JP2008093833A - 冠形保持器用金型、冠形保持器の製造方法及び転がり玉軸受 - Google Patents

冠形保持器用金型、冠形保持器の製造方法及び転がり玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な潤滑油膜を形成することができるとともに、玉とポケット面の表面接触を抑制することができる冠形保持器用金型を提供する。
【解決手段】ポケット成形用金型部15の外周面は、表面粗さRa(JIS B 0601で規定されている表面粗さ)が0.1μm未満となるように研削加工が施されて平滑面とされている。そして、ポケット成形用金型部15の外周面に、パルス幅1ps以上5ps以下の短パルスレーザーを照射することで微細加工が施されている。微細加工は、ポケット成形用金型部15の外周面に互いに平行に細長く延びている複数の溝と、これら溝の内面に、一定幅の微細な線状凹部及び線状凸部を交互に縞状に繰り返して形成した加工である。
【選択図】図6

Description

本発明は、モータ等の回転機械の回転軸を回転・支持し、潤滑油を内部に封入した転がり玉軸受用いられる冠形保持器の製造に用いられる金型、冠形保持器の製造方法及び転がり玉軸受に関する。
モータ等の回転機械の回転軸を回転・支持する部位には、転がり軸受、特に転がり玉軸受が多く用いられる。転がり玉軸受の軌道輪や玉は、例えば高荷重が作用する環境下や急加速を伴う環境下で使用されると、その接触面に焼付き,スメアリング等の損傷が発生する場合がある。このような転がり軸受においては、転がり接触する軌道面や転動面で表面接触(潤滑膜を介することなく表面突起同士が直接接触することを意味し、金属表面の場合は金属接触と言われる)が発生することを抑えるために、添加剤を含む潤滑油により潤滑が行われている。
また、転がり玉軸受に用いられる保持器には、合成樹脂を金型により射出成形した合成樹脂製の冠形保持器が用いられている。
冠形保持器における玉と玉を保持するポケット面や、外輪案内型の保持器の場合には外輪内径面と摺接する保持器案内部外周面、内輪案内保持器の場合には内輪外径面と摺接する保持器案内部内周面は、玉と軌道溝との転がり状態ではなく、すべり状態で相対運動している。
冠形保持器のポケットは、玉の曲率より僅かに大きい曲率を有した球面状の形状を有しているのが一般的である。このような冠形保持器を用いた場合、玉に付着した潤滑油はポケット端縁部で掻き取られやすく、軸受の低トルクを目的として潤滑油の量を減少させた仕様においては、玉と軌道溝が潤滑不足に陥る場合がある。この場合、玉とポケットが直接接触することによって発熱や、保持器が自励振動を起こして保持器音を発生したり、軌道面と玉のグリースの量が減少することによって玉と軌道面が摩耗して振動・騒音を発生させ、機器の寿命を損なう等の障害につながることがある。また、内輪案内型あるいは外輪案内型の保持器についても、グリース潤滑の場合には、特に摺接面が潤滑不足に陥りやすく、接触による発熱や異常音・異常振動、あるいは保持器の案内部が摩耗するなどして、正常な回転を損なうことがある。
これらの問題の解決策として、冠形保持器を射出成形するために用いる金型の玉が摺接するポケット面を形成する位置に、転造、レーザー加工、あるいは旋削により複数の溝や凹凸を形成する技術(例えば特許文献1)や、冠形保持器のポケット面に、ディンプル状の微小な凹部を形成する技術(例えば、特許文献2)が知られている。
特開2003−247552号公報 特開2005−155696号公報
しかし、特許文献1の技術は、旋削によって金型のポケット面を形成する位置に複数の溝や凹凸を高精度に形成することが難しく、金型に形成した溝や凹凸を溶融樹脂の射出成形により冠形保持器に転写しても、ポケット面の凹凸や溝の寸法が大きくなり表面粗さも粗くなって潤滑油膜が切れやすくなり、玉とポケット面が表面接触する。また、転造により溝を形成する場合には、隣接する溝の間の平滑面にゆがみが発生しやすく、この平滑面のゆがみによってポケット面の表面粗さが粗くなり、潤滑油膜が切れやすくなる。さらに、特許文献1の技術のレーザー加工で金型に複数の溝や凹凸を形成する場合も、潤滑油膜の形成能力が高い微細加工の溝や凹凸を形成したり、表面粗さが滑らかなポケット面を形成することが難しい。
一方、特許文献2の技術は、金型のポケット面を形成する位置に、深さや開口径が均一な多数のディンプルを形成することが難しいので、成形した冠形保持器のポケット面における潤滑油膜が切れやすい。ここで、シボ加工等のエッチング処理を行なうことで金型のポケット面を形成する位置に多数のディンプルを形成することが考えられるが、金型全体を薬品に浸漬するので、ポケット面を形成する位置以外の表面粗さが悪化するおそれがある。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、良好な潤滑油膜を形成することができるとともに、玉とポケット面の表面接触を抑制することができる冠形保持器用金型、冠形保持器の製造方法及び転がり玉軸受を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、合成樹脂製の転がり玉軸受用の冠形保持器の製造に用いられる金型であって、前記冠形保持器の玉に摺接するポケット面を形成する金型面の表面粗さRaを、0.1μm未満として形成するとともに、前記金型面に、パルス幅1ps以上5ps以下の短パルスレーザーの照射により潤滑油を保持可能な微細加工を施すことを特徴とする冠形保持器用金型である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の冠形保持器用金型において、前記微細加工は、細長く延びた溝を複数平行に形成した加工である。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の冠形保持器用金型において、前記複数の溝の内面に、微細な線状凹部及び線状凸部を交互に繰返して縞状に形成した。
一方、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の冠形保持器用金型を用いた転がり玉軸受用の冠形保持器を製造する方法であって、前記金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、前記金型面を転写して前記冠形保持器の前記ポケット面を形成することを特徴とする冠形保持器の製造方法である。
さらに、請求項5の発明は、少なくとも一対の軌道輪と、当該一対の軌道輪間に多数個組み込まれる複数の玉と、周方向に所定の間隔をあけて設けた複数のポケットで前記複数の玉を案内保持する冠形保持器を有してなる転がり玉軸受であって、前記冠形保持器の前記複数のポケットの玉が摺接する前記ポケット面が、表面粗さRaを0.1μm未満として形成されているとともに、前記ポケット面に、細長く延びた溝が複数平行に形成され、これら複数の溝の内面に、微細な線状凹部及び線状凸部が交互に繰返されて縞状に形成されていることを特徴とする転がり玉軸受である。
本発明に係る冠形保持器用金型によると、冠形保持器の玉に摺接するポケット面を形成する金型面の表面粗さRaを、0.1μm未満として形成するとともに、金型面に、パルス幅1ps以上5ps以下の短パルスレーザーの照射により潤滑油を保持可能な微細加工を施していることから、ナノメートルオーダーで高精度に潤滑油を保持可能な微細加工を施すことができる。
また、本発明に係る冠形保持器の製造方法によると、上述した冠形保持器用金型を用いてキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、冠形保持器用金型に形成した微細加工を転写して冠形保持器のポケット面に高精度の微細加工を形成することができ、転がり玉軸受に使用したときに良好な潤滑油膜を形成することができる。
さらに、本発明に係る転がり玉軸受によれば、玉を保持する冠形保持器のポケットには、玉が摺接するポケット面に、潤滑油を保持可能な高精度の微細加工が施されているので、長寿命化を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(転がり玉軸受の構造)
図1は、本発明に係る冠形保持器が組み込まれている転がり玉軸受の縦断面図、図2は、冠形保持器を示す斜視図である。
図1に示すように、転がり玉軸受1は、外輪2と、内輪3と、これら外輪2及び内輪3の間に複数個組み込まれる玉4と、複数個の玉4を等配して案内する冠形保持器5と、密封板(シール又はシールド)7とで構成されている。
外輪2の内周面の略中央部には、円弧溝状の外輪軌道面2aが形成されており、内輪3の外周面の略中央部には、外輪軌道面2aと対向する円弧溝状の内輪軌道面3aが形成されている。
複数の玉4は、冠形保持器5のポケット6内(図2参照)に転動自在に保持されて円周方向に所定の間隔で配置されている。
外輪2と内輪3とによって構成される軸方向両側の開口端部に、円環状の密封板8がそれぞれ配設されており、開口端部を封止して、封入された潤滑油の流出を防止するとともに、外部からの異物の侵入を阻止するようになっている。なお、潤滑油としては、エーテル系ウレアグリース等の耐熱性・機械安定性に優れた合成油系グリースが使用されている。
冠形保持器5は、図2に示すように、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂を射出成形することにより形成されており、円筒形状の主部5aと、主部5aの周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数のポケット6とを有している。各ポケット6は、互いに間隔をあけて主部5aの軸方向の一端面に突設された一対の弾性片5b,5bと、前記一端面において前記一対の弾性片5b,5bの間に設けられたポケット面5cとで形成されており、主部5aの内周面及び外周面にそれぞれ開口している。そして、玉4はポケット6に転動自在に保持されているとともに、玉4が摺接する各ポケット6のポケット面5cは、玉4より僅かに大きな半径の球面形状に形成されている。
ここで、ポケット面5cには、図3に示すように、微細加工が施されている。
ポケット面5cに施されている微細加工は、一対の弾性片5b,5bのうち一方の弾性片5bから他方の弾性片5bに向けて細長く延びる溝10と、この溝10に沿って延在する平滑面11が厚さ方向に交互に形成されている。隣接する溝10,10の間に形成されている平滑面11は、表面粗さRa(JIS B 0601で規定されている表面粗さ)が0.1μm未満に設定されている。ここで、平滑面11の表面粗さRaを0.1μm未満に設定したのは、平滑面11の表面粗さRaが0.1μm以上になると、ポケット面5cと玉4との間の潤滑油膜の形成を妨げるからである。
そして、各溝10…の内面には、図4に示すように、溝10が延在する方向に対して交差する方向に、一定幅の微細な線状凹部12及び線状凸部13が交互に繰り返して縞状に形成されている。線状凹部12及び線状凸部13はナノメートルオーダーの間隔を空けて平行に並んでおり、隣り合う2つの線状凹部12の間の距離L7の平均値は、400〜800nmである。
本実施形態の転がり玉軸受1によると、玉4を保持する冠形保持器5のポケット6は、玉4が摺接するポケット面5cに、複数の溝10…及び平滑面11…を交互に形成し、各溝10…の内面に、一定幅の微細な線状凹部12及び線状凸部13が交互に繰り返して縞状に形成されているので、潤滑油の良好な保持が可能となり、良好な潤滑油膜を形成することができる。
特に、本実施形態のように、潤滑油としてエーテル系ウレアグリース等の耐熱性・機械安定性に優れた合成油系グリースが使用されていることで、潤滑油の流動性が低下する低温環境下においても、ポケット面5cに保持された潤滑油によりポケット面5cと玉4との摺接面に潤滑油を安定して供給することができ、ポケット面5cと玉4との摺接面の間に潤滑油を引き込むような流れを作ることができる。
また、ポケット面5cの溝10…を除く平滑面11…は、表面粗さRaが0.1μm未満に設定されているので、ポケット面5cと玉4との間に均一な厚さの潤滑油膜が形成され、広範囲な面積で玉4を支持することができる。このため、高付加荷重・高速回転、且つ低温から高温までの厳しい条件下での使用においても摩耗や保持器音の発生を低減することができる。さらに、低速回転において潤滑油膜が形成されにくい条件下での使用においても、接触面積が少なくなるために摺接面で凝固が起こりにくく、摩耗や保持器音の発生を抑制することができる。
したがって、玉4が摺接するポケット6のポケット面5cに均一な厚さの潤滑油膜が形成されて玉4とポケット面5cとが表面接触しないので、転がり玉軸受1の長寿命化を図ることができる。
また、高付加荷重・高速回転、且つ低温から高温までの厳しい条件下での使用においても、摩耗や保持器音の発生を抑制した転がり玉軸受1を提供することができる。
(冠形保持器の製造に使用される金型と、冠形保持器の製造方法)
次に、上述した冠形保持器5を製造する際に使用する金型の一実施形態と、冠形保持器5の製造方法について説明する。
冠形保持器5を製造する際には、図5に示すように、冠形保持器5のポケット6を成形する球形状のポケット成形用金型部15を使用する。このポケット成形用金型部15は、ポケット成形用金型部15全体を保持する保持部16が一体に設けられている。
ポケット成形用金型部15の外周面は、表面粗さRa(JIS B 0601で規定されている表面粗さ)が0.1μm未満となるように研削加工が施されて平滑面とされている。
そして、ポケット成形用金型部15の外周面に、パルス幅1ps以上5ps以下の短パルスレーザーを照射することで微細加工が施されている。
この微細加工は、ポケット成形用金型部15の外周面に互いに平行に細長く延びている複数の溝と、これら溝の内面に、一定幅の微細な線状凹部及び線状凸部を交互に縞状に繰り返して形成した加工である。これら複数の溝、線状凹部及び線状凸部を金型溝17と称する。この金型溝17は、前述したポケット面5cに形成される溝10、線状凹部12及び線状凸部13の形状に対応している。
なお、パルス幅1ps以上5ps以下の短パルスレーザーレーザーを照射して微細加工を行う際には、バリが生成したり、短パルスレーザーで除去されたものが飛散してパーティクルとしてポケット成形用金型部15の外周面に堆積したりする場合がある。このため、レーザークリーニング等によりポケット成形用金型部15の外周面に発生したバリやパーティクルを除去してもよい。
上記のように、ポケット成形用金型部15の外周面にパルス幅1ps以上5ps以下の短パルスレーザーの照射により微細加工を施すことで、ナノメートルオーダーで高精度に金型溝17を形成することができる。また、短パルスレーザーを照射することで金型溝17の平行に細長く延びている複数の溝の間に設けられた平滑面(ポケット成形用金型部15の外周面)にゆがみが発生しない。
そして、上記のように形成されたポケット成形用金型部15を用いて冠形保持器5を製造する際には、ポケット成形用金型部15及び他の金型を合わせた金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出し、図6(a)に示すように、ポケット成形用金型部15の外周面に微細加工した金型溝17をポケット6のポケット面5cに転写成形することで、製造された冠形保持器5には、図6(b)に示すように、ポケット面5cに、一対の弾性片5b,5bのうち一方の弾性片5bから他方の弾性片5bに向けて細長く延びる溝10と、この溝10に沿って延在し、ゆがみを発生せずに平滑面11が厚さ方向に交互に形成され、平滑面11の表面粗さRaを0.1μm未満とし、各溝10…の内面に、一定幅の微細な線状凹部12及び線状凸部13が交互に繰り返して縞状に形成される。
したがって、本実施形態のポケット成形用金型部15を用いて冠形保持器5を製造することで、ポケット面5cに、複数の溝10…及び平滑面11…を交互に形成し、各溝10…の内面に、一定幅の微細な線状凹部12及び線状凸部13を交互に繰り返して縞状に形成し、平滑面11…の表面粗さRaを0.1μm未満に設定した形状を高精度に形成することができる。
(実施例)
以下に、実施例(実施形態No1〜実施形態No12)及び比較例(比較例No1,比較例No2)を示して本発明をさらに具体的に説明する。実施形態及び比較例は、何れも内径15mm、外径35mm、幅11mmの単列深溝玉軸受である。これら単列深溝玉軸受にモーメント付加をかけて3000rpmで回転させた。潤滑油は、粘度が50〜110cst(センチトークス)が望ましく、100cstのエーテルを基油としてウレア増ちょう剤を添加しなものが使用され、空間容積比を15%として封入され、密封板は装着していない。
実施形態の単列深溝玉軸受で使用されている冠形保持器のポケット面5cには、複数の溝10…及び平滑面11…が交互に形成され、平滑面11…の表面粗さRaが0.1μm未満に設定され、各溝10…の内面に、溝幅L7(図4参照)が700nmの線状凸部13と、線状凹部12とが交互に繰り返して縞状に形成されている。
そして、実施形態No1〜実施形態No12の単列深溝玉軸受で使用している冠形保持器5は、微細加工の線状凹部12及び線状凸部13が形成されている方向と、ポケット面5cの全体面積のうち溝10が形成されている面積の割合を変化させている。
そして、微細加工の線状凹部12及び線状凸部13が形成されている方向は、溝10が延在している方向に対して線状凹部12及び線状凸部13が直交する方向に形成されている場合を「直交」とし、溝10が延在している方向に対して線状凹部12及び線状凸部13が平行に形成されている場合を「平行」とし、溝10が延在している方向に対して線状凹部12及び線状凸部13が斜め45°で交差している場合を「45°」とした。
また、比較例No1の単列深溝玉軸受で使用されている冠形保持器のポケット面は平滑面として形成されている。また、比較例No2の単列深溝玉軸受で使用されている冠形保持器は、シボ加工等のエッチングを施した金型を使用して製造されることにより、ポケット面にディンプル状の微細な凹部が形成されている。
そして、上記の条件で実施形態No1〜実施形態No12、比較例No1,比較例No2の単列深溝玉軸受を回転させながら、騒音計によって騒音レベルを測定した。また、摩擦トルクの測定も行い、比較例No1のトルクを1とした場合の相対値で示した。そして、各実施形態及び各比較例の騒音レベルの騒音レベルと、摩擦トルクを評価した結果を、表1及び図7に示す。
Figure 2008093833
表1、図7から明らかなように、面積率(ポケット面5cの全体面積のうち溝10が形成されている面積の割合)が75%以下である実施形態No2〜4、6〜8、10〜12が摩擦トルク、騒音レベルが低く、特に、面積率が50%の実施形態No3、7、11が摩擦トルク、騒音レベルが大幅に低くなる。また、面積率が100%であっても、溝10が延在している方向に対して線状凹部12及び線状凸部13が平行に形成されている実施形態No5は、摩擦トルク、騒音レベルが低い傾向となる。
本発明に係る冠形保持器が組み込まれている転がり玉軸受を示す縦断面図である。 冠形保持器を示す斜視図である。 冠形保持器のポケット面5cに施されている微細加工を示す図である。 図3の符号Aで示す丸印の部分を拡大した図である。 冠形保持器用金型を示す図である。 冠形保持器用金型を使用した冠形保持器の製造方法を示す図である。 本発明に係る転がり玉軸受と比較例としての転がり玉軸受との摩擦トルク及び騒音レベルの測定結果を示す図である。
符号の説明
1…転がり玉軸受、2…外輪、3…内輪、4…玉、5…冠形保持器、6…密封板、2a…外輪軌道面、3a内輪軌道面、6…ポケット、5a…主部、5b…弾性片、5c…ポケット面、10…溝、11…平滑面、12…線状凹部、13…線状凸部、15…ポケット成形用金型部(金型)、16…保持部、17…金型溝

Claims (5)

  1. 合成樹脂製の転がり玉軸受用の冠形保持器の製造に用いられる金型であって、
    前記冠形保持器の玉に摺接するポケット面を形成する金型面の表面粗さRaを、0.1μm未満として形成するとともに、前記金型面に、パルス幅1ps以上5ps以下の短パルスレーザーの照射により潤滑油を保持可能な微細加工を施すことを特徴とする冠形保持器用金型。
  2. 前記微細加工は、細長く延びた溝を複数平行に形成した加工であることを特徴とする請求項1記載の冠形保持器用金型。
  3. 前記複数の溝の内面に、微細な線状凹部及び線状凸部を交互に繰返して縞状に形成したことを特徴とする請求項2記載の冠形保持器用金型。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の冠形保持器用金型を用いた転がり玉軸受用の冠形保持器を製造する方法であって、
    前記金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、前記金型面を転写して前記冠形保持器の前記ポケット面を形成することを特徴とする冠形保持器の製造方法。
  5. 少なくとも一対の軌道輪と、当該一対の軌道輪間に多数個組み込まれる複数の玉と、周方向に所定の間隔をあけて設けた複数のポケットで前記複数の玉を案内保持する冠形保持器を有してなる転がり玉軸受であって、
    前記冠形保持器の前記複数のポケットの玉が摺接する前記ポケット面が、表面粗さRaを0.1μm未満として形成されているとともに、前記ポケット面に、細長く延びた溝が複数平行に形成され、これら複数の溝の内面に、微細な線状凹部及び線状凸部が交互に繰返されて縞状に形成されていることを特徴とする転がり玉軸受。
JP2006274590A 2006-10-06 2006-10-06 冠形保持器用金型、冠形保持器の製造方法及び転がり玉軸受 Withdrawn JP2008093833A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016102514A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 日本精工株式会社 転がり軸受
JPWO2014010534A1 (ja) * 2012-07-13 2016-06-23 東洋製罐株式会社 内容物に対する滑り性に優れた包装容器

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