JP2002129317A - 反応性スパッタにおける反応性ガス導入装置 - Google Patents

反応性スパッタにおける反応性ガス導入装置

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JP2002129317A
JP2002129317A JP2000323783A JP2000323783A JP2002129317A JP 2002129317 A JP2002129317 A JP 2002129317A JP 2000323783 A JP2000323783 A JP 2000323783A JP 2000323783 A JP2000323783 A JP 2000323783A JP 2002129317 A JP2002129317 A JP 2002129317A
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Keiko Toyosawa
圭子 豊澤
Kazunori Kawamura
和典 河村
Kazuyoshi Uemori
一好 上森
Kazuaki Sasa
和明 佐々
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺基材上に反応性スパッタ法にて基材長手
方向に加えて基材幅方向にも均質な透明導電性膜を連続
的に製膜するため、上記反応性スパッタにおける反応性
ガス導入装置として、基材幅方向に均等に反応性ガスを
供給できるような反応性ガス導入装置を提供する。 【解決手段】 長尺基材3上に反応性スパッタ法により
透明導電性膜を連続的に製膜する製膜室1内に反応性ガ
スを供給するガス導入装置6において、製膜室内に長尺
基材3の幅方向xに沿って配設される上記幅方向xに沿
う複数個のガス吐出孔610を有するガス吐出管61
と、これに連結されて製膜室外に配設される流量制御弁
63を介して反応性ガスを導入するガス導入管62とを
備えてなり、上記ガス吐出管61の内径をd1 、上記ガ
ス導入管62の内径をd2 とすると、d1 >d2 の関係
を満たすことを特徴とする反応性ガス導入装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性スパッタに
おける反応性ガス導入装置、つまり、長尺基材上に反応
性スパッタ法により透明導電性膜を連続的に製膜する製
膜室内に反応性ガスを供給するガス導入装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】反応性スパッタ法による透明導電性膜の
製膜は、適度の真空度に調整した製膜室内において、A
rなどの不活性ガスからなるスパッタガスを用いて金属
ターゲットを放電処理してスパッタし、このスパッタ粒
子に酸素ガスなどの反応性ガスを反応させて、透明性で
かつ導電性である金属酸化物や金属窒化物などの金属化
合物を透明導電性膜として基材上に製膜するものであ
る。
【0003】このような反応性スパッタ法により製膜さ
れる透明導電性膜は、その膜質が主として反応性ガス濃
度により決定される。とくに、錫を添加したインジゥム
酸化物などの透明性の高い金属酸化物からなる透明導電
性膜は、n型半導体であり、その導電率は膜中の酸素濃
度により変化する。このため、長尺基材上に透明導電性
膜を連続的に製膜する場合、基材長手方向はもちろんの
こと、基材幅方向にも均質な透明導電性膜を得るには、
反応性ガス濃度を基材幅方向の全体にわたって均一かつ
適正な濃度に保つ必要がある。
【0004】従来、製膜室内に反応性ガスを供給するガ
ス導入装置として、製膜室のプラズマ発光強度を測定す
るプラズマエミッションモニタ(通常、PEMという)
などを利用してピエゾバルブによりガス導入量を制御す
る方式の流量制御弁を設け、これを介して反応性ガスを
導入するガス導入管のガス流量を自動制御して、基材長
手方向に反応性ガスを均一かつ適正な濃度に供給する一
方、上記ガス導入管の先端にガス吐出管をT字型に連結
してこれを基材幅方向に沿って配設し、かつこれに基材
幅方向に沿う複数個のガス吐出孔を設けて、反応性ガス
を基材幅方向の全体にわたって均一かつ適正な濃度に供
給するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の供給
方式は、反応性ガスの基材幅方向への均一供給という面
で、十分なものではなかった。これは、図7に示すよう
に、ガス導入管100からの反応性ガスのガス圧力が小
さいと、これに連結したガス吐出管200の内部で導入
ガスが均一に拡散し、基材幅方向に沿う複数個のガス吐
出孔から、図中、破線イで示すように、基材幅方向に均
等なガス量で吐出できるが、上記ガス圧力が大きくなる
と、実線ロで示すように、ガス導入管100の連結部に
近い基材幅方向の中央部に位置するガス吐出孔からのガ
ス量が多くなり、基材幅方向に均等に吐出できなくなる
ためである。PEMなどを利用しガス流量を制御する場
合、供給ガス圧力が常に変動するため、この圧力変動を
緩和して、基材幅方向に沿う各ガス吐出孔からの吐出ガ
ス量分布を均等にする必要がある。
【0006】これに対し、ガス導入管を流量分配弁を持
つ少なくともふたつの管に分岐し、各分岐管をガス吐出
管の基材幅方向に沿う任意箇所に連結することにより、
またこの場合にガス吐出管を上記各分岐管の連結部分ご
とに分割して、基材幅方向に沿う独立管を構成させるこ
とにより、上記流量分配弁の操作により基材幅方向の反
応性ガスの供給量をできるだけ均等にする試みもなされ
ている。しかし、上記流量分配弁のわずかな操作でも各
分岐管のガス供給圧力が変動し、基材幅方向の吐出ガス
量分布を十分に均等にすることは難しかった。
【0007】本発明は、このような事情に照らし、長尺
基材上に反応性スパッタ法にて基材長手方向に加えて基
材幅方向にも均質な透明導電性膜を連続的に製膜するた
め、上記反応性スパッタにおける反応性ガス導入装置と
して、基材幅方向に均等に反応性ガスを供給できるよう
な装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意検討した結果、基材幅方向に沿う
複数個のガス吐出孔を有するガス吐出管と、これに連結
されて製膜室外に配設される流量制御弁を介して反応性
ガスを導入するガス導入管との管径に注目し、後者のガ
ス導入管の内径に比べて、前者のガス吐出管の内径の方
が大きくなるように設計すると、反応性ガスの流速がガ
ス導入管内よりもガス吐出管内で遅くなり、ガス吐出管
内で反応性ガスが十分に滞留し拡散して、ガス流量が上
記管内の全体にわたり均等化され、その結果、基材幅方
向に沿う各ガス吐出孔から反応性ガスを基材幅方向に均
等に吐出供給でき、これにより長尺基材上に反応性スパ
ッタ法にて基材長手方向に加えて基材幅方向にも均質な
透明導電性膜を連続的に製膜できるものであることを知
り、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、長尺基材上に反応性
スパッタ法により透明導電性膜を連続的に製膜する製膜
室内に反応性ガスを供給するガス導入装置において、製
膜室内に長尺基材の幅方向に沿って配設される上記幅方
向に沿う複数個のガス吐出孔を有するガス吐出管と、こ
れに連結されて製膜室外に配設される流量制御弁を介し
て反応性ガスを導入するガス導入管とを備えてなり、か
つ上記ガス吐出管の内径をd1 、上記ガス導入管の内径
をd2 としたとき、d1 >d2 の関係を満たすことを特
徴とする反応性スパッタにおける反応性ガス導入装置に
係るものであり、とくに上記のガス導入管が流量分配弁
を持つ少なくともふたつの管に分岐され、各分岐管がガ
ス吐出管の基材幅方向に沿う任意箇所に連結されている
上記構成の反応性ガス導入装置と、さらに上記のガス吐
出管がガス導入管を構成している各分岐管の連結部分ご
とに分割されて、基材幅方向に沿う独立管を構成してい
る上記構成の反応性ガス導入装置とを提供できるもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参考にして説明する。図1は、本発明の反応性ガス
導入装置を適用した透明導電性膜の製膜装置の一例を示
す概略断面図である。また、図2は、上記の反応性ガス
導入装置におけるガス導入管とガス吐出管との構成を示
す正面図である。
【0011】両図において、真空排気手段を付設した製
膜室1の内部に、巻き出し軸21、移送ロール22およ
び巻き取り軸23からなる長尺基材3の移送手段2が設
けられており、また支持体4上に放電可能な状態に支持
された金属ターゲット5が、上記の移送ロール22上に
巻き付けられた長尺基材3に対して所定距離だけ離間し
て対向配設されている。この製膜室1には、Ar、H
e、Ne、Kr、Xeなどの不活性ガスからなるスパッ
タガスが適宜の手段で導入されるとともに、反応性ガス
導入装置6により、酸素ガスなどの反応性ガスが導入さ
れる。
【0012】反応性ガス導入装置6は、製膜室1に長尺
基材3の幅方向x(図1の紙面表裏方向)に沿って配設
され、全長が上記基材3の幅(や金属ターゲット5の長
さ)とほぼ同等で、管側面に上記幅方向xに沿って所定
間隔で形成された複数個のガス吐出孔610を有するガ
ス吐出管61と、これに連結されて製膜室1外に配設さ
れる流量制御弁63を介して反応性ガスを導入するガス
導入管62とを備えており、さらに製膜室1のプラズマ
発光強度を測定するPEM(プラズマエミッションモニ
タ)64が配設され、その測定信号を利用して流量制御
弁63によって反応性ガスの導入流量を自動制御できる
構成となっている。
【0013】また、上記のガス吐出管61とガス導入管
62との管径は、ガス吐出管61の内径をd1 、ガス導
入管62の内径をd2 としたとき、d1 >d2 の関係を
満たすように、つまり、ガス吐出管61の管径がガス導
入管62の管径より大きくなるように、設計されてい
る。上記内径d1 ,d2 の絶対値としては、製膜室1の
大きさなどに応じた反応性ガスの流量などにより適宜決
定でき、とくに限定されるものではないが、一般には、
上記内径d1 が1〜30mm、上記内径d2 が0.5〜2
9.5mmの範囲内に設定されているのがよい。この場
合、ガス吐出管61のガス吐出孔610は、その孔径が
0.1〜10mmであるのが望ましい。また、管の断面形
状は、円形以外に、多角形、扁円形などであってもよ
く、外形と内形とが異なるものであってもよい。
【0014】このような装置構成に基づいた透明導電性
膜の製膜は、製膜室1内において、巻き出し軸21から
巻き出した長尺基材3を移送ロール22上を移送しなが
ら、これに対向配設した金属ターゲット5を、適宜の真
空雰囲気下、導入スパッタガスを利用して放電処理し
て、スパッタし、このスパッタ粒子に反応性ガス導入装
置6によって導入される酸素ガスなどの反応性ガスを反
応させることにより、透明性でかつ導電性である金属酸
化物や金属窒化物などの金属化合物からなる透明導電性
膜として、上記基材3上に連続的に製膜し、これを巻き
取り軸23に巻き取るものである。
【0015】ここで、上記反応性ガス導入装置6では、
PEMと組み合わされた流量制御弁63によりガス導入
管62からの反応性ガスの全流量を自動制御しているた
め、上記ガス導入管62に連結されたガス吐出管61の
基材幅方向に沿う複数個のガス吐出孔610から、反応
性ガスを基材長手方向に継続的に均一かつ適正な濃度で
供給でき、しかも上記ガス吐出管61の内径d1 とガス
導入管62の内径d2とがd1 >d2 の関係にあるた
め、反応性ガスを基材幅方向にも均等かつ適正な濃度に
供給できる。その結果、上記基材3上に連続的に製膜さ
れる透明導電性膜は、基材長手方向に加えて基材幅方向
にも均質なものとなる。
【0016】反応性ガスを基材幅方向に均等かつ適正な
濃度に供給できるのは、以下の理由による。反応性ガス
のガス吐出管61内のガス流速をv1 、ガス導入管62
内のガス流速をv2 とすると、内径d1 と内径d2 がd
1 >d2 の関係にある場合、上記ガス流速はv2 >v1
となり、反応性ガスがガス導入管62からガス吐出管6
1内に流入すると、ガス流速がv2 からv1 と遅くな
る。その結果、ガス吐出管61内部で反応性ガスが十分
に滞留し拡散して、ガス吐出管61内部でのガス濃度分
布が低減され、基材幅方向に沿う複数個のガス吐出孔6
10から、反応性ガスを基材幅方向に対して均等かつ適
正な濃度に供給できるのである。
【0017】図3は、上記反応性ガス導入装置6の変形
例を示したものである。上記の反応性ガス導入装置6に
おいて、流量制御弁63を介して反応性ガスをガス吐出
管61内に導入させるガス導入管62を、流量分配弁6
5A,65Bを持つ少なくともふたつの管62A,62
Bに分岐して、各分岐管62A,62Bを、基材幅方向
に沿って複数個のガス吐出孔610を持つガス吐出管6
1における基材幅方向に沿う任意箇所(ここでは、管両
端から全長の1/4程度の箇所)に連結させるようにし
たものである。なお、上記の分岐管62A,62Bの内
径d2A,d2Bは、いずれも、ガス吐出管61の内径d1
との関係において、d1 >d2A,d2Bの関係を満たすも
のであり、この関係を満たす限り、分岐管62A,62
Bが互いに異なる内径を有していても差し支えない。
【0018】上記の装置構成にあっては、反応性ガスの
全流量は、前記と同様に、流量制御弁63により自動制
御できるとともに、流量分配弁65A,65Bにより上
記の反応性ガスを適正に分配し、それぞれを、ガス導入
管62を構成する分岐管62A,62Bを通じてガス吐
出管61の基材幅方向に沿う任意箇所に常に安定して導
入できるので、基材幅方向への反応性ガスの均等かつ適
正なガス供給がより確実となり、またより容易となる。
この効果をより良く発揮させるため、上記分岐管62
A,62Bはさらに3個ないしそれ以上の数に増やして
もよく、これに伴い、流量分配弁65A,65Bも増や
すことができる。
【0019】図4は、反応性ガス導入装置6のさらに別
の変形例を示したものである。上記の図3に示す反応性
ガス導入装置6において、ガス吐出管61を、ガス導入
管62を構成する各分岐管62A,62Bの連結部分ご
とに分割(ここでは、ガス吐出管の中央部分で分割)し
て、基材幅方向に沿う独立管61A,61Bを構成させ
るようにしたものである。なお、上記の独立管61Aの
内径d1Aは、分岐管62Aの内径d2Aとの関係におい
て、d1A>d2Aの関係を満たし、また上記の独立管61
Bの内径d1Bは、分岐管62Bの内径d2Bとの関係にお
いて、d1B>d2Bの関係を満たすものであり、これらの
関係を満たす限り、独立管61A,61Bが互いに異な
る内径を有していても差し支えない。
【0020】この装置構成によると、反応性ガスの全流
量は、前記と同様に、流量制御弁63により自動制御で
きるとともに、流量分配弁65A,65Bにより上記の
反応性ガスを適正に分配し、それぞれを、ガス導入管6
2を構成する分岐管62A,62Bを通じて、ガス吐出
管61Aを構成する上記の各独立管61A,61Bに常
に安定して導入できるため、基材幅方向への反応性ガス
の均等かつ適正なガス供給を、さらに一段と確実かつ容
易なものとすることができる。
【0021】実際、図4の反応性ガス導入装置6とし
て、ガス吐出管61(独立管61A,61B)の内径d
1 (d1A,d1B)を9.4mm、ガス吐出孔610の孔径
を1mm、ガス導入管62(分岐管62A,62B)の内
径d2 (d2A,d2B)を4.5mmとし、図1に示す製膜
装置に基づき、長尺基材3としてポリエチレンテレフタ
レートフィルム(以下、PETフィルムいう)を、金属
ターゲット5としてInとSnの合金を、スパッタガス
としてArガスを、反応性ガスとして酸素ガスを、それ
ぞれ使用して、反応性スパツタにより長尺基材3上に透
明導電性膜としてSnを添加したIn2 3 (通常、I
TOという)からなる金属酸化物膜を連続的に製膜し
た。その際、PEM64と流量制御弁63により、酸素
ガスの全体の供給量を制御し、かつ流量調節弁65A,
65Bを操作して金属酸化物膜の面抵抗値が最小となっ
たところを適正膜と判断し、透明導電性膜を製膜した。
【0022】この方法で得られた透明導電性膜は、図5
に示すように、基材幅方向の一端側(0cm)から他端側
(30cm)までの抵抗分布が±3%と低く、基材幅方向
の全体にわたり均一な面抵抗を有していた。また、この
抵抗分布は、基材長手方向にも持続し、基材長手方向と
基材幅方向ともに均質な膜性状を有していた。なお、反
応性ガス導入装置6として、図3または図2に示す装置
構成のもの(ガス吐出管およびガス導入管の内径は上記
と同じ)を用いたときでも、ほぼ同様の結果であった。
これに対し、図4に示す装置構成で、ガス吐出管61
(独立管61A,61B)の内径d1 (d1A,d1B)と
ガス導入管62(分岐管62A,62B)の内径d
2 (d2A,d2B)を、いずれも9.4mmとすると、図6
に示すように、基材幅方向の一端側から他端側までの抵
抗分布が±10%と高くなり、基材幅方向の全体にわた
り均一な膜質とすることができなかった。
【0023】上記の本発明において、長尺基材3には、
PETフィルムのほか、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ
アミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの各種プラス
チック(単独重合体や共重合体など)からなる単独フィ
ルムまたは積層フィルムが用いられる。その他、このよ
うなプラスチックフィルムとは異なる材質の長尺基材を
使用することもできる。
【0024】金属ターゲット5には、InとSnの合金
のほか、Sn、In、Cd、Zn、Ti、InとSbの
合金、InとAlの合金など、反応性スパッタ成膜によ
り、透明導電性膜として、透明導電性を有する金属化合
物膜、たとえば、金属酸化物膜や金属窒化物膜を付与す
るものであれば、広く使用できる。このような金属ター
ゲット5を使用して、長尺基材3上に前記のようにして
反応性スパッタ成膜される透明導電性膜には、ITOの
ほか、SnO2 、In2 3 、CdO、ZnO、Sbを
添加したIn2 3 、Alを添加したIn2 3 (通
常、ATOという)などの金属酸化物膜や、TiN、Z
rNなどの金属窒化物膜などの金属化合物膜が挙げられ
る。
【0025】反応性ガス導入管6から供給される反応性
ガスには、金属酸化物膜を成膜する場合は酸素ガス、金
属窒化物膜を成膜する場合は窒素ガスなどがあり、これ
らのガスは適宜混合して用いてもよく、またこれらのガ
ス以外に、亜酸化窒素ガスなどの他のガスを使用するこ
ともできる。製膜室1において、上記の反応性ガスと前
記したスパッタガスとからなるガス雰囲気の圧力は、適
宜設定できるが、通常は0.1〜1Paの範囲とするの
が望ましい。
【0026】このように、本発明の反応性ガス導入装置
は、基材幅方向に沿う複数個のガス吐出孔を有するガス
吐出管の内径が、これに連結されて流量制御弁を介して
反応性ガスを導入するガス導入管の内径に比べて、大き
くなるように設計したことにより、反応性ガスの流速が
ガス導入管内よりもガス吐出管内で遅くなり、ガス吐出
管内で反応性ガスが十分に滞留し拡散して、ガス流量が
上記管内の全体にわたり均等化されることから、このガ
ス吐出管の基材幅方向に沿う各ガス吐出孔から反応性ガ
スを基材幅方向に均等に吐出供給することができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の反応性ガス導入
装置によると、製膜室内で反応性ガスを基材長手方向は
もちろん、基材幅方向にも均等に供給することができる
ので、この装置を反応性スパツタ法による透明導電性膜
の製膜装置に適用することにより、長尺基材上にその長
手方向および幅方向にわたり均質な透明導電性膜を連続
的に安定して製膜できるという格別顕著な効果が奏され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応性ガス導入装置を適用した反応性
スパッタによる透明導電性膜の製膜装置の一例を示す概
略概略図である。
【図2】反応性ガス導入装置におけるガス導入管とガス
吐出管との構成例を示す正面図である。
【図3】反応性ガス導入装置におけるガス導入管とガス
吐出管との別の構成例を示す正面図である。
【図4】反応性ガス導入装置におけるガス導入管とガス
吐出管とのさらに別の構成例を示す正面図である。
【図5】上記図4に示す反応性ガス導入装置を適用して
製膜した透明導電性膜の基材幅方向の抵抗分布を示す特
性図である。
【図6】従来構成の反応性ガス導入装置を適用して製膜
した透明導電性膜の基材幅方向の抵抗分布を示す特性図
である。
【図7】従来構成の反応性ガス導入装置におけるガス吐
出管からの反応性ガスの吐出状況を示す模式図である。
【符号の説明】
1 製膜室 2(21,22,23) 長尺基材の移送手段 3 長尺基材 4 支持体 5 金属ターゲット 6 反応性ガス導入装置 61 ガス吐出管 61A,61B 独立管 610 ガス吐出孔 62 ガス導入管 62A,62B 分岐管 63 流量制御弁 64 PEM(プラズマエミッションモニタ) 65A,65B 流量分配弁 d1 (d1A,d1B) ガス吐出管の内径 d2 (d2A,d2B) ガス導入管の内径 x 基材幅方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上森 一好 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 佐々 和明 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA11 AA25 BA43 BA45 BA47 BA49 BA50 BA58 BA60 BC09 CA06 DA02 DA05 DA06 KA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺基材上に反応性スパッタ法により透
    明導電性膜を連続的に製膜する製膜室内に反応性ガスを
    供給するガス導入装置において、製膜室内に長尺基材の
    幅方向に沿って配設される上記幅方向に沿う複数個のガ
    ス吐出孔を有するガス吐出管と、これに連結されて製膜
    室外に配設される流量制御弁を介して反応性ガスを導入
    するガス導入管とを備えてなり、かつ上記ガス吐出管の
    内径をd1 、上記ガス導入管の内径をd2 としたとき、
    1 >d2 の関係を満たすことを特徴とする反応性スパ
    ッタにおける反応性ガス導入装置。
  2. 【請求項2】 ガス導入管が流量分配弁を持つ少なくと
    もふたつの管に分岐され、各分岐管がガス吐出管の基材
    幅方向に沿う任意箇所に連結されている請求項1に記載
    の反応性スパッタにおける反応性ガス導入装置。
  3. 【請求項3】 ガス吐出管がガス導入管を構成している
    各分岐管の連結部分ごとに分割されて、基材幅方向に沿
    う独立管を構成している請求項2に記載の反応性スパッ
    タにおける反応性ガス導入装置。
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