JP3510860B2 - 冷凍装置 - Google Patents
冷凍装置Info
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Description
1,2−テトラフルオロエタン(以下R134aとい
う)等の塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を用いる冷
凍サイクルで、ポリオールエステル油を基油とした冷凍
機油を有する冷凍装置に関する。
の圧縮機は従来冷媒としてジクロロジフルオロメタン
(以下R12という)を多く使用していた。このR12
はオゾン層の破壊の問題からフロン規制の対象となって
いる。そして、このR12の代替冷媒としてR134a
を代表とする塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒(HF
C,FC)が冷凍機用として検討されている(例えば、
特開平1−271491号公報参照)。
134aは現在使われている鉱物油やアルキルベンゼン
油等の冷凍機油との相溶性が悪く、圧縮機への油の戻り
の悪化や寝込み起動時の分離冷媒の吸い上げなどから圧
縮機の潤滑不良に至る問題があった。
相溶性のある冷凍機油としてポリオールエステル系油を
検討した。しかし、このポリオールエステル系油は冷媒
圧縮機、特に回転型圧縮機に使用する場合に、熱により
分解して生成する脂肪酸で摺動部材に腐食を起こさせ、
摩耗を生じさせることが知られている。
aと冷凍機油としてポリオールエステル系油とを組合わ
せて冷媒圧縮機に使用すべく研究を重ねた結果、上記問
題の他に、ポリオールエステル系油は、水分の影響によ
り加水分解を起こして全酸価が上昇し、金属石鹸が生成
されてスラッジとなり、冷凍サイクルに悪影響を与えた
り、酸素や塩素の影響により、分解、酸化劣化、重合反
応が起こり、金属石鹸や高分子スラッジが生成されて冷
凍サイクルに悪影響を与えることをつきとめた。
水素系冷媒中にも塩素系冷媒の混入があり、この混入量
が多いと塩素量が多くなってポリオールエステル油の分
解、酸化劣化、重合反応により金属石鹸の生成や高分子
スラッジの生成を招き、冷凍サイクルの蒸発器等に停滞
してしまうという問題があることをつきとめた。
器、各種配管等の構成部品に残留する塩素量について
も、その量が多いと上述したような問題が生じるという
ことをつきとめた。
には鉱物油が使用されており、この鉱物油は弗化炭化水
素系冷媒に溶解し難いため、一定量を越えて残留してい
ると冷凍サイクル中の蒸発器等に固化して停滞し、冷凍
能力を低下させたり、機器を損傷させるという問題が生
じることをつきとめた。
油と弗化炭化水素系冷媒とを使用した冷凍装置におい
て、弗化炭化水素系冷媒の純度を高い値に維持したり、
冷凍サイクルの平衡水分や塩素残量を抑えたりすること
により、上記の問題を解決できることを見いだした。
塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒(例えばR134
a)との相溶性のあるポリオールエステル系油を冷凍機
油として使用したときの上記の問題を解決し、良好な冷
凍装置を得ることを目的とするものである。
の如く、塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を用いる冷
凍サイクルで、ポリオールエステル油を基油とした冷凍
機油を有する冷凍装置であって、弗化炭化水素系冷媒
は、純度が99.95wt%以上で、塩素系冷媒の混入
が80ppm以下であり、冷凍装置を構成部品に残留す
る塩素量を、冷凍サイクル内に封入される油と冷媒の総
量に対して20ppm以下とし、更に冷凍サイクル内の
残留酸素量を冷凍サイクル内容積の0.01vol%以
下にした。
圧縮機、凝縮器、各種配管等の構成部品に残留する塩素
量についても、その量を規制したため、ポリオールエス
テル油の分解、酸化劣化、重合反応、による金属石鹸の
生成や高分子スラッジの生成を防ぎ、冷凍サイクルの蒸
発器等にスラッジが停滞するのを防止できる。
い弗化炭化水素系冷媒を用いる冷凍サイクルで、ポリオ
ールエステル油を基油とした冷凍機油を有する冷凍装置
であって、弗化炭化水素系冷媒は、純度が99.95w
t%以上で、塩素系冷媒の混入が80ppm以下であ
り、冷凍サイクルに封入される弗化炭化水素系冷媒中の
塩素系冷媒の混入量と、冷凍装置の構成部品に残留する
塩素量との総量を、冷凍サイクル内に封入される油と冷
媒の総量に対して100ppm以下とし、更に冷凍サイ
クル内の残留酸素量を冷凍サイクル内容積の0.01v
ol%以下にした。
される弗化炭化水素系冷媒中の塩素系冷媒の混入量と、
冷凍装置の構成部品に残留する塩素量との総量を、冷凍
サイクル内に封入される油と冷媒の総量に対して100
ppm以下に規制したので、冷凍サイクル中の塩素の混
入を装置全体として規制でき、ポリオールエステル油の
分解、酸化劣化、重合反応による金属石鹸の生成や高分
子スラッジの生成を防ぎ、安定した性能を発揮できる冷
凍装置を提供できる。
基いて説明する。
1において、Aは冷凍装置を構成する冷凍サイクルであ
り、圧縮機B、凝縮器C、減圧装置D、蒸発器E、乾燥
器Fを配管接続して構成される。そして、前記圧縮機B
は以下の構造を有する。
動要素2が、下側にこの電動要素によって駆動される回
転圧縮要素3が夫々収納されている。電動要素2は有機
系材料で絶縁された巻線4を有する固定子5とこの固定
子の内側に設けられた回転子6とで構成されている。回
転圧縮要素3はシリンダ7と、回転軸8の偏心部9によ
ってシリンダ7の内壁に沿って回転させるローラ10
と、このローラの周面に圧接されてシリンダ7内を吸込
側と吐出側とに区画するようにバネ11で押圧されるベ
ーン12と、シリンダ7の開口を封じるとともに、回転
軸8を軸支する上部軸受13及び下部軸受14とで構成
されている。
出側と連通する吐出孔15が設けられている。また、上
部軸受13には吐出孔15を開閉する吐出弁16と、こ
の吐出弁を覆うように吐出マフラ17とが取付けられて
いる。
成されている。
プロパンやペンタエリスリトール等の3価以上のポリオ
ールと、直鎖又は側鎖のアルキル系脂肪酸とを無触媒で
重合した原料からなり、流動点が−50℃、二液分離温
度が−30℃、全酸価が0.01mgKOH/g以下
で、粘度が40℃で32cst、粘度指数が95のポリ
オールエステル油のオイル18が貯溜されている。
下の酸化劣化を防止する目的で、添加剤として2,6ジ
ターシャリブチルパラプレソール(DBPC)のフェノ
ール系酸化防止剤が0.3wt%添加されており、ま
た、加水分解を防止する目的で、0.25wt%のエポ
キシ系添加剤が添加されている。
に応じて5ppmのベンゾトリアゾール(BTA)の銅
不活性化剤、及び1wt%のトリクレジルフォスフェー
ト(TCP)の極圧添加剤が添加される。
炭化水素系冷媒、例えばR134aが封入されている。
で、塩素系冷媒の混入が56ppmに調整される。ま
た、冷凍サイクルA内の平衡水分(下式Iで示す)が運
転初期状態において150ppmとなるように調整され
ている。 また、冷凍サイクルAに使用する乾燥器Fには、水分吸
着剤のポア径が3Å程度のものが使用されている。更
に、冷凍サイクルA内の残留空気量は、サイクル内容積
の0.005wt%に調整されている。
冷凍サイクル内容積の0.01vol%以下に調整され
ている。
器C等の構成部品の加工や組立工程に使用する油には、
アルキルベンゼンハード油(以下、HABという)又は
エステル系油を使用しており、HABを使用した場合
は、その使用量を冷凍サイクルAへの油の封入量の10
%以下となるよう管理されている。
量は、冷凍サイクルA内に封入される油18と134a
冷媒の総量に対して20ppm以下となるよう管理され
ている。
4a冷媒中の塩素系冷媒(CFC,HCFC等)の混入
量と、冷凍装置の構成部品に残留する塩素量との総量
が、冷凍サイクルA内に封入される油18と冷媒の総量
に対して100ppm以下となるよう管理される。
4は、内側に耐熱エステル(THEIC)又はエステル
イミドからなる層を施し、かつ、外側にアミドイミドか
らなる層を施した二層構造の絶縁材料が被覆されてお
り、又、巻線4間等を絶縁する絶縁紙Hとして低オリゴ
マ仕様(3量体として0.6wt%以下)のPETフィ
ルムが使用されている。
動部材であるローラ10とベーン12との摺動面を潤滑
している。
ローラ10とベーン12との協働で圧縮される冷媒はポ
リオールエステル系油のオイル18との相溶性のあるR
134aで形成されている。
吸込側に冷媒を案内する吸込管、20は密閉容器1の上
壁に取付けられて回転圧縮要素3で圧縮されて電動要素
2を介して密閉容器1外に冷媒を吐出する吐出管であ
る。
される冷凍機油組成物において、吸込管19からシリン
ダ7内の吸込側に流入した冷媒R134aはローラ10
とベーン12との協働で圧縮され、吐出孔15を通って
吐出弁16を開放して吐出マフラ17内に吐出される。
この吐出マフラ内の冷媒は電動要素2を介して吐出管2
0から密閉容器1外に吐出される。そして、オイル18
は回転圧縮要素3のローラ10やベーン12等の摺動部
材の摺動面に供給されて潤滑を行っている。また、シリ
ンダ7内で圧縮された冷媒が低圧側にリークしないよう
にしている。
の作用を奏する。
たので、冷凍サイクルA中の異物の混入やCFCの混入
が殆どなく、塩素がポリオールエステル油18を分解し
て脂肪酸となり、金属と反応して金属石鹸を生成するの
を抑制でき、スラッジの析出を低減し、ポリオールエス
テル油18と134a冷媒との相溶性を確保して安定し
た性能を得ることができる。
ル18が加水分解を起こすのを防止することができ、全
酸価の低減、金属石鹸の生成によるスラッジの発生を抑
制して摺動部8,13,14での潤滑特性を確保でき
る。
ポリオールエステル系油18を封入したシールドチュー
ブテストによる実験結果からも確認された。
分を200ppmに調整した条件において、DBPCを
添加した本発明のポリオールエステル系油18によれ
ば、初期段階において、全酸価が0.01mgKOH/
g以下となり、良好な結果が得られた。
化、重合によるスラッヂを防止することができ、信頼性
に優れた冷凍装置を提供できる。
ポリオールエステル系油18を封入したシールドチュー
ブテストによる実験結果からも確認された。
凍サイクルA内の残留酸素量を0.01vol%以下に
調整した条件において、DBPCを添加した本発明のポ
リオールエステル系油18によれば、初期段階におい
て、全酸価が0.01mgKOH/g以下となり良好な
結果が得られた。
aに溶解し易いアルキルベンゼンハード油(HAB)や
エステル油を使用し、HABを使用した場合には、その
使用量を制限したため、工程副資材の残留塩素量を大幅
に低減でき、冷凍サイクルA中の蒸発器E等に固化する
のを防止して、冷凍能力の低下や機器B,C,D,E,
Fの損傷を未然に防止できる。
置を構成する圧縮機B、凝縮器C、各種配管等の構成部
品に残留する塩素量についても、その量を規制したた
め、ポリオールエステル油18の分解、酸化劣化、重合
反応、による金属石鹸の生成や高分子スラッジの生成を
防ぎ、冷凍サイクルAの蒸発器E等にスラッジが停滞す
るのを防止できる。
ルAに封入される134a冷媒中の塩素系冷媒の混入量
と、冷凍装置の構成部品に残留する塩素量との総量を、
冷凍サイクルA内に封入される油18と冷媒の総量に対
して100ppm以下に規制したので、冷凍サイクルA
中の塩素の混入を装置全体として規制でき、ポリオール
エステル油18の分解、酸化劣化、重合反応による金属
石鹸の生成や高分子スラッジの生成を防ぎ、安定した性
能を発揮できる冷凍装置を提供できる。
耐久試験結果からも確認された。
軸にコンタミ量(スラッジ量)を取った図2のグラフに
ついて、添加剤(DBPC,エポキシ等)を添加した本
発明のポリオールエステル系油18の試料Zを使用し、
装置の製造基準を本発明のように制限した基準B(冷媒
の純度、冷凍サイクルA内の水分、塩素、酸素量を制限
したもの)による試料IVが最良の結果を示した。
通りである。
してR134aを例に説明したが、これに限定されるも
のではなく、他のHFCの冷媒に対しても本発明のポリ
オールエステル系油は優れた相溶性を発揮し、これらの
冷媒に対しても適用できる。
化水素系冷媒の純度を高い値に維持したり、冷凍サイク
ルの平衡水分を抑えたり、冷凍サイクル内の残留酸素量
を制限したり、構成部品の加工や組立工程に使用する油
に、アルキルベンゼンハード油(以下、HABという)
又はエステル系油を使用したり、塩素系冷媒の混入量や
構成部品に残留する塩素量を制限することにより、ポリ
オールエステル系油の、水分の影響による加水分解を抑
制して全酸価を低減し、金属石鹸の生成を抑制して冷凍
サイクルに悪影響を与えるのを防ぐと共に、酸素や塩素
の影響による、分解、酸化劣化、重合反応を抑制して金
属石鹸や高分子スラッジの生成を防ぎ、良好な冷凍装置
を得ることができる。
面図である。
フ。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を用
いる冷凍サイクルで、ポリオールエステル油を基油とし
た冷凍機油を有する冷凍装置であって、弗化炭化水素系
冷媒は、純度が99.95wt%以上で、塩素系冷媒の
混入が80ppm以下であり、冷凍装置を構成部品に残
留する塩素量を、冷凍サイクル内に封入される油と冷媒
の総量に対して20ppm以下とし、更に冷凍サイクル
内の残留酸素量を冷凍サイクル内容積の0.01vol
%以下にすることを特徴とする冷凍装置。 - 【請求項2】 塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を用
いる冷凍サイクルで、ポリオールエステル油を基油とし
た冷凍機油を有する冷凍装置であって、弗化炭化水素系
冷媒は、純度が99.95wt%以上で、塩素系冷媒の
混入が80ppm以下であり、冷凍サイクルに封入され
る弗化炭化水素系冷媒中の塩素系冷媒の混入量と、冷凍
装置の構成部品に残留する塩素量との総量を、冷凍サイ
クル内に封入される油と冷媒の総量に対して100pp
m以下とし、更に冷凍サイクル内の残留酸素量を冷凍サ
イクル内容積の0.01vol%以下にすることを特徴
とする冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001012834A JP3510860B2 (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001012834A JP3510860B2 (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 冷凍装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02416993A Division JP3219519B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 冷凍装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001241783A JP2001241783A (ja) | 2001-09-07 |
JP3510860B2 true JP3510860B2 (ja) | 2004-03-29 |
Family
ID=18879777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001012834A Expired - Lifetime JP3510860B2 (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 冷凍装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3510860B2 (ja) |
-
2001
- 2001-01-22 JP JP2001012834A patent/JP3510860B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001241783A (ja) | 2001-09-07 |
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