JP6801497B2 - スパッタリング成膜装置と成膜方法および積層体フィルムの製造方法 - Google Patents
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長尺体を表面に接触保持させて搬送する冷却キャンロールと、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段を真空チャンバー内に備え、かつ、上記スパッタリング成膜手段と冷却キャンロールとの隙間部を搬送される長尺体表面に薄膜を形成すると共に、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つが反応性多元スパッタリング成膜手段により構成されるスパッタリング成膜装置において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
更に、複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードが構成され、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における空間領域の略中心部で交わるようになっており、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の上記空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜がなされることを特徴とするものである。
第1の発明に記載のスパッタリング成膜装置において、
上記第二ターゲットを装着する第二スパッタリングカソードが円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成され、かつ、上記第二ターゲットがロータリーターゲットで構成されることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明に記載のスパッタリング成膜装置において、
開口部を有する遮蔽マスクが上記カソードボックスの冷却キャンロール近傍位置に配置され、かつ、遮蔽マスクの開口部が冷却キャンロール近傍の上記空間領域に位置整合されていることを特徴とするものである。
真空チャンバー内に設けられた冷却キャンロール表面に長尺体を接触保持させて搬送すると共に、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段により長尺体表面に薄膜を形成し、かつ、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つを反応性多元スパッタリング成膜手段で構成したスパッタリング成膜方法において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
更に、複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードを構成し、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における空間領域の略中心部で交わるようにして、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の上記空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜を行うことを特徴とする。
第4の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードを円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成し、かつ、上記第二ターゲットをロータリーターゲットで構成したことを特徴とし、
第6の発明は、
第4の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記反応性ガスが酸素ガスまたは窒素ガスであることを特徴とし、
第7の発明は、
第4の発明または第6の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記反応性ガスが酸素ガスで構成され、かつ、反応性ガスに水若しくは水素が含まれていることを特徴とし、
第8の発明は、
第4の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記第一カソード室内に収容する第一ターゲットを銅ターゲットで構成し、第二カソード室内に収容する第二ターゲットを銅以外の添加用金属ターゲットで構成することを特徴とし、
第9の発明は、
第8の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記添加用金属ターゲットを、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Mn、Ni、Co、Znより選ばれる1種以上の金属で構成することを特徴とし、
第10の発明は、
第9の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードへの投入電力または投入電流を調整して、銅に対する上記添加用金属の混合比が3〜40%となる銅合金薄膜を形成することを特徴とするものである。
透明な樹脂フィルムから成る長尺体と、長尺体の少なくとも片面に形成された積層膜とで構成され、かつ、上記積層膜が、長尺体側から数えて第1層目の金属吸収層と第2層目の銅層と第3層目の金属吸収層を有する積層体フィルムの製造方法において、
第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層を、第4の発明〜第10の発明のいずれかに記載のスパッタリング成膜方法で形成することを特徴とし、
第12の発明は、
第11の発明に記載の積層体フィルムの製造方法において、
第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層の各膜厚を15nm〜30nmの範囲に設定することを特徴とするものである。
スパッタリング成膜手段の少なくとも一つを反応性多元スパッタリング成膜手段で構成し、かつ、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
更に、複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードが構成され、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における空間領域の略中心部で交わるようになっており、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の上記空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜を行うことを特徴としている。
(1-1)第一の積層体フィルム
第一の積層体フィルムは、図1に示すように樹脂フィルムから成る透明基板40と、該透明基板40の両面に乾式成膜法(スパッタリング法)により形成された金属吸収層41、43と金属層42、44とで構成されている。
次に、第二の積層体フィルムは、図2に示した第一の積層体フィルムを前提とし、該積層体フィルムの金属層上に第2金属吸収層を形成して成るものである。
金属吸収層は、Cuターゲット(第一ターゲット)と銅以外の添加用金属ターゲット(第二ターゲット)を適用し、反応性ガス(酸素ガス)を用いた反応性多元スパッタリングにより形成されたCu系合金で構成することが好ましい。
金属層を構成する材料としては、電気抵抗値が低い金属であれば特に限定されず、例えば、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Agより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金、または、Ag単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたAg系合金が挙げられ、特に、Cu単体が、回路パターンの加工性や抵抗値の観点から望ましい。
上記積層体フィルムに適用される樹脂フィルムの材質としては特に限定されることはなく、その具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン(PO)、トリアセチルセルロース(TAC)およびノルボルネンの樹脂材料から選択された樹脂フィルムの単体、あるいは、上記樹脂材料から選択された樹脂フィルム単体とこの単体の片面または両面を覆うアクリル系有機膜との複合体が挙げられる。特に、ノルボルネン樹脂材料については、代表的なものとして、日本ゼオン社のゼオノア(商品名)やJSR社のアートン(商品名)等が挙げられる。
(2-1)上記積層体フィルムの積層膜をエッチング処理して配線加工することにより、液晶パネル、ノートパソコン、携帯電話、タッチパネル等に使用される電極基板フィルムを得ることができる。具体的には、図3に示す積層体フィルムの積層膜をエッチング処理して図4に示すような電極基板フィルムを得ることができる。
(3-1)板状ターゲットが装着されたスパッタリング成膜装置
特許文献1、2に記載された従来のスパッタリング成膜装置は、図5に示すように真空チャンバー10内に設けられており、巻き出しロール11から巻き出された長尺樹脂フィルム(長尺体)12に対して所定の成膜処理を行った後、巻き取りロール24で巻き取るようになっている。これ等巻き出しロール11から巻き取りロール24までの搬送経路の途中にモータで回転駆動される冷却キャンロール16が配置されている。キャンロール16の内部には、真空チャンバー10の外部で温調された冷媒が循環している。
図5のスパッタリング成膜装置では、板状ターゲットを装着したマグネトロンスパッタリングカソードが組み込まれているが、ターゲットが板状の場合、上述したようにターゲット表面に非エロージョン領域が形成される欠点がある。このため、図6に示すように、表面に非エロージョン領域が形成されないロータリーターゲット(図示せず)を装着する円筒状マグネトロンスパッタリングカソード117、118、119、120が組み込まれる場合もある。
上記金属吸収層(金属酸化膜)を形成する目的で酸化物ターゲットを適用した場合、上述したように成膜速度が遅く量産に適さない。このため、特許文献1、2ではCuNi合金等から成る合金ターゲットを用いかつ真空チャンバー内に反応性ガス(酸素ガス)を導入する反応性スパッタリングが採用されている。
(3-3-1)一定流量の反応性ガスを放出する方法。
(3-3-2)一定圧力を保つように反応性ガスを放出する方法。
(3-3-3)スパッタリングカソードのインピーダンスが一定になるように反応性ガスを放出する(インピーダンス制御)方法。
(3-3-4)スパッタリングのプラズマ強度が一定になるように反応性ガスを放出する(プラズマエミッション制御)方法。
(4-1)従来のスパッタリング成膜装置
上記金属吸収層(金属酸化膜)を反応性スパッタリング法により形成する場合、図5〜図6に示すスパッタリング成膜装置が利用されている。
(5-1)図5〜図6に示すスパッタリング成膜装置を用いた特許文献1〜2の反応性スパッタリング法においては、成膜される金属吸収層(金属酸化膜)の加工性を考慮してエッチング性に優れたCuNi合金等から成る合金ターゲットが適用されるが、反応性スパッタリングによるCuNi合金の酸化は、上述したようにCuよりNiの方が支配的であることが本発明者により確認されている。
長尺体を表面に接触保持させて搬送する冷却キャンロールと、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段を真空チャンバー内に備え、かつ、上記スパッタリング成膜手段と冷却キャンロールとの隙間部を搬送される長尺体表面に薄膜を形成すると共に、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つが反応性多元スパッタリング成膜手段により構成されるスパッタリング成膜装置において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
更に、複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードが構成され、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における空間領域の略中心部で交わるようになっており、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の上記空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜がなされることを特徴とする。
長尺体(長尺樹脂フィルム等)片面に上記積層体フィルムにおける第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)を2組の反応性多元スパッタリング成膜手段を用いて成膜する場合を例に挙げて本発明に係るスパッタリング成膜装置を説明する。
図9は、従来のCuNi合金(組成比7:3)ターゲットが適用された比較例に係るスパッタリング成膜装置の部分拡大図であり、キャンロール(冷却キャンロール)400と該キャンロール400表面に対向して配置された第一成膜手段1a、第二成膜手段2a、第三成膜手段3aおよび第四成膜手段4aを示している。尚、図9では、前フィードロール420より上流側の構造および後フィードロール520より下流側の構造が示されていないが、図5に示すスパッタリング成膜装置の巻き出しロール11から前フィードロール15まで、および、後フィードロール21から巻き取りロール24までの構造と同一である。また、反応性スパッタリング手段を構成する第一成膜手段1aと第二成膜手段2aにより第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)が形成され、第三成膜手段3aと第四成膜手段4aにより第2層目の金属層(スパッタリング層)が成膜されるようになっている。
本発明に係るスパッタリング成膜装置による金属吸収層(金属酸化膜)の成膜は、成膜時間が数時間にも及ぶことがあり、その間における真空チャンバー内の水分圧を設定値に安定させる必要がある。このため、四重極質量分析計を用いてH2OとArガスの分圧を測定し、この比「H2O/Ar」が一定となるように水の放出量(供給量)を流量計で制御している。成膜中における水流量「H2O流量」と比「H2O/Ar」を図8に示す。ここでは、比「H2O/Ar」が0.012となるようにPID制御を実施している。
図7に示すスパッタリング成膜装置を用いた。キャンロール200は、直径800mm、幅800mmのステンレス製で、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。
自記分光光度計を用いて長尺樹脂フィルム越しに測定した金属吸収層の可視波長領域(400〜700nm)の平均反射は15%であった。
図9に示す比較例に係るスパッタリング成膜装置を用いた。キャンロール400は、直径800mm、幅800mmのステンレス製で、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。
自記分光光度計を用いて長尺樹脂フィルム越しに測定した金属吸収層の可視波長領域(400〜700nm)の平均反射は15%であった。
41,43,51,53,61,63 金属吸収膜
67,68,77,78 第2金属吸収膜
42,44,52,54,62,64,72,74 金属層(スパッタリング層)
55, 56,65, 66,75, 76 金属層(湿式めっき層)
10 真空チャンバー
11 巻き出しロール
12 長尺樹脂フィルム(長尺体)
13 フリーロール
14 張力センサロール
15 前フィードロール
16 キャンロール
17,18,19,20 マグネトロンスパッタリングカソード
21 後フィードロール
22 張力センサロール
23 フリーロール
24 巻き取りロール
25、26、27、28、29、30、31、32 ガス供給パイプ
110 真空チャンバー
111 巻き出しロール
112 長尺樹脂フィルム
113 フリーロール
114 張力センサロール
115 前フィードロール
116 キャンロール
117,118,119,120 マグネトロンスパッタリングカソード
121 後フィードロール
122 張力センサロール
123 フリーロール
124 巻き取りロール
125、126、127、128、129、130、131、132 ガス供給パイプ
1A,1a 第一成膜手段
2A,2a 第二成膜手段
3A,3a 第三成膜手段
4A,4a 第四成膜手段
200 キャンロール
201 長尺樹脂フィルム
202、204 第一マグネトロンスパッタリングカソード
203、205 第二マグネトロンスパッタリングカソード
302、304 マグネトロンスパッタリングカソード
206、209,306、309 プロセスガス供給パイプ
207、210 添加ガス供給パイプ
208、211 反応性ガス供給パイプ
212、213、312、313 カソードボックス
214、215 仕切り板
216、217、218、219、316、317、318,319 遮蔽板
220,420 前フィードロール
320,520 後フィードロール
400 キャンロール
401 長尺樹脂フィルム
402、404、502、504 マグネトロンスパッタリングカソード
406、409 反応性ガス供給パイプ
407、410 添加ガス供給パイプ
506、509 プロセスガス供給パイプ
412、413、512、513 カソードボックス
416、417、418、419、516、517、518,519 遮蔽板
601,701 第一カソード室
602,702 第二カソード室
611,612 磁石
Claims (12)
- 長尺体を表面に接触保持させて搬送する冷却キャンロールと、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段を真空チャンバー内に備え、かつ、上記スパッタリング成膜手段と冷却キャンロールとの隙間部を搬送される長尺体表面に薄膜を形成すると共に、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つが反応性多元スパッタリング成膜手段により構成されるスパッタリング成膜装置において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
更に、複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードが構成され、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における空間領域の略中心部で交わるようになっており、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の上記空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜がなされることを特徴とするスパッタリング成膜装置。 - 上記第二ターゲットを装着する第二スパッタリングカソードが円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成され、かつ、上記第二ターゲットがロータリーターゲットで構成されることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング成膜装置。
- 開口部を有する遮蔽マスクが上記カソードボックスの冷却キャンロール近傍位置に配置され、かつ、遮蔽マスクの開口部が冷却キャンロール近傍の上記空間領域に位置整合されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング成膜装置。
- 真空チャンバー内に設けられた冷却キャンロール表面に長尺体を接触保持させて搬送すると共に、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段により長尺体表面に薄膜を形成し、かつ、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つを反応性多元スパッタリング成膜手段で構成したスパッタリング成膜方法において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
更に、複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードを構成し、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における空間領域の略中心部で交わるようにして、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の上記空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜を行うことを特徴とするスパッタリング成膜方法。 - 上記第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードを円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成し、かつ、上記第二ターゲットをロータリーターゲットで構成したことを特徴とする請求項4に記載のスパッタリング成膜方法。
- 上記反応性ガスが酸素ガスまたは窒素ガスであることを特徴とする請求項4に記載のスパッタリング成膜方法。
- 上記反応性ガスが酸素ガスで構成され、かつ、反応性ガスに水若しくは水素が含まれていることを特徴とする請求項4または6に記載のスパッタリング成膜方法。
- 上記第一カソード室内に収容する第一ターゲットを銅ターゲットで構成し、第二カソード室内に収容する第二ターゲットを銅以外の添加用金属ターゲットで構成することを特徴とする請求項4に記載のスパッタリング成膜方法。
- 上記添加用金属ターゲットを、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Mn、Ni、Co、Znより選ばれる1種以上の金属で構成することを特徴とする請求項8に記載のスパッタリング成膜方法。
- 第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードへの投入電力または投入電流を調整して、銅に対する上記添加用金属の混合比が3〜40%となる銅合金薄膜を形成することを特徴とする請求項9に記載のスパッタリング成膜方法。
- 透明な樹脂フィルムから成る長尺体と、長尺体の少なくとも片面に形成された積層膜とで構成され、かつ、上記積層膜が、長尺体側から数えて第1層目の金属吸収層と第2層目の銅層と第3層目の金属吸収層を有する積層体フィルムの製造方法において、
第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層を、請求項4〜10のいずれかに記載のスパッタリング成膜方法で形成することを特徴とする積層体フィルムの製造方法。 - 第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層の各膜厚を15nm〜30nmの範囲に設定することを特徴とする請求項11に記載の積層体フィルムの製造方法。
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