JP2008286791A - 表面欠陥検査方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細な表面欠陥を検出し、さらには微細な欠陥の深さに基づいて被検査物の良否の判定を設定、変更できる表面検査方法及び装置を得る。
【解決手段】被検査物の表面に照射した光の反射光を受光部によって受光して表面欠陥を検出して前記被検査物の良否を判定する表面欠陥検査方法であって、前記被検査物の表面に生ずる欠陥に対応して予め定めた反射光の光路に前記受光部を配置すると共に反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め閾値を定めておき、前記受光部に入射する反射光の光量と前記閾値とを比較して前記被検査物の良否を判定することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば細径の引抜管表面に生ずる縦傷のような表面欠陥を検出する表面欠陥検査方法及び装置に関する。
引抜管はダイスのダイス孔に素管を挿通して引き抜くことによって製造されるが、ダイスと素管の表面に例えば微細な切子が介在した場合には、引抜管の表面に微細な縦傷が生ずる場合がある。このような縦傷は、引抜管を曲げ加工する際などに管の割れの原因となることがある。このため、引抜管の製造過程において、一定の深さの傷を有する引抜管については不良品として製品としての出荷対象から除外する必要があり、そのため引抜管を傷の有無およびその深さによって選別することが必要となる。
引抜管の表面に生ずる欠陥検査に関する従来の方法として、磁気飽和形渦流探傷装置を用いたものがある。
磁気飽和形渦流探傷装置を用いた欠陥検査方法は、検査対象に欠陥がある場合に渦電流に変化が生ずることを利用するものであるため、引抜管の表面に生ずる縦傷のように引抜管の軸方向全長に亘って欠陥が存在する場合には、渦電流の変化がないことから、欠陥として認識されにくく、このような態様の傷検査には適していない。
また、磁気飽和形渦流探傷装置は、その装置の有する原理からして検査検出できる傷の深さは0.1mm程度のものであり、これよりも微細な傷については検出できない。
そのため、細径(4mm〜16mm程度)の引抜管表面に生ずる微細な縦傷(深さ数μm程度の傷)については、磁気飽和形渦流探傷装置で検出することができない。
以上のような事情から、細径の引抜管表面に生ずる微細な縦傷については、目視検査が行なわれているのが現状である。
他方、引抜管に関するものではないが、被検査物の表面に生ずる微細な欠陥を検査する方法として、被検査物の表面に光を照射してその反射光を分析することによって欠陥の有無を検査するいわゆる光反射法による種々の方法が提案されている。
例えば、シリコンウエハの外周部に生ずる傷の検査方法に関しては、以下のようなものが提案されている。
被検査物の被検査端部にコヒーレント光を照射し、このコヒーレント光が前記被検査端部の傷で反射した正反射方向への散乱反射光を前記被検査端部の直近の上下位置にて受光し、この受光量に基づき前記被検査端部の横傷を検出し、前記被検査端部の傷で反射した正反射方向への散乱反射光以外の散乱反射光を前記正反射方向への散乱反射光の受光位置と異なる位置で受光し、この受光量に基づき前記被検査端部の縦傷を検出し、前記被検査端部の傷で反射した正反射方向への散乱反射光と前記被検査端部の傷で反射した正反射方向への散乱反射光以外の散乱反射光との両方の受光量に基づき前記被検査端部の斜め傷を検出することを特徴とする端部傷検査方法(特許文献1参照)。
また、透明なシートの表面又は裏面に存在する直線上の擦り傷の有無を検査する装置として以下のものが提案されている。
透明なシートの被検査部を裏面側から照明する照明手段と、前記シートの表面に正対して前記被検査部を表面側から撮像する撮像手段とを備え、この撮像手段から得られた画像信号に基づいて、シートの表面又は裏面に存在する長手方向が一定な直線状の擦り傷の有無を検査する表面検査装置において、前記照明手段は、擦り傷の長手方向に対して略直交し前記撮像手段を含む面内であって、かつ撮像手段の撮像範囲外に配置され、被検査部を斜め方向から照明することを特徴とする表面検査装置(特許文献2参照)。
特許第3425590号公報 特開2001−165864号公報
細径の引抜管に生ずる微細な縦傷は、その深さが数μm〜20μm程度のものである。
このような、細径の引抜管に生ずる微細な縦傷は、その引抜管の用途によってその検査基準が異なる。つまり、ある用途に用いられる引抜管では、その表面欠陥の深さが4μm以下であれば良品とされるが、別の用途では表面欠陥の深さが4μmを越えていたとしても10μm以下であれば許容されることがある。
このように、細径の引抜管に生ずる微細な縦傷の検査においては、引抜管の用途によって検査基準が異なるため、欠陥の深さとの関係で検査基準を簡易に設定、変更して検査する検査方法、装置の開発が望まれていた。
ところが、上記の磁気飽和形渦流探傷装置による方法では、その検査精度が0.1mm程度であるため、そもそも本願が対象とする細径の引抜管表面に生ずるような微細な欠陥の検出すら確実に行なうことができない。
また、上述した特許文献1、2に開示されている従来の光反射法のものは、検査対象物に生ずる欠陥には様々な態様の欠陥(例えば、縦傷、横傷、斜め傷)があることを前提に、そのような様々な態様の欠陥に対して欠陥として認識できるようにするにはどうすべきか、換言すれば欠陥の検出漏れをなくするにはどうすべきかを課題とし、この課題を解決すべく様々な工夫をしたものである。
したがって、特許文献1、2に開示されたものには、被検査物の表面に生ずる微細な欠陥について、その欠陥の深さとの関係で検査基準を設定、変更するという発想すら開示されていない。
また、上記の特許文献以外においても、本願において検査対象としている細径の引抜管のように、欠陥の態様はほぼ一定であるがその欠陥の深さに違いがあるような欠陥を対象として、その欠陥の深さの違いを検出してそれに基づいて被検査物の良否を判定しようという試みをした従来例は知られていない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、微細な表面欠陥を検出し、さらには微細な欠陥の深さに基づいて被検査物の良否の判定を設定、変更できる表面検査方法及び装置を得ることを目的としている。
発明者は、細径の引抜管に生ずる微細な縦傷について、その種々の深さ(3μm〜20μm程度)のものについて、その縦傷を確実に検出し、縦傷の深さとの関係で良否判定の基準を設定、変更できるようにするにはどうすべきかについて調査、研究を行なった。
その結果、引抜管の表面に生ずる縦傷については、その傷形状がV字状の溝で、溝の傾斜角度がほぼ一定であり、そのため縦傷に光を照射したときの反射光の反射角度がほぼ一定であるとの知見を得た。また、このような縦傷では、縦傷の深さとその一定方向への反射光の強さがほぼ比例関係にあるとの知見も得た。
このような、縦傷の有する光反射に関する特質から、縦傷に光を照射したときの反射光の光路を確実に知ることができ、この光路に受光部を配置することで、単純な構成で傷の有無の検知が確実にでき、しかも反射光の強さが傷の深さにほぼ比例していることから、傷の深さによる良否判定を行うことが可能であることも見出した。
さらに、引抜管を連続的に検査するためには、傷の有無の検出、判定の処理を迅速に行なう必要があり、その点についても鋭意検討した。そして、この点については、ラインセンサカメラによって被検査対象における狭い範囲を撮像し、これを合成処理することで、簡易で迅速な処理が可能であるとの知見を得た。
また、照射する光の光源についても、微細な傷を、その傷の深さの違いも含めて検出するにはいかなる種類の光源が最適であるかについて、鋭意検討を行なった。
この点、光反射法における光源としては、特許文献1にも示されているように、一般にレーザー光が使用されている。そして、レーザー光は本来点光源であるところ、ラインセンサカメラとの対応が取りやすくするために、これをライン状に広げて用いている。
しかしながら、このようなレーザー光を用いて引抜管の表面欠陥を検査しようとすると、微細な傷の検出を、傷の深さとの関係で行なうことができない。これには2つの理由がある。一つは、上述したように、点光源であるレーザー光をライン状に広げているために、光の中心と両端で光の強さが異なる。そのため、本願が対象としているような、微細な縦長の傷について、ミクロン単位での深さの違いを反射光の光量に基づいて検出しようとする場合に、光源自体の縦方向の光量に違いがあるのでは、適切な処理ができない。
また、例えば引抜管の断面が円形の場合において、断面が真円であれば問題がないが、真円でなくゆがみがあった場合には、レーザー光のように幅のない光の場合には、頂部に光が照射されず、ラインセンサカメラの撮像範囲と光の照射位置とがずれるため、傷の検出ができなくなる。
そこで、発明者はライン状の光を照射でき、かつラインの全長で光の強さが変わらないと共に、レーザー光よりも幅の広い光を照射できる光源を検討したところ、複数のLEDからなる光源が最適であることを見出した。さらには、ハレーションを防止するために拡散板を設けるとよりよいことも見出した。
本発明は上記の種々の知見を基になされたものであり、具体的には以下のような構成を有するものである。
(1)本発明に係る表面欠陥検査方法は、被検査物の表面に照射した光の反射光を受光部によって受光して表面欠陥を検出して前記被検査物の良否を判定する表面欠陥検査方法であって、前記被検査物の表面に生ずる欠陥に対応して予め定めた反射光の光路に前記受光部を配置すると共に反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め閾値を定めておき、前記受光部に入射する反射光の光量と前記閾値とを比較して前記被検査物の良否を判定することを特徴とするものである。
なお、被検査物に生ずる欠陥については、当該被検査物において生ずる欠陥の態様が同一のものであれば、それが凹状の傷のようなものであっても、あるいは凸状のものであって検査可能である。したがって、本願でいう欠陥の大きさとは、欠陥が凹状の傷であればその深さであるが、欠陥が凸状のものである場合にはその高さをいう。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、被検査物に対する受光部の距離を変更することによって前記受光部に入射する反射光の光量を変更し、これによって前記被検査物の良否判定基準を変更するようにしたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、複数の異なる欠陥の大きさに対応する閾値をそれぞれ設定しておき、使用する閾値を変更することによって被検査物の良否判定の基準を変更するようにしたことを特徴とするものである。
(4)本発明に係る表面欠陥検査装置は、被検査物の表面に照射した光の反射光を受光部によって受光して表面欠陥を検出して前記被検査物の良否を判定する表面欠陥検査装置であって、前記被検査物の表面に光を照射する複数のLEDからなる光源と、前記被検査物の表面に生ずる欠陥に対応して予め定めた反射光の光路に配置されたラインセンサカメラと、ラインセンサカメラからの光量情報を入力して、反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め定めた閾値と前記光量情報とに基づいて前記被検査物の良否を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
(5)また、上記(4)に記載のものにおいて、軸方向直交断面が円形の円筒又は円柱状の被検査物を軸周りに回転させながら軸方向に搬送する搬送手段を有し、光源とラインセンサカメラが前記被検査物の軸を挟むように該軸に沿って配置されていることを特徴とするものである。
(6)また、上記(4)に記載のものにおいて、検査対象面が平面である被検査物をその軸方向に搬送する搬送手段を有し、光源とラインセンサカメラが前記軸方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とするものである。
(7)本発明に係る表面欠陥検査装置は、被検査物の表面に照射した光の反射光を受光して表面欠陥を検出して前記被検査物の良否を判定する表面欠陥検査装置であって、
光源の光を導入して前記被検査物の表面に光を照射する照光部材と、前記被検査物の表面からの反射光を受光してラインセンサカメラに伝達する受光部材と、該受光部材が前記被検査物の表面に生ずる欠陥に対応する反射光の光路に配置されるように前記照光部材と前記受光部材を保持する保持部材と、前記ラインセンサカメラからの光量情報を入力して、反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め定めた閾値と前記光量情報とに基づいて前記被検査物の良否を判定する判定手段とを有し、
前記照光部材及び前記受光部材が光ファイバーを一列に並べて形成されていることを特徴とするものである。
(8)また、上記(4)〜(7)のいずれかに記載のものにおいて、欠陥の大きさとの関係で良否判定の基準を設定する良否判定基準設定手段と、良否判定基準設定手段の設定値にもとづいて、ラインセンサカメラの被検査物に対する位置を調整するカメラ位置調整手段と、を備えたことを特徴とするものである。
(9)また、上記(4)〜(7)のいずれかに記載のものにおいて、欠陥の大きさとの関係で良否判定の基準を設定する良否判定基準設定手段を備え、判定手段は複数の異なる欠陥の大きさに対応する複数の閾値を有しており、良否判定基準設定手段の設定値に基づいて前記複数の閾値の中から対応する閾値を選択する機能を備えていることを特徴とするものである。
本発明においては、被検査物の表面に生ずる欠陥に対応して予め定めた反射光の光路に前記受光部を配置すると共に反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め閾値を定めておき、前記受光部に入射する反射光の光量と前記閾値とを比較して前記被検査物の良否を判定するようにしたので、被検査物の表面に生ずる微細な欠陥をその欠陥の深さとの関係で検出して被検査物の良否を判定できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る表面欠陥検査装置の一実施の形態を用いたパイプ検査装置全体の構成を示す模式図であり、装置全体を上方から見た状態を示している。本実施の形態に係るパイプ検査装置10は、引抜管の表面欠陥を検出して良否を選別するものである。
パイプ検査装置10は、図1に示すように、パイプの表面に生じた縦傷を検出する検査部11と、検査部11の検査結果に基づいてパイプの良品と不良品を選別する選別部12と、検査部11及び選別部12に設けられた種々の機器を制御するための制御盤19と、検査部11の検査情報を入力して該入力情報に基づいて良否の判定を行ったり、良否判定基準を設定したりするコンピュータ21と、モニタなどから構成されて検査結果を表示する出力装置23を備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<検査部>
検査部11には、光反射法を用いて、パイプ13の表面の傷等の欠陥を検出する検査ユニット22が設けられている。そして、検査ユニット22を挟んでパイプ13の搬送方向上流側と下流側には、パイプ13を回転させながら選別部12側へと搬送する一対のローラ14、15が設けられている。ローラ14、15は側面が双曲面状に形成され、これらのローラ14、15は側面を対向させて、かつそれぞれの回転軸が互いにねじり平行の位置関係になるように配置されている。このように配置されたローラ14、15が回転することにより、その間に挟持されたパイプ13は、パイプ軸回りに回転しながら軸方向に搬送され、検査ユニット22を通過して選別部12側へと払い出される。
上流側のローラ14、15の直ぐ下流側には、パイプ13の位置を検出するセンサS2が設置されている。センサS2の役割については後述する。
検査ユニット22は、パイプ13の上面を照射する光源22Lと、パイプ13に縦傷が存在する場合の反射光の光路に配置されたラインセンサカメラ22Sとを備えて構成されている。
光源22Lは、複数のLEDをパイプ軸に沿ってライン状に配列したものであり、拡散板を有している。拡散板を設けたのはハレーションを防止するためである。
図2は、検査ユニット22を、パイプ13の軸に直交する断面から見た状態を示す模式図、図3は上方から見た状態の模式図である。以下、図2、図3に基づいて光源22Lとラインセンサカメラ22Sの配置関係について説明する。
図2に示されるように、パイプ13の表面には、斜め上方から光源22Lによって光が照射され、ラインセンサカメラ22Sは、パイプ13の表面を斜め上方から撮影する。光源22Lによって光が照射されるパイプ13の表面上の点をPとし、P点におけるパイプ13の法線Nと入射光の光路の成す角をα(以下、「入射角α」という。)とし、パイプ13の表面に縦傷がある場合の反射光の光路と法線Nとの成す角をβ(以下、「傷反射角β」という。)とすると、入射角αと傷反射角βの関係は縦傷の態様によって一定の関係を有している。
なお、細径(4〜16mm)の引抜管の種々の傷サンプルについて、調査したところ、α≒65°、β≒55°の関係があることが判明している。
このように、入射角αと傷反射角βが縦傷の態様によって一定の関係にあることから、所定の縦傷があると想定される場合、そのような縦傷での反射光の光路にラインセンサカメラ22Sを配置すれば、想定される所定の縦傷を簡易に検出できる。
つまり、パイプ13の表面に傷がない場合には、図2に示すように、反射光は正反射光として入射角αと同じ角度αで反射し、この正反射光の光路にはラインセンサカメラ22Sが配置されていないので、この光を受光しない。他方、パイプ13の表面に所定の縦傷が存在する場合には、反射光がラインセンサカメラ22Sに受光されて、縦傷の存在が認識されるのである。
なお、ラインセンサカメラ22Sは、回転しながら軸方向に搬送されるパイプ13の表面を全周に亘って撮影する必要がある。そのため、ラインセンサカメラ22Sの軸方向の撮影範囲(長さ)は、パイプ13が1回転する間に進む軸方向の距離よりも長くなるように設定されている。
なお、ラインセンサカメラ22Sは、図2の矢印Xで示すように、反射光の光路に沿ってパイプ13に対する距離を調整できるようになっている。ラインセンサカメラ22Sを移動させるための機構は種々の態様が考えられるが、例えばラインセンサカメラ22Sをスライダ上に設置して、スライダにボールネジを連結して、該ボールネジをモータによって回転させることで、スライダを移動可能に構成する。
ラインセンサカメラ22Sの位置は、制御盤19からの制御信号によって所定の位置に制御される。ラインセンサカメラ22SをX方向へ移動することの技術的な意味については後述する。
また、光源22Lとラインセンサカメラ22Sは、一体的にパイプ13に対して垂直方向(図2の矢印Yの方向)に移動できるように構成されている。つまり、検査ユニット22全体が、図2の矢印Yの方向に移動できるように構成されている。このように構成することで、検査対象となるパイプ13の径が変わった場合であっても、光源22Lとラインセンサカメラ22Sの相対位置関係を維持して検査ができる。たとえば、図2に示すパイプ13の径が大きくなった場合には、検査ユニット22を図中上方に移動することで、同一の条件での検査ができる。
検査ユニット22の移動は、モータ22Mによって行なわれる(図1参照)。検査ユニット22の位置は、パイプ13の径に対応して予め決められており、検査対象となるパイプ13の径を、コンピュータ21に入力することで、制御盤19の制御によってモータ22Mが制御され自動的に所定の位置に配置される。
この検査ユニット22の位置決め動作を具体的に説明する。検査対象となるパイプの径が入力され、位置決め動作の開始が指示されると、検査ユニット22は一旦下降して、最下位の基準位置まできたことがセンサS3で検出される。その後、この基準位置からパイプ13の径に合わせて予め設定された位置まで検査ユニット22が上方に移動して所定位置で停止する。
光源22Lの発光およびラインセンサカメラ22Sの撮影動作は、パイプ13が検査ユニット22の位置にあるか否かを検知するセンサS2からの信号に基づいて、制御盤19からの制御信号によって制御される。
<選別部>
選別部12は、検査部11の検査結果に基づいてパイプの良品と不良品を選別する機能を有する。選別部12は、モータ16Mによって回転してパイプ13をその先端が位置決板9に当接する位置まで移動させる多数のローラ16と、所定の位置に配置されたローラ16上にあるパイプ13を払い出す搬出車輪17と、搬出車輪17によって払い出されるパイプ13を良品と不良品で異なる収納エリアに移動させて選別する選別アーム18を備えている。
搬出車輪17は、中心部から外方に延びる複数本のロッドを有しており、モータ17Mによって回転される。ロッドは、90度ごとに4本設けられ(図では2本のみ表示している)、回転することで、ローラ16上に配置されているパイプ13を下方から持ち上げるようにして、選別アーム18側へ搬出する。
なお、図1においては、ロッドが斜め45度の位置にある状態を示しているため、その先端がパイプ13の直下位置まで届いていないが、ロッドが水平状態になると、その先端はパイプ13の直下位置に届く。
選別アーム18は、搬出車輪17から搬出されるパイプ13の良否に合わせて選別を行うためのものである。選別アーム18は、中心部から一方向に延びるアームを備えており、中心部がインバータモータ18Mにより所定の角度回動することで、アームが揺動するように構成されている。
選別アーム18は、良品のパイプ13を選別する場合には、アームの先端側が高く、中心部が低い位置関係、すなわち制御盤19側が下になるような傾斜姿勢で保持される。このような姿勢にあるところに、搬出車輪17によってパイプ13がローラ16から持ち上げられて保持され、保持状態で選別アーム18側に搬出される。そして、搬出車輪17が所定の回動角度になると、パイプ13は搬出車輪17のロッド上を滑って、選別アーム18側に受け渡される。受け渡されたパイプ13は選別アーム18上を滑って、制御盤19側に配置された収容部(図示せず)に収容される。
他方、選別アーム18は、不良品のパイプ13を選別する場合には、アームの先端側が良品選別の場合よりもさらに高くなるような位置で保持される。選別アーム18が、このような姿勢にあるところに、搬出車輪17によってパイプ13が保持された状態で搬出され、搬出車輪17が所定の回動角度になると、パイプ13は搬出車輪17のロッド上を滑って、選別アーム18側に搬出される。このとき、搬出されたパイプ13は、選別アーム18で受け止められることなく、そのまま搬出車輪17から落下して、搬出車輪17の下方に設けられた不適格品の収容部(図示せず)に収容される。
<制御盤>
制御盤19は、コンピュータ21からの指示に基づいて、検査部11及び選別部12の各構成機器の動作を制御する。
<コンピュータ>
図4は、コンピュータ21の機能を説明するブロック図である。コンピュータ21は、図4に示すように、センサS1、S2、S3の信号を入力して検査部11及び選別部12の各構成機器を制御するための制御信号を制御盤19に出力する制御手段21Aと、検査部11のラインセンサカメラ22Sからの情報を入力して該入力情報に基づいて良否の判定を行う判定手段21Bと、良否判定基準を設定する良否判定基準設定手段21Cと、ラインセンサカメラ22Sから入力される情報に基づいて、パイプ13の表面画像を作成する画像処理手段21Dと、を備えている。
これら、制御手段21A、判定手段21B、良否判定基準設定手段21C及び画像処理手段21Dは、コンピュータ21のCPUが所定のプログラムを実行することによって実現されるものである。以下、制御手段21A、判定手段21B、良否判定基準設定手段21C及び画像処理手段21Dについて説明する。
制御手段21Aは、センサS2によってパイプ13の通過が検出されると、検出後所定の時間経過後に検査ユニット22によるパイプ13表面の撮影動作を開始するための信号を制御盤19に出力する。なお、検査開始を、センサS2によるパイプ13検出した後、所定時間後としたのは、所定時間経過後にパイプが検査ユニット22の検査エリアに搬送されることを考慮したものである。
また、センサS1によって、パイプ13の通過が検出されると、検出されてから所定の時間経過したときに、判定手段21Bによる判定結果に基づく制御信号を制御盤19に出力する。
なお、判定結果に基づく制御信号の出力を、センサS1によるパイプ13通過検出後、所定の時間経過後としたのは、センサS1によるパイプ13の通過が検出されてもその後所定時間は、パイプ13は検査ユニット22の検査エリアに配置されて検査中であるため、パイプ13を全長に亘って検査するためには、所定時間の経過が必要だからである。
さらに、センサS3によって、ラインセンサカメラ22Sの移動による最下位置が検出されると、ラインセンサカメラ22Sの所定位置への移動のための制御信号を制御盤19に出力する。
判定手段21Bは、傷の深さと傷反射光の光量とを予め関連付けると共に、これに基づく良否判定の閾値が設定されたデータを有しており、このデータに基づいてパイプ13の良否の判定を行う。
例えば、深さ4μm以上の傷が検出されたときに不良品と判定する場合であれば、判定手段21Bでは深さ4μmの傷に対応する傷反射光の光量を閾値として、この閾値と傷反射光の光量とを比較してパイプ13の良否の判定を行う。
具体的には、ラインセンサカメラ22Sからの画像情報に基づいて、パイプ13の1周ごとに最大光量を検出し、これが閾値を超えているかどうかによって判定を行う。
図5はラインセンサカメラ22Sによって検出された傷反射光の光量を図示したものであり、横軸がパイプ13の周方向の回転角度を示しており、縦軸が光量を示している。図5に示す例は、パイプ13における180°の位置に深さ6μmの傷がある場合であり、閾値を超える光量が検出されている。したがって、判定手段21Bはこのパイプ13を不良品と判定し、その結果をメモリに記憶する。
記憶された結果は、前述したように、センサS1によって、パイプ13の通過が検出されてから所定の時間経過したときに、制御手段21Aによって読み出されて、制御盤19に出力される。
判定基準設定手段は、不良品として判定する傷深さを設定するものである。前述したように、引抜管はその用途によって表面傷の深さの許容範囲が異なる。例えば、ある用途に用いられる引抜管では、その表面欠陥の深さが4μm以下であれば良品とされるが、別の用途では表面欠陥の深さが4μmを越えていたとしても10μm以下であれば許容されることがある。
判定基準設定手段によって、良否の判定基準を4μmから10μmに変更すると、予め決められた位置にラインセンサカメラ22Sを移動する旨の信号がインターフェースを介して制御盤19に出力される。
制御盤19では、ラインセンサカメラ22Sの位置を、所定の位置に調整するためラインセンサカメラ22Sを移動させるモータを駆動して、所定の位置に調整する。
良否の判定基準を4μmから10μmに変更する本件の場合には、ラインセンサカメラ22Sをパイプ13から離す方向に移動して、所定の位置に停止する。これによって、ラインセンサカメラ22Sの1画素あたりに受光される光量が少なくなり、ラインセンサカメラ22Sの感度が低くなる。
この場合において、例えばパイプ13の表面に深さ6μmの傷が存在した場合には、図6に示すように、傷反射光の光量が低下しているので、閾値を超えない。したがって、この場合には判定手段21Bは良品と判定する。
このように、本実施の形態による判定基準設定手段の操作によれば、閾値自体は変更していないが、ラインセンサカメラ22Sの位置を変えることによって、実質的に閾値を変更したのと同様の結果を得ることができる。
なお、判定基準値の入力は、キーボードなどから検査者が入力する。
画像処理手段21Dは、ラインセンサカメラ22Sからの画像情報に基づいて、パイプ13の周面の画像を作成する。具体的には、ラインセンサカメラ22Sから入力されるラインごとの画像情報を合成してパイプ13の1周当たりの2次元の画像を作成する。作成された画像は、モニタなどの出力装置23に表示される。図7は、図5に示した状態におけるパイプ13の1周当たりの2次元画像である。図7において白く示した線が6μmの傷である。
このように画像処理手段21Dを用いて画像をモニタ当に出力することにより、傷の存在を視覚的に認識しやすくなる。
もっとも、傷に基づく製品の良否の判定は前述した判定手段21Dによって行なうので、画像処理手段21Dがなくても製品の良否の判定を行うことはできる。
次に、上記のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
まず、検査対象となるパイプ13の径と、判定基準値をコンピュータ21に入力する。例えば、直径10mmのパイプを検査対象とし、深さ4μm以上の傷がある場合を不良品とするような判定基準の場合には、パイプの径を10mmと入力し、判定基準を4μmと入力する。
上記の設定がなされると、上述した動作によって、検査ユニット22の位置が設定され、さらにパイプ13とラインセンサカメラ22Sの位置が設定される。
この状態で、パイプ13をローラ14、15によって検査ユニット22側に搬送する。センサS2によってパイプ13が検出されると、制御手段21Aの指示によって検査ユニット22によるパイプ13の表面の撮影が開始される。撮影によって得られた情報に基づいて良否の判定が行われ、その結果が判定手段21Bのメモリに記憶される。
パイプ13が選別部12に搬送され、センサS1によって検出されると、検出されてから所定時間経過後に、判定手段21Bによって判定された結果が制御手段21Aによって読み出され、当該パイプ13が良品か不良品かの判定情報が制御盤19に出力される。
良品であるとの情報が制御盤19に入力された場合には、前述した動作によって、パイプ13は良品を収容する収容部に収容される。
他方、不良品であるとの情報が制御盤19に入力された場合には、前述した動作によって、パイプ13は不良品を収容する収容部に収容される。
以上のように、本実施の形態によれば、直径が4〜16mm程度の細径の引き抜き管等の外周面に発生する4μm程度の縦傷についても、傷の深さに応じた良否の判定を簡易に連続して行うことができる。また、本実施形態では、検出されたパイプの適否に基づいて、パイプの選別を効率的に行うことができる。
なお、上記の実施の形態の説明では、ラインセンサカメラ22Sの位置を変えることによって、縦傷の判定基準を変更することについて説明したが、ラインセンサカメラ22Sの位置を変更できることは縦傷の判定基準を変更できるのみにとどまらない。例えば、ラインセンサカメラ22Sを検査対象から離すことにより、視野を広くすることができ、このようにすることでより迅速な処理を可能にすることもできる。
[実施の形態2]
図8は、本発明の実施の形態2の説明図であり、コンピュータ21の機能を示すブロック図である。
本実施の形態においては、判定手段21Bが、複数の異なる欠陥深さに対応する複数の閾値を有しており、良否判定基準設定手段21Cの設定値に基づいて前記複数の閾値の中から対応する閾値を選択する機能を備えたものである。
図9に示すように、判定手段21Bは、例えば深さ4μmの傷以上の深さの場合を不良と判定する閾値Aと、深さ10μm以上の深さの傷の場合を不良と判定する閾値Bの2つの閾値を有している。そして、良否判定基準設定手段21Cによって、いずれかの基準が設定されたときに、それに対応する閾値を選択して、その閾値に基づいて良否の判定を行うようにしたものである。
本実施の形態によれば、ラインセンサカメラ22Sの移動のような機械的な操作をすることなく、簡易に良否判定の基準を変更できる。
なお、閾値を設定するにあたっては、対象となる被検査物の表面を予め検査して、ノイズの平均値を求め、この平均値を超える光量を閾値とするようにするのが望ましい。
上記の実施の形態においては、パイプ13を回転させながら軸方向に搬送して撮影を行ったが、パイプを搬送せず、例えば両端で保持して回転させ、パイプ表面を撮影して検査を行うようにしてもよい。このような方法においてパイプ表面全体を検査する場合には、検査ユニット22をパイプ軸方向に移動して検査を行うようにすればよい。移動の方法として、パイプが一周するまで検査ユニット22の位置を固定してその位置での全周の画像を撮影し、順次その軸方向の位置を移動する方法や、検査ユニットを所定の速度(ラインセンサカメラの撮影範囲/回転周期以下)で軸方向に移動する方法がある。
また、上記の実施の形態においては、引抜管の表面に生ずる縦傷を対象とした例を挙げたが、本発明はこれに限られるものではなく、引抜管の表面傷と同様に、傷反射角度がほぼ一定で、傷の深さと傷反射光の光量が比例関係にあるような傷、あるいは凸状の欠陥の検査にも適用できる。
また、引抜管の表面のように円筒部材の表面のみならず、平面上に生ずる傷の検査にも適用できる。
そこで、以下の実施の形態3においては、平面上に生ずる傷を検査する場合の具体的な態様について説明する。
さらに、実施の形態4においては、複雑な形状の小さな機械部品の表面に生ずる微細な傷を検査する場合の具体的な態様について説明する。複雑な形状の小さな機械部品の製造過程においてその表面に生ずる打痕、かぶりのような欠陥であっても、それらが引抜管の表面傷と同様に、傷反射角度がほぼ一定で、欠陥の深さ等と傷反射光の光量が比例関係にある場合には本発明が適用できる。
[実施の形態3]
実施の形1、2においては、長尺の丸パイプの表面に生ずる縦傷の検出について説明した。そして、この場合には、実施の形態1、2において説明したように、パイプ13を挟んで、光源22Lとラインセンサカメラ22Sを設置し、パイプ13を回転させながら軸方向に移動させることにより、パイプ13をその全周かつ全長に亘って検査するといものである(図1参照)。
しかしながら、丸パイプのように回転できる場合には、上記の方法でよいが、例えば平板のようにそもそも回転が難しく、回転すれば検査対象面と光源22Lとラインセンサカメラ22Sの相対位置が変化するために検査ができない。
そのため、このような平板の表面の縦傷を検出する場合において、実施の形態1、2と同様に平板の軸方向に対して平行になるように光源22Lとラインセンサカメラ22Sを設置した場合、平板の全幅を検査対象としようとすれば、多数の光源及びラインセンサカメラを幅方向に設置することが必要となる。
しかも、その場合には、隣接する反射光同士が影響を受けるために傷に対応した光反射が得られず正確な検査ができなくなってしまう。
他方、光源22Lとラインセンサカメラ22Sの配置を、例えば図10(a)、(b)に示すように、ラインセンサカメラ22Sの軸方向が平板の軸方向に直交する方向に配置するとすれば、単一の光源22Lと単一もしくは少数のラインセンサカメラ22Sで平板の全幅をカバーできるが、このような配置の場合には縦傷に対して適切な光反射が得られずに、そもそも傷の検出ができない。
そこで、本実施の形態においては、平板のように回転できない検査対象について縦傷を検出する装置及び方法について提案するものである。
図11は本実施の形態に係る表面欠陥検査装置の要部を説明する説明図である。
本実施の形態においては、光源22Lとラインセンサカメラ22Sを平板31の軸線方向(平板31の移動方向)に対して傾斜して配置したものである。
なお、本実施の形態においては、図11(b)に示すように、単一の光源22Lと5個のラインセンサカメラ22Sを用いた例を示している。
このように光源22Lとラインセンサカメラ22Sを平板31の軸線方向に対して傾斜して配置することにより、縦傷に対応した光反射を得ることができ、縦傷の検出が可能となる。
また、前述したように複数の光源を平板の軸線方向に平行に配置する場合には隣接する照射光が重なりを生ずることから縦傷に対する適切な反射光が得られない可能性があるが、本実施の形態のように、光源22Lとラインセンサカメラ22Sを平板31の軸線方向に対して傾斜して配置するようにすれば、照射光の重なりよる不具合の発生もない。
以上のように、本実施の形態によれば、平板31のように回転できない検査対象について縦傷を検出することが可能となる。
なお、光源22Lとラインセンサカメラ22Sの平板31の軸線方向に対する傾斜角度については、検出対象として想定される傷の深さ等に基づいて検出可能な傾斜角度を予め見つけ出し、そのような角度に設定すればよい。
また、本実施の形態においては、実施の形態1、2の場合のように光源22Lとラインセンサカメラ22Sを縦傷に対して平行に配置した場合よりも縦傷による反射光が弱くなる傾向にある。
そこで、図12に示すように、光源22Lの光路の検査対象面に対する傾斜が小さくなるように、すなわち検査対象面の法線と光源22Lの光路の成す角度(入射角α)が小さくなるように配置するのが好ましい。
このように配置することにより、縦傷に対する反射光の光量が多くなるので、縦傷の検出感度を上げることができる。
[実施の形態4]
上記の実施の形態1〜3においては、所定の長さを有するパイプや平板の表面の縦傷を連続的に検査することを主目的としたものである。
しかしながら、微細な傷の検出の要請は、実施の形態1〜3に示したようなパイプや平板に限られるものではなく、複雑な形状の小さな機械部品の表面に生ずる微細な傷に対しても存在する。図13はこのような複雑な形状の小さな機械部品の一例を示した図であり、図13(a)が平面図、図13(b)が図13(a)の矢視A−A断面図である。
実施の形態1〜3に示したような所定の長さを有するパイプや平板の表面の縦傷の検出を本来的な目的としている装置によって、図13に示すような複雑な形状の小さな部品の表面(例えば、図13のA面、B面)に生ずる傷を検査しようとした場合には、以下のような問題が生ずる。
実施の形態1〜3に示したものでは、ラインセンサカメラ22Sや光源22Lが所定の大きさを有しているため、小さく複雑な形状の部品に対して光源22Lからの光を所望の箇所に均一に照射するのが難しい。つまり、形状が複雑で、傷の存在する検査対象面が湾曲しているような場合(例えば、図13のA面)には、光源22Lから検査対象面までの距離が一定とならず、均一に光を照射しづらい。
また、この場合には反射光を受光するラインセンサカメラ22Sと検査対象面との距離についても変化するため均一な受光が難しく、検査対象面の形状に起因する反射光の光量が変化することが考えられ、的確な傷の検出が難しくなる。
また、一つの部品の表面と底面などのように異なる面に存在する傷の検出をしようとする場合においては、仮に複数箇所にラインセンサカメラ22Sと光源22Lを設置したとしても、照射面積が大きい場合には、当該検査対象としている光以外の光の影響を受けることによって適切な傷の検出ができないことも考えられる。
本実施の形態においては、このように小さな部品で複雑な形状を有する部品についても、微細な傷の検出をできる表面欠陥検査装置を提供するものである。
図14、図15は本実施の形態に係る表面欠陥検査装置の要部を説明する説明図である。以下、図14、図15に基づいて本実施の形態の表面欠陥検査装置について説明する。
本実施の形態に係る表面欠陥検査装置の要部は、複数の光ファイバー33を一列に並べて2枚の板材35の間に挟んで形成され検査面に光を照射する照光部材37と、複数の光ファイバー33を一列に並べて2枚の板材35の間に挟んで形成され検査面からの反射光を受光する受光部材39と、照光部材37と受光部材39を所定の角度になるように保持する保持部材41とを備え、照光部材37側の光ファイバー33の束の端部には光源が設置され、受光部材39側の光ファイバー33の束の端部には光量計や、ラインセンサカメラが設置されるというものである。
なお、ラインセンサカメラからの情報を入力して該入力情報に基づいて良否の判定を行う判定手段や、良否判定基準を設定する良否判定基準設定手段や、ラインセンサカメラから入力される情報に基づいて、検査対象面の表面画像を作成する画像処理手段などについては、実施の形態1において説明したものを使用できるので、ここでは説明を省略する。
以下、本実施の形態の要部を構成する各部材についてさらに詳細に説明する。
<照光部材、受光部材>
照光部材37、受光部材39における検査対象面に対向する面は、図15に示されるように、端部に光ファイバー33の端面が面一になるように配置され、この面から光が照射され、また光が受光される。
照光部材37、受光部材39における検査対象面と反対側からは、図14、図15に示されるように光ファイバー33の束が延出する。
照光部材37、受光部材39の形状や大きさは、光ファイバー33を挟む板材35の大きさや形状を適宜設定することにより、検査対象面の大きさや形状に合わせて適宜設定することができる。例えば、検査対象が小さな部品の場合には、板材35を小形に設定してスポット的に検査することができる。その場合には、一つの検査対象物について複数の検査対象面があったとしても、小形の照光部材37、受光部材39を複数設置してスポット的に検査することによって、一方の検査対象面への光が他方の検査対象面に影響を与えることなく検査が可能になる。
光ファイバー33を挟む板材35の材質は、金属板のように湾曲等の変形ができるものを用いるのが好ましい。金属板のように湾曲等の変形できるものであれば、検査対象面の形状に対応させて変形することにより、照光部材37や受光部材39の端部を検査面に添わせることができ、的確な照光と受光が可能になり、正確な傷の検出ができる。
<保持部材>
保持部材41は照光部材37と受光部材39を所定の角度で保持するものである。保持部材41によって照光部材37と受光部材39を保持する角度は、実施の形態1で説明した入射角αと傷反射角βの関係に基づいて設定されている。したがって、図14に示すように、照光部材37の端面から照射された光が図示しない検査対象面に形成された傷によって反射されると、受光部材39の端面に入射して傷を検出できる。
なお、図14においては、保持部材41が照光部材37と受光部材39を一体的に保持する場合を示したが、受光部材39と照光部材37とのなす角度を所定の角度に保持しながら受光部材39を検査対象面に対して離したり近づけたりできるように保持するようにしてもよい。
このようにすれば、実施の形態1で説明したように受光部材39による傷検出の感度を変更することが可能になる。
<光源>
照光部材37から延出される光ファイバー33の束の端部に設置される光源としては、実施の形態1において説明したLEDなどを設置すればよい。
<光量計、ラインセンサカメラ>
受光部材39から延出される光ファイバー33の束の端部には、光量計またはラインセンサカメラが設置される。
光量計を設置した場合には、傷の有無を検出でき、ラインセンサカメラを設置した場合には、傷の有無に加えて傷の位置を検出できる。
以上のように構成された本実施の形態の表面欠陥検査装置においては、例えば図16に示すように、検査対象物における検査対象面(この例では2つのA、B面を検査対象面としている)に対向させて照光部材37及び受光部材39を設置し、検査対象物を回転させながら、実施の形態1で示したのと同様の方法によって傷の検出を行なえばよい。
このようにすることで、図16に示すような複雑な形状の検査対象物に対して、しかも複数の検査対象面を同時に検査することができる。
以上のように、本実施の形態の表面欠陥検査装置によれば、検査対象物が小さな複雑な形状であっても、検査したい検査面に対して的確な検査が可能になる。しかも、検査対象面が複数ある場合であっても、複数の面を一度に、しかも複数の面が互いに影響を受けることなく検査ができる。
本発明の表面欠陥検査装置の一実施形態を搭載したパイプ検査装置全体の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態における光源とラインセンサカメラの配置を説明する説明図である。 図2を上から見た状態を示す図である。 本発明の一実施の形態におけるコンピュータの機能を説明するブロック図である。 本発明の一実施の形態における判定手段の機能を説明する説明図である。 本発明の一実施の形態における判定手段の機能を説明する説明図である。 本発明の一実施の形態における画像処理手段の機能を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2におけるコンピュータの機能を説明するブロック図である。 本発明の実施の形態2における判定手段の機能を説明する説明図である。 本発明の実施の形態3における解決すべき課題の説明図である。 本発明の実施の形態3の説明図である。 本発明の実施の形態3の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態4の課題の説明図である。 本発明の実施の形態4の説明図である。 本発明の実施の形態4の説明図である。 本発明の実施の形態4の動作説明図である。
符号の説明
9 位置決板
10 パイプ検査装置
11 検査部
12 選別部
13 パイプ
14、15、16 ローラ
21 コンピュータ
21A 制御手段
21B 判定手段
21C 良否判定基準設定手段
21D 画像処理手段
22 検査ユニット
22L 光源
22S ラインセンサカメラ
31 平板
33 光ファイバー
35 板材
37 照光部材
39 受光部材
41 保持部材

Claims (9)

  1. 被検査物の表面に照射した光の反射光を受光部によって受光して表面欠陥を検出して前記被検査物の良否を判定する表面欠陥検査方法であって、
    前記被検査物の表面に生ずる欠陥に対応して予め定めた反射光の光路に前記受光部を配置すると共に反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め閾値を定めておき、前記受光部に入射する反射光の光量と前記閾値とを比較して前記被検査物の良否を判定することを特徴とする表面欠陥検査方法。
  2. 被検査物に対する受光部の距離を変更することによって前記受光部に入射する反射光の光量を変更し、これによって前記被検査物の良否判定基準を変更するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査方法。
  3. 複数の異なる欠陥の大きさに対応する閾値をそれぞれ設定しておき、使用する閾値を変更することによって被検査物の良否判定の基準を変更するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査方法。
  4. 被検査物の表面に照射した光の反射光を受光部によって受光して表面欠陥を検出して前記被検査物の良否を判定する表面欠陥検査装置であって、
    前記被検査物の表面に光を照射する複数のLEDからなる光源と、前記被検査物の表面に生ずる欠陥に対応して予め定めた反射光の光路に配置されたラインセンサカメラと、ラインセンサカメラからの光量情報を入力して、反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め定めた閾値と前記光量情報とに基づいて前記被検査物の良否を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする表面欠陥検査装置。
  5. 軸方向直交断面が円形の円筒又は円柱状の被検査物を軸周りに回転させながら軸方向に搬送する搬送手段を有し、光源とラインセンサカメラが前記被検査物の軸を挟むように該軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項4に記載の表面欠陥検査装置。
  6. 検査対象面が平面である被検査物をその軸方向に搬送する搬送手段を有し、光源とラインセンサカメラが前記軸方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項4に記載の表面欠陥検査装置。
  7. 被検査物の表面に照射した光の反射光を受光して表面欠陥を検出して前記被検査物の良否を判定する表面欠陥検査装置であって、
    光源の光を導入して前記被検査物の表面に光を照射する照光部材と、前記被検査物の表面からの反射光を受光してラインセンサカメラに伝達する受光部材と、該受光部材が前記被検査物の表面に生ずる欠陥に対応する反射光の光路に配置されるように前記照光部材と前記受光部材を保持する保持部材と、前記ラインセンサカメラからの光量情報を入力して、反射光の光量と欠陥の大きさとに基づいて予め定めた閾値と前記光量情報とに基づいて前記被検査物の良否を判定する判定手段とを有し、
    前記照光部材及び前記受光部材が光ファイバーを一列に並べて形成されていることを特徴とする表面欠陥検査装置。
  8. 欠陥の大きさとの関係で良否判定の基準を設定する良否判定基準設定手段と、良否判定基準設定手段の設定値にもとづいて、ラインセンサカメラの被検査物に対する位置を調整するカメラ位置調整手段と、を備えたことを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の表面欠陥検査装置。
  9. 欠陥の大きさとの関係で良否判定の基準を設定する良否判定基準設定手段を備え、判定手段は複数の異なる欠陥の大きさに対応する複数の閾値を有しており、良否判定基準設定手段の設定値に基づいて前記複数の閾値の中から対応する閾値を選択する機能を備えていることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の表面欠陥検査装置。
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