JP2002129179A - 冷凍機 - Google Patents

冷凍機

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JP2002129179A
JP2002129179A JP2000324442A JP2000324442A JP2002129179A JP 2002129179 A JP2002129179 A JP 2002129179A JP 2000324442 A JP2000324442 A JP 2000324442A JP 2000324442 A JP2000324442 A JP 2000324442A JP 2002129179 A JP2002129179 A JP 2002129179A
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ester
refrigerating machine
refrigerant
oil
machine oil
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Application number
JP2000324442A
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English (en)
Inventor
Noriaki Matsunaga
訓明 松永
Shin Sekiya
慎 関屋
Shinobu Ogasawara
忍 小笠原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/12Inflammable refrigerants

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  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素を含まないR32単一またはR32を5
0%以上含む混合冷媒に対して相溶性が良く、また潤滑
特性、化学的安定性等の良好な冷凍機油を有し、耐摩耗
性、安定性に優れた圧縮機摺動部を有し、高信頼性、高
性能な冷凍機を提供する。 【解決手段】 ポリオールエステル又はコンプレックス
エステルを主成分とし、本エステルを構成する1塩基脂
肪酸の炭素数を5以下としたものを20〜60重量%含
み、炭素数が8より大きな脂肪酸には分岐型脂肪酸を用
い、40℃における粘度が32〜100cstであるエ
ステル系冷凍機油8Aを使用するとともに冷凍圧縮機1
の摺動部に非金属表面処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒圧縮機を用い
た冷凍機、空気調和機等の冷凍サイクルに係り、特に、
オゾン層保護の観点から塩素を含まない代替冷媒に対し
て適合し、冷媒との相溶性、化学的安定性、耐摩耗・焼
付性に優れた冷凍機油を備え、また、化学的安定性、耐
摩耗・焼付性に優れた機械部品を備えた冷媒圧縮機を有
する冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層保護の観点から冷凍機で
使用されるHCFC等のフロン系冷媒が使用規制の対象
となり、代替冷媒として塩素を含まず、すなわちオゾン
を分解させず、大気中での分解期間の短いハイドロフル
オロカーボン(HFC)が検討、実用化されている。
【0003】しかしながら、これら分子内に塩素を含ま
ない代替冷媒はいずれも極性が高く、従来の塩素を含む
冷媒の冷凍サイクルで使用されてきた鉱油やアルキルベ
ンゼン油等の冷凍機油では、冷媒との相溶性が悪いた
め、新たな冷凍機油の開発が進められている。
【0004】図14は、特開平8−240351号公報
に示された従来の代替冷媒対応の冷凍サイクル、図15
は従来の代替冷媒対応の冷凍サイクルに用いられる一般
的な冷媒圧縮機の断面図であり、(a)は縦断面図、
(b)はシリンダ上面より見た断面図である。
【0005】ここで、1は冷媒圧縮機、2はその密閉容
器であり、3は蒸発器、4は凝縮器、5は膨張弁、毛細
管等の膨張機構を示す。回路内には塩素を含まない水素
化弗素化炭素(HFC)が封入されて冷凍サイクルが構
成されている。
【0006】冷媒圧縮機1の密閉容器2内には電動要素
6と圧縮要素7が収納され、また底部に冷凍機油8が貯
溜されている。また、電動要素6は固定子9、回転子1
0からなり、固定子9は巻線部11とコア部12から成
り、電力は気密端子13からリード線を介して電動要素
6に供給される。圧縮要素7は回転子10に連結された
主軸14と主軸14の偏心部に係合されたローリングピ
ストン15、圧縮室を形成するシリンダ16とシリンダ
16の端面を閉塞するとともに主軸14を支持する主軸
受17、副軸受18、ローリングピストン15外周と摺
接して圧縮室を高低圧に仕切るベーン19及びベーンス
プリング20から構成されている。
【0007】冷媒圧縮機1は吸入管21と吐出管22に
よって冷凍サイクルに連結されている。
【0008】次に従来の冷凍サイクルの動作について説
明する。圧縮機を運転すると、電動要素6の回転力は回
転子10に連結された主軸14により圧縮要素7に伝達
され、シリンダー16内で主軸14の偏心部に係合され
たローリングピストン15が偏心回転する。シリンダ1
6内を高低圧に仕切るベーン19は、背圧とベーンスプ
リング20のバネ力により先端をローリングピストン1
5外周に接して往復運動を行なう。
【0009】冷媒は吸入管21よりシリンダ16内へ導
かれ、ローリングピストン15の偏心回転により圧縮さ
れてシリンダー16より密閉容器2内へ吐出され、電動
要素6を冷却した後に吐出管22より外部の冷凍サイク
ルへ導かれる。
【0010】冷媒圧縮機1を出た高圧、高温の過熱冷媒
ガスは凝縮器4にて外気と熱交換して潜熱を奪われて高
圧、高温の冷媒液となり、膨張機構5によって減圧され
て低圧の飽和冷媒液となり、さらに蒸発器3によって外
気と熱交換し潜熱を吸収して冷媒ガスとなる。
【0011】ここで、冷媒圧縮機1の密閉容器2の底部
に貯溜された冷凍機油8は主軸14の下端より給油さ
れ、圧縮要素7の各摺動部を潤滑した後、大部分は密閉
容器2の底部へ戻されるが、一部は冷媒ガスと一緒に吐
出管22より冷媒圧縮機1外部へ吐出され冷凍サイクル
を循環して、再び吸入管21より冷媒圧縮機1へ戻され
る。
【0012】このように冷凍サイクルに用いられる冷凍
機油は、冷媒と共に冷凍サイクル内を循環するため、低
温から高温まで広い温度範囲において冷媒と相溶性が高
く、低温流動性に優れることが第一に要求される。
【0013】またクロロフルオロカーボン(CFC)や
ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)等、塩素
を含む従来の冷媒においては、摺動部表面で塩素が極圧
剤として機能し、潤滑性が極めて良好であったのに対
し、オゾン層を破壊しない塩素を含まない代替冷媒にお
いては、冷媒自身の極圧効果が期待できないことから、
冷凍機油として、高温・高圧部で摺動部を潤滑するため
に、耐摩耗・焼付き性、熱安定性、化学安定性に優れて
いることが要求される。
【0014】更に、冷凍機油は電動要素6と共に密閉容
器2内部で使用されることから絶縁特性についても優れ
ていることが要求される。
【0015】特開平8−240351号公報において、
ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒に適合する冷
凍機油として分子中にエステル結合(−O−CO−)を
少なくとも2ヶ保有する脂肪酸の冷凍機油を基油とする
下記一般式によることが示されており、多価アルコール
と炭素数6〜13の脂肪酸を用いた分岐構造を有するヒ
ンダード系エステル、コンプレクス系エステルの例が示
されている。
【0016】 (R1・CH22・C・(CH2COOR22 ・・・(1) R1・CH2・C・(CH2・COOR23 ・・・(2) C(CH2−CHOOR24 ・・・(3) (R2・00CH2C)3・C・CH2・O・CH2・(CH2・COOR23 ・・(4) ここで、R1はHまたは炭素数1〜3のアルキル基、R2
は炭素数5〜12のアルキル基で炭素数の異なる複数種
を混合することができる。
【0017】また特開平8−151590号公報ではポ
リオールエステルを基油とし、基油に対してリン酸エス
テルを7.0〜15.0重量%と1、2−エポキシアル
カン及び/又はヒニールシクロヘキセンジオキシドを
0.2〜3.0重量%配合して成る冷凍機油組成物が示
されている。
【0018】また特開平10−37881号公報ではヒ
ンダート構造をもつ多価アルコールと、分子中の炭素数
5〜10であり炭素鎖に分岐構造を持つ脂肪酸とが水を
分離して縮合生成されたポリオールエステル冷凍機油組
成物が示されている。
【0019】これら冷凍機油は電気絶縁性、吸湿性に優
れることから代替冷媒対応の冷凍機油として現在最も広
く検討、実用化されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在実
用化が進められているR134a(テトラフルオロメタ
ン)、R407C(R32:R125:R134a)等
のHFC混合冷媒は従来用いられてきたR22(クロロ
ジフルオロメタン)冷媒に比べ効率が低下する、冷媒の
非共沸性のため冷媒組成比が冷凍サイクル中で変化し扱
いづらい等の問題から、これら混合冷媒に比べ効率向上
が見込め、かつ共沸冷媒であるR32(ジフルオロメタ
ン)単一、またはR32を50%以上含有し共沸冷媒と
して扱える混合冷媒の検討が開始されている。
【0021】R134a、R407C等に適した従来の
冷凍機油は、R32単一またはR32を50%以上含有
したさらに極性の高い混合冷媒との相溶性に乏しく、圧
縮機から冷媒と共に冷凍サイクルに排出された冷凍機油
が圧縮機に戻りにく、圧縮機内部に貯留される冷凍機油
が圧縮機摺動部潤滑に必要とされる油面高さを下回った
場合、圧縮機摺動部の焼付に至るため、相溶性を改善し
た基油構造に変更する必要がある。
【0022】これら極性の高い冷媒との相溶性を改善す
る方法としては、エステルを構成する脂肪酸を炭素数の
低いものに変更するか、炭素数の低い脂肪酸の混合比を
増加させることが有効であるが、一般的に低炭素数の脂
肪酸ほど、安定性が劣り、さらに粘度も低下するため、
何らかの対策が必要である。
【0023】特開平10−298572には、R32を
主成分とする冷媒に使用できる冷凍機油としてペンタエ
リスルトールと炭素数5の直鎖脂肪酸(nC5酸)より
合成されたものが開示されているが、冷媒雰囲気下の圧
縮機の実使用温度・圧力における実粘度が不明である。
また低炭素数の脂肪酸による安定性低下に対する対策が
示されていない。
【0024】エステル系冷凍機油は脂肪酸とアルコール
の脱水縮合反応からなる合成油であり、この反応が可逆
的であるため、水が存在すると加水分解を起こす。そし
て加水分解により酸が遊離した場合には摺動部の腐蝕摩
耗を生じることが知られている。 RCOOR’+H2O → RCOOH+R’OH ・・・・・・・(5) Fe+2RCOOH → Fe(OCOR)2+2H+ ・・・・・(6)
【0025】金属との反応は、摩耗により新生面が発生
すると早くなることから、密閉容器2内が高温・高圧に
保持され、またベーン19先端とローリングピストン1
5外周の様に流体潤滑が確保出来にくい摺動部をもつロ
ータリ形圧縮機などでは上記反応が促進されやすい。
【0026】また加水分解による摩耗や冷凍機油の劣化
は、冷凍サイクルにおいて毛細管や膨張弁等の膨張機構
5にスラッジを堆積させ、膨張機構5の閉塞を引き起こ
して冷却不良や正常な運転が出来なくなるという課題が
あった。
【0027】また、エステル系冷凍機油の分解により生
じた脂肪酸は、圧縮機の電動要素に使用される絶縁材料
を劣化させ、機械強度および絶縁特性低下を引き起こす
恐れがあった。
【0028】さらに、空調機の場合は、据え付け工事時
に室外機と室内機を連結するため、据え付け工事におい
て冷凍サイクル内に水分が混入する可能性があり、水分
量を生産工場内のみで厳密に管理することが出来ず、混
入した水分を除去するため冷凍回路内に乾燥剤を設ける
必要がある。
【0029】一方、冷凍回路内に設けた乾燥剤の種類に
よっては、水分以外に冷凍機油中の添加剤が吸着される
恐れがあった。
【0030】冷凍機の冷凍サイクル配管中には、水分以
外に各種製造工程で使用される工程油、加工油等のコン
タミが残留しているが、これらのなかには塩素を含んだ
コンタミも存在し、冷凍回路内でこれら塩素系コンタミ
は金属と結合して金属塩を生成し、冷凍機油の加水分解
・劣化を著しく促進する問題があった。
【0031】本発明は、上述のような課題を解決するた
めになされたもので、塩素を含まないR32単一または
R32を50%以上含有した冷媒に対して相溶性が良
く、また潤滑特性、化学的安定性等の良好な冷凍機油お
よび耐摩耗性、安定性に優れた圧縮機摺動部を有し、高
信頼性、高性能な冷凍機を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明に係る冷凍機は、
圧縮機、凝縮器、絞り機構、蒸発機より構成される冷凍
回路に、冷媒R32単体、またはR32を50重量%以
上含有した混合冷媒を使用した冷凍機において、20〜
60重量%の炭素数が5以下の直鎖型の1塩基脂肪酸及
び炭素数が8以上の分岐型の脂肪酸を含み、40℃にお
ける粘度が32〜100cstのポリオールエステル又
はコンプレックスエステルを主成分としたエステル系冷
凍機油を使用し、さらに、圧縮機の摺動部に非金属表面
処理を施したものである。
【0033】また、エステル系冷凍機油に、金属表面に
非金属摺動皮膜を生成する極圧剤を添加し、冷凍回路内
に水分補足機構として、合成ゼオライトを主成分とし、
活性アルミナを含まない乾燥剤を設けたものである。
【0034】また、エステル系冷凍機油に、水分・酸補
足剤としてエポキシ添加剤を加えたものである。
【0035】また、冷凍回路内の塩素系コンタミの対エ
ステル系冷凍機油の塩素濃度を80ppm以下の量とし
たものである。
【0036】また、圧縮機の電動要素の絶縁材として、
ポリエステル(PE)、変性ポリエステル(変性P
E)、ポリエステルイミド(PEI)、ポリアミドイミ
ド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(P
EN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ
ブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサル
ファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
液晶ポリマー(LCP)樹脂から選ばれる少なくとも1
種を用いるものである。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は本発明による冷凍サイクル
図、図2は同じく冷凍サイクルに用いられる冷媒圧縮機
の縦断面図であり、(a)は縦断面図、(b)はシリン
ダ上面より見た断面図である。
【0038】図1、2において1は冷媒圧縮機、2は密
閉容器、3は蒸発器、4は凝縮器5は膨張弁、毛細管等
の膨張機構を示す。回路内には塩素を含まない水素化弗
素化炭素(HFC)が封入されて冷凍サイクルが構成さ
れている。
【0039】冷媒圧縮機1の密閉容器2内には電動要素
6と圧縮要素7Aが収納され、また底部に冷凍機油8A
が貯溜されている。圧縮要素7は回転子10に連結され
た主軸14と主軸14の偏心部に係合されたローリング
ピストン15A、圧縮室を形成するシリンダ16Aとシ
リンダ16Aの端面を閉塞するとともに主軸14を支持
する主軸受17A、副軸受18A、ローリングピストン
15A外周と摺接して圧縮室を高低圧に仕切るベーン1
9A及びベーンスプリング20から構成されている。そ
して、圧縮要素7Aの構成品の金属摺動部には非金属表
面処理である窒化処理を施している。
【0040】冷凍サイクル、冷凍圧縮機1の基本的な動
作は、従来例と同じであるので説明を省略し、異なる点
について、説明する。
【0041】冷凍機油8Aについては、ペンタエリスル
トール(PET)と炭素数5の直鎖型1塩基性脂肪酸で
あるnC5酸を脱水縮合して生成されたポリオールエス
テル又はコンプレックスエステルを主成分として含む冷
凍機油である。(なお、脂肪酸を示すnC5、iC9等
の記号において、nは直鎖型を、iは分岐型を、数値は
炭素数を表す。)
【0042】ポリオールエステル又はコンプレックスエ
ステルを主成分として含む冷凍機油の直鎖型の1塩基性
脂肪酸の炭素数が5を越えると、冷媒R32単体、また
はR32を50重量%以上含有した混合冷媒に対する相
溶性が低下するので、炭素数は5以下が望ましい。ま
た、炭素数5以下の直鎖型の1塩基性脂肪酸の含有割合
が、20重量%未満では、冷媒R32単体、またはR3
2を50重量%以上含有した混合冷媒に対する相溶性が
確保できず、また、60重量%を越えると、冷媒共存化
において、高温高圧部で冷凍機油粘度が低下するので、
炭素数が5以下の直鎖型の1塩基脂肪酸20〜60重量
%とするのが望ましい。
【0043】冷凍機に使用される冷凍機油は、低温から
高温まで広い温度範囲における冷媒との相溶性および低
温流動性に優れることが要求され、特に外気温度以下
(空調機では少なくとも10℃以下)の2相分離温度で
あることが必要である。
【0044】また、R32等の極性の高い冷媒との相溶
性を改善するためには、炭素数の低い脂肪酸を一定量導
入することが有効であるが、一方低炭素数の脂肪酸ほど
冷凍機油の粘度が低く、また安定性が低下する傾向があ
るため、従来冷凍機と同等の実粘度および安定性の確保
のためには、必要に応じて炭素数の大きい脂肪酸(粘度
および安定性が高い傾向をもつ)を混合して使用するこ
とが望ましい。
【0045】また、1価の脂肪酸には直鎖型と分岐型の
ものがあるが、分岐型の方が安定性が高いことから低炭
素数の脂肪酸に混合するものは、炭素数が8以上の分岐
型脂肪酸が望ましい。また、冷凍機油の40℃における
粘度は32〜100cstが望ましい。
【0046】次に、本発明の低炭素数脂肪酸である炭素
数5の直鎖型脂肪酸(nC5酸)を含む冷凍機油の冷媒
R32単体、とR32の混合冷媒に対する2相分離温度
を測定した結果につき図3により説明する。本発明の試
作油Aは、低炭素数脂肪酸である炭素数5の直鎖型脂肪
酸(nC5酸)を30wt%及び炭素数9の分岐型脂肪
酸(iC9)を含み、粘度は40℃で56cst、試作
油Bは、低炭素数脂肪酸である炭素数5の直鎖型脂肪酸
(nC5酸)を50wt%、直鎖型脂肪酸(nC7酸)
及び炭素数9の分岐型脂肪酸(iC9)を含み、粘度は
40℃で31cst、比較油Aは直鎖型脂肪酸(nC5
酸)を含まず、分岐型脂肪酸(iC8、iC9)を含
み、粘度が67cst、比較油Bは、低炭素数脂肪酸で
ある炭素数5の直鎖型脂肪酸(nC5酸)を15wt
%、直鎖型脂肪酸(nC7酸)及び炭素数9の分岐型脂
肪酸(iC9)を含み、粘度は40℃で59cstとし
た。そして、これらの冷凍機油について、冷媒はR3
2、R410A(R32:R125=50:50WT
%)及びR407C(R32:R125:R134a=
23:25:52wt%)との臨海溶解温度を測定し
た。
【0047】図3の測定結果から、冷凍機油のnC5酸
の混合比が増すほど、高温側2層分離温度は上昇し、低
温側の2層分離温度は低下し、nC5酸をそれぞれ30
%、50%含む試作油Aおよび試作油BはR32、R4
10A冷媒に対して十分な相溶性を有するが、比較油
A、BはR32冷媒に非相溶であり、R410Aに対し
ても分離温度範囲が狭く相溶性が不十分であることが確
認された。
【0048】次に、本発明の試作油Aの実使用温度、圧
力条件におけるR32冷媒の溶解量および冷媒混合時の
実粘度を測定した結果について図4により説明する。
【0049】実使用温度、圧力条件は空調機で使用され
る圧縮機の運転時の条件である、50℃の飽和圧力、冷
凍機油の油温を90℃として、本発明の試作油AのR3
2冷媒溶解量および実粘度、従来の比較油BのR407
C冷媒溶解量および実粘度及び鉱油のR22冷媒溶解量
および実粘度を測定した。なお、実粘度は鉱油のR22
冷媒溶解時の実粘度に対する比で示した。
【0050】図4に示すように、試作油AへのR32の
溶解量13mass%は、R407Cの26mass%
に比較して約半分であるが、R32冷媒単体の粘度がR
407Cの約半分であることから、試作油AのR32溶
解時の実粘度は、比較油BとR407Cおよび鉱油とR
22の実粘度と同等である。
【0051】これより、本発明の試作油AはR32を5
0%以上含有した冷媒を冷凍機の圧縮機へ使用してもR
22と鉱油の系およびR407Cと従来の冷凍機油の系
と同等の実粘度であり、すなわち、同等の摺動特性(油
膜生成能)を有することが確認された。
【0052】上述の炭素数が5以下の直鎖型の1塩基脂
肪酸を有する主成分のポリオールエステル又はコンプレ
ックスエステル20〜60重量%を含む冷凍機油は、水
分が含まれた場合、加水分解により遊離した酸による摺
動部の腐食磨耗が生じるので、これを防止するため、圧
縮要素7Aの金属摺動部には非金属表面処理である窒化
処理を施している。
【0053】この窒化処理の効果について、高圧雰囲気
摩耗試験機により試験した結果を図5、6により説明す
る。
【0054】図5は高圧雰囲気摩耗試験機により、摺動
部の窒化処理の有無と焼付面圧との関係をR32および
R22冷媒雰囲気下において試験した結果を示す。
【0055】図5(a)は摺動材のSKH51(高速工
具鋼)に窒化を施したものとFC−MoNiCr(合金
鋳鉄材)を使用し、図5(b)はSKH51とFC−M
oNiCrを使用し、R32冷媒雰囲気、R32冷媒雰
囲気、図5(c)はSKH51とFC−MoNiCrを
使用し、R22冷媒雰囲気を用いたものを示す。冷凍機
油は試作油Aを使用した。
【0056】摺動速度は実際のロ−タリ−圧縮機のベ−
ンとピストンの摺動速度に近い2.6m/sとし、摺動
部に加える加重を98N/minずつ増加させ、摺動部
摩擦係数が急増したときを焼付として判定した。
【0057】試験結果は図5から摺動部に窒化処理を行
ったものが(図(a))、焼付面圧がR22冷媒雰囲気
下(図(c))以上であるので、本実施例の冷凍機油は
摺動条件の厳しいロータリー圧縮機においても充分な摺
動性を確保できることが確認された。
【0058】図6はシ−ルドガラスチュ−ブ試験によ
り、摺動部の非金属表面処理有無と冷凍機油の安定性と
の関係を全酸価を指標として試験した結果を示す。冷凍
機油は試作油Aを用い、摺動材(金属触媒)はSKH5
1SKH51に窒化を施したものにつき、R32冷媒雰
囲気で、温度175℃、500Hrで試験した。なお、
全酸価(mgKOH/g)はオイルに含まれる酸の量を
あらわし、オイル1gを中和させるのに必要な水酸化カ
リウム(KOH)の量mgを示す。
【0059】試験結果は、窒化処理を施したものは、窒
化により金属表面に不活性な非金属皮膜を形成するた
め、冷凍機油の金属表面における触媒反応による分解が
抑えられ、全酸価が0.12(mgKOH/g)で、窒
化処理をしないものの半分であり、耐加水分解性(化学
的安定性)が向上している。なお、本実施例では金属摺
動部に窒化処理を施したが、非金属摺動材であるセラミ
ック、カーボン材を用いるか、あるいは金属摺動部に樹
脂コーティング、樹脂含浸等を施しても同様の効果が得
られる。
【0060】次に、塩素を含まず冷媒自身の極圧効果を
期待できない代替冷媒において、極圧剤の添加による潤
滑性への影響を高圧雰囲気摩耗試験機により試験した結
果を図7、8により説明する。
【0061】図7は極圧剤としてリン酸エステル系のト
リクレジルフォスフェート(TCP)を添加した試作油
AとR32冷媒の系と鉱油とR22冷媒の系において摺
動部の焼付面圧を比較したものであり、摺動材はSKH
51とFC−MoNiCrを使用し、図7(a)は極圧
剤のTCPを添加した試作油AとR32冷媒系、図7
(b)はTCPを添加しない試作油AとR32冷媒系、
図7(c)は鉱油とR22冷媒のものを示す。
【0062】試験結果は、極圧剤を添加した試作油Aと
R32冷媒系(図7(a))では、鉱油とR22冷媒系
(図7(c))以上の焼き付き面圧となり、極圧剤の潤
滑特性への効果は明らかであった。
【0063】図8は上記試験後の冷凍機油の全酸価を示
すが、TCPを添加した試作油Aは全酸価が0.05
(mgKOH/g)でTCPを添加しない試作油Aの半
分であり、全酸価上昇が抑えられている。これは極圧剤
中のリンが摺動材の金属表面に吸着し、非金属のリン酸
皮膜を形成し、冷凍機油の摺動部金属表面における触媒
反応による劣化が抑えれたためと推察される。
【0064】上記実施例では極圧剤として、トリクレジ
ルフォスフェート(TCP)を使用したが、他にトリメ
チルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、ト
リブチルフォスフェート、トリアルキルフォスフォロチ
オネート、トリフェニルフォスフォロチオネート(TP
PT)等が使用できる。
【0065】また、冷凍機油はその構造上、水分共存下
において加水分解が避けられないことから、空調機の据
え付け工事時等において冷凍サイクル内に混入した水分
を除去するため、乾燥剤の設置が必要不可欠とされ、合
成ゼオライトを主成分とした乾燥剤が一般的に使用され
る。
【0066】しかし、乾燥剤の種類によっては、水分以
外に冷凍機油の添加剤が吸着される可能性があるので、
乾燥剤を、冷凍機油中に浸漬してオ−トクレ−ブ試験を
実施し、供試油に添加した極圧剤(TCP)の残存率測
定を行った。その結果を図9により説明する。
【0067】図9は、活性アルミナを25重量%含み、
合成ゼオライトを主成分とした乾燥剤(ドライヤーA)
および活性アルミナを含まず合成ゼオライトを主成分と
した乾燥剤(ドライヤーB)それぞれを、冷凍機油中に
浸漬してオートクレーブ試験を実施し、供試油に添加し
た極圧剤(TCP)の残存率測定を行った結果である。
なお、冷媒はR32(100g)、冷凍機油は試作油A
(100g、添加剤TCPO0.5wt%)を使用し、
試験時間は500hrである。
【0068】試験結果は、ドライヤーAは試験温度が高
い程、また乾燥剤量が多い程、TCP減少量が多く、ド
ライヤーBは試験温度、条件によらずTCPの減少はみ
られなかった。
【0069】また、ドライヤーAは、TCP減少量の多
い条件のものには、EPMAによるドライヤー表面の元
素量分析からリンの吸着が認められ、TCPの減量は活
性アルミナによるTCP成分中のリンの吸着が原因であ
ることが判明した。
【0070】以上より、合成ゼオライトを主成分とし、
活性アルミナを含まない乾燥剤を冷凍回路に使用するこ
とにより、冷凍回路内の水分を効果的に除去し、かつ冷
凍機油に添加されたリン系極圧剤の効果を損なわないの
で、摺動性および安定性に優れた高信頼性の冷凍機を提
供することが可能であることが確認された。
【0071】本発明の冷凍機油に添加する水分・酸補足
剤としては1分子中にエポキシ基を1個のみを保有する
αオレフィンオキシド、グリシジルエーテル、グリシジ
ルエステル等のエポキシ化合物が使用できる。
【0072】1分子中にエポキシ基を2個以上保有する
エポキシ化合物は重合性が高くそれ自身が重合、高分子
化してスラッジ化しやすいため好ましくない。
【0073】これらのエポキシ化合物に、冷凍機油の機
能を損なわない範囲で酸化防止剤および極圧剤と併用し
て添加も良い。
【0074】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、アミン系、硫黄系等のものが使用できる。
【0075】次に、本発明の冷凍機油への水分・酸補足
剤配合による効果を確認するため行った試験結果を、図
10により説明する。試作油A及びBにおいて、水分・
酸補足剤としてグリシジルエステル系エポキシ化合物を
添加した場合と、添加しない場合につき、水分および、
鉄、銅、アルミの各金属触媒を耐圧ガラスに封入してシ
ールドガラスチューブ試験を行い、供試油の熱安定性及
び加水分解安定性を評価した。なお、雰囲気はR32冷
媒、温度は175℃、試験時間は500hrである。
【0076】試験結果より、水分・酸補足添加剤を添加
することにより冷凍機油の全酸価の上昇が抑えられ、冷
凍機油の熱・加水分解安定性を向上させることが確認さ
れた。
【0077】冷凍回路内部には製造工程で使用される各
種加工油等のコンタミ物質が微量残留するが、これらコ
ンタミのなかでも冷凍機油の劣化を加速する可能性の高
いものとして塩素系のコンタミがあげられている。
【0078】塩素系物質が摺動部金属と反応して金属塩
を生成した場合には、触媒として作用して冷凍機油の加
水分解を加速させ、カルボン酸が生成され、さらに生成
された酸により摺動部の腐食摩耗を引き起こす恐れがあ
る。
【0079】そこで、塩素系コンタミの代表例として塩
化鉄を用い、冷凍機油への影響度の確認を行った。その
結果を図11により説明する。
【0080】塩素量1〜1000ppm相当の塩化鉄を
添加した試作油Aを、高圧雰囲気摩耗試験機の耐圧容器
内に入れ、容器内に備えられた摺動部に実機に近い摺動
条件をあたえ、R32冷媒雰囲気下で150℃、500
Hrの加熱を行い、塩素の濃度と、冷凍機油の加水分解
により生成する冷凍機油中のスラッジ量との関係から、
冷凍機油への影響を評価した。
【0081】その結果、塩素の濃度と、冷凍機油の加水
分解により生成する冷凍機油中のスラッジ量との関係を
示す図11から明らかなように、塩素量80ppm以上
においてスラッジ量が急激に増加している。
【0082】従って、塩素系コンタミの対冷凍機油塩素
濃度を80ppm以下に管理することにより冷凍機油の
加水分解によるスラッジ生成を抑制し、化学的・熱的に
安定で信頼性を高くできることが確認された。
【0083】次に、冷凍機油が加水分解して生成される
原料酸の、電動機の絶縁材樹脂へ与える影響を評価した
結果につき図12、13により説明する。絶縁材は、ポ
リエステル(PE)、変性ポリエステル(変性PE)、
ポリエステルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(P
AI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブ
チレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液
晶ポリマー(LCP)樹脂を用いた。
【0084】冷凍機油の加水分解による酸生成を想定し
て、低炭素数でありかつ酸性度の非常に高いnC5酸を
試作油Bに強制的に混入させ、全酸価を通常使用条件で
考え得る以上の値である1.5mgKOH/gに調整
し、油中水分を400ppm、R32冷媒雰囲気、圧力
3MPa、150℃、168時間、の条件で絶縁材のオ
−トクレ−ブ試験行い、さらに供試材の強度および破断
伸びの保持率を測定した。
【0085】その結果を図12に示す。また、電動機固
定子の巻線の芯線のエナメル被覆材として上記樹脂を用
いた電線の絶縁破壊電圧の保持率の測定結果を図13に
示す。
【0086】なお、PA、PET、PEN、およびPE
EKは板厚0.3mmのフィルム形状のものを用い、P
TFE、PBT、PBN、PPS、及びLCPはダンベ
ル試験片を用いた。
【0087】また、電動機固定子の巻線の芯線のエナメ
ル絶縁被覆材としてはポリエステル(PE)/ポリアミ
ド(PA)(但し、ポリエステルが内側でポリアミドが
外側を表す、以下同じ)、変性ポリエステル(変性P
E)/ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステルイミ
ド(PEI)/ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミ
ドイミド(PAI)を用いた。
【0088】樹脂材料の特性の保持率としては一般に5
0%あれば、必要とされる機能を得ると判断され、測定
結果は図12、13に示すように、いずれの絶縁材も充
分な特性を維持しており、低炭素数であるnC5酸を含
んだ冷凍機油が加水分解し、酸が多量に生成された場合
でも、絶縁特性は維持されるものと判断される。
【0089】以上より、電動機の絶縁材として、ポリエ
ステル(PE)、変性ポリエステル(変性PE)、ポリ
エステルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PA
I)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレン
ナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶
ポリマー(LCP)樹脂から選ばれる少なくとも1種を
用いて構成されているため、本発明における極性の高い
冷媒と冷凍機油の組み合わせに対して耐腐食性であり、
信頼性上問題なく適用されると言える。
【0090】なお、本発明は、以上の実施の形態で示し
たロ−タリ−圧縮機を用いた冷凍サイクルだけでなく、
レシプロ圧縮機やスクロ−ル圧縮機を用いた冷凍サイク
ル等にも、本発明の要旨を脱しない範囲において適用で
きる。
【0091】
【発明の効果】以上のように、この発明は、圧縮機、凝
縮器、絞り機構、蒸発機より構成される冷凍回路に、冷
媒R32単体、またはR32を50重量%以上含有した
混合冷媒を使用した冷凍機において、20〜60重量%
の炭素数が5以下の直鎖型の1塩基脂肪酸及び炭素数が
8以上の分岐型の脂肪酸を含み、40℃における粘度が
32〜100cstのポリオールエステル又はコンプレ
ックスエステルを主成分としたエステル系冷凍機油を使
用し、さらに、圧縮機の摺動部に非金属表面処理を施し
たので、R32単体またはR32を50%以上含有した
冷媒との相互溶解性に優れ、摺動部の触媒作用による冷
凍機油の劣化が抑えられ、化学的・熱的に安定で信頼性
の高い冷凍機を提供することが可能である。
【0092】また、エステル系冷凍機油に、金属表面に
非金属摺動皮膜を生成する極圧剤を添加し、冷凍回路内
に水分補足機構として、合成ゼオライトを主成分とし、
活性アルミナを含まない乾燥剤を設けたので、冷凍機油
のリン系極圧剤が乾燥剤に吸着されず、潤滑性、安定性
に優れ長期に亘って信頼性の高い冷凍機が得られる。
【0093】また、エステル系冷凍機油に、水分・酸補
足剤としてエポキシ添加剤を加えたので、化学的安定
性、信頼性の高い冷凍機が提供できる。
【0094】また、冷凍回路内の塩素系コンタミの対エ
ステル系冷凍機油の塩素濃度を80ppm以下の量とし
たので、冷凍機油の劣化が少なく、スラッジ生成の抑制
され、信頼性を向上させることができる。
【0095】また、圧縮機の電動要素の絶縁材として、
ポリエステル(PE)、変性ポリエステル(変性P
E)、ポリエステルイミド(PEI)、ポリアミドイミ
ド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(P
EN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ
ブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサル
ファイド(PPS)、ポリエ−テルエーテルケトン(P
EEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
液晶ポリマー(LCP)樹脂から選ばれる少なくとも1
種を用いるので、絶縁性に優れ、信頼性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す冷凍サイクル図で
ある。
【図2】 本発明の実施の形態を示す冷凍サイクルに使
用する冷媒圧縮機の縦断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態を示す冷凍機油と従来の
冷凍機油の冷媒との2層分離温度を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態を示す冷凍機油と従来の
冷凍機油の冷媒溶解量と粘度を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態を示す摺動材表面処理と
焼付き特性の関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態を示す摺動材表面処理と
冷凍機油の安定性の関係を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態を示す極圧剤添加による
摺動特性の変化を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態を示す極圧剤添加と冷凍
機油の安定性の関係示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態を示す乾燥剤と従来の乾
燥剤の摩耗防止剤の吸着特性を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態を示す冷凍機油の添加
剤の化学的安定性への影響を示す図である。
【図11】 塩素濃度とスラッジ生成量との関係を示す
図である。
【図12】 本発明の実施の形態を示す電動機の絶縁材
として使用する樹脂の特性図である。
【図13】 本発明の実施の形態を示す電動機の巻線の
絶縁材として使用する樹脂の特性図である。
【図14】 従来の冷凍サイクル図である。
【図15】 従来の冷凍サイクルに用いられる冷媒圧縮
機の断面図である。
【符号の説明】
1 冷媒圧縮機、3 蒸発器、4 凝縮器、5 膨張機
構、6 電動要素、7A 圧縮要素、8A 冷凍機油、
15A ローリングピストン、16 シリンダ、17A
主軸受、18 副軸受、19A ベーン、20 ベー
ンスプリング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25B 1/00 395 F25B 1/00 395Z // C10N 20:02 C10N 20:02 30:06 30:06 30:08 30:08 40:30 40:30 (72)発明者 小笠原 忍 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4H104 AA01C BB09C BB34A BB36A EA02A LA03 LA04 PA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器、絞り機構、蒸発機より
    構成される冷凍回路に、冷媒R32単体、またはR32
    を50重量%以上含有した混合冷媒を使用した冷凍機に
    おいて、 20〜60重量%の炭素数が5以下の直鎖型の1塩基脂
    肪酸及び炭素数が8以上の分岐型の脂肪酸を含み、40
    ℃における粘度が32〜100cstのポリオールエス
    テル又はコンプレックスエステルを主成分としたエステ
    ル系冷凍機油を使用し、さらに、圧縮機の摺動部に非金
    属表面処理を施したことを特徴とする冷凍機。
  2. 【請求項2】 エステル系冷凍機油に、金属表面に非金
    属摺動皮膜を生成する極圧剤を添加し、冷凍回路内に水
    分補足機構として、合成ゼオライトを主成分とし、活性
    アルミナを含まない乾燥剤を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の冷凍機。
  3. 【請求項3】 エステル系冷凍機油に、水分・酸補足剤
    としてエポキシ添加剤を加えたことを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の冷凍機。
  4. 【請求項4】 冷凍回路内の塩素系コンタミの対エステ
    ル系冷凍機油の塩素濃度を80ppm以下の量としたこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍
    機。
  5. 【請求項5】 圧縮機の電動要素の絶縁材として、ポリ
    エステル(PE)、変性ポリエステル(変性PE)、ポ
    リエステルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PA
    I)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレー
    ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
    ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレン
    ナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサルファイド
    (PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
    K)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶
    ポリマー(LCP)樹脂から選ばれる少なくとも1種を
    用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の冷凍機。
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