JP2005226738A - 転がり軸受用保持器およびそれを備えた転がり軸受並びにその転がり軸受を用いたファンモータ - Google Patents

転がり軸受用保持器およびそれを備えた転がり軸受並びにその転がり軸受を用いたファンモータ Download PDF

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Abstract

【課題】転がり軸受の軸受予圧が低い場合であっても保持器音を低減して製品寿命を向上させることができる手段を提供する。
【解決手段】アキシアル方向の一の側に転動体を挿入する開口部を有して転動体を転動自在に保持する複数のポケットを備えた転がり軸受用保持器において、ポケットのポケット面を、開口部側に設けた一対の第1のポケット面と、第1のポケット面の間に位置する第2のポケット面とにより構成し、第1のポケット面の半径の中心を、第2のポケット面の半径の中心に対して、アキシアル方向に偏在させると共に、ポケットのポケットピッチ円直径を転動体が転動する転動軌道の転動体の軌道ピッチ円直径とは異なる直径に設定する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、家庭用電気製品のモータ等に使用される転がり軸受に用いられる転がり軸受用保持器およびそれを備えた転がり軸受並びにその転がり軸受を用いたファンモータに関する。
転がり軸受はエアコンディショナ、掃除機、洗濯機等の家庭用電気製品に使用されるモータの回転軸を支える軸受として多数使用されている。
近年、上記のような家庭用電気製品の中で特にエアコンディショナのような空調機関連の製品は、ファンの風切り音等の騒音が低減され、ファンモータに使用される軸受の摺動音や転動体と保持器が衝突することによる衝突音(保持器音という。)が相対的に目立つようになり、軸受に起因する騒音の低減が要望されている。
また、軸受の耐久寿命を向上させるためには潤滑剤としてのグリースの動粘度を高めることが有効であるが、比較的動粘度の高い潤滑剤を用いると、転動体とポケットの隙間に動粘度の高い基油が不規則に流入して転動体が潤滑剤を攪拌する際の抵抗に差が生じることによって転動体が保持器と衝突する現象が起こり、これにより生じる保持器音についてもその低減が要望されるようになってきている。
このような要望に対して、従来の転がり軸受は、転動体としての玉を保持する保持器のポケットのポケット面を、開口部側の一対の第1のポケット面とその間に位置する第2のポケット面とにより構成し、第2のポケット面の球状凹面の半径を玉の半径より設定した保持器のアキシアル方向の隙間分大きく設定し、第1のポケット面の球状凹面の半径を第2のポケット面の半径より大きくすると共にその中心を第2のポケット面の半径の中心より開口部の逆側に偏在させ、第2のポケット面の半径の中心と玉の中心と一致させた場合に玉の外表面が爪部の縁部に当接するようにして保持器のアキシアル方向の隙間を通常の玉軸受の保持器のアキシアル方向の隙間より狭くして保持器音の低減を図ると共に半径の異なる2つの球状凹面を交差させて形成した潤滑剤の潤滑剤溜りによりポケットにおける潤滑性の向上を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−337387号公報(第3頁段落0014−第4頁段落0025、第2図)
上述した従来の技術においては、潤滑剤溜りにより潤滑剤の供給を良好なものとし、保持器と転動体とのアキシアル方向の隙間を通常よりは狭くて転動体と保持器とのアキシアル方向の衝突に伴う保持器音の低減に関して良好な効果を得ているが、転動体のラジアル方向の移動量が増加した場合に転動体と保持器とのラジアル方向の衝突に伴う保持器音が発生する可能性がある。
例えば、上記のエアコンディショナのモータに使用されるグリースはリチウム石鹸系やウレア系のグリースでその基油動粘度が100mm/sec以下のものが使用されているが、このようなモータにおいてはそのブラッケットとの共振を避けるために軸受予圧を低く設定する場合があり、予圧荷重の減少により転動体のラジアル方向の移動量が増加してこれに伴う保持器音が発生しやすくなる可能性がある。
このような保持器音が発生すると、モータ用のブラッケットとの共振によりその音響が増幅され、耐久寿命は維持していても製品としての寿命(製品寿命という。)が早期に尽きてしまうことになる。
そこで、本発明は、軸受予圧が低い場合であっても保持器音を低減して製品寿命を向上させることができる手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、アキシアル方向の一の側に転動体を挿入する開口部を有して転動体を転動自在に保持する複数のポケットを備えた転がり軸受用保持器において、前記ポケットのポケット面を、前記開口部側に設けた一対の第1のポケット面と、該第1のポケット面の間に位置する第2のポケット面とにより構成し、前記第1のポケット面の半径の中心を、前記第2のポケット面の半径の中心に対して、アキシアル方向に偏在させると共に、前記ポケットのポケットピッチ円直径を、前記転動体が転動する転動軌道の転動体の軌道ピッチ円直径とは異なる直径に設定したことを特徴とする。
これにより、本発明は、保持器のラジアル方向の隙間を適正なものとすることができ、軸受予圧が低い場合においても保持器のアキシアル方向の隙間の適正化に伴う保持器音の低減に加えて保持器音を更に低減することができ、低騒音で製品寿命を向上させた転がり軸受を得ることができるという効果が得られる。
転がり軸受としての玉軸受は、上記のように潤滑剤や予圧荷重等の使用条件により転動体としての玉と保持器が衝突することによる保持器音が発生し、これによって製品寿命の低下を引き起こす。
また、軸受の耐久寿命の向上のために高い動粘度を有する潤滑剤を用いると、上記したように結果として保持器音が発生し、製品寿命が低下してその効果を相殺してしまうことになる。
従って、軸受の騒音を低減して製品寿命を向上させるためには、保持器音の低減を図ることが重要であり、保持器のポケットに保持された玉のアキシアル方向の隙間を狭くしてアキシアル方向の動き量を少なくし、玉と保持器の衝突時の衝撃力を軽度とすることが有効である。これに加えてラジアル方向においても、同様に保持器のラジアル方向の隙間を狭くしてラジアル方向の動き量を少なくすれば、その効果を更に高めることができる。
このため、潤滑状態を良好に保ちながら保持器のラジアル方向の隙間とアキシアル方向の隙間を共に狭くすることが必要になる。
以下に、図面を参照して本発明による保持器の実施例について説明する。
なお、以下の説明においては、保持器のラジアル方向の隙間およびアキシアル方向の隙間をラジアル方向隙間およびアキシアル方向隙間といい、転がり軸受の外輪および内輪と転動体としての玉とにより形成されるラジアル隙間およびアキシアル隙間と区別する。
図1は実施例の保持器を示す斜視図、図2は実施例のアキシアル方向のポケット形状を示す説明図、図4は実施例のアキシアル方向のポケット形状を示す説明図である。
なお、図1に矢印Aで示す方向をアキシアル方向、矢印Bで示す方向をラジアル方向、図2に矢印Cで示す方向を周方向という。他の図においても同様である。
図1において、1は保持器であり、樹脂材料等によって円環状に成形された冠型の保持器である。
2はポケットであり、保持器1の周方向に所定のピッチで複数設けられており、後述する玉11を転動自在に保持する。
4は開口部であり、ポケット2のアキシアル方向の一の側に設けられたアキシアル方向から見た直径がWの穴であって、直径Wが玉11の直径Daより小さく設定されており、玉11をポケット2に挿入する場合の入口として機能する。
5は保持器柱であり、隣り合うポケット2の間に設けられ、玉11同士が接触しないための隔壁として機能する。
6は爪部であり、開口部4の両側に設けられ、玉11をポケット2へ挿入する際に樹脂材料等の弾性を利用しやすいように略球状凸面として成形され、玉11の挿入後はポケット2からの玉11の脱落を防止するためのストッパとして機能する。
図2はポケット2のピッチ円直径(ポケットPCDという。)に沿った矢印Aで示すアキシアル方向の断面を平面に展開した説明図である。
図2において、11は玉であり、合金鋼等の鋼材で製作された中心をOoとする直径Daの球体である。
12は第1のポケット面であり、ポケット2の開口部4側に形成される一対のポケット面であって、玉11を内包するように半径Raの球状凹面として成形される。
13は第2のポケット面であり、ポケット2の開口部4の逆側に形成される一対の第1のポケット面12の間に配置されたポケット面であって、玉11を内包するように半径Rの球状凹面として成形される。
14は縁部であり、爪部6に形成された開口部4の円筒面と第1のポケット面12との角部である。
15は第1のポケット面12と第2のポケット面13が交差する角である、またこの角15と玉11の中心Ooのアキシアル方向の距離を寸法Eで示す。
図2は、玉11がポケット2に保持され、第1のポケット面12側に自由状態で当接している状態、つまり玉11の外表面が縁部14に当接している状態を示している。
第2のポケット面13を形成する球状凹面の半径Rは、玉11の直径Daの半分、つまり半径に通常の玉軸受の保持器のアキシアル方向隙間より狭いアキシアル方向隙間δを加えた寸法に設定され、その中心Opは、玉11の中心Ooと一致するよう設けられる。
第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raは、第2のポケット面13を形成する球状凹面の半径Rより大きく設定され、図2に示すように、縁部14によって玉11の動きを制限してアキシアル方向隙間δを確保するため、縁部14に接し、かつ角15と玉11の中心Ooのアキシアル方向位置が一致(寸法E=0)するようにその中心O1は玉11の中心Ooから開口部4の逆側にアキシアル方向でH1偏在した位置に設けられる。
これにより玉11が縁部14に当接した場合に、開口部4の逆側に第2のポケット面13と転動面である玉11の外表面との間に適正なアキシアル方向隙間δが形成されると共に、角15の近傍が潤滑剤溜りとして機能する。
図3はポケット2の玉11の中心Ooを通る矢印Bで示すラジアル方向の断面を示した説明図である。
図3において、ポケットPCDは、転動軌道を転動する玉11のピッチ円直径(軌道PCDという。)とは異なる直径に設定されており、玉11の中心Ooと第2のポケット面13の中心Opをラジアル方向にオフセットさせ、このオフセット量εによりラジアル方向隙間を設定することで通常の玉軸受の保持器のラジアル方向隙間より狭いラジアル方向隙間を得ることができる。
すなわち、玉11は図示しない玉軸受の内輪と外輪の間に挟持されるため、同一玉軸受においては軌道PCDは同一であり、保持器1のポケット2のポケットPCDを軌道PCDのラジアル方向の外側または内側にオフセットさせることで、アキシアル方向の玉11の中心Ooと第2のポケット面13の中心Opを一致させたまま、ポケット2のポケット面と玉11の外表面とのラジアル方向の当接する部位が変化し、保持器1のアキシアル方向隙間δを適正に保った状態で保持器1のラジアル方向の移動量、つまりラジアル方向隙間を適正に設定することができる。
従って、通常の玉軸受の保持器はオフセット量ε=0、つまり同一の玉軸受において最大のラジアル方向隙間であるのに対して、ポケットPCDを軌道PCDの外側または内側にオフセットさせることで、通常の玉軸受の保持器のラジアル方向隙間よりラジアル方向隙間を狭くすることが可能となる。
なお、ポケットPCDと軌道PCDのオフセットは、本実施例のようにポケットPCDを軌道PCDより大きくして外側にオフセットさせることが望ましい。これにより同一のラジアル方向隙間を得るときに内側にオフセットさせる場合に較べてオフセット量εを小さくすることができ、保持器1の半径方向の幅を確保して容易に保持器1の強度を維持することが可能になる。
このようにして玉軸受の保持器1のラジアル方向隙間を適正に設定れば、軸受予圧の低減による玉軸受の玉11の移動量が増加したとしても、保持器1と玉11のラジアル方向の移動量を減少させて衝突時の衝撃力を軽度とすることができる。
また、保持器1と玉11とのアキシアル方向隙間δおよびラジアル方向隙間を狭くすることにより保持器音を低減した場合の潤滑剤による潤滑は、半径の異なる第1のポケット面12および第2のポケット面13の2つの球状凹面を交差させて角15の近傍に形成される比較的広い空間が潤滑剤の潤滑剤溜りとして機能し、比較的狭いアキシアル方向隙間δおよびラジアル方向隙間を設定したとしてもポケットにおける潤滑状態を良好に保つことが可能になる。
これにより、保持器1と玉11との各隙間を狭くすることによる損失トルクの増加およびこれに伴う発熱を抑制して保持器1の耐久寿命を向上させることができる。このことは潤滑剤の基油動粘度が高い場合における保持器音の低減にも有効であり、基油動粘度が高い潤滑剤を使用する玉軸受の製品寿命を向上させることができる。
以上説明したように、本発明は、アキシアル方向隙間の適正化に加えてラジアル方向隙間を適正なものとしたことによって、軸受予圧が低い場合においても、アキシアル方向隙間の適正化に伴う保持器音の低減に加えて保持器音を更に低減することができると共に損失トルクの増加を抑制することができ、低騒音で製品寿命を向上させた玉軸受を得ることができる。
また、この玉軸受を空調機関連の製品や冷却用のファン等を駆動するファンモータに用いることによって、長期に渡る静粛性を確保した製品寿命の長いファンモータを得ることができる。
上記は、第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raの中心O1を開口部4の逆側にアキシアル方向でH1偏在した位置に設けて適正なアキシアル方向隙間δを形成する場合を例に説明したが、以下に示す他の態様においても同様にアキシアル方向隙間の適正化による保持器音の低減の効果を得ることができる。
図4は実施例のアキシアル方向のポケット形状の他の態様1を示す説明図である。
なお、図示の状態は、上記図2と同様に玉11が第1のポケット面12側に自由状態で当接した状態を示している。
また、以下の各態様において、図1および図2と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
第2のポケット面13を形成する球状凹面は図2と同様に設けられる。
第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raは、第2のポケット面13を形成する球状凹面の半径Rより小さく設定され、図4に示すように、縁部14によって玉11の動きを制限してアキシアル方向隙間δを確保するため、縁部14に接し、かつ寸法E=0とするようにその中心O2は玉11の中心Ooの周方向の両側にそれぞれH2偏在した位置、つまり等分に偏在した位置に設けられる。
これにより玉11が縁部14に当接した場合に、開口部4の逆側に第2のポケット面13と玉11の外表面との間に適正なアキシアル方向隙間δが形成される。
また、第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raを図2に示す半径Raに比較して小さく設定しているため、角15の近傍に比較的大きな潤滑剤溜りが形成され、ポケット2における潤滑性を向上することができる。
図5は実施例のアキシアル方向のポケット形状の他の態様2を示す説明図である。
なお、図示の状態は、上記図2と同様に玉11が第1のポケット面12側に自由状態で当接した状態を示している。
第2のポケット面13を形成する球状凹面は図2と同様に設けられる。
第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raは、第2のポケット面13を形成する球状凹面の半径Rと同じ半径、つまりRa=Rである。
従って、図5に示すように、玉11が縁部14に接し、縁部14によって玉11の動きを制限してアキシアル方向隙間δを確保した場合に、第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raの中心O3は、玉11の中心Ooから開口部4の逆側にアキシアル方向でH3偏在した位置となり、寸法Eは偏在H3の1/2となる。
これにより玉11が縁部14に当接した場合に、開口部4の逆側に第2のポケット面13と玉11の外表面との間に適正なアキシアル方向隙間δが形成されると共に、角15の近傍が潤滑剤溜りとして機能する。
図6は実施例のアキシアル方向のポケット形状の他の態様3を示す説明図である。
なお、図示の状態は、上記図2と同様に玉11が第1のポケット面12側に自由状態で当接した状態を示している。
第2のポケット面13を形成する球状凹面の半径Rは、玉11の直径Daの半分にアキシアル方向隙間δを加えた長さに設定され、第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raは半径Rと同じ半径、つまりRa=Rである。これらの半径Raの中心O4と半径Rの中心Opは、玉11の中心Ooからアキシアル方向で両側にそれぞれH4偏在した位置に設けられる。このため寸法E=0となる。
これにより玉11が縁部14に当接した場合に、図5に示す他の態様2と同様に適正なアキシアル方向隙間δが形成される。この場合に玉11が図示しない玉軸受の内輪と外輪に挟持されているため、図6において玉11の中心Ooの位置は、図5示す玉11の中心Ooの位置と同一である。つまり保持器1に設けられるポケット2のアキシアル方向の位置が図5の場合と異なる。
上記の各態様においても、上記図3に示したラジアル方向隙間の適正化により、アキシアル方向隙間の適正化に伴う保持器音の低減に加えて保持器音を更に低減することができる。
図7は開口部の直径Wによるアキシアル方向隙間δの変化状態を示す説明図である。
なお、図示の状態は、上記図2と同様であり、実線は図2の状態を示している。
第1のポケット面12を形成する球状凹面の半径Raとその中心O1をそのままにして開口部4の直径Wを図7に破線で示すように直径W1として小さくすると、破線で示した玉11が縁部14aに当接した場合に、開口部4の逆側に形成されるアキシアル方向隙間δはδ1に変化し、アキシアル方向隙間δを狭くすることができる。
このことは、特にアキシアル方向隙間δを変化させて実験的にアキシアル方向隙間δの最適化を図る場合に有効である。この場合は予め保持器1の開口部4の直径Wを小さく成形しておき、切削加工等の加工手段を用いて直径Wを大きくするようにすると、樹脂製の保持器を製作するための金型製作の費用を節約することができる。
なお、アキシアル方向隙間δおよびラジアル方向隙間の測定は以下のようにする。
アキシアル方向隙間δを測定する場合は、保持器1のポケット2に玉11を挿入して組立て、開口部4を下にして保持器1を水平に固定し、保持器1の変形が無視できる程度の弱い力で玉11を押してその時の変化量を工具顕微鏡または偏在測定子で読取る。
ラジアル方向隙間を測定する場合は、保持器1のポケット2に玉11を挿入して組立て、玉11の1つが垂直線上にくるよう保持器1を垂直に固定し、保持器1の変形が無視できる程度の弱い力で当該玉11を押してその時の変化量を工具顕微鏡または偏在測定子で読取る。
上述は、樹脂製の転がり軸受用保持器を用いた玉軸受を例に、保持器音の低減と製品寿命の向上を両立させる転がり軸受用保持器の最適ポケット形状について示したが、本発明を他の転がり軸受用保持器、例えばプレス成形等によって成形した鉄製保持器や、もみ抜き保持器に適用してもその効果を損なうものではない。
また、本実施例では、本発明の転がり軸受用保持器を備えた転がり軸受の用途をファンモータとして説明したが、本発明の転がり軸受の用途は前記に限らず、家庭用電気製品のモータとそのモータが駆動する回転軸や、自動車用のモータと回転軸、産業用機械の回転軸等の回転する軸であればどのようなものにでも適用でき、その大きさも小型に限らず大型のものであっても適用することが可能である。
実施例の保持器を示す斜視図 実施例のアキシアル方向のポケット形状を示す説明図 実施例のラジアル方向のポケット形状を示す説明図 実施例のアキシアル方向のポケット形状の他の態様1を示す説明図 実施例のアキシアル方向のポケット形状の他の態様2を示す説明図 実施例のアキシアル方向のポケット形状の他の態様3を示す説明図 開口部の直径Wによるアキシアル方向隙間δの変化状態を示す説明図
符号の説明
1 保持器
2 ポケット
4 開口部
5 保持器柱
6 爪部
11 玉
12 第1のポケット面
13 第2のポケット面
14 縁部
15 角

Claims (6)

  1. アキシアル方向の一の側に転動体を挿入する開口部を有して転動体を転動自在に保持する複数のポケットを備えた転がり軸受用保持器において、
    前記ポケットのポケット面を、前記開口部側に設けた一対の第1のポケット面と、該第1のポケット面の間に位置する第2のポケット面とにより構成し、前記第1のポケット面の半径の中心を、前記第2のポケット面の半径の中心に対して、アキシアル方向に偏在させると共に、
    前記ポケットのポケットピッチ円直径を、前記転動体が転動する転動軌道の転動体の軌道ピッチ円直径とは異なる直径に設定したことを特徴とする転がり軸受用保持器。
  2. アキシアル方向の一の側に転動体を挿入する開口部を有して転動体を転動自在に保持する複数のポケットを備えた転がり軸受用保持器において、
    前記ポケットのポケット面を、前記開口部側に設けた一対の第1のポケット面と、該第1のポケット面の間に位置する第2のポケット面とにより構成し、前記第1のポケット面の半径の中心を、前記転動体の中心に略一致している前記第2のポケット面の半径の中心に対して、周方向に等分に偏在させると共に、
    前記ポケットのポケットピッチ円直径を、前記転動体が転動する転動軌道の転動体の軌道ピッチ円直径とは異なる直径に設定したことを特徴とする転がり軸受用保持器。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記開口部の直径を変化させて前記第2のポケット面と前記転動体とのアキシアル方向の隙間を変化させたことを特徴とする転がり軸受用保持器。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3において、
    前記ポケットピッチ円直径を、前記軌道ピッチ円直径より大きく設定したことを特徴とする転がり軸受用保持器。
  5. 請求項1から請求項3または請求項4に記載の転がり軸受用保持器を備えたことを特徴とする転がり軸受。
  6. 請求項5に記載の転がり軸受を用いたことを特徴とするファンモータ。
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