JP2000104742A - ボールねじ支持用転がり軸受 - Google Patents
ボールねじ支持用転がり軸受Info
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- bearing
- ball screw
- rolling bearing
- ball
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- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
上 【解決手段】 内輪12、外輪13、及びボール14
は、重量%で、C0.4〜0.8%、SiO0.4〜
0.9%、Mn0.7〜1.3%、Cr0.5%以下、
好ましくはCr0.3%以下と、残部にFe及び不可避
的不純物とを含有する鋼で形成され、これら部品の表面
に、残留オーステナイト量20〜40%、ロックウエル
硬さHRC58以上の浸炭窒化層Sが形成されている
Description
動部等に使用されるボールねじを支持する転がり軸受に
関する。
する機能を有し、各種の往復駆動機構に採用されてい
る。例えば、図3に示すテーブル駆動機構では、ボール
ねじのねじ軸1の両端を固定側サポートユニット2及び
支持側サポートユニット3を介してベース4上に支持す
ると共に、ボールナット5をブラケット6を介してテー
ブル7に連結している。そして、ねじ軸1を図示されて
いないカップリングを介してモータに連結し、ねじ軸1
を回転させることによってボールナット5と伴にテーブ
ル7を軸方向に移動させる。
がり軸受によって回転自在に支持されるが、ねじ軸1に
はラジアル荷重のみならず、テーブル7の軸方向移動に
伴うスラスト荷重が作用するので、固定側サポートユニ
ット2にスラストアンギュラ玉軸受11を使用して、ス
ラスト荷重を支持可能にしている。支持側サポートユニ
ット3には、通常、深溝玉軸受10を使用している。
り駆動部に使用されるボールねじは、近年の送り速度の
高速化により支持用軸受に加わる荷重が大きくなり、ま
た、ボールねじ自体の発熱による熱膨張をより小さくし
て高精度の位置決めを達成するために、ボールねじに付
与する予圧量を大きくする傾向にある。これらの事情に
より、ボールねじの支持用軸受の負荷が増大し、その転
がり疲労寿命が短くなる傾向にある。
プすることによって解決することができ、そのための手
段として、軸受サイズのアップ、軸受内部の仕様変更、
軸受使用個数の増加が考えられる。
構造変更を伴うので経済的でなく、また、補修品との互
換性がなくなるのでメインテナンス作業の煩雑化につな
がる。さらに、一般に転動体径が大きくなるので、軸受
内部発熱や軸受トルクが増大するという問題もある。
構造変更や部品の互換性の問題はないが、一般に転動体
径を大きくすることで負荷容量アップを達成するので、
軸受内部発熱や軸受回転トルクが増大するという問題が
ある。
ペースの増大、それによる機械本体の構造変更、部品点
数の増大になるので経済的でない。
アップ、内部仕様変更、使用個数増加を伴うことなく、
その転がり疲労寿命を高め、近年の高速化、高精度化の
要求への対応を可能にしようとするものである。
め、本発明は、ボールねじのねじ軸をハウジングに対し
て回転自在に支持するボールねじ支持用転がり軸受にお
いて、少なくとも軌道輪の表面に浸炭窒化層を有する構
成を提供する。
理由による。通常の浸炭により得られる浸炭層の残留オ
ーステナイトは、き裂の発生や進展を抑え、また使用中
に加工硬化(強化)するので、これを適度に含むことで
強靭な材質にすることができるが、熱に対しては不安定
である。これに対し、適切な条件での窒素を複合させる
と、窒素の侵入により残留オーステナイトや基地(マト
リックス)のマルテンサイトが熱に対して安定となり、
変化しにくい材質になると共に、適当量の炭化物が析出
し、割れ強度を下げることなく、疲労強度を高めること
ができる。浸炭窒化層は、内輪と外輪の何れか一方に形
成し、あるいは双方に形成し、さらには転動体に形成し
ても良い。
(SUJ1、SUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ
5)で形成しても良いが、重量%で、C0.4〜0.8
%、SiO0.4〜0.9%、Mn0.7〜1.3%、
Cr0.5%以下と、残部にFe及び不可避的不純物と
を含有する鋼で形成し、かつ、浸炭窒化層の残留オース
テナイト量を20〜40%とするのが好ましい。
間加工(冷間鍛造や冷間ローリング等)により所定形状
に成形し、次いで、浸炭窒化処理による浸炭窒化層を形
成しながら、その最後に焼入れして浸炭窒化層を、基地
がマルテンサイト組織でかつ適度の残留オーステナイト
を含む表面硬化層とし、その後低温で焼戻しをして、浸
炭窒化層の残留オーステナイト量を20〜40%の範囲
に調整する。
理由による。すなわち、C含有量が0.8%Cを超える
と、焼きならし材が硬くて、軌道輪成形時の冷間加工性
を阻害し、冷間鍛造等の場合は充分な加工量が得られな
い。特に、C含有量を0.6%C以下とするのが冷間加
工性の点から好ましい。一方、C含有量が0.4%C未
満であると、所要の表面硬さと残留オーステナイト量を
確保するのに長時間の浸炭処理を要する。
決まる程度の不純物として含まれるが、添加する場合で
も0.5%Cr以下の含有量とする。Cr含有量を0.
5%Cr以下とするのは、Cr炭窒化物の生成に消費さ
れるN含有量を低減し、表面硬化層の残留オーステナイ
トの生成に要する浸炭窒化温度での基地中の固溶N量
を、短時間の浸炭窒化処理で高めるためであり、さら
に、Cr添加量の低減による材料コスト低減を図るため
である。Cr含有量は好ましくは0.3%Cr以下が良
く、特に製鋼原料から混入するCr量を考慮し、0.0
2〜0.3%Crの含有量とするのが良い。
Mnの範囲とする。Mnの添加により浸炭窒化層と芯部
の焼入れ硬化能を確保するためで、0.7%Mn未満で
は、Cr含有量を低減したことによる焼入れ性向上効果
が減少し、1.3%Mnを超えると、冷間加工性を阻害
し、Mnがオーステナイトを安定化させて芯部の残留オ
ーステナイト量が増加するので、寸法安定性に好ましく
ない影響を与える。
iの範囲とするのは、Siが耐焼戻し軟化抵抗性を上げ
て耐熱性を確保し、転がり疲労寿命を改善するからであ
る。0.4%Si未満では、寿命改善の効果が期待でき
ず、0.9%Siを超えると、焼ならし材を硬くして冷
間加工性を阻害する。
量は極力低くするが、特に酸化物系介在物を低減して、
浸炭窒化層の介在物回りの応力集中に伴う寿命への影響
をなくすために、O含有量は15ppm以下に低減する
必要がある。
すると、表面にCおよびNの含有量の高い浸炭窒化層が
形成される。Cr含有量が低減されているので、浸炭窒
化過程で、Cと特にNの表面への拡散濃縮は速やかに進
行し、浸炭窒化処理時間の短縮に有効である。この濃化
したNは、焼入れ過程のMs点を低下させて、オーステ
ナイトを安定させるので、焼入れ後には浸炭窒化層の焼
入れ組織中に多量のオーステナイトが残留する。これを
200°C以下の低温で焼戻して、表面硬さHRC58
以上、好ましくはHRC60以上の表面硬化層とし、最
終的にその残留オーステナイト量を20〜40%にす
る。ここで、「HRC」はロックウェル硬さのCスケー
ルを表している。
トのオーステナイト粒が、圧痕形成等の応力に対して容
易に塑性変形して表面硬化層での応力集中を緩和し、き
裂伝播を遅延させ、転がり疲労寿命を改善する。残留オ
ーステナイト量が20%未満では、転がり疲労寿命の改
善が充分になされず、40%を超えると、浸炭窒化層の
硬さが低下して耐摩耗性が低下するので適当でない。
保すると共に、表面層に圧縮応力を形成するために、H
RC58未満、好ましくはHRC40〜58未満とす
る。
説明する。
定側サポートユニット2の周辺部を示している。このサ
ポートユニット2は、正面組み合わせで配置された一対
のスラストアンギュラ玉軸受11を備えている。各玉軸
受11の内輪12はねじ軸1に嵌合され、スリーブ21
を介してロックナット22で軸方向に締付けて固定され
る。外輪13はハウジング23に嵌合され、側蓋24に
より固定される。尚、符号25はシールを示している。
込まれるスラストアンギュラ玉軸受11を例示してい
る。この玉軸受11は、ねじ軸1に固定される内輪12
と、ハウジング23に固定される外輪13と、内輪12
の軌道面と外輪13の軌道面との間に転動自在に配さ
れ、両軌道面とそれぞれアンギュラコンタクトする複数
のボール14と、ボール14を円周所定間隔に保持する
保持器15とを備えている。内輪12の一端側および外
輪13の他端側には、それぞれカウンタボアが設けられ
ている。
重量%で、C0.4〜0.8%、好ましくはC0.4〜
0.6%、SiO0.4〜0.9%、Mn0.7〜1.
3%、Cr0.5%以下、好ましくはCr0.3%以下
と、残部にFe及び不可避的不純物とを含有する鋼で形
成され、これら部品の表面に、残留オーステナイト量2
0〜40%、ロックウエル硬さHRC58以上、好まし
くはHRC60以上の浸炭窒化層Sが形成されている
(図2鎖線円内)。
に対して0.02以上とし、また、芯部Tの硬さは、材
料の適度な靭性を確保すると共に、表面層Sに圧縮応力
を形成するために、ロックウェル硬さHRC58未満、
好ましくはHRC40〜58未満としている。尚、浸炭
窒化層Sは、少なくとも内輪12又は外輪13の軌道面
に形成すれば良い。また、支持側サポートユニット3の
深溝玉軸受10について、上述した構成を適用しても良
い。
輪、外輪、ボールを冷間加工により成形し、下記の熱処
理を行って、図1に示す形態の実施例軸受を製作した。
浸炭窒化の後、100°C油中焼入れ。
h焼戻し。
し、ラジアル荷重を負荷し、VG56タービン油(清浄
油)の循環給油の下で回転させて10%寿命を求めた。
また、SUSJ2鋼の焼入れ・焼戻し処理をした従来軸
受についても同様の条件で10%寿命を求めた。表1に
は、上記従来軸受の10%寿命を1として、各実施例軸
受の10%寿命を比率で示してある。
に比べて1.5倍以上の長寿命を示し、特に鋼種A、
B、Cを用いた場合では2倍以上の長寿命を示した。
のサイズアップ、内部仕様変更、使用個数増加を伴うこ
となく、その転がり疲労寿命を高め、近年の高速化、高
精度化の要求への対応を可能にすることができる。
トユニットの周辺部を示す断面図である。
面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ボールねじのねじ軸をハウジングに対し
て回転自在に支持するボールねじ支持用転がり軸受にお
いて、 少なくとも軌道輪の表面に浸炭窒化層を有するボールね
じ支持用転がり軸受。 - 【請求項2】 少なくとも上記軌道輪が、重量%で、C
0.4〜0.8%、SiO0.4〜0.9%、Mn0.
7〜1.3%、Cr0.5%以下と、残部にFe及び不
可避的不純物とを含有する鋼で形成され、かつ、上記浸
炭窒化層の残留オーステナイト量が20〜40%である
請求項1記載のボールねじ支持用転がり軸受。 - 【請求項3】 上記浸炭窒化層の硬さがHRC58以上
で、芯部の硬さがHRC58未満である請求項2記載の
ボールねじ支持用転がり軸受。
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---|---|---|---|
JP10275769A JP2000104742A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | ボールねじ支持用転がり軸受 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10275769A JP2000104742A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | ボールねじ支持用転がり軸受 |
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---|---|---|---|
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---|---|
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JP10275769A Pending JP2000104742A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | ボールねじ支持用転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (7)
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---|---|---|---|---|
JP2005113257A (ja) * | 2003-10-10 | 2005-04-28 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
EP2187074A1 (en) * | 2001-09-03 | 2010-05-19 | Ntn Corporation | Roller bearing |
JP5073488B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2012-11-14 | Thk株式会社 | オーステナイト系金属を用いた運動案内装置及びその製造方法 |
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-
1998
- 1998-09-29 JP JP10275769A patent/JP2000104742A/ja active Pending
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