JP2002129444A - エアバッグ用原糸およびそれを用いたエアバッグ用布帛 - Google Patents
エアバッグ用原糸およびそれを用いたエアバッグ用布帛Info
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Abstract
グ用布帛およびそれを可能とするエアバック用原糸の提
供。 【解決手段】扁平率1.5〜8の扁平断面である合成繊
維マルチフィラメントからなり、交絡数が15個/m以
上で、かつ2cN/dtexの張力をかけて緊張処理し
た後の交絡数が15個/m以下の交絡糸からなるエアバ
ッグ用原糸、およびこの原糸をカバーファクターが15
00〜2500の範囲で製織してなるエアバッグ用布
帛。
Description
よびそれを用いたエアバッグ用布帛に関するものであ
る。さらに詳しくは、単糸の断面形状が扁平断面である
合成マルチフィラメントからなる交絡糸であって、適度
な交絡強さを有する交絡糸からなるエアバッグ用原糸、
およびこの原糸を経糸および/または緯糸として用いて
なり、特にコーティング加工することなく用いられるエ
アバッグ用布帛であって、低い通気性と優れた収納性を
備えたエアバッグ用布帛に関するものである。
の安全を確保するための装置として欠かせないものとな
り、車両への装着率が益々高まっている。
する信頼性向上への要求は一段と強まっているが、エア
バックに対するその他の要求性能としては、エアバッグ
装置のコストダウン、コンパクト化、および衝突時にお
けるバッグ展開時の乗員の顔面擦傷防止の要求などの種
々の課題が挙げられるため、エアバッグを構成するエア
バッグ用布帛、ひいてはエアバッグ用原糸に対しては、
より一層高度の品質改善が求められている。
特性を損なうことなく、折り畳み性が優れ、しかも収納
容積の小さなエアバッグを実現させる技術が数多く開示
されており、例えば、特開平1−41438号公報に
は、強度8.5g/d以上で、かつ単糸デニールが3デ
ニール以下の繊維からなる糸条で構成されたエアバッグ
基布とすることによって、前記の目的が達成されるとし
ている。
報に記載の技術は、布帛の表面にクロロプレンゴムなど
のエラストマーを塗布した、いわゆるコーティング基布
に関する技術であり、コーティング基布の柔軟性が改善
され、その結果折り畳み性の優れたエアバッグ用基布が
得られることを効果としている。つまり、この公報に記
載される技術は、コーティングすることなく用いるノン
コーティング基布への適用については何ら言及するもの
ではないが、ノンコーティング基布に当該技術を適用し
た場合においても、おそらくコーティング基布の場合と
同様に柔軟性および折り畳み性については同様の効果が
発揮されるであろうことは推定できる。しかるに、ノン
コーティング基布には、柔軟性および折り畳み性に優れ
ること以外に、ガス通気性が小さくかつ通気性の経時変
化が少ないことが要求され、このガス通気性は、布帛の
カバーファクターの他に繊維の単糸繊度や単糸の断面形
状などの布帛のカバリングに関する要因、および経糸と
緯糸の交点ズレに影響する単糸間の摩擦力などに依存す
る。しかしながら、当該技術で得られるノンコーティン
グ基布は、その柔軟性および折り畳み性については満足
するものの、ガス通気性およびガス通気性の経時変化な
どについては満足できるものではなかった。
は、軽量でかつ柔軟性および収納性に優れ、機械的特性
の優れたエアバッグ用布帛として、単糸繊度が1.0〜
12デニール、単糸変形度が1.5〜7.0である異形
断面を有する単糸の複数本からなるポリアミドマルチフ
ィラメントを用いたエアバッグ用布帛が開示されてい
る。
公報に記載の技術もまた、シリコーンゴムなどのエラス
トマーを塗布したコーティング基布として適用した場合
に、軽量で柔軟性および収納性に優れたエアバッグ用基
布が得られることを主張するものであり、ノンコーティ
ング基布としての効果については、当該特開の実施例に
おいて、シリコーンゴム塗布前の布帛が柔軟で折り畳み
性に優れているものと認められるものの、ノンコーティ
ング基布特有の重要な要求特性である、ガス通気性およ
びガス通気性の経時変化については何らの言及もされて
いない。そして、実際に当該技術をトレースした結果か
らも、ノンコーティング基布として折り畳み性に優れ、
しかもガス通気性が低くかつガス通気性の経時変化が少
ないことなどを同時に満足するという結果を得ることは
できなかった。
には、カバリング性と柔軟性に優れたポリエステル繊維
布帛の原糸として、ダイヤモンド型やS字型をした扁平
断面糸を用いることが有効であることが開示され、この
ポリエステル繊維布帛はエアバッグ用布帛としても有用
であるとされている。
許6037047号明細書に記載のダイヤモンド型やS
字型をした扁平断面糸を用いたポリエステル繊維布帛
は、確かにカバリング性と柔軟性に優れたものである
が、特にエアバッグ用布帛に要求される柔軟性について
は、従来エアバッグ用布帛に用いられているポリアミド
繊維からなる布帛と比較して著しい効果を有するもので
はなかった。
一つである収納性は、高密度織物でありながら柔軟で折
り畳み性に優れていることによって達成され、また、他
の重要な要求性能である低い通気性は、経糸と緯糸との
交点ズレが起こり難く、かつ糸条内フィラメント間のカ
バリング性に優れた原糸を用いることによって達成され
るが、上述した従来技術ではこれら両者の要求性能を満
足させることは困難であった。
点の解決を課題として検討した結果達成されたものであ
る。
強さを有する交絡糸からなるエアバッグ用原糸、および
この原糸を経糸および/または緯糸として用いてなり、
特にコーティング加工することなく用いられるエアバッ
グ用布帛において、低い通気性と優れた収納性を備えた
エアバッグ用布帛を提供することにある。
めに、本発明のエアバッグ用原糸は、単糸の断面形状が
下記式に示す単糸の長軸長(a)と短軸長(b)から求
めた扁平率1.5〜8の扁平断面である合成繊維マルチ
フィラメントからなり、交絡数が15個/m以上で、か
つ2cN/dtexの張力をかけて緊張処理した後の交
絡数が15個/m以下の交絡糸からなることを特徴とす
る。 扁平率=a/b 本発明のエアバッグ用原糸においては、次の(a)〜
(b)がそれぞれ好ましい態様であり、これらの条件を
適用することによって、さらに優れた効果の取得を期待
することができる。 (a)前記単糸の繊度が2〜7dtex、前記短軸長が
6〜20μmであること (b)前記合成繊維マルチフィラメントがポリアミドマ
ルチフィラメントであること。
バック用原糸を経糸および/または緯糸として用い、経
糸の総繊度をD1(dtx)、織密度をN1(本/2.
54cm)、緯糸の総繊度をD2(dtx)、織密度を
N2( 本/2.54cm)としたときに(D1×0.
9)1/2 ×N1+(D2×0.9)1/2 ×N2で表され
るカバーファクターが1500〜2500の範囲で製織
してなること。そして、本発明のエアバッグ用布帛にお
いては、次の(c)〜(d)が好ましい態様であり、こ
の条件を適用することによって、さらに優れた効果の取
得を期待することができる。 (c)コーティング加工することなく用いられるエアバ
ッグ用布帛であって、この布帛のJIS L1096
(6.27.1A法)に規定される方法で測定した通気
度が0.1ml/cm2 /sec以下であること。 (d)布帛を折り畳み処理後に前記と同様の方法で測定
した通気度が0.3ml/cm2 /sec以下であるこ
と。
糸およびそれを用いたエアバッグ用布帛について詳細に
説明する。本発明エアバッグ用原糸は、単糸の断面形状
が扁平率1.5〜8の扁平断面である合成繊維マルチフ
ィラメントからなる交絡糸から構成されるものである。
面の長軸と短軸との比、つまり扁平率は、1.5〜8好
ましくは1.5〜6、さらに好ましくは2〜6である。
扁平率が上記の範囲未満では、扁平断面糸を用いた効果
が十分に得られず、一方上記の範囲を越えると、エアバ
ッグ用原糸として必要な高強度、通常7.0cN/dt
ex以上の高強度糸を良好な品位で得ることが困難とな
り、製織工程における工程通過性を著しく悪化させ、ま
た扁平断面糸としての効果も飽和するため不必要であ
る。
平率1.5〜8の範囲を満足するならば、楕円形以外の
形状であってもよい。例えば、長方形、菱形、繭型のよ
うな左右対称型は勿論、左右非対称型でもよく、あるい
は、それらの組み合わせ型でもよく、さらに上記を基本
型として突起や凹むか、あるいは部分的に中空部があっ
てもよい。
texであり、特に3〜5dtexの範囲にあることが
好ましい。通常、単糸繊度が小さい原糸を用いる程、得
られる布帛は柔軟で収納性が良くなり、通気性が著しく
低く、かつ通気性の経時変化も少ない布帛が得られる。
つまり、単糸繊度を小さくすると単糸数が多くなってカ
バリング性がよくなり、また経糸と緯糸の単糸の交点が
増えるために交点ズレが生じにくくなるからである。
範囲にあることがより好ましい。短軸長さが上記範囲内
であることによって、経糸と緯糸の交点部分の空隙
()を小さくすることができ、エアバッグ用布帛の通
気度を大幅に低くすることできる。
dtexを越える高強度糸を良好な品位で得ることが困
難となり、製織工程における工程通過性を悪化させるな
どの問題が生じやすい。一方短軸長が20μmを超える
と、低通気度化するために織り密度を大きくする必要が
あり、収納性が優れた布帛が得られ難くなる。
する通常の円形断面糸と比較して、柔軟性と収納性に優
れ、かつカバリング性にも著しく優れるエアバック用布
帛を与えるため、円形断面糸の単糸繊度よりも繊度を太
めに設定したとしても、上記の効果が同等以上に得られ
る。このことは、単糸繊度が大きいため、製糸もし易く
なるなどの効果をもたらす。
の断面形状が扁平率1.5〜8の扁平断面である合成繊
維マルチフィラメントからなる交絡糸であって、適度の
交絡強さと均一な交絡が付与された交絡糸からなる。そ
して、上記交絡糸の交絡数は15個/m以上、好ましく
は15〜60個/mである。交絡数が上記の範囲未満の
場合は、近年の高速製織、例えば回転速度800rpm
以上のウォータージェットルームでの製織において効率
よく製織することが困難なことがある。しかしながら、
原糸に付与された交絡は、製織後布帛となった段階では
実質的に解消されていることが好ましく、そのために適
度な交絡強さであることが必要である。特に、本発明の
扁平断面糸は同一単糸繊度の円形断面糸と比較して表面
積が増えるため、製織時に交絡が解消されにくくなる。
そのため、糸張力や空気圧力、エアガイドの形状などの
交絡条件を適宜設定して、上記の交絡糸は2cN/dt
exの張力をかけて緊張処理した後の交絡数が15個/
m以下、好ましくは10個/m以下となるようにするこ
とが重要である。上記緊張処理後の交絡数が上記の範囲
を越える場合は、製織後布帛とした後になっても相当の
交絡が残り、つまり糸条が集束したままの部分が残るこ
とになることから、ノンコーティングエアバッグ用布帛
としては、布帛の通気性が高くなり、エアバッグの展開
速度に対する信頼性を欠くことになるため好ましくない
ばかりか、一定の通気性の規格値を満足させるために、
さらに織密度を高めた設計が必要となるなど不利が招か
れることになる。
ては、ポリアミド、ポリエステル、アラミドおよび全芳
香族ポリエステルなどを用いることができるが、特にポ
リアミドが好ましく用いられる。ポリアミドとしては、
例えば、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリカプラミ
ド、ポリテトラメチレンアジパミドおよびそれらポリマ
の共重合物、ブレンド物などが好ましく使用される。本
発明は上記いずれの素材に適用しても相応の効果が得ら
れるが、特にポリアミド繊維に適用した場合に、柔軟性
に優れ収納性の優れたエアバッグ用布帛が得られる。好
ましいポリマはナイロン66であり、高強度、高タフネ
スの繊維を得るため、硫酸相対粘度で通常、3.0以
上、好ましくは3.5以上の高分子量のポリマを用い
る。
も優れており、強度が7cN/dtex以上、通常は8
cN/dtex〜9cN/dtexで、伸度が18%以
上、通常は20〜30%である。
の断面形状が扁平率1.5〜8の扁平断面である合成繊
維マルチフィラメント交絡糸からなるエアバック用原糸
を経糸および/または緯糸に用い、カバーファクターが
1500〜2500、好ましくは1800〜2100と
なるように製織された布帛である。
の総繊度をD1(dtex)、織密度をN1(本/2.
54cm)、緯糸の総繊度をD2(dtex)、織密度
をN2( 本/2.54cm)としたときに(D1×0.
9)1/2 ×N1+(D2×0.9)1/2 ×N2で表され
る値である。カバーファクターが上記の範囲未満では、
ノンコーティングエアバッグとして用いた場合に、通気
性が高くエアバッグの展開速度に対する信頼性が得られ
ないばかりか、経糸と緯糸の交点ズレを生じ易いため通
気性の経時変化も生じることがあることから好ましくな
い。一方、カバーファクターが上記の範囲を越える場合
は、織密度が高くなるため、収納性が悪くなるばかり
か、繊維の使用量が増え、製織コストも高くなることか
ら好ましくない。このようにカバーファクターは布帛の
通気性および収納性と大きく関係しており、この特性が
適切な範囲内にあることがエアーバッグ布帛として非常
に重要である。
ストマーなどでコーティング加工することなく用いられ
るノンコーティング布帛で十分な効果を得ることができ
る。その本発明のエアバッグ用布帛はJIS L 10
96(6.27.1A法)に規定される方法で測定した
通気性は0.1ml/cm2 /sec以下であるのがよ
く、好ましくは0.05ml/cm2 /sec以下であ
る。また、この布帛を折り畳み後に上記と同様の方法で
測定した通気性については、0.3ml/cm 2 /se
c以下であるのがよく、好ましくは0.2ml/cm2
/sec以下である。
気性のいずれかが上記の範囲を越える場合は、エアバッ
グの展開速度が遅くなる場合が生じるなど信頼性に欠け
ることになる。特に、折り畳み後の通気性が上記の範囲
を越えると、折り畳まれたバッグが展開する際にバッグ
の通気性が不均一になり、等方的に展開しなくなった
り、バッグの内圧が不十分となるため、早急な乗員保護
ができなくなることがある。
帛を折り畳んだ後、15cN/cm 2 の荷重下で、25
℃、50%RHの温湿度調整室に48時間調整後、荷重
を取り除き、折り畳みを解除して、上記と同様の方法で
通気性を測定した値である。
点ズレから生じる通気性の変化を評価するための簡便な
方法である。折り畳み後の通気性は、一般的にはカバー
ファクターが高く、単糸繊度が細く、マルチフィラメン
ト内のカバリング性の良い布帛ほど良好な傾向である
が、本発明の上記扁平断面糸を用いたエアバッグ用布帛
は従来の布帛と比較して極めて良好である。
エアバッグとして必要な機械的特性およびバッグ収納性
を満足するものであれば特に制約を受けないが、好まし
くは、引張強力が400N/cm以上、さらに好ましく
は500N/cm以上、引裂強力が100N以上、さら
に好ましくは150N以上、厚さが0.30mm以下、
バッグ収納性が指数100以下であるという条件を満足
するものが好ましい。
法について、図1のプロセスを用いて説明する。
リアミドポリマを用いて溶融紡糸・延伸することにより
製造する。
紡糸口金より紡出される。本発明の扁平断面を有するエ
アバッグ用原糸を得るためには、口金孔の形状は従来生
産技術の範疇で、紡出冷却後の糸条フィラメントが上記
した扁平率を満足する扁平断面を形成するよう設計して
用いる。
る。図1は本発明のエアバッグ用原糸を製造する装置の
一例を示す説明用正面図であり、図2は図1の装置のう
ち交絡付与装置の一例を示す断面平面図である。
(2)、紡糸ダクト(3)を通り冷却固化され、次いで
給油装置(4)で油剤を付与される。次に、糸条(1)
は、引き取りローラ(5)、(6)で所定の速度で引き
取られた後、加熱延伸ローラ群(7)、(8)、(9)
によって熱延伸される。延伸された糸条(1)は、第2
延伸ローラ(9)と張力調整ローラ(10)間で弛緩処
理された後、張力調整ローラと巻取り機(13)間に設
置された交絡付与装置(11)で交絡を付与された後、
巻取り機(13)によって巻き取る。
以下の方法によって得られる。すなわち、交絡付与装置
の前後に糸道規制ガイド(12)が配置され、この糸道
規制ガイドを(12)通過した糸条(1)を交絡付与装
置(11)に導き、交絡ノズルから圧力空気を噴射して
交絡処理する。なお、交絡付与装置(11)は第2延伸
ローラ(9)と張力調整ローラ(10)との間に設置す
ることもできる。交絡付与装置(11)には糸条の糸道
が変化しないように、交絡付与装置(11)の前後に糸
道規制ガイド(12)、(12´)が設置される。
(A)、(A´)の構造は図2に示したように、均一な
交絡を付与するために重要である。すなわち、糸条
(B)、(B´)の太さに合わせた交絡ノズルの空間ス
ペース(E)、(E´)と、糸条(B)、(B´)の見
かけ上の直径(D)、(D´)との比を、15〜100
の範囲とし、糸条(B)、(B´)への圧力空気の噴出
しを2方向(C)、(C´)から行い、かつ糸条
(B)、(B´)に対し、2方向(C)、(C´)から
の圧空の吹き出し角度(F)、(F´)が60〜80
゜、好ましくは65〜75゜となるように噴きつけるこ
とが望ましい。また、圧力空気の噴射圧力は0.2〜
0.7MPa、好ましくは0.25〜0.6MPaであ
る。また、糸条に交絡をかける時の張力は、糸条の繊度
(dtx)×0.05〜0.25cNの範囲で行う。
な交絡度および均一な交絡を付与するための重要な要因
として、交絡時の適切な張力の設定および張力の変動を
最小に抑えることが挙げられる。そのためには、巻取り
機で糸条を巻き取るに際し、巻き取り張力が常に一定と
なるよう糸条の張力を検知し、巻き取りスピンドルの回
転速度を変化させることが行われる。
1000dtexであり、用途、つまり搭載する車種や
部位、例えば運転席、助手席、サイドエアバッグおよび
インフレータブルカーテンなどによって、最適な原糸お
よび織物設計された布帛が選ばれる。
れ、製織される。また、製織後に得られた布帛に加圧処
理やカレンダー加工を施してもよい。
ての効果を得るために、カバーファクターが1500〜
2500となるように織物設計する。
ットルームが用いられるが、レピアルームやエアージェ
ットルームなどを用いることができる。
れる。そして、このようにして得られる本発明のエアバ
ック用原糸は適度な交絡強さを有するものであり、本発
明のエアバッグ用布帛は低い低通気性と優れた収納性を
備えたものである。
更に、柔軟性および/または低い通気性を必要とするエ
アバッグ以外の用途にも適用することができる。
明する。なお、明細書本文および実施例に用いた物性の
定義および測定法は次の通りである。 (1)繊度:JIS L−1013に準じて測定した。
に準じ、試長25cm、引張速度30cm/分の条件で
測定した。
つ水浸法で長さが1mm以上の交絡部の個数を測定し、
その10本の平均値を1mあたりの個数に換算して得ら
れた値である。水浸バスは、長さ70cm、幅15c
m、深さ5cmの大きさで、長手方向両端より10cm
のところに仕切板を設けたものを用いた。このバスに純
水を深さ約3cmになるように満たし、その中へ原糸を
水浸させ、油剤などの不純物の影響を排除するために測
定毎に純水を入れ替えて測定した。また、2cN/dt
exの緊張処理後の交絡数は、1.0m長さの原糸に2
cN/dtex相当の荷重を掛けて5秒経過後、水浸法
にて上記と同様に測定した。布帛を構成する経糸および
緯糸の交絡数はそれぞれの原糸から構成される布帛から
採取された糸について同様に水浸法にて測定した。
ており、次の方法で求めた。
り、写真上で単糸の長軸(a)と短軸(b)の長さを測
定し、そのa/bから扁平率を算出した。単糸10本の
測定の平均値とする。(図5,6)扁平率=a/b。
を◎、90〜94%を○、80〜89%を△、79%以
下を×とした。
6(6.12.1A法)に準じて測定した。
6(6.15.2A−2法)に準じて測定し、経方向と
緯方向の平均値を求めた。
27.1A法)に準じて測定した。
折り畳み処理を行った後、通気性をJIS L1096
(6.27.1A法)に準じて測定した。
のエアバッグ(I)を、図3に示したように、150×
150mmになるようまず左右から(II)方向へそれ
ぞれ4回蛇腹に折り畳んだ後、この折り畳み物(II
I)を上下から(II)方向へそれぞれ4回蛇腹に折り
畳み、この折り畳んだバッグ(V)に、図4に示したよ
うに、4000gの荷重(VI)をかけ、その時のバッ
グの厚さを測定し、比較例1の470dtex円形断面
糸使いのノンコート基布の厚さを100としたときの相
対比を求めた。
ストルーダ型紡糸機を用い、25℃での98%硫酸相対
粘度3.7のナイロン66チップを295℃で溶融紡糸
した。各紡糸機とも口金は扁平率、形状および孔数のそ
れぞれ異なる口金を用い、この口金を擁する紡糸パック
から糸条を紡出し、直接紡糸延伸プロセスでエアバッグ
用原糸470dtexの糸条を製糸した。図1に示した
プレストレッチ−2段延伸熱処理−リラックスプロセ
ス、すなわち、給油ローラ(4)、引き取りローラ
(5、6)、給糸ローラ(7)、第1延伸ローラ
(8)、第2延伸ローラ(9)、張力調整ローラ(1
0)を順次通過させ、延伸熱処理およびリラックス処理
を行った後、巻取機(13)にて巻取った。各ローラの
温度は、引き取りローラが常温、給糸ローラが40℃、
第1延伸ローラが140℃、第2延伸ローラが230
℃、張力調整ローラを150℃とした。製糸速度は、第
2延伸ローラ(9)の速度を4200m/分で一定と
し、単糸の断面形状や単糸繊度の異なる糸条毎に延伸倍
率を変更して原糸の強度が約8.4cN/dtexとな
るように製糸した。
は、張力調整ローラと巻き取り機との間に設置し、図2
の交絡付与ノズルを用い、表1および表2記載の交絡数
となるように高圧空気圧力を0.2〜0.7MPaに設
定して交絡糸を巻き取り、エアバッグ用原糸を得た。
エアバッグ用原糸および比較用原糸を、それぞれ200
m/分の速度で整経を行い、次いで津田駒製ウォーター
ジェットルーム(ZW303)にて織密度を変化させて
回転速度800rpmで製織した。引き続いて、上記で
得られた各織物を、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ80
℃温水浴中に3分間浸漬した後、130℃で3分間乾燥
させ、次いで180℃で1分間熱ヒートセットすること
により、エアバッグ用基布を得た。
25mmの円状布帛2枚を打ち抜き法にて裁断し、一方
の円状布帛の中央に同一布帛からなる直径200mmの
円状補強布帛を3枚積層して、直径110mm、145
mm、175mm線上を上下糸ともナイロン66繊維の
470dtex/1×3から構成される縫糸で本縫いに
よるミシン縫製し、直径90mmの孔を設け、インフレ
ーター取り付け口とした。さらに、中心部よりバイアス
方向に255mmの位置に相反して同一基布からなる直
径75mmの円状補強布帛を1枚当て直径50mm、6
0mmの線上を上下糸ともナイロン66繊維の470d
tex/1×3から構成される縫糸で本縫いによるミシ
ン縫製し、直径40mmの孔を設けたベントホールを2
カ所設置した。
し、他方の円状布帛と経軸を45度ずらして重ね合わ
せ、直径700mm、710mmの円周上を上下糸とも
ナイロン6・6繊維の1400dtex/1から構成さ
れる縫糸で二重環縫いによるミシン縫製をした後、袋体
を裏返し60リットル容量のエアバッグを作成した。エ
アバッグ用原糸の物性およびエアバッグ用布帛の物性お
よびエアバッグの収納性を測定した結果を表1および表
2に示す。
アバッグ用原糸を用いたエアバッグ用布帛は、従来の原
糸を用いたエアバッグ用布帛に比べて、原糸生産操業
性、製織性、収納性および通気性に優れていることがわ
かる。
ノンコーティングエアバッグに最適な収納性と低い通気
性を備えたエアバッグ用布帛およびそれを可能とするエ
アバッグ用原糸を実現することができる。
従来の円形断面糸からなるエアバッグ用原糸を用いた場
合に比較して、低い通気度が達成でき、かつ収納性に優
れている。したがって、安全装置としての信頼性が高ま
り、かつコンパクトなエアバッグ装置を提供することが
できる。
一例を示す説明用正面図である。
面図である。
説明用フロー図である。
荷重の負荷方法を示す説明用正面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】単糸の断面形状が下記式に示す単糸の長軸
長(a)と短軸長(b)から求めた扁平率が1.5〜8
の扁平断面である合成繊維マルチフィラメントからな
り、交絡数が15個/m以上で、かつ2cN/dtex
の張力をかけて緊張処理した後の交絡数が15個/m以
下の交絡糸からなることを特徴とするエアバッグ用原
糸。 扁平率=a/b - 【請求項2】前記単糸の繊度が2〜 7dtex、前記
短軸長が6〜20μmであることを特徴とする請求項1
に記載のエアバッグ用原糸。 - 【請求項3】前記合成繊維マルチフィラメントがポリア
ミドマルチフィラメントであることを特徴とする請求項
1または2に記載のエアバッグ用原糸。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のエア
バック用原糸を経糸および/または緯糸として用い、経
糸の総繊度をD1(dtex)、織密度をN1(本/
2.54cm)、緯糸の総繊度をD2(dtex)、織
密度をN2( 本/2.54cm)としたときに(D1×
0.9)1/2×N1+(D2×0.9)1 /2 ×N2で表
されるカバーファクターが1500〜2500の範囲で
製織してなることを特徴とするエアバッグ用布帛。 - 【請求項5】コーティング加工することなく用いられる
エアバッグ用布帛であって、この布帛のJIS L10
96(6.27.1A法)に規定される方法で測定した
通気度が0.1ml/cm2/sec以下であることを
特徴とする請求項4に記載のエアバッグ用布帛。 - 【請求項6】布帛を折り畳み処理後に前記と同様の方法
で測定した通気度が0.3ml/cm2/sec以下で
あることを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ用布
帛。
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