JP6686483B2 - 転がり軸受用保持器、及び転がり軸受、並びに転がり軸受用保持器の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、射出成形により作製される合成樹脂製の保持器は、高い生産性を有する。しかし、軸受の使用条件が厳しい場合には、摺動部の潤滑性が低下し、摩耗によって寿命が低下することがある。
上記保持器の耐久性を改善する手段として、特許文献1のように保持器表面に微細凹凸形状を形成し、この表面形状をコントロールする技術がある。この技術によれば、微細凹凸形状の調整によって摺動部の潤滑性や耐久性を高めることができる。
(1) 転がり軸受の内輪軌道と外輪軌道との間に配置される複数の転動体を転動自在に保持するポケットが形成された転がり軸受用保持器であって、
前記ポケットの内周面は、算術平均粗さRaが1.0〜9.8μm、最大高さRtが10.1〜102.9μmの表面性状を有し、
前記ポケットの内周面は、保持器径方向に沿った円筒面であり、前記円筒面の保持器径方向の厚みが3.5mm以下であり、
保持器表層に、保持器表面からの厚みが0.1〜30μmである、強化繊維を含まない非晶質層が形成されていることを特徴とする転がり軸受用保持器。
(2)保持器内径側又は保持器外径側の少なくとも一方に、前記ポケットの内径を拡縮する段付き部を有する(1)に記載の転がり軸受用保持器。
(3)(1)又は(2)に記載の転がり軸受用保持器を備える転がり軸受。
(4)(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の転がり軸受用保持器を、成形用金型を用いて射出成形する転がり軸受用保持器の製造方法であって、
前記ポケットを、前記成形用金型のスライドコアにより形成することを特徴とする転がり軸受用保持器の製造方法。
(5)前記ポケットの内径面に、前記成形用金型の金型表面に施された加工面の形状を転写することを特徴とする(4)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
(6)前記ポケットの内周面を形成する前記スライドコアの表面を、ショットピーニング、放電加工、エッチングのいずれかによって形成することを特徴とする(4)又は(5)に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、転がり軸受の一部断面図である。ここでは転がり軸受として工作機械の主軸等、高速回転する装置に用いられるアンギュラ玉軸受を用いて説明する。
保持器23のポケット21は、内周面が保持器径方向に沿った円筒面であり、その円筒状の内周面は、所定の表面性状にされている。この表面性状を形成する微小な凹部には、潤滑剤であるグリースが保持され、ポケット21の転動体19との動滑性を向上させている。なお、ポケット21の内周面の表面性状については、後に詳述する。
次に、保持器23を射出成形する成形用金型について説明する。
上記した合成樹脂製の保持器23は、成形用金型により一体に射出成形される。図6(A)は、保持器外径面の拡大図である。図6(B)は、成形用金型を模式的に示した図6(A)のP2−P2線における断面図である。図6(B)には、保持器23の外径部を成形する外側金型41と、保持器23のポケット21を成形するスライドコア43とを示す。成形用金型は、これらの金型部材の他に保持器23の内径面を形成する内側金型等を備えるが、ここではその説明を省略する。
上記の成形用金型は、保持器23にポケット21を形成する金型(スライドコア43)の表面が、所定の表面性状を有する。すなわち、スライドコア43の金型表面は、通常よりも大きな所定の表面粗さの加工面とされている。この加工面の表面形状は、射出成形される保持器23のポケット21の内周面に転写される。これにより、ポケット内周面はシボ加工面となる。
外輪案内形式の保持器23のポケット21は、通常、径方向に沿った円筒形状となっている。このため、上記した表面性状となる表面形状を設けたスライドコア43を径方向外側に抜き取る際、ポケット21の内周面に付与した表面形状がせん断により崩れる虞がある。
保持器23を射出成形により成形する際には、高温の樹脂が温度の低い金型に接触して急冷される。そのため、金型付近の部分となる保持器23の表面部分に、スキン層と呼ばれる非晶質層が形成される。また、成形時の樹脂が樹脂表面に並行に流れるため、成形後の樹脂内部の表層部における強化繊維(CF(カーボンファイバー)、GF(グラスファイバー)、AF(アラミドファイバー)等)も表面に並行に配列される。
次に、上記した保持器23の他の構成例について説明する。
(第1変形例)
図9に他の構成の保持器23Aを備えたアンギュラ玉軸受110の一部断面図、図10に保持器23Aの外観斜視図を示す。以下の説明では、図1に示す部材と同一の部材に対しては同一の符号を付与することで、その部材の説明は省略又は簡単化する。
図11に他の構成の保持器23Bを備えたアンギュラ玉軸受120の一部断面図を示す。本変形例の保持器23Bは、被案内部25A,25Bのいずれも備えておらず、保持器23Bのポケット21の内周面には、前述した所定の表面性状が、金型から転写されて形成されている。それ以外は、前述の第1変形例の保持器23Aと同様である。
図12に他の構成の保持器23Cの外観斜視図を示す。保持器23Cは、前述した所定の表面粗さを有する表面形状がスライドコア43から転写されたポケット21を有し、且つ、保持器外径部の軸方向両端に半径方向外側へ突出する被案内部26A,26Bを有する。各被案内部26A,26Bには、それぞれ軸方向に沿って案内面27の径方向高さから窪んだ溝部33A,33Bが複数形成される。
図13に他の構成の保持器23Dの外観斜視図を示す。保持器23Dは、保持器外径部の軸方向一端のみに半径方向外側へ突出する被案内部26Aを有すること以外は、前述の第3変形例の保持器23Cと同様である。
13 外輪
15 内輪軌道面
17 内輪
19 転動体
21 ポケット
21a テーパ面
22 段付き部
23,23A,23B,23C,23D,23E 保持器(転がり軸受用保持器)
41 外側金型
43 スライドコア
100,110,120 アンギュラ玉軸受(転がり軸受)
D 内周面の径方向長さ(円筒面の径方向厚み)
Claims (6)
- 転がり軸受の内輪軌道と外輪軌道との間に配置される複数の転動体を転動自在に保持するポケットが形成された転がり軸受用保持器であって、
前記ポケットの内周面は、算術平均粗さRaが1.0〜9.8μm、最大高さRtが10.1〜102.9μmの表面性状を有し、
前記ポケットの内周面は、保持器径方向に沿った円筒面であり、前記円筒面の保持器径方向の厚みが3.5mm以下であり、
保持器表層に、保持器表面からの厚みが0.1〜30μmである、強化繊維を含まない非晶質層が形成されていることを特徴とする転がり軸受用保持器。 - 保持器内径側又は保持器外径側の少なくとも一方に、前記ポケットの内径を拡縮する段付き部を有する請求項1に記載の転がり軸受用保持器。
- 請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受用保持器を備える転がり軸受。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の転がり軸受用保持器を、成形用金型を用いて射出成形する転がり軸受用保持器の製造方法であって、
前記ポケットを、前記成形用金型のスライドコアにより形成することを特徴とする転がり軸受用保持器の製造方法。 - 前記ポケットの内径面に、前記成形用金型の金型表面に施された加工面の形状を転写することを特徴とする請求項4に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
- 前記ポケットの内周面を形成する前記スライドコアの表面を、ショットピーニング、放電加工、エッチングのいずれかによって形成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の転がり軸受用保持器の製造方法。
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