JP2010031134A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

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亮 太田
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Abstract

【課題】
潤滑性に優れるとともに、冷媒としてのプロパンの冷凍機油への溶解量を低減することができる冷媒圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクルを提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明に係る冷媒圧縮機は、モータと、モータに回転軸を介して連結されて冷媒を圧縮する圧縮機部とを、冷凍機油を貯溜する密閉容器内に収納する冷媒圧縮機であって、冷媒はR290であり、冷凍機油としてC−(CH2OCOR)4又は(R−COOCH2)3−C−O−C−(CH2OCO−R)3(但し、Rは炭素数11〜19のアルキル基)で表されるポリオールエステル油を含有する。本発明によれば、潤滑性に優れるとともに、冷媒としてのプロパンの冷凍機油への溶解量を低減することができる冷媒圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクルを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、作動冷媒にR290(プロパン)を用いた冷媒圧縮機並びにこれを用いた冷凍装置及び空調機に関する。
近年、冷凍サイクルに使用する冷媒は、地球環境保全を目的にHFC(ハイドロフルオロカーボン)から自然系冷媒に移行している。特に、自然系冷媒としての炭化水素は、地球温暖化係数が低いという観点から、冷蔵庫の冷媒としてイソブタンが既に実用化されている。また、炭化水素は、欧州を中心に、冷凍ショーケースやルームエアコンの冷媒としても注目されている。
一方、冷凍サイクルの冷媒圧縮機に使用される冷凍機油は、摺動部の潤滑,シール部の密封,発熱部の冷却,電気的な絶縁等を担う役割を果たしている。そして、冷媒圧縮機の省エネルギー化,小型化,低騒音化,高効率化が要求される昨今では、冷凍機油の使用条件が苛酷となっている。したがって、このような苛酷な使用条件で冷媒圧縮機の信頼性を確保するため、優れた潤滑性が冷凍機油に要求されている。
冷凍機油としては、ポリオールエステル油やエーテル油がハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒との相溶性が優れるとして使用されている。また、冷蔵庫では自然系冷媒であるR600a(イソブタン)用冷凍機油としてナフテン系鉱油やパラフィン系鉱油が冷媒との相溶性が良く、安価であることから広く使われている。
R290(プロパン)はこれら冷凍機油との相溶性が高すぎ、冷媒/冷凍機油混合液の粘度低下から発生する圧縮機の潤滑不良が懸念される。また、R290(プロパン)は分子中に塩素やフッ素を含まないため、冷媒自体の潤滑性が望めない。
これに対して、粘度低下防止のためハイドロカーボン(HC)冷媒と難溶性であるポリアルキレングリコール油を用いる方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、潤滑性を上げるため、冷凍機油として高潤滑性のポリオールエステル油を用いる方法がある(例えば、特許文献2参照)。また、添加剤を添加することで潤滑性を向上させるため、リン系の極圧添加剤を添加する方法がある(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−129275号公報 特開2003−41278号公報 特開2003−275013号公報
特許文献1においては、ポリアルキレングリコール油自体の潤滑性が劣るため、摺動部の摩耗を起こしやすい。
特許文献2においては、冷凍機油であるポリオールエステル油が冷媒との相溶性がよいため、プロパンが冷凍機油に溶け込み過ぎると、冷媒圧縮機に封入するプロパンの量を予め増加させる必要がある。可燃性ガスであるプロパンの封入量を規制すると冷媒圧縮機が初期の性能を発揮しない場合も起こりうる。R290冷媒は可燃性であり、安全性の面において封入量は少ない方が好ましい。
特許文献3においては、リン系の添加剤が高温・高負荷状態では熱安定性に劣るため分解して燐酸を生成し、冷凍機油の劣化を促進させる原因となるおそれがある。
従って、自然系冷媒であるプロパンを使用した冷媒圧縮機においては、従来の冷媒圧縮機と比較して、潤滑性を向上させるとともに、冷凍機油へのプロパンの溶解量を低減することができる冷媒圧縮機が望まれている。
本発明は、潤滑性に優れるとともに、冷媒としてのプロパンの冷凍機油への溶解量を低減することができる冷媒圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクルを提供することを課題とする。
本発明に係る冷媒圧縮機は、モータと、モータに回転軸を介して連結されて冷媒を圧縮する圧縮機部とを、冷凍機油を貯溜する密閉容器内に収納する冷媒圧縮機であって、冷媒はR290であり、冷凍機油としてC−(CH2OCOR)4又は(R−COOCH2)3−C−O−C−(CH2OCO−R)3(但し、Rは炭素数11〜19のアルキル基)で表されるポリオールエステル油を含有する。
本発明によれば、潤滑性に優れるとともに、冷媒としてのプロパンの冷凍機油への溶解量を低減することができる冷媒圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクルを提供することができる。
図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態における冷媒圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクルは、後記するように、プロパン(R290)を冷媒とし、本発明に係るポリオールエステルを冷凍機油としたことを主な特徴としている。
まず、冷媒圧縮機及びこれを用いた冷凍サイクルについて説明する。図1は、密閉型冷媒圧縮機の断面図である。密閉型冷媒圧縮機には、ロータリ方式,スクロール方式,レシプロ方式等があるが、スクロール方式の密閉型冷媒圧縮機の例を用いて説明する。
この冷媒圧縮機は、油溜めを兼ねた密閉容器1内に圧縮機部2とモータ3とが収納されている。圧縮機部2は旋回スクロール4,固定スクロール5,フレーム6,クランク軸7,オルダムリング8を備える。密閉容器1には外部サイクルと連通する吸入パイプ9が密封接続されている。モータは回転子10及び固定子11からなり、回転子10には鋳鉄製のクランク軸7が嵌着されている。クランク軸7は偏心部12を有し、一端側に中空状に軸穴13が形成されている。また、フレーム6の外周部は密閉容器1に固定されており、クランク軸7の回転を受ける軸受を具備している。クランク軸7の偏心部12には旋回スクロール4が回転自在に取付けられている。フレーム6に設けられた溝と旋回スクロールの反ラップ側の台板に設けられた溝にはオルダムリング8が摺動自在に配設され、旋回スクロールは自転することなく公転する。また、底部には冷凍機油14が貯溜されており、この冷凍機油は、摺動部へと給油される。尚、モータ3内の固定子11にマグネットワイヤを巻き付けるためのスロット(図示省略)がある。その表面は、例えば、エステル系樹脂で形成される絶縁フィルムで被覆される。
図2は、冷凍装置用の冷凍サイクル構成図である。冷凍装置は、冷媒圧縮機15,凝縮器16,減圧装置17、及び蒸発器18を備える。冷媒圧縮機15は、低温低圧の冷媒ガスを圧縮し、高温高圧の冷媒ガスを凝縮器16に送る。凝縮器16に送られた冷媒ガスは、その熱を空気中に放出しながら高温高圧の冷媒液となり、減圧装置17に送られる。減圧装置17を通過する高温高圧の冷媒液は、絞り効果により低温低圧の湿り蒸気となり蒸発器18へ送られる。蒸発器18に送られた冷媒は、周囲から熱を吸収して蒸発する。蒸発器18を通過した低温低圧の冷媒ガスは、再び冷媒圧縮機15に吸い込まれる。このようにして冷凍サイクルが繰り返される。このような冷凍サイクルにおいて、冷凍機等では低温度の蒸発器温度(−40℃以下)を必要とする。ここで冷媒との相溶性が悪い冷凍機油を使用すると熱交換器や膨張機構で冷媒と分離した冷凍機油が蓄積し、圧縮機への油戻り性が低下する。
図3は、空調機用の冷凍サイクル構成図である。冷凍装置は、冷媒圧縮機15,凝縮器16,減圧装置17,蒸発器18、及び四方弁19を備える。冷媒圧縮機15は、低温低圧の冷媒ガスを圧縮し、高温高圧の冷媒ガスを四方弁を介して凝縮器16に送る。凝縮器16に送られた冷媒ガスは、その熱を空気中に放出しながら高温高圧の冷媒液となり、減圧装置17に送られる。減圧装置17を通過する高温高圧の冷媒液は、絞り効果により低温低圧の湿り蒸気となり蒸発器18へ送られる。蒸発器18に入った冷媒は、周囲から熱を吸収して蒸発する。蒸発器18を通過した低温低圧の冷媒ガスは、再び圧縮機に吸い込まれる。このようにして冷凍サイクルが繰り返される。四方弁19により冷媒流路を切り替えることにより、凝縮器16と蒸発器18の作用が入れ替わる。このような冷凍サイクルにおいて、ルームエアコン等では中温度の蒸発器温度(−10℃以下)を必要とする。ここで冷媒との相溶性が悪い冷凍機油を使用すると熱交換器や膨張機構で冷媒と分離した冷凍機油が蓄積し、圧縮機への油戻り性が低下する。
冷媒はR290(プロパン)であり、R290(プロパン)は分子中に塩素やフッ素を含んでいないことから、ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒系と比べて冷媒自身の潤滑性が期待できず、圧縮機の耐摩耗性を低下させる。これに対して、本発明に係る冷凍機油を用いることで、冷媒/冷凍機油混合液の潤滑性を確保できる。また、R290(プロパン)と溶けにくい本発明に係るポリオールエステル油を用いることにより、冷媒溶解度を低下させ十分な油膜確保を可能にし、封入冷媒量の低減も可能となる。
本発明に係るポリールエステル油は、多価アルコールと1価の脂肪酸とから合成され、熱安定性に優れるヒンダードタイプが好ましい。例えば、多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールがある。1価の脂肪酸としては、炭素数が12〜20であり、n−ドデカン酸,n−トリデカン酸,n−テトラデカン酸,n−ペンタデカン酸,n−ヘキサデカン酸,n−ヘプタデカン酸,n−オクタデカン酸,n−ノナデカン酸,n−エイコサン酸,i−ドデカン酸,i−トリデカン酸,i−テトラデカン酸,i−ペンタデカン酸,i−ヘキサデカン酸,i−ヘプタデカン酸,i−オクタデカン酸,i−ノナデカン酸,i−エイコサン酸等があり、これら単独又は2種類以上の混合脂肪酸を用いる。特に、冷凍機油の基油として、分子中にエステル結合を少なくとも4ケ保有する(式1)又は(式2)で示される脂肪酸のエステル油の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
C−(CH2OCOR)4 ・・・(式1)
(R−COOCH2)3−C−O−C−(CH2OCO−R)3 ・・・(式2)
(但し、(式1)及び(式2)において、Rは炭素数11〜19のアルキル基を表す。)
ポリオールエステル油の粘度(JIS K 2283で測定)は、100℃において10〜30mm2/sの範囲とする。粘度が10mm2/s未満であると、プロパン(R290)が溶解して粘度が低くなってしまい、圧縮機摺動部での油膜が十分に保持されず、潤滑性を保つことができない。さらに、圧縮部のシール性を保つのも困難となる。これに対して、粘度が30mm2/sを超えると、粘性抵抗,摩擦抵抗等の機械損失が増大することから圧縮機効率を低下させ、更には粘性が大きくなり圧縮機への油戻り量が少なくなってしまう問題がある。プロパン(R290)では、フロン系冷媒対応油と比べて若干高めの粘度グレードの冷凍機油を用いることが潤滑性やシール性の上で好ましい。また、粘度指数(JIS K 2283で測定)は120以上であり、(式1)及び(式2)のRにおける主成分の炭素数が11未満の脂肪酸を用いたポリオールエステル油は100以下であり、これを満足しない。粘度指数は油種によって異なり一律に比較はできないが、エステル油の場合では、(式1)及び(式2)のRにおける主成分の炭素数に比例する。冷凍サイクル低温部での冷凍機油の滞留を考慮し、圧縮機への油戻り量が確保しやすい粘度指数120以上が好ましい。粘度指数が大きいほど温度による粘度変化が少ないため上限は特にない。
また、圧縮機モータに使用する有機絶縁材料については、電気絶縁の耐熱クラスが電気絶JEC−6147(電気学会電気規格調査標準規格)に規定されている。しかし、冷凍空調機器用の有機絶縁材料の場合、冷媒雰囲気中という特殊な環境で使用されるため、温度以外にも圧力による変形・変性を抑制することを考慮する必要がある。更には、冷媒や冷凍機油といった有極性化合物にも接触するため、耐溶剤性,耐抽出性,熱的・化学的・機械的安定性,耐冷媒性(クレージング(皮膜にストレスを与えた後、冷媒に浸漬すると発生する微細な蛇腹状クラック),ブリスタ(皮膜に吸収された冷媒が、温度上昇によって引き起こされる皮膜の気泡))等も考慮しなくてはいけない。空調機用の絶縁材料としては耐熱クラス(B種130℃以上)の絶縁材料を使用する必要がある。
圧縮機内で最も多く使用される絶縁材料はPET(ポリエチレンテレフタレート)である。用途としては、分布巻モータの鉄心とのコイル絶縁にフィルム材が用いられ、コイルの縛り糸、モータの口出し線の被覆材に繊維状のPETが使用されている。これ以外の絶縁フィルムとしては、PPS(ポリフェニレンサルファイド),PEN(ポリエチレンナフタレート),PEEK(ポリエーテルエーテルケトン),PI(ポリイミド),PA(ポリアミド)などが挙げられる。また、コイルの主絶縁被覆材料には、THEIC変性ポリエステル,ポリアミド,ポリアミドイミド,ポリエステルイミド,ポリエステルアミドイミド等が使用され、ポリエステルイミド−アミドイミドのダブルコートを施した二重被覆銅線が好ましく使用される。
本発明に係る冷凍機油に、消泡剤,潤滑性向上剤,酸化防止剤,酸捕捉剤,金属不活性剤等を添加することもできる。特に、ポリオールエステル油は、水分共存下で加水分解に起因する劣化が生じるため、酸化防止剤,酸捕捉剤の配合が必要である。酸化防止剤としては、フェノール系であるDBPC(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)が好ましい。酸捕捉剤としては、エポキシ系,カルボジイミド系などがあるが、脂肪族のエポキシ化合物が一般的に用いられる。
表1に各冷凍機油の性状を示す。
Figure 2010031134
尚、表1において、No.1〜No.5のポリオールエステル(POE)は、それぞれ以下の化学式で表される。
No.1:(式1)
C−(CH2−O−CO−R2)4 ・・・(式1)
(R2は、炭素数17及び15のアルキル基を表す。)
No.2:(式2)
C−(CH2−O−CO−R2)4 ・・・(式1)
(R2は、炭素数7及び8のアルキル基を表す。)
No.3:(式1),(式2)の混合物
C−(CH2−O−CO−R2)4 ・・・(式1)
O−(CH2−C−(CH2−O−CO−R2)3)2 ・・・(式2)
(R2は、炭素数7及び8のアルキル基を表す。)
No.4:(式1),(式2)の混合物
C−(CH2−O−CO−R2)4 ・・・(式1)
O−(CH2−C−(CH2−O−CO−R2)3)2 ・・・(式2)
(R2は、炭素数17及び15のアルキル基を表す。)
No.5:(式1),(式2)の混合物
C−(CH2−O−CO−R2)4 ・・・(式1)
O−(CH2−C−(CH2−O−CO−R2)3)2 ・・・(式2)
(R2は、炭素数17及び15のアルキル基を表す。)
油膜形成性,シール性,粘性抵抗、及び油戻り性についての評価は次の基準で行った。
〔油膜形成性及びシール性〕100℃における動粘度が10mm2/秒以上であって、かつ粘度指数が120を超える化合物の油膜形成性及びシール性は非常に良好として表1中「◎」と記した。100℃における動粘度が10mm2/秒以上であって、かつ粘度指数が120未満の化合物の油膜形成性及びシール性は良好として表1中「○」と記した。そして、100℃における動粘度が10mm2/秒近傍で、かつ粘度指数が120近傍ではあるが、その両方が下回っている化合物の油膜形成性及びシール性は普通として表1中「△」と記した。
〔粘性抵抗〕100℃における動粘度が30mm2/秒未満のものは粘性抵抗が非常に良好として表1中「◎」と記した。30mm2/秒以上のものは粘性抵抗が普通として表1中「△」と記した。
〔油戻り性〕二酸化炭素と相溶性を示すポリオールエステル(POE)であって、粘度指数が120を超えるものは油戻り性が非常に良好であるとして表1中「◎」と記した。粘度指数が90前後のものは油戻り性が良好であるとして表1中「○」と記した。
〔ポリオールエステルの評価〕冷凍機油としてのポリオールエステルは、100℃における動粘度が10〜30mm2/秒であり、かつその粘度指数が120以上であることが望ましい。
次に、圧縮機内の有機絶縁材料の評価としてオートクレーブ試験を実施した。冷凍機油として化合物No.1を封入した。絶縁フィルムには耐熱グレード(B種130℃)のPETフィルムを用いた。また、エナメル銅線にはポリエステルイミド−ポリアミドイミドの二重被覆線を用いた。
絶縁材料の評価項目について説明する。絶縁フィルムについては、試験前後での引張強度保持率及び伸び保持率を測定した。保持率50%以上を目標とした。また、エナメル銅線に関しては外観変化や鉛筆硬度変化,巻付特性,絶縁破壊電圧(JIS C 3003)を測定した。耐冷媒性ではクレージングとブリスタを観察した。これらの項目については、試験前後で変化がないことを目標とした。
表2は、絶縁フィルムの耐油/冷媒性評価として行ったオートクレーブテストの結果を示している。冷凍機油は化合物No.1のポリオールエステル油を用いた。オートクレーブ試験条件としては、SUS製の耐圧容器(200ml)に供試品として長さ50mm,幅3mmのダンベル形状に加工した絶縁材料を入れ、冷凍機油としてポリオールエステル油40g、冷媒としてプロパン20gを注入後、密封し、130℃で最大40日加熱後、油の色,酸価,供試品の外観,強度などを測定した。油中の水分は50ppmとした。
試験後の冷凍機油の酸価測定はJIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に従った。色相についてはJIS K2580「石油製品色試験方法」に従った。また、絶縁材料の引張強度はJIS C2111「電気絶縁紙試験方法」に準じて行った。評価の結果、冷凍機油の劣化は認められなかった。絶縁材料についても外観,引張強度,可撓性等異常なしであることを確認した。この試験方法は加速試験であり、実際の稼動年数に換算すると10年以上に値する。
Figure 2010031134
表3は、エナメル線の耐油/冷媒性評価として行ったオートクレーブテストの結果を示している。冷凍機油は化合物No.1のポリオールエステル油を用いた。オートクレーブ試験条件としては、SUS製の耐圧容器(200ml)に供試品として長さ18cmのツイストペアと10cmのエナメル線を入れ、冷凍機油としてポリオールエステル油40g、冷媒としてプロパン20gを注入後密封し、150℃で最大40日加熱後、油の色,酸価,供試品の外観,皮膜強度などを測定した。油中の水分は50ppmとした。
試験後の冷凍機油の酸価測定は、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に従った。色相については、JIS K2580「石油製品色試験方法」に従った。また、エナメル線の評価はJIS C3003「エナメル線試験方法」、JIS C3202「エナメル線」に準じて行った。評価の結果、冷凍機油の劣化は認められなかった。また、エナメル銅線については、鉛筆硬度が5H、巻付特性が自己径に巻き付けても皮膜に亀裂等見られず良好であった。絶縁破壊電圧も初期値とほぼ同等の14.8kV、クレージングやブリスタも発生していないことを外観から確認でき、目標を満足できた。この試験方法は加速試験であり、実際の稼動年数に換算すると10年以上に値する。
Figure 2010031134
尚、本発明はR290(プロパン)冷媒を用いた圧縮機に関するものであり、本発明に係る圧縮機は、冷凍装置又は空調機等に使用される冷凍サイクルに適用することが可能である。
本発明によれば、モータと、モータに回転軸を介して連結されて冷媒を圧縮する圧縮機部とを、冷凍機油を貯溜する密閉容器内に収納する冷媒圧縮機であって、冷媒はR290であり、冷凍機油としてC−(CH2OCOR)4又は(R−COOCH2)3−C−O−C−(CH2OCO−R)3(但し、Rは炭素数11〜19のアルキル基)で表されるポリオールエステル油を含有するので、電気的絶縁性を良好に維持することができるとともに、冷媒としてのプロパン(R290)と冷凍機油との相溶性が適度であって、冷凍機油中に溶け込んだプロパン(R290)が発泡することを抑制することができ、摺動部での耐摩耗性に優れる冷媒圧縮機及びこれを搭載した冷凍サイクルを提供することができる。
密閉型冷媒圧縮機の断面図。 冷凍機用の冷凍サイクル構成図。 空調機用の冷凍サイクル構成図。
符号の説明
1 密閉容器
2 圧縮機部
3 モータ
4 旋回スクロール
5 固定スクロール
6 フレーム
7 クランク軸
8 オルダムリング
9 吸入パイプ
10 回転子
11 固定子
12 偏心部
13 軸穴
14 冷凍機油
15 圧縮機
16 凝縮器
17 減圧装置
18 蒸発器
19 四方弁

Claims (4)

  1. モータと、前記モータに回転軸を介して連結されて冷媒を圧縮する圧縮機部とを、冷凍機油を貯溜する密閉容器内に収納する冷媒圧縮機において、
    前記冷媒はR290であり、
    前記冷凍機油として(式1)又は(式2)で表されるポリオールエステル油を含有することを特徴とする冷媒圧縮機。
    C−(CH2OCOR)4 ・・・(式1)
    (R−COOCH2)3−C−O−C−(CH2OCO−R)3 ・・・(式2)
    但し、Rは炭素数11〜19のアルキル基である。
  2. 請求項1において、前記ポリオールエステル油は、100℃における動粘度が10〜30mm2/秒であり、粘度指数が120以上であることを特徴とする冷媒圧縮機。
  3. 請求項1又は2に記載の冷媒圧縮機を備えた冷凍サイクル。
  4. 請求項3に記載の冷凍サイクルを備えた冷凍装置又は空調機。
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