JP2002144380A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2002144380A JP2000341980A JP2000341980A JP2002144380A JP 2002144380 A JP2002144380 A JP 2002144380A JP 2000341980 A JP2000341980 A JP 2000341980A JP 2000341980 A JP2000341980 A JP 2000341980A JP 2002144380 A JP2002144380 A JP 2002144380A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業行程を少なくすることができ、作動不良
が生じない転がり軸受を提供する。 【解決手段】 本発明の転がり軸受は、保持器10の最
外周面上に軸線方向に沿った凹部12が形成され、パー
ティングラインPLが凹部12内に成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受に関
し、詳しくは、外輪と内輪との間に介挿された転動体を
保持する保持器に特徴を有する転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の転がり軸受においては、内輪およ
び外輪からなる軌道輪の外周面および内周面に形成され
た軌道面に玉やころ等の転動体が介挿されている。転が
り軸受には、このような転動体を軌道面上に保持するた
めに、軌道輪間に転動体を保持する環状の保持器が介挿
されている。特に、転がり軸受の一例である工作機械用
主軸スピンドル用軸受においては、工作精度向上のた
め、振動、音響等の特性が良好であることが求められ
る。また、近年においてはさらに加工効率向上のため高
速回転性(高回転速度で長時間安定して使用できるこ
と)が求められている。このような特性を満たすために
従来は、軽量で柔軟性に優れる合成樹脂製の保持器が使
用されることが多かった。このような保持器は、射出成
形により形成され、運転時の発熱を最小にするために、
使用するグリースや潤滑油の量をごく微量にして運転す
ることの多い工作機械用軸受に適用される。こうするこ
とにより、工作機械用軸受においては、潤滑剤を必要最
小限とすることができ、グリースや潤滑油といった柔軟
剤の攪拌抵抗とこれに伴なう発熱を抑えることができ
る。こうした合成樹脂製の保持器を製造する方法に、ラ
ジアルドロー方式の射出成形法がある。
【0003】図8にラジアルドロー方式の射出成形法で
用いられる成形型60の断面図の一部を示す。成形型6
0の一部は、可動型61、第1スライドコア62、第2
スライドコア63から概略構成されている。可動型61
は、その外周面が保持器の内周面を形成する円筒形状で
ある。可動型61の外周には図示しない複数のスライド
コアが配置され、成形型60の型締め時にそれらが保持
器の外周面と転動体を保持するポケット部を形成する。
複数のスライドコアの一部である第一スライドコア6
2,第2スライドコア63は、断面視において凸形状を
しており、可動型61の外周面と並置される円弧状の基
部62a,63aと、該基部の可動型61側の面に略垂
直に立設され保持器のポケット部を形成する円柱状の突
部62b,63bとから構成されている。成形型60が
型締めされた際には、可動型61の外周面の所定箇所に
スライドコア62,63の突部62b,63bが当接
し、スライドコアの基部62a,63aの互いに隣接す
る側面62c,63cが当接することで、保持器のキャ
ビティ空間を形成する。ついで、キャビティ空間内に合
成樹脂材料を射出することで、周方向に間隔を隔てて配
置されたポケット部を有する環状の合成樹脂製の保持器
70が成形される。
【0004】図9は、上述した成形型60によって成形
された保持器70の側面図を示す。保持器70の外周面
上の互いに隣り合う複数のポケット部71の間には、射
出成形時にスライドコア62,63の側面62c,63
cが当接することによって形成されたパーティングライ
ンPLが形成されている。図10は、図9中保持器70
のA矢視平面図を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ラジアルドロー方式の
射出成形法によって成形された保持器70の外周面上の
パーティングラインPLは、保持器の径方向に突起した
「ばり」や軸線方向に延びた突状の「ばり」等を有して
いる。このような「ばり」は、保持器70が軸受に組み
込まれ、軸受が作動している間に、軸受の外輪の内周面
と摺接して摩耗し摩耗粉を生じたり、トルク変動を起こ
してしまい軸受の回転に支障をきたしてしまう。従来
は、射出成形された保持器を軸受内に組み込む前に、切
削や、バレル加工等の「ばり」の除去作業を行なうこと
によって、軸受の回転を良好なものとしていた。しかし
ながら、こうした「ばり」の除去作業は煩雑で、保持器
の「ばり」の除去作業による転がり軸受のコストアップ
にもつながっていた。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、作業行程を少なくすることができ、作動
不良が生じない転がり軸受を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、外
輪と内輪との間に、転動体と、該転動体を保持し前記外
輪に案内される保持器とを介挿した転がり軸受におい
て、前記保持器の最外周面上に軸線方向に沿った凹部が
形成され、パーティングラインが前記凹部内に成形され
る転がり軸受によって達成することができる。
【0008】ここで「保持器の最外周面」とは、環状の
保持器の半径方向の最も外側に位置する外周面のことを
いい、少なくとも最外周面を除く外周面に形成されたパ
ーティングラインよりも保持器の半径方向外側に位置し
ている外周面のことをいう。また、最外周面上に形成さ
れた凹部は、前記凹部内に形成されたパーティングライ
ンが前記最外周面よりも保持器の外方に突出しない程度
の深さを有していることが好ましい。このような転がり
軸受によれば、保持器の外周面に形成されたパーティン
グラインが保持器の最外周面から突出することがないの
で、保持器を射出成形後に後加工する必要がなく、軸受
に組み込むことができる。したがって、転がり軸受の組
立工程を簡略化することができるとともに、保持器の部
品の歩留まりも向上させることができる。さらに、保持
器を軸受に組み込んだ際にも、保持器の外周面に形成さ
れたパーティングラインが転がり軸受の外輪の内周面に
摺接することがない。すなわち、転がり軸受の運転中に
パーティングラインの摩耗、トルク変動等による作動不
良が発生することがない。
【0009】また、この場合、保持器の一方の端部を形
成する固定型と、前記保持器の内周面と他方の端部を形
成する円柱形状の可動型と、該可動型の外周に複数配置
され、断面視凸形状をしており、前記可動型の外周面と
並置される円弧状の基部および該基部の前記可動型側の
面に略垂直に立設された突部を有し、前記保持器の外周
面およびポケット部を形成するスライドコアとからなる
成形型の、型締め時に、前記スライドコアの突部先端面
が前記可動型の外周面と当接し、互いに隣接する前記ス
ライドコアの基部の側面が当接することで、前記可動型
の外周にキャビティ空間を形成し、該キャビティ空間内
に合成樹脂材料を射出することで、保持器を成形する転
がり軸受用保持器の製造装置において、互いに隣接する
前記基部の側面が当接した際に、前記保持器の最外周面
となる前記基部の当接部分の内周面に前記可動型側に突
出する突条を設け、前記合成樹脂材料を射出した際に、
前記保持器の際外周面に形成されたパーティングライン
が、前記突条によって形成された凹部内に形成されるこ
とが好ましい。
【0010】このような転がり軸受用保持器の製造装置
によれば、保持器の外周面に形成されたパーティングラ
インが保持器の最外周面から突出することがないので、
保持器を射出成形後に後加工する必要がない。したがっ
て、転がり軸受の組立工程を簡略化することができると
ともに、保持器の部品の歩留まりも向上させることがで
きる。「合成樹脂材料」としては、ポリアミド66やポ
リアミド46、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性
ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を母材とし
て使用することができる。さらに、保持器の強度向上の
ために、ガラス繊維は、10〜40重量%、炭素繊維、
アラミド繊維を10〜30重量%程度添加することが好
ましい、また、高速回転の使用を満たすには炭素繊維や
アラミド繊維がより好ましいが使用に応じてガラス繊維
も選択できる。炭素繊維やアラミド繊維の添加量が、1
0重量%以下では強度の保持が不十分であり30重量%
以上とすると成形性が悪くなり外観も悪くなる。またさ
らに好ましくは、炭素繊維やアラミド繊維の添加量を2
0〜30重量%とすると強度、成形性も共に良好にな
る、ガラス繊維の場合は10〜40重量%が好ましく、
この理由は上記と同様である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態にお
いて、すでに説明した部材等と同様の構成・作用を有す
る部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付
すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0012】図1に、本発明の第1実施形態である転が
り軸受に組込まれる保持器10の側面図の一部を示す。
図2は、図1に示す保持器10のA矢視平面図の一部で
ある。図1に示すように、保持器10は、所定の幅を有
した樹脂製の筒形状をしており、その周方向に間隔を隔
てて転動体を保持するポケット部11を有している。ま
た、保持器10の外周面上には、互いに隣接するポケッ
ト部11の間に保持器の軸線方向に延びる凹部12が形
成され、凹部12内にパーティングラインPLが形成さ
れている。図2に示すように、凹部12は、保持器外周
面から保持器内方へ向かって湾曲する断面視略半円形と
なっている。凹部12内の略中央には、パーティングラ
インPLが成形される。
【0013】図3に、図1に示した保持器10が成形さ
れる際に使用される成形型20の一部を示す。成形型2
0の一部は、可動型21、第1スライドコア22、第2
スライドコア23から概略構成されている。可動型21
は、その外周面が保持器の内周面を形成する円筒形状で
ある。可動型21の外周に配置される複数のスライドコ
アの一部である第1スライドコア22,第2スライドコ
ア23は、断面視において略凸形状をしており、可動型
21の外周面と並置され、保持器の内周面を形成する円
弧状の基部22a,23aと、該基部の可動型21側の
面に略垂直に立設され保持器のポケット部を形成する円
柱状の突部22b,23bとから構成されている。スラ
イドコア22,23の基部22a,23aの可動型21
側内周面の端部には、突条22d,23dが形成されて
いる。成形型20が型締めされ、互いに隣接するスライ
ドコアの基部22a,23aの側面22c,23cが当
接する際には、突条22d,23dが当接し一体とな
り、突部12aを形成する。ついで、キャビティ空間内
に樹脂材料を射出することで、周方向に間隔を隔てて配
置されたポケット部を有する環状の合成樹脂製の保持器
10が成形される。
【0014】本実施形態のこのような構成によれば、図
2に示すように保持器10の外周面に形成されたパーテ
ィングラインPLが保持器10の外周面から突出するこ
とがないので、保持器10を射出成形後に「ばり」の除
去等の後加工する必要がない。したがって、転がり軸受
の組立工程を簡略化することができるとともに、保持器
10の部品の歩留まりも向上させることができる。さら
に、保持器10を軸受に組み込んだ際にも、保持器10
の外周面に成形されたパーティングラインPLが転がり
軸受の外輪の内周面と摺接することがない。すなわち、
転がり軸受の運転中に摩耗、トルク変動等による作動不
良が発生することがない。なお、本実施形態において突
状は、可動型21の外周に配置されている複数のスライ
ドコアのすべてに設けられている。
【0015】図4に本発明の第2実施形態である転がり
軸受の保持器30の平面図の一部を示す。図4に示す保
持器30においては、保持器30の外周面に形成された
凹部32の形状が、断面視略三角形状をしている。すな
わち、凹部32が保持器の外周側から内周側に向かって
凸となる三角形状をしていることで、凹部32を形成す
る成形型のスライドコアの形状が簡易な形となること
で、成形型の加工が容易になる。その他の構成、作用に
ついては、上述した第1実施形態と同様である。
【0016】図5に本発明の第3実施形態である転がり
軸受の保持器40の平面図の一部を示す。図5に示す保
持器40においては、保持器40の外周面に形成された
凹部42の形状が断面視略矩形形状をしている。こうす
ることで、略矩形形状の凹部42の底面が広く形成され
るので、パーティングラインPLが幅広に成形される際
に有効である。その他の構成、作用については、上述し
た第1実施形態と同様である。
【0017】図6に本発明の第4実施形態である転がり
軸受の保持器50の側面図を示す。また、図7には保持
器50のA矢視平面図を示す。図6に示す保持器50に
おいては、保持器50の軸線方向の一方の端部付近の外
周面が、その他の外周面よりも保持器50の径方向外側
へ突出し、段部53を形成している。さらに、保持器5
0の軸線方向に沿ってその外周面上に成形されるパーテ
ィングラインPLのうち、段部53に成形されるパーテ
ィングラインPLは断面視半円形の凹部52内に成形さ
れている。
【0018】本実施形態のこのような構成においては、
保持器50の最外周面を形成する段部53が設けられて
いることで、保持器50は転がり軸受の運転中に段部5
3と外輪の内周面とが摺接する。すなわち、保持器50
の段部53にパーティングラインPLを収納する凹部5
2を形成することで、保持器50の外周面に成形された
パーティングラインPLが保持器50の最外周面から突
出することがない。すなわち、保持器50を外周面の
「ばり」の除去等の後加工することなく、転がり軸受に
組み込んでも、保持器50の段部53が転がり軸受の外
輪の内周面等と摺接するので、転がり軸受の運転中に摩
耗、トルク変動等による作動不良が発生することがな
い。また、本実施形態においては、段部53が保持器5
0の軸線方向の一方の端部付近に形成されていたが、両
方の端部付近に形成されていてもよい。
【0019】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
本発明において、転がり軸受の保持器として玉軸受のも
のを例示していたが、ころ軸受のものを採用してもよ
い。また、本発明において、凹部の形状は特に限定され
ず、パーティングラインを収納可能な形状であれば、5
角形、6角形等の形状であってもよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受によれば、パーティングラインの「ばり」の除去作業
が不要になるので、製造が容易で安価な保持器を収納す
ると共に、パーティングラインの「ばり」が転がり軸受
の外輪の内周面に接しないので、転がり軸受の運転中に
摩耗、トルク変動等による作動不良が発生することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の転がり軸受の保持器1
0の側面図の一部である。
【図2】図1に示す保持器10の平面図の一部である。
【図3】図1に示す保持器10を成形する成形型20の
一部を示す部分断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の転がり軸受の保持器3
0の平面図の一部である。
【図5】本発明の第3実施形態の転がり軸受の保持器4
0の平面図の一部である。
【図6】本発明の第4実施形態の転がり軸受の保持器5
0の側面図の一部である。
【図7】図6に示す保持器50の平面図の一部である。
【図8】従来のラジアルドロー方式の成形型60を示す
断面図である。
【図9】従来の軸受の保持器70を示す側面図の一部で
ある。
【図10】図9に示す保持器70の平面図の一部であ
る。
【符号の説明】
10,30,40,50,70 保持器 11,51,71 ポケット部 12,32,42,53 凹部 20,60 成形型 21,61 可動型 22,62 第1スライドコア 22a,23a,62a,63a 基部 22b,23b,62b,63b 突部 22c,23c,62c,63c 側面 23,63 第2スライドコア PL パーティングライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 BA34 DA14 EA31 FA01 FA44 4F202 AA29 AA34 AA40 AG13 AG26 AG28 AH14 CA11 CB01 CK43 CK53 CK85

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪と内輪との間に、転動体と、該転動
    体を保持し前記外輪に案内される保持器とを介挿した転
    がり軸受において、前記保持器の最外周面上に軸線方向
    に沿った凹部が形成され、パーティングラインが前記凹
    部内に成形されることを特徴とする転がり軸受。
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