JP3373879B2 - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP3373879B2
JP3373879B2 JP03854293A JP3854293A JP3373879B2 JP 3373879 B2 JP3373879 B2 JP 3373879B2 JP 03854293 A JP03854293 A JP 03854293A JP 3854293 A JP3854293 A JP 3854293A JP 3373879 B2 JP3373879 B2 JP 3373879B2
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清 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は冷媒に1,1,1,2
−テトラフルオロエタン(以下R134aという)等の
塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を用いる冷凍サイク
ルで、鉱物油やアルキルベンゼン油を基油としてこれに
ポリオールエステル油を混合した冷凍機油を使用する冷
凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫、自動販売機及びショーケース用
の圧縮機は従来冷媒としてジクロロジフルオロメタン
(以下R12という)を多く使用していた。このR12
はオゾン層の破壊の問題からフロン規制の対象となって
いる。そして、このR12の代替冷媒としてR134a
を代表とする塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒(HF
C,FC)が冷凍機用として検討されている(例えば、
特開平1−271491号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷媒R
134aは現在使われている鉱物油やアルキルベンゼン
油等の冷凍機油との相溶性が悪く、圧縮機への油の戻り
の悪化や寝込み起動時の分離冷媒の吸い上げなどから圧
縮機の潤滑不良に至る問題があった。
【0004】このため、本発明者らは冷媒R134aと
相溶性のある冷凍機油としてポリオールエステル系油を
検討した。しかし、このポリオールエステル系油は冷媒
圧縮機、特に回転型圧縮機に使用する場合に、熱により
分解して生成する脂肪酸で摺動部材に腐食を起こさせ、
摩耗を生じさせることが判った。
【0005】そして、本発明者らは冷媒としてR134
aと冷凍機油としてポリオールエステル系油とを組合わ
せて冷媒圧縮機に使用すべく研究を重ねた結果、上記問
題の他に、ポリオールエステル系油は、水分の影響によ
り加水分解を起こして全酸価が上昇し、金属石鹸が生成
されてスラッジとなり、冷凍サイクルに悪影響を与えた
り、酸素や塩素の影響により、分解、酸化劣化、重合反
応が起こり、金属石鹸や高分子スラッジが生成されて冷
凍サイクルに悪影響を与えることをつきとめた。
【0006】一方、本発明者らは冷媒としてR134a
を使用した場合、冷凍機油として鉱物油やアルキルベン
ゼン油に特殊なポリオールエステル油を加えることによ
り、冷凍機油が冷凍サイクル中で圧縮機に帰還できるこ
とを見出した。
【0007】そこで、本発明者らは鉱物油やアルキルベ
ンゼン油に特殊なポリオールエステル油を加えると共
に、ポリオールエステル油に特定の原料を使用し、特定
の物性範囲で使用したり、特殊な添加剤を加えたり、弗
化炭化水素系冷媒の純度を高い値に維持したり、冷凍サ
イクルの平衡水分を抑えたりすることにより、上記の問
題を解決できることを見いだした。
【0008】この発明は上記の問題を解決することによ
り、良好な冷凍装置を得ることを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1記載
の如く、塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒と冷凍機油
を冷凍サイクル中に封入した冷凍装置であって、前記弗
化炭化水素系冷媒は、純度が99.95重量%以上で、
塩素系冷媒の混入が80ppm以下であり、前記冷凍機
油は、アルキルベンゼン油或いは鉱物油よりなる群から
選ばれる少なくとも1種の基油に、多価アルコールと脂
肪酸とからなるポリオールエステル系油を10〜50
%含有させた混合油(以下、混合油という)を使用し
てなり、前記ポリオールエステル系油は、ポリオール
と、直鎖構造の脂肪酸又はアルキル基に側鎖のある脂肪
を無触媒で重合したもので、流動点が−40℃以下、
二液分離温度が−20℃以下、全酸価が0.02mgK
H/g以下で、粘度が40℃で8〜100cst、粘
度指数が80以上のものとしたのである。
【0010】
【0011】また、請求項記載の如く、冷凍サイクル
内の平衡水分(下式Iで示す)が運転初期状態において
200ppm以下である請求項1記載の冷凍装置とし
た。 [(冷凍サイクル内の残留水分量)/(充填オイル量+充填冷媒量)] × 106ppm … I また、請求項記載の如く、冷凍サイクル内の残留酸素
量は、冷凍サイクル内容積の0.01vol%以下にさ
れている請求項1記載の冷凍装置とした。
【0012】また、請求項記載の如く、混合油には、
添加剤として2,6ジターシャリブチルパラクレゾール
(DBPC)等のフェノール系酸化防止剤が0.1〜
0.5重量%添加されている請求項1記載の冷凍装置と
した。
【0013】また、請求項記載の如く、混合油には、
20ppm以下のベンゾトリアゾール(BTA)等の銅
不活性化剤が添加されている請求項1記載の冷凍装置と
した。
【0014】また、請求項記載の如く、混合油には、
重量%以下のトリクレジルフォスフェート(TCP)
等の極圧添加剤が添加されている請求項1記載の冷凍装
置とした。
【0015】更に、請求項記載の如く、混合油には、
0.1〜0.5wt%のエポキシ系添加剤が添加されて
いる請求項1記載の冷凍装置とした。
【0016】
【作用】この発明は上記のように構成したことにより、
以下の作用を奏する。
【0017】請求項1の構成により、本発明の混合油中
のポリオールエステル油は、冷凍装置で使用する全温度
帯にて弗化炭化水素系冷媒との相溶性が良好となり、冷
媒とオイルの二層分離をなくすことができる。
【0018】このため、冷凍サイクル中の−30℃以下
の低温領域で常にポリオールエステル油が弗化炭化水素
系冷媒(例えば134a)に溶解した状態で存在し、全
体として低粘度になるため、圧縮機への油戻りが良好と
なる。
【0019】一方、混合油は鉱物油又はアルキルベンゼ
ン油を基油としているため、ポリオールエステル油の弊
害、即ち、圧縮機の摺動部の摩擦熱等による加水分解を
極力低減することができ、金属石鹸の生成を抑制してス
ラッジを殆ど無くすことができる。従って、圧縮機の油
面低下はなくなり、軸受摺動部への給油を確保でき、噛
りや焼付きを防止できる。
【0020】しかも、本発明の混合油中のポリオールエ
ステル油は、油自身の保有するエステル結合が主に圧縮
機の軸、軸受の鉄系摺動部表面に分子配向して潤滑性を
高める作用と、冷媒(134a)に溶けやすい作用とに
より、実粘度を下げることができ、機械損失を低減して
圧縮機の成績係数を向上できる。
【0021】また、弗化炭化水素系冷媒の純度を極めて
高いものとしたので、冷凍サイクル中の異物の混入やC
FCの混入が殆どなく、塩素がポリオールエステル油を
分解して脂肪酸となり、金属と反応して金属石鹸を生成
するのを抑制でき、スラッジの析出を低減し、ポリオー
ルエステル油と冷媒との相溶性を確保して安定した性能
を得ることができる。
【0022】また、請求項2の構成により、冷凍装置の
運転初期において、オイルが加水分解を起こすのを防止
することができ、全酸化の低減、金属石鹸の生成による
スラッヂの発生を抑制して摺動部での潤滑特性を確保で
きる。
【0023】また、請求項3の構成により、ポリオール
エステル油の酸化劣化、重合によるスラッヂを防止する
ことができ、信頼性に優れた冷凍装置を提供できる。
【0024】また、請求項4の構成により、このポリオ
ールエステル油は、グリコール油等に比べて酸化劣化安
定性を向上でき、圧縮機の性能、信頼性を向上できる。
【0025】また、請求項5の構成により、軸受摺動面
となる銅表面に吸着し、その触媒作用を抑制することが
でき、加水分解を抑制できる。
【0026】また、請求項6の構成により、軸受摺動面
に強力な化学吸着膜を形成することができ、摺動部の潤
滑性をより良好として噛りや焼付きを防止できる。
【0027】また、請求項7の構成により、加水分解を
抑制することができ、全酸価を低減して金属石鹸の生成
を抑制し、装置の信頼性を向上できる。
【0028】
【実施例】以下この発明を図に示す実施例に基いて説明
する。
【0029】図1は回転型圧縮機の縦断面図である。図
1において、Aは冷凍装置を構成する冷凍サイクルであ
り、圧縮機B、凝縮器C、減圧装置D、蒸発器E、乾燥
器Fを配管接続して構成される。そして、前記圧縮機B
は以下の構造を有する。
【0030】1は密閉容器で、この容器内には上側に電
動要素2が、下側にこの電動要素によって駆動される回
転圧縮要素3が夫々収納されている。電動要素2は有機
系材料で絶縁された巻線4を有する固定子5とこの固定
子の内側に設けられた回転子6とで構成されている。回
転圧縮要素3はシリンダ7と、回転軸8の偏心部9によ
ってシリンダ7の内壁に沿って回転させるローラ10
と、このローラの周面に圧接されてシリンダ7内を吸込
側と吐出側とに区画するようにバネ11で押圧されるベ
ーン12と、シリンダ7の開口を封じるとともに、回転
軸8を軸支する上部軸受13及び下部軸受14とで構成
されている。
【0031】そして、上部軸受13にはシリンダ7の吐
出側と連通する吐出孔15が設けられている。また、上
部軸受13には吐出孔15を開閉する吐出弁16と、こ
の吐出弁を覆うように吐出マフラ17とが取付けられて
いる。
【0032】ローラ10とベーン12とは鉄系材料で形
成されている。
【0033】密閉容器1内の底部にはR134aの冷媒
との相溶性が悪いが、耐摩耗性、酸化安定性、電気絶縁
性等に優れ、40℃における動粘度が36.2cstの
パラフィン系やナフテン系の鉱物油あるいはアルキルベ
ンゼン油に、後述するR134aの冷媒との相溶性があ
り、40℃における動粘度が30.7cstの多価アル
コールと脂肪酸とからなるポリオールエステル系油(後
に詳述する)の含有された混合油18が冷凍機油として
貯溜されている。
【0034】混合油18にはポリオールエステル系油が
10〜50重量%含有されている。そして、ポリオール
エステル系油は好ましくは20重量%含有させる。
【0035】ここで、一般的に、回転圧縮機Bの吐出管
20から吐出される冷媒と一緒にこの密閉容器1内から
凝縮器C側へ吐出される冷凍機油は冷媒圧力の高い高温
領域では冷媒によって冷凍サイクルAを流れるが、冷媒
圧力の低い低温領域ではオイル粘度が高くなって流動性
が失われ、冷凍サイクルA内に停滞しやすくなる。すな
わち、冷凍機油は蒸発器E内に残留しやすくなる。特に
冷媒との相溶性の悪いパラフィン系やナフテン系の鉱物
油あるいはアルキルベンゼン油等の冷凍機油はこの冷凍
機油の凝固点温度が冷媒によって低くならず、蒸発器E
内でオイル粘度が高くなって流動性が損なわれる。これ
を解決するために、本実施例では上記のように、この鉱
物油あるいはアルキルベンゼン油等の基油に、R134
aの冷媒と相溶性のあるポリオールエステル系油が10
〜50重量%含有されている。そして、この混合油18
はポリオールエステル系油中に溶け込むR134aの冷
媒で凝固点温度が下げられ、粘度の上昇を抑え、蒸発器
E内での流動性が損なわれないようにされている。
【0036】鉱物油あるいはアルキルベンゼン油に含有
されるポリオールエステル系油は10〜50重量%に抑
えることにより、混合油18の化学的安定が損なわれな
いようにされている。
【0037】このことは次の実験によって確認された。
すなわち、図3に示すような冷凍サイクル試験機でその
混合油18の戻り状態を確認するとともに、空気雰囲気
中で鉄、銅を触媒として冷凍機油の全酸価の評価を行
い、その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】25は回転圧縮機Bに相当する回転圧縮
機、26は凝縮器Cに相当する熱交換器、27は減圧装
置(キャピラリチューブ)Dに相当する減圧装置、28
は蒸発器Eに相当する熱交換器で、これらは配管接続さ
れている。回転圧縮機25には冷凍機油の量を確認する
サイトグラス29が取付けられている。試験条件は、回
転圧縮機25の容量を175W、熱交換器26の凝縮温
度を40℃、熱交換器28の蒸発温度を−25℃、使用
冷媒をR134aとし、アルキルベンゼン油とポリオー
ルエステル系油との混合比を変えたときの混合油18の
油戻り性の確認を行った。
【0040】また、空気雰囲気中のアルキルベンゼン油
とポリオールエステル系油との混合比を変えた混合油1
8に鉄、銅の触媒を入れて、90℃に加熱して30日経
過後の全酸価を測定した。
【0041】この結果、表1からアルキルベンゼン油に
ポリオールエステル系油を10〜50重量%含有させた
ときに混合油18の油戻り性と熱安定性が良いことわか
るが、その理由はポリオールエステル系油をアルキルベ
ンゼン油より少なめにすることにより、回転圧縮機25
の摺動部での摩擦熱によるポリオールエステル系油の加
水分解が抑えられるからと考えられる。また、ポリオー
ルエステル系油の混合比率が高くなると、混合油18の
油戻り性が良くなるのは、ポリオールエステル系油にR
134aの冷媒が溶け込み混合油18の凝固点温度が下
がり、蒸発器28内での混合油18の粘度の低下が抑え
られるからと考えられる。
【0042】すなわち、ポリオールエステル系油は含有
率が50%を越えると回転圧縮機25の摺動部の摩擦熱
でこのポリオールエステル系油が加水分解を起こし、摺
動部が脂肪酸で腐食を起こす危険がある。
【0043】尚、上記混合油18に混合されるポリオー
ルエステル系油は、詳述すると、トリメチロールプロパ
ンやペンタエリスリトール等の3価以上のポリオール
と、直鎖構造の脂肪酸又はアルキル基に側鎖のある脂肪
を無触媒で重合したもので、流動点が−50℃、二液
分離温度が−30℃、全酸価が0.01mgKOH/g
以下で、粘度が40℃で32cst、粘度指数が95の
ものを使用する。
【0044】このポリオールエステル油には、長期保存
下の酸化劣化を防止する目的で、添加剤として2,6ジ
ターシャブチルパラクレゾール(DBPC)のフェノー
ル系酸化防止剤が0.3wt%添加されており、また、
加水分解を防止する目的で、0.25wt%のエポキシ
系添加剤が添加されている。
【0045】尚、このポリオールエステル油には、必要
に応じて5ppmのベンゾトリアゾール(BTA)の銅
不活性化剤、及び1wt%のトリクレジルフォスフェー
ト(TCP)の極圧添加剤が添加される。
【0046】冷凍サイクルAには、塩素を含まない弗化
炭化水素系冷媒、例えばR134aが封入されている。
【0047】R134aは、純度が99.97wt%
で、塩素系冷媒の混入が56ppmに調整される。ま
た、冷凍サイクルA内の平衡水分(下式Iで示す)が運
転初期状態において150ppmとなるように調整され
ている。 [(冷凍サイクル内の残留水分量)/(充填オイル量+充填冷媒量)] × 106ppm … I また、冷凍サイクルAに使用する乾燥器Fには、水分吸
着剤のポア径が3Å程度のものが使用されている。更
に、冷凍サイクルA内の残留酸素量は、サイクル内容積
の0.005vol%に調整されている。
【0048】また、圧縮機Bの電動要素2のうち、巻線
4は、内側に耐熱エステル(THEIC)又はエステル
イミドからなる層を施し、かつ、外側にアミドイミドか
らなる層を施した二層構造の絶縁材料が被覆されてお
り、又、巻線4間等を絶縁する絶縁紙Hとして低オリゴ
マ仕様(3量体として0.6wt%以下)のPETフィ
ルムが使用されている。
【0049】そして、オイル18は回転圧縮要素3の摺
動部材であるローラ10とベーン12との摺動面を潤滑
している。
【0050】回転圧縮要素3のシリンダ7内に流入して
ローラ10とベーン12との協働で圧縮される冷媒は混
合油18中のポリオールエステル系油と相溶性のあるR
134aで形成されている。
【0051】19は密閉容器1に取付けてシリンダ7の
吸込側に冷媒を案内する吸込管、20は密閉容器1の上
壁に取付けられて回転圧縮要素3で圧縮されて電動要素
2を介して密閉容器1外に冷媒を吐出する吐出管であ
る。
【0052】このように構成された回転型圧縮機に使用
される冷凍機油組成物において、吸込管19からシリン
ダ7内の吸込側に流入した冷媒R134aはローラ10
とベーン12との協働で圧縮され、吐出孔15を通って
吐出弁16を開放して吐出マフラ17内に吐出される。
この吐出マフラ内の冷媒は電動要素2を介して吐出管2
0から密閉容器1外に吐出される。そして、オイル18
は回転圧縮要素3のローラ10やベーン12等の摺動部
材の摺動面に供給されて潤滑を行っている。また、シリ
ンダ7内で圧縮された冷媒が低圧側にリークしないよう
にしている。
【0053】本実施例によれば上記の構成により、以下
の作用を奏する。
【0054】請求項1の構成により、本発明の混合油1
8はポリオールエステル系油によって冷凍装置Aで使用
する全温度帯にてR134aとの相溶性が良好となり、
冷媒とオイルの二層分離をなくすことができる。
【0055】このため、冷凍サイクルA中の−30℃以
下の低温領域で常にポリオールエステル油が134aに
溶解した状態で存在し、全体として低粘度になるため、
圧縮機Bへの油戻りが良好となる。従って、圧縮機Bの
油面低下はなくなり、軸受摺動部8,13,14への給
油を確保でき、噛りや焼付きを防止できる。
【0056】しかも、本発明の混合油18は、ポリオー
ルエステル系油自身が保有するエステル結合が主に圧縮
機Bの軸8、軸受13,14の鉄系摺動部表面に分子配
向して潤滑性を高める作用と、冷媒(134a)に溶け
やすい作用とにより、実粘度を下げることができ、機械
損失を低減して圧縮機Bの成績係数を向上できる。
【0057】また、請求項2の構成により、134a冷
媒の純度を極めて高いものとしたので、冷凍サイクルA
中の異物の混入やCFCの混入が殆どなく、混合油18
と冷媒との相溶性を確保して安定した性能を得ることが
できる。
【0058】また、請求項3の構成により、冷凍装置の
運転初期において、オイルが加水分解を起こすのを防止
することができ、全酸化の低減、金属石鹸の生成による
スラッヂの発生を抑制して摺動部での潤滑特性を確保で
きる。
【0059】また、請求項4の構成により、混合油18
中のポリオールエステル系油の酸化劣化、重合によるス
ラッヂを防止することができ、信頼性に優れた冷凍装置
を提供できる。
【0060】また、請求項5の構成により、混合油18
中のポリオールエステル油は、グリコール油等に比べて
酸化劣化安定性を向上でき、圧縮機Bの性能、信頼性を
向上できる。
【0061】このことは、DBPCを添加した本発明の
混合油18中のポリオールエステル系油を封入したシー
ルドチューブテストによる実験結果からも確認された。
【0062】即ち、90℃×29日のエージングで、水
分を200ppmに調整した条件において、DBPCを
添加した本発明のポリオールエステル系油18によれ
ば、初期段階において、全酸価が0.01以下となり、
良好な結果が得られた。
【0063】また、請求項6の構成により、軸受摺動面
8,10,13,14となる銅表面に吸着し、その触媒
作用を抑制することができ、加水分解を抑制できる。
【0064】また、請求項7の構成により、軸受摺動面
8,10,13,14に強力な化学吸着膜を形成するこ
とができ、摺動部8,10,13,14の潤滑性をより
良好として噛りや焼付きを防止できる。
【0065】また、請求項8の構成により、加水分解を
抑制することができ、全酸価を低減して金属石鹸の生成
を抑制し、装置の信頼性を向上できる。
【0066】以上の作用効果は、図2に示す実機による
耐久試験結果からも確認された。
【0067】即ち、横軸に耐久テストの時間を取り、縦
軸にコンタミ量(スラッジ量)を取った図2のグラフに
ついて、添加剤(DBPC,エポキシ等)を添加した本
発明の混合油18の試料Zを使用し、装置の製造基準を
本発明のように制限した基準B(冷媒の純度、冷凍サイ
クルA内の水分、塩素、酸素量を制限したもの)による
試料Vが最良の結果を示した。
【0068】また、添加剤を加えない場合でも本発明の
混合油18は従来のポリオールエステル系油単独のもの
に比べてコンタミ量が低減されていることも確認され
た。
【0069】尚、図2中、試料I〜IVの内容は以下の通
りである。
【0070】
【表2】
【0071】但し、添加剤X:DBPC+BTA 但し、添加剤Y:DBPC+BTA+TCP 添加剤Z:DBPC+BTA+TCP+エポキシ 製造基準A:(従来の基準) 冷媒の純度:99.90wt% 冷凍サイクルA内の平衡水分量:600ppm 冷凍サイクルA内の残留酸素量:0.03vol% 冷凍サイクルA内の塩素残量:400ppm 製造基準B:(本発明の基準) 冷媒の純度:99.95wt% 冷凍サイクルA内の平衡水分量:200ppm 冷凍サイクルA内の残留酸素量:0.01vol% 冷凍サイクルA内の塩素残量:100ppm 尚、本実施例では塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒と
してR134aを例に説明したが、これに限定されるも
のではなく、他のHFCの冷媒に対しても本発明のポリ
オールエステル系油は優れた相溶性を発揮し、これらの
冷媒に対しても適用できる。
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、冷凍機油
を混合油とし、鉱物油又はアルキルベンゼン油を基油と
したので、ポリオールエステル油の弊害、即ち、圧縮機
の摺動部の摩擦熱等による加水分解を極力低減すること
ができ、金属石鹸の生成を抑制してスラッジを殆ど無く
すことができる。また、混合油中のポリオールエステル
油に特定の原料を使用し、特定の物性範囲で使用した
り、特殊な添加剤を加えたり、弗化炭化水素系冷媒の純
度を高い値に維持したり、冷凍サイクルの平衡水分を抑
えたりすることにより、R134aをポリオールエステ
ル系油に溶け込ませた状態で圧縮機に帰還させることが
でき、オイル戻りを良好にすることができると共に、水
分の影響による加水分解を抑制して全酸価を低減し、金
属石鹸の生成を抑制して冷凍サイクルに悪影響を与える
のを防ぐと共に、酸素や塩素の影響による、分解、酸化
劣化、重合反応を抑制して金属石鹸や高分子スラッジの
生成を防ぎ、良好な冷凍装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す回転型圧縮機の縦断
面図である。
【図2】冷凍装置の実機による耐久試験結果を示すグラ
フ。
【図3】冷凍サイクル試験機の回路図である。
【符号の説明】
A 冷凍装置 B 回転圧縮機 F 乾燥器 1 密閉容器 3 回転圧縮要素 10 ローラ 12 ベーン 18 混合油
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C10M 105/00 C10M 105:06 105:06 105:38 105:38) C10M 101:02 (C10M 111/02 129:10 101:02 129:18 105:38) 133:44 (C10M 169/04 137:04 101:02 C10N 20:00 A 105:06 20:02 105:38 30:00 Z 129:10 30:04 129:18 30:06 133:44 30:10 137:04) 30:14 C10N 20:00 40:30 20:02 30:00 30:04 30:06 30:10 30:14 40:30 (72)発明者 田中 清 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 渡邉 正人 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−5098(JP,A) 特開 平5−25484(JP,A) 特開 昭56−125494(JP,A) 特開 昭61−62596(JP,A) 特開 平4−28792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 C10M 101/02 C10M 105/00 C10M 105/06 C10M 105/38 - 105/46 C10M 111/02 C10M 129/10 - 129/14 C10M 129/18 C10M 133/44 C10M 137/04 - 137/10 C10M 169/04 C10N 20:00 - 20:02 C10N 30:00 C10N 30:04 - 30:06 C10N 30:10 C10N 30:14 C10N 40:30 C09K 5/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒と冷
    凍機油を冷凍サイクル中に封入した冷凍装置であって、前記弗化炭化水素系冷媒は、純度が99.95重量%以
    上で、塩素系冷媒の混入が80ppm以下であり、 前記冷凍機油は、アルキルベンゼン油或いは鉱物油より
    なる群から選ばれる少なくとも1種の基油に、多価アル
    コールと脂肪酸とからなるポリオールエステル系油を1
    0〜50重量%含有させた混合油(以下、混合油とい
    う)を使用してなり、前記ポリオールエステル系油は、
    ポリオールと、直鎖構造の脂肪酸又はアルキル基に側鎖
    のある脂肪酸を無触媒で重合したもので、流動点が−4
    0℃以下、二液分離温度が−20℃以下、全酸価が0.
    02mgKH/g以下で、粘度が40℃で8〜100
    cst、粘度指数が80以上のものであることを特徴と
    する冷凍装置。
  2. 【請求項2】 冷凍サイクル内の平衡水分(下式Iで示
    す)が運転初期状態において200ppm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。 [(冷凍サイクル内の残留水分量)/(充填オイル量+充填冷媒量)] × 106ppm … I
  3. 【請求項3】 冷凍サイクル内の残留酸素量は、冷凍サ
    イクル内容積の0.01vol%以下にされていること
    を特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  4. 【請求項4】 混合油には、添加剤としてフェノール系
    酸化防止剤が0.1〜0.5重量%添加されていること
    を特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  5. 【請求項5】 混合油には、20ppm以下の銅不活性
    化剤が添加されていることを特徴とする請求項1記載の
    冷凍装置。
  6. 【請求項6】 混合油には、2重量%以下の極圧添加剤
    が添加されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍
    装置。
  7. 【請求項7】 混合油には、0.1〜0.5重量%のエ
    ポキシ系添加剤が添加されていることを特徴とする請求
    項1記載の冷凍装置。
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