ処理を行った。該アルカリ処理し
た溶液を実施例1の通り遠心分離にかけ、固液分離を行
い不溶性成分を取り除き、抽出液の乾燥後の抽出乾燥物
収量%の結果を表3に示した。
抽出の乾燥物をそれぞれ試験例3に示す通りにココア飲
料を調製し、試験例3同様の嗜好調査を行なった結果、
180分抽出より得たココア飲料が有意に好まれた。そ
の主たる理由は200分抽出より得たココア飲料は不快
臭が有る事であった。また、90℃、180分抽出の乾
燥物と同じく200分抽出の乾燥物をそれぞれ試験例3
に示す通りにココア飲料を調製し、試験例3同様の嗜好
調査を行なった結果、180分抽出より得たココア飲料
が有意に好まれた。その主たる理由は200分抽出より
得たココア飲料は不快臭がやや強く有る事であった。更
にまた、90℃、180分抽出の乾燥物と同じく98
℃、180分抽出の乾燥物をそれぞれ試験例3に示す通
りにココア飲料を調製し、試験例3同様の嗜好調査を行
なった結果、90℃、180分抽出より得たココア飲料
が有意に好まれた。その主たる理由は98℃、180分
抽出より得たココア飲料は香味が弱い事であった。
2重量%の原料ココアパウダー10重量部を140重量
部の温水に溶解させ、80℃に加温した後、炭酸カリウ
ムを添加し、pH8.5で再度アルカリ処理を行った。
該アルカリ処理した溶液を実施例1の通り遠心分離にか
け、固液分離を行い不溶性成分を取り除き、抽出液の乾
燥後、実施例1の装置で、105℃、110℃、120
℃、125℃、130℃、135℃、140℃、145
℃の各温度で10分、20分、30分、40分間加熱処
理をして抽出ココアパウダーを得、上記8水準で加熱温
度処理し、4水準での加熱時間で得た抽出ココアパウダ
ー3gと砂糖6gを温水100mlに溶解し、以下の評価
基準(5段階評価)により嗜好調査を40人のパネルで
実施し、その美味しさの評価値の平均点を示すと共に有
意水準95%による検定を行った。その結果を表4に示
した。 評価値 :+2を「好ましい」、+1を「やや好まし
い」、 0を「どちらともいえない」、 −1を「やや
好ましくない」、 −2を「好ましくない」
の間では有意差があり、105℃はココア感に乏しく、
110℃は淡いココア感と言う評価。30分間の加熱処
理では120℃と125℃の間では有意差があり、12
0℃は淡いココア感と言う評価で、125℃はパンチの
あるココアと言う評価。30分間の加熱処理では135
℃と140℃の間では有意差があり、135℃は香りの
良いココアと言う評価。30分間の加熱処理では140
℃と145℃の間では有意差があり、140℃は深いコ
コア感であり、145℃は焦げ臭を感じると言う評価。
40分間の加熱処理では110〜140℃の全ての範囲
に於いて30分間の加熱処理との間に有意差が有り、美
味しくないと言う評価。20分間の加熱処理では125
〜135℃の間では30分間の加熱処理と有意差が無
く、美味しいという評価。20分間の加熱処理では11
0℃,120℃及び140℃では30分間の加熱処理と
有意差が有り、110℃,120℃及び140℃はまず
くココアらしくないという評価。10分間の加熱処理で
は125〜135℃の間では20分間の加熱処理と有意
差が有り、10分間の加熱処理は極めて不評。
は原料として用いる実施例1に示すアルカリ処理をした
油分12重量%の原料ココアパウダーと比べて遊離アミ
ノ酸、及び還元糖が増加する。その結果を表5に示し
た。
離アミノ酸、還元糖量が増加し、次行程の加熱処理によ
り、香味成分であるピラジン類が増加する事を下記試験
例7で示す。
コアパウダーのピラジン成分を分析した結果は表6に示
す通り、実施例1に示す原料ココアパウダーに比して、
ピラジン類の含量が5倍量以上の含量であり、ココア風
味の優れた抽出ココアパウダーを得た。
コアパウダーはピラジン類の総量が実施例1に示す原料
ココアパウダーと比較して5倍量以上増加しており、特
徴的にはdimethyl disulfide、dimethyl trisulfid
e、2、5−dimethylpyrazineが5倍量以上の含量である。
る香気成分分析は下記の条件で実施した。また、試料の
抽出にSPME法を用いているが、その条件を下記に示す。
ここで云うSPME法とはSolid Phase Microextractio
nの略称を云い、異種相間の分配係数と移動の原理によ
る化合物の分離手法を意味し、詳しくは化合物濃度ゼロ
のSPMEのファイバー構造体上の液相に、化合物を含
有する試料液相より化合物のそれぞれの分配係数に則っ
た濃度比に成るまで、化合物は試料液相からSPMEの
ファイバー構造体上の液相へと移動する。一定時間内で
分配平衡に至る化合物の移動量がSPMEでの抽出効率
となり、その一定時間が抽出時間となる。 条件 ・機種名 Hewlett-Packard , Ltd.製 GC:HP6890、 MS:HP5973 ・カラム HP−5MS:内径0.25mm×30m、膜厚0.25μm 微極性、Polysiloxane、脂肪酸エステル等の分析用 ・キャリアガス流量 定圧モード:95kPa=1.7ml/min(オーブン40 ℃)ヘリウム使用 ・スプリットレス法 インジェクト時の加圧はなし ・オーブン温度 40℃(5min hold)→(5℃/min)85℃→(10℃/min)→ 220℃(5.5min) 分析時間合計:33min ・注入口温度 250℃ ・MSインーターフェース 230℃ ・MS四重極 150℃ SPMEトラップ条件 ・サンプル調製 10mlバイアル、試料1g秤量 加水3g ・トラップ条件 60℃、20分
結果を図1,図2に示す。該クロマトグラムの結果から
も、リテンションタイムが8分から20分の間に、pyra
zine類の化合物が検出され、本発明に則り処理して得た
抽出ココアパウダーは原料として用いる実施例1に示す
原料ココアパウダーに比して、該pyrazine類の化合物成
分が5倍量以上多く含まれいる事が判明した。
アパウダーは、従来のココアパウダー中の粒径25μm
以上の不溶性成分に由来する、沈殿やざらつきが無く、
且つ従来製法によるココアパウダーはもとより、特公平
1−42657号公報より得た抽出ココアパウダーにも
感じられる特有の渋み、えぐみが無い。更に本発明によ
る抽出ココアパウダーはココア特有の好ましい風味とロ
ースト感のあるものである。特にGC/MSによる香気
成分にて検出された香気成分中のピラジン類が上記従来
法と比べ、5倍量以上であり優れた製品である。本発明
による抽出ココアパウダーはキャンディー、ゼリー類、
アイスクリーム、焼成菓子類等の飲食物に利用すること
ができる。
分析結果を示すチャートを示し、横軸は分の時間を示
し、縦軸は化合物のイオン存在量を示す相対値である。
ーのガスマス分析結果を示すチャートを示し、横軸は分
の時間を示し、縦軸は化合物のイオン存在量を示す相対
値である。
Claims (9)
- 【請求項1】通常の方法でアルカリ処理をした原料ココ
アパウダー1に対して60〜90℃の温水を重量比で5
〜15倍添加、混合後、アルカリ剤を加えて再度のアル
カリ処理をしながら攪拌し、次に不溶性部分を除去し、
乾燥して得た乾燥物を加熱処理することによって得られ
る抽出ココアパウダー。 - 【請求項2】再度のアルカリ処理のアルカリ剤がナトリ
ウム、カリウムの炭酸塩である請求項1記載の抽出ココ
アパウダー。 - 【請求項3】再度のアルカリ処理をしながら攪拌する該
ココアパウダー含有温水のpHが7.0〜8.5で処理
して得られる請求項1及び2記載の抽出ココアパウダ
ー。 - 【請求項4】乾燥して得た乾燥物を品温110〜140
℃で加熱処理して得られる請求項1乃至3記載の抽出コ
コアパウダー。 - 【請求項5】請求項1乃至4記載の抽出ココアパウダー
を含有する飲食物。 - 【請求項6】請求項1乃至4記載の抽出ココアパウダー
と糖類、粉乳とより成る調整ココアパウダー。 - 【請求項7】請求項1乃至4記載の抽出ココアパウダー
と糖類、乳製品、乳化剤より成る冷菓。 - 【請求項8】請求項1乃至4項記載の抽出ココアパウダ
ーと砂糖、水飴、乳製品より成る飴菓子。 - 【請求項9】請求項1乃至4項記載の抽出ココアパウダ
ーと砂糖、水飴、糊料または膠質より成るゼリー菓子。
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