JP2016027279A - 冠型保持器及びアンギュラ玉軸受 - Google Patents

冠型保持器及びアンギュラ玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】限られたスペースの中で軸方向の負荷容量増加と高剛性を両立可能なアンギュラ玉軸受を提供する。
【解決手段】柱部32の先端には、周方向中間に切欠部34が設けられることにより、周方向両側に一対の爪部36が形成される。隣り合う玉3同士の距離Lと、玉ピッチ円直径dmに円周率πを乗じた玉ピッチ円周長さπdmと、の関係は、2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3を満たす。柱部32の円周方向最小肉厚Mと、爪部36の円周方
向幅Nと、玉ピッチ円周長さπdmと、の関係は、−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たす。
【選択図】図6

Description

本発明は冠型保持器及びアンギュラ玉軸受に関する。
NC旋盤、フライス盤、マシニングセンタ、複合加工機、五軸加工機等の工作機械や、主軸台や加工物を装着するベッドの直動送り機構には、回転運動を直線運動に変換するボールねじが使用されている。このボールねじの軸端を回転支持する軸受としてアンギュラ玉軸受が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなアンギュラ玉軸受は、使用する工作機械の主軸台や加工物を装着するベッドの種類やサイズに応じて、軸受内径がφ15mm〜φ130mm前後のサイズのものが使用されている。
加工中に発生する切削荷重や、主軸台およびベッドを急加速で移動させる場合のイナーシャ荷重は、ボールねじを介してアンギュラ玉軸受にアキシアル荷重として負荷される。最近の工作機械では、高効率加工の目的で切削荷重や早送りによるイナーシャ荷重が大きく、ボールねじサポート用アンギュラ玉軸受に大きなアキシアル荷重が負荷される傾向にある。
したがって、このようなボールねじサポート用のアンギュラ玉軸受では、転がり疲れ寿命を増加させるために、負荷容量の増加と、加工精度を維持するための高剛性と、を両立することが必要となる。
これらを両立するためには、軸受サイズを大きくするか、組合せの列数を多くすれば対応できる。しかしながら、軸受サイズを大きくしてしまうと、ボールねじ軸端においてスペース増となる。また、組合せの列数をむやみに多くしてしまうと、ボールねじユニット部分が幅広の構成となってしまう。その結果、工作機械の必要床面積や高さ方向寸法が増加してしまうため、軸受の大型化や列数増加には限度がある。
また、従来のアンギュラ玉軸受では、軸方向両側に一対のリングを有する傾斜形もみぬき保持器(金属削り出し、又は射出成型の樹脂保持器)が使用されている(例えば、特許文献2又は3参照。)。このような両側リング構造の保持器は、強度面では良好だが、軸受の両端面にシールを装着した構造の場合、軸方向のスペースが不足してしまう。また、軸受内部空間の容積も少なくなり、封入グリース量も限定されてしまう。
日本国特開2000−104742号公報 日本国特開2005−61508号公報 日本国実開平3−49417号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、限られたスペースの中で負荷容量増加と高剛性を両立可能な冠型保持器及びアンギュラ玉軸受を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 略円環状のリング部と、
前記リング部の正面側又は背面側から、所定間隔で軸方向に突出した複数の柱部と、
隣り合う前記柱部の間に形成され、それぞれ玉を保持可能な複数のポケット部と、
を備え、射出成型で製造される玉軸受用の冠型保持器であって、
前記柱部の先端には、周方向中間に切欠部が設けられることにより、周方向両側に一対の爪部が形成され、
隣り合う前記玉同士の距離Lと、玉ピッチ円直径dmに円周率πを乗じた玉ピッチ円周長さπdmと、の関係は、
2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3
を満たし、
前記柱部の円周方向最小肉厚Mと、前記爪部の円周方向幅Nと、前記玉ピッチ円周長さπdmと、の関係は、
−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0
を満たす冠型保持器。
(2) 前記ポケット部の球面中心位置と、前記リング部の最外径部と最内径部との径方向中心位置とは、径方向においてずれている(1)に記載の冠型保持器。
(3) 前記ポケット部の球面中心位置と、前記リング部の最外径部と最内径部との径方向中心位置とは、径方向において一致している(1)に記載の冠型保持器。
(4) (1)〜(3)の何れか1項に記載の冠型保持器を備えるアンギュラ玉軸受。
本発明の冠型保持器によれば、2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3を満たすので、軸受一列当たり(玉ピッチ円上)の玉数を多くすることができ、軸受の負荷容量増加と高剛性を実現できる。なお、仮に、2.5×10−3>L/πdmであると、保持器の柱部の円周方向肉厚が薄くなりすぎ、成形時や切削時に穴が開いてしまう。特に、冠型保持器の材料である合成樹脂に強化材が多く含有されていると、成形時に合成樹脂の流動性が悪くなり、穴が開きやすい。また、L/πdm>13×10−3であると、玉数が少なくなり、荷重負荷能力及び剛性が低くなってしまう。
また、−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たすので、アキシャルドロー方式の射出成型で冠型保持器を製作する際に、型抜き工程において、柱部先端の一対の爪部を損傷させることなく、ポケット部を形成する型部材を軸方向に抜くことが可能となる。仮に、−3.5×10−3>(M−2N)/πdmであると、型抜き時に爪部の亀裂、又は欠けが発生し、保持器の機能上問題となる可能性がある。また、(M−2N)/πdm≧0であると、柱部先端の一対の爪部間の圧縮干渉は発生しないが、隣り合う一対のポケット部間の距離が大きくなり、結果的に玉ピッチ円上に配置する玉数が減じてしまうことにつながるので、荷重負荷能力及び剛性が低減してしまう虞がある。
本発明の第1実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 図1のアンギュラ玉軸受を並列組合せした断面図である。 保持器の側面図である。 保持器を軸方向一方側から見た図である。 保持器を軸方向他方側から見た図である。 図1及び図4のVI−VI断面図である。 図4のVII−VII断面矢視図である。 複数の玉の配置状態を説明するための図である。 球状型を共に示した保持器の断面図である。 本発明の第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 保持器の側面図である。 保持器を軸方向一方側から見た図である。 保持器を軸方向他方側から見た図である。 本発明の第3実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 保持器を軸方向一方側から見た図である。 図15のXVI−XVI断面矢視図である。 本発明の第4実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 保持器を軸方向一方側から見た図である。 本発明の第5実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 本発明の第5実施形態の変形例に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 本発明の第6実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 従来の深溝玉軸受の断面図である。 従来の保持器を軸方向から見た図である。 従来の保持器の側面図である。
以下、本発明の実施形態に係る冠型保持器及びアンギュラ玉軸受について、図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のアンギュラ玉軸受1は、内周面に軌道面11を有する外輪10と、外周面に軌道面21を有する内輪20と、外輪10及び内輪20の軌道面11、21間に配置された複数の玉3と、玉3を転動自在に保持し、玉案内方式である冠型保持器30と、を備える。
外輪10の内周面は、軌道面11よりも背面側(負荷側。図1中左側。)において凸設された外輪溝肩部12と、軌道面11よりも正面側(反負荷側。図1中右側。)において凹設された外輪カウンターボア13と、を有する。
内輪20の外周面は、軌道面21よりも正面側(負荷側。図1中右側。)において凸設された内輪溝肩部22と、軌道面21よりも背面側(反負荷側。図1中左側。)において凹設された内輪カウンターボア23と、を有する。
ここで、内輪カウンターボア23の外径をD1とし、内輪溝肩部22の外径をD2とすると、D1<D2とされている。また、外輪カウンターボア13の内径をD3とし、外輪溝肩部12の内径をD4とすると、D3>D4とされている。このように、内輪溝肩部22の外径D2を大きくし、外輪溝肩部12の内径D4を小さくしているので、玉3の接触角αを大きく設定することが可能である。より具体的には、外径D2及び内径D4を上記のように設定することで、接触角αを45°≦α≦65°程度とすることができる。軸受製作時の接触角αのバラツキを考慮しても、50°≦α≦60°程度とすることができる。このように、接触角αを大きくすることができる。
また、内輪溝肩部22の径方向高さHiを玉3の直径Dwで除したものをAi(Ai=Hi/Dw)とすると、0.35≦Ai≦0.50を満たすように設定される。外輪溝肩部12の径方向高さHeを玉3の直径Dwで除したものをAe(Ae=He/Dw)とすると、0.35≦Ae≦0.50を満たすように設定される。
仮に、0.35>Ai又は0.35>Aeである場合には、玉3の直径Dwに対して内輪溝肩部22又は外輪溝肩部12の径方向高さHi、Heが小さくなり過ぎるため、接触角αが45°未満となってしまい、軸受の軸方向荷重の負荷能力が不足してしまう。また、0.50<Ai又は0.50<Aeである場合には、外輪10及び内輪20の軌道面11、21が、玉3のピッチ円直径dmをはみ出して形成されることになるので、外輪溝肩部12及び内輪溝肩部22の研削加工が困難となり望ましくない。
また、外輪溝肩部12の背面側端部には、背面側に向かうにしたがって径方向外側に向かうテーパ形状の外輪面取り14が設けられている。内輪溝肩部22の正面側端部には、正面側に向かうにしたがって径方向内側に向かうテーパ形状の内輪面取り24が設けられている。これら外輪面取り14及び内輪面取り24の径方向幅は、外輪溝肩部12及び内輪溝肩部22の径方向高さHe、Hiの半分よりも大きく、比較的大きな値に設定されている。
このようなアンギュラ玉軸受1は、図2に示すように、並列組合せで使用することができる。本実施形態のアンギュラ玉軸受1は、玉3のピッチ円直径dmの近傍まで外輪溝肩部12及び内輪溝肩部22を設けているので、仮に、外輪面取り14及び内輪面取り24を設けないと、一方のアンギュラ玉軸受1の内輪20と他方のアンギュラ玉軸受1の外輪10が干渉し、軸受回転中に不具合が生じてしまう。また、オイル潤滑で使用する場合、仮に、外輪面取り14及び内輪面取り24を設けないと、各アンギュラ玉軸受1間を油が通過せず、油はけが悪くなり、潤滑不良や、軸受内部に油が多量に残留することによる温度上昇につながる。このように、外輪面取り14及び内輪面取り24を設けることで、内輪20及び外輪10同士の干渉の防止、及び油はけ性の向上を実現することができる。なお、外輪面取り14及び内輪面取り24は、必ずしも両方設ける必要はなく、少なくとも一方を設ければよい。
次に、図3〜7を参照し、冠型保持器30の構成について詳述する。冠型保持器30は、合成樹脂からなる玉案内方式のプラスチック保持器であり、当該冠型保持器30を構成するベース樹脂はポリアミド樹脂である。なお、ポリアミド樹脂の種類は制限されるものではなく、ポリアミド以外に、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等、他の合成樹脂でも構わない。さらに、ベース樹脂中には、強化材として、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等が添加される。また、冠型保持器30は、射出成形又は切削加工によって製造される。
冠型保持器30は、内輪20及び外輪10と同軸に配置された略円環状のリング部31と(図1参照。)と、リング部31の背面側から、所定間隔で軸方向に突出した複数の柱部32と、隣り合う柱部32の間に形成された複数のポケット部33と、を有する。
ここで、本実施形態のアンギュラ玉軸受1では、軸方向荷重の高負荷能力実現のため、外輪溝肩部12及び内輪溝肩部22の径方向高さHe、Hiを大きくしているので、軸受内部空間が少なくなる。したがって、このような軸受内部空間に配置する冠型保持器30は、片側リング構造であるため、外輪カウンターボア13と内輪溝肩部22との間にリング部31を配置し、外輪10及び内輪20の軌道面11、21間に柱部32を配置し、柱部32の径方向外側端部にリング部31が接続する構造とされる。
すなわち、図7に示すように、ポケット部33の球面中心位置が、リング部31の最外径部m1と最内径部m2との径方向中間位置Mよりも、径方向内側(径方向一方側)にずれた構造とされる。ここで、ポケット部33の球面中心位置は、ポケット部33の曲率半径の中心に一致する位置である。また、リング部31の最外径部m1は径方向外側面31bであり、最内径部m2は径方向内側面31aである。なお、図示の例では、ポケット部33の球面中心位置が、リング部31の最内径部m2よりも径方向内側にずれている。
図7に示すように、ポケット部33を形成する柱部32の周方向から見た側面は、リング部31の径方向内側面(径方向一方側面)31aと径方向外側面(径方向他方側面)31bとを結ぶ円弧33aの一部が切り欠かれてなるものである。円弧33aの中心はPで示され、半径はrで示される。
より具体的に、柱部32の周方向から見た側面は、円弧33aの径方向内側端部(径方向一方側端部)が切り欠かれて軸方向に延びるように形成された第1ストレート形状部33bを含む。第1ストレート形状部33bは、円弧33aの中心Pよりも背面側に配置されている。また、第1ストレート形状部33bは、玉3の中心Oi(ポケット部33の球面中心)と軸方向において重なる。
さらに、柱部32の周方向から見た側面は、円弧33aの、第1ストレート形状部33bの正面側の端部と、リング部31の径方向内側面31aの背面側の端部と、を結ぶ部分が切り欠かれて形成された第2ストレート形状部33cを含む。したがって、第2ストレート形状部33cは、正面側(リング部31側)に向かうにしたがって、径方向外側に向かう直線形状とされる。
また、柱部32の周方向から見た側面は、円弧33aの径方向外側端部(径方向他方側端部)が切り欠かれて軸方向に延びるように形成された第3ストレート形状部33gを含む。第3ストレート形状部33gは、リング部31の径方向外側面31bと同一平面上に形成され、当該径方向外側面31bと段差無く接続する。
このように、柱部32の周方向から見た側面は、第3ストレート形状部33gと、円弧33aと、第1ストレート形状部33bと、第2ストレート形状部33cと、が接続された形状となっている。
また、図6に示すように、ポケット部33を形成する、柱部32の周方向両側面、及びリング部31の背面側(柱部32側)の側面は、玉3と相似形状の球面状に形成される。ここで、柱部32の先端は、周方向中間に切欠部34が設けられており、二又に分かれている。そして、柱部32の先端には、切欠部34の周方向両側に一対の爪部36が形成される。ここで、本実施形態の切欠部34は、断面略V字形状の鋭利な形状とされているが、当該形状に限定されるものではなく、例えば、一定の平面(例えば0.1mm以上の平面)を底面として有してもよい。このように切欠部34を設けることにより、冠型保持器30をアキシャルドロー方式の射出成型で製造する際に、ポケット部33を形成する金型部品を無理抜きした場合であっても、一対の爪部36が切欠部34側に弾性変形するため、柱部32のポケット部33側の角部35の破損を防止することができる。
また、冠型保持器30材料の合成樹脂に添加する強化材の割合は、5〜30重量パーセントとすることが好ましい。仮に、合成樹脂成分中の強化材の割合が30重量パーセントを超えると、冠型保持器30の柔軟性が低下するため、冠型保持器30成形時のポケット部33からの型の無理抜き時や、軸受を組み立てる際のポケット部33への玉3の圧入時に、柱部32の角部35が破損してしまう。また、冠型保持器30の熱膨張はベース材料である樹脂材料の線膨張係数に依存するので、強化材の割合が5重量パーセントよりも少なくなると、軸受回転中の冠型保持器30の熱膨張が玉3のピッチ円直径dmの膨張に対して大きくなり、玉3と冠型保持器30のポケット部33が突っ張り合ってしまい、焼付きなどの不具合が起こってしまう。したがって、合成樹脂成分中の強化材の割合を5〜30重量%の範囲とすることによって、上記不具合を防止することができる。
なお、冠型保持器30の合成樹脂材料としては、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド等の樹脂が適用される。合成樹脂の強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などが適用される。
また、本実施形態のアンギュラ玉軸受1は、アキシアル荷重負荷能力を大きくするために、玉3の数(玉数Z)が多くなるように設定している。より具体的に、図8を用いて説明する。図8には、直径dmのピッチ円上に配置された二つの玉3が示されている。これらの玉3の直径をDwとし、これらの玉3の中心をA、Bとし、線分ABと玉3の表面との交点をC、Dとし、線分ABの中間点をEとし、ピッチ円の中心をOとしている。また、隣り合う玉3の中心A、B同士の距離(線分ABの距離)である玉中心間距離をTとし、隣り合う玉3同士の距離(線分CDの距離)である玉間距離をLとし、線分EOと線分BOとがなす角度(線分EOと線分AOとがなす角度)をθとしている。そうすると、線分AO及び線分BOの距離は(dm/2)であり、玉中心間距離Tは(dm×sinθ)であり、玉間距離Lは(T−Dw)であり、角度θは(180°/Z)である。
そして、玉間距離Lと、玉ピッチ円直径dmに円周率πを乗じた玉3ピッチ円周長さπdmと、の間に、2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3の関係が成立するように設計している。仮に、L/πdmが2.5×10−3よりも小さいと、冠型保持器30の柱部32の円周方向肉厚が薄くなりすぎ、成形時や切削時に穴が開いてしまう。特に、冠型保持器30の材料である合成樹脂に強化材が多く含有されていると、成形時に合成樹脂の流動性が悪くなり、穴が開きやすい。また、L/πdmが13×10−3よりも大きいと、玉数Zが少なくなり、軸受のアキシアル荷重負荷能力及び剛性が低くなってしまう。
このように、アンギュラ玉軸受1は2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3を満たすように、すなわち玉数Zが比較的多くなるように設計されており、冠型保持器30の柱部32の円周方向肉厚を標準軸受に対して厚くすることができない。そして、図6に示すように、柱部32の円周方向最小肉厚Mが薄くなるのに伴い、爪部36の円周方向幅Nも小さくなる。したがって、冠型保持器30を、アキシャルドロー方式の射出成型で製作する際に、型抜き工程において柱部32を損傷させることなく、ポケット部33を形成する型部材を軸方向に抜くためには、これら円周方向最小肉厚M及び円周方向幅Nを適切に設定する必要がある。より具体的に、図9を用いて説明する。
アキシャルドロー方式の射出成型の場合、型内部から冠型保持器30を取り出す時に、型は冠型保持器30の軸方向に相対的に移動する。ポケット部33の内部形状を形成させる球状型40は、柱部32先端に形成されて互いに対向した一対の爪部36を、切欠部34に向かって円周方向(図中、矢印A方向)に弾性変形させながら軸方向(図中、矢印B方向)に抜き取られる。
ここで、球状型40の球径寸法X(ポケット部33の球径寸法)と、隣り合う柱部32において対向する爪部36の距離Y(爪部口元開口寸法)と、の差(X−Y)がいわゆる無理抜き量と称される値である。そして、当該無理抜き量(X−Y)は、ポケット部33から玉が脱落しないようにするために、適正量に設定される。無理抜き量(X−Y)が大きすぎると、爪部36が弾性変形の限界を超えてしまい、型抜き時に爪部36が破損、又は、過大な塑性変形を生じ、冠型保持器30の機能を阻害する。無理抜き量(X−Y)が小さすぎると、玉3がポケット部33から脱落してしまう。したがって、無理抜き量(X−Y)は、これらの相反する機能を鑑み、Y/X=0.75〜0.95の範囲に設定される。
通常の深溝玉軸受に使用される冠型保持器の場合、無理抜き量を上記の範囲内の適正値とすれば、爪部に上述のような問題は発生しない。しかし、本発明で使用される冠型保持器30では、用途特有の軸受内部設計仕様により、柱部32の肉厚が薄い。したがって、型を抜き取る際に、爪部36は球状型40によって上述の弾性変形を生じると共に、柱部32先端において対向する一対の爪部36同士が接触し、互いに押し潰されるように接触する。この潰し量がある値を越えると、弾性変形から塑性変形に移行し爪部36が破損もしくは亀裂が発生する不具合に至る。
本発明では、本不具合を予見し、種々の設計検討及び検証結果を経て、上述の不具合が生じない以下の仕様を見出したものである。すなわち、柱部32の円周方向最小肉厚Mと、爪部36の円周方向幅Nと、玉ピッチ円周長さπdmと、の関係を、−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たすように設定した。ここで、図6に示すように、柱部32の円周方向最小肉厚Mとは、爪部36又は切欠部34が形成される位置以外における柱部32の円周方向肉厚の最小値を意味する。
仮に、−3.5×10−3>(M−2N)/πdmとすると、型抜き時に爪部36に冠型保持器30の機能上問題となる亀裂、又は欠けが発生してしまう。また、(M−2N)/πdm≧0とすると、柱部32先端で対向する一対の爪部36間の圧縮干渉は発生しないが、隣り合うポケット部33間の距離が大きくなり、玉ピッチ円上に配置する玉数Zを減じてしまうことにつながるので、荷重負荷能力及び剛性が低減してしまう。なお、深溝玉軸受などでは、軸受の組立方法の制限から玉数が限定されるので、(M−2N)の値が0より小さくなることはありえない。
また、爪部36の円周方向幅Nは、小さいほうが、−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満足させやすいが、極度に小さいと射出成型の際、樹脂が爪部36先端に流動しにくくなり、成型不良となる。また、型抜きの際の無理抜きにより、爪部36の先端部に亀裂が発生したり、爪部36の剛性が下がり玉3の脱落が生じる。本発明に至る過程での種々の検証の結果、爪部36の円周方向幅Nは、0.2mm以上が望ましいことが判明した。
特に、本実施形態の冠型保持器30の構成は、上述したような強化材が添加された樹脂材料において、射出成型時の樹脂流動性が低下しやすく、かつ、成形型の無理抜きがしにくい条件で、その効果が特に発揮される。
なお、図22に示した、玉103、外輪110、内輪120、及び保持器130を備える従来型の深溝玉軸受100の場合、図23及び図24に示すように、保持器130は、略円環状のリング部131と、リング部131から所定間隔で軸方向に突出した複数の柱部132と、隣り合う柱部132の間に形成された複数のポケット部133と、を有する冠型保持器とされている。
このような従来型の深溝玉軸受100では、その使用用途がモータ用等、比較的軽荷重であることや、深溝玉軸受100の組立上の制限から、本実施形態のボールねじサポート用アンギュラ玉軸受1に比べて、玉数が1/2〜1/3程度と少ない。したがって、保持器130のポケット部133の円周方向のピッチが広く、柱部132の一対の角部135間が、本実施形態の柱部32の一対の角部35間に比べて離間している。したがって、金型の無理抜き時に、柱部132の先端部が容易に変形する目的のために、一対の角部135間に凹部136を設けることができる。また、凹部136の底面137は、円周方向に延びる平面とすることができる。そして、凹部136の底面137に、型抜きのためのピンを設け、ポケット部133の型に対して、ピンを軸方向に押し出すことで無理抜きでの離型が可能となる。
このように、従来型の深溝玉軸受100では、金型の無理抜き時に保持器130が損傷する可能性は少なく、本発明の課題が認識されることはなかった。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る冠型保持器30は、図10〜13に示すように、第1実施形態のような第1、第2及び第3ストレート形状部33b、33c、33g(図7参照)が設けられず、ポケット部33を形成する柱部32の周方向から見た側面が任意の半径rの円状とされている。
このような構成であっても、第1実施形態と同様、2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3、且つ−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たすように設定することで、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
(第3及び第4実施形態)
ポケット部33の球面中心位置は、図1及び図10で示した第1及び第2実施形態のように、リング部31の最外径部m1と最内径部m2との径方向中間位置Mよりも、径方向内側にずれた構成に限られない。すなわち、図14〜図16に示す第3実施形態や、図17及び図18に示す第4実施形態のように、ポケット部33の球面中心位置が、リング部31の最外径部m1と最内径部m2との径方向中間位置Mよりも径方向外側にずれた構造でも構わない。
すなわち、外輪溝肩部12と内輪カウンターボア23との間にリング部31を配置し、外輪10及び内輪20の軌道面11、21間に柱部32を配置し、柱部32の径方向内側端部にリング部31が接続する構造としてもよい。
なお、図14〜18に示す例では、ポケット部33の球面中心位置が、リング部31の最外径部m1(径方向外側面31b)よりも径方向外側にずれている。この場合であっても、柱部32の先端は、周方向中間に切欠部34が設けられており、二又に分かれているので、保持器30を射出成型で製造する際に、ポケット部33を形成する金型部品の無理抜きによる、柱部32のポケット部33側の角部35の破損を防止することができる。
図16に示すように、第3実施形態においては、ポケット部33を形成する柱部32の周方向から見た側面は、リング部31の径方向外側面(径方向一方側面)31bと径方向内側面(径方向他方側面)31aとを結ぶ円弧33aの一部が切り欠かれてなるものである。円弧33aの中心はPで示され、半径はrで示される。
より具体的に、柱部32の周方向から見た側面は、円弧33aの径方向外側端部(径方向一方側端部)が切り欠かれて軸方向に延びるように形成された第1ストレート形状部33bを含む。第1ストレート形状部33bは、円の中心Pよりも正面側(反負荷側。図16中左側。)に配置されている。また、第1ストレート形状部33bは、玉3の中心Oi(ポケット部33の球面中心)と軸方向において重なる。
さらに、柱部32の周方向から見た側面は、円弧33aの、第1ストレート形状部33bの背面側(負荷側。図16中右側。)の端部と、リング部31の径方向外側面31bの正面側の端部と、を結ぶ部分が切り欠かれて形成された第2ストレート形状部33cを含む。したがって、第2ストレート形状部33cは、背面側(リング部31側)に向かうにしたがって、径方向内側に向かう直線形状とされる。
また、柱部32の周方向から見た側面は、円弧33aの径方向内側端部(径方向他方側端部)が切り欠かれて軸方向に延びるように形成された第3ストレート形状部33gを含む。第3ストレート形状部33gは、リング部31の径方向内側面31aと同一平面上に形成され、当該径方向内側面31aと段差無く接続する。
このように、柱部32の周方向から見た側面は、第3ストレート形状部33gと、円弧33aと、第1ストレート形状部33bと、第2ストレート形状部33cと、が接続された形状となっている。
また、図17に示すように、第4実施形態においては、ポケット部33を形成する柱部32の周方向から見た側面は、任意の半径rの円状とされている。
このように構成した場合であっても、上述の実施形態と同様、2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3、且つ−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たすように設定することで、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
(第5実施形態)
図19に示すように、ポケット部33の球面中心位置と、リング部31の最外径部m1と最内径部m2との径方向中間位置Mとは、径方向において一致しても構わない。図示の例では、外輪10の内周面は、軌道面11よりも背面側(負荷側。図19中右側。)において凸設された外輪溝肩部12と、軌道面11よりも正面側(反負荷側。図19中左側。)において凹設された外輪カウンターボア13と、を有する。内輪20の外周面には、軌道面21よりも正面側及び背面側において内輪溝肩部22が凸設されている。そして、外輪溝肩部12と内輪溝肩部22との間にリング部31を配置し、外輪10及び内輪20の軌道面11、21間に柱部32を配置し、柱部32の肉厚における径方向中心部にリング部31が接続する。なお、ポケット部33を形成する柱部32の周方向から見た側面は、任意の半径rの円状である。
このように構成した場合であっても、上述の実施形態と同様、2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3、且つ−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たすように設定することで、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
さらに、ポケット部33の球面中心位置(玉中心Oi)は、アンギュラ玉軸受1の軸方向中心から軸方向(正面側)にオフセットしている。すなわち、リング部31が配置される背面側(図19中右側)におけるアンギュラ玉軸受1の端面4から、ポケット部33の球面中心位置までの軸方向距離をXとし、正面側(図19中左側)におけるアンギュラ玉軸受1の端面5から、ポケット部33の球面中心位置までの軸方向距離をYとすると、X>Yとなるように設定されている。これにより、背面側におけるアンギュラ玉軸受1の端面4と、玉3の表面と、の間の軸方向空間を広くできる。これにより、リング部31の軸方向寸法を大きくし、リング部31の円環強度を向上できる。
なお、リング部31の強度に問題がなければ、図20に示すように、ポケット部33の球面中心位置(玉中心Oi)とアンギュラ玉軸受1の軸方向中心とが、一致する構成でも構わない。この場合、上記軸方向距離X及びYの関係は、X=Yである。
(第6実施形態)
図21に示すように、ポケット部33の球面中心位置と、リング部31の最外径部m1と最内径部m2との径方向中間位置Mとは、径方向において一致しても構わない。図示の例では、外輪10の内周面は、軌道面11よりも軸方向内側(負荷側)において凸設された外輪溝肩部12と、軌道面11よりも軸方向外側(反負荷側)において凹設された外輪シール溝15と、を有する。内輪20の外周面は、軌道面21よりも軸方向内側において凸設された内輪溝肩部22と、軌道面21よりも軸方向外側において凹設された内輪シール溝25と、を有する。そして、外輪溝肩部12と内輪溝肩部22との間にリング部31を配置し、外輪10及び内輪20の軌道面11、21間に柱部32を配置し、柱部32の肉厚における径方向中心部にリング部31が接続する。なお、ポケット部33を形成する柱部32の周方向から見た側面は、任意の半径rの円状である。さらに、外輪シール溝15には、シール部材50が固定されている。当該シール部材50は、内輪シール溝25と僅かな隙間を介して対向しており、軸受内部へ異物が混入することを防止する。なお、シール部材50は、非接触シールに限られず、接触シールであってもよい。
このように、ポケット部33に対して、軸方向内側にリング部31を配置し、軸方向外側にシール部材50を配置することで、アンギュラ玉軸受1をコンパクトにできる。このようなアンギュラ玉軸受1は、図21に示すように、背面組合せで使用することができる。
このように構成した場合であっても、上述の実施形態と同様、2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3、且つ−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たすように設定することで、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
なお、本実施形態においても第5実施形態と同様、ポケット部33の球面中心位置(玉中心Oi)は、アンギュラ玉軸受1の軸方向中心から軸方向外側(正面側)にオフセットしている。すなわち、軸方向距離X及びYの関係が、X>Yとなるように設定されている。これにより、背面側(図21中、軸方向内側)におけるアンギュラ玉軸受1の端面4と、玉3の表面と、の間の軸方向空間を広くできる。これにより、リング部31の軸方向寸法を大きくし、リング部31の円環強度を向上できる。
なお、リング部31の強度に問題がなければ、ポケット部33の球面中心位置(玉中心Oi)とアンギュラ玉軸受1の軸方向中心とが、一致する構成でも構わない。この場合、軸方向距離X及びYの関係は、X=Yである。
(実施例1及び2)
次に、(M−2N)/πdmを表1のように変化させて、冠型保持器30をアキシャルドロー方式の射出成型で製造することにより、柱部32の一対の爪部36の損傷状態について試験を行った。なお、実施例1及び2、並びに比較例1において、(M−2N)/πdm以外のパラメータは、以下に示すように同一とした。
軸受内径:φ45mm、軸受外径:φ100mm、玉ピッチ円直径dm:φ75mm、玉径Dw:10.319mm、玉数Z:21個、接触角α:60°、冠型保持器材質:ポリアミド樹脂(20wt.%のガラス繊維強化材入り)、L/πdm:3.6×10−3
Figure 2016027279
(M−2N)/πdmが大きくなるにしたがって、爪部36により大きな負荷が掛かり、特に−3.5×10−3>(M−2N)/πdmである比較例においては、爪部36に亀裂が発生した。これは、金型の無理抜き時に、柱部32先端で対向する一対の爪部36間の圧縮干渉が発生するためである。この結果から、柱部32の円周方向最小肉厚Mと、爪部36の円周方向幅Nと、玉ピッチ円周長さπdmと、の関係は、−3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0を満たすことが好ましいことが明らかとなった。
次に、アンギュラ玉軸受1の複数のパラメータを変更した各実施例について説明する。
(実施例3)
本実施例では、第1実施形態のアンギュラ玉軸受1において、軸受内径をΦ30mm、軸受外径をΦ62mm、L/πdm=5.0×10−3、(M−2N)/πdm=−1.4×10−3に設定した。
このように各パラメータを設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することが確認された。
(実施例4)
本実施例では、第2実施形態のアンギュラ玉軸受1において、軸受内径をΦ20mm、軸受外径をΦ47mm、L/πdm=11.4×10−3、(M−2N)/πdm=−3.0×10−3に設定した。
このように各パラメータを設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することが確認された。
(実施例5)
本実施例では、第3及び第4実施形態のアンギュラ玉軸受1において、軸受内径をΦ50mm、軸受外径をΦ100mm、L/πdm=3.5×10−3、(M−2N)/πdm=−0.7×10−3に設定した。
このように各パラメータを設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することが確認された。
(実施例6)
本実施例では、第5実施形態のアンギュラ玉軸受1において、軸受内径をΦ20mm、軸受外径をΦ47mm、L/πdm=11.4×10−3、(M−2N)/πdm=−3.0×10−3に設定した。
このように各パラメータを設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することが確認された。
(実施例7)
本実施例では、第6実施形態のアンギュラ玉軸受1において、軸受内径をΦ130mm、軸受外径をΦ165mm、L/πdm=2.7×10−3、(M−2N)/πdm=−0.6×10−3に設定した。
このように各パラメータを設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することが確認された。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更、改良等が可能である。
本出願は、2014年7月2日出願の日本特許出願2014−136858に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 アンギュラ玉軸受
3 玉
4、5 端面
10 外輪
11 軌道面
12 外輪溝肩部
13 外輪カウンターボア
14 外輪面取り
15 外輪シール溝
20 内輪
21 軌道面
22 内輪溝肩部
23 内輪カウンターボア
24 内輪面取り
25 内輪シール溝
30 保持器
31 リング部
31a 径方向内側面(径方向一方側面、径方向他方側面)
31b 径方向外側面(径方向他方側面、径方向一方側面)
32 柱部
33 ポケット部
33a 円弧
33b 第1ストレート形状部
33c 第2ストレート形状部
33g 第3ストレート形状部
34 切欠部
35 角部
36 爪部
40 球状型
50 シール部材
Oi 玉中心(ポケット部球面中心)

Claims (4)

  1. 略円環状のリング部と、
    前記リング部の正面側又は背面側から、所定間隔で軸方向に突出した複数の柱部と、
    隣り合う前記柱部の間に形成され、それぞれ玉を保持可能な複数のポケット部と、
    を備え、射出成型で製造される玉軸受用の冠型保持器であって、
    前記柱部の先端には、周方向中間に切欠部が設けられることにより、周方向両側に一対の爪部が形成され、
    隣り合う前記玉同士の距離Lと、玉ピッチ円直径dmに円周率πを乗じた玉ピッチ円周長さπdmと、の関係は、
    2.5×10−3≦L/πdm≦13×10−3
    を満たし、
    前記柱部の円周方向最小肉厚Mと、前記爪部の円周方向幅Nと、前記玉ピッチ円周長さπdmと、の関係は、
    −3.5×10−3≦(M−2N)/πdm<0
    を満たす冠型保持器。
  2. 前記ポケット部の球面中心位置と、前記リング部の最外径部と最内径部との径方向中心位置とは、径方向においてずれている請求項1に記載の冠型保持器。
  3. 前記ポケット部の球面中心位置と、前記リング部の最外径部と最内径部との径方向中心位置とは、径方向において一致している請求項1に記載の冠型保持器。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の冠型保持器を備えるアンギュラ玉軸受。
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