JP2002143608A - カチオン性高分子凝集剤及びそれを用いる汚泥の脱水方法 - Google Patents

カチオン性高分子凝集剤及びそれを用いる汚泥の脱水方法

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JP2002143608A
JP2002143608A JP2000352534A JP2000352534A JP2002143608A JP 2002143608 A JP2002143608 A JP 2002143608A JP 2000352534 A JP2000352534 A JP 2000352534A JP 2000352534 A JP2000352534 A JP 2000352534A JP 2002143608 A JP2002143608 A JP 2002143608A
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methyl
sludge
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Toshiya Tono
利也 東埜
Shinji Shimozato
伸治 下里
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水処理特に下水処理に用いた場合、粗大な
凝集フロックを形成させ、かつ脱水ケーキ含水率を低減
させるカチオン性高分子凝集剤及びそれを用いる汚泥の
脱水方法を提供する。 【解決手段】 特定のポリビニルイミダゾリン酸塩であ
って、その0.3重量%水溶液の20℃におけるpHが
4.5〜7.0であることを特徴とするポリビニルイミ
ダゾリン酸塩を用いてなるカチオン性高分子凝集剤を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン性高分子
凝集剤及びそれを用いる汚泥の脱水方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カチオン性高分子凝集剤は、下水処理、
屎尿処理、食品、紙・パルプ、その他各種産業の排水処
理における汚泥の脱水を目的として用いられている。す
なわち、排水の生物的処理後に発生する汚泥にカチオン
性高分子凝集剤を添加、混合することにより凝集フロッ
クを形成させ、固液分離後ケーキを脱水し、得られた脱
水ケーキは焼却や埋め立て等により処理される。近年、
特に有機物含有量が高い下水処理に於いては生活水準の
向上及び処理場の集約化に伴う送泥管の延長などのた
め、汚泥が難凝集化、難脱水化の傾向にある。汚泥が難
凝集化の場合、単位時間に処理可能な汚泥量が減少する
ための処理コストの問題があり、一方、汚泥が難脱水化
の場合、脱水ケーキ含水率が増加し、脱水ケーキの容積
増加及び焼却コスト上昇等の処理コストの問題、また焼
却に必要な重油量の増加に伴う炭酸ガスの発生量の増加
などの環境上の問題がある。これら問題を解決するた
め、粗大な凝集フロックを形成させ、脱水ケ−キ含水率
を低減させるカチオン性高分子凝集剤及びそれを用いる
汚泥の脱水方法への要求が益々高まりつつある。
【0003】これまで、有機性汚泥に対しては高カチオ
ン性の高分子凝集剤が有効であることが知られており
(工業材料第45巻No.7、43項(1997
年))、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライドの単独重合体やビニル
アミン単位を有するポリビニルアミジン等が提案され、
有機性汚泥用のカチオン性高分子凝集剤として実用化さ
れている。しかし、これらのカチオン性の高分子凝集剤
の性能は十分であるといえず、特に処理対象である汚泥
のpHが7.0を超える場合、十分な凝集性能及び脱水
性能を示さなくなることが知られている。
【0004】従来、ポリビニルイミダゾリン酸塩は、凝
集剤の用途に用いられている(特公昭42−9653
号)が、下水処理の汚泥を脱水する目的で用いた場合、
凝集性能及び脱水性能が共に十分であると言えなかっ
た。また、特定の有機性汚泥にポリビニルイミダゾリン
塩酸塩とアニオン性高分子凝集剤とを添加する汚泥脱水
法が提案されているが(特開昭57−135099)、
凝集性能は改良されるものの脱水性能の改良が十分であ
ると言えなかった。さらに、新規な共重合体よりなる高
分子凝集剤が提案されている(特開2000−1917
33号)が、凝集性能は改良されるものの脱水性能の改
良が不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、ポリビニルイミ
ダゾリン酸塩は排水処理、特に下水処理の汚泥を脱水す
る目的で用いた場合、凝集性能及び脱水性能が共に十分
であると言えなかった。
【0006】排水処理、特に有機物含有量が高い下水処
理に於いては、生物的処理により発生する汚泥が難凝集
化、難脱水化の傾向にあり、汚泥が難凝集化の場合、単
位時間に処理可能な汚泥量が減少するための処理コスト
の問題があり、一方、汚泥が難脱水化の場合、脱水ケー
キ含水率が増加し、脱水ケーキの容積増加及び焼却コス
ト上昇等の処理コストの問題、また焼却に必要な重油量
の増加に伴う炭酸ガスの発生量の増加などの環境上の問
題があり、難凝集化、難脱水化の傾向にある汚泥の処理
に於いて粗大な凝集フロックを形成させ、脱水ケ−キ含
水率を低減させるカチオン性高分子凝集剤及びそれを用
いる汚泥の脱水方法が強く望まれていた。
【0007】従って、本発明の目的は、排水処理特に下
水処理に用いた場合、粗大な凝集フロックを形成させ、
かつ脱水ケーキ含水率を低減させるカチオン性高分子凝
集剤及びそれを用いる汚泥の脱水方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、特定のポリビ
ニルイミダゾリン酸塩よりなるカチオン性高分子凝集剤
及びそれを用いる汚泥の脱水方法を見いだすことによ
り、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、下記化学式(1)及
び下記化学式(2)よりなるポリビニルイミダゾリン酸
塩であって、その0.3重量%水溶液の20℃における
pHが4.5〜7.0であることを特徴とするポリビニ
ルイミダゾリン酸塩を用いてなるカチオン性高分子凝集
剤及びそれを用いる汚泥の脱水方法である。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、X-は、塩素陰イオン、硫酸陰イ
オン、パラトルエンスルホン酸の陰イオン、ギ酸の陰イ
オン、酢酸の陰イオン、プロピオン酸よりなる群より選
ばれた少なくとも1種の陰イオンを表す。)
【0012】
【化4】
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明のカチオン性高分子凝集剤は、上記
化学式(1)及び上記化学式(2)よりなるポリビニル
イミダゾリン酸塩であって、その0.3重量%水溶液の
20℃におけるpHが4.5〜7.0であることを特徴
とするポリビニルイミダゾリン酸塩を用いてなるカチオ
ン性高分子凝集剤である。
【0015】本発明のカチオン性高分子凝集剤は、その
0.3重量%水溶液の20℃におけるpHが4.5〜
7.0の範囲であり、好ましくはpHが5.0〜7.0
の範囲であり、特に好ましくはpHが5.0〜6.5の
範囲である。0.3重量%水溶液の20℃におけるpH
が4.5未満の場合、汚泥に添加混合して形成される凝
集フロックの大きさが十分でなく、一方pHが7.0を
超える場合、得られる脱水ケ−キの含水率が十分でない
ため好ましくない。
【0016】本発明のカチオン性高分子凝集剤は、その
前述の化学式(1)におけるX-が、塩素陰イオン、硫
酸陰イオン、パラトルエンスルホン酸の陰イオン、ギ酸
の陰イオン、酢酸の陰イオン、プロピオン酸よりなる群
より選ばれた少なくとも1種の陰イオンであり、性能の
点で好ましくは塩素陰イオン、硫酸陰イオン、酢酸の陰
イオンであり、特に好ましくは塩素陰イオンである。
【0017】本発明のカチオン性高分子凝集剤における
前述の化学式(1)と化学式(2)で表される単位の含
有量は、前述の化学式(1)の式中のX-の種類により
異なるが、一般に前述の化学式(1)で表される単位を
50〜100モル%含有し、前述の化学式(2)で表さ
れる単位を0〜50モル%含有する。
【0018】本発明のカチオン性高分子凝集剤は、その
0.3重量%水溶液の20℃におけるブルックフィ−ル
ド粘度が40〜1000ミリパスカル秒であることが好
ましい。凝集剤としての性能及び取り扱いの点から好ま
しくは40〜500ミリパスカル秒の範囲であり、特に
好ましくは40〜400ミリパスカル秒の範囲である。
40ミリパスカル秒未満では凝集性能が不十分で、粗大
な凝集フロックを形成せず、一方1000ミリパスカル
秒を超える場合、脱水ケ−キの含水率が高くなる、或い
は凝集剤を添加した汚泥の粘性が高くなる等、性能及び
取り扱いの点で好ましくない。
【0019】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩は、触媒の存在下で、ポリア
クリロニトリルとエチレンジアミンとを反応させ、必要
に応じ得られた重合体と酸とを接触させることにより得
ることができる。
【0020】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造に用いられる触媒は、
塩化アンモニウム及び/又はアミンの塩酸塩である。ア
ミンは特に制限されることはないが、例えば、メチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミ
ン類、ピペリジン、ピロリジン、シクロヘキシルアミン
等の脂環式アミン類、ピリジン、アニリン、ジメチルア
ニリン、ジエチルアニリン等の芳香族アミン類、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、等のポリアミン類
等が挙げられるが、反応原料としてエチレンジアミンを
使用するので、反応系中に塩化水素を添加することによ
りエチレンジアミンの塩酸塩としても良い。
【0021】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造に用いられる原料であ
るポリアクリロニトリルは特に限定されないが、得られ
るポリビニルイミダゾリン酸塩の凝集剤としての性能、
凝集剤の水への溶解性及びエチレンジアミンとの反応性
等を考慮すると、N,N−ジメチルホルムアミド中、3
0℃で測定した極限粘度数[η]が2〜15であるポリ
アクリロニトリルが好ましい。さらに好ましくは極限粘
度数[η]が5〜15であり、特に好ましくは極限粘度
数[η]が8〜15である。
【0022】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造に用いられる原料であ
るポリアクリロニトリルは、アクリロニトリル単量体を
用いた公知の方法により得ることができる。すなわち、
具体的な重合方法としては、通常のラジカル重合法が用
いられ、例えば水性媒体中で水溶性レドックス重合開始
剤を用いたスラリー重合法、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等の溶媒を用いた溶液重合法、懸濁重合法、或
いは乳化重合法等が挙げられる。
【0023】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造において、ポリアクリ
ロニトリルとエチレンジアミンとの反応温度は、通常6
0〜200℃の範囲で行われるが、70〜180℃の範
囲で行うことが更に好ましい。200℃より高温におい
ても反応させることはできるが、原料のポリアクリロニ
トリルの熱分解等が生じる場合がある。一方60℃未満
の反応では、反応速度が極めて遅くなるため触媒量を増
加する必要が生じあまり経済的ではない。
【0024】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造ににおいて、ポリアク
リロニトリルとエチレンジアミンとの反応は通常液相で
行われ、原料を液体状、溶液状、懸濁状に保つことがで
きればよく、常圧又は加圧下で行うことができる。この
反応では、反応中にアンモニアが発生するため、加圧下
の場合は圧力が上昇するが、この生成するアンモニアは
反応途中で除去することもできるし、反応の終了後に除
去することもできる。反応温度が原料の沸点を超えてい
る場合は、加圧下で反応を実施する、凝縮器を設ける、
又は原料を少量ずつ供給する等の方法を採ることができ
る。
【0025】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造において、ポリアクリ
ロニトリルとエチレンジアミンとの反応は溶媒を使用し
てもしなくても良い。溶媒としては、反応条件に不活性
なものであれば特に制限することなく使用することがで
きる。
【0026】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩は、必要に応じポリアクリロ
ニトリルとエチレンジアミンとの反応により得られた重
合体と酸とを接触させることにより得ることができる。
酸としては、塩化水素、硫酸、パラトルエンスルホン
酸、ギ酸、酢酸及びプロピオン酸よりなる群より選ばれ
た少なくとも1種の酸が挙げられる。これらの酸とポリ
アクリロニトリルとエチレンジアミンとの反応により得
られた重合体とを接触させる方法は、特に限定するもの
ではないが、ポリアクリロニトリルとエチレンジアミン
との反応終了時に反応系にこれらの酸を加え接触させる
方法、ポリアクリロニトリルとエチレンジアミンとの反
応により得られた重合体を固体状又は溶媒に溶解した溶
液状とし、酸と接触させる方法、或いはポリアクリロニ
トリルとエチレンジアミンとの反応により得られた重合
体の脱塩処理を行い、脱塩処理した重合体と酸とを接触
させる方法などが挙げられる。
【0027】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造において、特に前述の
化学式(1)におけるX-が塩素陰イオン単独の場合、
ポリアクリロニトリルとエチレンジアミンとを反応させ
て得られた重合体と必要量の塩化水素とを接触させても
よいが、ポリアクリロニトリルとエチレンジアミンとの
反応において使用する塩化アンモニウム及び/又はアミ
ンの塩酸塩の量を、増減することにより、さらに塩化水
素と接触させなくても製造することができる。
【0028】本発明のカチオン性高分子凝集剤であるポ
リビニルイミダゾリン酸塩の製造は、連続反応で実施し
てもよく、回分反応、半回分反応で実施しても良い。ま
た、固定床でも懸濁床でも反応できる。
【0029】本発明の汚泥の脱水方法は、本発明のポリ
ビニルイミダゾリン酸塩を汚泥に添加混合し、脱水する
汚泥の脱水方法である。
【0030】本発明の汚泥の脱水方法においては、前述
のポリビニルイミダゾリン酸塩と他のカチオン性高分子
凝集剤とを併用することができる。この併用できる他の
カチオン性高分子としては、ポリアクリルアミドのマン
ニッヒ変性物、ポリアクリルアミドのホフマン分解物、
ポリアミドアミン、ポリエチレンイミン、ポリジアリル
ジアルキルアンモニウム塩、キトサン及びその塩、下記
化学式(3)で表される単位を含有する重合体、
【0031】
【化5】
【0032】(式中、R1は水素又はメチル基を表し、
2,R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜4のア
ルキル基を表し、R4は水素、炭素数1〜4のアルキル
基又はベンジル基を表し、Aは−O−又は−NH−を表
し、Bは炭素数1〜4のアルキレン基を表し、Y-は塩
素陰イオン、臭素陰イオン、ヨウ素陰イオン、硫酸陰イ
オン又はCH3SO4 -を表す。) 又は下記化学式(4)で表されるビニルアミン単位を有
する重合体などがあり、
【0033】
【化6】
【0034】(式中、Z-は、塩素陰イオン、臭素陰イ
オン、ヨウ素陰イオン、硫酸陰イオン、炭酸陰イオン、
パラトルエンスルホン酸の陰イオン、ギ酸の陰イオン又
は酢酸の陰イオンを表す。) それぞれ1種又は2種以上を組み合わせて使用すること
ができ、本発明のカチオン性高分子凝集剤との併用時の
性能の点で好ましくは、キトサン及びその塩、上記化学
式(3)で表される単位を含有する重合体、上記化学式
(4)で表されるビニルアミン単位を有する重合体の群
より選ばれる少なくとも1種のカチオン性高分子凝集剤
であり、さらに好ましくは上記化学式(3)で表される
単位を含有する重合体又は上記化学式(4)で表される
ビニルアミン単位を有する重合体である。
【0035】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(3)で表される単位を含有する重
合体は、その式中のR1が水素又はメチル基であり、
2、R3はそれぞれ独立して、水素又はメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、R4は水
素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基
又はベンジル基である。R2、R3、R4が炭素数5以上
のアルキル基の場合、上記化学式(3)で表される重合
体の水への溶解性が低下する、或いは本発明の凝集剤の
成分として用いた場合の凝集性能が低下するため好まし
くなく、凝集性能の点で好ましくはR2、R3、R4がメ
チル基である。また、式中のAは−O−又は−NH−で
あり、Bはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基であり、この
内プロピレン基、ブチレン基は線状、分岐のいずれであ
ってもよい。Bが炭素数5以上のアルキレン基の場合、
上記化学式(3)で表される重合体の水への溶解性が低
下する、或いは本発明の凝集剤の成分として用いた場合
の凝集性能が低下するため好ましくなく、凝集性能の点
で好ましくはエチレン基である。
【0036】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(3)で表される単位を含有する重
合体は、その前述の化学式(3)中のY-が塩素陰イオ
ン、臭素陰イオン、ヨウ素陰イオン、硫酸陰イオン又は
CH3SO4 -等の陰イオンである。凝集性能の点で特に
好ましくは塩素陰イオンである。
【0037】本発明の汚泥脱水剤と併用できる上記化学
式(3)で表される単位を含有する重合体は、前述の化
学式(3)で表される単位に対応するカチオン性基を含
有する単量体の群より選ばれた少なくとも1種より得ら
れる重合体及び/又は該単量体と共重合可能な他の単量
体の群より選ばれた少なくとも1種以上の単量体との共
重合体である。
【0038】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(3)で表される単位を含有する重
合体において、上記化学式(3)で表される単位に対応
するカチオン性基を含有する単量体としては、例えば、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)トリメチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)トリメチルアンモニウムブロマイド、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)トリメチルアンモニウムアイオダイド、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)トリメチルアンモニウムメチルサルフェ
イト、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、
プロピル又はブチル)ジエチルメチルアンモニウムクロ
ライド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジエチルメチルアンモニウム
ブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エ
チル、プロピル又はブチル)ジエチルメチルアンモニウ
ムアイオダイド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチ
ル、エチル、プロピル又はブチル)ジエチルメチルアン
モニウムメチルサルフェイト、(メタ)アクリロイルオ
キシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−n−
プロピルメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アク
リロイルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)ジ−n−プロピルメチルアンモニウムブロマイド、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)ジ−n−プロピルメチルアンモニウムア
イオダイド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エ
チル、プロピル又はブチル)ジ−n−プロピルメチルア
ンモニウムメチルサルフェイト、(メタ)アクリロイル
オキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジイソ
プロピルメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アク
リロイルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)ジイソプロピルメチルアンモニウムブロマイド、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)ジイソプロピルメチルアンモニウムアイ
オダイド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジイソプロピルメチルアンモ
ニウムメチルサルフェイト、(メタ)アクリロイルオキ
シ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−n−ブ
チルメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロ
イルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ
−n−ブチルメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)
アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブ
チル)ジ−n−ブチルメチルアンモニウムアイオダイ
ド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プ
ロピル又はブチル)ジ−n−ブチルメチルアンモニウム
メチルサルフェイト、(メタ)アクリロイルオキシ(メ
チル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−sec−ブチ
ルメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイ
ルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−
sec−ブチルメチルアンモニウムブロマイド、(メ
タ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピル又
はブチル)ジ−sec−ブチルメチルアンモニウムアイ
オダイド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジ−sec−ブチルメチルア
ンモニウムメチルサルフェイト、(メタ)アクリロイル
オキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロ
イルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ
エチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アク
リロイルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)ジ−n−プロピルベンジルアンモニウムクロライ
ド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プ
ロピル又はブチル)ジイソプロピルベンジルアンモニウ
ムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、
エチル、プロピル又はブチル)ジ−n−ブチルベンジル
アンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ
(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−sec−
ブチルベンジルアンモニウムクロライド、等の(メタ)
アクリロイルオキシアルキル第4級アンモニウム塩、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)ジメチルアミン、(メタ)アクリロイル
オキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジエチ
ルアミン、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジ−n−プロピルアミン、
(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)ジイソプロピルアミン、(メタ)アクリ
ロイルオキシ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)
ジ−n−ブチルアミン、(メタ)アクリロイルオキシ
(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−sec−
ブチルアミン等の塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩或いは
硫酸塩である(メタ)アクリロイルオキシアルキル3級
アミンの酸塩、(メタ)アクリロイルオキシ(メチル、
エチル、プロピル又はブチル)アミンの塩酸塩、臭素酸
塩、ヨウ素酸塩或いは硫酸塩である(メタ)アクリロイ
ルオキシアルキル1級アミンの酸塩、(メタ)アクリロ
イルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ト
リメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイ
ルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)トリ
メチルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイル
アミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)トリメ
チルアンモニウムアイオダイド、(メタ)アクリロイル
アミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)トリメ
チルアンモニウムメチルサルフェイト、(メタ)アクリ
ロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)
ジエチルメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アク
リロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)ジエチルメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)
アクリロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブ
チル)ジエチルメチルアンモニウムアイオダイド、(メ
タ)アクリロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又
はブチル)ジエチルメチルアンモニウムメチルサルフェ
イト、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチル、
プロピル又はブチル)ジ−n−プロピルメチルアンモニ
ウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノ(メチ
ル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−n−プロピルメ
チルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルア
ミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−n−
プロピルメチルアンモニウムアイオダイド、(メタ)ア
クリロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)ジ−n−プロピルメチルアンモニウムメチルサルフ
ェイト、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジイソプロピルメチルアンモ
ニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノ(メチ
ル、エチル、プロピル又はブチル)ジイソプロピルメチ
ルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルアミ
ノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジイソプロ
ピルメチルアンモニウムアイオダイド、(メタ)アクリ
ロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)
ジイソプロピルメチルアンモニウムメチルサルフェイ
ト、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチル、プ
ロピル又はブチル)ジ−n−ブチルメチルアンモニウム
クロライド、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エ
チル、プロピル又はブチル)ジ−n−ブチルメチルアン
モニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルアミノ(メ
チル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−n−ブチルメ
チルアンモニウムアイオダイド、(メタ)アクリロイル
アミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−n
−ブチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト、(メ
タ)アクリロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又
はブチル)ジ−sec−ブチルメチルアンモニウムクロ
ライド、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジ−sec−ブチルメチルア
ンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルアミノ
(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−sec−
ブチルメチルアンモニウムアイオダイド、(メタ)アク
リロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)ジ−sec−ブチルメチルアンモニウムメチルサル
フェイト、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、
エチル、プロピル又はブチル)ジエチルベンジルアンモ
ニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノ(メチ
ル、エチル、プロピル又はブチル)ジ−n−プロピルベ
ンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイル
アミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジイソ
プロピルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)ア
クリロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)ジ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)ジ−sec−ブチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、等の(メタ)アクリロイルアミノアルキ
ル第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノ
(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジメチルアミ
ン、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチル、プ
ロピル又はブチル)ジエチルアミン、(メタ)アクリロ
イルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジ
−n−プロピルアミン、(メタ)アクリロイルアミノ
(メチル、エチル、プロピル又はブチル)ジイソプロピ
ルアミン、(メタ)アクリロイルアミノ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)ジ−n−ブチルアミン、(メ
タ)アクリロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又
はブチル)ジ−sec−ブチルアミン等の塩酸塩、臭素
酸塩、ヨウ素酸塩或いは硫酸塩である(メタ)アクリロ
イルアミノアルキル3級アミンの酸塩、(メタ)アクリ
ロイルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)
アミンの塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩或いは硫酸塩で
ある(メタ)アクリロイルアミノアルキル1級アミンの
酸塩等が挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。
【0039】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(3)で表される単位を含有する重
合体において、性能の点で好ましくは(メタ)アクリロ
イルオキシアルキル第4級アンモニウム塩の単位を含む
重合体であり、特に好ましくは、(メタ)アクリロイル
オキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの単独
重合体、あるいは(メタ)アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの
共重合体である。
【0040】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(3)で表される単位を含有する重
合体において、上記化学式(3)で表される単位の含有
量は、処理対象である汚泥の性状により選択されるが、
通常の下水処理汚泥に対しては10〜100モル%、性
能の点で好ましくは40〜100モル%、特に好ましく
は60〜100モル%である。
【0041】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(3)で表される単位を含有する重
合体は、1モル/lの塩化ナトリウム水溶液中、30℃
で測定した極限粘度数[η]が、通常2以上であり、性
能の点から好ましくは4以上である。
【0042】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(3)で表される単位を含有する重
合体は、対応する単量体を用いた公知の方法により得る
ことができる。すなわち、具体的な方法としては、通常
のラジカル重合法が用いられ、例えば水性媒体中で過硫
酸塩等の重合開始剤や酸化剤と還元剤を組み合わせたレ
ドックス開始剤を用いた水溶液重合法、有機溶剤と水の
媒体中でアゾ系開始剤、有機過酸化物等の油溶性開始剤
や上記レドックス開始剤を用いた懸濁重合法、乳化重合
法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0043】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(4)で表されるビニルアミン単位
を含有する重合体は、その前述の化学式(4)中のZ-
が塩素陰イオン、臭素陰イオン、ヨウ素陰イオン、硫酸
陰イオン、炭酸陰イオン、パラトルエンスルホン酸の陰
イオン、ギ酸の陰イオン又は酢酸の陰イオンであり、凝
集性能の点で特に好ましくは塩素陰イオンである。
【0044】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(4)で表されるビニルアミン単位
を含有する重合体は、特定の単量体を用いた重合体の高
分子反応により得ることができる。具体的な例として
は、アクリルアミドの単独重合体或いはアクリルアミド
と共重合可能な単量体との共重合体をホフマン分解する
方法、及びN−ビニルホルムアミド或いはN−ビニルア
セトアミドの単独重合体或いはこれらのそれぞれの単量
体と共重合可能な単量体との共重合体を酸性又は塩基性
条件下で加水分解する方法等により得ることができる。
これらの該共重合可能な単量体としては、(メタ)アク
リロニトリル、メタクリルアミド、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、N−ビニル
ピロリドン等が挙げられ、これら単量体の群より選ばれ
る少なくとも1種を用いることができる。
【0045】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(4)で表されるビニルアミン単位
を含有する重合体において、性能の点で好ましくはN−
ビニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミドの単独
重合体の加水分解、或いはN−ビニルホルムアミドとア
クリロニトリルとの共重合体の加水分解により得られる
上記化学式(4)で表されるビニルアミン塩酸塩単位を
含有する重合体である。
【0046】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(4)で表されるビニルアミン単位
を含有する重合体において、上記化学式(4)で表され
る単位の含有量は処理対象である汚泥の性状により選択
されるが、通常の下水処理汚泥に対しては10〜100
モル%、性能の点で好ましくは20〜80モル%であ
る。
【0047】本発明のポリビニルイミダゾリン酸塩と併
用できる上記化学式(4)で表されるビニルアミン単位
を含有する重合体は、1モル/lの塩化ナトリウム水溶
液中、30℃で測定した極限粘度数[η]が、通常2以
上であり、性能の点から好ましくは3以上である。
【0048】本発明のカチオン性高分子凝集剤である前
述のポリビニルイミダゾリン酸塩と併用できるカチオン
性高分子との使用比率は特に制限されないが、好ましく
は両者の重量比が90:10〜10:90、さらに好ま
しくは80:20〜20:80である。
【0049】本発明の汚泥の脱水方法において、本発明
のカチオン性高分子凝集剤と前述の併用可能なカチオン
性高分子凝集剤とを併用して汚泥に添加混合し脱水する
方法については特に制限されるものではないが、例えば
それぞれを所定濃度で別々に水に溶解し、処理対象であ
る汚泥に別々に添加混合し脱水する方法、あるいはそれ
ぞれを所定濃度で別々に水に溶解し、まずいずれかの成
分を添加混合し凝集させた後に残りの成分を添加混合し
脱水する方法、或いはそれぞれを別けることなく水に溶
解し混合の水溶液とし、処理対象である汚泥に添加混合
して脱水する方法等が挙げられる。
【0050】本発明の汚泥の脱水方法においては、前述
のポリビニルイミダゾリン酸塩とアニオン性高分子凝集
剤とを併用することができる。この併用可能なアニオン
性高分子凝集剤としては、特に限定されるものではない
が、例えばポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、(メタ)アクリル酸又はそれらのアルカリ金属塩と
(メタ)アクリルアミドとの共重合体、ポリ(メタ)ア
クリルアミドの加水分解物、アクリロイルアミノ−2−
メチルプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸又はそれらの塩等のビニルスルホン酸類と
(メタ)アクリル酸又はそれらのアルカリ金属塩と(メ
タ)アクリルアミドとの共重合体、カルボキシメチルセ
ルロ−ス、カルボキシメチルスタ−チ、アルギン酸ナト
リウムなどが挙げられ、これら単量体の群より選ばれる
少なくとも1種を用いることができる。
【0051】これらのうち、性能の点で好ましくはポリ
アクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、(メタ)アク
リル酸又はそれらのアルカリ金属塩と(メタ)アクリル
アミドとの共重合体等の(メタ)アクリル酸又はそれら
のアルカリ金属塩の単位を含有する(共)重合体が好ま
しく、さらに好ましくはポリアクリル酸ナトリウム、又
はポリアクリルアミドの部分加水分解物である。
【0052】本発明のカチオン性高分子凝集剤と併用で
きるアニオン性高分子凝集剤は、対応する単量体を用い
た公知の方法により得ることができる。すなわち、具体
的な方法としては、通常のラジカル重合法が用いられ、
例えば水性媒体中で過硫酸塩等の重合開始剤や酸化剤と
還元剤を組み合わせたレドックス開始剤を用いた水溶液
重合法、有機溶剤と水の媒体中でアゾ系開始剤、有機過
酸化物等の油溶性開始剤や上記レドックス開始剤を用い
た懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。
【0053】本発明の汚泥の脱水方法において併用可能
なアニオン性高分子凝集剤は、アニオン性単量体の単位
を分子中に1モル%以上含むものであり、好ましくは5
モル%以上、特に好ましくは10モル%以上である。
【0054】本発明の汚泥の脱水方法において併用可能
なアニオン性高分子凝集剤は、1モル/lの塩化ナトリ
ウム水溶液中、30℃で測定した極限粘度数[η]が、
通常5〜20であり、性能及び取り扱い易さの点から好
ましくは10〜15である。5未満では、汚泥脱水剤と
しての性能の点で不十分であり、また20を超える場
合、排水に添加後の排水の粘度が極めて粘調となり取扱
いが困難となるため好ましくない。
【0055】本発明の汚泥の脱水方法において、本発明
のカチオン性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤と
の使用比率は特に制限されないが、両者の重量比が9
0:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:
80、特に好ましくは80:20〜40:60である。
【0056】本発明のカチオン性高分子凝集剤と前述の
併用可能なアニオン性高分子凝集剤とを併用して汚泥に
添加混合し脱水する方法については特に制限されるもの
ではないが、例えば本発明のカチオン性高分子凝集剤と
アニオン性高分子凝集剤をそれぞれの所定濃度で別々に
水に溶解し、処理対象である汚泥にまずカチオン性高分
子凝集剤の水溶液を添加混合し、次いでアニオン性高分
子凝集剤の水溶液を添加混合して、生成した凝集フロッ
クを脱水する方法、あるいは、本発明のカチオン性高分
子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤を別けることなく水
に溶解し所定濃度の水溶液とし、処理対象である汚泥に
添加混合して、生成した凝集フロックを脱水する方法が
挙げられる。
【0057】本発明の汚泥の脱水方法においては、アニ
オン性高分子凝集剤を併用すると共に前述の他のカチオ
ン性高分子凝集剤もまた併用可能である。本発明の汚泥
の脱水方法においては、分子中にカチオン性基とアニオ
ン性基を合わせて持つ両性高分子凝集剤を併用すること
ができる。この併用可能な両性高分子凝集剤は、特に制
限されるものではないが、例えば、前述の化学式(3)
で表される併用可能な他のカチオン性高分子凝集剤の分
子中にさらにアニオン性基を含有する単量体を共重合し
た共重合体、或いは前述の化学式(4)の分子中にさら
にアニオン性基を含有する単量体を共重合した共重合体
等が例示される。このアニオン性基を含有する単量体と
しては、マレイン酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸ナトリウム、アクリロイルアミノ−
2−メチルプロピルスルホン酸ナトリウム、アクリロイ
ルアミノ−2−メチルプロピルスルホン酸亜鉛等が挙げ
られ、これら単量体の群より選ばれる少なくとも1種を
用いることができる。さらに該両性高分子凝集剤の分子
中には、カチオン性基、アニオン性基の他に非イオン性
基を含有する単量体を共重合により導入することができ
る。この非イオン性基を含有する単量体としては、特に
制限されるものではないが、例えば(メタ)アクリルア
ミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカプロラクタム等の不飽和基含有アミ
ド、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)
アクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等のカルボン酸ビニルエステル、スチレン、α−メチル
スチレン等の芳香族ビニル等が挙げられ、これら単量体
の群より選ばれる少なくとも1種を用いることができ
る。性能の点で好ましくはカチオン性基を含有する単位
として(メタ)アクリロイルオキシアルキル第4級アン
モニウム塩の単位を含む重合体であり、さらに好ましく
は、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライドと(メタ)アクリル酸との共重合
体、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライドと(メタ)アクリル酸ナトリウムと
の共重合体、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライドとアクリルアミドと(メ
タ)アクリル酸との共重合体、或いは(メタ)アクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドと
アクリルアミドと(メタ)アクリル酸ナトリウムとの共
重合体である。
【0058】本発明の汚泥の脱水方法において、本発明
のカチオン性高分子凝集剤と併用可能な両性高分子凝集
剤は、1モル/lの塩化ナトリウム水溶液中、30℃で
測定した極限粘度数[η]が、通常2以上であり、性能
の点から好ましくは4以上である。2未満では、性能の
点で不十分であるため好ましくない。
【0059】本発明の汚泥の脱水方法において、本発明
のカチオン性高分子凝集剤と両性高分子凝集剤との使用
比率は特に制限されないが、両者の重量比が90:10
〜10:90、好ましくは80:20〜20:80であ
る。
【0060】本発明の汚泥の脱水方法において、本発明
のカチオン性高分子凝集剤と併用可能な両性高分子凝集
剤とを併用して汚泥に添加混合し脱水する方法について
は特に制限されるものではないが、例えばそれぞれを所
定濃度で別々に水に溶解し、処理対象である汚泥に別々
に添加混合し脱水する方法、あるいはそれぞれを所定濃
度で別々に水に溶解し、まずいずれかの成分を添加混合
し凝集させた後に残りの成分を添加混合し脱水する方
法、或いはそれぞれを別けることなく水に溶解し混合の
水溶液とし、処理対象である汚泥に添加混合して脱水す
る方法等が挙げられる。
【0061】本発明の汚泥の脱水方法においては、両性
高分子凝集剤を併用すると共に前述の他のカチオン性高
分子凝集剤及び/又はアニオン性高分子凝集剤もまた併
用可能である。本発明の汚泥の脱水方法においては、必
要に応じ酸性物質を併用することができる。併用できる
酸性物質としては、塩化水素、硫酸、りん酸、酢酸、塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、パラトルエンスル
ホン酸、ギ酸、硫酸水素ナトリウム、シュウ酸、炭酸水
素ナトリウム、スルファミン酸、リンゴ酸、クエン酸よ
りなる群より選ばれた少なくとも1種の酸が挙げられる
が、取り扱いの良さから好ましくは、塩化アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、りん酸二
水素ナトリウム、スルファミン酸、リンゴ酸、クエン酸
の固体酸よりなる群より選ばれた少なくとも1種の酸、
さらに好ましくはスルファミン酸及び/又は塩化アンモ
ニウムである。これらの酸性物質は本発明の汚泥の脱水
方法において、ポリビニルイミダゾリン酸塩よりなるカ
チオン性高分子凝集剤、上記の併用する他のカチオン性
高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤或いは両性高分
子凝集の水への溶解時に併せて添加して用いてもよい
し、あらかじめ本発明のカチオン性高分子凝集剤、或い
はこれと併用する他のカチオン性高分子凝集剤、アニオ
ン性高分子凝集剤或いは両性高分子凝集の両方或いはい
ずれか一方に混合して水へ溶解して併用して用いてもよ
い。
【0062】本発明の汚泥の脱水方法においては、必要
に応じ硫酸バンド、硫酸第一鉄ポリ硫酸鉄、塩化第二
鉄、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤、塩化カルシ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化マグネシ
ウム、パルプ、界面活性剤、消臭剤、消泡剤等を併用す
ることができる。
【0063】本発明の汚泥の脱水方法は、汚泥中に懸濁
した物質を凝集させ、生成した凝集フロックを脱水する
目的に用いられ、汚泥の種類は限定されるものではない
が、特に有機性汚泥に対して有効である。ここで言う有
機性汚泥とは、例えば、下水処理場で発生する、生汚
泥、余剰汚泥、濃縮汚泥、消化汚泥或いはこれらの混合
汚泥ならびに屎尿処理における消化汚泥、下水以外の産
業排水の活性汚泥処理に伴い発生する汚泥などである。
本発明の汚泥の脱水方法において用いられる脱水装置と
しては、ベルトプレス、スクリュープレス、フィルター
プレス、遠心脱水機等が挙げられる。
【0064】本発明の汚泥の脱水方法においてポリビニ
ルイミダゾリン酸塩よりなるカチオン性高分子凝集剤の
汚泥への添加率は、処理する汚泥を含むスラリーの固形
分濃度に対し通常0.01〜5.0重量%、好ましくは
0.1〜3.0重量%である。なお、処理する汚泥を含
むスラリーのpHは通常3.5〜8.0であることが好
ましい。
【0065】
【実施例】以下に、本発明を実施例にて説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。次の方法によ
り、製造例で得られたポリビニルイミダゾリン酸塩の赤
外吸収スペクトル、1H−NMR、塩素含有量、イオウ
含有量、pH(水素イオン濃度)、ブルックフィ−ルド
粘度、及び組成分析を測定した。実施例及び比較例にお
いて、製造例に示した高分子凝集剤と併用した他の高分
子凝集剤の組成及び極限粘度数を表1に示す。
【0066】<赤外吸収スペクトル>島津フーリエ変換
赤外分光光度計(FTIR−8100M)を用い、室温
中、窒素雰囲気下で、KBr法により測定し、2250
cm-1付近の原料のポリアクリロニトリル中のニトリル
基に由来する特性吸収の消失及び新たに1610cm-1
付近のイミダゾリン環の生成に由来する特性吸収の出現
によりポリビニルイミダゾリンの生成を確認した。
【0067】<1H−NMR>日本電子製フ−リエ変換
NMR(JNM−DSX400 FTNMR)を用い、
溶媒として重水(D2O)を用い測定した。
【0068】<塩素含有量>所定量のポリビニルイミダ
ゾリン酸塩を酸素雰囲気下で燃焼させ、発生したガスを
過酸化水素水に吸収させた後、所定濃度の水溶液に調製
し、イオンクロマト法により測定した。
【0069】<イオウ含有量>所定量のポリビニルイミ
ダゾリン酸塩を酸素雰囲気下で燃焼させ、発生したガス
を過酸化水素水に吸収させた後、所定濃度の水溶液に調
製し、イオンクロマト法により硫酸イオンとして測定
し、イオウ含有量を決定した。
【0070】<pH(水素イオン濃度)>製造例で得ら
れたポリビニルイミダゾリン酸塩の0.3重量%水溶液
を調製し、ガラス電極式水素イオン濃度計(東亜電波工
業製)を用いて、測定した。
【0071】<ブルックフィ−ルド粘度>製造例で得ら
れたポリビニルイミダゾリン酸塩の0.3重量%水溶液
を調製し、B型回転粘度計(BL型)を用い、JIS
K7117に準じ測定した。
【0072】<組成分析>製造例で得られたポリビニル
イミダゾリン酸塩中の前述の化学式(1)の含有量は、
前述の式中のX-が塩素陰イオンの場合については塩素
含有量より求め、X-が硫酸陰イオンの場合については
ポリマ−中のイオウ含有量より求め、X-が酢酸の陰イ
オンの場合についてはポリマ−の1H−NMR法により
それぞれの酢酸塩のメチル基の量より求め、モル%とし
て表した。さらに、製造例で得られたポリビニルイミダ
ゾリン酸塩中の前述の化学式(2)の含有量は、化学式
(1)の含有量を用いて、100−(化学式(1)の含
有量(モル%))から求め、モル%として表した。
【0073】<凝集剤性能評価>凝集剤性能評価(フロ
ック径、20秒後の濾過液量、脱水ケーキ含水率)を以
下の通り行った。
【0074】下水処理場より採取した汚泥の300ml
を500mlのガラスビーカーにとり、そこに所定濃度
の高分子凝集剤水溶液の所定量を添加し、パドル翼を備
えた攪拌機により200rpmの回転数で30秒間攪
拌、凝集させた後フロック径を目視により測定した。さ
らにこのビ−カ−の内容物を、直径120mmの円形の
ポリエステル濾過布(杉綾織り)を敷いたブフナロ−ト
の上に置いた断面が縦8cm×横8cmの角柱状のパイ
プの中へ注ぎ込み、20秒間自然濾過しその濾過液量を
測定した後、ベルトプレス機により脱水を行った(濾
布:杉綾織り、濾布張力:5.00kg/cm)。得ら
れた脱水ケーキを105℃で12時間減圧乾燥し、乾燥
前後の凝集汚泥の重量減少により、脱水ケーキ含水率を
算出した。
【0075】製造例1 N,N−ジメチルホルムアミド中、30℃で測定した極
限粘度数[η]が11.2のポリアクリロニトリル1
0.0g、エチレンジアミン100.0g、塩化アンモ
ニウム12.0g、1−ブタノール80.0gをフラス
コに仕込み、窒素置換を行った後、攪拌下、85℃で
7.0時間保持後、冷却し、粘調な反応液を取り出し、
アセトンに注ぎ、さらにアセトンで数回洗浄し、減圧乾
燥し、ポリアクリロニトリルとエチレンジアミンとの反
応物の固体を23.4g得た。得られた固体は、その赤
外吸収スペクトル及び塩素含有量により、前述の化学式
(1)及び化学式(2)で表される単位をそれぞれ81
モル%、19モル%含有するポリビニルイミダゾリン塩
酸塩であり、その0.3重量%水溶液の20℃における
pHが6.1であり、ブルックフィ−ルド粘度が355
ミリパスカル秒のポリビニルイミダゾリン塩酸塩であっ
た。
【0076】製造例2 N,N−ジメチルホルムアミド中、30℃で測定した極
限粘度数[η]が13.5.のポリアクリロニトリル1
0.0gを用い、攪拌下、95℃で2.5時間保持した
以外は製造例1と同様の操作を行い、ポリアクリロニト
リルとエチレンジアミンとの反応物22.6gを得た。
得られた固体は、その赤外吸収スペクトル及び塩素含有
量により、前述の化学式(1)及び化学式(2)で表さ
れる単位をそれぞれ80モル%、20モル%含有するポ
リビニルイミダゾリン塩酸塩であり、その0.3重量%
水溶液の20℃におけるpHが6.7であり、ブルック
フィ−ルド粘度が935ミリパスカル秒のポリビニルイ
ミダゾリン塩酸塩であった。 製造例3 製造例1で得られたポリアクリロニトリルとエチレンジ
アミンとの反応物の固体5.0gを10重量%塩化水素
に含むメチルアルコール溶液300mlに加え、室温で
1時間、攪拌、混合し、混合液をアセトンに注ぎ、さら
にアセトンで数回洗浄し、減圧乾燥し、白色の固体を
4.7g得た。得られた固体は、その赤外吸収スペクト
ル及び塩素含有量により、前述の化学式(1)で表され
る単位を100モル%含有するポリビニルイミダゾリン
塩酸塩であり、その0.3重量%水溶液の20℃におけ
るpHが3.5であり、ブルックフィ−ルド粘度が28
6ミリパスカル秒のポリビニルイミダゾリン塩酸塩であ
った。
【0077】製造例4 製造例1で得られたポリアクリロニトリルとエチレンジ
アミンとの反応物の固体5.0gを50重量%酢酸を含
む酢酸水溶液300mlに加え、室温で1時間、攪拌、
混合し、混合物をアセトンに注ぎ、さらにアセトンで数
回洗浄し、減圧乾燥し、白色の固体を5.0g得た。得
られた固体は、その赤外吸収スペクトル及び塩素含有量
により、前述の化学式(1)におけるX-が塩素陰イオ
ンである単位を73モル%含有し、1H−NMR法によ
り前述の化学式(1)におけるX-が酢酸の陰イオンで
ある単位を27モル%含有するポリビニルイミダゾリン
酸塩であり、その0.3重量%水溶液の20℃における
pHが5.8であり、ブルックフィ−ルド粘度が390
ミリパスカル秒のポリビニルイミダゾリン酸塩であっ
た。
【0078】製造例5 N,N−ジメチルホルムアミド中、30℃で測定した極
限粘度数[η]が4.7のポリアクリロニトリル10.
0gを用い、攪拌下、97℃で3.0時間保持した以外
は製造例1と同様の操作を行い、ポリアクリロニトリル
とエチレンジアミンとの反応物21.6gを得た。得ら
れた固体は、その赤外吸収スペクトル及び塩素含有量に
より、前述の化学式(1)及び化学式(2)で表される
単位をそれぞれ89モル%、11モル%含有するポリビ
ニルイミダゾリン塩酸塩であり、その0.3重量%水溶
液の20℃におけるpHが5.2であり、ブルックフィ
−ルド粘度が195ミリパスカル秒のポリビニルイミダ
ゾリン塩酸塩であった。
【0079】製造例6 製造例5で得られたポリアクリロニトリルとエチレンジ
アミンとの反応物の固体5.0gを用いた以外は製造例
3と同様の操作を行い、白色の固体を5.1g得た。得
られた固体は、その赤外吸収スペクトル及び塩素含有量
により、前述の化学式(1)で表される単位を100モ
ル%含有するポリビニルイミダゾリン塩酸塩であり、そ
の0.3重量%水溶液の20℃におけるpHが3.5で
あり、ブルックフィ−ルド粘度が92ミリパスカル秒の
ポリビニルイミダゾリン塩酸塩であった。
【0080】製造例7 N,N−ジメチルホルムアミド中、30℃で測定した極
限粘度数[η]が8.5のポリアクリロニトリル10.
0g及びエチレンジアミン68.0gを用いた以外は製
造例1と同様の操作を行い、ポリアクリロニトリルとエ
チレンジアミンとの反応物23.9gを得た。得られた
固体は、その赤外吸収スペクトル及び塩素含有量によ
り、前述の化学式(1)及び化学式(2)で表される単
位をそれぞれ86モル%、19モル%含有するポリビニ
ルイミダゾリン塩酸塩であり、その0.3重量%水溶液
の20℃におけるpHが5.7であり、ブルックフィ−
ルド粘度が233ミリパスカル秒のポリビニルイミダゾ
リン塩酸塩であった。
【0081】製造例8 塩化アンモニウム13.7gを用いた以外は製造例7と
同様の操作を行い、ポリアクリロニトリルとエチレンジ
アミンとの反応物22.1gを得た。得られた固体は、
その赤外吸収スペクトル及び塩素含有量により、前述の
化学式(1)及び化学式(2)で表される単位をそれぞ
れ92モル%、8モル%含有するポリビニルイミダゾリ
ン塩酸塩であり、その0.3重量%水溶液の20℃にお
けるpHが5.2であり、ブルックフィ−ルド粘度が2
61ミリパスカル秒のポリビニルイミダゾリン塩酸塩で
あった。
【0082】製造例9 塩化アンモニウム0.51g及びエチレンジアミン20
0gを用い、95℃で24時間保持した以外は製造例5
と同様の操作を行い、ポリアクリロニトリルとエチレン
ジアミンとの反応物16.5gを得た。得られた固体
は、その赤外吸収スペクトル及び塩素含有量により、前
述の化学式(2)で表される単位を100モル%、含有
するポリビニルイミダゾリン遊離塩基であり、その0.
3重量%水溶液の20℃におけるpHが10.6であ
り、ブルックフィ−ルド粘度が5ミリパスカル秒のポリ
ビニルイミダゾリン遊離塩基であった。
【0083】製造例10 製造例9で得られたポリアクリロニトリルとエチレンジ
アミンとの反応物の固体5.0gを5重量%硫酸水溶液
100gに加えて、室温で1時間、攪拌、混合し、混合
液をアセトンに注ぎ、さらにアセトンで数回洗浄し、減
圧乾燥し、白色の固体を6.1g得た。得られた固体
は、その赤外吸収スペクトル及びイオウ含有量により、
前述の化学式(1)で表される単位を100モル%含有
するポリビニルイミダゾリン硫酸塩であり、その0.3
重量%水溶液の20℃におけるpHが2.1であり、ブ
ルックフィ−ルド粘度が20ミリパスカル秒のポリビニ
ルイミダゾリン硫酸塩であった。
【0084】製造例11 5重量%硫酸水溶液100gの代わりに、50重量%酢
酸を含む酢酸水溶液300mlを用いた以外は製造例1
0と同様の操作を行い、白色の固体を5.2g得た。得
られた固体は、その赤外吸収スペクトル及び1H−NM
R法により前述の化学式(1)におけるX-が酢酸の陰
イオンである単位を100モル%含有するポリビニルイ
ミダゾリン酢酸塩であり、その0.3重量%水溶液の2
0℃におけるpHが4.2であり、ブルックフィ−ルド
粘度が28ミリパスカル秒のポリビポリビニルイミダゾ
リン酢酸塩であった。
【0085】実施例1 製造例1で得られたポリビニルイミダゾリン塩酸塩の
0.3重量%の水溶液を調製し、その35mlを下水処
理場の混合生汚泥(TS(固形分濃度)3.4重量%、
pH5.6)に添加して、上記の操作により凝集剤性能
評価(フロック径、20秒後の濾過液量、脱水ケーキ含
水率)を行い、その結果を表1に示した。
【0086】実施例2〜6、比較例1〜5 表1に示した高分子凝集剤を用いた以外は実施例1と同
様の操作を行い、凝集剤性能評価(フロック径、20秒
後の濾過液量、脱水ケーキ含水率)を行った。その結果
を表1にまとめて示した。
【0087】
【表1】
【0088】実施例7 製造例1で得られたポリビニルイミダゾリン塩酸塩の
0.3重量%の水溶液を調製し、その40mlを下水処
理場の消化汚泥(TS(固形分濃度)1.8重量%、p
H7.6)に添加して、上記の操作により凝集剤性能評
価(フロック径、20秒後の濾過液量、脱水ケーキ含水
率)を行い、その結果を表2に示した。
【0089】実施例8〜12、比較例6〜10 表2に示した高分子凝集剤を用いた以外は実施例7と同
様の操作を行い、凝集剤性能評価(フロック径、20秒
後の濾過液量、脱水ケーキ含水率)を行った。その結果
を表2にまとめて示した。
【0090】
【表2】
【0091】実施例13 製造例1で得られたポリビニルイミダゾリン塩酸塩と塩
化アンモニウムの重量比が90/10の混合物の0.3
重量%の水溶液を調製し、その40mlを下水処理場の
混合生汚泥(TS(固形分濃度)3.4重量%、pH
5.6)に添加して、上記の操作により凝集剤性能評価
(フロック径、20秒後の濾過液量、脱水ケーキ含水
率)を行い、その結果を表3に示した。
【0092】実施例14〜18、比較例11〜15 表3に示した高分子凝集剤を用いた以外は実施例13と
同様の操作を行い、凝集剤性能評価(フロック径、20
秒後の濾過液量、脱水ケーキ含水率)を行った。その結
果を表3にまとめて示した。
【0093】
【表3】
【0094】
【発明の効果】以上の通り、本発明のカチオン性高分子
凝集剤を用いることにより、粗大な凝集フロックを形成
させ、かつ脱水ケーキ含水率を低減させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA05 BA09 BA11 BA12 BB08 BB09 BB14 BB17 BB19 CA11 CA12 DA04 DA05 DA13 DA15 DA19 DA25 DA39 DB05 DB10 DB12 DB13 DB15 DB16 DB19 DB23 DB32 DB33 DB42 DB46 DC02 DC06 DC07 DC08 EA04 EA06 EA39 4D059 AA04 AA05 AA06 AA23 BE10 BE15 BE16 BE26 BE38 BE55 BE56 BE57 BE59 BE60 BE61 DA06 DA07 DA09 DA16 DA17 DA23 DA24 DA33 DA35 DA38 DA39 DA41 DB08 DB16 DB18 DB19 DB21 DB24 DB26 DB28 DB34 4J100 AM02P BC65H CA01 CA04 CA31 HA61 HC46 JA18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化学式(1)及び下記化学式(2)よ
    りなるポリビニルイミダゾリン酸塩であって、その0.
    3重量%水溶液の20℃におけるpHが4.5〜7.0
    であることを特徴とするポリビニルイミダゾリン酸塩を
    用いてなるカチオン性高分子凝集剤。 【化1】 (式中、X-は、塩素陰イオン、硫酸陰イオン、パラト
    ルエンスルホン酸の陰イオン、ギ酸の陰イオン、酢酸の
    陰イオン、プロピオン酸よりなる群より選ばれた少なく
    とも1種の陰イオンを表す。) 【化2】
  2. 【請求項2】0.3重量%水溶液の20℃におけるブル
    ックフィ−ルド粘度が40〜1000ミリパスカル秒で
    あることを特徴とする請求項1に記載のカチオン性高分
    子凝集剤。
  3. 【請求項3】汚泥に請求項1、請求項2のいずれかに記
    載のカチオン性高分子凝集剤を添加混合し、形成された
    フロックを脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
  4. 【請求項4】他のカチオン性高分子凝集剤を併用するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の汚泥の脱水方法。
  5. 【請求項5】アニオン性高分子凝集剤を併用することを
    特徴とする請求項3、請求項4のいずれかに記載の汚泥
    の脱水方法。
  6. 【請求項6】両性高分子凝集剤を併用することを特徴と
    する請求項3〜請求項5のいずれかに記載の汚泥の脱水
    方法。
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JP2005007246A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Sinto Brator Co Ltd 有機性廃水の処理方法

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