JP3824059B2 - 表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法 - Google Patents

表面検査装置及び微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薄鋼板等の微小凹凸性疵を光学的に検出する表面検査装置及び方法に関するものであり、さらに詳しくは、薄鋼板等の微小凹凸性欠陥を、その表面粗さに影響されることなく自動検出可能な表面検査装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板の製造プロセスにおいては、ロール疵またはチャタマークなどの凹凸性の疵が発生する場合がある。これらの疵の大きさは数mm〜数十mm程度であるが、凹凸は数μm程度と非常に小さいものである。この凹凸は鋼板の表面粗さと同じ程度であるため、そのままの状態で観察しても発見することができない。ところが、塗装され、表面粗さが塗料に埋められ表面が滑らかになると、明瞭に見えるようになり、外観上大きな問題となる。そのため、このような疵有する薄鋼板を出荷しないようにすることは、品質管理上重要な問題である。
【0003】
またこれらの疵の発生原因を考えてみると、例えばロール疵は、ロールに付着した異物、あるいはその異物がロールに噛み混んだことによってロール自体に生じた凹凸が鋼板に転写されることにより発生するものであり、また、チャタマークは製造プロセスにおけるロールもしくは鋼板自体の振動により発生するものである。そのため、これらの疵が一旦発生すると、ロールを交換したりプロセスを改善したりするまで連続的に発生するため、早期に発見し対策を講じることは、歩留向上の点からも極めて重要である。
【0004】
このような疵を見つけるために、製鉄プロセスの各検査ラインにおいては、全てのコイルについて、操業中に鋼板の走行を一度停止し、検査員が砥石がけを行った後に目視検査をしている。砥石がけを行うと、凹部に比べて凸部がより砥石にあたり、反射率が高くなるので、凹凸部の差が明確になり、ロール疵やチャタマークが目視で確認可能となる。しかしながら、このような方法は、検査ラインを停止して行わなければならず、かつ、かなりの時間を要するので、作業能率を低下させるという問題があった。
【0005】
それに対する対策として、古来より伝承されている、魔鏡に平行光を当てた際に生じる現象を利用することが考えられる。魔鏡とは、背面に施された模様のために、研磨の際に研磨される部分とそうでない部分の差がわずかに現れ、裏面の模様とそっくりの微小凹凸が鏡面上に形成されている鏡である。この鏡は、見た目には通常の鏡と同じであるが、平行光を照射すると、凸部面は光を発散し、凹部面は光を集束させるため、裏面の模様と対応したパターンの像が反射光の像のパターンとして現れる。
【0006】
これと同様、鏡面状の被検査面に微小な凹凸がある場合、非検査面に平行光を当て、その反射光をスクリーンに投影したり、撮像素子に入射させたりすることにより、微小な凹凸を検出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した魔鏡の原理を応用して被検査面の凹凸欠陥を検出しようとしても、この現象は表面粗さが0.1μm程度にまで研磨された鏡面に対してのみ適用可能であり、鋼板のように表面粗さが粗い被検査面に対しては有効でないという問題点がある。すなわち、このような被検査面に平行光を照射しても、凹凸欠陥に起因する集束光・拡散光が、非検査面の表面粗さに起因する拡散光に紛れてしまうため、疵を検出することができない。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、表面粗さの粗い被検査対象物においても、凹凸が数μm程度の微小凹凸性疵を確実に検出できる装置及び方法、さらにはこれらの装置、方法を用いた微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
前記課題を解決するための第1の手段は、表面粗さが粗い被検査体の表面に所定の入射角で光束を照射する光源と、前記被検査体の表面から反射された光を検出する検出系とを有し、微小凹凸性疵を検出する表面検査装置において、前記光源の波長λに対する前記入射角θの余弦の値の比cosθ/λが、前記被検体の凹凸量の正規分布の標準偏差σに対応して、以下の(A)式を満たすように、前記波長と前記入射角の関係が選定されており、前記光源から被検査体の表面に入射する光束が集束光とされ、前記検出系は、被検査体の微小凹凸疵により反射された光の収束及び発散によって得られる明暗パターンに基づいて微小欠陥を検出することを特徴とする表面検査装置(請求項1)である。
(4πσcosθ/λ)≦(4π×0.025cos0/0.5) …(A)
但しλは光源の波長である。
【0010】
本発明者らは、表面粗さの粗い鋼板に対しても、反射光のうち鏡面反射が支配的な条件を作り出すことができれば、魔鏡現象が成立し、疵を検出することが可能になると考えた。そこで、まず、表面粗さと反射特性について検討を行った。 Beckmann著The scattering of electromagnetic waves from rough surface (Pergamon Press, 1963)によると、凹凸量の分布が正規分布となるモデルを仮定した場合、下記のパラメータgが小さいほど鏡面性が高いといえる。また、σ、λ、θ1、θ2のそれぞれの値にかかかかわらず、gの値が等しければ鏡面性の程度は同等である。
g = {2πσ(cosθ1+cosθ2)/λ}2 …(1)
ここで、σは凹凸量の正規分布の標準偏差、λは照射光の波長、θ1は入射角、θ2は出射角である。ここで、正反射光を受光することを考え、入射角θ1及び出射角θ2がともに等しく、その値をθとすると、
g = {4πσcosθ/λ}2 …(2)
となる。
【0011】
上式によれば、σが大きな対象であっても、cosθ/λを所定の値以下にすれば、鏡面性を確保できることがわかる。 例えばσ=0.5μmの粗面を有する被検査体の鏡面性gを、σ=0.025μm程度の鏡面が、可視光の波長0.5μm、入射角0度に対して有するのと同程度の鏡面性gと同じ程度にしようとした場合、その方法の例としては、波長はそのままで入射角を87度程度に大きくするか、入射角はそのままで波長を10μm程度に大きくすることが考えられる。
【0012】
(1)、(2)式は、凹凸量が正規分布をなすことを仮定しているので、必ずしも全ての鋼板に対して適用できるとは限らないが、多くの場合、凹凸量は近似的に正規分布をなすと考えられるので、(1)、(2)式が適用できる。また、(1)、(2)式が適用できない場合であっても、(1)、(2)式に相当する関係式を実験的に求めることも可能である。
【0013】
すなわち、本手段においては、光源の波長λに対する前記入射角θの余弦の値の比cosθ/λが、前記被検体の表面粗さに対応して決定される所定の値以下となるように、前記波長と前記入射角の関係が選定されている。よって、鏡面性が上がって魔鏡現象が起こり、微小凹凸により反射された集束光・発散光が、表面粗さによる拡散光に紛れることがなくなるので、表面粗さと同等の深さの微小凹凸性疵を確実に検出することができる。
【0014】
どの程度のg値とすべきかは、被検査体によっても異なるので、実験的に求めるようにする。
【0015】
ここで、魔鏡光学系によって得られる明暗のパターンについて考察する。
【0016】
図11に示すように、フラットであると仮定した被検査体上に座標軸xを、それと直交する方向にh軸をとり、被検査体の凹凸が一次元の分布h(x)をしているとする。このとき、入射角θで点(x、h(x))に入射した光が、点(x、h(x))における傾きφ(x)の微小面素により正反射し、スクリーン上に入射するとする。ここで、
tanφ(x)=dh/dx
なる関係が成り立っている。
【0017】
スクリーンはx軸に対し角度Θで設置されているとし、スクリーン上にu軸をとる。u軸の原点は、x軸の原点の正反射位置に対応させ、それぞれの軸の原点間の距離をLとする。従って、u軸の原点は、x−h座標では(L・sinθ, L・cosθ)である。同様に、u軸上の任意の点は、x−h座標で(L・sinθ+u・cosΘ, L・cosθ−u・sinΘ)と表される。
【0018】
このとき、点(x、h(x))からの反射光がスクリーン上に照射される点uを求める。点(x、h(x))からの反射光は、h軸に対し角度θ−2φ(x)を有するから、
【0019】
【数1】
(L・sinθ+u・cosΘ-x)/(L・cosθ−u・sinΘ-h(x))=tan(θ-2φ(x)) …(3)
よって、
【0020】
【数2】
Figure 0003824059
【0021】
凹凸量が十分小さく、L・cosθ≫h(x)とおける場合は、
【0022】
【数3】
Figure 0003824059
【0023】
ここで、スクリーンが光軸と垂直、すなわち、Θ=θの場合、
【0024】
【数4】
u={cosθ+sinθtan(2φ(x))}x-L・tan(2φ(x)) …(6)
と書ける。
【0025】
さらに、入射光の傾きが被検査体上の凹凸の傾きよりも十分大きい、すなわち、1/tanθ≫tan(2φ(x))とすると、
【0026】
【数5】
u=x・cosθ-L・tan(2φ(x))
≒x・cosθ-2L・dh/dx=cosθ(x-2L/cosθ・dh/dx) …(7)
となる。
【0027】
ここで、スクリーン上の明点は、図12(a)のようにxを増加させたときに各点からの反射光がu軸上で重なり合ったり、図12(b)のように重なり合うことはなくても密になるということで説明できる。また、逆に暗点は各点からの反射光がu軸上で疎になる領域として理解することができる。特に、凹凸量が十分小さく、u(x)が一価関数となる場合には、スクリーン上の明暗は、微小区間dxに照射された光量が微小区間duへ投影されると考えると、dx/duで計算できる。
【0028】
(7)式は次のように理解できる。すなわち括弧の前のcosθは、スクリーン上に投影される像の大きさを表す倍率である。入射角が大きくなるほど、像の大きさは小さくなる。また、dh/dxの前に係数1/cosθがかかっており、図13に示すように、入射角θが大きいほど明暗のパタンが現れやすくなる。
【0029】
従って、cosθ/λを所定の値以下とし鏡面性を高めるためにθを大きく(すなわちcosθを小さく)することは、1/cosθだけ感度を向上することにもつながっている。
【0030】
また、入射光束を平行光でなく集束光とし、反射光が完全に集束するよりも前に被検査体を置き、反射光をスクリーンに投影して観察することを考えると、同様に像の大きさを小さくすることができるので、感度向上を図ることができる。ただし、この場合、各入射点において、所定の入射角条件を満たす必要がある。
【0031】
集束光とは、このように、被検査体表面に入射した場合に、その位置で光束が集束する状態にあることをいい、被検査体表面に集束することを意味するものではない。
以上、被検査体の凹凸が一次元の場合について考察したが、二次元の凹凸の場合にも同様の方法により考察することができる。
【0032】
また、スクリーンの角度をx軸と平行に設置した場合、(7)式に対応して、
u=x-2L・tan2θ・dh/dx …(8)
が得られる。この場合、投影された像の倍率は入射角θによらず一定であるが、入射角が大きいほど感度が高いのは同様である。
【0033】
これらの考察によれば、被検査面に凹凸があるとき、その部分からの反射光がスクリーン上で正常部より明るくなったり、暗くなったりするので、スクリーン上の明暗点を検出することにより被検査面に発生する凹凸疵を検出することができ、その検出感度は、照射光の入射角が大きいほど高いことが分かる。
さらに、本手段においては、被検査体の表面に入射する光束が集束光とされているので、高感度に魔鏡現象を発生させることができる。
【0034】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、光源の波長として可視域の波長を選定し、前記入射角として90度近くの大きな角度を選定したことを特徴とするもの(請求項2)である。
【0035】
入射角として90度近くの大きな角度を用いることにより、波長の短い光源を使用することが可能となり、可視光を用いることができる。これにより、装置の調整、光軸合わせ等を容易に行うことができる。
【0036】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段であって、光源の波長として赤外域の波長を選定したことを特徴とするものである。
【0037】
光源として赤外光を用いることにより、その分入射角を小さくすることができる。よって、被検査体の凹凸や振動に対しても、その影響を小さいものにすることができる。
【0038】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のうちのいずれかであって、前記光源が、前記被検査体がロールに接している部位に光束を照射するものであることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0039】
本手段においては、被検査体がロールに接している部位に光束を照射し、その部位からの反射光を検出して表面検査を行っているので、被検査体のばたつきや大きな凹凸を小さくすることができる。よって、照射光の入射角を大きくしても、受光位置が大きく変動することが無く、安定した検出が可能となる。
【0040】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記光束の仮想集束位置が、光束が照射されているロールに接している被検査体と同じ曲率と中心を有する仮想円周上近傍にあることを特徴とすることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0041】
前記第1の手段の説明のうち、魔鏡光学系に得られる明暗のパターンの考察において述べたように、1次元の凹凸分布h(t)を持つ被検査体が、図14のように半径Rのロールに巻き付いているとする。このとき、Rを付けても凹凸量は変化せず、すなわち、凹凸分布はロールの中心Oを原点とした図のような極座標系で、(R+h(R・t),t)と表されるものとする。
【0042】
ここで、R≫hであり、tが小さいことを考慮すると
x={R+h(R・t)}・sint≒R・t
y={R+h(R・t)}・cost-R≒h(R・t)-R・t2/2
すなわち、
y=h(x)-x2/(2R)
とおける。よって、前記第1の手段の説明のうち、魔鏡光学系に得られる明暗のパターンの考察において述べた考察においてh(x)をh(x)-x2/(2R)に置き換えれば、全く同様に定式化できる。すなわち、(6)式に対応して、
【0043】
【数6】
u={cosθ+2sinθ・(dh(x)/dx-x/R)・x-2L・{dh(x)/dx-x/R} …(9)
が得られる。
【0044】
ここでL≫x・sinθとすると、
u=x・cosθ-2L・{dh(x)/dx-x/R} …(10)
となり、これはR〜∞のときの(7)式に相当する。
【0045】
さらに、2L/R≫cosθのときには
u=2L・{x/R-dh(x)/dx} …(11)
となり、検出感度は、検出距離Lや入射角θにはあまり依存せず、ロール半径Rに大きく依存する。そうすると、半径Rの小さいロール部で測定する場合、dh(x)/dxの値によっては検出能が十分でなくなる場合も想定される。その場合の対策について以下に述べる。
【0046】
(11)式は、被検査体の座標xが、スクリーン上では2L/R倍で投影され、凹凸による反射光のフレdh(x)/dxは、2L倍に拡大されることを示している。従って、被検査体上の座標xをどのような倍率でスクリーンに投影するかを変更すれば、検出感度を変化させることができる。
【0047】
これを実現する方法としては、例えば、図15のように、ロール上の任意の点で入射角が一定値θとなるような集束光を入射することが考えられる。ただし、このような集束光を作ることは、光線が1点で交わるような光束でないため、凹面鏡に浅い角度で入射した反射光を用いる等、光学系の収差を積極的に利用することにより可能ではあるが、実際上はエンジニアリング的に容易ではない。
【0048】
よって、このような方法でなく、収差のない光学系を利用して実現することを考える。図16に示されるように、ロールの頂点Aに入射角θで光が入射するとする。そして、この光線の延長上の点Fに集光するような集束光を考え、その入射点をBとする。
【0049】
このとき、図における角∠AOF=ξは、B点における入射角をη、∠AOB=φとすると、
ξ≒{(π/2-η)-φ/2}・φ/{η-θ+φ} …(12)
となり、ηは
η≒{(π/2-φ/2)・φ+(θ-φ)・ξ}/(ξ+φ) …(13)
で与えられる。ただし、φ、ξ、(π/2-θ)、(π/2-η)、a/R(aはAGの長さ)は、いずれも1より十分小さいと仮定した。
【0050】
図16に示される関係から
【0051】
【数7】
(L・sinθ+R・sinφ+u・cosθ)/{L・cosθ+R・(1-cosφ)-u・sinθ}=tan(η-φ) …(14)
が成立する。
これをuについて解くと、
【0052】
【数8】
u=[L{cosθ-sinθ/tan(η-φ)}+R・{(1-cosφ)-sinφ/tan(η-φ)}]/{cosθ/tan(η-φ)+sinθ} …(15)
が成立する。
【0053】
ここで、φ、(π/2-θ)、(π/2-η)は、いずれも1より十分小さいことを考慮して、各項を以下のように近似する。
【0054】
【数9】
cosθ-sinθ/tan(η-φ)=sin(π/2-θ)-cos(π/2-θ)・tan(π/2-η+φ)
≒-θ+η-φ
(1-cosφ)-sinφ/tan(η-φ)≒φ2/2-φ(π/2-η+φ)
=-φ(π/2-η+φ/2)
1/{cosθ/tan(η-φ)+sinθ}≒1
【0055】
これらを(15)式に代入して、
u≒L・(-θ+η-φ)-R・(π/2-η+φ/2)・φ …(16)
を得る。
【0056】
ここで、被検査体に凹凸があり、点Bにおける凹凸
h(x)=h(−R・φ)
により反射角ηが(η−Δη)に変化したとする。ここに、
Δη≒2dh(x)/dx=2dh(-R・φ)/dx
である。
【0057】
このときのスクリーン上での反射光線の位置u’は(16)式でηを(η−Δη)で置き換えて
【0058】
【数10】
u'≒L・(-θ+η-φ)-R・(π/2-η+φ/2)・φ-(L+R・φ)Δη …(17)
となる。今、L≫R・φが成り立つような観察位置とすると、(17)式は。
u'≒2L・{(-θ+η-φ)/2-dh(-R・φ)/dx} …(18)
となる。
【0059】
これらを基に、いくつかの典型的な場合について(18)式に対応するu’を計算してみる。このとき、φ≒-x/Rの関係を利用する。
【0060】
(i) 平行光入射(η=θ−φ)の場合
u≒2L・{-φ-dh(-R・φ)/dx}
≒2L・{x/R-dh(x)/dx} …(19)
これは、前記(11)式に一致する。
【0061】
(ii) 集光点が図16におけるG点(ロール円周上)の場合
このときη=θ−φ/2となる。よって、
u'≒2L・{-3φ/4-dh(-R・φ)/dx}
≒2L・{3x/(4R)-dh(x)/dx} …(20)
【0062】
(iii) 集光点が図16における点Aの場合、
このときη=(π−φ)/2となる。よって、
u≒2L・[-{3φ-(π-2θ)/4}-dh(-R・φ)/dx]
=2L・[-{3φ-(π-2θ)/4}-dh(x)/dx] …(21)
【0063】
以上のように、集光光とすることで、見かけ上のRの値が変わり、感度を変化させることができる。以上は被検査体表面が曲面の場合について説明したが、被検査体表面が平面の場合でも、同様の効果が得られる。
【0064】
光束の集束点をどこにすべきかについては、上述した事項以外に考慮すべき点がある。それは、図17(a)に示すように、測定対象面のある位置と、そこから反射された光がスクリーンに投影される位置が、1対1に対応しなくなる場合があることである。このようなことが、魔鏡の原理を使用した欠陥検出方法に好ましくないことは言うまでもない。
【0065】
図17(b)のように、ロールに入射した光線が仮想的にロール内部に入りこんだと考えた場合、ロール表面から出射される点(ロール表面上にある点)Gを集束点として選ぶことを考える。この場合図18に示すように、ロール表面に等間隔の点(…、x-2、x-1、x0、x1、x2、…)を考えると、円弧xi-1−xiに対応する中心角はいずれもαである。また、円周角∠xi-1Gxiは、いずれもα/2である。
【0066】
よって、点Xiにおける入射角は(θ+α・i/2)となり、反射方向は、x軸に対して(θ+3α・i/2)の角度を有することになる。
【0067】
従って、図17(b)のように、ロール表面に対応する点を光束の集束点として選ぶことにより、測定対象面のある位置とそこから反射される光がスクリーンに到達する位置が1対1、しかもほぼリニアな関係となるため、魔鏡の原理を使用した欠陥検出方法に好ましい条件が得られる。
【0068】
すなわち、本手段においては、光束を集束させることにより、投影される像の大きさを小さくして感度の向上を図ると共に、感度を変化させることができ、しかも、この光束の仮想集束位置を図17(b)におけるロール表面に対応する点、すなわち、光束が照射されているロールに接している被検査体と同じ曲率と中心を有する仮想円周上におくことにより、測定対象面のある位置とそこから反射される光がスクリーンや撮像面に到達する位置が1対1に対応し、しかもほぼリニアな関係とすることができて、魔鏡の原理を使用した欠陥検出方法に好ましい条件が得られる。ここで、「光束の仮想集束位置」とは、実際の光線は被検査体に反射されるわけであるが、反射されないで直進した場合に集束する位置のことをいう。
【0069】
「光束の仮想集束位置」は、正確にロールに接している被検査体と同じ曲率と中心を有する仮想円周上にある必要はなく、被検査体からの反射光線がクロスすることがなければ、その範囲が許容範囲となる。それが「近傍」の意味である。この仮想集束位置を光が被検査体に入射する点に近づけていくと、前述のように反射光線のクロスの問題が生じるが、入射光束の幅を狭く制限すること、すなわち、照射範囲を狭く制限することにより、クロスの問題を解決することができる。しかし、この場合には一度に測定できる範囲が狭くなり、大きな疵に対しては、魔鏡現象による疵の像を生じさせることができなくなることもある。いずれにしても、「近傍」の範囲は、このような照射範囲等を考慮して、当業者が容易に決定することができる。
【0070】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光を投影するスクリーンと、当該スクリーン上の光強度分布を測定する受光器とを有してなることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0071】
本手段においては、被検査体の表面で反射された光は、たとえば半透明のスクリーンに投影される。受光器は、この半透明のスクリーンの裏側から、スクリーンに写った反射光線の像を撮像する。微小凹凸欠陥があると、その点が明部又は暗部となってスクリーンに写し出されるので、それを検出することにより、微小凹凸欠陥を検出することができる。
【0072】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第6の手段であって、前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光のうち、被検査体の長手方向に対応する一次元方向成分については、被検査面からの反射光を、前記スクリーン上に縮小投影する光学系を有することを特徴とすることを特徴とするもの(請求項7)である。
【0073】
レーザの反射光をスクリーンに投影し、レンズ系により結像されたパターンをカメラで撮像する場合、像界のスペックルが問題となることがある。本手段においては、被検査面からの反射光を、前記スクリーン上に縮小投影する光学系を有すること、又はレンズのF値を所定の値より小さくすることの少なくとも一方を採用するにより、スペックルサイズを小さくして、スペックルの影響を小さくすることができる。どの程度の縮小光学系にするか、どの程度のF値にするかは、被検査体の表面粗さと検出すべき疵の凹凸量・サイズ等から実験的に決定すればよい。
【0074】
なお、本明細書で被検査面の「幅方向」というのは、被検査体と検査装置の相対的な運動方向に直角な方向をいうものであり、被検査体と検査装置の相対的な運動方向を被検査体の「長手方向」と称する。
【0075】
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第6の手段であって、前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光のうち、一次元方向成分については、被検査面の像を前記スクリーン上に結像する光学系を有することを特徴とするもの(請求項8)である。
【0076】
本手段においては、光源としてラインライトガイド等のライン状のものを使用できるので、ラインの広幅方向を被検査面の幅方向に一致させれば、入射角の広がりを狭くすることができ、確実に魔鏡現象を起こすことができる。そして、被検査体又は表面検査装置を移動させることにより、平面の検査を行うことができる。入射光は、被検査面の幅方向には拡散光となるが、こちらの方向成分については、被検査面の像をスクリーン上に結像させることにより、拡散光により魔鏡現象の発生が阻害されるのを防止することができる。
【0077】
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、前記検出系が、撮像素子と前記被検査体の表面により反射された光を当該撮像素子上に投影する光学系を有することを特徴とするもの(請求項9)である。
【0078】
前記第6の手段においては、反射された光をスクリーン上に投影して、スクリーン上の光強度分布を受光器で測定していたが、本手段においては、反射された光を直接撮像素子で測定している。よって、前記第6の手段と同様の作用効果が得られる。
【0079】
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第9の手段であって、前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光のうち、被検査体の長手方向に対応する一次元方向成分については、被検査面からの反射光を、前記撮像素子上に縮小投影する光学系とを有することを特徴とするもの(請求項10)である。
【0080】
本手段は、前記第7の手段におけるスクリーンを設けず、直接撮像素子上に投影しているが、その他の構成は前記第7の手段と同じである。よって、前記第7の手段と同じ作用効果を有する。この場合には、撮像面から照射範囲を見込む角を大きく選定することによりスペックルの影響を小さくすることができる。
【0081】
前記課題を解決するための第11の手段は、前記第9の手段であって、前記検出系は、前記被検査体の表面により反射された光のうち、一次元方向成分については、被検査面の像を前記撮像素子上に結像する光学系を有することを特徴とするもの(請求項11)である。
【0082】
本手段は、前記第8の手段におけるスクリーンを設けず、直接撮像素子上に投影しているが、その他の構成は前記第8の手段と同じである。よって、前記第8の手段と同じ作用効果を有する。
【0083】
前記課題を解決するための第12の手段は、前記第8の手段又は第11の手段であって、前記光源が、一次元方向には集束性を、もう一次元方向には拡散特性を有する光源であることを特徴とするもの(請求項12)である。
【0084】
本手段によれば、後に発明の実施の形態の欄で延べるように、ラインライトガイドとシリンドリカルレンズを使用する等の簡単な方法で、被検査体に対して集束する照射光を作り出すことができる。この光源を使用した場合には、光束の長手方向(拡散特性を有する方向)を被検査体表面に対して集束させることで、高感度に魔鏡現象を発生させることができるが、光束の長手方向には光が拡散するので、入射方向が一定でなく、ボケが発生する。これを防ぐためには、光が照射される被検査体表面の像を、スクリーン又は撮像面に結像させるようにすればよい。
【0085】
なお、「被検査体に対して集束する照射光」とは、被検査体の表面に達したときに、その光束が集束する方向に向かっていることをいい、被検査体表面に集束していることを意味するものではない。
【0086】
前記課題を解決するための第13の手段は、前記第1の手段から第12の手段のいずれかであって、前記検査装置は、被検査体の幅全体の一部分を検査する検査装置を幅方向に移動させる移動機構を有してなることを特徴とするもの(請求項13)である。
【0087】
被検査体の幅方向全面を一度に検査することをせず、その一部を検査できる検査装置を用い、この検査装置を幅方向に往復移動させて、被検査体表面をスキャニングして検査を行っている。検査対象となる疵は一過性のものではなく、ロール疵やチャタマークのように周期性を有し、繰り返し現れるものであるので、このように間欠的な検査でも発見することができる。
【0088】
前記課題を解決するための第14の手段は、前記第13の手段であって、前記検査装置は、前記周期的に発生する疵の想定される最大周期の2倍以上に相当する距離だけ、前記被検査体が進む時間中、前記被検査体の幅方向の同一場所を検査できるだけの速度で移動するものであることを特徴とするもの(請求項14)である。
【0089】
ロール疵等の周期性を有する疵の場合には、問題のロールを特定し、対策を講じる必要がある。そのためには、疵の発生周期を知ることが必要である。よって、本手段においては、前記検査装置は、被検査体の幅方向の同一位置を、少なくとも想定される疵の最大周期の2倍以上の長さに相当する距離だけ、前記被検査体が進む時間中連続して検査することできるだけの速度で移動するようにしている。よって、幅方向の同一場所の連続検査中に、最大周期を有する欠陥であっても、少なくとも2回は現れるので、これから周期性を有する疵の発生周期を特定することができる。
【0090】
検査装置は、必ずしも連続的にトラバースしながら検査を行う必要はなく、停止した状態で、ある幅方向位置の測定を、周期性を有する欠陥の予想される最大周期の2倍以上の長さに亘って行った後、視野幅以下の距離だけトラバースするという動作を繰り返して全幅の測定を行ってもよい。
【0091】
前記課題を解決するための第15の手段は、所定の形状及び材質を有する鋼板を製造する工程と、生産された鋼板上の微小欠陥の有無を前記第1の手段から第14の手段のいずれかである表面検査装置を用いて検査する検査工程と、その検査結果に基づいて鋼板を最終製品とするかどうかを判断する工程と、最終製品としないと判断された鋼板について、微小凹凸欠陥を無くしてから最終製品とする工程とを有することを特徴とする微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法。(請求項15)である。
【0092】
本手段においては、公知の方法により所定の形状及び材質を有する鋼板を製造した後、第1の手段から第14の手段のいずれかである表面検査装置を用いて、その鋼板上の微小欠陥の有無を検査し、その結果に基づいて予め定められた基準により、その鋼板を最終製品とするかどうかを判断する。この基準は、欠陥の種類とその程度等からその鋼板を最終製品としてよいかどうかを決定するもので、公知の方法を適用して、その鋼板に要求される仕様に応じて、適宜決定することができる。
【0093】
そして、最終製品としてよいと判断された鋼板については出荷を行う。最終製品とできないと判断された鋼板については、再び調質圧延を行う等の手段により微小凹凸欠陥を無くしてから出荷を行う。
このようにして、微小凹凸欠陥の無い鋼板を効率的に製造することができる。
【0094】
前記課題を解決するための第16の手段は、前記第15の手段であって、前記微小欠陥を無くしてから最終製品とする工程中に、前記第1の手段から第14の手段のいずれかである表面検査装置を用いて微小凹凸欠陥の有無を検査する検査工程と、その検査結果に基づいて鋼板を最終製品とするか否かを判断する工程とを有することを特徴とするもの(請求項16)である。
【0095】
本手段においては、手入れ等より微小凹凸欠陥を無くしてから、再び第1の手段から第14の手段のいずれかである表面検査装置を用いて微小凹凸欠陥の有無を検査する検査工程と、その検査結果に基づいて鋼板を最終製品とするか否かを判断しているので、確実に微小凹凸欠陥の無い鋼板のみを最終製品とすることができる。
【0096】
前記課題を解決するための第17の手段は、前記第15の手段、又は第16の手段のいずれかであって、前記検査工程において微小凹凸欠陥が発見された場合には、その発生周期を測定し、測定した周期及び欠陥の種類から微小凹凸欠陥の発生原因となっている部位を特定する工程と、特定された部位を処置することにより欠陥の発生を無くする工程を有することを特徴とするもの(請求項17)である。
【0097】
本手段においては、微小凹凸欠陥の周期及び種類から、鋼板の製造ラインにおける欠陥の発生部位(例えば、特定設備の特定ロール)を特定し、特定された部位を処置(例えばロール交換や研磨等による修理)することによって、欠陥の発生を無くしている。よって、早期に微小凹凸欠陥の発生を無くすることができる。
【0098】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態である表面検査装置の構成を示す概要図である。図1において1は鋼板、2はロール、3は検出ヘッド、4は光源、5はミラー、6はスクリーン、7は2次元カメラ、8は信号処理装置、9は出力装置である。
【0099】
鋼板1は、2つのロール2によって張力をかけられ、平面に張られて走行している。鋼板1の表面に近接して検出ヘッド3が設置されている。検出ヘッド3中には、光源4が設けられ、鋼板1の表面に、可視域の波長の集束光を入射角θが90度近くの大きな角度、例えば87度で照射している。集束光は、ランプからからの光を一旦集光し、ピンホールを透過させた後、レンズまたは放物面鏡を用いて形成している。この集束光は、ミラー5で反射された後、前記の入射角で鋼板1の表面を照射する。
【0100】
鋼板1の表面で反射された光は、半透明のスクリーン6上に像を結ぶ。その像をスクリーン6の背面から2次元カメラ(CCDカメラ等)7で撮像し、信号処理装置8で画像処理を行うことにより凹凸性疵を検出する。鋼板表面からの反射光は鏡面反射光となるが、凹凸性疵があると、その部分が、明るい又は暗いパターンとしてスクリーン6に写るので、疵の存在を検出することができる。画像処理の方法としては、2値化処理等、周知の手法を使用することができる。鋼板1の移動速度が高速の場合、撮影した像のぶれを防ぐために、ストロボ光源を使用して照明時間を短くすることが必要である。
【0101】
図2は、冷延鋼板のロール疵及を測定した場合の、照射光の入射角θとS/N比の関係を示したものである。このように、これらの疵は、入射角87度以下では検出が困難であるのに対し、87度以上とすることによりS/N比を大きくでき、検出可能になっていることがわかる。
【0102】
以上の実施の形態では、ストロボ光源と二次元カメラを用いたが、線状光源とリニアアレイカメラを用いることもできる。
【0103】
本発明の第2の実施の形態である表面検査装置の構成を概要図を図3に示す。以下の図においては、前出の図に示された要素と同じ要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。図3に示した実施の形態は、基本的には図1に示したものと同じであるが、光源4に波長10.6μmのパルス発振のCO2レーザを、2次元カメラにサーモカメラを用いている。このように、長い波長の光を用いると入射角θの制約がなくなり、入射角θを小さくすることができるので、パスライン変動によりスクリーン上の像がぶれる影響を小さくすることができる。
【0104】
図4に本発明の第3の実施の形態である表面検査装置の構成の概要図を示す。本実施の形態においては、図のように、鋼板1がロール2に巻き付いている部分を測定している。さらに、測定点の各点における入射角が等しくなるように、光源4から、ミラー5を介して、ロール径に合わせて集束する光を入射させている。このように、ロールに巻き付いている位置で測定することにより、被検査体のパスライン変動を極力抑えることができる。
【0105】
図5に本発明の第4の実施の形態である表面検査装置の構成の概要図を示す。(a)が側面図、(b)が平面図であり、7’はリニアアレイセンサ、10はシリンドリカルレンズである。
【0106】
光源4にはレーザが用いられており、スリット状のレーザ光が入射角87度以上でロール2に巻きつけられた鋼板1に入射する。この光は、鋼板1の表面上では、さらにその先で集束するような方向に向かう集束光となっている。スリット状のレーザ光は、その広幅方向が、鋼板1の幅方向に一致するようにされている。
【0107】
鋼板1で反射された光は、シリンドリカルレンズ10により、図5(b)に示すように、鋼板1の幅方向については、リニアアレイセンサ7’上に縮小投影される。一方、図5(a)に示すように、鋼板1に垂直な面内においては、ロール2の形状により拡がる光となり、シリンドリカルレンズ10の影響は受けずにリニアアレイセンサ7’上に入射される。シリンドリカルレンズ10を用いるのは、幅の広いレーザースリット光を、幅の狭いリニアアレイセンサ7’面に集束させるためである。
【0108】
すなわち、この実施の形態は、鋼板1の幅方向に長い一次元の検査範囲を有している。そして、鋼板1は、ロール2の回転により図5(a)の矢印方向に移動するので、順次リニアアレイセンサ7’からの信号を読み出し、図示しない信号処理装置に入力することで、鋼板1を2次元的に検査する。信号処理装置は、明暗の画像信号より凹凸性疵の有無を判定する。
【0109】
この実施の形態においてはシリンドリカルレンズ7’を用いているが、例えば球面レンズ等を用いるなどにより、図5(a)の紙面内についても反射光の広がりを変化させると、全体の光束に対するセンサの相対的な大きさが変化することになるので、魔鏡像を検出する際の位置や分解能を変えることができる。
【0110】
次にラインライトガイドを光源に用いた実施の形態について説明する。具体的な実施の形態の説明に先立ち、図6にラインライトガイドとシリンドリカルレンズを組み合わせた光源を示す。図6において(a)が平面図、(b)が側面図であり、10’はシリンドリカルレンズ、11はラインライトガイド、11aはバンドルファイバである。
【0111】
本光源は、水平方向に長いラインライトガイド11と、垂直方向で凸レンズ作用を有し、水平方向ではレンズ作用を有しないシリンドリカルレンズ10’を組み合わせたものである。光発生源からバンドルファイバ11aを介して伝達された光は、ラインライトガイド11の先端部から放出されるが、各光ファイバの開口角(半角)はφとなっている。そして、垂直方向の光の放出点の幅はdであり、水平方向には十分大きな放出幅を有している。ラインライトガイド11の光放出面は、シリンドリカルレンズ10’の焦点面より遠くに置かれている。
【0112】
よって、垂直方向断面では、この光源からの光は、集束光となっている。一方、水平方向断面では図6(a)に示されるように、ファイバの開口角φの2倍の開き角を有する拡散光源となっている。すなわち、この光源からの光は、一次元方向には集束性を、もう一次元方向には拡散特性を有している。このような光源を用いて魔鏡現象を観察しようとしても、魔鏡の原理による明点及び暗点は、水平方向の光の拡散性のためにボケを生じるので、そのままでは明瞭に現れない。
【0113】
そこで、図7に示すように、光源が拡散性を有する水平方向について、被検査体の一点から反射された光を結像するためのシリンドリカルレンズ10を設ける。すると、光源が拡散性を有する方向については、被検査面の像がリニアアレイセンサ7’表面に結像するので、光源の拡散性によるボケを生じることなく、また、光源が平行性を有する方向については、従来通り魔鏡の原理が成立するため、結果として魔鏡の原理による明点及び暗点が観察できるようになる。このような系を構成することにより、従来においてはランプの光を一旦ピンホールによって絞ってからレンズ系で平行光束を作るのに対し、バンドルファイバ全体に入射する光を全て利用できるので、光発生源からの光量を有効に利用することができる。
【0114】
図8に、具体的な実施の形態(第5の実施の形態)の概要図を示す。図示しないランプの光は、バンドルファイバ11aへ入射され、ファイバが紙面に垂直な方向に線状に配置されたラインライトガイド11より出射される。出射された光は、図8の紙面に平行な方向については、シリンドリカルレンズ10’により集束光とされ、鋼板1に入射する。一方、紙面に垂直な方向については、拡散光として鋼板1に入射する。鋼板1からの反射光は、紙面に垂直な方向については、シリンドリカルレンズ10によって、検査線上の一点がリニアアレイ7’上の一点に結像される。
【0115】
すなわち、この実施の形態も、鋼板1の幅方向に長い一次元の検査範囲を有している。そして、鋼板1は走行するので、順次リニアアレイセンサ7’からの信号を読み出し、図示しない信号処理装置に入力することで、鋼板1を2次元的に検査する。信号処理装置は、明暗の画像信号より凹凸性疵の有無を判定する。
【0116】
このような、反射光を一次元方向について結像させて観察するという考え方は、例えば図5に示すような平行光源の場合にも適用することができる。すなわち、入射角を大きくすることにより魔鏡の感度が向上している図5(a)の断面で見た方向に関しては結像系を用いず、図5(b)の断面で見た方向について結像系を導入することにより、検出能は維持したまま、若干の拡散反射に起因する像のボケや受光光量ロスを向上させることができる。
【0117】
以上の実施の形態においては、一方向のみの結像のためにシリンドリカルレンズ1枚を用いたが、本発明はこのような実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。たとえば、レンズを複数枚使用したり、図9に示すように、2枚のシリンドリカルレンズを用いたテレセントリック系を用いることも可能である。このようにテレセントリック系を用いることにより、素子ごとの光量むらを減少させることができる。
【0118】
また、以上の実施の形態においては、被検査面による反射光をリニアアレイセンサ上に投影したが、リニアアレイセンサの代わりにスクリーンを設け、スクリーン上の像を撮像装置で観察することも可能である。
【0119】
以上の実施の形態において、光源としてレーザを用いる場合、スペックルと言われるランダムな干渉パターンがノイズになることがある。例えば、図1のようにレーザの反射光をスクリーンに投影し、レンズ系により結像された像をカメラで撮像する場合、像界のスペックルが問題となる。
【0120】
像界のスペックルの径は、レンズのF値に比例することが知られており、F値を小さく選定することによりスペックルサイズを小さくして、スペックルの影響を小さくすることができる。
【0121】
また、図5のように、スクリーンを置かず、撮像素子上に直接投影する場合には、回折界のスペックルが問題となる。この場合、スペックルの平均径は、撮像面からの照射範囲を見込む角αを用いると、1/α2に比例することが知られているから、αを大きく選定することによりスペックルの影響を小さくすることができる。また、図5のように、シリンドリカルレンズ10を用いて、一方向に縮小投影し、空間的平均化を実施することも有効である。
【0122】
図10に、以上の各実施の形態における検出ヘッド3と鋼板1との関係の1例を示す。図10において12はリニアガイドである。図10(a)に示すように、これら各実施の形態においては、検出ヘッド3は、鋼板1の板幅全域に亘って検査が可能なものではなく、検査視野はその一部のみをカバーするようになっている。そして、図に示すように、リニアガイド12に沿って鋼板1の幅方向にトラバースして往復し、鋼板1の表面をジグザグに検査するようになっている。
【0123】
鋼板1の検査される面の様子を図10(b)に示す。検出ヘッド3の視野範囲は、図に示すように斜めになっている。そして、検出ヘッド3が、その視野幅だけ横に移動する間に、鋼板1は、周期性を有する疵の想定最大周期の2倍以上の長さだけ移動するようになっている。これにより、鋼板1の幅方向同一位置は、鋼板1が、周期性を有する疵の想定最大周期の2倍以上の長さだけ移動する間に亘って連続的に検査されるので、最大周期を有する疵でも、この間に必ず2回検出できる。よって、周期性を有する疵の周期を判別することができる。
【0124】
このように、周期性を有する疵の検出を目的とする場合には、鋼板1の一部のみの検査視野を有する検査装置をトラバースさせて鋼板1全面の欠陥検出を行うことができ、安価な装置とすることができる。また、本実施の形態では、幅方向に連続的にトラバースしながら測定を行なったが、一定位置で最大周期の2倍以上の距離を測定した後、検出ヘッドの視野分移動するというように、間欠的にトラバースさせても構わない。
【0125】
また、本発明に係る表面検査装置を用いると、微小凹凸欠陥の無い鋼板を効率よく製造することができる。すなわち、現在では、高速の生産ラインの場合、抜き取りで砥石がけ検査を行っているため、1つのコイルで微小凹凸欠陥が発見されると、前回の抜き取り検査で欠陥の無かったコイル以降に生産されたコイルには、微小凹凸欠陥が存在する可能性がある。そのため、これら微小欠陥が存在する可能性のあるコイルは、出荷ヤードから検査ラインへ戻され、砥石がけ検査が実施される。そして、問題となる微小凹凸欠陥が存在するコイルは、全て調質圧延ラインに回され再び調質圧延を受ける。
【0126】
図19に本発明の実施の形態の1例である微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法を実施するための鋼板製造ラインの概要を示す。所定の形状と成分を有するように製造された鋼板は、連続焼鈍ラインに入り、焼鈍炉で焼鈍された後、焼鈍ライン内の調質圧延機により調質圧延を受け、所定の材質にされると共に表面粗さを付与される。その後、本発明に係る検査装置により微小凹凸欠陥の有無が検査される。
【0127】
微小凹凸欠陥が検出された場合、その欠陥の種類、程度、単位面積あたりの個数に応じて、その欠陥が製品として問題となる欠陥かどうかが判断される。微小凹凸欠陥が検出されなかったコイル、微小凹凸欠陥が検出されても製品として問題無いと判断されたコイルは、最終製品として出荷ヤードに回されて出荷される。
【0128】
問題となる微小凹凸欠陥が発見されたコイルは、連続焼鈍ラインとは独立した調質圧延ラインに回され、再び調質圧延を受けることによって微小凹凸欠陥を除去され、最終製品となって出荷ヤードに回されて出荷される。このようにして、微小凹凸欠陥の無い鋼板のみを最終製品として製造することができる。また、全コイルがリアルタイムで検査されるので、前述のように、出荷ヤードにあるコイルを戻して検査し直す必要が無くなる。
【0129】
図19において、調質圧延ライン中又は調質圧延ラインと出荷ヤードの中間に本発明に係る検査装置を設け、調質圧延による微小凹凸欠陥の除去が終わった後で再び微小凹凸欠陥の検査を行って、問題となる微小凹凸欠陥が無いことを確認してから出荷ヤードに回すようにすれば、さらに、確実に微小凹凸欠陥の無いコイルのみを最終製品とすることができる。
【0130】
また、焼鈍ライン中に設けられた表面検査装置で、微小凹凸欠陥の発生周期を特定すれば、直ちに、その欠陥がラインのどのロールで発生しているかを判断することができるので、ロール交換や研磨等による修理により微小凹凸欠陥の発生原因を無くすることができる。よって、微小凹凸欠陥が多数のコイルに亘って発生することを防止できる。
【0131】
以上説明したように、この実施の形態においては、微小凹凸欠陥のないコイルを製品として効率的に製造することができる。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る発明においては、光源の波長に対する前記入射角の余弦の値の比が、前記被検体の表面粗さに対応して決定される所定の値以下となるように、前記波長と前記入射角の関係が選定されている。よって、鏡面性が上がって魔鏡現象が起こり、微小凹凸により反射された集束光・発散光が、表面粗さによる拡散光に紛れることがなくなるので、表面粗さと同等の深さの微小凹凸性疵を確実に検出することができる。さらに、被検査体の表面に入射する光束が集束光とされているので、高感度に魔鏡現象を発生させることができる。
【0133】
請求項2に係る発明においては、照射光として可視光を用いることができるので、装置の調整、光軸合わせ等を容易に行うことができる。
請求項3に係る発明においては、入射角を小さくすることができるので、被検査体の凹凸や振動に対しても、その影響を小さいものにすることができる。
【0134】
請求項4に係る発明においては、被検査体のばたつきや大きな凹凸を小さくすることができるので、照射光の入射角を大きくしても、受光位置が大きく変動することが無く、安定した検出が可能となる。
【0135】
請求項5に係る発明においては、測定対象面のある位置とそこから反射される光がスクリーンや撮像面に到達する位置が1対1に対応し、しかもほぼリニアな関係とすることができて、魔鏡の原理を使用した欠陥検出方法に好ましい条件が得られる。
【0136】
請求項6に係る発明、請求項9に係る発明においては、微小凹凸欠陥があると、その点が明部又は暗部となってスクリーンに写し出されたり撮像面に投影されるので、それを検出することにより、微小凹凸欠陥を検出することができる。
請求項7に係る発明、請求項10に係る発明においては、スペックルサイズを小さくして、スペックルの影響を小さくすることができる。
【0137】
請求項8に係る発明、請求項11に係る発明においては、スリットの広幅方向を被検査面の幅方向に一致させれば、入射角の広がりを狭くすることができ、確実に魔鏡現象を起こすことができる。
【0138】
請求項12に係る発明においては、ラインライトガイドとシリンドリカルレンズを使用する等の簡単な方法で、被検査体に対して集束光である照射光を作り出すことができる。
【0139】
請求項13に係る発明においては、被検査体の幅方向前面を一度に検査することをせず、その一部を検査できる検査装置を用い、この検査装置を幅方向に往復移動させて、被検査体表面をスキャニングして検査を行っているので、装置を安価なものとすることができる。
【0140】
請求項14に係る発明においては、幅方向の同一場所の連続検査中に、最大周期を有する欠陥であっても、少なくとも2回は現れるので、これから周期性を有する疵の発生周期を特定することができる。
【0141】
請求項15に係る発明においては、微小凹凸欠陥の無い鋼板を効率的に製造することができる。
請求項16に係る発明においては、確実に微小凹凸欠陥の無い鋼板のみを最終製品とすることができる。
請求項17に係る発明においては、早期に微小凹凸欠陥の発生を無くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である表面検査装置の構成を示す概要図である。
【図2】冷延鋼板のロール疵及を測定した場合の、照射光の入射角θとS/N比の関係の例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である表面検査装置の構成を示す概要図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態である表面検査装置の構成を示す概要図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態である表面検査装置の構成を示す概要図である。
【図6】ラインライトガイドとシリンドリカルレンズを組み合わせた光源の概要図である。
【図7】光が拡散性を有する方向について、結像光学系を設けた例を示す概要図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態である表面検査装置の構成を示す概要図である。
【図9】2枚のシリンドリカルレンズを用いたテレセントリック系の結像装置の例を示す概要図である。
【図10】検出ヘッドをトラバースさせて検査する例の概要を示す図である。
【図11】魔鏡光学系によって得られる明暗のパターンの発生を説明するための図である。
【図12】魔鏡光学系によって得られる明点における光線の集束状況を示す図である。
【図13】入射角と明暗のパターンのピッチとの関係を示す図である。
【図14】ロールに巻きついた被検査体を示す図である。
【図15】ロール上の任意の点で入射角が一定値θとなるような集束光を示す図である。
【図16】光束の集束点と反射光のスクリーン上での位置の関係を示す図である。
【図17】光束の集束点と反射光の向きの関係の例を示す図である。
【図18】光束の集束点をロールの円周上に置いた場合の、反射光の向きを示す図である。
【図19】微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法を実施する製造ラインの概要図である。
【符号の説明】
1…鋼板、2…ロール、3…検出ヘッド、4…光源、5…ミラー、6…スクリーン、7…2次元カメラ、7’…リニアアレイセンサ、8…信号処理装置、9…出力装置、10、10’…シリンドリカルレンズ、11…ラインライトガイド、11a…バンドルファイバ、12…リニアガイド

Claims (17)

  1. 表面粗さが粗い被検査体の表面に所定の入射角で光束を照射する光源と、前記被検査体の表面から反射された光を検出する検出系とを有し、微小凹凸性疵を検出する表面検査装置において、前記光源の波長λに対する前記入射角θの余弦の値の比cosθ/λが、前記被検体の凹凸量の正規分布の標準偏差σに対応して、以下の(A)式を満たすように、前記波長と前記入射角の関係が選定されており、前記光源から被検査体の表面に入射する光束が集束光とされ、前記検出系は、被検査体の微小凹凸疵により反射された光の収束及び発散によって得られる明暗パターンに基づいて微小欠陥を検出することを特徴とする表面検査装置。
    (4πσcosθ/λ)≦(4π×0.025cos0/0.5) …(A)
    但しλは光源の波長である。
  2. 前記光源の波長として可視域の波長を選定し、前記入射角として90度近くの大きな角度を選定したことを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
  3. 前記光源の波長として赤外域の波長を選定したことを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
  4. 前記光源は、前記被検査体がロールに接している部位に光束を照射するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
  5. 前記光束の仮想集束位置が、光束が照射されているロールに接している被検査体と同じ曲率と中心を有する仮想円周上近傍にあることを特徴とする請求項4に記載の表面検査装置。
  6. 前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光を投影するスクリーンと、当該スクリーン上の光強度分布を測定する受光器とを有してなることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
  7. 前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光のうち、被検査体の長手方向に対応する一次元方向成分については、被検査面からの反射光を、前記スクリーン上に縮小投影する光学系を有することを特徴とする請求項6に記載の表面検査装置。
  8. 前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光のうち、一次元方向成分については、被検査面の像を前記撮像素子上に結像する光学系を有することを特徴とする請求項6に記載の表面検査装置。
  9. 前記検出系が、撮像素子と前記被検査体の表面により反射された光を当該撮像素子上に投影する光学系とを有することを特徴とする請求項1から1から請求項5のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
  10. 前記検出系が、前記被検査体の表面により反射された光のうち、被検査体の長手方向に対応する一次元方向成分については、被検査面からの反射光を、前記撮像素子上に縮小投影する光学系とを有することを特徴とする請求項9に記載の表面検査装置。
  11. 前記検出系は、前記被検査体の表面により反射された光のうち、一次元方向成分については、被検査面の像を前記撮像素子上に結像する光学系を有することを特徴とする請求項9に記載の表面検査装置。
  12. 前記光源は、一次元方向には集束性を、もう一次元方向には拡散特性を有する光源であることを特徴とする請求項8又は請求項11に記載の表面検査装置。
  13. 前記検査装置は、被検査体の幅全体の一部分を検査する検査装置を幅方向に移動させる移動機構を有してなることを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
  14. 前記検査装置は、前記周期的に発生する疵の想定される最大周期の2倍以上に相当する距離だけ、前記被検査体が進む時間中、前記被検査体の幅方向の同一場所を検査できるだけの速度で移動するものであることを特徴とする請求項13に記載の表面検査装置。
  15. 所定の形状及び材質を有する鋼板を製造する工程と、生産された鋼板上の微小欠陥の有無を請求項1から請求項14のうちいずれか1項に記載の表面検査装置を用いて検査する検査工程と、その検査結果に基づいて鋼板を最終製品とするかどうかを判断する工程と、最終製品としないと判断された鋼板について、微小凹凸欠陥を無くしてから最終製品とする工程とを有することを特徴とする微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法。
  16. 請求項15に記載の微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法であって、前記微小欠陥を無くしてから最終製品とする工程中に、請求項1から請求項14のうちいずれか1項に記載の表面検査装置を用いて微小凹凸欠陥の有無を検査する検査工程と、その検査結果に基づいて鋼板を最終製品とするか否かを判断する工程とを有することを特徴とする微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法。
  17. 請求項15又は請求項16に記載の微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法であって、前記検査工程において微小凹凸欠陥が発見された場合には、その発生周期を測定し、測定した周期及び欠陥の種類から微小凹凸欠陥の発生原因となっている部位を特定する工程と、特定された部位を処置することにより欠陥の発生を無くする工程を有することを特徴とする微小凹凸欠陥の無い鋼板の製造方法。
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