JP3384917B2 - カカオ抽出液若しくはカカオ抽出物又はこれらを含有する食品の製造法 - Google Patents

カカオ抽出液若しくはカカオ抽出物又はこれらを含有する食品の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、未焙炒のカカオ
豆の全粒を利用するカカオ抽出物の製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】 チョコレートやココアの製造において
は、産地で醗酵、乾燥したカカオ豆を輸入し、焙炒後に
外皮や胚芽を除去したカカオニブ(胚乳)を使用してい
る。その理由は、外皮や胚芽が混入すると、チョコレー
トはざらついた食感になり、ココアは外皮や胚芽の比重
が大きいので飲食時に沈降が速くなり飲食の適性に欠け
るようになるためである。又、カカオ豆の焙炒はチョコ
レート及びココアの独特の風味を引き出すために行われ
ている。通常、ココア製造の際には、ココア風味とココ
アの色調を増強するために、カカオ豆の焙炒後にアルカ
リ処理が行われる。ココアの一般的製造方法は、カカオ
豆の選別・焙炒・破砕・剥皮選別・アルカリ処理・挽潰
・カカオバター圧搾・ココアケーキの破砕ならびに粉砕
の各段階の工程よりなっているが、その製法からもわか
る通り、ココアはカカオニブの水可溶性及び水不溶性の
両成分を含んでいるため、粉砕後も舌のザラツキとして
感じられる粒径の粒子が存在し、飲料として食したとき
粉っぽさを感じることがある。又、ココアは独特の風味
を有するが、チョコレートの風味とは異なり、ココア飲
料が愛好されるとともに、このチョコレート風味を有す
る飲料の開発も種々検討されている。
【0003】 このココア飲料の粉っぽさを改良するた
め、或いはココアよりもチョコレート風味を感じさせる
飲料を開発するために、従来、カカオニブ、カカオマス
或いはココアパウダーを原料として、可溶性ないし透明
なココア飲料、或いはチョコレート風味を有するチョコ
レート飲料を開発する技術が探求されている。例えば、
(1)ココアパウダーを酵素処理後、アルカリ処理、酸
処理することにより清澄処理し透明なココア飲料を製造
する方法(特公昭52-12269)、(2)焙炒後にアルカリ
処理したカカオマス又はココアパウダーよりエタノール
を含んだ或いは含まない熱水を用いて、水可溶性部と微
粒子部とを含有する成分を抽出分離する、或いはカカオ
マス又はココアパウダーをエタノールを含んだ或いは含
まないアルカリ剤を含んだ熱水を用いてアルカリ処理
し、水可溶性部と微粒子部とを含有する成分を抽出分離
する方法(特公平1-42657)、(3)初めにココアパウダ
ーをエタノール抽出し、その残留物を一部は酵素処理
後、水による抽出を行うことにより可溶性ココアを得る
方法(特開平3-27250)、(4)多数の固定床中の粉砕
ココア種子(ココアニブ)の上より温水を流下させ、しか
も各固定床を該温水による抽出液が交流分配的に移動し
て、抽出液が濃縮されることによりココア抽出物を製造
する方法(特開平3-94640)、(5)焙炒後にカカオマス又
はカカオニブに水を加えて抽出するとき、酵素で処理
し、飲んだときサラッとした軽快な口当たりではある
が、豊潤なチョコレート様のコクのある風味をしたチョ
コレート飲料を供する方法(特開平7-79749)、等が提
案されている。
【0004】 一方、カカオ豆よりココア類似物を得る
技術としては、(6)外皮付きの焙炒カカオ豆を脱渋、
熟成し、搾油してあるいは搾油せずに液体窒素中で瞬間
的に凍結させ、それを低温ガス雰囲気中において微粉化
するココア原料の製造法(特公昭56-28497、特公昭56-28
498)が提案されている。
【0005】 このように、ココア、ココア類似物ある
いはココア抽出物を製造する従来の技術においては、そ
の殆どが焙炒したカカオ豆を原料としているが、未焙炒
のカカオ豆を使用しているものとしては、唯一、前記の
(4)において参考文献(西独特許出願公開第2、34
2、177号)が挙げられる。しかし、この文献において
は、未焙炒のカカオニブを使用しているが、このカカオニ
ブには外皮や胚芽は含まれず、又、カカオニブのアルカリ
処理も行われていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、カカオ豆
からカカオ抽出物を製造する方法に関するものであり、
具体的には、従来廃棄されることの多かった、カカオ豆
の全粒の約13%を占めるカカオ豆の外皮や胚芽を廃棄
することなくカカオニブと共に利用して、油脂を含まず
優良なカカオ風味を有するカカオ抽出物を経済的に製造
する方法に関するものである。
【0007】 チョコレートやココアを製造する場合に
は、前述したように外皮や胚芽が混入するとチョコレー
トはざらついた食感になり、ココアは外皮や胚芽の比重
が大きいので飲食時に沈降が速くなり飲食の適性に欠け
るようになるため、通常、全カカオ豆の約13重量%を
占める外皮や胚芽は(『チョコレート・ココア製造の理
論と実際』中西喜次著、光琳書院、95ページ)、不用
物として廃棄されている。しかし、カカオ抽出物を製造
する場合には、抽出物であるためざらつきの原因となっ
ていたもとのカカオ豆由来の不溶性物質は含まれて来な
いので、外皮や胚芽が原料(非抽出物)に存在しても問
題とならない。むしろ、カカオ抽出物の製造の際は、非
抽出残渣は廃棄しなければならないが、全カカオ豆の約
13%を占める外皮や胚芽を抽出前に廃棄してしまうこ
とが抽出歩留りに大きな影響を与えるため、外皮や胚芽
を有効に利用できれば経済的に有利と考えられる。
【0008】 前述したチョコレート及びココアの製造
の際の、ザラツキや粉っぽさの問題以外に、カカオ豆の
外皮や胚芽を利用しようとすると、それらに起因する渋
味をはじめとする雑味を除去しなければならない、とい
う問題が生じる。この問題を解決するため前記の参考文
献(6)(特公昭56-28497、特公昭56-28498)において
は、原料の表面にアルコール或いは蛋白調整液を吸着さ
せ熟成することにより脱渋を行っているが、この方法は
アルコール或いは蛋白調整液を用意しなければならず煩
雑であるとともに、長時間(15〜24時間)の熟成を
必要とし、経済的に問題であり、より簡単で経済的な脱
渋方法が求められる。
【0009】 一方、従来の焙炒したカカオニブからの
カカオ抽出液を用いたカカオ飲料においては、カカオニ
ブの油脂含量が多いことより抽出液中への油脂の混入を
防止することが難しく、油脂の分離を厳密に実施するこ
とは製造工程を複雑化し、或いは混入した油脂が遊離し
ないようにカカオ飲料中に乳化物を添加しなければなら
ない、等の問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題、即ち、カカオの外皮や胚芽を廃棄せずに利用する問
題、具体的にはそれらの雑味除去法、油脂の混入防止法
を確立するため種々検討し、本発明に至った。すなわ
ち、本発明の第1は、(a)カカオ豆の全粒を選別後、
焙炒せずに破砕ロールにかけて粗砕した外皮や胚芽が混
入したカカオ豆全粒破砕物を用い、(b)これにアルカ
リ剤の溶液を、アルカリ処理後に得られるカカオ抽出液
のpHが6.5〜8.0となるように添加して、90〜
110℃で反応と乾燥を行い、(c)こうしてアルカリ
処理したカカオ豆全粒破砕物に水を加えて85〜120
℃の条件下で加熱抽出し、遠心分離、濾過することを特
徴とするカカオ抽出液の製造法である。 また、本発明の
第2は、上記第1の発明において、前記遠心分離を25
℃以下で行い、前記濾過を濾紙或いはプロピレン製の不
織布を用いて行うことを特徴とするカカオ抽出液の製造
法である。 更に、本発明の第3は、前記第1又は第2の
製造法により得られるカカオ抽出液を、乾燥処理するこ
とを特徴とするカカオ抽出物の製造法である。 更にま
た、本発明の第4は、前記第1若しくは前記第2の製造
法により得られるカカオ抽出液若しくはこれらの濃縮
液、又は前記第3の製造法により得られるカカオ抽出物
を、配合原料の一部として含有させることを特徴とする
食品の製造法である。以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】 「従来の技術」の欄にも述べた通り、従
来のカカオ製品は、チョコレートであるか、ココアであ
るか、チョコレート飲料であるか或いは肥料・飼料であ
るかを問わず、又は、カカオニブのみを使用するもので
あるか、外皮ないし胚芽の混入したカカオニブを使用す
るものであるか或いは外皮ないし胚芽のみを使用するも
のであるかを問わず、すべて原料を焙炒することよりな
りたっていた。ただし、「従来の技術」に述べた、参考
文献(4)においては、カカオニブよりココア抽出物を
得ているが、このカカオニブが焙炒したものか否かにつ
いての記載は認められないが、「2%水含有」と記載さ
れていることより焙炒したものと判断するのが妥当であ
る。
【0012】 本発明者らは、先ず、カカオの外皮の苦
渋味の原因物質の一つとしてと考えられるテオブロミン
の含量が、カカオニブのそれに比較してかなり低いこと
に着目し、アルコールや蛋白調整液を用いずとも外皮や
胚芽の脱渋が可能であると考え、検討を進め以下に述べ
る方法を発明した。
【0013】 まず、醗酵・乾燥されて輸入されたカカ
オ豆の全粒を選別後、焙炒せずに破砕ロールにかけて粗
砕するが、ここで得られる全粒カカオ豆のすべての外皮
や胚芽が混入したカカオ豆の破砕物をカカオ豆全粒破砕
物と定義する。
【0014】 次いで、この未焙炒のカカオ豆全粒破砕
物に30〜70重量%の炭酸カリウム等のアルカリ剤の
溶液を添加し(アルカリ剤の添加量はカカオ豆全粒破砕
物のアルカリ処理後の抽出液のpHが6.5〜8.0に
なるようにする)、充分に混合後、90〜110℃で1
〜4時間かけて反応と乾燥を合わせ行う。pHが6.5
未満では反応が不充分であり、pHが8.0を超えると
アルカリ剤による刺激臭が強くなりすぎる。90℃、1
時間未満では、反応・乾燥が不充分であり、110℃を
超え4時間を超えると焦げ臭が感じられると同時に経済
的な面からも不利である。
【0015】 乾燥後、アルカリ処理済みのカカオ豆全
粒破砕物に3〜20倍量の水或いは温水を添加し、85
〜120℃で抽出する。100℃以下の場合は開放系の
通常の抽出機で15〜30分間、100℃を超える場合
は密閉系の通常の抽出機で10〜20分間抽出する。1
00℃以下、15分未満又は100℃を超える温度、1
0分未満の抽出では、抽出が不充分であり、100℃以
下、30分を超える又は100℃を超える温度、20分
間以上の抽出は、抽出効率の増加が認められないためエ
ネルギーの無駄である。又、3倍量未満の水等ではカカ
オ豆全粒破砕物の全体に水等が均一には行き渡らず、処
理が不均一となり不適であり、20倍量を超える水等で
は、大型の抽出容器が必要となり不経済でありしかも抽
出効率の増加も認められない。
【0017】 抽出後、遠心分離及び濾過等により固液
分離を行い抽出液を得るが、遠心分離の際、微細不溶物
及び油脂分を除去するため25℃以下、9000G以上
の条件下で行うのが好ましい。25℃を超える温度で
は、液状油脂部が充分に固化せず油脂の抽出液への混入
が多量となり好ましくない。この遠心分離により抽出液
中の殆どの油脂分は除去されるが、更に完全に油脂分を
除くためには、濾紙(例えばキムワイプ;十条キンバリ
ー社製)やプロピレン製の不織布(例えばキムラック
ス;十条キンバリー社製)を用いて濾過する。
【0018】 上記の処理によって得られるカカオ抽出
液は、適宜pH調整を行い、そのまま用いるか又は濃縮
液若しくは噴霧乾燥や凍結乾燥などの通常の乾燥法によ
り粉末にして用いることもできるが、本抽出物は渋み、
収斂味等の雑味或いは焦げ臭やアルカリ臭等の感じられ
ないストレートなカカオ風味を有している。尚、原料と
して脱脂したカカオ豆全粒破砕物を用い同様の操作にて
油脂分を含有しない抽出液を得ることもできるが、この
場合には油脂を除去する操作は必要でない。
【0019】 上記のアルカリ処理は、通常行われてい
るものとさほど変わらないものであるが、この際、原料
として焙炒していないカカオ豆全粒破砕物を用いること
が重要である。つまり、原料として焙炒したカカオ豆全
粒破砕物を用いる場合、独特のチョコレート風味あるい
はココア風味のカカオ抽出物は得られるが、未焙炒のカ
カオ豆全粒破砕物を用いた場合の様な前述の焦げ臭のな
いストレートなカカオ風味の抽出物を得ることはできな
い。これは、焙炒によりカカオ豆の細胞組織が破壊され
油脂が細胞壁から遊離すると共に抽出の際に油脂と共に
脂溶性の呈味物質が抽出液に溶け出し、それが独特のチ
ョコレート風味あるいはココア風味のもととなるものと
考えられる。一方、未焙炒のカカオ豆全粒破砕物を用い
た場合は、焙炒していないためカカオ細胞の破壊が軽い
ため、細胞壁からの油脂の遊離がなく、抽出液への油脂
の混入も少なくなり、雑味のもととなる成分の抽出も少
ないためストレートなカカオ風味が得られるものと考え
られる。
【0020】
【発明の実施の形態】 醗酵・乾燥済みのカカオ豆の全
粒を未焙炒のまま二次乾燥して或いはせずに破砕したカ
カオ豆全粒破砕物に30〜70重量%のアルカリ剤液を
添加し(アルカリ剤の添加量は下記抽出物のpHが6.
5〜8.0になるようにする)、90〜110℃で1〜
4時間反応・乾燥を併せ行う。乾燥終了後、3〜20倍
量の水を添加し85〜120℃で10〜30分間抽出を
行い抽出液を得る。抽出液を遠心分離、濾過して不溶性
成分及び油脂を除去しカカオ抽出液を得た後、pH調整
を行い、抽出液そのまま、あるいはその濃縮物、あるい
は噴霧乾燥等により乾燥した粉末物を飲料、菓子の原料
として用いる。実施の詳細につては、以下の「実施例」
において述べる。
【0021】
【実施例】実施例1 未焙炒のカカオ豆を破砕ロールを用いて破砕し、この外
皮や胚芽を除去しないままのカカオ豆破砕物100g
に、水酸化ナトリウム1gと炭酸カリウム1gを溶解し
たアルカリ液70mlを加え充分に混合後、105℃で
反応・乾燥した。乾燥終了後、500mlの水を添加
し、圧力容器の中で120℃で10分間加熱抽出した。
抽出後、ガーゼを用いて濾過し、不溶性の粗大粒子を除
去した。得られた濾液を10℃、12000Gの条件下
で15分間遠心分離を行い微細な不溶性物質と油脂分を
除去し、最終的にpHを6.8に調整しカカオ抽出液約
300mlを得た。 実施例2 実施例1と同様にして得られた未焙炒のカカオ豆破砕物
5kgを撹拌機を備えた100リッター容の煮釜に入
れ、炭酸ナトリウム75gと炭酸カリウム25gを溶解
したアルカリ液2Lを加え充分に混合し煮釜の蓋をして
蒸気を用いて加熱した。品温が90℃以上に達した後3
0分経過してから煮釜の蓋を開放し、撹拌下に乾燥し
た。乾燥終了後、50リッターの水を加え、90〜95
℃で30分間加熱抽出し、抽出後ナイロン網を用いて濾
過し、不溶性の粗大粒子を除去した。得られた濾液を2
0℃、9500Gの条件下で連続遠心分離を行い微細な
不溶性物質と油脂分を除去し、さらにキムテックス(プ
ロピレン製不織布、十条キンバリー社製)を用いて分離
液を濾過し最終的にpHを6.8に調整し不溶性物質及
び油脂分のない抽出液約33リッターを得た。この抽出
液100mlにケイ砂を加え温浴上で蒸発乾固したもの
を円筒濾紙に入れてソックスレー抽出器でエーテルを用
いて脂肪を抽出し粗脂肪含量を定量したが粗脂肪は検出
されなかった。ここで得られた抽出液5リッターを4倍
に濃縮し、カカオ抽出物の濃縮液1.2リッターを得
た。さらに、4倍濃縮液1リッターを凍結乾燥し、カカ
オ抽出物の乾燥粉末81gを得た。 比較例1 カカオ豆を常法に従って焙炒後破砕ロールを用いて破砕
し、この外皮や胚芽を風選により除去しカカオニブを得
た。このカカオニブ100gを、実施例1と同様の方法
で処理して、最終的にpHを6.8に調整しカカオ抽出
液約320mlを得た。 比較例2 カカオ豆を常法に従って焙炒後破砕ロールを用いて破砕
し、この外皮や胚芽を風選により除去しカカオニブを得
た。このカカオニブ5kgを実施例2と同様の方法で処
理して、最終的にpHを6.8に調整し不溶性物質及び
油脂分のない抽出液約35リッターを得た。 試験例1 実施例1及び比較例1で得られたそれぞれのカカオ抽出
液をブリックス1に希釈した液1000部に、砂糖70
部、全粉乳10部、食塩1部、シュガーエステル1.5
部及び香料0.5部を加え、常法に従って加温しながら
混合した。溶解後、缶に充填し密封してからレトルト殺
菌処理を行ってチョコレート飲料を得た。この実施例1
のカカオ抽出液から得られたチョコレート飲料と比較例
1のカカオ抽出液から得られたチョコレート飲料とを、
50名の専門家による官能試験にかけて風味を比較し
た。その結果を表1に示すが、風味の優劣の面では両者
に有意差は認められなかったものの、その風味の特徴と
して、実施例1のチョコレート飲料は、焦げ臭や苦渋味
等の雑味が全く感じられないストレートで爽やかな風味
であった。
【表1】 a)b) 実施例1の方が比較例1よりも好ましいという判
断に関し有意差が認められない。 c)d) 実施例1及び比較例1について、焦げ臭等の雑味
を感じるか否かについて感じないとする判断に関し有意
差が認められる。 e) 実施例1についてストレートで爽やかな風味がする
という判断に関し有意差が認められる。 f) 比較例1についてストレートで爽やかな風味がする
という判断に関し有意差が認められない。 試験例2 実施例2及び比較例2で得られたそれぞれのカカオ抽出
液をブリックス1に希釈した液1000部に、砂糖70
部、全粉乳10部、食塩1部、シュガーエステル1.5
部及び香料0.5部を加え、常法に従って加温しながら
混合した。溶解後、缶に充填し密封してからレトルト殺
菌処理を行ってチョコレート飲料を得た。この実施例2
のカカオ抽出液から得られたチョコレート飲料と比較例
2のカカオ抽出液から得られたチョコレート飲料とを、
50名の専門家による官能試験にかけて風味を比較し
た。その結果を表2に示すが、風味の優劣の面では両者
に有意差は認められなかったものの、その風味の特徴と
して、実施例2のチョコレート飲料は、焦げ臭や苦渋味
等の雑味が感じられないストレートで爽やかな風味であ
った。
【表2】 a)b) 実施例2の方が比較例2よりも好ましいという判
断に関し差が認められない。 c)d) 実施例2及び比較例2について、焦げ臭等の雑味
を感じるか否かについて感じないとする判断に関し有意
差が認められる。 e) 実施例2についてストレートで爽やかな風味がする
という判断に関し有意差が認められる。 f) 比較例2についてストレートで爽やかな風味がする
という判断に関し有意差が認められない。 実施例3 実施例1で得られたカカオ抽出液を用いて、表3に示す
配合にて通常の製法を用いてチョコレートアイスキャン
デーを製作した。
【表3】 チョコレートアイスキャンデーの配合 清涼感のあるさっぱりしたアイスキャンデーが得られ
た。 実施例4 実施例2で得られたカカオ抽出液(ブリックス2.2)
をブリックス1に希釈し、pH6.8に調整後、表4に
示す配合にて通常の製法を用いて透明カカオ飲料を製作
した。
【表4】 カカオ飲料の配合 不溶性物質及び油脂分のないきわめてすっきりしたカカ
オ飲料が得られた。 実施例5 実施例2で得られたカカオ抽出物の粉末を表5に示す配
合にて通常の製法を用いてチョコレートゼリーを製作し
た。
【表5】 チョコレートゼリーの配合 a: 森永製菓社製のゼラチンパウダー 透明感のある油脂分を含まない清涼感のあるチョコレー
トゼリーが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−51848(JP,A) 特開 平4−210555(JP,A) 特開 平1−112965(JP,A) 特開 平6−125710(JP,A) 特開 平6−86637(JP,A) 特開 昭51−54957(JP,A) 特公 平1−42657(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 1/00 - 9/30 JICSTファイル(JOIS) 食品関連文献情報(食ネット)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カカオ豆の全粒を選別後、焙炒せ
    ずに破砕ロールにかけて粗砕した外皮や胚芽が混入した
    カカオ豆全粒破砕物を用い、(b)これにアルカリ剤の
    溶液を、アルカリ処理後に得られるカカオ抽出液のpH
    が6.5〜8.0となるように添加して、90〜110
    ℃で反応と乾燥を行い、(c)こうしてアルカリ処理し
    たカカオ豆全粒破砕物に水を加えて85〜120℃の条
    件下で加熱抽出し、遠心分離、濾過することを特徴とす
    るカカオ抽出液の製造法。
  2. 【請求項2】 前記遠心分離を25℃以下で行い、前記
    濾過を濾紙或いはプロピレン製の不織布を用いて行うこ
    とを特徴とする請求項1に記載のカカオ抽出液の製造
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載する製造法
    により得られるカカオ抽出液を、乾燥処理することを特
    徴とするカカオ抽出物の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1若しくは請求項2に記載する製
    造法により得られるカカオ抽出液若しくはこれらの濃縮
    液、又は請求項3に記載する製造法により得られるカカ
    オ抽出物を、配合原料の一部として含有させることを特
    徴とする食品の製造法。
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