JP2002134350A - 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
積層セラミックコンデンサおよびその製造方法Info
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- JP2002134350A JP2002134350A JP2000327418A JP2000327418A JP2002134350A JP 2002134350 A JP2002134350 A JP 2002134350A JP 2000327418 A JP2000327418 A JP 2000327418A JP 2000327418 A JP2000327418 A JP 2000327418A JP 2002134350 A JP2002134350 A JP 2002134350A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 誘電体層の比誘電率および絶縁耐圧が共に高
く、内部電極として卑金属を使用することができ、且
つ、温度補償用として使用可能な積層セラミックコンデ
ンサを提供する。 【解決手段】 誘電体層として、(CaXSr1-X)
m(Ti1-YZrY)O2+m(0<X≦0.6、0<Y≦
0.2、0.90≦m≦1.10)で表される組成物に
対して、MnをMn3O4に換算して0.1〜2.0mo
l%と、Ba、CaおよびSiを(BaZCa1-Z)VS
iO2+V(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦2.0)に
換算して0.5〜5.0質量%と、Y、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Nb、Mo、Ta、WおよびV
からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.02〜
1.0mol%添加した磁器組成物を使用する。
く、内部電極として卑金属を使用することができ、且
つ、温度補償用として使用可能な積層セラミックコンデ
ンサを提供する。 【解決手段】 誘電体層として、(CaXSr1-X)
m(Ti1-YZrY)O2+m(0<X≦0.6、0<Y≦
0.2、0.90≦m≦1.10)で表される組成物に
対して、MnをMn3O4に換算して0.1〜2.0mo
l%と、Ba、CaおよびSiを(BaZCa1-Z)VS
iO2+V(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦2.0)に
換算して0.5〜5.0質量%と、Y、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Nb、Mo、Ta、WおよびV
からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.02〜
1.0mol%添加した磁器組成物を使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサおよびその製造方法に関するものである。
ンデンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、薄型化、高性
能化に伴って、積層セラミックコンデンサに対しても各
特性の向上が要求されている。例えば、温度補償用積層
セラミックコンデンサにおいては、特に、温度変化に対
する静電容量の安定性が高い、すなわち容量温度係数の
絶対値が小さいことと、誘電体層の誘電正接(tanδ)
が小さいこととが要求される。
能化に伴って、積層セラミックコンデンサに対しても各
特性の向上が要求されている。例えば、温度補償用積層
セラミックコンデンサにおいては、特に、温度変化に対
する静電容量の安定性が高い、すなわち容量温度係数の
絶対値が小さいことと、誘電体層の誘電正接(tanδ)
が小さいこととが要求される。
【0003】また、積層セラミックコンデンサは、通
常、誘電体層用グリーンシートと内部電極層用ペースト
とを積層した積層体を焼成すること、すなわち、誘電体
層と内部電極とを同時に焼成することにより製造され
る。積層セラミックコンデンサにおいては、その低価格
化などの要求に対応するため、内部電極として安価な卑
金属を使用することが提案されている。しかし、卑金属
は、空気中で焼成すると酸化して、内部電極として機能
しなくなるため、非酸化雰囲気で焼成する必要がある。
従って、このような積層セラミックコンデンサに使用さ
れる誘電体層には、非酸化雰囲気で焼結可能であること
が要求される。
常、誘電体層用グリーンシートと内部電極層用ペースト
とを積層した積層体を焼成すること、すなわち、誘電体
層と内部電極とを同時に焼成することにより製造され
る。積層セラミックコンデンサにおいては、その低価格
化などの要求に対応するため、内部電極として安価な卑
金属を使用することが提案されている。しかし、卑金属
は、空気中で焼成すると酸化して、内部電極として機能
しなくなるため、非酸化雰囲気で焼成する必要がある。
従って、このような積層セラミックコンデンサに使用さ
れる誘電体層には、非酸化雰囲気で焼結可能であること
が要求される。
【0004】温度補償用として使用することが可能であ
り、且つ、内部電極層に卑金属を使用し得る積層セラミ
ックコンデンサとしては、誘電体層として、主成分
[(Ca XSr1-X)O]m(TiYZr1-Y)O2(但し、
0≦X≦1、0≦Y≦0.10、0.75≦m≦1.0
4)に対し、副成分としてMn酸化物をMnOに換算し
て0.2〜5 mol%と、Al酸化物をAl2O3に換
算して0.1〜10mol%と、[(BaZCa1-Z)
O]VSiO2(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦4.
0)を0.5〜15 mol%とを添加した磁器組成物
を使用したものが提案されている(特開平10−335
169号公報)。
り、且つ、内部電極層に卑金属を使用し得る積層セラミ
ックコンデンサとしては、誘電体層として、主成分
[(Ca XSr1-X)O]m(TiYZr1-Y)O2(但し、
0≦X≦1、0≦Y≦0.10、0.75≦m≦1.0
4)に対し、副成分としてMn酸化物をMnOに換算し
て0.2〜5 mol%と、Al酸化物をAl2O3に換
算して0.1〜10mol%と、[(BaZCa1-Z)
O]VSiO2(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦4.
0)を0.5〜15 mol%とを添加した磁器組成物
を使用したものが提案されている(特開平10−335
169号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記積
層セラミックコンデンサの誘電体層は、比誘電率が30
前後と低いという問題があった。誘電体層の比誘電率が
低いと、所望の静電容量を得ようとすると、その積層数
を増加させる必要がある。しかし、誘電体層の積層数の
増加させると、積層セラミックコンデンサの小型化、薄
型化が困難となる。また、誘電体層の厚みを薄くするこ
とによっても静電容量を向上させることができるが、こ
の場合、誘電体層の絶縁耐圧が低下してしまう。
層セラミックコンデンサの誘電体層は、比誘電率が30
前後と低いという問題があった。誘電体層の比誘電率が
低いと、所望の静電容量を得ようとすると、その積層数
を増加させる必要がある。しかし、誘電体層の積層数の
増加させると、積層セラミックコンデンサの小型化、薄
型化が困難となる。また、誘電体層の厚みを薄くするこ
とによっても静電容量を向上させることができるが、こ
の場合、誘電体層の絶縁耐圧が低下してしまう。
【0006】そこで、本発明は、誘電体層の比誘電率お
よび絶縁耐圧が共に高く、内部電極として卑金属を使用
することができ、且つ、温度補償用として使用可能な積
層セラミックコンデンサおよびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
よび絶縁耐圧が共に高く、内部電極として卑金属を使用
することができ、且つ、温度補償用として使用可能な積
層セラミックコンデンサおよびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電体層と
電極層とが交互に積層した積層セラミックコンデンサで
あって、前記誘電体層が、(CaXSr1-X)m(Ti1-Y
ZrY)O2+m(但し、0<X≦0.6、0<Y≦0.
2、0.90≦m≦1.10)で表される組成物と、M
nをMn3O4に換算して前記組成物に対して0.1〜
2.0mol%と、Ba、CaおよびSiを(BaZC
a1-Z)VSiO2+V(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦
2.0)に換算して前記組成物に対して0.5〜5.0
質量%と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、N
b、Mo、Ta、WおよびVからなる群より選ばれる少
なくとも1種(以下、「A成分」とする。)を前記組成
物に対して0.02〜1.0mol%とを含むことを特
徴とする。
め、本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電体層と
電極層とが交互に積層した積層セラミックコンデンサで
あって、前記誘電体層が、(CaXSr1-X)m(Ti1-Y
ZrY)O2+m(但し、0<X≦0.6、0<Y≦0.
2、0.90≦m≦1.10)で表される組成物と、M
nをMn3O4に換算して前記組成物に対して0.1〜
2.0mol%と、Ba、CaおよびSiを(BaZC
a1-Z)VSiO2+V(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦
2.0)に換算して前記組成物に対して0.5〜5.0
質量%と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、N
b、Mo、Ta、WおよびVからなる群より選ばれる少
なくとも1種(以下、「A成分」とする。)を前記組成
物に対して0.02〜1.0mol%とを含むことを特
徴とする。
【0008】このような構成にしたことにより、誘電体
層の比誘電率および絶縁耐圧が共に高く、内部電極とし
て卑金属を使用することが可能な積層セラミックコンデ
ンサとすることができる。更に、誘電体層の誘電正接が
小さく(すなわち、抵抗値が大きく)、温度変化に対す
る静電容量の安定性が高い(すなわち、容量温度係数の
絶対値が小さい)コンデンサとすることができる。
層の比誘電率および絶縁耐圧が共に高く、内部電極とし
て卑金属を使用することが可能な積層セラミックコンデ
ンサとすることができる。更に、誘電体層の誘電正接が
小さく(すなわち、抵抗値が大きく)、温度変化に対す
る静電容量の安定性が高い(すなわち、容量温度係数の
絶対値が小さい)コンデンサとすることができる。
【0009】前記積層セラミックコンデンサにおいて
は、前記電極層が卑金属を含むことが好ましい。低価格
化を図ることができるからである。
は、前記電極層が卑金属を含むことが好ましい。低価格
化を図ることができるからである。
【0010】また、前記積層セラミックコンデンサにお
いては、誘電体層において、Ba、CaおよびSiが、
粒界に偏析していることが好ましい。この好ましい例に
よれば、誘電体層の焼結性を向上させるとともに、その
粒成長や半導体化を抑制し、更に優れた特性のコンデン
サとすることができる。
いては、誘電体層において、Ba、CaおよびSiが、
粒界に偏析していることが好ましい。この好ましい例に
よれば、誘電体層の焼結性を向上させるとともに、その
粒成長や半導体化を抑制し、更に優れた特性のコンデン
サとすることができる。
【0011】また、前記積層セラミックコンデンサにお
いては、Mnが、粒界に偏析していることが好ましい。
この好ましい例によれば、誘電体層の耐還元性を更に向
上させるとともに、誘電体層の誘電正接を更に小さくす
ることができる。
いては、Mnが、粒界に偏析していることが好ましい。
この好ましい例によれば、誘電体層の耐還元性を更に向
上させるとともに、誘電体層の誘電正接を更に小さくす
ることができる。
【0012】前記積層セラミックコンデンサにおいて
は、前記誘電体層の比誘電率が、150以上であること
が好ましく、200以上であることが更に好ましい。ま
た、比誘電率の上限については、特に限定するものでは
ないが、例えば470以下である。
は、前記誘電体層の比誘電率が、150以上であること
が好ましく、200以上であることが更に好ましい。ま
た、比誘電率の上限については、特に限定するものでは
ないが、例えば470以下である。
【0013】また、前記積層セラミックコンデンサにお
いては、前記誘電体層の絶縁破壊電圧が、125V/μ
m以上であることが好ましい。
いては、前記誘電体層の絶縁破壊電圧が、125V/μ
m以上であることが好ましい。
【0014】また、前記積層セラミックコンデンサにお
いては、周波数1MHz、温度−25〜85℃の条件に
おける誘電正接(tanδ)が、0.1%以下であること
が好ましく、極力0に近いほうが好ましい。
いては、周波数1MHz、温度−25〜85℃の条件に
おける誘電正接(tanδ)が、0.1%以下であること
が好ましく、極力0に近いほうが好ましい。
【0015】また、前記積層セラミックコンデンサにお
いては、周波数1MHz、温度−25〜85℃における
容量温度係数が、−1000〜350ppm/℃である
ことが好ましい。
いては、周波数1MHz、温度−25〜85℃における
容量温度係数が、−1000〜350ppm/℃である
ことが好ましい。
【0016】前記目的を達成するため、本発明の製造方
法は、Sr化合物と、Ti化合物と、Zr化合物と、M
n化合物と、Ca化合物と、Ba化合物と、Si化合物
と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Nb、M
o、Ta、WおよびVからなる群より選ばれる少なくと
も一種であるA成分を含む化合物とを含む混合物を得る
工程と、前記混合物を成形して誘電体層を得る工程と、
前記誘電体層と電極層とを積層して積層体を得る工程
と、前記積層体を焼成する工程とを含み、焼成後の前記
誘電体層が、(CaXSr1-X)m(Ti1-YZrY)O2+m
(但し、0<X≦0.6、0<Y≦0.2、0.90≦
m≦1.10)で表される組成物と、MnをMn3O4に
換算して前記組成物に対して0.1〜2.0mol%
と、Ba、CaおよびSiを(BaZCa1-Z)VSiO
2+V(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦2.0)に換算
して前記組成物に対して0.5〜5.0質量%と、前記
A成分を前記組成物に対して0.02〜1.0mol%
とを含有することを特徴とする。
法は、Sr化合物と、Ti化合物と、Zr化合物と、M
n化合物と、Ca化合物と、Ba化合物と、Si化合物
と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Nb、M
o、Ta、WおよびVからなる群より選ばれる少なくと
も一種であるA成分を含む化合物とを含む混合物を得る
工程と、前記混合物を成形して誘電体層を得る工程と、
前記誘電体層と電極層とを積層して積層体を得る工程
と、前記積層体を焼成する工程とを含み、焼成後の前記
誘電体層が、(CaXSr1-X)m(Ti1-YZrY)O2+m
(但し、0<X≦0.6、0<Y≦0.2、0.90≦
m≦1.10)で表される組成物と、MnをMn3O4に
換算して前記組成物に対して0.1〜2.0mol%
と、Ba、CaおよびSiを(BaZCa1-Z)VSiO
2+V(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦2.0)に換算
して前記組成物に対して0.5〜5.0質量%と、前記
A成分を前記組成物に対して0.02〜1.0mol%
とを含有することを特徴とする。
【0017】このような製造方法によれば、前述したよ
うな本発明の積層セラミックコンデンサを製造すること
ができる。
うな本発明の積層セラミックコンデンサを製造すること
ができる。
【0018】前記製造方法においては、混合物を得る工
程が、Ca、BaおよびSiを含む化合物を調製した
後、この化合物と、Sr化合物、Ti化合物、Zr化合
物、Mn化合物およびA成分を含む化合物とを混合する
工程であることが好ましい。この好ましい例によれば、
誘電体層の粒成長および半導体化を抑制し、更に優れた
特性のコンデンサを製造することができる(以下、この
好ましい例を「第1の製造方法」という。)。
程が、Ca、BaおよびSiを含む化合物を調製した
後、この化合物と、Sr化合物、Ti化合物、Zr化合
物、Mn化合物およびA成分を含む化合物とを混合する
工程であることが好ましい。この好ましい例によれば、
誘電体層の粒成長および半導体化を抑制し、更に優れた
特性のコンデンサを製造することができる(以下、この
好ましい例を「第1の製造方法」という。)。
【0019】また、前記製造方法においては、混合物を
得る工程において、Ca化合物、Ba化合物およびSi
化合物を含む溶液と、Sr化合物と、Ti化合物と、Z
r化合物と、Mn化合物と、A成分を含む化合物とを混
合する工程であることが好ましい。この好ましい例によ
っても、誘電体層の粒成長および半導体化を抑制し、更
に優れた特性のコンデンサを製造することができる(以
下、この好ましい例を「第2の製造方法」という。)。
得る工程において、Ca化合物、Ba化合物およびSi
化合物を含む溶液と、Sr化合物と、Ti化合物と、Z
r化合物と、Mn化合物と、A成分を含む化合物とを混
合する工程であることが好ましい。この好ましい例によ
っても、誘電体層の粒成長および半導体化を抑制し、更
に優れた特性のコンデンサを製造することができる(以
下、この好ましい例を「第2の製造方法」という。)。
【0020】更に、この第2の製造方法によれば、Ba
化合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液の状態で使
用することにより、焼結時の反応性を向上させることが
でき、その結果、低温での焼成が可能となる。また、分
散性が向上するため、電気特性のバラツキが抑えられる
と同時に、寿命特性を向上させることができる。
化合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液の状態で使
用することにより、焼結時の反応性を向上させることが
でき、その結果、低温での焼成が可能となる。また、分
散性が向上するため、電気特性のバラツキが抑えられる
と同時に、寿命特性を向上させることができる。
【0021】前記第2の製造方法においては、Ba化合
物およびCa化合物が、酢酸塩または硝酸塩であること
が好ましい。また、Si化合物が、アルコキシドである
ことが好ましい。また、溶媒としては、水とアルコール
の混合溶媒を使用することが好ましい。混合物の乾燥が
容易だからである。
物およびCa化合物が、酢酸塩または硝酸塩であること
が好ましい。また、Si化合物が、アルコキシドである
ことが好ましい。また、溶媒としては、水とアルコール
の混合溶媒を使用することが好ましい。混合物の乾燥が
容易だからである。
【0022】また、前記第2の製造方法においては、混
合物を得る工程が、Ca化合物、Ba化合物およびSi
化合物を含む溶液にアルカリ溶液を添加した後、これに
粉末状の化合物を添加することにより実施されることが
好ましい。この好ましい例によれば、粒径の細かい粉末
を得ることができ、更に優れた特性のコンデンサを得る
ことができる。
合物を得る工程が、Ca化合物、Ba化合物およびSi
化合物を含む溶液にアルカリ溶液を添加した後、これに
粉末状の化合物を添加することにより実施されることが
好ましい。この好ましい例によれば、粒径の細かい粉末
を得ることができ、更に優れた特性のコンデンサを得る
ことができる。
【0023】この場合、混合物を得る工程の後であっ
て、前記混合物を成形する前に、前記混合物を空気中で
仮焼する工程を含むことが好ましい。この好ましい例に
よれば、アルカリ溶液の添加により前記混合物に混入す
る不純物(アルカリ物質およびその塩)の少なくとも一
部を、熱分解により除去することができる。
て、前記混合物を成形する前に、前記混合物を空気中で
仮焼する工程を含むことが好ましい。この好ましい例に
よれば、アルカリ溶液の添加により前記混合物に混入す
る不純物(アルカリ物質およびその塩)の少なくとも一
部を、熱分解により除去することができる。
【0024】また、前記アルカリ溶液としては、弱アル
カリ溶液を使用することが好ましい。アルカリ溶液の添
加により生成する析出物の取扱い性が良好であり、且
つ、析出物に混入する不純物の除去が容易だからであ
る。
カリ溶液を使用することが好ましい。アルカリ溶液の添
加により生成する析出物の取扱い性が良好であり、且
つ、析出物に混入する不純物の除去が容易だからであ
る。
【0025】前記第1および第2の製造方法において
は、電極層が卑金属を含むことが好ましい。積層セラミ
ックコンデンサの低価格化を図ることができるからであ
る。
は、電極層が卑金属を含むことが好ましい。積層セラミ
ックコンデンサの低価格化を図ることができるからであ
る。
【0026】また、前記第1および第2の製造方法にお
いては、Mn化合物が、Mn3O4であることが好まし
い。Mn3O4は、MnO、MnO2、MnCO3などに比
べて粒径が細かく分散しやすいので、誘電体層の耐還元
性を更に促進すると同時に、誘電損失(tanδ)の温度
特性を向上させ、高温領域(例えば、85℃以上)にお
いてもtanδの上昇を抑制し、更に優れた特性のコン
デンサを製造することができる。
いては、Mn化合物が、Mn3O4であることが好まし
い。Mn3O4は、MnO、MnO2、MnCO3などに比
べて粒径が細かく分散しやすいので、誘電体層の耐還元
性を更に促進すると同時に、誘電損失(tanδ)の温度
特性を向上させ、高温領域(例えば、85℃以上)にお
いてもtanδの上昇を抑制し、更に優れた特性のコン
デンサを製造することができる。
【0027】また、前記第1および第2の製造方法にお
いては、混合物を得る工程において、Mn化合物を溶液
の状態で用いることが好ましい。この好ましい例によれ
ば、粉体の状態で使用する場合に比べて、Mn化合物の
分散性を更に向上させることができ、更に優れた特性の
コンデンサを製造することができる。
いては、混合物を得る工程において、Mn化合物を溶液
の状態で用いることが好ましい。この好ましい例によれ
ば、粉体の状態で使用する場合に比べて、Mn化合物の
分散性を更に向上させることができ、更に優れた特性の
コンデンサを製造することができる。
【0028】この場合、Mn化合物は、酢酸マンガンま
たは硝酸マンガンであることが好ましい。
たは硝酸マンガンであることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る積層セラミ
ックコンデンサの構造の一例を示す断面図である。この
積層セラミックコンデンサは、誘電体層1と内部電極層
2a、2bとが交互に積層した積層体と、この積層体表
面に形成された下層外部電極3と、下層外部電極3表面
に形成された上層外部電極4とを備えている。
ックコンデンサの構造の一例を示す断面図である。この
積層セラミックコンデンサは、誘電体層1と内部電極層
2a、2bとが交互に積層した積層体と、この積層体表
面に形成された下層外部電極3と、下層外部電極3表面
に形成された上層外部電極4とを備えている。
【0030】前記誘電体層1は、下記一般式(1)で表
される組成物を主成分とする。
される組成物を主成分とする。
【0031】 (CaXSr1-X)m(Ti1-YZrY)O2+m (1) 前記一般式(1)において、Xは、0<X≦0.6の範
囲である。前記範囲外であると、容量温度係数の絶対値
が大きくなる、すなわち温度変化に対する静電容量の安
定性が低下する。Xは、好ましくは0.1≦X≦0.6
の範囲であり、更に好ましくは0.3≦X≦0.5の範
囲である。
囲である。前記範囲外であると、容量温度係数の絶対値
が大きくなる、すなわち温度変化に対する静電容量の安
定性が低下する。Xは、好ましくは0.1≦X≦0.6
の範囲であり、更に好ましくは0.3≦X≦0.5の範
囲である。
【0032】また、前記一般式(1)において、Yは、
0<Y≦0.2の範囲である。すなわち、Tiに比べ
て、Zrの比率が相対的に少なくなるように調整されて
いる。Y=0では高温条件下における誘電正接(tan
δ)が高くなり、Y>0.2では比誘電率が低下し、高
周波特性に悪影響を与えるおそれがある。Yは、好まし
くは0.01≦Y≦0.1の範囲であり、更に好ましく
は0.01≦Y≦0.05の範囲である。
0<Y≦0.2の範囲である。すなわち、Tiに比べ
て、Zrの比率が相対的に少なくなるように調整されて
いる。Y=0では高温条件下における誘電正接(tan
δ)が高くなり、Y>0.2では比誘電率が低下し、高
周波特性に悪影響を与えるおそれがある。Yは、好まし
くは0.01≦Y≦0.1の範囲であり、更に好ましく
は0.01≦Y≦0.05の範囲である。
【0033】また、前記一般式(1)において、mは、
0.90≦m≦1.10の範囲である。m<0.90で
は、誘電体層の粒成長および還元が起こりやすく、誘電
正接の上昇および絶縁破壊電圧の低下が生じる。また、
m>1.10では、緻密な磁器組成物を得るのに高い焼
結温度を要する。mは、好ましくは0.95≦m≦1.
05の範囲であり、更に好ましくは0.98≦m≦1.
02の範囲である。
0.90≦m≦1.10の範囲である。m<0.90で
は、誘電体層の粒成長および還元が起こりやすく、誘電
正接の上昇および絶縁破壊電圧の低下が生じる。また、
m>1.10では、緻密な磁器組成物を得るのに高い焼
結温度を要する。mは、好ましくは0.95≦m≦1.
05の範囲であり、更に好ましくは0.98≦m≦1.
02の範囲である。
【0034】(Ca,Sr)(Ti,Zr)O3系組成
物においては、TiをZrで置換する割合が高いほど、
耐還元性および温度変化に対する容量安定性が改善され
るが、その一方で比誘電率が低下する。しかしながら、
本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、誘電体
層の主成分となる(Ca,Sr)(Ti,Zr)O3系
組成物を、前述したような特定の組成に限定することに
より、高い比誘電率を達成しながら、容量温度係数の絶
対値を十分小さくすることができる。
物においては、TiをZrで置換する割合が高いほど、
耐還元性および温度変化に対する容量安定性が改善され
るが、その一方で比誘電率が低下する。しかしながら、
本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、誘電体
層の主成分となる(Ca,Sr)(Ti,Zr)O3系
組成物を、前述したような特定の組成に限定することに
より、高い比誘電率を達成しながら、容量温度係数の絶
対値を十分小さくすることができる。
【0035】前記誘電体層1は、更に、Ba、Caおよ
びSiを含む。これらの元素は、焼結助剤として作用す
る。なお、これらの元素は、下記一般式(2)で表され
る組成物として、前記主成分の粒界に偏析していること
が好ましい。
びSiを含む。これらの元素は、焼結助剤として作用す
る。なお、これらの元素は、下記一般式(2)で表され
る組成物として、前記主成分の粒界に偏析していること
が好ましい。
【0036】 (BaZCa1-Z)VSiO2+V (2) Ba、CaおよびSiは、前記一般式(2)において、
0.5≦V≦2.0、および、0≦Z≦1が成立するよ
うな比率で添加される。V<0.5では、誘電体層の粒
成長および還元が起こりやすく、誘電正接の上昇および
絶縁破壊電圧の低下が起こる。すなわち、BaおよびC
aの少なくとも一方が特定の割合以上添加される必要が
あり、Si単独またはSi過剰になると、誘電体層の粒
成長および還元が起こりやすくなる。また、V>2.0
では、緻密な磁器組成物を得るのに高い焼成温度を要す
る。
0.5≦V≦2.0、および、0≦Z≦1が成立するよ
うな比率で添加される。V<0.5では、誘電体層の粒
成長および還元が起こりやすく、誘電正接の上昇および
絶縁破壊電圧の低下が起こる。すなわち、BaおよびC
aの少なくとも一方が特定の割合以上添加される必要が
あり、Si単独またはSi過剰になると、誘電体層の粒
成長および還元が起こりやすくなる。また、V>2.0
では、緻密な磁器組成物を得るのに高い焼成温度を要す
る。
【0037】また、Ba、CaおよびSiの添加量は、
前記主成分に対して、前記一般式(2)で表される化合
物に換算して、0.5〜5.0質量%、好ましくは1.
0〜3.0質量%、更に好ましくは1.5〜2.5質量
%である。添加量が0.5質量%未満では、緻密な磁器
組成物を得るのに高い焼成温度を要し、5.0質量%を
超えると、誘電体層の粒成長および還元が起こりやす
く、誘電正接の上昇、絶縁破壊電圧の低下が起こる。
前記主成分に対して、前記一般式(2)で表される化合
物に換算して、0.5〜5.0質量%、好ましくは1.
0〜3.0質量%、更に好ましくは1.5〜2.5質量
%である。添加量が0.5質量%未満では、緻密な磁器
組成物を得るのに高い焼成温度を要し、5.0質量%を
超えると、誘電体層の粒成長および還元が起こりやす
く、誘電正接の上昇、絶縁破壊電圧の低下が起こる。
【0038】前記誘電体層1は、Mnを含む。Mnはア
クセプターとして作用し、誘電体層に耐還元性を付与す
るための酸素空位を形成する。従って、Mnの添加によ
り、誘電体層の耐還元性を促進させることができる。更
に、Mnを適当な添加量で添加することにより、誘電正
接の温度特性を向上させ、高温領域(例えば、85℃以
上)でも高い抵抗値を実現することができる。Mnは、
前記主成分の粒界に偏析していることが好ましい。ま
た、Mnの添加量は、前記主成分に対して、Mn 3O4に
換算して、0.1〜2.0mol、好ましくは0.2〜
1.5mol、更に好ましくは0.5〜1.0molで
ある。0.1mol%未満では、誘電正接の上昇が起こ
り、2.0mol%を超えると、絶縁破壊電圧の低下、
過剰な粒成長、誘電正接の上昇などが顕著に現れたり、
焼結不良が生じるおそれがある。
クセプターとして作用し、誘電体層に耐還元性を付与す
るための酸素空位を形成する。従って、Mnの添加によ
り、誘電体層の耐還元性を促進させることができる。更
に、Mnを適当な添加量で添加することにより、誘電正
接の温度特性を向上させ、高温領域(例えば、85℃以
上)でも高い抵抗値を実現することができる。Mnは、
前記主成分の粒界に偏析していることが好ましい。ま
た、Mnの添加量は、前記主成分に対して、Mn 3O4に
換算して、0.1〜2.0mol、好ましくは0.2〜
1.5mol、更に好ましくは0.5〜1.0molで
ある。0.1mol%未満では、誘電正接の上昇が起こ
り、2.0mol%を超えると、絶縁破壊電圧の低下、
過剰な粒成長、誘電正接の上昇などが顕著に現れたり、
焼結不良が生じるおそれがある。
【0039】更に、前記誘電体層1は、前述したような
A成分を含む。前記A成分は、これらの元素のうち1種
を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。前記A成分は、誘電体層のペロブスカイト構造の歪
みを抑える作用をする添加剤で、添加量が過少であると
原子価制御剤として誘電体層の半導体化を促進させてし
まう。しかし、添加量が適当な範囲であると、ドナーと
して作用し、耐還元性付与のための酸素空位を補償する
ことにより、誘電体層の耐還元性を促進する。前記A成
分の添加量は、前記主成分に対して、0.02〜1.0
mol%、好ましくは0.05〜0.5mol%、更に
好ましくは0.1〜0.3mol%である。0.02m
ol%未満では、誘電正接の上昇が起こり、1.0mo
l%を超えると、緻密な磁器組成物を得るのに高い焼成
温度を要する。
A成分を含む。前記A成分は、これらの元素のうち1種
を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。前記A成分は、誘電体層のペロブスカイト構造の歪
みを抑える作用をする添加剤で、添加量が過少であると
原子価制御剤として誘電体層の半導体化を促進させてし
まう。しかし、添加量が適当な範囲であると、ドナーと
して作用し、耐還元性付与のための酸素空位を補償する
ことにより、誘電体層の耐還元性を促進する。前記A成
分の添加量は、前記主成分に対して、0.02〜1.0
mol%、好ましくは0.05〜0.5mol%、更に
好ましくは0.1〜0.3mol%である。0.02m
ol%未満では、誘電正接の上昇が起こり、1.0mo
l%を超えると、緻密な磁器組成物を得るのに高い焼成
温度を要する。
【0040】前記誘電体層1と内部電極2a、2bとが
交互に積層されて、積層体が形成されている。この積層
体において、内部電極2aと内部電極2bとは、誘電体
層1を介して互いに対向するように配置されている。な
お、誘電体層1および内部電極2a、2bの積層数は、
特に限定されるものではなく、所望の静電容量などに応
じて適宜設定することができる。
交互に積層されて、積層体が形成されている。この積層
体において、内部電極2aと内部電極2bとは、誘電体
層1を介して互いに対向するように配置されている。な
お、誘電体層1および内部電極2a、2bの積層数は、
特に限定されるものではなく、所望の静電容量などに応
じて適宜設定することができる。
【0041】また、内部電極2bは、積層体の端面に露
出するように配置されている。下層外部電極層3は、こ
の内部電極2bが露出した端面に形成されており、前記
内部電極2bと電気的に接続されている。更に、前記下
層外部電極3表面には上層外部電極4が形成されてい
る。更に、上層外部電極4表面には、配線基板などへの
面実装を容易にするため、半田などのメッキ層が形成さ
れていてもよい。
出するように配置されている。下層外部電極層3は、こ
の内部電極2bが露出した端面に形成されており、前記
内部電極2bと電気的に接続されている。更に、前記下
層外部電極3表面には上層外部電極4が形成されてい
る。更に、上層外部電極4表面には、配線基板などへの
面実装を容易にするため、半田などのメッキ層が形成さ
れていてもよい。
【0042】前記内部電極2a、2bおよび前記下層外
部電極3としては、例えば、Ni、Cu、Coなどの卑
金属を含み、その融点が誘電体層1の焼結温度よりも高
い材料を使用することができる。また、前記上層外部電
極層4としては、例えばAg、Ag−Pd、Pdなどを
使用することができる。
部電極3としては、例えば、Ni、Cu、Coなどの卑
金属を含み、その融点が誘電体層1の焼結温度よりも高
い材料を使用することができる。また、前記上層外部電
極層4としては、例えばAg、Ag−Pd、Pdなどを
使用することができる。
【0043】この積層セラミックコンデンサは、前述し
たように、誘電体層の比誘電率および絶縁破壊電圧がと
もに高い。また、品質係数(Q値)が高く(誘電正接が
小さく)、且つ、温度変化に対する静電容量の安定性が
高いため、温度補償用コンデンサとしての使用に特に適
している。更に、誘電体層の絶縁破壊電圧が高いことに
加えて、それ自身の発熱が小さく燃えにくいため、中高
圧積層セラミックコンデンサとして、高電圧、高周波数
の回路への適用に特に有効である。例えば、スイッチン
グ電源のスナバ回路、電話またはモデムのリンガ回路、
液晶バックライトのインバータ回路などの高電圧回路に
適用することができる。
たように、誘電体層の比誘電率および絶縁破壊電圧がと
もに高い。また、品質係数(Q値)が高く(誘電正接が
小さく)、且つ、温度変化に対する静電容量の安定性が
高いため、温度補償用コンデンサとしての使用に特に適
している。更に、誘電体層の絶縁破壊電圧が高いことに
加えて、それ自身の発熱が小さく燃えにくいため、中高
圧積層セラミックコンデンサとして、高電圧、高周波数
の回路への適用に特に有効である。例えば、スイッチン
グ電源のスナバ回路、電話またはモデムのリンガ回路、
液晶バックライトのインバータ回路などの高電圧回路に
適用することができる。
【0044】上記積層セラミックコンデンサの製造方法
としては、例えば、下記のような2通りの方法を採用す
ることができる。
としては、例えば、下記のような2通りの方法を採用す
ることができる。
【0045】(第1の製造方法)Ca化合物と、Sr化
合物と、Ti化合物と、Zr化合物と、Mn化合物と、
Ba-Ca-Si系化合物と、前記A成分を含む化合物と
を混合する。なお、各化合物の混合比は、得られる混合
物が、前述したような誘電体磁器組成物の組成を満足す
るように調整される。
合物と、Ti化合物と、Zr化合物と、Mn化合物と、
Ba-Ca-Si系化合物と、前記A成分を含む化合物と
を混合する。なお、各化合物の混合比は、得られる混合
物が、前述したような誘電体磁器組成物の組成を満足す
るように調整される。
【0046】Ba-Ca-Si系化合物は、前記一般式
(2)で表される化合物であり、上記の各化合物の混合
前に予め調製されたものである。また、この化合物は、
例えば粉体の状態で使用することができる。この化合物
は、例えば、BaCO3、CaCO3、SiO2の3種類
の粉末を、空気中で固相反応させることにより、作製す
ることができる。
(2)で表される化合物であり、上記の各化合物の混合
前に予め調製されたものである。また、この化合物は、
例えば粉体の状態で使用することができる。この化合物
は、例えば、BaCO3、CaCO3、SiO2の3種類
の粉末を、空気中で固相反応させることにより、作製す
ることができる。
【0047】Mn化合物は、粉体の状態で使用すること
ができる。この場合、Mn化合物としては、例えば、M
nO、MnO2、MnCO3、Mn3O4などを使用するこ
とができる。これらのなかでも、粒子が細かく分散性に
優れることから、Mn3O4を使用することが好ましい。
また、Mn化合物粉体の平均粒径は、例えば0.2〜
1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
ができる。この場合、Mn化合物としては、例えば、M
nO、MnO2、MnCO3、Mn3O4などを使用するこ
とができる。これらのなかでも、粒子が細かく分散性に
優れることから、Mn3O4を使用することが好ましい。
また、Mn化合物粉体の平均粒径は、例えば0.2〜
1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
【0048】また、Mn化合物は、溶液の状態で使用す
ることも可能である。これによれば、粉体の状態で使用
する場合と比較して、更に分散性を向上させることがで
きる。この場合、Mn化合物としては、例えば、硝酸マ
ンガン、酢酸マンガン、水酸化マンガンなどを使用する
ことができ、これらのなかでも、硝酸マンガン、酢酸マ
ンガンを使用することが好ましい。また、溶媒として
は、特に限定するものではないが、例えば、水、エタノ
ールなどを使用することができる。
ることも可能である。これによれば、粉体の状態で使用
する場合と比較して、更に分散性を向上させることがで
きる。この場合、Mn化合物としては、例えば、硝酸マ
ンガン、酢酸マンガン、水酸化マンガンなどを使用する
ことができ、これらのなかでも、硝酸マンガン、酢酸マ
ンガンを使用することが好ましい。また、溶媒として
は、特に限定するものではないが、例えば、水、エタノ
ールなどを使用することができる。
【0049】前記主成分を構成する金属元素(Ca、S
r、Ti、Zr)を含む化合物としては、例えば、各金
属の酸化物、並びに、水酸化物および炭酸塩など焼成に
より酸化物となり得る化合物を使用することができる。
これらの化合物は、例えば、粉体の状態で使用すること
ができる。
r、Ti、Zr)を含む化合物としては、例えば、各金
属の酸化物、並びに、水酸化物および炭酸塩など焼成に
より酸化物となり得る化合物を使用することができる。
これらの化合物は、例えば、粉体の状態で使用すること
ができる。
【0050】また、前記主成分を構成する金属元素を含
む化合物としては、例えば、CaTiO3、SrTi
O3、CaZrO3、SrZrO3などの複合酸化物、並
びに、複合水酸化物など空気中での加熱により前記複合
酸化物となり得る化合物を使用することも可能である。
これらの化合物は、例えば、粉体の状態で使用すること
ができる。この場合、粉体の比表面積を大きくすること
により、粉体の状態で使用するその他の化合物との反応
性を向上させ、絶縁抵抗を向上させることができる。具
体的には、SrTiO3を用いる場合は、比表面積(B
ET値)が 4.22〜5.53m2/g、平均粒径0.
57〜0.76μmのものを用いることが好ましく、C
aTiO3を用いる場合は、比表面積(BET値)が
4.5〜5.77m2/g、平均粒径0.81〜0.9
1μmのものを用いることが好ましい。
む化合物としては、例えば、CaTiO3、SrTi
O3、CaZrO3、SrZrO3などの複合酸化物、並
びに、複合水酸化物など空気中での加熱により前記複合
酸化物となり得る化合物を使用することも可能である。
これらの化合物は、例えば、粉体の状態で使用すること
ができる。この場合、粉体の比表面積を大きくすること
により、粉体の状態で使用するその他の化合物との反応
性を向上させ、絶縁抵抗を向上させることができる。具
体的には、SrTiO3を用いる場合は、比表面積(B
ET値)が 4.22〜5.53m2/g、平均粒径0.
57〜0.76μmのものを用いることが好ましく、C
aTiO3を用いる場合は、比表面積(BET値)が
4.5〜5.77m2/g、平均粒径0.81〜0.9
1μmのものを用いることが好ましい。
【0051】また、前記A成分を含む化合物について
は、特に限定するものではなく、例えば、酸化物、並び
に、水酸化物および炭酸塩など空気中での加熱により酸
化物となり得る化合物を使用することができる。また、
これらの化合物は、例えば、粉体の状態で使用すること
ができる。
は、特に限定するものではなく、例えば、酸化物、並び
に、水酸化物および炭酸塩など空気中での加熱により酸
化物となり得る化合物を使用することができる。また、
これらの化合物は、例えば、粉体の状態で使用すること
ができる。
【0052】また、前記各化合物のうち、粉体の状態で
使用するものについては、その平均粒径を小さくした
り、比表面積を大きくすることにより、混合時の分散性
を向上させ、得られる誘電体層の絶縁抵抗を高くするこ
とができる。
使用するものについては、その平均粒径を小さくした
り、比表面積を大きくすることにより、混合時の分散性
を向上させ、得られる誘電体層の絶縁抵抗を高くするこ
とができる。
【0053】前記各化合物の混合方法は、特に限定する
ものではなく、例えば、湿式混合を採用することが好ま
しい。この場合、湿式混合に使用される溶媒としては、
例えば、水、エタノールなどのアルコールなどが挙げら
れる。
ものではなく、例えば、湿式混合を採用することが好ま
しい。この場合、湿式混合に使用される溶媒としては、
例えば、水、エタノールなどのアルコールなどが挙げら
れる。
【0054】続いて、必要に応じて、前記混合物を仮焼
する。仮焼は、空気中で実施することができる。また、
仮焼温度は、例えば250〜600℃、好ましくは30
0〜600℃であり、仮焼時間は、例えば1〜5時間、
好ましくは2〜3時間である。また、仮焼後、必要に応
じて、粉砕および粗大粒除去などの処理が実施されても
よい。
する。仮焼は、空気中で実施することができる。また、
仮焼温度は、例えば250〜600℃、好ましくは30
0〜600℃であり、仮焼時間は、例えば1〜5時間、
好ましくは2〜3時間である。また、仮焼後、必要に応
じて、粉砕および粗大粒除去などの処理が実施されても
よい。
【0055】次に、前記各化合物を混合した混合物を含
むスラリーを調製する。スラリーは、前記混合物に、バ
インダおよび必要に応じて溶媒を添加し、これを混合す
ることにより調製できる。バインダとしては、例えば、
ポリビニルブチラール樹脂などを使用することができ溶
剤としては、例えば、n−ブチルアセテート、エタノー
ルなどを使用することができる。また、前記スラリー
は、例えば、ベンジルブチルフタレートなどの可塑剤を
含有していてもよい。
むスラリーを調製する。スラリーは、前記混合物に、バ
インダおよび必要に応じて溶媒を添加し、これを混合す
ることにより調製できる。バインダとしては、例えば、
ポリビニルブチラール樹脂などを使用することができ溶
剤としては、例えば、n−ブチルアセテート、エタノー
ルなどを使用することができる。また、前記スラリー
は、例えば、ベンジルブチルフタレートなどの可塑剤を
含有していてもよい。
【0056】続いて、前記スラリーをフィルム状に成形
し、グリーンシートを作製する。成形方法は、特に限定
するものではないが、例えば、ドクターブレード法など
を採用することができる。
し、グリーンシートを作製する。成形方法は、特に限定
するものではないが、例えば、ドクターブレード法など
を採用することができる。
【0057】前記グリーンシートを内部電極前駆体と積
層して積層体を得る。更に、前記積層体の前記内部電極
前駆体が露出した端面に下層外部電極前駆体を形成す
る。内部電極前駆体および下層外部電極前駆体として
は、例えば、銅、ニッケル、コバルトなどの卑金属粉体
に、バインダおよび溶媒を混合してなる導体ペーストを
用いることができる。
層して積層体を得る。更に、前記積層体の前記内部電極
前駆体が露出した端面に下層外部電極前駆体を形成す
る。内部電極前駆体および下層外部電極前駆体として
は、例えば、銅、ニッケル、コバルトなどの卑金属粉体
に、バインダおよび溶媒を混合してなる導体ペーストを
用いることができる。
【0058】次に、必要に応じて、脱バインダ処理を実
施する。脱バインダ処理は、例えば、非酸化性雰囲気で
前記積層体を熱処理することにより実施できる。処理条
件は、使用するバインダの種類に応じて適宜設定でき
る。処理温度は、例えば300〜600℃、好ましくは
300〜500℃であり、処理時間は、例えば2〜10
時間である。
施する。脱バインダ処理は、例えば、非酸化性雰囲気で
前記積層体を熱処理することにより実施できる。処理条
件は、使用するバインダの種類に応じて適宜設定でき
る。処理温度は、例えば300〜600℃、好ましくは
300〜500℃であり、処理時間は、例えば2〜10
時間である。
【0059】その後、前記積層体を焼成する。焼成は、
電極前駆体に含まれる金属の酸化を抑制するため、非酸
化性雰囲気で実施されることが好ましく、窒素雰囲気、
窒素−水素雰囲気で実施されることが更に好ましい。雰
囲気ガスにおける酸素分圧は、内部電極が過度に酸化し
ないような酸素分圧、すなわち内部電極を構成する金属
とその酸化物との平衡酸素分圧以下に調整される。ま
た、焼成温度は、例えば1250〜1350℃、好まし
くは1250〜1300℃であり、焼成時間は、例えば
1〜5時間、好ましくは2〜3時間である。
電極前駆体に含まれる金属の酸化を抑制するため、非酸
化性雰囲気で実施されることが好ましく、窒素雰囲気、
窒素−水素雰囲気で実施されることが更に好ましい。雰
囲気ガスにおける酸素分圧は、内部電極が過度に酸化し
ないような酸素分圧、すなわち内部電極を構成する金属
とその酸化物との平衡酸素分圧以下に調整される。ま
た、焼成温度は、例えば1250〜1350℃、好まし
くは1250〜1300℃であり、焼成時間は、例えば
1〜5時間、好ましくは2〜3時間である。
【0060】焼成後、得られた焼成体表面に上層外部電
極を形成する。上層外部電極の形成は、例えば、金属粉
体、バインダおよび溶媒を混合してなる導体ペースト
を、焼結体表面に塗布し、これを焼き付けることにより
実施できる。更に、必要に応じて、上層外部電極表面に
メッキ層が形成されて、積層セラミックコンデンサが得
られる。
極を形成する。上層外部電極の形成は、例えば、金属粉
体、バインダおよび溶媒を混合してなる導体ペースト
を、焼結体表面に塗布し、これを焼き付けることにより
実施できる。更に、必要に応じて、上層外部電極表面に
メッキ層が形成されて、積層セラミックコンデンサが得
られる。
【0061】上記製造方法によれば、Ba−Ca−Si
系化合物を、その他の化合物との混合前に予め調製する
ことにより、誘電体層の粒成長および半導体化を抑制
し、優れた特性の積層セラミックコンデンサを製造する
ことができる。これは、次にような理由によるものと考
えられる。Ba−Ca−Si系化合物は、前述したよう
に、焼結助剤として作用する。しかし、Ba化合物、C
a化合物およびSi化合物を、それぞれ粉体の状態で単
独で添加した場合、Si化合物粉体(例えば、SiO2
粉体)の影響により、誘電体層の粒成長および半導体化
を促進してしまい、目的とする特性を有する積層セラミ
ックコンデンサを得ることが困難となる。しかしなが
ら、本製造方法においては、このBa−Ca−Si系化
合物を、その他の化合物との混合前に予め調製しておく
ので、Si化合物粉体の影響による誘電体層の粒成長お
よび半導体化を抑制することができるのである。
系化合物を、その他の化合物との混合前に予め調製する
ことにより、誘電体層の粒成長および半導体化を抑制
し、優れた特性の積層セラミックコンデンサを製造する
ことができる。これは、次にような理由によるものと考
えられる。Ba−Ca−Si系化合物は、前述したよう
に、焼結助剤として作用する。しかし、Ba化合物、C
a化合物およびSi化合物を、それぞれ粉体の状態で単
独で添加した場合、Si化合物粉体(例えば、SiO2
粉体)の影響により、誘電体層の粒成長および半導体化
を促進してしまい、目的とする特性を有する積層セラミ
ックコンデンサを得ることが困難となる。しかしなが
ら、本製造方法においては、このBa−Ca−Si系化
合物を、その他の化合物との混合前に予め調製しておく
ので、Si化合物粉体の影響による誘電体層の粒成長お
よび半導体化を抑制することができるのである。
【0062】(第2の製造方法)まず、Ca化合物と、
Sr化合物と、Ti化合物と、Zr化合物と、Mn化合
物と、Ba化合物と、Ca化合物と、Si化合物と、前
記A成分を含む化合物とを混合する。なお、各化合物の
混合比は、得られる混合物が、前述したような誘電体層
の組成を満足するように調整される。
Sr化合物と、Ti化合物と、Zr化合物と、Mn化合
物と、Ba化合物と、Ca化合物と、Si化合物と、前
記A成分を含む化合物とを混合する。なお、各化合物の
混合比は、得られる混合物が、前述したような誘電体層
の組成を満足するように調整される。
【0063】Ba化合物およびCa化合物は、溶液の状
態で使用される。Ba化合物およびCa化合物として
は、例えば、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物などを使用する
ことができる。これらのなかでも、後のアルカリ溶液に
よる沈殿工程においてBa、Caを含む沈殿物を容易に
得ることができ、且つ、沈殿時に生成する副生成物の除
去が容易であることから、硝酸塩、酢酸塩を使用するこ
とが好ましい。また、溶媒としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、水、アルコールなどを使用するこ
とができる。
態で使用される。Ba化合物およびCa化合物として
は、例えば、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物などを使用する
ことができる。これらのなかでも、後のアルカリ溶液に
よる沈殿工程においてBa、Caを含む沈殿物を容易に
得ることができ、且つ、沈殿時に生成する副生成物の除
去が容易であることから、硝酸塩、酢酸塩を使用するこ
とが好ましい。また、溶媒としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、水、アルコールなどを使用するこ
とができる。
【0064】Si化合物もまた、溶液の状態で使用され
る。Si化合物としては、例えば、メトキシド、エトキ
シドなどのアルコキシド、シリコーンオイル、シリコー
ン樹脂、金属珪素などを使用することができ、これらの
なかでも、アルコキシドを使用することが好ましい。ま
た、溶媒としては、特に限定するものではないが、例え
ば、メタノール、エタノールなどのアルコールを使用す
ることができる。
る。Si化合物としては、例えば、メトキシド、エトキ
シドなどのアルコキシド、シリコーンオイル、シリコー
ン樹脂、金属珪素などを使用することができ、これらの
なかでも、アルコキシドを使用することが好ましい。ま
た、溶媒としては、特に限定するものではないが、例え
ば、メタノール、エタノールなどのアルコールを使用す
ることができる。
【0065】また、前記A成分を含む化合物は、前記第
1の製造方法と同様に粉体の状態で使用することも可能
であるが、好ましくは溶液の状態で使用する。この場
合、前記A成分を含む化合物としては、例えば、硝酸
塩、酢酸塩、水酸化物などを使用することができ、これ
らのなかでも、硝酸塩、酢酸塩を使用することが好まし
い。また、溶媒としては、特に限定するものではない
が、例えば、水、エタノールなどを使用することができ
る。
1の製造方法と同様に粉体の状態で使用することも可能
であるが、好ましくは溶液の状態で使用する。この場
合、前記A成分を含む化合物としては、例えば、硝酸
塩、酢酸塩、水酸化物などを使用することができ、これ
らのなかでも、硝酸塩、酢酸塩を使用することが好まし
い。また、溶媒としては、特に限定するものではない
が、例えば、水、エタノールなどを使用することができ
る。
【0066】その他の化合物については、前述した第1
の方法と同様のものを使用することができるが、特に、
Mn化合物については、溶液の状態で使用することが好
ましい。
の方法と同様のものを使用することができるが、特に、
Mn化合物については、溶液の状態で使用することが好
ましい。
【0067】前記各化合物の混合は、例えば、次によう
にして実施することができる。まず、前記化合物のう
ち、溶液の状態で使用されるものを混合し、少なくとも
Ba、CaおよびSiを含む混合溶液を得る。混合溶液
の調製は、各化合物の溶液をそれぞれ別個に用意し、こ
れを混合することにより実施できる。または、各化合物
を混合し、これに溶媒を添加してもよい。
にして実施することができる。まず、前記化合物のう
ち、溶液の状態で使用されるものを混合し、少なくとも
Ba、CaおよびSiを含む混合溶液を得る。混合溶液
の調製は、各化合物の溶液をそれぞれ別個に用意し、こ
れを混合することにより実施できる。または、各化合物
を混合し、これに溶媒を添加してもよい。
【0068】続いて、前記混合溶液にアルカリ溶液を添
加し、少なくともBa、CaおよびSiを含む沈殿を析
出させる。この析出物は、例えば、Ba、CaおよびS
iを含む複合水酸化物である。前記混合溶液とアルカリ
溶液との混合は、前記両水溶液の混合液のpHを、好ま
しくは9〜14、更に好ましくは10〜14に保ちなが
ら実施される。
加し、少なくともBa、CaおよびSiを含む沈殿を析
出させる。この析出物は、例えば、Ba、CaおよびS
iを含む複合水酸化物である。前記混合溶液とアルカリ
溶液との混合は、前記両水溶液の混合液のpHを、好ま
しくは9〜14、更に好ましくは10〜14に保ちなが
ら実施される。
【0069】アルカリ溶液としては、強アルカリ性溶液
を使用することも可能であるが、この場合、析出物が堅
くなり、その粉砕に長時間を要してしまう。そのため、
アルカリ溶液としては、析出物がゲル状となることか
ら、弱アルカリ性溶液を使用することが好ましい。
を使用することも可能であるが、この場合、析出物が堅
くなり、その粉砕に長時間を要してしまう。そのため、
アルカリ溶液としては、析出物がゲル状となることか
ら、弱アルカリ性溶液を使用することが好ましい。
【0070】特に、アルカリ溶液としては、次の理由か
ら、アンモニウム水溶液を使用することが好ましい。前
記混合溶液とアルカリ溶液とを混合すると、Ba、Ca
およびSiを含む析出物に、アルカリ物質およびその塩
が不純物として混入するおそれがある。このような不純
物は、後工程において、焼成時の異常反応を起こす可能
性があるため、焼成前にできるだけ除去する必要があ
る。アルカリ溶液としてアンモニア水溶液を使用した場
合、混入する不純物はアンモニアおよびアンモニウム塩
である。このアンモニアおよびアンモニウム塩は、空気
中での加熱により熱分解するため、後工程である仮焼、
脱バインダ処理などの工程において、容易に除去するこ
とができる。
ら、アンモニウム水溶液を使用することが好ましい。前
記混合溶液とアルカリ溶液とを混合すると、Ba、Ca
およびSiを含む析出物に、アルカリ物質およびその塩
が不純物として混入するおそれがある。このような不純
物は、後工程において、焼成時の異常反応を起こす可能
性があるため、焼成前にできるだけ除去する必要があ
る。アルカリ溶液としてアンモニア水溶液を使用した場
合、混入する不純物はアンモニアおよびアンモニウム塩
である。このアンモニアおよびアンモニウム塩は、空気
中での加熱により熱分解するため、後工程である仮焼、
脱バインダ処理などの工程において、容易に除去するこ
とができる。
【0071】前記混合溶液に、前記化合物のうち、粉体
の状態で使用されるものを添加し、混合物を得る。この
とき、前記混合物中において、固形分の体積よりも液体
の体積が大きくなるように調整することが好ましい。
の状態で使用されるものを添加し、混合物を得る。この
とき、前記混合物中において、固形分の体積よりも液体
の体積が大きくなるように調整することが好ましい。
【0072】続いて、前記混合物を乾燥させるが、この
乾燥に先立って、前記混合物に更にアンモニア水溶液を
添加することが好ましい。これにより、アンモニアの蒸
発により前記混合物のpHが低下するのを抑制するとと
もに、溶液の状態で添加された成分をほぼ完全に析出さ
せることができる。
乾燥に先立って、前記混合物に更にアンモニア水溶液を
添加することが好ましい。これにより、アンモニアの蒸
発により前記混合物のpHが低下するのを抑制するとと
もに、溶液の状態で添加された成分をほぼ完全に析出さ
せることができる。
【0073】次に、乾燥された前記混合物を仮焼する。
この仮焼により、前記混合物に含まれる水酸化物(例え
ば、Ba、CaおよびSiを含む複合水酸化物)は、熱
分解されて酸化物に変換される。また、沈殿工程により
前記混合物に混入した不純物(例えば、アンモニウム
塩)の少なくとも一部を、熱分解により除去することが
できる。仮焼温度は、例えば250〜600℃、好まし
くは300〜500℃であり、仮焼時間は、例えば1〜
10時間、好ましくは2〜5時間である。また、仮焼
は、例えば、空気中で実施することができる。また、仮
焼後、必要に応じて、粉砕および粗大粒除去などの処理
を実施してもよい。
この仮焼により、前記混合物に含まれる水酸化物(例え
ば、Ba、CaおよびSiを含む複合水酸化物)は、熱
分解されて酸化物に変換される。また、沈殿工程により
前記混合物に混入した不純物(例えば、アンモニウム
塩)の少なくとも一部を、熱分解により除去することが
できる。仮焼温度は、例えば250〜600℃、好まし
くは300〜500℃であり、仮焼時間は、例えば1〜
10時間、好ましくは2〜5時間である。また、仮焼
は、例えば、空気中で実施することができる。また、仮
焼後、必要に応じて、粉砕および粗大粒除去などの処理
を実施してもよい。
【0074】次に、仮焼された前記混合物を用いてスラ
リーを調製し、これを成形してグリーンシートを作製す
る。そして、前記グリーンシートを内部電極前駆体と積
層して積層体を作製し、積層体表面に下層外部電極前駆
体を形成する。前記積層体を焼成した後、上層外部電極
を形成し、積層セラミックコンデンサを得る。なお、こ
れらの工程は、前述した第1の製造方法と同様にして実
施することができる。
リーを調製し、これを成形してグリーンシートを作製す
る。そして、前記グリーンシートを内部電極前駆体と積
層して積層体を作製し、積層体表面に下層外部電極前駆
体を形成する。前記積層体を焼成した後、上層外部電極
を形成し、積層セラミックコンデンサを得る。なお、こ
れらの工程は、前述した第1の製造方法と同様にして実
施することができる。
【0075】上記第2の製造方法によっても、誘電体層
の粒成長および半導体化を抑制し、優れた特性の積層セ
ラミックコンデンサを製造することができる。これは、
Ba化合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液の状態
で使用するので、Si化合物粉体の影響による誘電体層
の粒成長および半導体化を抑制することができるからで
ある。
の粒成長および半導体化を抑制し、優れた特性の積層セ
ラミックコンデンサを製造することができる。これは、
Ba化合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液の状態
で使用するので、Si化合物粉体の影響による誘電体層
の粒成長および半導体化を抑制することができるからで
ある。
【0076】更に、第2の製造方法においては、Ba化
合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液の状態で使用
することにより、粉体の状態で使用する場合と比較し
て、焼結時の反応性を向上させることができ、その結
果、低温での焼成が可能となる。また、分散性が向上す
るため、電気特性のバラツキが抑えられると同時に、寿
命特性を向上させることができる。
合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液の状態で使用
することにより、粉体の状態で使用する場合と比較し
て、焼結時の反応性を向上させることができ、その結
果、低温での焼成が可能となる。また、分散性が向上す
るため、電気特性のバラツキが抑えられると同時に、寿
命特性を向上させることができる。
【0077】
【実施例】(実施例1)原料として高純度のSrTiO
3、CaTiO3、CaCO3、ZrO2、Mn3O4、Ba
−Ca−Si系化合物の各粉末を用いた。また、A成分
の原料として、表1〜4に示すような酸化物の粉末を用
いた。これらを所定の組成となるように秤量し、ジルコ
ニアボールを備えたボールミルに純水とともに入れ、湿
式混合した。混合物を脱水乾燥した後、高純度のアルミ
ナルツボに入れ、空気中において400℃で2時間仮焼
した。
3、CaTiO3、CaCO3、ZrO2、Mn3O4、Ba
−Ca−Si系化合物の各粉末を用いた。また、A成分
の原料として、表1〜4に示すような酸化物の粉末を用
いた。これらを所定の組成となるように秤量し、ジルコ
ニアボールを備えたボールミルに純水とともに入れ、湿
式混合した。混合物を脱水乾燥した後、高純度のアルミ
ナルツボに入れ、空気中において400℃で2時間仮焼
した。
【0078】続いて、前記仮焼粉末を、ジルコニアボー
ルを備えたボールミルに純水とともに入れて湿式粉砕し
た後、脱水乾燥した。このとき、走査型電子顕微鏡(S
EM)で測定される粉砕粉末の平均粒径が1.0μm以
下になるようにした。この粉砕粉末に、バインダとして
ポリビニルブチラール樹脂、可塑剤としてベンジルブチ
ルフタレート、溶剤としてn−酢酸ブチルを加えて、ジ
ルコニアを備えたボールミルにて混合し、スラリーを調
製した。
ルを備えたボールミルに純水とともに入れて湿式粉砕し
た後、脱水乾燥した。このとき、走査型電子顕微鏡(S
EM)で測定される粉砕粉末の平均粒径が1.0μm以
下になるようにした。この粉砕粉末に、バインダとして
ポリビニルブチラール樹脂、可塑剤としてベンジルブチ
ルフタレート、溶剤としてn−酢酸ブチルを加えて、ジ
ルコニアを備えたボールミルにて混合し、スラリーを調
製した。
【0079】次に、前記スラリーを真空脱泡した後、ド
クターブレード法によりフィルム状に造膜し、グリーン
シートを作製した。このとき、乾燥後のグリーンシート
の厚みが約35μmとなるようにした。また、同様の操
作により作製したグリーンシート上に、平均粒径約0.
1μmのNi粉末を含む電極ペーストをスクリーン印刷
し、内部電極付きグリーンシートを作製した。
クターブレード法によりフィルム状に造膜し、グリーン
シートを作製した。このとき、乾燥後のグリーンシート
の厚みが約35μmとなるようにした。また、同様の操
作により作製したグリーンシート上に、平均粒径約0.
1μmのNi粉末を含む電極ペーストをスクリーン印刷
し、内部電極付きグリーンシートを作製した。
【0080】グリーンシートを複数枚積層したものの上
に、内部電極付きグリーンシートを35枚積層し、更に
その上にグリーンシートを複数枚積層した。これを、加
熱加圧して一体化した後、横4.08mm、縦2.04
mm、高さ1.72mmの大きさに切断して、積層体を
作製した。この積層体においては、内部電極とグリーン
シートとが交互に積層されて構成されており、内部電極
の少なくとも一部が端面に露出している。続いて、前記
積層体の内部電極の露出した端面に、Ni粉末を含有す
る電極ペーストを塗布、乾燥し、下層外部電極を形成し
た。続いて、積層体を、ジルコニア粉末を敷いたジルコ
ニア質サヤに入れ、NiとNiOの平衡酸素分圧以下の
酸素分圧に調整した窒素雰囲気中において、400℃で
2〜5時間の熱処理を行った。
に、内部電極付きグリーンシートを35枚積層し、更に
その上にグリーンシートを複数枚積層した。これを、加
熱加圧して一体化した後、横4.08mm、縦2.04
mm、高さ1.72mmの大きさに切断して、積層体を
作製した。この積層体においては、内部電極とグリーン
シートとが交互に積層されて構成されており、内部電極
の少なくとも一部が端面に露出している。続いて、前記
積層体の内部電極の露出した端面に、Ni粉末を含有す
る電極ペーストを塗布、乾燥し、下層外部電極を形成し
た。続いて、積層体を、ジルコニア粉末を敷いたジルコ
ニア質サヤに入れ、NiとNiOの平衡酸素分圧以下の
酸素分圧に調整した窒素雰囲気中において、400℃で
2〜5時間の熱処理を行った。
【0081】次いで、NiとNiOの平衡酸素分圧以下
の酸素分圧に調整したN2+H2雰囲気中、最高温度13
00℃で2時間焼成を行い、焼結体を得た。焼結体の下
層外部電極上に、Agを含む電極ペーストを塗布し、6
00℃で30分間焼き付けて、上層外部電極を形成し
た。これにより、二層構造の外部電極を有する積層セラ
ミックコンデンサを得た。この積層セラミックコンデン
サの各誘電体層の厚みは約28μmであり、各内部電極
の厚みは約2μmであった。その後、上層外部電極上
に、Niメッキ、ハンダメッキの順にメッキ層を形成し
た。
の酸素分圧に調整したN2+H2雰囲気中、最高温度13
00℃で2時間焼成を行い、焼結体を得た。焼結体の下
層外部電極上に、Agを含む電極ペーストを塗布し、6
00℃で30分間焼き付けて、上層外部電極を形成し
た。これにより、二層構造の外部電極を有する積層セラ
ミックコンデンサを得た。この積層セラミックコンデン
サの各誘電体層の厚みは約28μmであり、各内部電極
の厚みは約2μmであった。その後、上層外部電極上
に、Niメッキ、ハンダメッキの順にメッキ層を形成し
た。
【0082】上記操作により、誘電体層の組成が異なる
106種の積層セラミックコンデンサ(試料No.1〜
106)を作製した。各試料における誘電体層の組成
を、下記表1〜4に示す。なお、下記表1〜4の係数
(X、Y、m、Z、V)は前記一般式(1)および
(2)に従うものである。また、Mn3O4、Ba−Ca
−Si系化合物およびA成分の添加量は、前記一般式
(1)で表される組成物に対する割合(モル%、質量
%)を示す。
106種の積層セラミックコンデンサ(試料No.1〜
106)を作製した。各試料における誘電体層の組成
を、下記表1〜4に示す。なお、下記表1〜4の係数
(X、Y、m、Z、V)は前記一般式(1)および
(2)に従うものである。また、Mn3O4、Ba−Ca
−Si系化合物およびA成分の添加量は、前記一般式
(1)で表される組成物に対する割合(モル%、質量
%)を示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】得られた各試料について、誘電体層の比誘
電率、誘電正接(tanδ)、絶縁破壊電圧および平均結
晶粒径と、積層セラミックコンデンサの容量温度係数を
測定した。結果を、焼成温度とともに、下記表5〜8に
示す。なお、各特性値の測定方法は、次の通りである。 (比誘電率)LCRメーターにより、周波数1kHz、
温度25℃の条件で測定した。 (誘電正接)LCRメーターにより、周波数1MHz、
温度85℃の条件で測定した。 (絶縁破壊電圧)積層セラミックコンデンサに種々の電
圧値の負荷を与え、抵抗値の劣化が認められた時の電圧
値を測定した。得られた測定値を、誘電体層の単位厚さ
当たりの値に換算し、絶縁破壊電圧(以下、「BVD
値」という。)を算出した。 (平均結晶粒径)誘電体層を走査型電子顕微鏡観察し、
得られた画像から算出した。 (容量温度係数)−25〜85℃の範囲の各温度におい
て、LCRメーターにより周波数1MHzの条件で静電
容量および誘電正接を測定した。得られた測定値を温度
に対してプロットし、容量温度係数を算出した。
電率、誘電正接(tanδ)、絶縁破壊電圧および平均結
晶粒径と、積層セラミックコンデンサの容量温度係数を
測定した。結果を、焼成温度とともに、下記表5〜8に
示す。なお、各特性値の測定方法は、次の通りである。 (比誘電率)LCRメーターにより、周波数1kHz、
温度25℃の条件で測定した。 (誘電正接)LCRメーターにより、周波数1MHz、
温度85℃の条件で測定した。 (絶縁破壊電圧)積層セラミックコンデンサに種々の電
圧値の負荷を与え、抵抗値の劣化が認められた時の電圧
値を測定した。得られた測定値を、誘電体層の単位厚さ
当たりの値に換算し、絶縁破壊電圧(以下、「BVD
値」という。)を算出した。 (平均結晶粒径)誘電体層を走査型電子顕微鏡観察し、
得られた画像から算出した。 (容量温度係数)−25〜85℃の範囲の各温度におい
て、LCRメーターにより周波数1MHzの条件で静電
容量および誘電正接を測定した。得られた測定値を温度
に対してプロットし、容量温度係数を算出した。
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】
【表7】
【0091】
【表8】
【0092】まず、No.1〜11は、X値の範囲を変
化させたものである。0.1≦X≦0.6の場合(N
o.2〜7)では容量温度係数が−1000〜350p
pm/℃の範囲に入るが、これ以外の値の場合(No.
1、8〜11)では容量温度係数が前記範囲から逸脱す
る。なお、最適なX値は、0.4であった。
化させたものである。0.1≦X≦0.6の場合(N
o.2〜7)では容量温度係数が−1000〜350p
pm/℃の範囲に入るが、これ以外の値の場合(No.
1、8〜11)では容量温度係数が前記範囲から逸脱す
る。なお、最適なX値は、0.4であった。
【0093】No.12〜28は、Y値の範囲を変化さ
せたものである。Y値が0(No.12)では、tanδ
が上昇する。また、Y値が0.2より大きくなると(N
o.26〜28)、比誘電率の低下が起こり、高周波特
性に悪影響を与えると思われる。従って、Y値の範囲
は、0<Y≦0.2とする。
せたものである。Y値が0(No.12)では、tanδ
が上昇する。また、Y値が0.2より大きくなると(N
o.26〜28)、比誘電率の低下が起こり、高周波特
性に悪影響を与えると思われる。従って、Y値の範囲
は、0<Y≦0.2とする。
【0094】No.29〜40は、m値の範囲を変化さ
せたものである。m値が0.90未満(No.29、3
0)では、誘電体層の粒成長および還元が起こりやす
く、tanδの上昇、BVD値の低下が起こった。また、
m値が1.10より大きくなると(No.39、4
0)、1300℃以下の焼成温度では緻密な誘電体層が
得られなかった。従って、m値の範囲は、0.9≦m≦
1.10とする。
せたものである。m値が0.90未満(No.29、3
0)では、誘電体層の粒成長および還元が起こりやす
く、tanδの上昇、BVD値の低下が起こった。また、
m値が1.10より大きくなると(No.39、4
0)、1300℃以下の焼成温度では緻密な誘電体層が
得られなかった。従って、m値の範囲は、0.9≦m≦
1.10とする。
【0095】No.41〜73は、Z値およびV値の範
囲、並びに、Ba−Ca−Si系ガラスの添加量を変化
させたものである。V値が0.5未満になると、即ちB
a−Ca−Si系ガラスにおけるSi成分が多くなると
(No.51、52)、誘電体層の粒成長および還元が
起こりやすく、tanδ上昇、BVD値の低下が起こっ
た。即ち、BaおよびCaのうち少なくとも一方が必要
であり、Si単独または過剰になると、誘電体層の粒成
長および還元が起こりやすくなった。また、V値が2.
0より大きくなると(No.57、58)、1300℃
以下で緻密な誘電体層が得られなかった。
囲、並びに、Ba−Ca−Si系ガラスの添加量を変化
させたものである。V値が0.5未満になると、即ちB
a−Ca−Si系ガラスにおけるSi成分が多くなると
(No.51、52)、誘電体層の粒成長および還元が
起こりやすく、tanδ上昇、BVD値の低下が起こっ
た。即ち、BaおよびCaのうち少なくとも一方が必要
であり、Si単独または過剰になると、誘電体層の粒成
長および還元が起こりやすくなった。また、V値が2.
0より大きくなると(No.57、58)、1300℃
以下で緻密な誘電体層が得られなかった。
【0096】また、Ba−Ca−Si系ガラスの添加量
が0.5質量%未満では(No.59、60)、130
0℃以下で緻密な誘電体層が得られなかった。逆に、添
加量が5.0質量%を超えると(No.69〜73)、
誘電体層の粒成長および還元が起こりやすく、tanδの
上昇、BVD値の低下が起こった。従って、(BaZC
a1-Z)VSiO2+v(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦
2.0)は、前記主成分に対して0.5〜5.0質量%
添加する。
が0.5質量%未満では(No.59、60)、130
0℃以下で緻密な誘電体層が得られなかった。逆に、添
加量が5.0質量%を超えると(No.69〜73)、
誘電体層の粒成長および還元が起こりやすく、tanδの
上昇、BVD値の低下が起こった。従って、(BaZC
a1-Z)VSiO2+v(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦
2.0)は、前記主成分に対して0.5〜5.0質量%
添加する。
【0097】No.74〜82は、Mn3O4添加量を変
化させたものである。添加量が0.1mol%未満では
(No.74)、添加効果が得られず、tanδの上昇が
起こった。添加量が増えるに従い、tanδの上昇が抑え
られた(No.75〜79)。しかし、2.0mol%
を超えると(No.80〜82)、BDV値の低下、粒
成長、tanδの上昇が顕著に現れた。また、さらに添加
量が増えると(No.82)、焼結不良が生じた。
化させたものである。添加量が0.1mol%未満では
(No.74)、添加効果が得られず、tanδの上昇が
起こった。添加量が増えるに従い、tanδの上昇が抑え
られた(No.75〜79)。しかし、2.0mol%
を超えると(No.80〜82)、BDV値の低下、粒
成長、tanδの上昇が顕著に現れた。また、さらに添加
量が増えると(No.82)、焼結不良が生じた。
【0098】即ち、Mnは、誘電体層の耐還元性を促進
させると同時に、tanδの温度特性を向上させ高温領域
(例えば、85℃以上)でも抵抗値の高いコンデンサを
作製する作用を有する。しかし、添加量を増やしすぎる
と逆にBDV値の低下や焼結不良を招くことがあるので
注意が必要である。従って、Mn化合物の添加量は、M
n3O4に換算して、0.1〜2.0mol%とする。
させると同時に、tanδの温度特性を向上させ高温領域
(例えば、85℃以上)でも抵抗値の高いコンデンサを
作製する作用を有する。しかし、添加量を増やしすぎる
と逆にBDV値の低下や焼結不良を招くことがあるので
注意が必要である。従って、Mn化合物の添加量は、M
n3O4に換算して、0.1〜2.0mol%とする。
【0099】No.83〜106は、前記A成分の種類
および添加量を変化させたものである。A成分の添加量
が0.02mol%未満では(No.83、84、9
4)、添加効果が得られず、tanδの上昇が起こった。
A成分の添加量が増えるに従い、tanδの上昇は抑えら
れた(No.85〜91、94〜103)。しかし、
1.0mol%を超えると(No.92、93、104
〜106)、1300℃以下で緻密な誘電体層が得られ
なかった。また、A成分のうち少なくとも一種類を添加
することにより、同様の効果が得られることを確認した
(No.95〜103)。即ち、A成分は、添加量が
0.02mol%未満であると、原子価制御剤として誘
電体層の半導体化を促進させるが、添加量が0.02〜
1.0mol%の範囲では、逆に誘電体層の耐還元性を
促進する。
および添加量を変化させたものである。A成分の添加量
が0.02mol%未満では(No.83、84、9
4)、添加効果が得られず、tanδの上昇が起こった。
A成分の添加量が増えるに従い、tanδの上昇は抑えら
れた(No.85〜91、94〜103)。しかし、
1.0mol%を超えると(No.92、93、104
〜106)、1300℃以下で緻密な誘電体層が得られ
なかった。また、A成分のうち少なくとも一種類を添加
することにより、同様の効果が得られることを確認した
(No.95〜103)。即ち、A成分は、添加量が
0.02mol%未満であると、原子価制御剤として誘
電体層の半導体化を促進させるが、添加量が0.02〜
1.0mol%の範囲では、逆に誘電体層の耐還元性を
促進する。
【0100】上記結果から、本発明の実施例に相当する
積層セラミックコンデンサは、−25〜85℃における
容量温度係数が−1000〜350ppm/℃の範囲で
あり、85℃における誘電正接が0.1%以下であり、
比誘電率が150以上であり、絶縁破壊電圧が125V
/μm以上であるという優れた特性を有することが確認
できた。
積層セラミックコンデンサは、−25〜85℃における
容量温度係数が−1000〜350ppm/℃の範囲で
あり、85℃における誘電正接が0.1%以下であり、
比誘電率が150以上であり、絶縁破壊電圧が125V
/μm以上であるという優れた特性を有することが確認
できた。
【0101】また、原料混合する方法として、まず、S
rTiO3とCaTiO3とを固相反応させた後、得られ
た反応物とその他の原料とを混合する方法を採用した場
合、更に優れた特性を達成できることを確認した。
rTiO3とCaTiO3とを固相反応させた後、得られ
た反応物とその他の原料とを混合する方法を採用した場
合、更に優れた特性を達成できることを確認した。
【0102】(実施例2)原料として高純度のSrTi
O3、CaTiO3、CaCO3、ZrO2、Y2O3、Mn
(NO3)2、Ba(CH3COO)2、Ca(CH3CO
O)2、(C2H5O)4Siを用いた。内表面がフッ素樹脂
加工された容器を用いて、前記原料を混合した。混合
は、次のような操作により行った。
O3、CaTiO3、CaCO3、ZrO2、Y2O3、Mn
(NO3)2、Ba(CH3COO)2、Ca(CH3CO
O)2、(C2H5O)4Siを用いた。内表面がフッ素樹脂
加工された容器を用いて、前記原料を混合した。混合
は、次のような操作により行った。
【0103】まず、Mn(NO3)2、Ba(CH3CO
O)2、Ca(CH3COO)2、(C2H5O)4Siを秤量し
て容器に入れ、これに純水およびエタノールを添加して
攪拌混合し、混合溶液を得た。続いて、この混合溶液を
攪拌しながら、アンモニア水溶液(濃度1.4%)を少
量ずつ添加し、析出物を得た。本実施例においては、p
H10程度になったところで、析出がほぼ完全に終了し
た。その後、残りの粉末原料(SrTiO3、CaTi
O3、CaCO3、ZrO2、Y2O3)を添加し、攪拌混
合した。
O)2、Ca(CH3COO)2、(C2H5O)4Siを秤量し
て容器に入れ、これに純水およびエタノールを添加して
攪拌混合し、混合溶液を得た。続いて、この混合溶液を
攪拌しながら、アンモニア水溶液(濃度1.4%)を少
量ずつ添加し、析出物を得た。本実施例においては、p
H10程度になったところで、析出がほぼ完全に終了し
た。その後、残りの粉末原料(SrTiO3、CaTi
O3、CaCO3、ZrO2、Y2O3)を添加し、攪拌混
合した。
【0104】次に、混合物の平均粒径を1.0μm以下
に調整し、更にアンモニア水溶液を添加した後、乾燥し
た。得られた乾燥粉末を高純度のアルミナルツボに入
れ、空気中において400℃で2時間仮焼した。
に調整し、更にアンモニア水溶液を添加した後、乾燥し
た。得られた乾燥粉末を高純度のアルミナルツボに入
れ、空気中において400℃で2時間仮焼した。
【0105】得られた仮焼粉末を用いて、実施例1と同
様の操作により、積層セラミックコンデンサを作製した
(試料No.107)。また、焼成温度を変えたこと以
外は試料No.107と同様にして、2種の積層セラミ
ックコンデンサを作製した(試料No.108、10
9)。なお、各試料の誘電体層の組成は、いずれも、実
施例1の試料No.5の誘電体層と同一の組成となるよ
うに調整した。
様の操作により、積層セラミックコンデンサを作製した
(試料No.107)。また、焼成温度を変えたこと以
外は試料No.107と同様にして、2種の積層セラミ
ックコンデンサを作製した(試料No.108、10
9)。なお、各試料の誘電体層の組成は、いずれも、実
施例1の試料No.5の誘電体層と同一の組成となるよ
うに調整した。
【0106】得られた各試料について、誘電体層の比誘
電率、誘電正接(tanδ)、BVD値および平均結晶粒
径と、積層セラミックコンデンサの容量温度係数を測定
した。測定結果を、焼成温度とともに、下記表9に示
す。なお、各特性値の測定方法については、前述した通
りである。
電率、誘電正接(tanδ)、BVD値および平均結晶粒
径と、積層セラミックコンデンサの容量温度係数を測定
した。測定結果を、焼成温度とともに、下記表9に示
す。なお、各特性値の測定方法については、前述した通
りである。
【0107】
【表9】
【0108】上記結果から、本実施例の積層セラミック
コンデンサは、−25〜85℃における容量温度係数が
−1000〜350ppm/℃の範囲であり、85℃に
おける誘電正接が0.1%以下であり、比誘電率が15
0以上であり、絶縁破壊電圧が125V/μm以上であ
るという優れた特性を有することが確認できた。
コンデンサは、−25〜85℃における容量温度係数が
−1000〜350ppm/℃の範囲であり、85℃に
おける誘電正接が0.1%以下であり、比誘電率が15
0以上であり、絶縁破壊電圧が125V/μm以上であ
るという優れた特性を有することが確認できた。
【0109】また、本実施例の試料No.107と、実
施例1の試料No.5との比較から、本実施例の製造方
法によれば、比誘電率および絶縁破壊電圧が更に上昇
し、且つ、誘電正接を更に低下させることができ、より
優れた特性を有する積層セラミックコンデンサが得られ
ることが確認できた。また、高温負荷および耐湿負荷な
どに対する寿命特性に関しても、本実施例の製造方法に
よる積層セラミックコンデンサが優れた特性を有するこ
とが確認できた。これは、Ba、CaおよびSi成分
と、Mn成分を、溶液の状態で使用することにより、こ
れらを粉体の状態で使用する場合に比べて、分散性およ
び反応性が向上するためであると考えられる。
施例1の試料No.5との比較から、本実施例の製造方
法によれば、比誘電率および絶縁破壊電圧が更に上昇
し、且つ、誘電正接を更に低下させることができ、より
優れた特性を有する積層セラミックコンデンサが得られ
ることが確認できた。また、高温負荷および耐湿負荷な
どに対する寿命特性に関しても、本実施例の製造方法に
よる積層セラミックコンデンサが優れた特性を有するこ
とが確認できた。これは、Ba、CaおよびSi成分
と、Mn成分を、溶液の状態で使用することにより、こ
れらを粉体の状態で使用する場合に比べて、分散性およ
び反応性が向上するためであると考えられる。
【0110】また、本実施例の製造方法によると、最高
焼成温度が1250℃(試料No.108)、1225
℃(No.109)であっても、誘電体層において十分
な焼結密度が得られた。すなわち、本実施例の製造方法
によれば、低温焼結が可能であることが確認できた。
焼成温度が1250℃(試料No.108)、1225
℃(No.109)であっても、誘電体層において十分
な焼結密度が得られた。すなわち、本実施例の製造方法
によれば、低温焼結が可能であることが確認できた。
【0111】以下、本発明のポイントについて説明す
る。
る。
【0112】(1) 本発明においては、誘電体層の主
成分を(CaXSr1-X)m(Ti1-YZrY)O2+m(但
し、0<X≦0.6、0<Y≦0.2、0.90≦m≦
1.10である。)とする。
成分を(CaXSr1-X)m(Ti1-YZrY)O2+m(但
し、0<X≦0.6、0<Y≦0.2、0.90≦m≦
1.10である。)とする。
【0113】一般的に、(Ca,Sr)(Ti,Zr)
O3系組成物においては、TiをZrで置換する割合が
高いほど、容量安定性が改善されるが、一方で比誘電率
が低下することが知られている。しかしながら、本発明
においては、誘電体層の主成分を前記組成とすることに
より、Tiに比べてZrの量を相対的に少なくして高い
比誘電率を達成しながら、容量温度係数の絶対値を十分
小さくすることができる。
O3系組成物においては、TiをZrで置換する割合が
高いほど、容量安定性が改善されるが、一方で比誘電率
が低下することが知られている。しかしながら、本発明
においては、誘電体層の主成分を前記組成とすることに
より、Tiに比べてZrの量を相対的に少なくして高い
比誘電率を達成しながら、容量温度係数の絶対値を十分
小さくすることができる。
【0114】例えば、低発熱の中高圧セラミックコンデ
ンサを使用する回路では、静電容量が決められており、
一般的に100〜33,000pFの範囲である。絶縁
破壊電圧を高くするためには、有効層(内部電極間に挟
まれた誘電体層)を厚くする必要が有るが、有効層の厚
みの増大は一般に静電容量の低下を招く。従って、積層
セラミックコンデンサには、容量温度係数が小さいこと
に加えて、所望の静電容量および絶縁破壊電圧を得るた
め、誘電体層の比誘電率が大きいことが要求されるが、
本発明の積層セラミックコンデンサによれば、このよう
な要求を満足することが可能である。
ンサを使用する回路では、静電容量が決められており、
一般的に100〜33,000pFの範囲である。絶縁
破壊電圧を高くするためには、有効層(内部電極間に挟
まれた誘電体層)を厚くする必要が有るが、有効層の厚
みの増大は一般に静電容量の低下を招く。従って、積層
セラミックコンデンサには、容量温度係数が小さいこと
に加えて、所望の静電容量および絶縁破壊電圧を得るた
め、誘電体層の比誘電率が大きいことが要求されるが、
本発明の積層セラミックコンデンサによれば、このよう
な要求を満足することが可能である。
【0115】(2) 前記主成分にMn化合物を添加
し、好ましくは粒界に偏析させることにより、誘電体層
の耐還元性を向上させることができると同時に、誘電損
失(tanδ)の温度特性を向上させ、高温領域(例え
ば、85℃以上)でも抵抗値の高いコンデンサを作製す
ることができる。
し、好ましくは粒界に偏析させることにより、誘電体層
の耐還元性を向上させることができると同時に、誘電損
失(tanδ)の温度特性を向上させ、高温領域(例え
ば、85℃以上)でも抵抗値の高いコンデンサを作製す
ることができる。
【0116】なお、積層セラミックコンデンサの製造に
おいて、Mn化合物を粉末で使用する場合は、MnO、
MnO2、MnCO3などに比べて粒径が細かく分散しや
すいMn3O4を用いることが好ましい。
おいて、Mn化合物を粉末で使用する場合は、MnO、
MnO2、MnCO3などに比べて粒径が細かく分散しや
すいMn3O4を用いることが好ましい。
【0117】また、Mn化合物を溶液で使用すると、粉
末で使用する場合と比較して、更に分散性を向上させる
ことができる。この場合、Mn化合物としては、酢酸塩
または硝酸塩を用いることが好ましい。これは、Mn化
合物の分散性を更に向上させることができることに加え
て、上記第2の製造方法により積層セラミックコンデン
サを製造する場合に、後工程のアルカリ溶液(例えば、
アンモニア水)で容易に沈殿を析出させることができ、
不純物を仮焼などにより容易に熱分解することができる
からである。
末で使用する場合と比較して、更に分散性を向上させる
ことができる。この場合、Mn化合物としては、酢酸塩
または硝酸塩を用いることが好ましい。これは、Mn化
合物の分散性を更に向上させることができることに加え
て、上記第2の製造方法により積層セラミックコンデン
サを製造する場合に、後工程のアルカリ溶液(例えば、
アンモニア水)で容易に沈殿を析出させることができ、
不純物を仮焼などにより容易に熱分解することができる
からである。
【0118】(3) 前記主成分に、Ba化合物、Ca
化合物およびSi化合物を添加することにより、誘電体
層の焼結性を向上させることができる。これらの化合物
は、(BaZCa1-Z)VSiO2+v(但し、0≦Z≦1、
0.5≦V≦2.0である。)ガラスとして粒界に偏析
させることが好ましい。誘電体層の粒成長および半導体
化を抑制することができるからである。
化合物およびSi化合物を添加することにより、誘電体
層の焼結性を向上させることができる。これらの化合物
は、(BaZCa1-Z)VSiO2+v(但し、0≦Z≦1、
0.5≦V≦2.0である。)ガラスとして粒界に偏析
させることが好ましい。誘電体層の粒成長および半導体
化を抑制することができるからである。
【0119】積層セラミックコンデンサは、誘電体層の
構成元素を含む化合物を原料とし、これを混合した後焼
成することにより製造できるが、この製造方法において
は、各原料を混合する前に、BaCaおよびSiを含む
化合物を予め作製しておくか、または、原料混合の際
に、Ba化合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液で
使用することが好ましい。Ba化合物、Ca化合物およ
びSi化合物を、前記ガラスとして粒界に偏析させ易く
なるからである。これに対して、Ba化合物、Ca化合
物およびSi化合物を、それぞれ、粉末として単独で用
いた場合(例えば、BaCO3粉末、CaCO3粉末およ
びSiO2粉末を用いた場合)、Si化合物粉末(例え
ば、SiO2)の影響により、誘電体層の粒成長および
半導体化を促進するおそれがある。
構成元素を含む化合物を原料とし、これを混合した後焼
成することにより製造できるが、この製造方法において
は、各原料を混合する前に、BaCaおよびSiを含む
化合物を予め作製しておくか、または、原料混合の際
に、Ba化合物、Ca化合物およびSi化合物を溶液で
使用することが好ましい。Ba化合物、Ca化合物およ
びSi化合物を、前記ガラスとして粒界に偏析させ易く
なるからである。これに対して、Ba化合物、Ca化合
物およびSi化合物を、それぞれ、粉末として単独で用
いた場合(例えば、BaCO3粉末、CaCO3粉末およ
びSiO2粉末を用いた場合)、Si化合物粉末(例え
ば、SiO2)の影響により、誘電体層の粒成長および
半導体化を促進するおそれがある。
【0120】特に、Ba化合物、Ca化合物およびSi
化合物を溶液で使用する方法は、粉末で使用するよりも
優れた分散性が得られることから好ましい。この場合、
Ba化合物およびCa化合物としては、酢酸塩または硝
酸塩を用いることが好ましい。アルカリ溶液(例えば、
アンモニア水)で容易に沈殿を析出させることができ、
不純物を仮焼などにより容易に熱分解することができる
からである。また、Si化合物としては、アルコキシド
を使用することが好ましい。特に、これをエタノールま
たはメタノールで希釈して用いることが好ましい。親水
性が向上し、分散性が良くなるとともに、後工程におけ
る乾燥が容易になるからである。
化合物を溶液で使用する方法は、粉末で使用するよりも
優れた分散性が得られることから好ましい。この場合、
Ba化合物およびCa化合物としては、酢酸塩または硝
酸塩を用いることが好ましい。アルカリ溶液(例えば、
アンモニア水)で容易に沈殿を析出させることができ、
不純物を仮焼などにより容易に熱分解することができる
からである。また、Si化合物としては、アルコキシド
を使用することが好ましい。特に、これをエタノールま
たはメタノールで希釈して用いることが好ましい。親水
性が向上し、分散性が良くなるとともに、後工程におけ
る乾燥が容易になるからである。
【0121】(4) 更に、誘電体層には、副成分とし
て、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,
Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Nb,M
o,Ta,WおよびVからなる群より選ばれる少なくと
も一種が添加される。更に、この成分の添加量を、前記
主成分に対して0.02〜1.0mol%とすることに
より、誘電体層の耐還元性を向上させることができる。
従って、内部電極として卑金属を使用し、誘電体層を内
部電極が過度に酸化されない雰囲気で焼成しなければな
らない場合、上記成分の作用が重要となる。
て、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,
Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Nb,M
o,Ta,WおよびVからなる群より選ばれる少なくと
も一種が添加される。更に、この成分の添加量を、前記
主成分に対して0.02〜1.0mol%とすることに
より、誘電体層の耐還元性を向上させることができる。
従って、内部電極として卑金属を使用し、誘電体層を内
部電極が過度に酸化されない雰囲気で焼成しなければな
らない場合、上記成分の作用が重要となる。
【0122】Mn化合物はアクセプターとして作用し、
誘電体層に耐還元性を付与するために酸素空位を形成す
ると考えられる。一方、希土類元素、Nb,Mo,T
a,WおよびVはドナーとして作用し、耐還元性付与の
ための酸素空位を補償して、寿命を延ばすと考えられ
る。
誘電体層に耐還元性を付与するために酸素空位を形成す
ると考えられる。一方、希土類元素、Nb,Mo,T
a,WおよびVはドナーとして作用し、耐還元性付与の
ための酸素空位を補償して、寿命を延ばすと考えられ
る。
【0123】(5) 誘電体層は、前述したように、構
成元素を含む化合物を原料とし、これを混合した後、焼
成することにより製造することができる。原料として
は、例えば、構成元素の酸化物を使用することができ
る。また、炭酸塩、水酸化物など空気中での加熱により
酸化物となり得る化合物を使用することも可能である。
成元素を含む化合物を原料とし、これを混合した後、焼
成することにより製造することができる。原料として
は、例えば、構成元素の酸化物を使用することができ
る。また、炭酸塩、水酸化物など空気中での加熱により
酸化物となり得る化合物を使用することも可能である。
【0124】また、前記主成分を構成する元素を含む化
合物としては、例えば、CaTiO 3、SrTiO3、C
aZrO3、SrZrO3などの複合酸化物を用いてもよ
い。このような複合酸化物を原料として用いる場合、粉
体として添加する副成分化合物の比表面積を大きくする
ことにより、主成分と副成分との反応性を向上させ、絶
縁抵抗を更に向上させることができる。
合物としては、例えば、CaTiO 3、SrTiO3、C
aZrO3、SrZrO3などの複合酸化物を用いてもよ
い。このような複合酸化物を原料として用いる場合、粉
体として添加する副成分化合物の比表面積を大きくする
ことにより、主成分と副成分との反応性を向上させ、絶
縁抵抗を更に向上させることができる。
【0125】更に、SrTiO3を用いる場合は、比表
面積(BET値)4.22〜5.53m2/g、平均粒
径0.57〜0.76μmのものを用いることが好まし
い。また、CaTiO3を用いる場合は、比表面積(B
ET値)4.5〜5.77m2/g、平均粒径0.81
〜0.91μmのものを用いることが好ましい。
面積(BET値)4.22〜5.53m2/g、平均粒
径0.57〜0.76μmのものを用いることが好まし
い。また、CaTiO3を用いる場合は、比表面積(B
ET値)4.5〜5.77m2/g、平均粒径0.81
〜0.91μmのものを用いることが好ましい。
【0126】(6) 内部電極としては、例えば、N
i、Ni−Cuなど、その融点が誘電体層の焼結温度よ
りも高い金属を使用することができる。
i、Ni−Cuなど、その融点が誘電体層の焼結温度よ
りも高い金属を使用することができる。
【0127】(7) バインダの除去条件は、上記実施
例で示した条件に限定されるものではなく、例えば、使
用する有機バインダの燃焼温度などに応じて最適熱処理
条件を選択することができる。また、焼成条件について
も、上記実施例で示した条件に限定されるものではな
く、誘電体層が還元されず、内部電極が過度に酸化され
ない条件(すなわち、内部電極が電極としての機能を果
たせるような条件)であればよい。
例で示した条件に限定されるものではなく、例えば、使
用する有機バインダの燃焼温度などに応じて最適熱処理
条件を選択することができる。また、焼成条件について
も、上記実施例で示した条件に限定されるものではな
く、誘電体層が還元されず、内部電極が過度に酸化され
ない条件(すなわち、内部電極が電極としての機能を果
たせるような条件)であればよい。
【0128】(8) 焼成時の最高温度については、特
に限定するものではないが、例えば1250℃〜135
0℃の範囲である。
に限定するものではないが、例えば1250℃〜135
0℃の範囲である。
【0129】(9) 原料として粉末を用いる場合、比
表面積が4m2/g以上のものを用いることが好まし
い。絶縁特性を更に向上させることができるからであ
る。
表面積が4m2/g以上のものを用いることが好まし
い。絶縁特性を更に向上させることができるからであ
る。
【0130】(10) 本発明の積層セラミックコンデ
ンサは、その比誘電率が150以上であることが好まし
い。また、1MHz、−25〜85℃の条件における品
質係数Qが1000以上(即ち、tanδが0.1%以
下)であることが好ましい。更に、1MHz、−25〜
85℃の条件における容量温度係数が、−1000〜3
50ppm/℃であることが好ましい。また、単位膜厚
当たりの絶縁破壊電圧が、125V/μm以上であるこ
とが好ましい。
ンサは、その比誘電率が150以上であることが好まし
い。また、1MHz、−25〜85℃の条件における品
質係数Qが1000以上(即ち、tanδが0.1%以
下)であることが好ましい。更に、1MHz、−25〜
85℃の条件における容量温度係数が、−1000〜3
50ppm/℃であることが好ましい。また、単位膜厚
当たりの絶縁破壊電圧が、125V/μm以上であるこ
とが好ましい。
【0131】本発明の積層セラミックコンデンサは、例
えば、スイッチング電源のスナバ回路、電話やモデムの
リンガ回路、液晶バックライトのインバーター回路など
の一般高電圧回路で使用することができる。
えば、スイッチング電源のスナバ回路、電話やモデムの
リンガ回路、液晶バックライトのインバーター回路など
の一般高電圧回路で使用することができる。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
誘電体層の比誘電率、絶縁耐圧および品質係数(Q値)
が共に高く、温度変化に対する静電容量の安定性が高
く、尚且つ、内部電極として卑金属を使用することが可
能な積層セラミックコンデンサとすることができる。
誘電体層の比誘電率、絶縁耐圧および品質係数(Q値)
が共に高く、温度変化に対する静電容量の安定性が高
く、尚且つ、内部電極として卑金属を使用することが可
能な積層セラミックコンデンサとすることができる。
【図1】 本発明に係る積層セラミックコンデンサの構
造を一例を示す断面図。
造を一例を示す断面図。
1 誘電体層 2 内部電極 3 下層外部電極 4 上層外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 直樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 永井 伸明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E001 AB03 AC09 AE00 AE01 AE03 AE04 AE05
Claims (20)
- 【請求項1】 誘電体層と電極層とが交互に積層した積
層セラミックコンデンサであって、前記誘電体層が、
(CaXSr1-X)m(Ti1-YZrY)O2+m(但し、0<
X≦0.6、0<Y≦0.2、0.90≦m≦1.1
0)で表される組成物と、MnをMn3O4に換算して前
記組成物に対して0.1〜2.0mol%と、Ba、C
aおよびSiを(BaZCa1-Z)VSiO2+V(但し、0
≦Z≦1、0.5≦V≦2.0)に換算して前記組成物
に対して0.5〜5.0質量%と、Y、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Nb、Mo、Ta、WおよびV
からなる群より選ばれる少なくとも1種を前記組成物に
対して0.02〜1.0mol%とを含むことを特徴と
する積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項2】 電極層が卑金属を含む請求項1に記載の
積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項3】 誘電体層において、Ba、CaおよびS
iが、粒界に偏析している請求項1または2に記載の積
層セラミックコンデンサ。 - 【請求項4】 誘電体層において、Mnが、粒界に偏析
している請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミッ
クコンデンサ。 - 【請求項5】 誘電体層の比誘電率が150以上である
請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミックコンデ
ンサ。 - 【請求項6】 誘電体層の絶縁破壊電圧が125V/μ
m以上である請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラ
ミックコンデンサ。 - 【請求項7】 誘電体層の、周波数1MHz、温度−2
5〜85℃の条件下における誘電正接が、0.1%以下
である請求項1〜6のいずれかに記載の積層セラミック
コンデンサ。 - 【請求項8】 周波数1MHz、温度−25〜85℃の
条件下における容量温度係数が、−1000〜350p
pm/℃である請求項1〜7のいずれかに記載の積層セ
ラミックコンデンサ。 - 【請求項9】 Sr化合物と、Ti化合物と、Zr化合
物と、Mn化合物と、Ca化合物と、Ba化合物と、S
i化合物と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Nb、Mo、Ta、WおよびVからなる群より選ば
れる少なくとも一種であるA成分を含む化合物とを含む
混合物を得る工程と、前記混合物を成形して誘電体層を
得る工程と、前記誘電体層と電極層とを積層して積層体
を得る工程と、前記積層体を焼成する工程とを含み、焼
成後の前記誘電体層が、(CaXSr1-X)m(Ti1-YZ
rY)O2+m(但し、0<X≦0.6、0<Y≦0.2、
0.90≦m≦1.10)で表される組成物と、Mnを
Mn3O4に換算して前記組成物に対して0.1〜2.0
mol%と、Ba、CaおよびSiを(BaZCa1-Z)
VSiO2+V(但し、0≦Z≦1、0.5≦V≦2.0)
に換算して前記組成物に対して0.5〜5.0質量%
と、前記A成分を前記組成物に対して0.02〜1.0
mol%とを含有する積層セラミックコンデンサの製造
方法。 - 【請求項10】 混合物を得る工程が、Ca、Baおよ
びSiを含む化合物を調製した後、この化合物と、Sr
化合物、Ti化合物、Zr化合物、Mn化合物およびA
成分を含む化合物とを混合する工程である請求項9に記
載の積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項11】 混合物を得る工程が、Ca化合物、B
a化合物およびSi化合物を含む溶液と、Sr化合物
と、Ti化合物と、Zr化合物と、Mn化合物と、A成
分を含む化合物とを混合する工程である請求項9に記載
の積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項12】 Ba化合物およびCa化合物が、酢酸
塩または硝酸塩である請求項11に記載の積層セラミッ
クコンデンサの製造方法。 - 【請求項13】 Si化合物が、アルコキシドである請
求項11または12に記載の積層セラミックコンデンサ
の製造方法。 - 【請求項14】 混合物を得る工程が、Ca化合物、B
a化合物およびSi化合物を含む溶液にアルカリ溶液を
添加した後、これに粉末状の化合物を添加することによ
り実施される請求項11〜13のいずれかに記載の積層
セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項15】 アルカリ溶液が、弱アルカリ溶液であ
る請求項14に記載の積層セラミックコンデンサの製造
方法。 - 【請求項16】 混合物を得る工程の後であって、前記
混合物を成形する前に、前記混合物を空気中で仮焼する
工程を含む請求項14または15に記載の積層セラミッ
クコンデンサの製造方法。 - 【請求項17】 電極層が卑金属を含む請求項9〜16
のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの製造方
法。 - 【請求項18】 Mn化合物が、Mn3O4である請求項
9〜17のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ
の製造方法。 - 【請求項19】 混合物を得る工程において、Mn化合
物を溶液の状態で用いる請求項9〜18のいずれかに記
載の積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項20】 Mn化合物が、酢酸マンガンまたは硝
酸マンガンである請求項19に記載の積層セラミックコ
ンデンサの製造方法。
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