JP3452486B2 - 圧延材の表面欠陥検出方法および装置 - Google Patents

圧延材の表面欠陥検出方法および装置

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JP3452486B2 JP14248498A JP14248498A JP3452486B2 JP 3452486 B2 JP3452486 B2 JP 3452486B2 JP 14248498 A JP14248498 A JP 14248498A JP 14248498 A JP14248498 A JP 14248498A JP 3452486 B2 JP3452486 B2 JP 3452486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧延された材料の表
面に存在する凹凸や変色などの欠陥を検出するための圧
延材の表面欠陥検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平7−128253号公報には、局
部にレーザを照射しその反射光を受光器で受光してアル
ミディスクのグライド傷を検出し、さらにレーザ部また
はアルミディスクを二次元的に移動させることによりア
ルミディスク全面の傷検出を行う方法が開示されてい
る。この方法には、微細な傷などの欠陥を検出できると
いう利点がある。また、一般的な暗視野型の材料表面欠
陥検出方法の一種として、図15(a)、(b)に示す
ように、市販のリングライトなどの環状光源101を用
いて被検査材102の外側斜め上方から光を照射する方
法が知られている。この方法では、図16(a)、
(b)に示すように、被検査材102の健全部での反射
光は被検査材102の中央上方に配置されたCCDカメ
ラなどの受光センサ103に入射しないが、被検査材1
02の欠陥部での散乱光が受光センサ103に入射する
ことにより、被検査材102上の広い面積を一度に観測
することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法には以下のような問題点があった。まず、特開平
7−128253号公報の方法によると、レーザが局所
的に照射されるので広い面積を観測するためには測定系
(レーザ装置)または被検査材(アルミディスク)を相
対的に移動させる必要があり、そのため被検査材の全面
を観測するには比較的長時間を要し所望の処理速度が得
られないことがある。また、上述したいずれの方法によ
っても、被検査材が圧延材である場合、健全部(正常
部)でも光が散乱してしまい、微細な欠陥の識別が困難
となってしまう。なぜなら、圧延材には健全部にも圧延
ロールから転写された細かな凹凸が形成されており、こ
の凹凸と製品上問題となる欠陥(一般には、圧延ロール
に起因する凹凸よりも深さが大きい)との識別が付けに
くいからである。もしこれらを識別しようとすると、多
くの情報を抽出して画像処理を行う必要があるために処
理時間が非常に長くなってしまうことになる。
【0004】さらに、被検査材が圧延材である場合、例
えば特開平7−128253号公報の方法のように、照
射する光の入射方向の角度範囲が狭い範囲に限定されて
いるときには、欠陥部でも光が十分に散乱せず、そのた
めに欠陥を検出できないことがある。なぜなら、欠陥部
での光の散乱強度は、欠陥部の形状などの特徴によって
決まるものであり、図17に示すように圧延方向に対す
る光の入射角度に依存するが、その依存特性が圧延方向
とは無相関、つまり光の散乱強度が強くなる光の入射角
度が個々の欠陥により異なるからである。
【0005】そこで、本発明の目的は、圧延材の欠陥を
比較的短時間で且つ高い精度で確実に検出することが可
能な圧延材の表面欠陥検出方法および装置を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の請求項1の圧延材の表面欠陥検出方法は、圧
延材の周囲から前記圧延材に光を照射し、この照射光の
前記圧延材による散乱光を前記圧延材の側方で受光する
圧延材の表面欠陥検出方法において前記圧延材の圧延方
向を検出する方向検出ステップと、前記照射光を、前記
方向検出ステップにより検出された圧延方向と直交する
方向を中心とした所定角度範囲方向を除いた方向から照
射する照射ステップとを有するようにした。
【0007】図2(a)に示した圧延材3の健全部にお
いて上述した圧延ロールに起因する凹凸は、図2(a)
のb−b線での断面図である図2(b)に示すように、
圧延方向の断面にはほとんど表れないが、図2(a)の
c−c線での断面図である図2(c)に示すように圧延
方向と直交する方向の断面については顕著に表れる。従
って、圧延材の健全部では、圧延方向から光が照射され
れば散乱がほとんど生じないが、圧延方向に直交する方
向から光が照射されれば図2(c)に示したような凹凸
において光が散乱する。一方、圧延材の欠陥部での散乱
発生は圧延方向とは無相関であるから、欠陥部を精度よ
く検出するためには、散乱特性の健全部における圧延方
向依存性を考慮しないのであれば、圧延材に対してでき
るだけ多くの方向から光を照射することが望まれる。
【0008】被検査材の周囲から光を照射し被検査材の
側方(たとえば上方)において観測を行う暗視野光学系
では、欠陥部での散乱が信号強度に相当し、健全部での
散乱がノイズに相当するため、健全部での散乱強度に対
する欠陥部での散乱強度の相対的な大きさを大きくする
必要がある。しかるに、圧延方向と直交する方向および
その近傍の方向から光が照射されると、上述のように健
全部での散乱強度が大きくなるため、健全部での散乱強
度に対する欠陥部での散乱強度の相対的な大きさ(SN
比)が小さくなってしまい、欠陥部の検出が困難とな
る。そこで、本発明では、圧延材の圧延方向と直交する
方向を中心とした所定角度範囲方向を除いた方向から光
を照射して健全部において散乱される光の割合を減少さ
せることにより、精度の高い欠陥部検出ができるように
した。また、圧延材の周囲から光が照射されるため、比
較的短時間で欠陥検出を行うことができる。
【0009】請求項1の発明の原理を説明するための概
念図を、図1(a)、(b)に示す。図1(a)、
(b)は本発明における圧延材と光源との位置関係の一
例を示す図であって、図1(a)は平面図、図1(b)
は側面図である。図1(a)、(b)において、圧延材
1にはその周囲の斜め上方から環状光源2により光が照
射される。図1(a)において紙面上方が圧延方向であ
るとすると、本発明の方法では、圧延材1の圧延方向と
直交する方向を中心とした所定角度範囲θ方向を除いた
方向から、圧延材1に対して光が照射される。このよう
にして光を照射するには、環状光源2の対応個所を遮蔽
部材で遮蔽してもよく、環状光源2の対応個所だけが光
を照射しないように環状光源2を制御してもよい。この
ように光の照射方向を制御することにより、圧延材1の
健全部における散乱の割合を減少させることができるの
で、欠陥部を高い精度で検出することができるようにな
る。また、圧延材の圧延方向を検出する方向検出ステッ
プにより、圧延材がどのような向きに配置されていて
も、その向きに応じて暗視野型の表面欠陥検出ステップ
での光の照射方向を決めることができる。
【0010】また、請求項2の圧延材の表面欠陥検出方
法は、圧延材の圧延方向と直交する方向を中心とした所
定角度範囲方向を除いて前記圧延材の周囲から前記圧延
材に光を照射し、この照射光の前記圧延材による散乱光
を受光する暗視野型の表面欠陥検出ステップと、前記圧
延材に平行光を照射し、この照射光の前記圧延材による
正反射光を受光する明視野型の表面欠陥検出ステップと
を有している。
【0011】上述した請求項1の表面欠陥検出方法によ
ると、表面が不規則に荒れているために光があらゆる方
向に散乱される微細で急峻な凹凸欠陥を、感度よく検出
することが可能である。しかしながら、上記方法による
と、例えば表面が荒らされていないなだらかな凹凸欠陥
や変色欠陥を検出することができない。なぜなら、急峻
な凹凸では光があらゆる方向に散乱されるが、なだらか
な凹凸では光が一定の方向にしか散乱されず、また変色
欠陥では光が散乱されず、そのためにこういった場合に
は散乱光を受光センサで受光できないからである。そこ
で、請求項2の発明では、請求項1による暗視野型の表
面欠陥検出ステップのほかに、なだらかな凹凸欠陥や変
色欠陥を高い精度で検出可能な明視野型の表面欠陥検出
ステップを行うようにしている。
【0012】この明視野型の表面欠陥検出ステップで
は、圧延材に平行光を照射し、この照射光の圧延材によ
る正反射光を受光することで、健全部と欠陥部との反射
方向や反射強度の違いが識別しやすいため、なだらかな
凹凸欠陥や変色欠陥を高い精度で検出できる。明視野型
の表面欠陥検出ステップによると、図3(a)に示すよ
うに、健全部4aに照射された平行光は正反射して大部
分が受光手段で受光されるので、図4(a)に示すよう
に、健全部4aは受光強度が比較的大きい明るい部分と
して認識される。一方、図3(b)に示すように、欠陥
部4bに照射された平行光は正反射して受光手段で受光
される割合が少なくなり、図4(b)に示すように、欠
陥部4bは受光強度が比較的小さい暗い部分として認識
される。この明視野型の表面欠陥検出ステップは、CC
Dカメラなどの受光センサの分解能制限などのために微
細で急峻な凹凸欠陥の検出感度が悪いので、暗視野型の
表面欠陥検出ステップと明視野型の表面欠陥検出ステッ
プとを組み合わせることにより、微細で急峻な凹凸欠陥
のほかなだらかな凹凸欠陥や変色欠陥などいかなる欠陥
でも検出することが可能となる。
【0013】また、請求項3の圧延材の表面欠陥検出方
法は、前記圧延材の圧延方向を検出するステップをさら
に有している。これにより、圧延材がどのような向きに
配置されていても、その向きに応じて暗視野型の表面欠
陥検出ステップでの光の照射方向を決めることができ
る。
【0014】また、請求項4の圧延材の表面欠陥検出方
法によると、前記所定角度範囲は、健全部での光の散乱
強度に対する欠陥部での光の散乱強度が2倍以上となる
ように決定された角度範囲である。これにより、健全部
での散乱強度に対する欠陥部での散乱強度の相対的な大
きさが欠陥を検出するのに十分な大きさとなって、欠陥
検出精度をより高めることができる。
【0015】また、請求項5の圧延材の表面欠陥検出方
法によると、前記圧延方向から光が照射された場合の健
全部での光の散乱強度に対する前記健全部での光の散乱
強度が2倍以上となる角度範囲方向を除いた方向から前
記照射光が照射される。これにより、健全部での散乱強
度に対する欠陥部での散乱強度の相対的な大きさが欠陥
を検出するのに十分な大きさとなって、欠陥検出精度を
より高めることができる。
【0016】また、請求項6の圧延材の表面欠陥検出方
法によると、前記圧延材の周囲から前記圧延材に照射さ
れる光の前記圧延材の被検査面内における発散角が所定
値以下となるように制限される。
【0017】一般に、健全部において散乱が生じる原因
は、上述した圧延に起因する凹凸と照射される光の広が
り(光の方向依存性)とにあるので、散乱が生じるよう
な光の照射範囲は、圧延に起因する凹凸の規則性と照射
される光の広がり角度(発散角)とに依存する。これら
のうち、凹凸の規則性は表面欠陥検出方法では対処する
のが困難であるので、本発明では、照射される光の圧延
材の被検査面内における発散角を小さく制限することに
より、請求項1および2でいうところの所定角度を小さ
くできるようにした。
【0018】つまり、従来は図18(a)、(b)に示
すように、暗視野型の欠陥検出方法において、光源11
0、112からの光は発散角度が調整されることなく圧
延材114に与えられていた。そのため、請求項1およ
び2でいうところの所定角度を比較的大きくとる必要が
あった。そこで、本発明では、図5(a)、(b)に示
すように、暗視野型の欠陥検出において、光源6、7の
前方に発散角制限手段8、9をそれぞれ配置して、照射
光の圧延材5の被検査面内における発散角度を所定値以
下に制限する。発散角制限手段8、9は、例えばスリッ
トやシリンドリカルレンズなど光の発散角を制限できる
ものであれば、どのようなものであってもよい。これに
より、圧延材に対する光のトータル照射角度を大きくす
ることができて、検出できる欠陥の割合が増大し、検出
精度が向上する。
【0019】また、請求項7の圧延材の表面欠陥検出装
置は、圧延材の圧延方向と直交する方向を中心とした所
定角度範囲方向を除いて前記圧延材の周囲から前記圧延
材に光を照射する第1の光照射手段と、前記第1の光照
射手段からの照射光の前記圧延材による散乱光を受光す
第1の受光手段とを有する暗視野型の表面欠陥検出手
段と、前記圧延材に平行光を照射する第2の光照射手段
と、前記第2の光照射手段からの照射光の前記圧延材に
よる正反射光を受光する第2の受光手段と、前記正反射
光を前記第2の受光手段の受光面上に結像させるための
結像手段とを有する明視野型の表面欠陥検出手段とを備
えている。本発明によると、暗視野型の表面欠陥検出手
段と明視野型の表面欠陥検出手段とを組み合わせること
により、微細で急峻な凹凸欠陥のほかなだらかな凹凸欠
陥や変色欠陥などいかなる欠陥でも検出することが可能
となる。
【0020】求項8の圧延材の表面欠陥検出装置は、
前記第1の光照射手段が、前記圧延材の周りを取り囲む
ように配置された光源と、前記圧延材の前記所定角度範
囲内に対応する部分に光が照射されないようにするため
の遮蔽手段とを備えている。
【0021】求項の圧延材の表面欠陥検出装置は、
前記圧延材の周囲から照射される光の前記圧延材の被検
査面内における発散角を所定値以下に制限するための発
散角制限手段をさらに備えている。本発明によると、請
求項7および9でいうところの所定角度が小さくできる
ようになり、圧延材に対する光のトータル照射角度を大
きくすることができて、検出できる欠陥の割合が増大
し、検出精度が向上する。
【0022】また、請求項10の圧延材の表面欠陥検出
装置は、前記圧延材の圧延方向を検出する手段をさらに
備えている。これにより、圧延材がどのような向きに配
置されていても、その向きに応じて暗視野型の表面欠陥
検出手段による光の照射方向を決めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照しつつ説明する。
【0024】図6(a)、(b)は、本発明の圧延材の
表面欠陥検出方法および装置に係る第1の実施の形態を
説明するための圧延材の表面欠陥検出の様子を示す図で
あり、図6(a)が平面図、図6(b)が図6(a)の
VIB−VIB線での端面図である。本実施の形態で
は、主としてコンピュータのハードディスクとして用い
られるアルミディスクのブランク材(圧延された面が残
っている材料であり、ハードディスクとして用いるため
の研磨が行われる前のもの)の表面欠陥を検出する。
【0025】図6(a)、(b)において、断面がほぼ
円形の圧延材であるアルミディスク14は、その圧延方
向が紙面右方向となるように配置されている。アルミデ
ィスク14の周囲には、8組で計16個のライン状光源
16a、16b、17a、17b、18a、18b、1
9a、19b、20a、20b、21a、21b、22
a、22b、23a、23bが円環をなすようにして配
置されている。また、アルミディスク14の中央部の上
方には、アルミディスク14側からの散乱光を受光でき
るようにCCDカメラ25が配置されている。ライン状
光源16a、16b〜23a、23bは、被検査面内で
は互いに22.5度の角度をなして均等に配置されてお
り、被検査面に対して垂直な面内ではCCDカメラ25
およびアルミディスク14中央部を通る直線とライン状
光源16a、16b〜23a、23bのそれぞれおよび
アルミディスク14中央部を通る直線とが70度をなす
ように配置されている。また、各光源16a、16b〜
23a、23bには、図示しないシャッタが設けられて
おり、16個の光源のうち任意のものについてシャッタ
を自由に開閉できるようになっている。なお、分割型で
ある複数のライン状光源を用いる代わりに、例えばリン
グライトなどの一体型光源を用いてもよく、このときシ
ャッタを用いて照射光を遮蔽してもよい。
【0026】また、各ライン状光源16a、16b〜2
3a、23bの前方には、スリット部材26a、26b
〜33a、33bがそれぞれ設けられている。1つのラ
イン状光源16aの概略側面図を図7(a)の左側に、
概略正面図を右側にそれぞれ示す。光は、図7(a)の
右側の概略正面図に示された開口部24から放射され
る。また、スリット部材26aが取り付けられたライン
状光源16aの概略側面図を図7(b)の左側に、概略
正面図を右側にそれぞれ示す。
【0027】本実施の形態において、CCDカメラ25
およびアルミディスク14中央部を通る直線とライン状
光源16a、16b〜23a、23bのそれぞれおよび
アルミディスク14中央部を通る直線とが70度をなす
ようにした理由は以下のとおりである。圧延材のように
表面に若干の凹凸がある粗面では、光は拡散反射する。
しかし、入射角度が90度に近づくと、これまで拡散反
射が起こっていた粗面が鏡面に近い性質をもつようにな
り、正反射成分が急激に増大する(シーン現象)。従っ
て、入射角度はできるだけ大きいほうが好ましい。しか
し、一方では、入射角度が大きすぎると、微細な埃に起
因する小さな凸部での散乱強度が大きくなり過ぎてしま
う。よって、これら2つの制限を考慮して検出目的に最
適な入射角度を選択する必要がある。本実施の形態で
は、欠陥検出対象としたアルミディスクのブランク材に
対して、入射角度が60度以下であると拡散反射成分が
大きくなり過ぎ、入射角度が85度以上であると微細な
埃に起因する小さな凸部での散乱が顕著になり過検出を
引き起こしてしまうため、最適な入射角度として75度
が選択された。
【0028】図6(a)、(b)の装置を用いてアルミ
ディスク14の欠陥検出を行う場合、例えば、光源16
a、16bをそれぞれに付属のシャッタで遮蔽し、その
他の14個の光源17a、17b〜23a、23bから
の光でアルミディスク14を照射する。これによりアル
ミディスク14の圧延方向と直交する方向を中心とした
22.5度の角度範囲方向を除いた方向から、アルミデ
ィスク14に対して光が照射される。このように、アル
ミディスク14の圧延方向と直交する方向を中心とした
22.5度の角度範囲方向からアルミディスク14に対
して光が照射されないようにすることで、上述したよう
な健全部での光の散乱を低減することができる。従っ
て、実質的に欠陥部だけで光の散乱が起こるようになっ
て、その散乱光をCCDカメラ25で受光することによ
り精度の高い欠陥検出を行うことができるようになる。
【0029】次に、欠陥を有する2つのサンプルに対し
て、上述したような光源16a、16bだけを遮蔽する
方法と、16個の光源をいずれも遮蔽しない(全周照
射)方法とにおけるSN比(健全部での光の散乱強度に
対する欠陥部での光の散乱強度)を測定した。図8はそ
の結果を示すグラフであり、横軸はサンプル名を、縦軸
はSN比をそれぞれ示している。図8のグラフにおい
て、○印が光源16a、16bだけを遮蔽する方法で得
られたデータを表しており、△印が16個の光源をいず
れも遮蔽しない方法で得られたデータを表している。な
お、図8のようなデータは、健全部と欠陥部が予め分か
っている圧延材に対して得られるものである。
【0030】図8から分かるように、光源16a、16
bだけを遮蔽する方法によると、2つのサンプルA、B
のいずれについても、一般的に安定して欠陥検出ができ
るSN比である2.0以上のSN比を得ることができ
た。これに対して、16個の光源をいずれも遮蔽しない
方法によると、2つのサンプルA、Bのいずれについて
もSN比は1.2〜1.3程度であり、安定した欠陥検
出ができないことが判明した。
【0031】なお、図8のグラフで示した例とは別に、
圧延方向から光が照射された場合の健全部での光の散乱
強度に対する健全部での光の散乱強度が2倍以上となる
角度範囲方向を除いた方向から圧延材に対して光を照射
するようにしても、SN比が2.0以上の良好な結果が
得られた。
【0032】次に、図6の装置において各光源16a、
16b〜23a、23bの前方に取り付けたスリット部
材26a、26b〜33a、33bについてより詳細に
説明する。これらスリット部材26a、26b〜33
a、33bは、上述したように光源から照射される光の
被検査面内における発散角が所定値以下となるように設
けられたものである。これらスリット部材において、ス
リット間隔をtとし、スリット長さをLとすると、発散
角(最大拡散角)xは、x=tan−1(t/L)と表
される。例えば、スリット間隔tを2mmに固定した場
合のスリット長さLと発散角xとの関係は、図9のよう
なグラフで表される。発散角は上述したように小さいほ
うが好ましいが、そのためにスリットを長くするとその
分光が遮蔽されて光の強度が弱くなってしまうという問
題が生じる。そこで、本実施の形態では、スリット間隔
tを2mm、スリット長さLを6mmとして、発散角を
20度に制限するようにした。
【0033】このようなスリット部材26a、26b〜
33a、33bを用いて表面欠陥検出を行うことによる
効果を調べるために、次のような実験を行った。図10
(a)、(b)は、この実験の概略装置構成を示す図で
あり、図10(a)が平面図、図10(b)が図10
(a)のXB−XB線での端面図である。図10
(a)、(b)において、断面がほぼ円形の圧延材41
は、その圧延方向が紙面右方向となるように配置されて
いる。この圧延材41としては、実質的に欠陥部を有し
ておらず、健全部だけを有するものを用いる。圧延材4
1を挟んで対向する位置には、一組のライン状光源43
a、43bが配置されている。これらのライン状光源4
3a、43bは、圧延材41の中心部を中心とした円周
上を回動可能になっている。また、圧延材41の中央部
の上方には、圧延材41側からの散乱光を受光できるよ
うにCCDカメラ45が配置されている。被検査面に対
して垂直な面内ではCCDカメラ45および圧延材41
中央部を通る直線とライン状光源43a、43bのそれ
ぞれおよび圧延材41中央部を通る直線とが70度をな
すように配置されている。また、各光源43a、43b
には、上述したものと同様の図示しないシャッタが設け
られていてよい。
【0034】まず、各ライン状光源43a、43bの前
方に上述したのと同様のスリット部材46a、46bを
それぞれ設け、ライン状光源43a、43bを反時計周
りに回転させたときの散乱強度をCCDカメラ45で観
測した。その結果を、圧延方向に対する光の入射角度を
横軸に、健全部での光の散乱強度を縦軸にとったグラフ
で表したものが図11(a)である。次に、各ライン状
光源43a、43bの前方にスリット部材を設けずに同
様の測定を行った。その結果を図11(b)に示す。
【0035】一般には、ある方向から光が入射した場合
の健全部での散乱強度が、圧延方向から光が入射した場
合の散乱強度の2倍以上となると、欠陥検出に悪影響が
生じて正確な欠陥検出ができなくなると考えられる。ス
リット部材46a、46bを設けた図11(a)の例で
は、かかる正確な欠陥検出ができなくなる入射角度範囲
が75度から105度までと30度(±15度)であ
る。これに対して、スリット部材を設けない図11
(b)の例では、かかる正確な欠陥検出ができなくなる
入射角度範囲が55度から125度までと70度(±3
5度)である。
【0036】つまり、スリット部材を設けた場合には圧
延材の圧延方向と直交する方向を中心とした±15度の
角度範囲からの光を遮光し、スリット部材を設けない場
合には圧延材の圧延方向と直交する方向を中心とした±
35度の角度範囲からの光を遮光しなければ正確な欠陥
検出が行えない。例えば、上述した本実施の形態の例で
は、スリット部材を設ければ1組の光源(例えば、光源
16a、16b)だけを遮光すればよいことになるが、
スリット部材を設けなければ2組の光源(例えば、光源
16a、16bと光源17a、17b)を遮光しなけれ
ばならなくなる。しかるに、遮光すべき光源の組数が増
えると、その分圧延材への光の照射角度が限定されてし
まい、そのため欠陥部が検出できなくなることがある。
従って、スリット部材を設けて圧延材の被検査面内にお
ける発散角が所定値(本例では20度)以下になるよう
にすることにより、欠陥部の検出精度を向上させること
ができる。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。本実施の形態の圧延材の表面欠陥検出方法お
よび装置は、例えば図12に描かれたような装置によっ
て実現される。図12の装置は、圧延方向検出手段52
と、暗視野型表面欠陥検出手段54と、明視野型表面欠
陥検出手段56とを有している。そして被検査材として
の圧延材58は、ベルトコンベア59などの搬送手段に
より、圧延方向検出手段52、暗視野型表面欠陥検出手
段54および明視野型表面欠陥検出手段56の近傍をそ
れぞれ通過して紙面右方向に移動させられる。
【0038】圧延方向検出手段52は、図示しないCC
Dカメラを含む画像処理装置で構成されている。圧延方
向検出手段52は、図13に示すように、圧延材58が
所定位置に到達したときにCCDカメラで圧延材58の
画像を取り込み、そして取り込んだ画像を処理して圧延
材表面の圧延筋(圧延方向に沿った筋状にみえる起伏)
を認識することにより圧延材58の圧延方向を検出する
ように構成されている。圧延方向検出手段52のCCD
カメラは、一定の速度でベルトコンベア59を動かして
いれば、エリア型またはライン型のいずれであってもよ
い。
【0039】暗視野型表面欠陥検出手段54は、上述の
第1の実施の形態で説明した図6に示したものと同様で
あり、ここではその構造の詳細な説明を省略する。本実
施の形態では、圧延方向検出手段52により検出された
圧延方向にしたがって、圧延方向と直交する方向を中心
とした所定角度範囲から光が照射されないように暗視野
型表面欠陥検出手段54が制御される。従って、上述の
第1の実施の形態と同様に、急峻な凹凸欠陥を感度よく
検出することが可能である。また、圧延方向検出手段5
2を設けることで、圧延方向が予め分かっていない圧延
材についても、暗視野型表面欠陥検出手段54による高
い精度での欠陥検出が可能となる。
【0040】なお、圧延方向検出手段52を設けずに、
暗視野型表面欠陥検出手段54を用いて圧延材の圧延方
向を検出することも可能である。例えば、図6の装置に
おいて、対向する一組の光源だけから光を照射してCC
Dカメラ25で散乱光を受光し、それをすべての光源の
組について行う。そして、最も散乱強度が大きくなった
ときに光が照射されている光源の方向を、圧延方向と直
交する方向と見なすのである。また、図6に示したよう
な暗視野型表面欠陥検出手段を暗視野型表面欠陥検出手
段54とは別に設けて、圧延方向を検出するようにして
もよく、その場合は散乱光の強度情報だけが必要となる
ので、CCDカメラを安価な受光素子で代用することが
好ましい。
【0041】明視野型表面欠陥検出手段56の詳細な構
造を図14に示す。明視野型表面欠陥検出手段56は、
LEDなどからなる点光源61と、点光源61からの光
を平行光にするコリメートレンズ(凸レンズ)62と、
平行光を圧延材58の方向に圧延材58に対して垂直に
入射するように反射させるとともに圧延材58からの反
射光をCCDカメラ方向に透過させるハーフミラー63
と、ハーフミラー63からの光を収束させるレンズ(凸
レンズ)64と、CCDカメラ68とを有している。ま
た、CCDカメラ65においては、ピンホール66から
入射した光がレンズ67によってCCDの受光面68上
に合焦させられるようになっている。すなわち、明視野
型表面欠陥検出手段56は、圧延材に平行光を照射し、
この照射光の圧延材による正反射光を結像させてCCD
カメラ65で受光するようになっている。なお、明視野
型表面欠陥検出手段56のCCDカメラは、一定の速度
でベルトコンベア59を動かしていれば、エリア型また
はライン型のいずれであってもよい。
【0042】明視野型表面欠陥検出手段56を用いた欠
陥検出によると、圧延材58に平行光を照射し、この照
射光の圧延材58による正反射光を受光することで、健
全部と欠陥部との反射方向や反射強度の違いが識別しや
すいため、暗視野型表面欠陥検出手段54では検出が困
難であったなだらかな凹凸欠陥や変色欠陥を高い精度で
検出することができる。
【0043】このように、本実施の形態では、装置が暗
視野型表面欠陥検出手段54と明視野型表面欠陥検出手
段56とを具備しており、暗視野型の表面欠陥検出ステ
ップと明視野型の表面欠陥検出ステップとを組み合わせ
て行うようにしているために、暗視野型表面欠陥検出手
段54で急峻な凹凸欠陥を高い精度で検出できるととも
に明視野型表面欠陥検出手段56でなだらかな凹凸欠陥
や変色欠陥を高い精度で検出できる。従って、本実施の
形態によると、いかなる欠陥でも高い精度で検出するこ
とが可能となる。
【0044】なお、本実施の形態では圧延材58の搬送
手段としてベルトコンベア59を用いたが、これを使用
せず例えばハンドリングロボットを用いて圧延材58を
適宜移動させるようにしてもよい。また、本実施の形態
では圧延方向検出手段52を用いて圧延材58の圧延方
向を自動検出するようにしたが、かかる圧延方向検出手
段52は必ずしも必要ではなく、他の方法(例えば目
視)で圧延方向が検出された圧延材58を、その圧延方
向が所定方向を向くようにベルトコンベア59上に配置
してもよい。この場合、暗視野型表面欠陥検出手段54
では予め決められた光源から圧延材58に対して光が照
射される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本願請求項1の圧
延材の表面欠陥検出方法は、圧延材の周囲から前記圧延
材に光を照射し、この照射光の前記圧延材による散乱光
を受光する圧延材の表面欠陥検出方法において、前記照
射光を、前記圧延材の圧延方向と直交する方向を中心と
した所定角度範囲方向を除いた方向から照射するように
したので、健全部において散乱される光の割合を減少さ
せることができて、精度の高い欠陥部検出が可能とな
る。また、圧延材の周囲から光が照射されるため、比較
的短時間で欠陥検出を行うことができる。さらに、方向
検出ステップを有することにより、圧延材がどのような
向きに配置されていても、その向きに応じて暗視野型の
表面欠陥検出ステップでの光の照射方向を決めることが
できる。
【0046】また、請求項2の圧延材の表面欠陥検出方
法は、圧延材の圧延方向と直交する方向を中心とした所
定角度範囲方向を除いて前記圧延材の周囲から前記圧延
材に光を照射し、この照射光の前記圧延材による散乱光
を受光する暗視野型の表面欠陥検出ステップと、前記圧
延材に平行光を照射し、この照射光の前記圧延材による
正反射光を受光する明視野型の表面欠陥検出ステップと
を有しているので、微細で急峻な凹凸欠陥、なだらかな
凹凸欠陥および変色欠陥などいかなる欠陥でも検出する
ことが可能となる。
【0047】また、請求項3の圧延材の表面欠陥検出方
法は、前記圧延材の圧延方向を検出するステップをさら
に有している。これにより、圧延材がどのような向きに
配置されていても、その向きに応じて暗視野型の表面欠
陥検出ステップでの光の照射方向を決めることができ
る。
【0048】また、請求項4の圧延材の表面欠陥検出方
法においては、前記所定角度範囲は、健全部での光の散
乱強度に対する欠陥部での光の散乱強度が2倍以上とな
るように決定された角度範囲である。これにより、健全
部での散乱強度に対する欠陥部での散乱強度の相対的な
大きさが欠陥を検出するのに十分な大きさとなって、欠
陥検出精度をより高めることができる。
【0049】また、請求項5の圧延材の表面欠陥検出方
法において、前記圧延方向から光が照射された場合の健
全部での光の散乱強度に対する前記健全部での光の散乱
強度が2倍以上となる角度範囲方向を除いた方向から前
記照射光が照射される。これにより、健全部での散乱強
度に対する欠陥部での散乱強度の相対的な大きさが欠陥
を検出するのに十分な大きさとなって、欠陥検出精度を
より高めることができる。
【0050】また、請求項6の圧延材の表面欠陥検出方
法においては、前記圧延材の周囲から前記圧延材に照射
される光の前記圧延材の被検査面内における発散角が所
定値以下となるように制限される。従って、請求項1お
よび2でいうところの所定角度を小さくできるようにな
って、検出できる欠陥の割合が増大し、検出精度が向上
する。
【0051】また、請求項の圧延材の表面欠陥検出装
置は、圧延材の圧延方向と直交する方向を中心とした所
定角度範囲方向を除いて前記圧延材の周囲から前記圧延
材に光を照射する第1の光照射手段と、前記第1の光照
射手段からの照射光の前記圧延材による散乱光を受光す
る第1の受光手段とを有する暗視野型の表面欠陥検出手
段と、前記圧延材に平行光を照射する第2の光照射手段
と、前記第2の光照射手段からの照射光の前記圧延材に
よる正反射光を受光する第2の受光手段と、前記正反射
光を前記第2の受光手段の受光面上に結像させるための
結像手段とを有する明視野型の表面欠陥検出手段とを備
えているので、微細で急峻な凹凸欠陥、なだらかな凹凸
欠陥および変色欠陥などいかなる欠陥でも検出すること
が可能となる。
【0052】また、請求項の圧延材の表面欠陥検出装
置は、前記第1の光照射手段が、前記圧延材の周りを取
り囲むように配置された光源と、前記圧延材の前記所定
角度範囲内に対応する部分に光が照射されないようにす
るための遮蔽手段とを備えているので、圧延材に所定角
度範囲方向を除いて光を照射することが簡易な手段で実
現できる。
【0053】また、請求項の圧延材の表面欠陥検出装
置は、前記圧延材の周囲から照射される光の前記圧延材
の被検査面内における発散角を所定値以下に制限するた
めの発散角制限手段をさらに備えているので、請求項
いうところの所定角度が小さくできるようになり、圧
延材に対する光のトータル照射角度を大きくすることが
できて、検出できる欠陥の割合が増大し、検出精度が向
上する。
【0054】また、請求項10の圧延材の表面欠陥検出
装置は、前記圧延材の圧延方向を検出する手段をさらに
備えているので、圧延材がどのような向きに配置されて
いても、その向きに応じて暗視野型の表面欠陥検出手段
による光の照射方向を決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における圧延材と光源との位置関係の一
例を示す図であって、図1(a)は平面図、図1(b)
は側面図である。
【図2】圧延材の健全部において圧延ロールに起因する
凹凸の圧延方向への依存性を説明するための図であっ
て、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のb
−b線での断面図、図2(c)は図2(a)のc−c線
での断面図である。
【図3】明視野型の表面欠陥検出において、圧延材表面
での平行光の反射の様子を示す図であり、図3(a)は
健全部で反射を示す模式図であり、図3(b)は欠陥部
での反射を示す模式図である。
【図4】明視野型の表面欠陥検出において、照射平行光
の受光位置と受光強度との関係を示すグラフであって、
図4(a)、(b)はそれぞれ図3(a)、(b)に対
応したグラフである。
【図5】本発明による暗視野型の欠陥検出において、光
源の前方に発散角制限手段を配置した様子を示す図であ
り、図5(a)は平面図、図5(b)は側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を説明するための圧
延材の表面欠陥検出の様子を示す図であり、図6(a)
が平面図、図6(b)が図6(a)のVIB−VIB線
での端面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態において、図7
(a)はライン状光源の外形を示す図であり、図7
(b)はライン状光源とスリット部材との位置関係を示
す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、2つのサ
ンプルA、Bについて、対向する一組の光源からの光だ
けを遮蔽した場合と、いずれの光源からの光も遮蔽しな
い場合とのSN比の測定結果を示すグラフである。
【図9】スリット間隔tを2mmに固定した場合のスリ
ット長さLと発散角xとの関係を示すグラフである。
【図10】スリット部材を用いて表面欠陥検出を行うこ
とによる効果を調べるための装置の概略構成を示す図で
あり、図10(a)が平面図、図10(b)が図10
(a)のXB−XB線での端面図である。
【図11】圧延方向に対する光の入射角度と健全部での
光の散乱強度との関係を示すグラフであって、図11
(a)は図10の装置にスリット部材を設けたとき、図
11(b)はスリット部材を設けなかったときのグラフ
である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を実施するための
圧延材の表面欠陥検出装置を示す図である。
【図13】図12の圧延方向検出手段における画像処理
の手順を説明するための模式図である。
【図14】図12の明視野型表面欠陥検出手段の詳細な
構造を示す図である。
【図15】一般的な暗視野型の材料表面欠陥検出方法を
説明するための図であって、図15(a)は平面図、図
15(b)は側面図である。
【図16】一般的な暗視野型の材料表面欠陥検出方法に
より光が反射または散乱する様子を説明するための図で
あって、図16(a)は健全部を示す模式図、図16
(b)は欠陥部を示す模式図である。
【図17】圧延方向に対する光の入射角度と散乱強度と
の関係を示すグラフである。
【図18】従来における暗視野型の欠陥検出方法の一例
を示す図であり、図18(a)は平面図、図18(b)
は側面図である。
【符号の説明】
1、3、5、14 圧延材 2 環状光源 6、7 光源 8、9 発散角制限手段 16a、16b〜23a、23b ライン状光源 25 CCDカメラ 26a、26b〜33a、33b スリット部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 英二 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 馬場 貞春 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社 神戸製鋼所 真岡製造所内 (72)発明者 岡田 圭司 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社 神戸製鋼所 真岡製造所内 (72)発明者 増田 勝昭 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社 神戸製鋼所 真岡製造所内 (56)参考文献 特開 平10−9838(JP,A) 特開 平9−145638(JP,A) 特開 平9−273919(JP,A) 特開 平7−174712(JP,A) 特開 平8−304300(JP,A) 特開 平9−145639(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01N 21/84 - 21/958 PATOLIS

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延材の周囲から前記圧延材に光を照射
    し、この照射光の前記圧延材による散乱光を前記圧延材
    の側方で受光する圧延材の表面欠陥検出方法において、前記圧延材の圧延方向を検出する方向検出ステップと 、 前記照射光を、前記方向検出ステップにより検出された
    圧延方向と直交する方向を中心とした所定角度範囲方向
    を除いた方向から照射する照射ステップとを有している
    ことを特徴とする圧延材の表面欠陥検出方法。
  2. 【請求項2】 圧延材の圧延方向と直交する方向を中心
    とした所定角度範囲方向を除いて前記圧延材の周囲から
    前記圧延材に光を照射し、この照射光の前記圧延材によ
    る散乱光を受光する暗視野型の表面欠陥検出ステップ
    と、 前記圧延材に平行光を照射し、この照射光の前記圧延材
    による正反射光を受光する明視野型の表面欠陥検出ステ
    ップとを有していることを特徴とする圧延材の表面欠陥
    検出方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延材の圧延方向を検出するステッ
    プをさらに有していることを特徴とする請求項に記載
    の圧延材の表面欠陥検出方法。
  4. 【請求項4】 前記所定角度範囲は、健全部での光の散
    乱強度に対する欠陥部での光の散乱強度が2倍以上とな
    るように決定された角度範囲であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の圧延材の表面欠陥検
    出方法。
  5. 【請求項5】 前記圧延方向から光が照射された場合の
    健全部での光の散乱強度に対する前記健全部での光の散
    乱強度が2倍以上となる角度範囲方向を除いた方向から
    前記照射光が照射されることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の圧延材の表面欠陥検出方法。
  6. 【請求項6】 前記圧延材の周囲から前記圧延材に照射
    される光の前記圧延材の被検査面内における発散角が所
    定値以下となるように制限されることを特徴とする請求
    項1〜のいずれか1項に記載の圧延材の表面欠陥検出
    方法。
  7. 【請求項7】 圧延材の圧延方向と直交する方向を中心
    とした所定角度範囲方向を除いて前記圧延材の周囲から
    前記圧延材に光を照射する第1の光照射手段と、前記第
    1の光照射手段からの照射光の前記圧延材による散乱光
    を受光する第1の受光手段とを有する暗視野型の表面欠
    陥検出手段と、 前記圧延材に平行光を照射する第2の光照射手段と、前
    記第2の光照射手段からの照射光の前記圧延材による正
    反射光を受光する第2の受光手段と、前記正反射光を前
    記第2の受光手段の受光面上に結像させるための結像手
    段とを有する明視野型の表面欠陥検出手段とを備えてい
    ることを特徴とする圧延材の表面欠陥検出装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の光照射手段が、前記圧延材の
    周りを取り囲むように配置された光源と、前記圧延材の
    前記所定角度範囲内に対応する部分に光が照射されない
    ようにするための遮蔽手段とを備えていることを特徴と
    する請求項に記載の圧延材の表面欠陥検出装置。
  9. 【請求項9】 前記圧延材の周囲から照射される光の前
    記圧延材の被検査面内における発散角を所定値以下に制
    限するための発散角制限手段をさらに備えていることを
    特徴とする請求項7又は8に記載の圧延材の表面欠陥検
    出装置。
  10. 【請求項10】 前記圧延材の圧延方向を検出する手段
    をさらに備えていることを特徴とする請求項7〜のい
    ずれか1項に記載の圧延材の表面欠陥検出装置。
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