JP3150550B2 - コイ全魚体抽出油液を含有する健康用飲食品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コイ全魚体（ラウン
ド）から得られた抽出油液を健康用飲食品への利用に関
する

【０００２】

【従来技術】従来、コイ全魚体（ラウンド）からの抽出
濃縮液を栄養飲料とすることは、公知（特公昭５６−３
５６４４号）であり、魚介類から抽出液を製造する方法
も、公知（特公昭６２−２１５０２号）であり、また古
来から巷間に鯉の生血などが肺炎や百日咳に効き、また
は精力を増強するなどの薬効がとりざたされていること
も周知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、魚体内
成分に薬効があるといわれているコイの全魚体から抽出
したコイ全魚体抽出油液を利用して健康・栄養用飲食品
を得ることについて研究した結果、本発明を達成したの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、コイ全魚体
が、低濃度のエチルアルコールを含有する水溶液に浸漬
され、９０〜１００℃で、１〜２時間加熱されつつ７〜
８ｋｇ／ｃｍ² で加熱加圧濾過処理されて、残渣が分別
されて得た濾液が、２時間以内で冷却処理され、濾布で
濾過されて得たコイ全魚体抽出油水混合液を、水分が無
くなるまで加熱処理された後、適量の脱臭剤が必要によ
り添加されて成るコイ全魚体抽出油液が、食品１０ｇに
対して１ｇの割合で混合されて成る健康用食品である。

【０００５】本発明での、低濃度エチルアコール含有水
溶液とは、１５．５〜１７．５％程度のエチルアルコー
ルを含有する水溶液を意味し、好ましくは清酒、焼酎を
意味する。そして、上記範囲のエチルアルコール含有水
溶液をコイ魚体の浸漬液として使用するのと、９０〜１
００℃で、１〜２時間加熱しつつ７〜８ｋｇ／ｃｍ²で
圧搾する加熱加圧濾過処理と相俟って抽出が好適にでき
るのである。

【０００６】なお、上記加熱加圧処理での残渣（圧搾
粕）、即ち圧力により破砕された骨・肉類に、有効成分
を含む魚油・血液が付いた破砕物残渣を、粉末化して、
これを上記と同様に、低濃度のエチルアルコール含有水
溶液を使用し、加熱加圧濾過処理し、濾布での濾過処理
して得た濾液を、上記の濾布での濾液と混合し、水が無
くなるまで加熱処理して得られたコイ全魚体抽出油液を
使用することもできる。

【０００７】

【実施例１】原料カカオ豆を常法により、除塵し、選別
処理で、破砕豆、未熟豆を除去し、同時に豆の大小によ
り選別された、それぞれの豆を焙焼し、剥皮分離機で細
かく砕いて、種皮（シェル・shell ）を分離してニブ
（nibs・胚乳）を得た。このようにして、各種のカカオ
豆を加工して得たニブを、それぞれの特徴を持たせるよ
うに、適宜割合で混合し、磨砕して、ペースト状のビタ
ーチョコレート（チョコレートリカー）を得る際に，上
記適宜割合の混合物１０ｇに対して、１ｇの割合でコイ
全魚体抽出油液を混和して、健康食品用ビターチョコレ
ートを得た。

【０００８】

【実施例２】実施例１記載におけるビターチョコレート
を得る際に、コイ全魚体抽出油液を加えることなく常法
でビターチョコレートを得て、常法によりミルクチョコ
レートを得る場合は、上記のビターチョコレート１３、
カカオバター２１、全脂粉乳２０、脱脂粉乳６、粉糖３
０とコイ全魚体抽出油液１０の配合割合で、混合し、ま
た、常法によりスイートチョコレートを得る場合は、上
記ビターチョコレート４０、カカオバター１５、粉糖３
５とコイ全魚体抽出油液１０の配合割合で、混合し、次
いで、上記各混合物を、それぞれ、レファイナー（refi
ner)で微粒化して、これにレシチン等を入れて精練し、
テンパリング（調湿処理）して、これを鋳型へ流し込み
振動させ、冷却処理してから型抜きして板チョコレート
を得た。

【０００９】また、得られた板チョコレートを、必要に
より二枚のウエハースに挟持させることもできる。な
お、コイ全魚体抽出油液を加える際に、当該抽出油液を
カカオバターに加えてから他の資材に加え、または別個
に他の資材に加えることもでき得る。

【００１０】

【実施例３】原料として、小麦粉を６９、ショートニン
グオイルを１０、砂糖を１６、食塩を０．５、全脂粉乳
を１．８、膨剤を０．５と水を適量とを使用して、常法
によりハードビスケットの生地を作るに際して、該生地
１０に対して１の割合でコイ全魚体抽出油液をも加えて
均質に混捏処理し、次いで、常法により圧延、成型、焙
焼、冷却してハードビスケットを得た。

【００１１】なお、チョコレート、ビスケット類だけで
なく、例えば、球形、顆粒やトローチ、ドロップなどの
キャンデー、デニッシュ・ペーストリーそのたの固形形
態の菓子、ジュース、シロップや懸濁液その他の液状形
態の飲料、ラーメンその他の食品に利用して健康用飲食
品とすることも得る。そして、これらになす場合に、周
知の賦形剤、添加剤、乳化剤などを適宜使用し、使用ぜ
ずに所望量、好ましくは、当該各飲食品１０に対して１
の割合でのコイ全魚体抽出油液を加えることによって、
コイ全魚体抽出油液を使用して健康用飲料を得ることが
でき得るのである。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、人体にとって有用な生
理活性質物を含み、栄養・体質改善に有用なコイ全魚体
からの抽出油液を混和利用することにより種々の健康用
飲食品が容易に得られたのである。

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A23L 1/327 A21D 2/34 A23G 1/00 A23L 1/30

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイ全魚体が、低濃度のエチルアルコー
   ル含有水溶液に浸漬され、９０〜１００℃で、１〜２時
   間加熱しながら７〜８ｋｇ／ｃｍ² で、加熱加圧濾過処
   理されて、残渣が分別されて得た濾液が、２時間以内で
   冷却され、濾布で濾過処理されて得たコイ魚体抽出油水
   混合液が、水分が無くなるまで加熱処理された後、適量
   の脱臭剤が必要により添加されて成るコイ魚体抽出油液
   が含有されて成ることを特徴とするコイ全魚体抽出油液
   を含有する健康用飲食品。
2. 【請求項２】 ビターチョコレートまたは板チョコレー
   ト１０ｇに対して、１ｇの割合でコイ全魚体抽出油液が
   含有されて成ることを特徴とする請求項１記載のコイ全
   魚体抽出油液を含有する健康用食品。
3. 【請求項３】 生地または該生地から成るビスケット類
   １０に対して、１の割合でコイ全魚体抽出油液が含有さ
   れて成ることを特徴とする請求項１記載のコイ全魚体抽
   出油液を含有する健康用食品。