JP2018131673A - スパッタリング成膜装置と成膜方法および積層体フィルムの製造方法 - Google Patents

スパッタリング成膜装置と成膜方法および積層体フィルムの製造方法 Download PDF

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【課題】長時間の反応性スパッタリングが可能なスパッタリング成膜装置等の提供。【解決手段】少なくとも一つの成膜手段が反応性多元スパッタリング成膜手段で構成される成膜装置において、該スパッタリング成膜手段が、仕切り板214で区画された第一カソード室601と第二カソード室602を有するカソードボックス212と、各カソード室内に収容されたスパッタリングカソード202,203に装着された第一ターゲット(Cu)と第二ターゲット(Ni)と、第一カソード室内にArガスを供給する手段206と第二カソード室内に反応性ガス(O2)と水等が含まれるArガスを供給する手段207,208を備え、仕切り板の先端方向でかつキャンロール200近傍の空間領域において第一カソード室から飛来するCuターゲット粒子と第二カソード室から飛来するNiターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜されることを特徴とする成膜装置。【選択図】図10

Description

本発明は、スパッタリング成膜装置とスパッタリング成膜方法および積層体フィルムの製造方法に係り、特に、安定して長時間の反応性スパッタリング成膜を可能にするスパッタリング成膜装置とスパッタリング成膜方法および積層体フィルムの製造方法の改良に関するものである。
液晶パネル、ノートパソコン、携帯電話、タッチパネル等に使用される電極基板フィルムの材料として、従来、透明基板(樹脂フィルム)とこの基板上に成膜された積層膜(金属吸収層と金属層から成る)を有する積層体フィルムが利用されている。
また、上記金属吸収層は、通常、金属酸化膜若しくは金属窒化膜で構成され、かつ、積層体フィルムの製造法としてはスパッタリング法が広く採用されている。
また、上記金属吸収層を成膜するために酸化物ターゲット若しくは窒化物ターゲットを使用した場合、成膜速度が遅くなって生産性が低下することがあるため、上記金属吸収層を成膜する場合、合金ターゲット(例えば、CuNi合金等のターゲット)を用いかつ真空チャンバー内に反応性ガス(酸素ガス若しくは窒素ガス)を導入する反応性スパッタリングが採用されている。
ところで、CuNi合金等のターゲットと反応性ガス(酸素ガス)を用いた反応性スパッタリングにより長尺の樹脂フィルム面に金属酸化膜から成る金属吸収層が連続成膜され、この金属吸収層上に銅等のターゲットを用いたスパッタリングにより金属層を連続成膜して製造された積層体フィルムを材料に用いて上記電極基板フィルムを作製しようとした場合、以下のような問題が存在した。
すなわち、上記積層体フィルムの積層膜(金属吸収層と金属層)をエッチング処理して電極基板フィルムを作製する際、連続成膜の初期段階に金属吸収層が形成されている成膜始端側積層体フィルムと比較して、連続成膜の終期段階に金属吸収層が形成されている成膜終端側積層体フィルムを用いた場合にエッチング性が劣り、これに起因して電極基板フィルムにおける回路パターンの加工精度が安定しない問題が存在した。
上記成膜終端側積層体フィルム(連続成膜の終期段階に金属吸収層が形成されている積層体フィルム)を適用した場合にエッチング性が劣る問題について、特許文献1および特許文献2では、その原因として反応性スパッタリングにおける成膜環境の経時変化(真空チャンバー内における残留水分の経時変化)を予測し、以下のような解決手法を提案している。
すなわち、CuNi合金等のターゲットと反応性ガス(酸素ガス)を用いた反応性スパッタリングにより金属吸収層(金属酸化膜)を形成する際、特許文献1においては、反応性ガスに水を含ませて真空チャンバー内における水分量の減少分を補いながら金属吸収層(金属酸化膜)を成膜する方法を提案し、特許文献2においては、反応性ガスに水素を含ませて真空チャンバー内における水分量の減少分を補いながら金属吸収層(金属酸化膜)を成膜する方法を提案している。
そして、特許文献1および特許文献2で提案された各方法を採用することにより上記積層体フィルムにおける積層膜のエッチング性が改善されるとしている。
図5は、真空チャンバー内における水分量の減少分を補いながら金属吸収層(金属酸化膜)を成膜する特許文献1および特許文献2に記載のスパッタリング成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を示しており、長尺樹脂フィルム12を表面に接触保持させて搬送する冷却キャンロール16の対向側に、成膜手段としてのマグネトロンスパッタリングカソード17、18、19および20が配置され、これ等マグネトロンスパッタリングカソード17、18、19、20の近傍に、水等を含ませた反応性ガス(酸素ガス)とプロセスガス(アルゴンガス等)の混合ガスを放出するガス供給パイプ25、26、27、28、29、30、31、32が付設された構造になっている。
尚、図5に示すスパッタリング成膜装置(スパッタリングウェブコータ)においては、板状のターゲット(図示せず)が装着されるマグネトロンスパッタリングカソード17、18、19、20を用いた構造になっているが、ターゲットが板状の場合、ターゲット表面に非エロージョン領域(下記パーティクル堆積物が関与する領域)が形成される欠点がある。このため、図6に示すように、表面に非エロージョン領域が形成されないロータリーターゲット(図示せず)を装着する円筒状マグネトロンスパッタリングカソード117、118、119、120が適用される場合もある。
WO 2016/084605 A1公報 WO 2016/067943 A1公報
J.Vac.Soc.Jpn.Vol.53,No.9,(2010),p515−520
ところで、CuNi合金等から成る合金ターゲットがスパッタリングカソードに装着された図5や図6に示すスパッタリング成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用い、反応性スパッタリング法により金属吸収層(金属酸化膜)の連続成膜を行った場合、反応性ガス(酸素ガス)と合金ターゲットが反応して生成される化合物がパーティクル堆積物として合金ターゲットの非エロージョン領域に堆積し、更に、合金ターゲットのエロージョン領域端部にノジュールと呼ばれる異物が発生してしまうことが知られている。
そして、非エロージョン領域にパーティクル堆積物が堆積し、かつ、エロージョン領域端部にノジュールが発生すると、その後の反応性スパッタリングに支障を来してしまう問題があり、特に、スパッタリングカソードへの投入電力(スパッタ電力)または投入電流(スパッタ電流)が高く設定されている場合に顕著であった。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、反応性ガス(酸素ガス)を用いた反応性スパッタリングにより、例えば金属吸収層(金属酸化膜)を連続成膜した場合においても、安定して長時間の反応性スパッタリング成膜を可能にするスパッタリング成膜装置とスパッタリング成膜方法および積層体フィルムの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明者が鋭意研究を継続した結果、以下のような技術的知見を得るに至った。
まず、特許文献1〜2の方法おいては、CuNi合金等から成る合金ターゲットと反応性ガス(酸素ガス)を用いた金属吸収層(金属酸化膜)の成膜がなされるが、反応性スパッタリングによるCuNi合金の酸化はCuよりNiの方が支配的であることが確認された。すなわち、合金ターゲットと反応性ガス(酸素ガス)を用いた反応性スパッタリングでは、酸化はCuよりNiの方が支配的であるため、Cuの酸化が起こり難い分、合金ターゲットを装着したスパッタリングカソードへの投入電力(スパッタ電力)に大きな無駄が存在した。
また、CuNi合金等から成る合金ターゲットと反応性ガス(酸素ガス)を用いて金属吸収層(金属酸化膜)を成膜する場合、Cuの酸化が起こり難いことからスパッタリングカソードへの投入電力(スパッタ電力)を高く設定する必要があり、その分、合金ターゲットの非エロージョン領域にパーティクル堆積物が堆積し易くなることも確認された。
そこで、CuNi合金等から成る合金ターゲットを用いる従来の反応性スパッタリング法に代えて、「Cuターゲット」およびCu以外の「添加用金属(例えばNi)ターゲット」に分割した反応性多元スパッタリング成膜法の採用を試みたところ、上記課題が解決されることを発見するに至った。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
長尺体を表面に接触保持させて搬送する冷却キャンロールと、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段を真空チャンバー内に備え、かつ、上記スパッタリング成膜手段と冷却キャンロールとの隙間部を搬送される長尺体表面に薄膜を形成すると共に、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つが反応性多元スパッタリング成膜手段により構成されるスパッタリング成膜装置において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜がなされることを特徴とするものである。
また、本発明に係る第2の発明は、
第1の発明に記載のスパッタリング成膜装置において、
複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードが構成され、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における上記空間領域の略中心部で交わるようになっていることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載のスパッタリング成膜装置において、
上記第二ターゲットを装着する第二スパッタリングカソードが円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成され、かつ、上記第二ターゲットがロータリーターゲットで構成されることを特徴とし、
第4の発明は、
第1の発明に記載のスパッタリング成膜装置において、
開口部を有する遮蔽マスクが上記カソードボックスの冷却キャンロール近傍位置に配置され、かつ、遮蔽マスクの開口部が冷却キャンロール近傍の上記空間領域に位置整合されていることを特徴とするものである。
次に、本発明に係る第5の発明は、
真空チャンバー内に設けられた冷却キャンロール表面に長尺体を接触保持させて搬送すると共に、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段により長尺体表面に薄膜を形成し、かつ、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つを反応性多元スパッタリング成膜手段で構成したスパッタリング成膜方法において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜を行うことを特徴とする。
また、第6の発明は、
第5の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードを構成し、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における上記空間領域の略中心部で交わるようにしたことを特徴とし、
第7の発明は、
第5の発明または第6の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードを円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成し、かつ、上記第二ターゲットをロータリーターゲットで構成したことを特徴とし、
第8の発明は、
第5の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記反応性ガスが酸素ガスまたは窒素ガスであることを特徴とし、
第9の発明は、
第5の発明または第8の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記反応性ガスが酸素ガスで構成され、かつ、反応性ガスに水若しくは水素が含まれていることを特徴とし、
第10の発明は、
第5の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記第一カソード室内に収容する第一ターゲットを銅ターゲットで構成し、第二カソード室内に収容する第二ターゲットを銅以外の添加用金属ターゲットで構成することを特徴とし、
第11の発明は、
第10の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
上記添加用金属ターゲットを、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Mn、Ni、Co、Znより選ばれる1種以上の金属で構成することを特徴とし、
第12の発明は、
第11の発明に記載のスパッタリング成膜方法において、
第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードへの投入電力または投入電流を調整して、銅に対する上記添加用金属の混合比が3〜40%となる銅合金薄膜を形成することを特徴とするものである。
次に、本発明に係る第13の発明は、
透明な樹脂フィルムから成る長尺体と、長尺体の少なくとも片面に形成された積層膜とで構成され、かつ、上記積層膜が、長尺体側から数えて第1層目の金属吸収層と第2層目の銅層と第3層目の金属吸収層を有する積層体フィルムの製造方法において、
第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層を、第5の発明〜第12の発明のいずれかに記載のスパッタリング成膜方法で形成することを特徴とし、
第14の発明は、
第13の発明に記載の積層体フィルムの製造方法において、
第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層の各膜厚を15nm〜30nmの範囲に設定することを特徴とするものである。
本発明に係るスパッタリング成膜装置とスパッタリング成膜方法によれば、
スパッタリング成膜手段の少なくとも一つを反応性多元スパッタリング成膜手段で構成し、かつ、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜を行うことを特徴としている。
そして、反応性ガスと反応し易いターゲット(第二ターゲット)を第二スパッタリングカソードに装着し、反応性ガスとの反応性が第二ターゲットより劣るターゲット(第一ターゲット)を第一スパッタリングカソードに装着することで、各スパッタリングカソードへの投入電力(または投入電流)についてそれぞれ装着されるターゲットに適した値に設定することができ、かつ、反応性ガスが供給されない第一カソード室内においては第一ターゲット表面へのパーティクル堆積物の発生を防止することも可能となる。
従って、合金ターゲットを装着したスパッタリングカソードへの投入電力(または投入電流)が高く設定される従来法と比較して投入電力(または投入電流)の無駄が解消され、かつ、スパッタリングカソードへの投入電力(または投入電流)を従来より低く設定できる分、上述したパーティクル堆積物やノジュール等の発生を防止することが可能となる。
樹脂フィルムから成る透明基板の両面に透明基板側から数えて第1層目の金属吸収層と第2層目の金属層を有する積層体フィルムの概略断面説明図。 樹脂フィルムから成る透明基板の両面に透明基板側から数えて第1層目の金属吸収層と第2層目の金属層を有しかつ金属層が乾式成膜法と湿式成膜法で形成された積層体フィルムの概略断面説明図。 樹脂フィルムから成る透明基板の両面に透明基板側から数えて第1層目の金属吸収層と第2層目の金属層と第3層目の第2金属吸収層を有しかつ金属層が乾式成膜法と湿式成膜法で形成された積層体フィルムの概略断面説明図。 樹脂フィルムから成る透明基板の両面に金属製積層細線がそれぞれ形成された電極基板フィルムの概略断面説明図。 板状ターゲットが装着されたスパッタリングカソードを組み込んだ特許文献1と特許文献2に係るスパッタリング成膜装置の構成説明図。 ロータリーターゲットが装着されたスパッタリングカソードを組み込んだ特許文献1と特許文献2に係るスパッタリング成膜装置の構成説明図。 本発明に係るスパッタリング成膜装置の部分拡大図。 水分圧制御中における成膜時間(秒)と真空チャンバー内のH2O流量(sccm)との関係、および、成膜時間(秒)と真空チャンバー内のH2O/Arとの関係をそれぞれ示すグラフ図。 比較例に係るスパッタリング成膜装置の部分拡大図。 図7に示すスパッタリング成膜装置におけるカソードボックスの拡大図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(1)積層体フィルム
(1-1)第一の積層体フィルム
第一の積層体フィルムは、図1に示すように樹脂フィルムから成る透明基板40と、該透明基板40の両面に乾式成膜法(スパッタリング法)により形成された金属吸収層41、43と金属層42、44とで構成されている。
尚、上記金属層については、乾式成膜法(スパッタリング法)と湿式成膜法(湿式めっき法)を組み合わせて形成してもよい。
すなわち、図2に示すように樹脂フィルムから成る透明基板50と、該透明基板50の両面に乾式成膜法(スパッタリング法)により形成された膜厚15nm〜30nmの金属吸収層51、53と、該金属吸収層51、53上に乾式成膜法(スパッタリング法)により形成された金属層52、54と、該金属層52、54上に湿式成膜法(湿式めっき法)により形成された金属層55、56とで構成してもよい。
(1-2)第二の積層体フィルム
次に、第二の積層体フィルムは、図2に示した第一の積層体フィルムを前提とし、該積層体フィルムの金属層上に第2金属吸収層を形成して成るものである。
すなわち、図3に示すように樹脂フィルムから成る透明基板60と、該透明基板60の両面に乾式成膜法(スパッタリング法)により形成された膜厚15nm〜30nmの金属吸収層61、63と、該金属吸収層61、63上に乾式成膜法(スパッタリング法)により形成された金属層62、64と、該金属層62、64上に湿式成膜法(湿式めっき法)により形成された金属層65、66と、該金属層65、66上に乾式成膜法(スパッタリング法)により形成された膜厚15nm〜30nmの第2金属吸収層67、68とで構成されている。
ここで、図3に示す第二の積層体フィルムにおいて、符号62、65で示す金属層の両面に金属吸収層61と第2金属吸収層67を形成し、また、符号64、66で示す金属層の両面に金属吸収層63と第2金属吸収層68を形成しているのは、該積層体フィルムを用いて作製された電極基板フィルムをタッチパネルに組み込んだときに金属製積層細線から成るメッシュ構造の回路パターンが反射して見えないようにするためである。
尚、樹脂フィルムから成る透明基板の片面に金属吸収層を形成し、該金属吸収層上に金属層が形成された第一の積層体フィルムを用いて電極基板フィルムを作製した場合にも、該透明基板からの上記回路パターンの視認を防止することが可能である。
(1-3)金属吸収層
金属吸収層は、Cuターゲット(第一ターゲット)と銅以外の添加用金属ターゲット(第二ターゲット)を適用し、反応性ガス(酸素ガス)を用いた反応性多元スパッタリングにより形成されたCu系合金で構成することが好ましい。
尚、添加用金属ターゲット(第二ターゲット)については、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Mn、Ni、Co、Znより選ばれる1種以上の金属で構成することができる。
(1-4)金属層
金属層を構成する材料としては、電気抵抗値が低い金属であれば特に限定されず、例えば、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Agより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金、または、Ag単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたAg系合金が挙げられ、特に、Cu単体が、回路パターンの加工性や抵抗値の観点から望ましい。
また、金属層の膜厚は電気特性に依存するものであり、光学的な要素から決定されるものではないが、通常、透過光が測定不能なレベルの膜厚に設定される。
(1-5)透明基板を構成する樹脂フィルム
上記積層体フィルムに適用される樹脂フィルムの材質としては特に限定されることはなく、その具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン(PO)、トリアセチルセルロース(TAC)およびノルボルネンの樹脂材料から選択された樹脂フィルムの単体、あるいは、上記樹脂材料から選択された樹脂フィルム単体とこの単体の片面または両面を覆うアクリル系有機膜との複合体が挙げられる。特に、ノルボルネン樹脂材料については、代表的なものとして、日本ゼオン社のゼオノア(商品名)やJSR社のアートン(商品名)等が挙げられる。
尚、積層体フィルムを用いて作製される下記電極基板フィルムはタッチパネル等に使用されるため、樹脂フィルムの中でも可視波長領域での透明性に優れるものが望ましい。
(2)電極基板フィルム
(2-1)上記積層体フィルムの積層膜をエッチング処理して配線加工することにより、液晶パネル、ノートパソコン、携帯電話、タッチパネル等に使用される電極基板フィルムを得ることができる。具体的には、図3に示す積層体フィルムの積層膜をエッチング処理して図4に示すような電極基板フィルムを得ることができる。
すなわち、図4に示す電極基板フィルムは、樹脂フィルムから成る透明基板70と、該透明基板70の両面に設けられた金属製積層細線から成るメッシュ構造の回路パターンを有し、上記金属製積層細線が、透明基板70側から数えて第1層目の金属吸収層71、73と、第2層目の金属層72、75、74、76と、第3層目の第2金属吸収層77、78とで構成されている。
そして、電極基板フィルムの電極(配線)パターンをタッチパネル用のストライプ状若しくは格子状とすることでタッチパネルに用いることができる。また、電極(配線)パターンに配線加工された金属製積層細線は、積層体フィルムの積層構造を維持していることから、高輝度照明下においても透明基板に設けられた電極等の回路パターンが極めて視認され難い電極基板フィルムとして提供することができる。
(2-2)そして、積層体フィルムから電極基板フィルムに配線加工するには、公知のサブトラクティブ法により加工が可能である。サブトラクティブ法は、積層体フィルムの積層膜表面にフォトレジスト膜を形成し、配線パターンを形成したい箇所にフォトレジスト膜が残るように露光、現像し、かつ、上記積層膜表面にフォトレジスト膜が存在しない箇所の積層膜を化学エッチングにより除去して配線パターンを形成する方法である。
化学エッチングのエッチング液としては、例えば、塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液を用いることができる。
(3)特許文献1、2に記載されたスパッタリング成膜装置
(3-1)板状ターゲットが装着されたスパッタリング成膜装置
特許文献1、2に記載された従来のスパッタリング成膜装置は、図5に示すように真空チャンバー10内に設けられており、巻き出しロール11から巻き出された長尺樹脂フィルム(長尺体)12に対して所定の成膜処理を行った後、巻き取りロール24で巻き取るようになっている。これ等巻き出しロール11から巻き取りロール24までの搬送経路の途中にモータで回転駆動される冷却キャンロール16が配置されている。キャンロール16の内部には、真空チャンバー10の外部で温調された冷媒が循環している。
真空チャンバー10内では、スパッタリング成膜のため、到達圧力10-4Pa程度までの減圧と、その後のプロセスガス(スパッタリングガス)の導入による0.1〜10Pa程度の圧力調整が行われる。プロセスガスにはアルゴン等公知のガスが使用され、更に、反応性ガス(酸素ガス)が添加される。真空チャンバー10の形状や材質は、このような減圧状態に耐え得るものであれば特に限定はなく種々のものを使用することができる。また、真空チャンバー10内を減圧してその状態を維持するため、真空チャンバー10にはドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等種々の装置(図示せず)が組み込まれている。
巻き出しロール11からキャンロール16までの搬送経路には、長尺樹脂フィルム12を案内するフリーロール13と、長尺樹脂フィルム12の張力の測定を行う張力センサロール14がこの順で配置されている。また、張力センサロール14から送り出されてキャンロール16に向かう長尺樹脂フィルム12は、キャンロール16の近傍に設けられたモータ駆動の前フィードロール15によってキャンロール16の周速度に対する調整が行われ、これによりキャンロール16の外周面に長尺樹脂フィルム12を密着させることができる。
キャンロール16から巻き取りロール24までの搬送経路も、上記同様に、キャンロール16の周速度に対する調整を行うモータ駆動の後フィードロール21、長尺樹脂フィルム12の張力の測定を行う張力センサロール22および長尺樹脂フィルム12を案内するフリーロール23がこの順に配置されている。
上記巻き出しロール11および巻き取りロール24では、パウダークラッチ等によるトルク制御によって長尺樹脂フィルム12の張力バランスが保たれている。また、キャンロール16の回転とこれに連動して回転するモータ駆動の前フィードロール15、後フィードロール21により、巻き出しロール11から長尺樹脂フィルム12が巻き出されて巻き取りロール24に巻き取られるようになっている。
キャンロール16の近傍には、キャンロール16の外周面上に画定される搬送経路(キャンロール16外周面内の長尺樹脂フィルム12が巻き付けられる領域)に対向する位置に、成膜手段としてのスパッタリングターゲットがそれぞれ装着されるマグネトロンスパッタリングカソード17、18、19および20が配置され、これ等マグネトロンスパッタリングカソード17、18、19、20の近傍に、上述したように水等を含ませた反応性ガス(酸素ガス)とプロセスガス(アルゴンガス等)の混合ガスを放出するガス供給パイプ25、26、27、28、29、30、31、32が付設された構造になっている。
尚、上記マグネトロンスパッタリングカソード19、20を用いて金属層が成膜される場合は、マグネトロンスパッタリングカソード19、20の近傍に付設されたガス供給パイプ29、30、31、32から反応性ガス(酸素ガス)は供給されず、プロセスガス(アルゴンガス等)が供給される。
(3-2)ロータリーターゲットが装着されたスパッタリング成膜装置
図5のスパッタリング成膜装置では、板状ターゲットを装着したマグネトロンスパッタリングカソードが組み込まれているが、ターゲットが板状の場合、上述したようにターゲット表面に非エロージョン領域が形成される欠点がある。このため、図6に示すように、表面に非エロージョン領域が形成されないロータリーターゲット(図示せず)を装着する円筒状マグネトロンスパッタリングカソード117、118、119、120が組み込まれる場合もある。
すなわち、ロータリーターゲットを装着した円筒状マグネトロンスパッタリングカソードが組み込まれた従来のスパッタリング成膜装置は、図6に示すように真空チャンバー110内に設けられており、巻き出しロール111から巻き出された長尺樹脂フィルム(長尺体)112に対して所定の成膜処理を行った後、巻き取りロール124で巻き取るようになっている。これ等巻き出しロール111から巻き取りロール124までの搬送経路の途中にモータで回転駆動される冷却キャンロール116が配置されている。キャンロール116の内部には、真空チャンバー110の外部で温調された冷媒が循環している。
真空チャンバー110内では、スパッタリング成膜のため、到達圧力10-4Pa程度までの減圧と、その後のプロセスガスの導入による0.1〜10Pa程度の圧力調整が行われる。プロセスガスにはアルゴン等公知のガスが使用され、更に、反応性ガス(酸素ガス)が添加される。真空チャンバー110の形状や材質は、このような減圧状態に耐え得るものであれば特に限定はなく種々のものを使用することができる。また、真空チャンバー110内を減圧してその状態を維持するため、真空チャンバー110にはドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等種々の装置(図示せず)が組み込まれている。
巻き出しロール111からキャンロール116までの搬送経路には、長尺樹脂フィルム112を案内するフリーロール113と、長尺樹脂フィルム112の張力の測定を行う張力センサロール114がこの順で配置されている。また、張力センサロール114から送り出されてキャンロール116に向かう長尺樹脂フィルム112は、キャンロール116の近傍に設けられたモータ駆動の前フィードロール115によってキャンロール116の周速度に対する調整が行われ、これによりキャンロール116の外周面に長尺樹脂フィルム112を密着させることができる。
キャンロール116から巻き取りロール124までの搬送経路も、上記同様に、キャンロール116の周速度に対する調整を行うモータ駆動の後フィードロール121、長尺樹脂フィルム112の張力の測定を行う張力センサロール122および長尺樹脂フィルム112を案内するフリーロール123がこの順に配置されている。
上記巻き出しロール111および巻き取りロール124では、パウダークラッチ等によるトルク制御によって長尺樹脂フィルム112の張力バランスが保たれている。また、キャンロール116の回転とこれに連動して回転するモータ駆動の前フィードロール115、後フィードロール121により、巻き出しロール111から長尺樹脂フィルム112が巻き出されて巻き取りロール14に巻き取られるようになっている。
キャンロール116の近傍には、キャンロール116の外周面上に画定される搬送経路(キャンロール116外周面内の長尺樹脂フィルム112が巻き付けられる領域)に対向する位置に、成膜手段としてのスパッタリングターゲットがそれぞれ装着されるマグネトロンスパッタリングカソード117、118、119および120が配置され、これ等マグネトロンスパッタリングカソード117、118、119、120の近傍に、上述したように水等を含ませた反応性ガス(酸素ガス)とプロセスガス(アルゴンガス等)の混合ガスを放出するガス供給パイプ125、126、127、128、129、130、131、132が付設された構造になっている。
尚、上記マグネトロンスパッタリングカソード119、120を用いて金属層が成膜される場合も、マグネトロンスパッタリングカソード119、120の近傍に付設されたガス供給パイプ129、130、131、132から反応性ガス(酸素ガス)は供給されず、プロセスガス(アルゴンガス等)が供給される。
ところで、図3に示した積層体フィルムは、図5および図6のスパッタリング成膜装置を用いて以下のように製造される。まず、図1に示す透明基板(樹脂フィルム)40上に金属吸収層41と金属層(スパッタリング層)42をまず成膜し、次に、透明基板(樹脂フィルム)をスパッタリング成膜装置にセットし直した後、透明基板(樹脂フィルム)40上に金属吸収層43と金属層(スパッタリング層)44を成膜する。その後、図2に示す金属層(湿式めっき層)55、56を湿式めっき法により更に積層し、もう一度、スパッタリング成膜装置を用いて図3に示す第2金属吸収層67を成膜し、次に、透明基板(樹脂フィルム)をスパッタリング成膜装置にセットし直した後、第2金属吸収層68を成膜して製造される。
(3-3)反応性スパッタリング
上記金属吸収層(金属酸化膜)を形成する目的で酸化物ターゲットを適用した場合、上述したように成膜速度が遅く量産に適さない。このため、特許文献1、2ではCuNi合金等から成る合金ターゲットを用いかつ真空チャンバー内に反応性ガス(酸素ガス)を導入する反応性スパッタリングが採用されている。
ところで、図5および図6に示すスパッタリング成膜装置を用い、長尺状樹脂フィルムに連続スパッタリング成膜して得られる積層体フィルムは、上述したように長尺樹脂フィルムの長手方向でエッチング液によるエッチング速度が異なり、成膜始端側積層体フィルムのエッチング速度が、成膜終端側積層体フィルムより速くなることが確認され、この現象は、金属吸収層(金属酸化膜)のエッチング速度が相違するためであると上記特許文献1、2に記載されている。
そして、CuNi合金等から成る合金ターゲットを用いた反応性スパッタリングにより成膜された金属吸収層(金属酸化膜)の化学組成(Niの化学状態)は、非特許文献1によれば、反応性ガスとして酸素を導入するとNiO膜になり、水分を導入するとNiOOH膜になることから、結晶粒が細かく、水酸化物であるNiOOHの存在が金属吸収層(金属酸化膜)のエッチング性に影響を及ぼしていると推定している。
このため、特許文献1、2においては、成膜中に減少する真空チャンバー内の水分量を補うために反応性ガス(酸素ガス)に水若しくは水素を含ませ、長尺樹脂フィルムの長手方向によってエッチング速度が異なる現象を解決する方法を提案している。
尚、反応性ガスを制御する方法として以下の4つの方法が知られている。
(3-3-1)一定流量の反応性ガスを放出する方法。
(3-3-2)一定圧力を保つように反応性ガスを放出する方法。
(3-3-3)スパッタリングカソードのインピーダンスが一定になるように反応性ガスを放出する(インピーダンス制御)方法。
(3-3-4)スパッタリングのプラズマ強度が一定になるように反応性ガスを放出する(プラズマエミッション制御)方法。
(4)従来のスパッタリング成膜装置を用いた場合の問題
(4-1)従来のスパッタリング成膜装置
上記金属吸収層(金属酸化膜)を反応性スパッタリング法により形成する場合、図5〜図6に示すスパッタリング成膜装置が利用されている。
そして、CuNi合金等の合金ターゲットがスパッタリングカソード17、18、117、118に装着されたスパッタリング成膜装置を用い、反応性スパッタリング法により金属吸収層(金属酸化膜)の連続成膜を行った場合、ガス供給パイプ25、26、27、28、125、126、127、128から供給される水等を含ませた反応性ガス(酸素ガス)が、プロセスガス(アルゴンガス等)と共に合金ターゲット表面のプラズマ領域を通過することになるため、合金ターゲット表面に反応性ガス(酸素ガス)や水等を原因とする水酸化物等のパーティクルが堆積され易く、かつ、上述したノジュールと呼ばれる異物も発生し易くなる。これ等パーティクルやノジュールと呼ばれる異物は絶縁体であるため、帯電による異常放電(アーク放電)でパーティクル堆積物がはじけ飛び、その後の反応性スパッタリングに支障を来してしまう問題があり、特に、スパッタリングカソード17、18、117、118への投入電力(スパッタ電力)若しくは投入電流(スパッタ電流)が高く設定されている場合に顕著であった。
(5)本発明による改善策
(5-1)図5〜図6に示すスパッタリング成膜装置を用いた特許文献1〜2の反応性スパッタリング法においては、成膜される金属吸収層(金属酸化膜)の加工性を考慮してエッチング性に優れたCuNi合金等から成る合金ターゲットが適用されるが、反応性スパッタリングによるCuNi合金の酸化は、上述したようにCuよりNiの方が支配的であることが本発明者により確認されている。
そして、CuNi合金等から成る合金ターゲットと反応性ガス(酸素ガス)を用いて上記金属吸収層(金属酸化膜)を成膜する場合、Cuの酸化が起こり難いことに起因してスパッタリングカソードへの投入電力(スパッタ電力)若しくは投入電流(スパッタ電流)を高く設定する必要があるため、その分、合金ターゲット表面へのパーティクルの堆積やノジュールと呼ばれる異物の発生も顕著になることが確認された。
そこで、本発明においては、CuNi合金等から成る合金ターゲットを用いる従来の反応性スパッタリング法に代えて、「Cuターゲット」およびCu以外の「添加用金属(例えばNi)ターゲット」に分割した反応性多元スパッタリング成膜法を採用することで、上記問題を解消している。
すなわち、本発明は、
長尺体を表面に接触保持させて搬送する冷却キャンロールと、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段を真空チャンバー内に備え、かつ、上記スパッタリング成膜手段と冷却キャンロールとの隙間部を搬送される長尺体表面に薄膜を形成すると共に、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つが反応性多元スパッタリング成膜手段により構成されるスパッタリング成膜装置において、
上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、
上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜がなされることを特徴とする。
(5-2)本発明に係るスパッタリング成膜装置
長尺体(長尺樹脂フィルム等)片面に上記積層体フィルムにおける第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)を2組の反応性多元スパッタリング成膜手段を用いて成膜する場合を例に挙げて本発明に係るスパッタリング成膜装置を説明する。
図7は、本発明に係るスパッタリング成膜装置の部分拡大図であり、キャンロール(冷却キャンロール)200と該キャンロール200表面に対向して配置された第一成膜手段1A、第二成膜手段2A、第三成膜手段3Aおよび第四成膜手段4Aを示している。尚、図7では、前フィードロール220より上流側の構造および後フィードロール320より下流側の構造が示されていないが、図5に示すスパッタリング成膜装置の巻き出しロール11から前フィードロール15まで、および、後フィードロール21から巻き取りロール24までの構造と同一である。また、図7に示す第一成膜手段1Aと第二成膜手段2Aが上記2組の反応性多元スパッタリング成膜手段に対応している。
すなわち、上記第一成膜手段1Aは、キャンロール200側が開放されたカソードボックス212と、カソードボックス212内の仕切り板214により区画された第一カソード室601および第二カソード室602と、上記第一カソード室601内に収容されかつ図示外の第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202および第二カソード室602内に収容されかつ図示外の第二ロータリーターゲット(添加用金属であるNiターゲット)が装着される円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203と、上記第一カソード室601内にプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ206と、上記第二カソード室内に反応性ガス(酸素ガス)が含まれるプロセスガスを供給する反応性ガス供給パイプ208および水系の添加ガス(水若しくは水素)が含まれるプロセスガスを供給する添加ガス供給パイプ207を備えており、かつ、上記カソードボックス212のキャンロール200近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板216、217から成る遮蔽マスクが付設されている。
そして、第一成膜手段1Aにおける上記仕切り板214の先端方向でかつキャンロール200近傍の空間領域において第一カソード室601から飛来する第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)粒子と第二カソード室602から飛来する第二ロータリーターゲット(Niターゲット)粒子を合流させると共に、第二カソード室602から供給される反応性ガス(酸素ガス)と反応(反応性多元スパッタリング)させて、上記キャンロール200上の長尺樹脂フィルム201表面に金属吸収層(金属酸化膜)が成膜される。
尚、第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202と、第二ロータリーターゲット(Niターゲット)が装着される円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203への投入電力または投入電流は、添加用金属であるNi混合比が3〜40%となる銅合金薄膜が形成される数値に設定される。
また、上記第二成膜手段2Aも、キャンロール200側が開放されたカソードボックス213と、カソードボックス213内の仕切り板215により区画された第一カソード室701および第二カソード室702と、上記第一カソード室701内に収容されかつ図示外の第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード204および第二カソード室702内に収容されかつ図示外の第二ロータリーターゲット(添加用金属であるNiターゲット)が装着される円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード205と、上記第一カソード室701内にプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ209と、上記第二カソード室内に反応性ガス(酸素ガス)が含まれるプロセスガスを供給する反応性ガス供給パイプ211および水系の添加ガス(水若しくは水素)が含まれるプロセスガスを供給する添加ガス供給パイプ210を備えており、かつ、上記カソードボックス213のキャンロール200近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板218、219から成る遮蔽マスクが付設されている。
そして、第二成膜手段2Aにおける上記仕切り板215の先端方向でかつキャンロール200近傍の空間領域において第一カソード室701から飛来する第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)粒子と第二カソード室702から飛来する第二ロータリーターゲット(Niターゲット)粒子を合流させると共に、第二カソード室702から供給される反応性ガス(酸素ガス)と反応(反応性多元スパッタリング)させて、上記長尺樹脂フィルム201表面の金属吸収層(金属酸化膜)上に同様の金属吸収層(金属酸化膜)が成膜される。
また、第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード204と、第二ロータリーターゲット(Niターゲット)が装着される円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード205への投入電力または投入電流も、添加用金属であるNi混合比が3〜40%となる銅合金薄膜が形成される数値に設定される。
そして、上記反応性多元スパッタリングに係る第一成膜手段1Aと第二成膜手段2Aによれば、反応性ガス(酸素ガス)と反応し易い第二ロータリーターゲット(Niターゲット)を円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203、205に装着し、反応性が第二ロータリーターゲット(Niターゲット)より劣る第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)を円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202、204に装着することで、各スパッタリングカソードへの投入電力(または投入電流)について、それぞれ装着されるターゲットに適した値に設定することができ、かつ、添加ガス(水若しくは水素)や反応性ガスが供給されない第一カソード室601、701においては第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)表面への水酸化物等パーティクル堆積物の発生を防止することも可能となる。
すなわち、金属吸収層(金属酸化膜)の主成分である第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が収容された第一カソード室内では、通常のプロセスガス(例えばアルゴンガス)のみの雰囲気に近い状態で第一マグネトロンスパッタリングカソードへの投入電力(または投入電流)を高く設定して(但し、添加用金属であるNi混合比が3〜40%となる範囲)スパッタリングがなされ、一方、吸収に大きく寄与する添加用金属である第二ロータリーターゲット(Niターゲット)が収容された第二カソード室内には反応性ガス(酸素ガス)と添加ガス(水若しくは水素)を導入して反応性スパッタリングがなされ、第一カソード室から飛来するCuスパッタリング粒子と第二カソード室から飛来するNiスパッタリング粒子が長尺樹脂フィルム表面で反応してCuNi合金を形成し金属吸収層(金属酸化膜)となる。そして、第二ロータリーターゲット(Niターゲット)は反応性スパッタリングとなるが、CuNi合金から成る合金ターゲットを適用した従来法と比較して圧倒的に低い投入電力(または投入電流)でよいことから水酸化物等パーティクル堆積物の発生が抑制されるため、反応性スパッタリングが短時間で不安定化することがなく、かつ、投入電力(または投入電流)の無駄も解消される。
尚、円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202、204に装着される第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)については、反応性スパッタリングに伴う水酸化物等パーティクルの非エロージョン領域における堆積が抑制されるため、ロータリーターゲットに代えて板状ターゲットの適用も可能である。また、第一成膜手段1Aと第二成膜手段2Aにおけるカソードボックス212、213内は真空チャンバー内部の排気とは別に差動排気することが望ましい。
次に、図10は図7に示すカソードボックス212の拡大図である。
すなわち、図10は第一カソード室601内に収容されかつ図示外の第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202と、第二カソード室602内に収容されかつ図示外の第二ロータリーターゲット(添加用金属であるNiターゲット)が装着される円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203を拡大して示し、かつ、各円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202と円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203の回転スリーブ(図示せず)内に固定配置された複数の磁石611、612を示している。
具体的には、複数の上記磁石611、612は、円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202と円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203の各回転スリーブ(図示せず)内に適宜固定手段(図示せず)により固定配置され、かつ、各磁石611、612のキャンロール200と対向する面の中心部における法線がキャンロール200近傍における空間領域(第一ロータリーターゲット粒子と第二ロータリーターゲット粒子が合流する領域)の略中心部で交わるように互いに傾けて設置されており、図10において矢印で示す各法線の方向に沿って第一ロータリーターゲット粒子と第二ロータリーターゲット粒子がキャンロール200に保持された長尺樹脂フィルム上に均一に飛来できるように調整されている。
また、キャンロール200の近傍でかつ開口部となる隙間を介し配置された一対の遮蔽板216、217から成る遮蔽マスクと、円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202および円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203の各配置位置については、第一ロータリーターゲット粒子と第二ロータリーターゲット粒子の遮蔽マスクからの回り込み現象を考慮すると、カソードボックス212底面に対して仕切り板214先端方向の角度を90度とした場合、円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202および円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203から飛来する第一ロータリーターゲット粒子と第二ロータリーターゲット粒子の方向が上記90度方向に対し±30度の角度範囲で交わるように(すなわち、各ターゲット粒子が60度〜120度の方向から飛来するように)調整するとよい。
次に、上記第一成膜手段1Aと第二成膜手段2Aの下流側に設けられる第三成膜手段3Aおよび第四成膜手段4Aは、第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)上に第2層目の金属層(スパッタリング層)を成膜する手段である。
そして、第三成膜手段3Aは、図7に示すようにキャンロール200側が開放されたカソードボックス313と、カソードボックス313内に収容されかつ図示外のロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード304と、カソードボックス313内にプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ309とを備えており、かつ、カソードボックス313のキャンロール200近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板318、319から成る遮蔽マスクが付設されている。
また、第四成膜手段4Aも、図7に示すようにキャンロール200側が開放されたカソードボックス312と、カソードボックス312内に収容されかつ図示外のロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード302と、カソードボックス312内にプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ306とを備えており、かつ、カソードボックス312のキャンロール200近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板316、317から成る遮蔽マスクが付設されている。
そして、上記第一成膜手段1Aと第二成膜手段2Aで成膜された第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)上に第三成膜手段3Aと第四成膜手段4Aで第2層目の金属層(Cuスパッタリング層)が成膜されるように構成されている。
尚、図7に示す上記第三成膜手段3Aと第四成膜手段4AのCuターゲットはロータリーターゲットで構成されているが、反応性スパッタリングではないため、ロータリーターゲットに代えて板状ターゲット(Cuターゲット)に変更してもよい。
(5-3)比較例に係るスパッタリング成膜装置
図9は、従来のCuNi合金(組成比7:3)ターゲットが適用された比較例に係るスパッタリング成膜装置の部分拡大図であり、キャンロール(冷却キャンロール)400と該キャンロール400表面に対向して配置された第一成膜手段1a、第二成膜手段2a、第三成膜手段3aおよび第四成膜手段4aを示している。尚、図9では、前フィードロール420より上流側の構造および後フィードロール520より下流側の構造が示されていないが、図5に示すスパッタリング成膜装置の巻き出しロール11から前フィードロール15まで、および、後フィードロール21から巻き取りロール24までの構造と同一である。また、反応性スパッタリング手段を構成する第一成膜手段1aと第二成膜手段2aにより第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)が形成され、第三成膜手段3aと第四成膜手段4aにより第2層目の金属層(スパッタリング層)が成膜されるようになっている。
まず、第一成膜手段1aは、図9に示すようにキャンロール400側が開放されたカソードボックス412と、カソードボックス412内に収容されかつ図示外のロータリーターゲット(CuNi合金ターゲット)が装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード402と、カソードボックス412内に反応性ガス(酸素ガス)が含まれるプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給する反応性ガス供給パイプ406、および、水系の添加ガス(水若しくは水素)が含まれるプロセスガスを供給する添加ガス供給パイプ407を備えており、かつ、カソードボックス412のキャンロール400近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板416、417から成る遮蔽マスクが付設されている。同様に、第二成膜手段2aも、図9に示すようにキャンロール400側が開放されたカソードボックス413と、カソードボックス413内に収容されかつ図示外のロータリーターゲット(CuNi合金ターゲット)が装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード404と、カソードボックス413内に反応性ガス(酸素ガス)が含まれるプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給する反応性ガス供給パイプ409、および、水系の添加ガス(水若しくは水素)が含まれるプロセスガスを供給する添加ガス供給パイプ410を備えており、かつ、カソードボックス413のキャンロール400近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板418、419から成る遮蔽マスクが付設されている。そして、反応性スパッタリング手段を構成する第一成膜手段1aと第二成膜手段2aにより第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)が形成されるようになっている。
次に、第三成膜手段3aは、図9に示すようにキャンロール400側が開放されたカソードボックス513と、カソードボックス513内に収容されかつ図示外のロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード504と、カソードボックス513内にプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ509とを備えており、かつ、カソードボックス513のキャンロール400近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板518、519から成る遮蔽マスクが付設されている。同様に、第四成膜手段4aも、図9に示すようにキャンロール400側が開放されたカソードボックス512と、カソードボックス512内に収容されかつ図示外のロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード502と、カソードボックス512内にプロセスガス(例えばアルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ506とを備えており、かつ、カソードボックス512のキャンロール400近傍には、開口部となる隙間を介して配置された一対の遮蔽板516、517から成る遮蔽マスクが付設されている。そして、上記第一成膜手段1aと第二成膜手段2bで成膜された第1層目の金属吸収層(金属酸化膜)上に第三成膜手段3aと第四成膜手段4aで第2層目の金属層(Cu層)が成膜されるように構成されている。
(6)水分圧制御
本発明に係るスパッタリング成膜装置による金属吸収層(金属酸化膜)の成膜は、成膜時間が数時間にも及ぶことがあり、その間における真空チャンバー内の水分圧を設定値に安定させる必要がある。このため、四重極質量分析計を用いてH2OとArガスの分圧を測定し、この比「H2O/Ar」が一定となるように水の放出量(供給量)を流量計で制御している。成膜中における水流量「H2O流量」と比「H2O/Ar」を図8に示す。ここでは、比「H2O/Ar」が0.012となるようにPID制御を実施している。
図8のグラフ図から、成膜中の比「H2O/Ar」が0.012を保っていることが確認できる。また、水流量「H2O流量」は成膜開始と共に低下している。これは、スパッタリング時間の経過と共にスパッタリングの熱負荷によりカソード周辺や真空チャンバー内壁の温度が上昇して水が離脱するため、0.012の比「H2O/Ar」を保つための水流量「H2O流量」が次第に減少している。後に水流量「H2O流量」は増加している。
更に、スパッタリング時間の経過と共にスパッタリングの熱負荷によりカソード周辺や真空チャンバー内壁の温度が上昇して、水が既に離脱してしまったため、0.012の比「H2O/Ar」を保つために水流量「H2O流量」が次第に増加している。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
[実施例]
図7に示すスパッタリング成膜装置を用いた。キャンロール200は、直径800mm、幅800mmのステンレス製で、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。
第1層目の金属吸収層を形成するカソードボックス212、213内には、第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202、204と、第二ロータリーターゲット(Niターゲット)が装着される円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203、205と、プロセスガス(アルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ206、209と、反応性ガス(O2ガス)が含まれるプロセスガスを供給する反応性ガス供給パイプ208、211と、水添加ガスが含まれるプロセスガスを供給する添加ガス供給パイプ207、210が設けられ、かつ、各カソードボックス212、213のキャンロール200近傍には、開口部となる隙間を介して配置された遮蔽板216、217、218、219から成る遮蔽マスクを付設した。
第2層目の金属層を形成するカソードボックス312、313内には、ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着された円筒状マグネトロンスパッタリングカソード302、304と、カソードボックス312、313内にプロセスガス(アルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ306、309を備えており、かつ、カソードボックス312、313のキャンロール200近傍には、開口部となる隙間を介して配置された遮蔽板316、317、318、219から成る遮蔽マスクを付設した。
成膜中における水分圧とAr分圧はカソードボックス212、213内の雰囲気を測定し、水添加ガスを含むプロセスガスは上述したように添加ガス供給パイプ207、210から導入している。また、成膜中における水分圧とAr分圧は四重極質量分析計で測定し、水分圧とAr分圧が0.012になるように水添加量とフィードバック制御したときの水分圧とAr分圧の比と水流量を図8に示す。
第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202、204と、第二ロータリーターゲット(Niターゲット)が装着される円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203、205において、スパッタされた粒子が上記遮蔽マスク開口部の中心に飛来するように、各マグネトロンスパッタリングカソード202、204と203、205における図示外の回転スリーブ内に固定配置された各磁石611、612を互いに傾けて取付けた(図10参照)。
また、長尺樹脂フィルム201には、幅600mmで長さ1000mのPETフィルムを用いた。キャンロール200を0℃に冷却制御しながら、真空チャンバーを複数台のドライポンプにより5Paまで排気した後、更に、複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて3×10-3Paまで排気した。
そして、カソードボックス212、213のプロセスガス供給パイプ206、209からプロセスガス(アルゴンガス)を200sccm、反応性ガス供給パイプ208、211からArガスを200sccmおよびO2ガスを40sccm、添加ガス供給パイプ207、210から水分圧とAr分圧が0.012になるように水添加ガスが含まれるArガスを10〜15sccm導入した。また、カソードボックス312、313のプロセスガス供給パイプ306、309からArガスを400sccm導入した。
長尺樹脂フィルム201の搬送速度を4m/分にした後、第1層目の金属吸収層としてCuとNiの組成比が7:3、かつ、金属吸収層の膜厚が20nmになるように、カソードボックス212、213の第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着される各円筒状第一マグネトロンスパッタリングカソード202、204への投入電力を約2kW、第二ロータリーターゲット(Niターゲット)が装着される各円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203、205への投入電力を約1kWに設定した。また、第2層目の金属(Cu)層としてその膜厚が80nmになるようにカソードボックス312、313内のロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着された円筒状マグネトロンスパッタリングカソード302、304への投入電力を約8kWに設定した。
成膜終了後、金属吸収層のCuとNiの組成比と膜厚を測定したところ、組成比は7:3、膜厚は20nm、金属層の膜厚は80nmであった。
[評 価]
自記分光光度計を用いて長尺樹脂フィルム越しに測定した金属吸収層の可視波長領域(400〜700nm)の平均反射は15%であった。
また、反応性ガスと水添加ガスを直近に導入して反応性スパッタを積極的に行った第二ロータリーターゲット(Niターゲット)と第一ロータリーターゲット(Cuターゲット)の表面を観察すると、エロージョン端部(ロータリーターゲットの端)を含めてノジュールの発生や反応生成物の堆積はほとんど観察されなかった。第二ロータリーターゲット(Niターゲット)にノジュールの発生や反応生成物の堆積がほとんど無かった理由は、反応性多元(二元)スパッタリングを適用したことで第二ロータリーターゲット(Niターゲット))が装着される各円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203、205への投入電力が約1kWと少なかった(低かった)ため、長さ1000m程度のスパッタリング成膜では影響が現れ難かったと推定している。
尚、各円筒状第二マグネトロンスパッタリングカソード203、205に装着された第二ロータリーターゲット(Niターゲット)にノジュールの発生や反応生成物が堆積した場合でも、反応性ガスの供給を停止した状態で第二ロータリーターゲット(Niターゲット)に対しプレスパッタやポストスパッタを実施することにより、第二ロータリーターゲット(Niターゲット)をクリーニングできることが知られている。
[比較例]
図9に示す比較例に係るスパッタリング成膜装置を用いた。キャンロール400は、直径800mm、幅800mmのステンレス製で、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。
第1層目の金属吸収層を形成するカソードボックス412、413内には、Cu−Ni合金(組成比7:3)ロータリーターゲットが装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード402、404と、反応性ガス(O2ガス)が含まれるプロセスガス(アルゴンガス)を供給する反応性ガス供給パイプ406、409と、水添加ガスが含まれるプロセスガスを供給する添加ガス供給パイプ407、410が設けられ、かつ、各カソードボックス412、413のキャンロール400近傍には、開口部となる隙間を介して配置された遮蔽板416、417、418、419から成る遮蔽マスクを付設した。
第2層目の金属層を形成するカソードボックス512、513内には、ロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着された円筒状マグネトロンスパッタリングカソード502、504と、カソードボックス512、513内にプロセスガス(アルゴンガス)を供給するプロセスガス供給パイプ506、509を備えており、かつ、カソードボックス512、513のキャンロール400近傍には、開口部となる隙間を介して配置された遮蔽板516、517、518、519から成る遮蔽マスクを付設した。
成膜中における水分圧とAr分圧はカソードボックス412、413内の雰囲気を測定し、水添加ガスを含むプロセスガスは上述したように添加ガス供給パイプ407、410から導入している。また、成膜中における水分圧とAr分圧は四重極質量分析計で測定し、水分圧とAr分圧が0.012になるように水添加量とフィードバック制御したときの水分圧とAr分圧の比と水流量を図8に示す。
また、長尺樹脂フィルム401には、幅600mmで長さ1000mのPETフィルムを用いた。キャンロール400を0℃に冷却制御しながら、真空チャンバーを複数台のドライポンプにより5Paまで排気した後、更に、複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて3×10-3Paまで排気した。
そして、カソードボックス412、413の反応性ガス供給パイプ406、409からArガスを400sccmおよびO2ガスを40sccm、添加ガス供給パイプ407、410から水分圧とAr分圧が0.012になるように水添加ガスが含まれるArガスを10〜15sccm導入した。また、カソードボックス512、513のプロセスガス供給パイプ506、509からArガスを400sccm導入した。
長尺樹脂フィルム401の搬送速度を4m/分にした後、第1層目における金属吸収層の膜厚が20nmになるように、カソードボックス412、413のCu−Ni合金(組成比7:3)ロータリーターゲットが装着される円筒状マグネトロンスパッタリングカソード402、404への投入電力を約3kWに設定した。また、第2層目の金属(Cu)層としてその膜厚が80nmになるようにカソードボックス512、513内のロータリーターゲット(Cuターゲット)が装着された円筒状マグネトロンスパッタリングカソード502、504への投入電力を約8kWに設定した。
成膜終了後、金属吸収層の膜厚は20nm、金属層の膜厚は80nmであった。
[評 価]
自記分光光度計を用いて長尺樹脂フィルム越しに測定した金属吸収層の可視波長領域(400〜700nm)の平均反射は15%であった。
また、反応性ガスと水添加ガスを直近に導入して反応性スパッタを積極的に行ったCu−Ni合金(組成比7:3)ロータリーターゲットの表面を観察すると、エロージョン端部付近にノジュールの発生と反応生成物の堆積が確認され、比較例に係るスパッタリング成膜装置を用いた場合、実施例に係るスパッタリング成膜装置に較べて成膜安定性に劣ることが判明した。
尚、塩化第二鉄水溶液をエッチング液に用いた積層膜(金属層/金属吸収層)のエッチング性を評価したところ、実施例と比較例に大きな差異はなかった。
本発明方法によれば、ロータリーターゲットの表面を清浄な状態に長時間保持できるため、ノジュールや堆積物に起因する異常放電が抑制されて異物等が付着しない薄膜を形成することができる。このため、FPD(フラットパネルディスプレイ)の表面に設置するタッチパネル用電極基板フィルムの材料に使用される積層体フィルムの製造に利用される産業上の可能性を有している。
40,50,60,70 透明基板(樹脂フィルム)
41,43,51,53,61,63 金属吸収膜
67,68,77,78 第2金属吸収膜
42,44,52,54,62,64,72,74 金属層(スパッタリング層)
55, 56,65, 66,75, 76 金属層(湿式めっき層)
10 真空チャンバー
11 巻き出しロール
12 長尺樹脂フィルム(長尺体)
13 フリーロール
14 張力センサロール
15 前フィードロール
16 キャンロール
17,18,19,20 マグネトロンスパッタリングカソード
21 後フィードロール
22 張力センサロール
23 フリーロール
24 巻き取りロール
25、26、27、28、29、30、31、32 ガス供給パイプ
110 真空チャンバー
111 巻き出しロール
112 長尺樹脂フィルム
113 フリーロール
114 張力センサロール
115 前フィードロール
116 キャンロール
117,118,119,120 マグネトロンスパッタリングカソード
121 後フィードロール
122 張力センサロール
123 フリーロール
124 巻き取りロール
125、126、127、128、129、130、131、132 ガス供給パイプ
1A,1a 第一成膜手段
2A,2a 第二成膜手段
3A,3a 第三成膜手段
4A,4a 第四成膜手段
200 キャンロール
201 長尺樹脂フィルム
202、204 第一マグネトロンスパッタリングカソード
203、205 第二マグネトロンスパッタリングカソード
302、304 マグネトロンスパッタリングカソード
206、209,306、309 プロセスガス供給パイプ
207、210 添加ガス供給パイプ
208、211 反応性ガス供給パイプ
212、213、312、313 カソードボックス
214、215 仕切り板
216、217、218、219、316、317、318,319 遮蔽板
220,420 前フィードロール
320,520 後フィードロール
400 キャンロール
401 長尺樹脂フィルム
402、404、502、504 マグネトロンスパッタリングカソード
406、409 反応性ガス供給パイプ
407、410 添加ガス供給パイプ
506、509 プロセスガス供給パイプ
412、413、512、513 カソードボックス
416、417、418、419、516、517、518,519 遮蔽板
601,701 第一カソード室
602,702 第二カソード室
611,612 磁石

Claims (14)

  1. 長尺体を表面に接触保持させて搬送する冷却キャンロールと、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段を真空チャンバー内に備え、かつ、上記スパッタリング成膜手段と冷却キャンロールとの隙間部を搬送される長尺体表面に薄膜を形成すると共に、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つが反応性多元スパッタリング成膜手段により構成されるスパッタリング成膜装置において、
    上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜がなされることを特徴とするスパッタリング成膜装置。
  2. 複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードが構成され、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における上記空間領域の略中心部で交わるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング成膜装置。
  3. 上記第二ターゲットを装着する第二スパッタリングカソードが円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成され、かつ、上記第二ターゲットがロータリーターゲットで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のスパッタリング成膜装置。
  4. 開口部を有する遮蔽マスクが上記カソードボックスの冷却キャンロール近傍位置に配置され、かつ、遮蔽マスクの開口部が冷却キャンロール近傍の上記空間領域に位置整合されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング成膜装置。
  5. 真空チャンバー内に設けられた冷却キャンロール表面に長尺体を接触保持させて搬送すると共に、該冷却キャンロール表面に対向して配置された複数のスパッタリング成膜手段により長尺体表面に薄膜を形成し、かつ、上記スパッタリング成膜手段の少なくとも一つを反応性多元スパッタリング成膜手段で構成したスパッタリング成膜方法において、
    上記反応性多元スパッタリング成膜手段が、冷却キャンロール側が開放されたカソードボックスと、該カソードボックス内の仕切り板により区画された第一カソード室および第二カソード室と、上記第一カソード室内に収容されかつ第一ターゲットが装着される第一スパッタリングカソードおよび第二カソード室内に収容されかつ第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードと、上記第一カソード室内にプロセスガスを供給するガス供給手段および第二カソード室内に反応性ガスが含まれるプロセスガスを供給するガス供給手段を備えており、上記仕切り板の先端方向でかつ冷却キャンロール近傍の空間領域において第一カソード室から飛来する第一ターゲット粒子と第二カソード室から飛来する第二ターゲット粒子を合流させて反応性多元スパッタリング成膜を行うことを特徴とするスパッタリング成膜方法。
  6. 複数の磁石が内部に固定配置されたマグネトロンスパッタリングカソードにより上記第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードを構成し、かつ、各磁石における上記冷却キャンロールに対向する面の中心部における法線が冷却キャンロール近傍における上記空間領域の略中心部で交わるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のスパッタリング成膜方法。
  7. 上記第二ターゲットが装着される第二スパッタリングカソードを円筒状マグネトロンスパッタリングカソードで構成し、かつ、上記第二ターゲットをロータリーターゲットで構成したことを特徴とする請求項5または6に記載のスパッタリング成膜方法。
  8. 上記反応性ガスが酸素ガスまたは窒素ガスであることを特徴とする請求項5に記載のスパッタリング成膜方法。
  9. 上記反応性ガスが酸素ガスで構成され、かつ、反応性ガスに水若しくは水素が含まれていることを特徴とする請求項5または8に記載のスパッタリング成膜方法。
  10. 上記第一カソード室内に収容する第一ターゲットを銅ターゲットで構成し、第二カソード室内に収容する第二ターゲットを銅以外の添加用金属ターゲットで構成することを特徴とする請求項5に記載のスパッタリング成膜方法。
  11. 上記添加用金属ターゲットを、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Mn、Ni、Co、Znより選ばれる1種以上の金属で構成することを特徴とする請求項10に記載のスパッタリング成膜方法。
  12. 第一スパッタリングカソードと第二スパッタリングカソードへの投入電力または投入電流を調整して、銅に対する上記添加用金属の混合比が3〜40%となる銅合金薄膜を形成することを特徴とする請求項11に記載のスパッタリング成膜方法。
  13. 透明な樹脂フィルムから成る長尺体と、長尺体の少なくとも片面に形成された積層膜とで構成され、かつ、上記積層膜が、長尺体側から数えて第1層目の金属吸収層と第2層目の銅層と第3層目の金属吸収層を有する積層体フィルムの製造方法において、
    第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層を、請求項5〜12のいずれかに記載のスパッタリング成膜方法で形成することを特徴とする積層体フィルムの製造方法。
  14. 第1層目の金属吸収層と第3層目の金属吸収層の各膜厚を15nm〜30nmの範囲に設定することを特徴とする請求項13に記載の積層体フィルムの製造方法。
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