JP2002139447A - 表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法 - Google Patents

表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法

Info

Publication number
JP2002139447A
JP2002139447A JP2001226315A JP2001226315A JP2002139447A JP 2002139447 A JP2002139447 A JP 2002139447A JP 2001226315 A JP2001226315 A JP 2001226315A JP 2001226315 A JP2001226315 A JP 2001226315A JP 2002139447 A JP2002139447 A JP 2002139447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
inspected
inspection apparatus
inspection
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001226315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3824059B2 (ja
Inventor
Takahiko Oshige
貴彦 大重
Mitsuaki Uesugi
満昭 上杉
Hideyuki Tsurumaru
英幸 鶴丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP2001226315A priority Critical patent/JP3824059B2/ja
Publication of JP2002139447A publication Critical patent/JP2002139447A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3824059B2 publication Critical patent/JP3824059B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面粗さの粗い被検査対象物においても、凹
凸が数μm程度の微小凹凸性疵を確実に検出できる装置
及び方法を提供する。 【解決手段】 検出ヘッド3中には、光源4が設けら
れ、鋼板1の表面に、可視域の波長の集束光を入射角θ
が90度近くの大きな角度で照射している。 鋼板1の表
面で反射された光は、半透明のスクリーン6上に像を結
ぶ。その像をスクリーン6の背面から2次元カメラ7で
撮像し、信号処理装置8で画像処理を行うことにより凹
凸性疵を検出する。光源からの光の波長をλ、鋼板1へ
の照射光の入射角をθとすると、cosθ/λを所定値以下
にすることにより、入射角を鋼板表面からの反射光は鏡
面反射光となるが、凹凸性疵があると、その部分が黒く
スクリーン6に写るので、疵の存在を検出することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば薄鋼板等の
微小凹凸性疵を光学的に検出する表面検査装置及び方法
に関するものであり、さらに詳しくは、薄鋼板等の微小
凹凸性欠陥を、その表面粗さに影響されることなく自動
検出可能な表面検査装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板の製造プロセスにおいては、ロー
ル疵またはチャタマークなどの凹凸性の疵が発生する場
合がある。これらの疵の大きさは数mm〜数十mm程度であ
るが、凹凸は数μm程度と非常に小さいものである。こ
の凹凸は鋼板の表面粗さと同じ程度であるため、そのま
まの状態で観察しても発見することができない。ところ
が、塗装され、表面粗さが塗料に埋められ表面が滑らか
になると、明瞭に見えるようになり、外観上大きな問題
となる。そのため、このような疵有する薄鋼板を出荷し
ないようにすることは、品質管理上重要な問題である。
【0003】またこれらの疵の発生原因を考えてみる
と、例えばロール疵は、ロールに付着した異物、あるい
はその異物がロールに噛み混んだことによってロール自
体に生じた凹凸が鋼板に転写されることにより発生する
ものであり、また、チャタマークは製造プロセスにおけ
るロールもしくは鋼板自体の振動により発生するもので
ある。そのため、これらの疵が一旦発生すると、ロール
を交換したりプロセスを改善したりするまで連続的に発
生するため、早期に発見し対策を講じることは、歩留向
上の点からも極めて重要である。
【0004】このような疵を見つけるために、製鉄プロ
セスの各検査ラインにおいては、全てのコイルについ
て、操業中に鋼板の走行を一度停止し、検査員が砥石が
けを行った後に目視検査をしている。砥石がけを行う
と、凹部に比べて凸部がより砥石にあたり、反射率が高
くなるので、凹凸部の差が明確になり、ロール疵やチャ
タマークが目視で確認可能となる。しかしながら、この
ような方法は、検査ラインを停止して行わなければなら
ず、かつ、かなりの時間を要するので、作業能率を低下
させるという問題があった。
【0005】それに対する対策として、古来より伝承さ
れている、魔鏡に平行光を当てた際に生じる現象を利用
することが考えられる。魔鏡とは、背面に施された模様
のために、研磨の際に研磨される部分とそうでない部分
の差がわずかに現れ、裏面の模様とそっくりの微小凹凸
が鏡面上に形成されている鏡である。この鏡は、見た目
には通常の鏡と同じであるが、平行光を照射すると、凸
部面は光を発散し、凹部面は光を集束させるため、裏面
の模様と対応したパターンの像が反射光の像のパターン
として現れる。
【0006】これと同様、鏡面状の被検査面に微小な凹
凸がある場合、非検査面に平行光を当て、その反射光を
スクリーンに投影したり、撮像素子に入射させたりする
ことにより、微小な凹凸を検出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た魔鏡の原理を応用して被検査面の凹凸欠陥を検出しよ
うとしても、この現象は表面粗さが0.1μm程度にまで研
磨された鏡面に対してのみ適用可能であり、鋼板のよう
に表面粗さが粗い被検査面に対しては有効でないという
問題点がある。すなわち、このような被検査面に平行光
を照射しても、凹凸欠陥に起因する集束光・拡散光が、
非検査面の表面粗さに起因する拡散光に紛れてしまうた
め、疵を検出することができない。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、表面粗さの粗い被検査対象物においても、凹凸
が数μm程度の微小凹凸性疵を確実に検出できる装置及
び方法、さらにはこれらの装置、方法を用いた微小凹凸
欠陥の無い鋼板の製造方法を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、被検査体の表面に所定の入射角で光束
を照射する光源と、前記被検査体の表面から反射された
光を検出する検出系とを有し、微小凹凸性疵を検出する
表面検査装置において、前記光源の波長λに対する前記
入射角θの余弦の値の比cosθ/λが、前記被検体の表面
粗さに対応して決定される所定の値以下となるように、
前記波長と前記入射角の関係が選定されており、被検査
体の表面に入射する光束が集束光とされていることを特
徴とする表面検査装置(請求項1)である。
【0010】本発明者らは、表面粗さの粗い鋼板に対し
ても、反射光のうち鏡面反射が支配的な条件を作り出す
ことができれば、魔鏡現象が成立し、疵を検出すること
が可能になると考えた。そこで、まず、表面粗さと反射
特性について検討を行った。Beckmann著The scattering
of electromagnetic waves from rough surface(Perg
amon Press, 1963)によると、凹凸量の分布が正規分布
となるモデルを仮定した場合、下記のパラメータgが小
さいほど鏡面性が高いといえる。また、σ、λ、θ1、
θ2のそれぞれの値にかかかかわらず、gの値が等しけれ
ば鏡面性の程度は同等である。 g = {2πσ(cosθ1+cosθ2)/λ}2 …(1) ここで、σは凹凸量の正規分布の標準偏差、λは照射光
の波長、θ1は入射角、θ2は出射角である。ここで、正
反射光を受光することを考え、入射角θ1及び出射角θ2
がともに等しく、その値をθとすると、 g = {4πσcosθ/λ}2 …(2) となる。
【0011】上式によれば、σが大きな対象であって
も、cosθ/λを所定の値以下にすれば、鏡面性を確保
できることがわかる。 例えばσ=0.5μmの粗面を有する
被検査体の鏡面性gを、σ=0.025μm程度の鏡面が、可
視光の波長0.5μm、入射角0度に対して有するのと同程
度の鏡面性gと同じ程度にしようとした場合、その方法
の例としては、波長はそのままで入射角を87度程度に大
きくするか、入射角はそのままで波長を10μm程度に大
きくすることが考えられる。
【0012】(1)、(2)式は、凹凸量が正規分布を
なすことを仮定しているので、必ずしも全ての鋼板に対
して適用できるとは限らないが、多くの場合、凹凸量は
近似的に正規分布をなすと考えられるので、(1)、
(2)式が適用できる。また、(1)、(2)式が適用
できない場合であっても、(1)、(2)式に相当する
関係式を実験的に求めることも可能である。
【0013】すなわち、本手段においては、光源の波長
λに対する前記入射角θの余弦の値の比cosθ/λが、前
記被検体の表面粗さに対応して決定される所定の値以下
となるように、前記波長と前記入射角の関係が選定され
ている。よって、鏡面性が上がって魔鏡現象が起こり、
微小凹凸により反射された集束光・発散光が、表面粗さ
による拡散光に紛れることがなくなるので、表面粗さと
同等の深さの微小凹凸性疵を確実に検出することができ
る。
【0014】どの程度のg値とすべきかは、被検査体に
よっても異なるので、実験的に求めるようにする。
【0015】ここで、魔鏡光学系によって得られる明暗
のパターンについて考察する。
【0016】図11に示すように、フラットであると仮
定した被検査体上に座標軸xを、それと直交する方向に
h軸をとり、被検査体の凹凸が一次元の分布h(x)を
しているとする。このとき、入射角θで点(x、h(x))に
入射した光が、点(x、h(x))における傾きφ(x)の微
小面素により正反射し、スクリーン上に入射するとす
る。ここで、tanφ(x)=dh/dxなる関係が成り立ってい
る。
【0017】スクリーンはx軸に対し角度Θで設置され
ているとし、スクリーン上にu軸をとる。u軸の原点
は、x軸の原点の正反射位置に対応させ、それぞれの軸
の原点間の距離をLとする。従って、u軸の原点は、x
−h座標では(L・sinθ, L・cosθ)である。同様に、u
軸上の任意の点は、x−h座標で(L・sinθ+u・cosΘ, L
・cosθ−u・sinΘ)と表される。
【0018】このとき、点(x、h(x))からの反射光がス
クリーン上に照射される点uを求める。点(x、h(x))か
らの反射光は、h軸に対し角度θ−2φ(x)を有する
から、
【0019】
【数1】 (L・sinθ+u・cosΘ-x)/(L・cosθ−u・sinΘ-h(x))=tan(θ-2φ(x)) …(3) よって、
【0020】
【数2】
【0021】凹凸量が十分小さく、L・cosθ≫h(x)とお
ける場合は、
【0022】
【数3】
【0023】ここで、スクリーンが光軸と垂直、すなわ
ち、Θ=θの場合、
【0024】
【数4】 u={cosθ+sinθtan(2φ(x))}x-L・tan(2φ(x)) …(6) と書ける。
【0025】さらに、入射光の傾きが被検査体上の凹凸
の傾きよりも十分大きい、すなわち、1/tanθ≫tan(2φ
(x))とすると、
【0026】
【数5】 u=x・cosθ-L・tan(2φ(x)) ≒x・cosθ-2L・dh/dx=cosθ(x-2L/cosθ・dh/dx) …(7) となる。
【0027】ここで、スクリーン上の明点は、図12
(a)のようにxを増加させたときに各点からの反射光
がu軸上で重なり合ったり、図12(b)のように重な
り合うことはなくても密になるということで説明でき
る。また、逆に暗点は各点からの反射光がu軸上で疎に
なる領域として理解することができる。特に、凹凸量が
十分小さく、u(x)が一価関数となる場合には、スク
リーン上の明暗は、微小区間dxに照射された光量が微
小区間duへ投影されると考えると、dx/duで計算でき
る。
【0028】(7)式は次のように理解できる。すなわ
ち括弧の前のcosθは、スクリーン上に投影される像の
大きさを表す倍率である。入射角が大きくなるほど、像
の大きさは小さくなる。また、dh/dxの前に係数1/cos
θがかかっており、図13に示すように、入射角θが大
きいほど明暗のパタンが現れやすくなる。
【0029】従って、cosθ/λを所定の値以下とし鏡面
性を高めるためにθを大きく(すなわちcosθを小さ
く)することは、1/cosθだけ感度を向上することにも
つながっている。
【0030】また、入射光束を平行光でなく集束光と
し、反射光が完全に集束するよりも前に被検査体を置
き、反射光をスクリーンに投影して観察することを考え
ると、同様に像の大きさを小さくすることができるの
で、感度向上を図ることができる。ただし、この場合、
各入射点において、所定の入射角条件を満たす必要があ
る。
【0031】集束光とは、このように、被検査体表面に
入射した場合に、その位置で光束が集束する状態にある
ことをいい、被検査体表面に集束することを意味するも
のではない。以上、被検査体の凹凸が一次元の場合につ
いて考察したが、二次元の凹凸の場合にも同様の方法に
より考察することができる。
【0032】また、スクリーンの角度をx軸と平行に設
置した場合、(7)式に対応して、 u=x-2L・tan2θ・dh/dx …(8) が得られる。この場合、投影された像の倍率は入射角θ
によらず一定であるが、入射角が大きいほど感度が高い
のは同様である。
【0033】これらの考察によれば、被検査面に凹凸が
あるとき、その部分からの反射光がスクリーン上で正常
部より明るくなったり、暗くなったりするので、スクリ
ーン上の明暗点を検出することにより被検査面に発生す
る凹凸疵を検出することができ、その検出感度は、照射
光の入射角が大きいほど高いことが分かる。さらに、本
手段においては、被検査体の表面に入射する光束が集束
光とされているので、高感度に魔鏡現象を発生させるこ
とができる。
【0034】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、光源の波長として可視域の波
長を選定し、前記入射角として90度近くの大きな角度を
選定したことを特徴とするもの(請求項2)である。
【0035】入射角として90度近くの大きな角度を用い
ることにより、波長の短い光源を使用することが可能と
なり、可視光を用いることができる。これにより、装置
の調整、光軸合わせ等を容易に行うことができる。
【0036】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段であって、光源の波長として赤外域の波
長を選定したことを特徴とするものである。
【0037】光源として赤外光を用いることにより、そ
の分入射角を小さくすることができる。よって、被検査
体の凹凸や振動に対しても、その影響を小さいものにす
ることができる。
【0038】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のうちのいずれかであっ
て、前記光源が、前記被検査体がロールに接している部
位に光束を照射するものであることを特徴とするもの
(請求項4)である。
【0039】本手段においては、被検査体がロールに接
している部位に光束を照射し、その部位からの反射光を
検出して表面検査を行っているので、被検査体のばたつ
きや大きな凹凸を小さくすることができる。よって、照
射光の入射角を大きくしても、受光位置が大きく変動す
ることが無く、安定した検出が可能となる。
【0040】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第4の手段であって、前記光束の仮想集束位置が、
光束が照射されているロールに接している被検査体と同
じ曲率と中心を有する仮想円周上近傍にあることを特徴
とすることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0041】前記第1の手段の説明のうち、魔鏡光学系
に得られる明暗のパターンの考察において述べたよう
に、1次元の凹凸分布h(t)を持つ被検査体が、図1
4のように半径Rのロールに巻き付いているとする。こ
のとき、Rを付けても凹凸量は変化せず、すなわち、凹
凸分布はロールの中心Oを原点とした図のような極座標
系で、(R+h(R・t),t)と表されるものとする。
【0042】ここで、R≫hであり、tが小さいことを
考慮すると x={R+h(R・t)}・sint≒R・t y={R+h(R・t)}・cost-R≒h(R・t)-R・t2/2 すなわち、 y=h(x)-x2/(2R) とおける。よって、前記第1の手段の説明のうち、魔鏡
光学系に得られる明暗のパターンの考察において述べた
考察においてh(x)をh(x)-x2/(2R)に置き換えれば、全く
同様に定式化できる。すなわち、(6)式に対応して、
【0043】
【数6】 u={cosθ+2sinθ・(dh(x)/dx-x/R)・x-2L・{dh(x)/dx-x/R} …(9) が得られる。
【0044】ここでL≫x・sinθとすると、 u=x・cosθ-2L・{dh(x)/dx-x/R} …(10) となり、これはR〜∞のときの(7)式に相当する。
【0045】さらに、2L/R≫cosθのときには u=2L・{x/R-dh(x)/dx} …(11) となり、検出感度は、検出距離Lや入射角θにはあまり
依存せず、ロール半径Rに大きく依存する。そうする
と、半径Rの小さいロール部で測定する場合、dh(x)/dx
の値によっては検出能が十分でなくなる場合も想定され
る。その場合の対策について以下に述べる。
【0046】(11)式は、被検査体の座標xが、スクリ
ーン上では2L/R倍で投影され、凹凸による反射光の
フレdh(x)/dxは、2L倍に拡大されることを示してい
る。従って、被検査体上の座標xをどのような倍率でス
クリーンに投影するかを変更すれば、検出感度を変化さ
せることができる。
【0047】これを実現する方法としては、例えば、図
15のように、ロール上の任意の点で入射角が一定値θ
となるような集束光を入射することが考えられる。ただ
し、このような集束光を作ることは、光線が1点で交わ
るような光束でないため、凹面鏡に浅い角度で入射した
反射光を用いる等、光学系の収差を積極的に利用するこ
とにより可能ではあるが、実際上はエンジニアリング的
に容易ではない。
【0048】よって、このような方法でなく、収差のな
い光学系を利用して実現することを考える。図16に示
されるように、ロールの頂点Aに入射角θで光が入射す
るとする。そして、この光線の延長上の点Fに集光する
ような集束光を考え、その入射点をBとする。
【0049】このとき、図における角∠AOF=ξは、
B点における入射角をη、∠AOB=φとすると、 ξ≒{(π/2-η)-φ/2}・φ/{η-θ+φ} …(12) となり、ηは η≒{(π/2-φ/2)・φ+(θ-φ)・ξ}/(ξ+φ) …(13) で与えられる。ただし、φ、ξ、(π/2-θ)、(π/2-
η)、a/R(aはAGの長さ)は、いずれも1より十
分小さいと仮定した。
【0050】図16に示される関係から
【0051】
【数7】 (L・sinθ+R・sinφ+u・cosθ)/{L・cosθ+R・(1-cosφ)-u・sinθ}=tan(η-φ) …(1 4) が成立する。これをuについて解くと、
【0052】
【数8】 u=[L{cosθ-sinθ/tan(η-φ)}+R・{(1-cosφ)-sinφ/tan(η-φ)}]/{cosθ/tan( η-φ)+sinθ} …(15) が成立する。
【0053】ここで、φ、(π/2-θ)、(π/2-η)は、い
ずれも1より十分小さいことを考慮して、各項を以下の
ように近似する。
【0054】
【数9】 cosθ-sinθ/tan(η-φ)=sin(π/2-θ)-cos(π/2-θ)・tan(π/2-η+φ) ≒-θ+η-φ (1-cosφ)-sinφ/tan(η-φ)≒φ2/2-φ(π/2-η+φ) =-φ(π/2-η+φ/2) 1/{cosθ/tan(η-φ)+sinθ}≒1
【0055】これらを(15)式に代入して、 u≒L・(-θ+η-φ)-R・(π/2-η+φ/2)・φ …(16) を得る。
【0056】ここで、被検査体に凹凸があり、点Bにお
ける凹凸 h(x)=h(−R・φ) により反射角ηが(η−Δη)に変化したとする。ここ
に、 Δη≒2dh(x)/dx=2dh(-R・φ)/dx である。
【0057】このときのスクリーン上での反射光線の位
置u’は(16)式でηを(η−Δη)で置き換えて
【0058】
【数10】 u'≒L・(-θ+η-φ)-R・(π/2-η+φ/2)・φ-(L+R・φ)Δη …(17) となる。今、L≫R・φが成り立つような観察位置とす
ると、(17)式は。 u'≒2L・{(-θ+η-φ)/2-dh(-R・φ)/dx} …(18) となる。
【0059】これらを基に、いくつかの典型的な場合に
ついて(18)式に対応するu’を計算してみる。このと
き、φ≒-x/Rの関係を利用する。
【0060】(i) 平行光入射(η=θ−φ)の場合 u≒2L・{-φ-dh(-R・φ)/dx} ≒2L・{x/R-dh(x)/dx} …(19) これは、前記(11)式に一致する。
【0061】(ii) 集光点が図16におけるG点(ロー
ル円周上)の場合このときη=θ−φ/2となる。よっ
て、 u'≒2L・{-3φ/4-dh(-R・φ)/dx} ≒2L・{3x/(4R)-dh(x)/dx} …(20)
【0062】(iii) 集光点が図16における点Aの場
合、このときη=(π−φ)/2となる。よって、 u≒2L・[-{3φ-(π-2θ)/4}-dh(-R・φ)/dx] =2L・[-{3φ-(π-2θ)/4}-dh(x)/dx] …(21)
【0063】以上のように、集光光とすることで、見か
け上のRの値が変わり、感度を変化させることができ
る。以上は被検査体表面が曲面の場合について説明した
が、被検査体表面が平面の場合でも、同様の効果が得ら
れる。
【0064】光束の集束点をどこにすべきかについて
は、上述した事項以外に考慮すべき点がある。それは、
図17(a)に示すように、測定対象面のある位置と、そ
こから反射された光がスクリーンに投影される位置が、
1対1に対応しなくなる場合があることである。このよ
うなことが、魔鏡の原理を使用した欠陥検出方法に好ま
しくないことは言うまでもない。
【0065】図17(b)のように、ロールに入射した光
線が仮想的にロール内部に入りこんだと考えた場合、ロ
ール表面から出射される点(ロール表面上にある点)G
を集束点として選ぶことを考える。この場合図18に示
すように、ロール表面に等間隔の点(…、x-2、x-1
0、x1、x2、…)を考えると、円弧xi-1−xiに対
応する中心角はいずれもαである。また、円周角∠x
i-1Gxiは、いずれもα/2である。
【0066】よって、点Xiにおける入射角は(θ+α
・i/2)となり、反射方向は、x軸に対して(θ+3
α・i/2)の角度を有することになる。
【0067】従って、図17(b)のように、ロール表面
に対応する点を光束の集束点として選ぶことにより、測
定対象面のある位置とそこから反射される光がスクリー
ンに到達する位置が1対1、しかもほぼリニアな関係と
なるため、魔鏡の原理を使用した欠陥検出方法に好まし
い条件が得られる。
【0068】すなわち、本手段においては、光束を集束
させることにより、投影される像の大きさを小さくして
感度の向上を図ると共に、感度を変化させることがで
き、しかも、この光束の仮想集束位置を図17(b)にお
けるロール表面に対応する点、すなわち、光束が照射さ
れているロールに接している被検査体と同じ曲率と中心
を有する仮想円周上におくことにより、測定対象面のあ
る位置とそこから反射される光がスクリーンや撮像面に
到達する位置が1対1に対応し、しかもほぼリニアな関
係とすることができて、魔鏡の原理を使用した欠陥検出
方法に好ましい条件が得られる。ここで、「光束の仮想
集束位置」とは、実際の光線は被検査体に反射されるわ
けであるが、反射されないで直進した場合に集束する位
置のことをいう。
【0069】「光束の仮想集束位置」は、正確にロール
に接している被検査体と同じ曲率と中心を有する仮想円
周上にある必要はなく、被検査体からの反射光線がクロ
スすることがなければ、その範囲が許容範囲となる。そ
れが「近傍」の意味である。この仮想集束位置を光が被
検査体に入射する点に近づけていくと、前述のように反
射光線のクロスの問題が生じるが、入射光束の幅を狭く
制限すること、すなわち、照射範囲を狭く制限すること
により、クロスの問題を解決することができる。しか
し、この場合には一度に測定できる範囲が狭くなり、大
きな疵に対しては、魔鏡現象による疵の像を生じさせる
ことができなくなることもある。いずれにしても、「近
傍」の範囲は、このような照射範囲等を考慮して、当業
者が容易に決定することができる。
【0070】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、前
記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光を
投影するスクリーンと、当該スクリーン上の光強度分布
を測定する受光器とを有してなることを特徴とするもの
(請求項6)である。
【0071】本手段においては、被検査体の表面で反射
された光は、たとえば半透明のスクリーンに投影され
る。受光器は、この半透明のスクリーンの裏側から、ス
クリーンに写った反射光線の像を撮像する。微小凹凸欠
陥があると、その点が明部又は暗部となってスクリーン
に写し出されるので、それを検出することにより、微小
凹凸欠陥を検出することができる。
【0072】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第6の手段であって、前記被検査体の表面により反
射された光のうち、被検査体の長手方向に対応する一次
元方向成分については、被検査面からの反射光を、前記
スクリーン上に縮小投影する光学系を有するか、前記受
光器のレンズのF値が所定の値より小さいかの少なくと
も一方の構成を有することを特徴とするもの(請求項
7)である。
【0073】レーザの反射光をスクリーンに投影し、レ
ンズ系により結像されたパターンをカメラで撮像する場
合、像界のスペックルが問題となることがある。本手段
においては、被検査面からの反射光を、前記スクリーン
上に縮小投影する光学系を有すること、又はレンズのF
値を所定の値より小さくすることの少なくとも一方を採
用するにより、スペックルサイズを小さくして、スペッ
クルの影響を小さくすることができる。どの程度の縮小
光学系にするか、どの程度のF値にするかは、被検査体
の表面粗さと検出すべき疵の凹凸量・サイズ等から実験
的に決定すればよい。
【0074】なお、本明細書で被検査面の「幅方向」と
いうのは、被検査体と検査装置の相対的な運動方向に直
角な方向をいうものであり、被検査体と検査装置の相対
的な運動方向を被検査体の「長手方向」と称する。
【0075】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第6の手段であって、前記検出系が、前記被検査体
の表面により反射された光のうち、一次元方向成分につ
いては、被検査面の像を前記スクリーン上に結像する光
学系を有することを特徴とするもの(請求項8)であ
る。
【0076】本手段においては、光源としてラインライ
トガイド等のライン状のものを使用できるので、ライン
の広幅方向を被検査面の幅方向に一致させれば、入射角
の広がりを狭くすることができ、確実に魔鏡現象を起こ
すことができる。そして、被検査体又は表面検査装置を
移動させることにより、平面の検査を行うことができ
る。入射光は、被検査面の幅方向には拡散光となるが、
こちらの方向成分については、被検査面の像をスクリー
ン上に結像させることにより、拡散光により魔鏡現象の
発生が阻害されるのを防止することができる。
【0077】前記課題を解決するための第9の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、前
記検出系が、撮像素子と前記被検査体の表面により反射
された光を当該撮像素子上に投影する光学系を有するこ
とを特徴とするもの(請求項9)である。
【0078】前記第6の手段においては、反射された光
をスクリーン上に投影して、スクリーン上の光強度分布
を受光器で測定していたが、本手段においては、反射さ
れた光を直接撮像素子で測定している。よって、前記第
6の手段と同様の作用効果が得られる。
【0079】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第9の手段であって、前記検出系が、前記被検
査体の表面により反射された光のうち、被検査体の長手
方向に対応する一次元方向成分については、被検査面か
らの反射光を、前記撮像素子上に縮小投影する光学系と
を有することを特徴とするもの(請求項10)である。
【0080】本手段は、前記第7の手段におけるスクリ
ーンを設けず、直接撮像素子上に投影しているが、その
他の構成は前記第7の手段と同じである。よって、前記
第7の手段と同じ作用効果を有する。この場合には、撮
像面から照射範囲を見込む角を大きく選定することによ
りスペックルの影響を小さくすることができる。
【0081】前記課題を解決するための第11の手段
は、前記第9の手段であって、前記検出系は、前記被検
査体の表面により反射された光のうち、一次元方向成分
については、被検査面の像を前記撮像素子上に結像する
光学系を有することを特徴とするもの(請求項11)で
ある。
【0082】本手段は、前記第8の手段におけるスクリ
ーンを設けず、直接撮像素子上に投影しているが、その
他の構成は前記第8の手段と同じである。よって、前記
第8の手段と同じ作用効果を有する。
【0083】前記課題を解決するための第12の手段
は、前記第8の手段又は第11の手段であって、前記光
源が、一次元方向には集束性を、もう一次元方向には拡
散特性を有する光源であることを特徴とするもの(請求
項12)である。
【0084】本手段によれば、後に発明の実施の形態の
欄で延べるように、ラインライトガイドとシリンドリカ
ルレンズを使用する等の簡単な方法で、被検査体に対し
て集束する照射光を作り出すことができる。この光源を
使用した場合には、光束の長手方向(拡散特性を有する
方向)を被検査体表面に対して集束させることで、高感
度に魔鏡現象を発生させることができるが、光束の長手
方向には光が拡散するので、入射方向が一定でなく、ボ
ケが発生する。これを防ぐためには、光が照射される被
検査体表面の像を、スクリーン又は撮像面に結像させる
ようにすればよい。
【0085】なお、「被検査体に対して集束する照射
光」とは、被検査体の表面に達したときに、その光束が
集束する方向に向かっていることをいい、被検査体表面
に集束していることを意味するものではない。
【0086】前記課題を解決するための第13の手段
は、前記第1の手段から第12の手段のいずれかであっ
て、前記検査装置は、被検査体の幅全体の一部分を検査
する検査装置を幅方向に移動させる移動機構を有してな
ることを特徴とするもの(請求項13)である。
【0087】被検査体の幅方向全面を一度に検査するこ
とをせず、その一部を検査できる検査装置を用い、この
検査装置を幅方向に往復移動させて、被検査体表面をス
キャニングして検査を行っている。検査対象となる疵は
一過性のものではなく、ロール疵やチャタマークのよう
に周期性を有し、繰り返し現れるものであるので、この
ように間欠的な検査でも発見することができる。
【0088】前記課題を解決するための第14の手段
は、前記第13の手段であって、前記検査装置は、前記
周期的に発生する疵の想定される最大周期の2倍以上に
相当する距離だけ、前記被検査体が進む時間中、前記被
検査体の幅方向の同一場所を検査できるだけの速度で移
動するものであることを特徴とするもの(請求項14)
である。
【0089】ロール疵等の周期性を有する疵の場合に
は、問題のロールを特定し、対策を講じる必要がある。
そのためには、疵の発生周期を知ることが必要である。
よって、本手段においては、前記検査装置は、被検査体
の幅方向の同一位置を、少なくとも想定される疵の最大
周期の2倍以上の長さに相当する距離だけ、前記被検査
体が進む時間中連続して検査することできるだけの速度
で移動するようにしている。よって、幅方向の同一場所
の連続検査中に、最大周期を有する欠陥であっても、少
なくとも2回は現れるので、これから周期性を有する疵
の発生周期を特定することができる。
【0090】検査装置は、必ずしも連続的にトラバース
しながら検査を行う必要はなく、停止した状態で、ある
幅方向位置の測定を、周期性を有する欠陥の予想される
最大周期の2倍以上の長さに亘って行った後、視野幅以
下の距離だけトラバースするという動作を繰り返して全
幅の測定を行ってもよい。
【0091】前記課題を解決するための第15の手段
は、所定の形状及び材質を有する鋼板を製造する工程
と、生産された鋼板上の微小欠陥の有無を前記第1の手
段から第14の手段のいずれかである表面検査装置を用
いて検査する検査工程と、その検査結果に基づいて鋼板
を最終製品とするかどうかを判断する工程と、最終製品
としないと判断された鋼板について、微小凹凸欠陥を無
くしてから最終製品とする工程とを有することを特徴と
する微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法。(請求項1
5)である。
【0092】本手段においては、公知の方法により所定
の形状及び材質を有する鋼板を製造した後、第1の手段
から第14の手段のいずれかである表面検査装置を用い
て、その鋼板上の微小欠陥の有無を検査し、その結果に
基づいて予め定められた基準により、その鋼板を最終製
品とするかどうかを判断する。この基準は、欠陥の種類
とその程度等からその鋼板を最終製品としてよいかどう
かを決定するもので、公知の方法を適用して、その鋼板
に要求される仕様に応じて、適宜決定することができ
る。
【0093】そして、最終製品としてよいと判断された
鋼板については出荷を行う。最終製品とできないと判断
された鋼板については、再び調質圧延を行う等の手段に
より微小凹凸欠陥を無くしてから出荷を行う。このよう
にして、微小凹凸欠陥の無い鋼板を効率的に製造するこ
とができる。
【0094】前記課題を解決するための第16の手段
は、前記第15の手段であって、前記微小欠陥を無くし
てから最終製品とする工程中に、前記第1の手段から第
14の手段のいずれかである表面検査装置を用いて微小
凹凸欠陥の有無を検査する検査工程と、その検査結果に
基づいて鋼板を最終製品とするか否かを判断する工程と
を有することを特徴とするもの(請求項16)である。
【0095】本手段においては、手入れ等より微小凹凸
欠陥を無くしてから、再び第1の手段から第14の手段
のいずれかである表面検査装置を用いて微小凹凸欠陥の
有無を検査する検査工程と、その検査結果に基づいて鋼
板を最終製品とするか否かを判断しているので、確実に
微小凹凸欠陥の無い鋼板のみを最終製品とすることがで
きる。
【0096】前記課題を解決するための第17の手段
は、前記第15の手段、又は第16の手段のいずれかで
あって、前記検査工程において微小凹凸欠陥が発見され
た場合には、その発生周期を測定し、測定した周期及び
欠陥の種類から微小凹凸欠陥の発生原因となっている部
位を特定する工程と、特定された部位を処置することに
より欠陥の発生を無くする工程を有することを特徴とす
るもの(請求項17)である。
【0097】本手段においては、微小凹凸欠陥の周期及
び種類から、鋼板の製造ラインにおける欠陥の発生部位
(例えば、特定設備の特定ロール)を特定し、特定され
た部位を処置(例えばロール交換や研磨等による修理)
することによって、欠陥の発生を無くしている。よっ
て、早期に微小凹凸欠陥の発生を無くすることができ
る。
【0098】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
である表面検査装置の構成を示す概要図である。図1に
おいて1は鋼板、2はロール、3は検出ヘッド、4は光
源、5はミラー、6はスクリーン、7は2次元カメラ、
8は信号処理装置、9は出力装置である。
【0099】鋼板1は、2つのロール2によって張力を
かけられ、平面に張られて走行している。鋼板1の表面
に近接して検出ヘッド3が設置されている。検出ヘッド
3中には、光源4が設けられ、鋼板1の表面に、可視域
の波長の集束光を入射角θが90度近くの大きな角度、例
えば87度で照射している。集束光は、ランプからからの
光を一旦集光し、ピンホールを透過させた後、レンズま
たは放物面鏡を用いて形成している。この集束光は、ミ
ラー5で反射された後、前記の入射角で鋼板1の表面を
照射する。
【0100】鋼板1の表面で反射された光は、半透明の
スクリーン6上に像を結ぶ。その像をスクリーン6の背
面から2次元カメラ(CCDカメラ等)7で撮像し、信
号処理装置8で画像処理を行うことにより凹凸性疵を検
出する。鋼板表面からの反射光は鏡面反射光となるが、
凹凸性疵があると、その部分が、明るい又は暗いパター
ンとしてスクリーン6に写るので、疵の存在を検出する
ことができる。画像処理の方法としては、2値化処理
等、周知の手法を使用することができる。鋼板1の移動
速度が高速の場合、撮影した像のぶれを防ぐために、ス
トロボ光源を使用して照明時間を短くすることが必要で
ある。
【0101】図2は、冷延鋼板のロール疵及を測定した
場合の、照射光の入射角θとS/N比の関係を示したもの
である。このように、これらの疵は、入射角87度以下で
は検出が困難であるのに対し、87度以上とすることによ
りS/N比を大きくでき、検出可能になっていることがわ
かる。
【0102】以上の実施の形態では、ストロボ光源と二
次元カメラを用いたが、線状光源とリニアアレイカメラ
を用いることもできる。
【0103】本発明の第2の実施の形態である表面検査
装置の構成を概要図を図3に示す。以下の図において
は、前出の図に示された要素と同じ要素には、同じ符号
を付してその説明を省略することがある。図3に示した
実施の形態は、基本的には図1に示したものと同じであ
るが、光源4に波長10.6μmのパルス発振のCO2レーザ
を、2次元カメラにサーモカメラを用いている。このよ
うに、長い波長の光を用いると入射角θの制約がなくな
り、入射角θを小さくすることができるので、パスライ
ン変動によりスクリーン上の像がぶれる影響を小さくす
ることができる。
【0104】図4に本発明の第3の実施の形態である表
面検査装置の構成の概要図を示す。本実施の形態におい
ては、図のように、鋼板1がロール2に巻き付いている
部分を測定している。さらに、測定点の各点における入
射角が等しくなるように、光源4から、ミラー5を介し
て、ロール径に合わせて集束する光を入射させている。
このように、ロールに巻き付いている位置で測定するこ
とにより、被検査体のパスライン変動を極力抑えること
ができる。
【0105】図5に本発明の第4の実施の形態である表
面検査装置の構成の概要図を示す。(a)が側面図、
(b)が平面図であり、7’はリニアアレイセンサ、1
0はシリンドリカルレンズである。
【0106】光源4にはレーザが用いられており、スリ
ット状のレーザ光が入射角87度以上でロール2に巻きつ
けられた鋼板1に入射する。この光は、鋼板1の表面上
では、さらにその先で集束するような方向に向かう集束
光となっている。スリット状のレーザ光は、その広幅方
向が、鋼板1の幅方向に一致するようにされている。
【0107】鋼板1で反射された光は、シリンドリカル
レンズ10により、図5(b)に示すように、鋼板1の
幅方向については、リニアアレイセンサ7’上に縮小投
影される。一方、図5(a)に示すように、鋼板1に垂
直な面内においては、ロール2の形状により拡がる光と
なり、シリンドリカルレンズ10の影響は受けずにリニ
アアレイセンサ7’上に入射される。シリンドリカルレ
ンズ10を用いるのは、幅の広いレーザースリット光
を、幅の狭いリニアアレイセンサ7’面に集束させるた
めである。
【0108】すなわち、この実施の形態は、鋼板1の幅
方向に長い一次元の検査範囲を有している。そして、鋼
板1は、ロール2の回転により図5(a)の矢印方向に
移動するので、順次リニアアレイセンサ7’からの信号
を読み出し、図示しない信号処理装置に入力すること
で、鋼板1を2次元的に検査する。信号処理装置は、明
暗の画像信号より凹凸性疵の有無を判定する。
【0109】この実施の形態においてはシリンドリカル
レンズ7’を用いているが、例えば球面レンズ等を用い
るなどにより、図5(a)の紙面内についても反射光の広
がりを変化させると、全体の光束に対するセンサの相対
的な大きさが変化することになるので、魔鏡像を検出す
る際の位置や分解能を変えることができる。
【0110】次にラインライトガイドを光源に用いた実
施の形態について説明する。具体的な実施の形態の説明
に先立ち、図6にラインライトガイドとシリンドリカル
レンズを組み合わせた光源を示す。図6において(a)
が平面図、(b)が側面図であり、10’はシリンドリ
カルレンズ、11はラインライトガイド、11aはバン
ドルファイバである。
【0111】本光源は、水平方向に長いラインライトガ
イド11と、垂直方向で凸レンズ作用を有し、水平方向
ではレンズ作用を有しないシリンドリカルレンズ10’
を組み合わせたものである。光発生源からバンドルファ
イバ11aを介して伝達された光は、ラインライトガイ
ド11の先端部から放出されるが、各光ファイバの開口
角(半角)はφとなっている。そして、垂直方向の光の
放出点の幅はdであり、水平方向には十分大きな放出幅
を有している。ラインライトガイド11の光放出面は、
シリンドリカルレンズ10’の焦点面より遠くに置かれ
ている。
【0112】よって、垂直方向断面では、この光源から
の光は、集束光となっている。一方、水平方向断面では
図6(a)に示されるように、ファイバの開口角φの2
倍の開き角を有する拡散光源となっている。すなわち、
この光源からの光は、一次元方向には集束性を、もう一
次元方向には拡散特性を有している。このような光源を
用いて魔鏡現象を観察しようとしても、魔鏡の原理によ
る明点及び暗点は、水平方向の光の拡散性のためにボケ
を生じるので、そのままでは明瞭に現れない。
【0113】そこで、図7に示すように、光源が拡散性
を有する水平方向について、被検査体の一点から反射さ
れた光を結像するためのシリンドリカルレンズ10を設
ける。すると、光源が拡散性を有する方向については、
被検査面の像がリニアアレイセンサ7’表面に結像する
ので、光源の拡散性によるボケを生じることなく、ま
た、光源が平行性を有する方向については、従来通り魔
鏡の原理が成立するため、結果として魔鏡の原理による
明点及び暗点が観察できるようになる。このような系を
構成することにより、従来においてはランプの光を一旦
ピンホールによって絞ってからレンズ系で平行光束を作
るのに対し、バンドルファイバ全体に入射する光を全て
利用できるので、光発生源からの光量を有効に利用する
ことができる。
【0114】図8に、具体的な実施の形態(第5の実施
の形態)の概要図を示す。図示しないランプの光は、バ
ンドルファイバ11aへ入射され、ファイバが紙面に垂
直な方向に線状に配置されたラインライトガイド11よ
り出射される。出射された光は、図8の紙面に平行な方
向については、シリンドリカルレンズ10’により集束
光とされ、鋼板1に入射する。一方、紙面に垂直な方向
については、拡散光として鋼板1に入射する。鋼板1か
らの反射光は、紙面に垂直な方向については、シリンド
リカルレンズ10によって、検査線上の一点がリニアア
レイ7’上の一点に結像される。
【0115】すなわち、この実施の形態も、鋼板1の幅
方向に長い一次元の検査範囲を有している。そして、鋼
板1は走行するので、順次リニアアレイセンサ7’から
の信号を読み出し、図示しない信号処理装置に入力する
ことで、鋼板1を2次元的に検査する。信号処理装置
は、明暗の画像信号より凹凸性疵の有無を判定する。
【0116】このような、反射光を一次元方向について
結像させて観察するという考え方は、例えば図5に示す
ような平行光源の場合にも適用することができる。すな
わち、入射角を大きくすることにより魔鏡の感度が向上
している図5(a)の断面で見た方向に関しては結像系
を用いず、図5(b)の断面で見た方向について結像系
を導入することにより、検出能は維持したまま、若干の
拡散反射に起因する像のボケや受光光量ロスを向上させ
ることができる。
【0117】以上の実施の形態においては、一方向のみ
の結像のためにシリンドリカルレンズ1枚を用いたが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではないこ
とは言うまでもない。たとえば、レンズを複数枚使用し
たり、図9に示すように、2枚のシリンドリカルレンズ
を用いたテレセントリック系を用いることも可能であ
る。このようにテレセントリック系を用いることによ
り、素子ごとの光量むらを減少させることができる。
【0118】また、以上の実施の形態においては、被検
査面による反射光をリニアアレイセンサ上に投影した
が、リニアアレイセンサの代わりにスクリーンを設け、
スクリーン上の像を撮像装置で観察することも可能であ
る。
【0119】以上の実施の形態において、光源としてレ
ーザを用いる場合、スペックルと言われるランダムな干
渉パターンがノイズになることがある。例えば、図1の
ようにレーザの反射光をスクリーンに投影し、レンズ系
により結像された像をカメラで撮像する場合、像界のス
ペックルが問題となる。
【0120】像界のスペックルの径は、レンズのF値に
比例することが知られており、F値を小さく選定するこ
とによりスペックルサイズを小さくして、スペックルの
影響を小さくすることができる。
【0121】また、図5のように、スクリーンを置か
ず、撮像素子上に直接投影する場合には、回折界のスペ
ックルが問題となる。この場合、スペックルの平均径
は、撮像面からの照射範囲を見込む角αを用いると、1
/α2に比例することが知られているから、αを大きく
選定することによりスペックルの影響を小さくすること
ができる。また、図5のように、シリンドリカルレンズ
10を用いて、一方向に縮小投影し、空間的平均化を実
施することも有効である。
【0122】図10に、以上の各実施の形態における検
出ヘッド3と鋼板1との関係の1例を示す。図10にお
いて12はリニアガイドである。図10(a)に示すよ
うに、これら各実施の形態においては、検出ヘッド3
は、鋼板1の板幅全域に亘って検査が可能なものではな
く、検査視野はその一部のみをカバーするようになって
いる。そして、図に示すように、リニアガイド12に沿
って鋼板1の幅方向にトラバースして往復し、鋼板1の
表面をジグザグに検査するようになっている。
【0123】鋼板1の検査される面の様子を図10
(b)に示す。検出ヘッド3の視野範囲は、図に示すよ
うに斜めになっている。そして、検出ヘッド3が、その
視野幅だけ横に移動する間に、鋼板1は、周期性を有す
る疵の想定最大周期の2倍以上の長さだけ移動するよう
になっている。これにより、鋼板1の幅方向同一位置
は、鋼板1が、周期性を有する疵の想定最大周期の2倍
以上の長さだけ移動する間に亘って連続的に検査される
ので、最大周期を有する疵でも、この間に必ず2回検出
できる。よって、周期性を有する疵の周期を判別するこ
とができる。
【0124】このように、周期性を有する疵の検出を目
的とする場合には、鋼板1の一部のみの検査視野を有す
る検査装置をトラバースさせて鋼板1全面の欠陥検出を
行うことができ、安価な装置とすることができる。ま
た、本実施の形態では、幅方向に連続的にトラバースし
ながら測定を行なったが、一定位置で最大周期の2倍以
上の距離を測定した後、検出ヘッドの視野分移動すると
いうように、間欠的にトラバースさせても構わない。
【0125】また、本発明に係る表面検査装置を用いる
と、微小凹凸欠陥の無い鋼板を効率よく製造することが
できる。すなわち、現在では、高速の生産ラインの場
合、抜き取りで砥石がけ検査を行っているため、1つの
コイルで微小凹凸欠陥が発見されると、前回の抜き取り
検査で欠陥の無かったコイル以降に生産されたコイルに
は、微小凹凸欠陥が存在する可能性がある。そのため、
これら微小欠陥が存在する可能性のあるコイルは、出荷
ヤードから検査ラインへ戻され、砥石がけ検査が実施さ
れる。そして、問題となる微小凹凸欠陥が存在するコイ
ルは、全て調質圧延ラインに回され再び調質圧延を受け
る。
【0126】図19に本発明の実施の形態の1例である
微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法を実施するための鋼
板製造ラインの概要を示す。所定の形状と成分を有する
ように製造された鋼板は、連続焼鈍ラインに入り、焼鈍
炉で焼鈍された後、焼鈍ライン内の調質圧延機により調
質圧延を受け、所定の材質にされると共に表面粗さを付
与される。その後、本発明に係る検査装置により微小凹
凸欠陥の有無が検査される。
【0127】微小凹凸欠陥が検出された場合、その欠陥
の種類、程度、単位面積あたりの個数に応じて、その欠
陥が製品として問題となる欠陥かどうかが判断される。
微小凹凸欠陥が検出されなかったコイル、微小凹凸欠陥
が検出されても製品として問題無いと判断されたコイル
は、最終製品として出荷ヤードに回されて出荷される。
【0128】問題となる微小凹凸欠陥が発見されたコイ
ルは、連続焼鈍ラインとは独立した調質圧延ラインに回
され、再び調質圧延を受けることによって微小凹凸欠陥
を除去され、最終製品となって出荷ヤードに回されて出
荷される。このようにして、微小凹凸欠陥の無い鋼板の
みを最終製品として製造することができる。また、全コ
イルがリアルタイムで検査されるので、前述のように、
出荷ヤードにあるコイルを戻して検査し直す必要が無く
なる。
【0129】図19において、調質圧延ライン中又は調
質圧延ラインと出荷ヤードの中間に本発明に係る検査装
置を設け、調質圧延による微小凹凸欠陥の除去が終わっ
た後で再び微小凹凸欠陥の検査を行って、問題となる微
小凹凸欠陥が無いことを確認してから出荷ヤードに回す
ようにすれば、さらに、確実に微小凹凸欠陥の無いコイ
ルのみを最終製品とすることができる。
【0130】また、焼鈍ライン中に設けられた表面検査
装置で、微小凹凸欠陥の発生周期を特定すれば、直ち
に、その欠陥がラインのどのロールで発生しているかを
判断することができるので、ロール交換や研磨等による
修理により微小凹凸欠陥の発生原因を無くすることがで
きる。よって、微小凹凸欠陥が多数のコイルに亘って発
生することを防止できる。
【0131】以上説明したように、この実施の形態にお
いては、微小凹凸欠陥のないコイルを製品として効率的
に製造することができる。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、光源の波長に対する前記入
射角の余弦の値の比が、前記被検体の表面粗さに対応し
て決定される所定の値以下となるように、前記波長と前
記入射角の関係が選定されている。よって、鏡面性が上
がって魔鏡現象が起こり、微小凹凸により反射された集
束光・発散光が、表面粗さによる拡散光に紛れることが
なくなるので、表面粗さと同等の深さの微小凹凸性疵を
確実に検出することができる。さらに、被検査体の表面
に入射する光束が集束光とされているので、高感度に魔
鏡現象を発生させることができる。
【0133】請求項2に係る発明においては、照射光と
して可視光を用いることができるので、装置の調整、光
軸合わせ等を容易に行うことができる。請求項3に係る
発明においては、入射角を小さくすることができるの
で、被検査体の凹凸や振動に対しても、その影響を小さ
いものにすることができる。
【0134】請求項4に係る発明においては、被検査体
のばたつきや大きな凹凸を小さくすることができるの
で、照射光の入射角を大きくしても、受光位置が大きく
変動することが無く、安定した検出が可能となる。
【0135】請求項5に係る発明においては、測定対象
面のある位置とそこから反射される光がスクリーンや撮
像面に到達する位置が1対1に対応し、しかもほぼリニ
アな関係とすることができて、魔鏡の原理を使用した欠
陥検出方法に好ましい条件が得られる。
【0136】請求項6に係る発明、請求項9に係る発明
においては、微小凹凸欠陥があると、その点が明部又は
暗部となってスクリーンに写し出されたり撮像面に投影
されるので、それを検出することにより、微小凹凸欠陥
を検出することができる。請求項7に係る発明、請求項
10に係る発明においては、スペックルサイズを小さく
して、スペックルの影響を小さくすることができる。
【0137】請求項8に係る発明、請求項11に係る発
明においては、スリットの広幅方向を被検査面の幅方向
に一致させれば、入射角の広がりを狭くすることがで
き、確実に魔鏡現象を起こすことができる。
【0138】請求項12に係る発明においては、ライン
ライトガイドとシリンドリカルレンズを使用する等の簡
単な方法で、被検査体に対して集束光である照射光を作
り出すことができる。
【0139】請求項13に係る発明においては、被検査
体の幅方向前面を一度に検査することをせず、その一部
を検査できる検査装置を用い、この検査装置を幅方向に
往復移動させて、被検査体表面をスキャニングして検査
を行っているので、装置を安価なものとすることができ
る。
【0140】請求項14に係る発明においては、幅方向
の同一場所の連続検査中に、最大周期を有する欠陥であ
っても、少なくとも2回は現れるので、これから周期性
を有する疵の発生周期を特定することができる。
【0141】請求項15に係る発明においては、微小凹
凸欠陥の無い鋼板を効率的に製造することができる。請
求項16に係る発明においては、確実に微小凹凸欠陥の
無い鋼板のみを最終製品とすることができる。請求項1
7に係る発明においては、早期に微小凹凸欠陥の発生を
無くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である表面検査装置
の構成を示す概要図である。
【図2】冷延鋼板のロール疵及を測定した場合の、照射
光の入射角θとS/N比の関係の例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である表面検査装置
の構成を示す概要図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態である表面検査装置
の構成を示す概要図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態である表面検査装置
の構成を示す概要図である。
【図6】ラインライトガイドとシリンドリカルレンズを
組み合わせた光源の概要図である。
【図7】光が拡散性を有する方向について、結像光学系
を設けた例を示す概要図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態である表面検査装置
の構成を示す概要図である。
【図9】2枚のシリンドリカルレンズを用いたテレセン
トリック系の結像装置の例を示す概要図である。
【図10】検出ヘッドをトラバースさせて検査する例の
概要を示す図である。
【図11】魔鏡光学系によって得られる明暗のパターン
の発生を説明するための図である。
【図12】魔鏡光学系によって得られる明点における光
線の集束状況を示す図である。
【図13】入射角と明暗のパターンのピッチとの関係を
示す図である。
【図14】ロールに巻きついた被検査体を示す図であ
る。
【図15】ロール上の任意の点で入射角が一定値θとな
るような集束光を示す図である。
【図16】光束の集束点と反射光のスクリーン上での位
置の関係を示す図である。
【図17】光束の集束点と反射光の向きの関係の例を示
す図である。
【図18】光束の集束点をロールの円周上に置いた場合
の、反射光の向きを示す図である。
【図19】微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法を実施す
る製造ラインの概要図である。
【符号の説明】
1…鋼板、2…ロール、3…検出ヘッド、4…光源、5
…ミラー、6…スクリーン、7…2次元カメラ、7’…
リニアアレイセンサ、8…信号処理装置、9…出力装
置、10、10’…シリンドリカルレンズ、11…ライ
ンライトガイド、11a…バンドルファイバ、12…リ
ニアガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴丸 英幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA49 BB13 CC06 DD04 GG05 GG08 GG16 GG21 HH12 JJ02 JJ03 JJ25 JJ26 LL03 LL08 LL12 QQ04 SS14 2G051 AA37 AB07 BA04 BB01 CA04 CA20 CB01 CB05 CC09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体の表面に所定の入射角で光束を
    照射する光源と、前記被検査体の表面から反射された光
    を検出する検出系とを有し、微小凹凸性疵を検出する表
    面検査装置において、前記光源の波長λに対する前記入
    射角θの余弦の値の比cosθ/λが、前記被検体の表面粗
    さに対応して決定される所定の値以下となるように、前
    記波長と前記入射角の関係が選定されており、被検査体
    の表面に入射する光束が集束光とされていることを特徴
    とする表面検査装置。
  2. 【請求項2】 前記光源の波長として可視域の波長を選
    定し、前記入射角として90度近くの大きな角度を選定し
    たことを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
  3. 【請求項3】 前記光源の波長として赤外域の波長を選
    定したことを特徴とする請求項1に記載の表面検査装
    置。
  4. 【請求項4】 前記光源は、前記被検査体がロールに接
    している部位に光束を照射するものであることを特徴と
    する請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の
    表面検査装置。
  5. 【請求項5】 前記光束の仮想集束位置が、光束が照射
    されているロールに接している被検査体と同じ曲率と中
    心を有する仮想円周上近傍にあることを特徴とする請求
    項4に記載の表面検査装置。
  6. 【請求項6】 前記検出系が、前記被検査体の表面によ
    り反射された光を投影するスクリーンと、当該スクリー
    ン上の光強度分布を測定する受光器とを有してなること
    を特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項
    に記載の表面検査装置。
  7. 【請求項7】 前記検出系が、前記被検査体の表面によ
    り反射された光のうち、被検査体の長手方向に対応する
    一次元方向成分については、被検査面からの反射光を、
    前記スクリーン上に縮小投影する光学系を有するか、前
    記受光器のレンズのF値が所定の値より小さいかの少な
    くとも一方の構成を有することを特徴とする請求項6に
    記載の表面検査装置。
  8. 【請求項8】 前記検出系が、前記被検査体の表面によ
    り反射された光のうち、一次元方向成分については、被
    検査面の像を前記撮像素子上に結像する光学系を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の表面検査装置。
  9. 【請求項9】 前記検出系が、撮像素子と前記被検査体
    の表面により反射された光を当該撮像素子上に投影する
    光学系とを有することを特徴とする請求項1から1から
    請求項5のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
  10. 【請求項10】 前記検出系が、前記被検査体の表面に
    より反射された光のうち、被検査体の長手方向に対応す
    る一次元方向成分については、被検査面からの反射光
    を、前記撮像素子上に縮小投影する光学系とを有するこ
    とを特徴とする請求項9に記載の表面検査装置。
  11. 【請求項11】 前記検出系は、前記被検査体の表面に
    より反射された光のうち、一次元方向成分については、
    被検査面の像を前記撮像素子上に結像する光学系を有す
    ることを特徴とする請求項9に記載の表面検査装置。
  12. 【請求項12】 前記光源は、一次元方向には集束性
    を、もう一次元方向には拡散特性を有する光源であるこ
    とを特徴とする請求項8又は請求項11に記載の表面検
    査装置。
  13. 【請求項13】 前記検査装置は、被検査体の幅全体の
    一部分を検査する検査装置を幅方向に移動させる移動機
    構を有してなることを特徴とする請求項1から請求項1
    2のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
  14. 【請求項14】 前記検査装置は、前記周期的に発生す
    る疵の想定される最大周期の2倍以上に相当する距離だ
    け、前記被検査体が進む時間中、前記被検査体の幅方向
    の同一場所を検査できるだけの速度で移動するものであ
    ることを特徴とする請求項13に記載の表面検査装置。
  15. 【請求項15】 所定の形状及び材質を有する鋼板を製
    造する工程と、生産された鋼板上の微小欠陥の有無を請
    求項1から請求項14のうちいずれか1項に記載の表面
    検査装置を用いて検査する検査工程と、その検査結果に
    基づいて鋼板を最終製品とするかどうかを判断する工程
    と、最終製品としないと判断された鋼板について、微小
    凹凸欠陥を無くしてから最終製品とする工程とを有する
    ことを特徴とする微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の微小凹凸欠陥の無
    い鋼板の製造方法であって、前記微小欠陥を無くしてか
    ら最終製品とする工程中に、請求項1から請求項14の
    うちいずれか1項に記載の表面検査装置を用いて微小凹
    凸欠陥の有無を検査する検査工程と、その検査結果に基
    づいて鋼板を最終製品とするか否かを判断する工程とを
    有することを特徴とする微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項15又は請求項16に記載の微
    小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法であって、前記検査工
    程において微小凹凸欠陥が発見された場合には、その発
    生周期を測定し、測定した周期及び欠陥の種類から微小
    凹凸欠陥の発生原因となっている部位を特定する工程
    と、特定された部位を処置することにより欠陥の発生を
    無くする工程を有することを特徴とする微小凹凸欠陥の
    無い鋼板の製造方法。
JP2001226315A 2000-08-03 2001-07-26 表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP3824059B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001226315A JP3824059B2 (ja) 2000-08-03 2001-07-26 表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000235621 2000-08-03
JP2000-235621 2000-08-03
JP2001226315A JP3824059B2 (ja) 2000-08-03 2001-07-26 表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002139447A true JP2002139447A (ja) 2002-05-17
JP3824059B2 JP3824059B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=26597288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001226315A Expired - Fee Related JP3824059B2 (ja) 2000-08-03 2001-07-26 表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3824059B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006208347A (ja) * 2004-02-25 2006-08-10 Jfe Steel Kk 圧延用ロールの表面欠陥検出装置、研削装置、表面欠陥検出方法及び表面欠陥検出用プログラム並びに圧延用ロール研削方法
JP2007513350A (ja) * 2003-12-02 2007-05-24 ザ・ボーイング・カンパニー 複合構造の欠陥特性を測定するためのシステムおよび方法
JP2008541074A (ja) * 2005-05-20 2008-11-20 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト ストリップを製造するための方法及び装置
JP2009052903A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Jfe Steel Kk 微小凹凸表面欠陥の検出方法及び装置
JP2009080033A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Nippon Steel Corp 表面検査方法及び表面検査装置
JP2009092426A (ja) * 2007-10-04 2009-04-30 Nippon Steel Corp 表面検査方法及び表面検査装置
JP2010025652A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Nippon Steel Corp 表面疵検査装置
KR101458796B1 (ko) 2008-06-04 2014-11-10 엘지디스플레이 주식회사 우네리 측정 장비 및 측정 방법
WO2017179243A1 (ja) * 2016-04-12 2017-10-19 新日鐵住金株式会社 被検査体撮像装置、被検査体撮像方法、表面検査装置及び表面検査方法
JP2017207386A (ja) * 2016-05-19 2017-11-24 株式会社神戸製鋼所 金属板の粗さ推定方法及び粗さ推定装置
WO2018016102A1 (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 新日鐵住金株式会社 形状測定装置及び形状測定方法
JP2018128415A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 株式会社プレックス リネン設備の診断装置および診断システム
CN108603847A (zh) * 2016-02-05 2018-09-28 东丽株式会社 片状物的检查装置及片状物的检查方法
WO2018235376A1 (ja) * 2017-06-20 2018-12-27 日立オートモティブシステムズ株式会社 表面検査方法、表面検査装置および製品の製造方法
WO2020049971A1 (ja) * 2018-09-06 2020-03-12 日立オートモティブシステムズ株式会社 表面測定方法、部品の製造方法、部品の検査方法および部品の測定装置
WO2023111854A1 (en) * 2021-12-15 2023-06-22 3M Innovative Properties Company Optical inspection system for detecting surface profile defects in manufactured webs

Cited By (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513350A (ja) * 2003-12-02 2007-05-24 ザ・ボーイング・カンパニー 複合構造の欠陥特性を測定するためのシステムおよび方法
JP2006208347A (ja) * 2004-02-25 2006-08-10 Jfe Steel Kk 圧延用ロールの表面欠陥検出装置、研削装置、表面欠陥検出方法及び表面欠陥検出用プログラム並びに圧延用ロール研削方法
JP2008541074A (ja) * 2005-05-20 2008-11-20 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト ストリップを製造するための方法及び装置
US7971461B2 (en) 2005-05-20 2011-07-05 Sms Demag Ag Method of and apparatus for manufacturing a metal strip
JP2009052903A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Jfe Steel Kk 微小凹凸表面欠陥の検出方法及び装置
JP2009080033A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Nippon Steel Corp 表面検査方法及び表面検査装置
JP2009092426A (ja) * 2007-10-04 2009-04-30 Nippon Steel Corp 表面検査方法及び表面検査装置
KR101458796B1 (ko) 2008-06-04 2014-11-10 엘지디스플레이 주식회사 우네리 측정 장비 및 측정 방법
JP2010025652A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Nippon Steel Corp 表面疵検査装置
CN108603847A (zh) * 2016-02-05 2018-09-28 东丽株式会社 片状物的检查装置及片状物的检查方法
KR20180108583A (ko) * 2016-02-05 2018-10-04 도레이 카부시키가이샤 시트 형상물의 검사 장치 및 시트 형상물의 검사 방법
KR102628620B1 (ko) 2016-02-05 2024-01-24 도레이 카부시키가이샤 시트 형상물의 검사 장치 및 시트 형상물의 검사 방법
EP3413037A4 (en) * 2016-02-05 2019-08-07 Toray Industries, Inc. TEST EQUIPMENT FOR SHEET-LIKE OBJECTS AND TEST PROCEDURES FOR SHEET-LIKE OBJECTS
JPWO2017134958A1 (ja) * 2016-02-05 2018-11-29 東レ株式会社 シート状物の検査装置およびシート状物の検査方法
WO2017179243A1 (ja) * 2016-04-12 2017-10-19 新日鐵住金株式会社 被検査体撮像装置、被検査体撮像方法、表面検査装置及び表面検査方法
JPWO2017179243A1 (ja) * 2016-04-12 2018-04-19 新日鐵住金株式会社 被検査体撮像装置、被検査体撮像方法、表面検査装置及び表面検査方法
EP3270144B1 (en) * 2016-04-12 2021-12-15 Nippon Steel Corporation Inspection object imaging apparatus, inspection object imaging method, surface inspection apparatus, and surface inspection method
US10281408B2 (en) 2016-04-12 2019-05-07 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Inspection object imaging apparatus, inspection object imaging method, surface inspection apparatus, and surface inspection method
JP2017207386A (ja) * 2016-05-19 2017-11-24 株式会社神戸製鋼所 金属板の粗さ推定方法及び粗さ推定装置
KR102044196B1 (ko) * 2016-07-19 2019-11-13 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 조도 측정 장치 및 조도 측정 방법
KR20180056713A (ko) * 2016-07-19 2018-05-29 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 형상 측정 장치 및 형상 측정 방법
EP3343169A4 (en) * 2016-07-19 2018-11-14 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Shape measuring apparatus and shape measuring method
JP6278171B1 (ja) * 2016-07-19 2018-02-14 新日鐵住金株式会社 形状測定装置及び形状測定方法
WO2018016102A1 (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 新日鐵住金株式会社 形状測定装置及び形状測定方法
JP7061841B2 (ja) 2017-02-10 2022-05-02 株式会社プレックス リネン設備の診断装置および診断システム
JP2018128415A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 株式会社プレックス リネン設備の診断装置および診断システム
JPWO2018235376A1 (ja) * 2017-06-20 2020-04-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 表面検査方法、表面検査装置および製品の製造方法
WO2018235376A1 (ja) * 2017-06-20 2018-12-27 日立オートモティブシステムズ株式会社 表面検査方法、表面検査装置および製品の製造方法
CN112840206A (zh) * 2018-09-06 2021-05-25 日立安斯泰莫株式会社 表面测量方法、零件的制造方法、零件的检查方法以及零件的测量装置
JPWO2020049971A1 (ja) * 2018-09-06 2021-08-26 日立Astemo株式会社 表面測定方法、部品の製造方法、部品の検査方法および部品の測定装置
WO2020049971A1 (ja) * 2018-09-06 2020-03-12 日立オートモティブシステムズ株式会社 表面測定方法、部品の製造方法、部品の検査方法および部品の測定装置
JP7069328B2 (ja) 2018-09-06 2022-05-17 日立Astemo株式会社 表面測定方法、部品の製造方法、部品の検査方法および部品の測定装置
US11781861B2 (en) 2018-09-06 2023-10-10 Hitachi Astemo, Ltd. Surface measurement method, component manufacturing method, component inspection method, and component measurement device
WO2023111854A1 (en) * 2021-12-15 2023-06-22 3M Innovative Properties Company Optical inspection system for detecting surface profile defects in manufactured webs

Also Published As

Publication number Publication date
JP3824059B2 (ja) 2006-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5125741A (en) Method and apparatus for inspecting surface conditions
JP2002139447A (ja) 表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法
JP2012078144A (ja) 透明体シート状物の表面欠陥検査装置
Xu et al. Light source optimization for automatic visual inspection of piston surface defects
JP2000298102A (ja) 表面検査装置
EP3149457A1 (en) Method for particle detection on flexible substrates
US7538866B2 (en) Optical sensor and method for optically inspecting surfaces
JP2007212283A (ja) 外観検査装置及び外観検査方法
JP4492275B2 (ja) 表面検査装置
JP7119034B2 (ja) 表面検査方法、表面検査装置、および表面検査システム
US20230020684A1 (en) Laser based inclusion detection system and methods
JP4775492B2 (ja) 表面検査装置
JP2008157788A (ja) 表面検査方法及び表面検査装置
JPH0769161B2 (ja) 凹凸面の検査方法およびその装置
JP2005156420A (ja) 表面凹凸の検査方法及び検査装置
JP2001242090A (ja) 表面検査装置
JP6951439B2 (ja) 表面検査方法、表面検査装置および製品の製造方法
JP2008002891A (ja) 表面状態検査装置及び表面状態検査方法
JP2000314707A (ja) 表面検査装置および方法
JP3452486B2 (ja) 圧延材の表面欠陥検出方法および装置
JP3078784B2 (ja) 欠陥検査装置
JP2000028535A (ja) 欠陥検査装置
JP2004156932A (ja) 表面検査装置
JPH09138201A (ja) 表面検査装置
WO2021176650A1 (ja) 孔内状況検査方法並びに装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3824059

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees