JP2002127341A - 光拡散板用ビーズコートフィルム積層体 - Google Patents

光拡散板用ビーズコートフィルム積層体

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JP2002127341A
JP2002127341A JP2000327265A JP2000327265A JP2002127341A JP 2002127341 A JP2002127341 A JP 2002127341A JP 2000327265 A JP2000327265 A JP 2000327265A JP 2000327265 A JP2000327265 A JP 2000327265A JP 2002127341 A JP2002127341 A JP 2002127341A
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beads
bead
bead coat
film laminate
polyacrylic resin
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JP2000327265A
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Mikio Matsuoka
幹雄 松岡
Yoshihisa Yamamoto
義久 山元
Naoki Mizuno
直樹 水野
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ビーズコート層を有
し、光源から導光板を経て導かれた光線を均一に拡散さ
せるための光拡散板の構成材として好適な光拡散板用ビ
ーズコートフィルム積層体を提供する。 【解決手段】 二軸配向ポリエステルフィルムを
基材とし、該基材の少なくとも一方の面に主としてポリ
アクリル系樹脂ビーズとバインダーからなるビーズコー
ト層を有するビーズコートフィルム積層体であって、前
記ビーズコート層に含有されるポリアクリル系樹脂ビー
ズが、ポリアクリル系樹脂ビーズ全体に対し着色ビーズ
を個数比率で10〜100%含有し、かつポリアクリル
系樹脂ビーズの平均粒径Dに対して、粒径が(√2−
1)D以上であるポリアクリル系樹脂ビーズが全ポリア
クリル系樹脂ビーズのうち個数比率で90%以上であっ
て、さらにビーズコートフィルム積層体全体の光線透過
率(JIS K7105に準拠して測定)が90%以上
であることを特徴とする光拡散板用ビーズコートフィル
ム積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビーズコート層を
有し、光源から導光板を経て導かれた光線を均一に拡散
させるための光拡散板の構成材として好適な光拡散板用
ビーズコートフィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】優れた透明性、寸法安定性、耐薬品性か
ら各種フィルムとして多く利用されている二軸配向ポリ
エステルフィルムの内、ビーズをコートしたフィルム
は、内装建材用、高級意匠性包装フィルムなどの各種意
匠性フィルム、タッチパネルの表面材、、再帰反射フィ
ルム、液晶表示装置の光拡散フィルムとして多岐に渡り
使用されている。
【0003】現在汎用されている液晶表示装置において
は、液晶素子の裏側に配設された蛍光管(バックライ
ト)より照射された光線が、導光層を経て、拡散層によ
り均一に拡散通過され、拡散板の上方に配置された液晶
表示画面に導かれる構成になっている。ところが、従来
のビーズをコートしたフィルムは、基材との相関により
色調が黄色くなる欠点が生じ、液晶表示装置の光拡散フ
ィルムや、タッチパネルの表面材等としての使用には不
十分であった。
【0004】そこでビーズをコートした層(ビーズコー
ト層)に着色して上記欠点をカバーしようとする試みを
種々検討されているが、いずれも着色を十分にカバーす
ることは不可能であった。一般にビーズコート層に着色
する場合には、ビーズコート層に主として顔料を含有さ
せる方法が用いられている。顔料を用いる場合、耐水
性、堅牢性、耐候性などが優れているが、顔料分散工程
が必須であり、ビーズコート層を形成するためのコート
液の顔料分散性が必要である。また、顔料を使用する
と、塗工性が悪くなる等不都合な点が多く、染料を使用
する方が製造時の作業性は向上する。しかし、一般には
コート液のバインダー成分として水溶性樹脂を使用する
が、水溶性樹脂を水溶性染料により着色する場合は、水
溶性樹脂及び染料が水に溶解するため、ビーズコート層
の色落ちを生じ、耐水性に劣るという欠点があり、油溶
性染料、分散染料などの疎水性染料を使用する場合に
は、水溶性樹脂と染料とが相溶性を有さないため、ビー
ズコート層形成後に樹脂と疎水性染料が分離して良好な
着色状態を示さず、水溶性樹脂を用いて耐水性と着色性
を両立させるのは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色調
が黄色くなる欠点を解消し、画像斑が減少して光学的に
均一で、透明性に優れて、耐久性にも優れた光拡散板用
ビーズコートフィルム積層体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の構成を有す
る。 (1) 二軸配向ポリエステルフィルムを基材とし、該
基材の少なくとも一方の面に主としてポリアクリル系樹
脂ビーズとバインダーからなるビーズコート層を有する
ビーズコートフィルム積層体であって、前記ビーズコー
ト層に含有されるポリアクリル系樹脂ビーズが、ポリア
クリル系樹脂ビーズ全体に対し着色ビーズを個数比率で
10〜100%含有し、かつポリアクリル系樹脂ビーズ
の平均粒径Dに対して、粒径が(√2−1)D以上であ
るポリアクリル系樹脂ビーズが全ポリアクリル系樹脂ビ
ーズのうち個数比率で90%以上であって、さらにビー
ズコートフィルム積層体全体の光線透過率(JIS K
7105に準拠して測定)が90%以上であることを特
徴とする光拡散板用ビーズコートフィルム積層体。 (2) 前記基材が、前記二軸配向ポリエステルフィル
ムの両面に高分子易接着層を形成してなることを特徴と
する(1)記載の光拡散板用ビーズコートフィルム積層
体。 (3) 前記高分子易接着層が、共重合ポリエステル系
樹脂およびブロック型イソシアネート基含有する樹脂か
ら主としてなることを特徴とする(2)記載の光拡散板
用ビーズコートフィルム積層体。 (4) 前記基材が、内部に、実質的に粒子を含有せ
ず、かつ、大きさ20μm以上の異物が1平方メートル
当たり10個以下であることを特徴とする(1)乃至
(3)のいずれか一項に記載の光拡散板用ビーズコート
フィルム積層体。 (5) 前記ポリアクリル系樹脂ビーズが、平均粒径3
〜50μmであることを特徴とする(1)乃至(4)の
いずれか一項に記載の光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体。 (6) 前記着色ビーズが青色であることを特徴とする
(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の光拡散板用ビ
ーズコートフィルム積層体。
【0007】なお、本発明において「フィルム」の厚み
は特に限定されず、いわゆる「シート」も含む。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用するビーズコートフ
ィルム積層体の基材である二軸配向ポリエステルフィル
ムを構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、若しくはこ
れらの樹脂の構成ポリマー成分を主成分とする共重合体
などが挙げられるが、中でもポリエチレンテレフタレー
トが特に好適である。なお、これらは、1種を単独で使
用しても、2種以上を併用しても良い。
【0009】ポリエステル系樹脂として共重合体を用い
る場合、そのジカルボン酸成分としてはアジピン酸、セ
バシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、及び2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピ
ロメリロット酸等の多官能カルボン酸等が用いられる。
また、グリコール成分としてはエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピ
レングリコール及びネオペンチルグリコール等の脂肪酸
グリコール;p−キシレングリコール等の芳香族グリコ
ール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族
グリコール;平均分子量が150〜20000のポリエ
チレングリコール等が用いられる。共重合体を用いる場
合、ポリエステル系樹脂中の、共重合体の比率は20%
未満であるのが好ましい。共重合体の比率が20%以上
となると、フィルム強度、透明性、耐熱性が低下する場
合がある。
【0010】また、上記ポリエステル系樹脂には、本発
明の作用を阻害しない範囲で各種の添加剤が含有されて
いても良い。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、U
V吸収剤、安定剤等が挙げられる。
【0011】本発明に使用するビーズコートフィルム積
層体の基材である二軸配向ポリエステルフィルムを構成
するポリエステル系樹脂の固有粘度は、0.45〜0.
70dl/gの範囲であるのが好ましい。固有粘度が
0.45dl/g未満であると、基材のフィルム成形時
に破断が多発しやすくなり、またフィルムの劈開が生じ
る可能性がある。一方、0.70dl/gを超えると、
後述のように溶融状態での濾過を行う際に濾圧上昇が大
きくなり、高精度濾過が困難となりやすく、フィルムの
熱収縮率も大きくなる。
【0012】本発明に使用する基材は、透明性向上のた
め、内部に、ハンドリング性(易滑性、巻き取り性、耐
ブロッキング性など)や耐スクラッチ性などの改良を目
的とした不活性粒子の含有量は少ない方が好ましいが、
粒子含有量が少なく透明性が高い程、後述のような粒子
に起因する微小な凹凸による光学欠点はより鮮明となる
傾向にあるため、粒子を実質的に含有しないのがさらに
好ましい。なお、「実質的に粒子を含有しない」とは、
基材中の粒子を構成する主成分の含有量が、蛍光X線分
析法で定量した際の検出限界以下であることを意味す
る。基材の透明性を維持しながら、ハンドリング性や耐
スクラッチ性の向上は、後述のように、高分子易接着層
を形成した場合に、該高分子易接着層に不活性粒子等の
表面粗化物質としての粒子を含有させることになどによ
り達成できる。
【0013】さらに、本発明に使用する基材は、内部
に、大きさ20μm以上の異物が1平方メートル当たり
10個以下であるのが好ましい。上記のような異物を含
有させないためには、後述のように基材のフィルム成形
時に押し出し機からTダイまでの任意の段階で溶融状態
で高精度濾過する方法などが挙げられる。基材内部に異
物が存在すると、基材のフィルム形成時の冷却過程に於
いて該異物の周囲で結晶化が進み、フィルム形成時の延
伸工程に於いて延伸の不均一性を引起こし微小な厚みの
差異を生じて、その部分付近がレンズ状態となりやす
い。レンズ状態となると、光がその部分で屈折、又は散
乱し肉眼で目視した時には実際の異物より大きく見える
ようになる。上記のような微小な厚みの差は凸部の高さ
と凹部の深さとして測定できる。凸部の高さは1μm未
満でるあるのが好ましく、また凹部の深さが0.5μm
未満であるのが好ましい。凸部の高さおよび/または凹
部の深さが上記範囲以外となると、レンズ効果により大
きさが20μmの形状の物でも、肉眼での目視時には5
0μm以上の大きさとして認識され、さらには100μ
m以上の大きさの光学欠点として認識される場合もあ
る。なお、基材の厚みが200μmを超える場合は、未
延伸シート形成時に回転冷却ロールでフィルムの厚み方
向全体を急冷することが困難になってフィルムの結晶化
が進み、透明度が低下する傾向にある。さらに、単位面
積当たりの異物の個数が同じであっても、フィルムの厚
み方向への異物の総数は増加するので、特に上記のよう
な異物を含有しないことが好ましい。特に、大きさ20
μm以上の異物が1平方メートル当たり10個以下とす
ることにより、後述のビーズコート層における斑の発生
を防止し、本発明の光拡散板用ビーズコートフィルム積
層体を光拡散板の構成材として用いる液晶素子が大型化
しても良好な画像状態が得られる。
【0014】本発明に使用する基材の厚みは特に限定さ
れないが、好ましくは50μm以上であるのがよく、1
00μm以上であるのが光学用としてがさらに好まし
い。基材の厚みが50μm未満であると、剛性が不十分
となる傾向がある。
【0015】本発明に使用する基材は、機械的強度の点
から、二軸配向されている必要がある。
【0016】本発明に使用する基材は、ヘイズ値(JI
S K7105に準拠して測定)が1.0%以下である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.8%以下、特に
好ましくは0.6%以下であるのがよい。ヘイズ値が
1.0%を超えると、本発明の光拡散板用ビーズコート
フィルム積層体全体の光線透過率を90%以上とするこ
とが困難になり、光拡散板の構成材として用いた場合の
光の輝度が低下し、画像の鮮明度が低下しやすい。
【0017】本発明においてビーズコート層は、着色ビ
ーズを含有するポリアクリル系樹脂ビーズとバインダー
を主成分とする。上記ポリアクリル系樹脂ビーズを構成
するポリアクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2エチル
ヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の
モノマー成分から合成されるものが挙げられる。上記モ
ノマー成分は1種であっても2種以上が用いられていて
も良い。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸
〜」とは、(メタ)アクリル酸メチルがアクリル酸メチ
ルおよび/またはメタアクリル酸メチルを示すように、
「アクリル酸〜」と「メタアクリル酸〜」の双方を表
す。さらに上記ポリアクリル系樹脂は、2種以上の上記
樹脂を混合したものでもよく、また、本発明の作用を阻
害しない範囲で、他の樹脂や添加剤等を含有していても
良い。
【0018】本発明に使用するポリアクリル系樹脂ビー
ズは、ポリアクリル系樹脂ビーズの平均粒径Dに対し
て、粒径が(√2−1)D以上であるポリアクリル系樹
脂ビーズが全ポリアクリル系樹脂ビーズのうち個数比率
で90%以上であることが必要である。粒径が(√2−
1)D未満のものが多く含まれると、ビーズが密に充填
した状態で、その隙間に粒径が(√2−1)D未満のも
のが入り込み、充填率が上がるが、全体としては充填率
が上がると、ビーズによる光の遮蔽効果が増大し、特に
光拡散板用としては好ましくない。さらには部分的に充
填率が上がった場合、その部分の光拡散効率が他の部分
と異なり、画像斑として発現しやすくなり、部分的な光
濃度の差が生じる。
【0019】本発明に使用するポリアクリル系樹脂ビー
ズは、ビーズそのものに着色を施した着色ビーズを用い
ることにより、着色の不均一性をなくすことができる。
ポリアクリル系樹脂ビーズのうち、着色ビーズは青色で
あるのが好ましい。着色ビーズは青色として、ビーズコ
ート層に均一に青みを付与することにより、色調が黄色
くなる欠点を効果的に解消できる。ポリアクリル系樹脂
ビーズにおける着色ビーズの比率は、ビーズコート層の
着色濃度に応じて適宜設定できるが、ポリアクリル系樹
脂ビーズ全体の総個数に対し着色ビーズを個数比率で1
0〜100%含有する必要がある。好ましくは着色ビー
ズを個数比率で70〜30%含有するのが良い。着色ビ
ーズの混合比率が10%未満であると、部分的に色斑の
濃い所、即ち画像斑が出現する。
【0020】本発明に使用するポリアクリル系樹脂ビー
ズの形状は、真球であるのが好ましい。ポリアクリル系
樹脂ビーズの形状が真球でない場合、ビーズコート層形
成時に、ビーズコート層形成用の塗布液の塗工時に生じ
る塗布液の流れにより微小な異方構造が発生し、ビーズ
コート層に光学的な異方性が発生しやすい。
【0021】本発明において、「真球」とは、ポリアク
リル系樹脂ビーズ(以下、ビーズと略することもあ
る。)10gを、エタノールとH2Oの 50/50(重
量比、エタノール/H2O)混合溶剤100gに分散さ
せてその分散液をフィルム上にマイヤーバー#5にて塗
工し、フィルムの0.5×0.5(mm)の面を電子顕
微鏡の倍率200倍で観察し、観測される粒子の直径を
任意の位置から角度をπ/4ずつずらした8箇所で測定
し、その最大値と最小値の比が1.01以下である粒子
の個数比率が99%以上であるものを言う。
【0022】本発明に使用するポリアクリル系樹脂ビー
ズの平均粒径は3〜50μmであるのが好ましく、さら
に好ましくは5〜30μm、特に好ましくは5〜20μ
mである。 平均粒径が3μm未満ではビーズコート層
の耐堅牢性や耐傷性が低下しやすく、50μmを超える
とポリアクリル系樹脂ビーズが脱落しやすくなって、バ
インダー量が増加するが、バインダー量が増加するとバ
インダーの種類によっては透明性が低下する場合があ
る。
【0023】本発明に使用するポリアクリル系樹脂ビー
ズの製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を使用
できる。例えば、エマルジョン重合により、メタクリル
酸メチルモノマーおよび他のアクリル系モノマーや架橋
成分など含むモノマー混合液に、重合開始剤と石鹸、必
要に応じて無機顔料などの色剤などを加え、これを水中
で撹拌し乳濁状態で重合させる方法が挙げられる。ビー
ズ粒径の調整は、攪拌条件、石鹸などの使用により行
う。
【0024】本発明においてビーズコート層は、主とし
てバインダーとポリアクリル系樹脂ビーズからなるが、
バインダーは、いわゆるコーティング主剤となるもので
ある。バインダーの成分は特に限定されず、透明性を有
する皮膜形成性の化合物から形成される成分を主として
含有すればよい。本発明において、皮膜形成性とは、塗
布時に使用する溶媒の蒸発や、重合反応、架橋反応、基
材との化学反応、表面融着反応、電気的な沈着反応等に
より、基材表面に連続した皮膜を形成する性質をいう。
尚、本発明において、皮膜とは連続している膜成分を指
し、非成膜成分を含有した所謂塗膜と用語を区別して用
いる。
【0025】上記のような皮膜形成性の化合物として
は、例えば、ポリエステル樹脂,アクリル樹脂,シリコ
ーンアクリル樹脂,フッ素樹脂等の有機物の重合体やそ
れらの重合体のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等
が挙げられる。液体状あるいは個体状であるこれらは、
一般的に、溶剤や水等の溶媒に溶解、分散された形態、
あるいは粉体等で使用される。さらに、ビーズコート層
を構成するバインダーは、上記化合物をベースにして、
UV硬化,EB硬化,熱硬化,イソシアネート硬化,ア
ミンエポキシ硬化などにより架橋したものであってもよ
い。上記のような皮膜形成性の化合物は単独で用いても
よいが、2種以上を併用しても良く、2種以上のプレポ
リマー、オリゴマー、モノマー、架橋剤を反応させても
良い。本発明において、バインダーとしては紫外線硬化
型のアクリレート系樹脂が好ましく、さらに好ましくは
イソシアネートで架橋されたアクリレート系樹脂がよ
い。
【0026】ビーズコート層は、本発明の作用を阻害し
ない範囲で他の成分を含有していても良い。ビーズコー
ト層を主として皮膜形成性を有するバインダーと皮膜形
成成分でないポリアクリル系樹脂ビーズからなる構成と
する場合、ビーズコート層の形成は、例えばバインダー
とポリアクリル系樹脂ビーズを含有する塗布液を基材上
に塗布することにより行われるが、上記塗布液の作成に
おいて、バインダーを、溶媒や分散媒体へ分散、溶解し
た溶液や分散液としてもよい。また、上記塗布液、ある
いは皮膜形成性の化合物の溶液や分散液に、皮膜の一部
と成り得る各種の架橋剤、反応触媒、塗工性向上剤、防
錆剤等、塗布目的によって必要とされる各種添加剤を含
有させても良い。 また、上記塗布液の混合方法や塗布
方法も特に限定されず、通常公知の方法を使用できる。
【0027】さらに、上記塗布液には、一般に塗工用添
加物として使用されているポリマ−粒子やシリコン系,
フッ素系のスティッキング防止剤:カーボン、ホワイト
カーボン、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タル
ク、ケイ砂、ケイ石灰、ベントナイト、アスベスト、パ
ルプ、無水シリカ、ドロマイト粉末、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、リトポン、亜鉛華、酸化鉄、カーボ
ンブラック、酸化クロム、群青、マイカ、ガラスビーズ
などの充填剤または防錆剤等を、本発明の作用を阻害し
ない範囲で含有させても良い。
【0028】ビーズコート層において、バインダーの割
合は好ましくは30〜99重量%、さらに好ましくは6
0〜97重量%であるのがよい。30重量%より少ない
と、ビーズコート層が脆くなり、外観の光沢等が低下し
たり、耐擦過性が低下しやすくなる。また、99重量%
を超えると、ビーズコート層におけるポリアクリル系樹
脂ビーズの含有効果が低下する。また60重量%以上と
すると、ビーズコート層形成時のレベリング性が向上
し、外観性や耐擦過性が向上する。一方、97重量%以
下とすると、ポリアクリル系樹脂ビーズによる光拡散効
果が顕著に現れる。
【0029】なお、ビーズコート層の厚みは特に限定さ
れない。
【0030】本発明の光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体は、基材の少なくとも一方の面にビーズコート層
を有し、その用途によって両面に有しても良いが、光拡
散板の構成材としては、好ましくは両面に有するのがよ
い。
【0031】本発明の光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体は、基材の両面に高分子易接着層を形成し、ビー
ズコート層が高分子易接着層を介して基材上に形成され
るのが好ましい。ビーズコート層が高分子易接着層を介
して基材上に形成されることにより、ビーズコート層の
基材への密着性が向上し、画像斑が発現しにくくなる。
また、ビーズコート層を形成しない面においても、高分
子易接着層を有することにより、光拡散板の構成材とし
て使用時に他層の積層が容易になる。
【0032】高分子易接着層の構成材料は特に限定され
ないが、例えば、共重合ポリエステル系樹脂およびブロ
ック型イソシアネート基を含有する樹脂から主としてな
るものが挙げられる。
【0033】共重合ポリエステル系樹脂としては、分岐
したグリコールを構成成分とする、水溶性あるいは水分
散性の共重合ポリエステル樹脂が挙げられる。上記共重
合ポリエステル樹脂に含有される分岐したグリコール成
分としては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジ
オール、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロ
パンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロ
パンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3
−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロ
パンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−
プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−
1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−
1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ヘ
キシル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
これらは、1種であっても、2種以上であってもよい。
【0034】上記の分岐したグリコール成分は全グリコ
ール成分中、好ましくは10モル%以上、さらに好まし
くは20モル%以上の割合で含有されるのがよい。
【0035】上記共重合ポリエステル樹脂に含有され
る、上記の分岐したグリコール成分化合物以外のグリコ
ール成分としては、エチレングリコールが最も好まし
い。他にジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,4シクロ
ヘキサンジメタノールなどを用いることができるが、少
量であるのが好ましい。
【0036】上記共重合ポリエステル樹脂に構成成分と
して含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸および/またはイソフタル酸が最も好ましい。他の
ジカルボン酸成分、例えば、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸などの脂肪酸ジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよいが、少量で
あるのが好ましい。
【0037】なお、上記共重合ポリエステル樹脂は、通
常溶媒(水あるいは水と他の溶媒の混合溶媒)に溶解あ
るいは分散した状態で使用する。
【0038】高分子易接着層に使用されるブロック型イ
ソシアネート基を含有する樹脂としては、末端イソシア
ネート基を親水性基により封鎖、即ちブロックした、自
己架橋型水溶性ウレタン樹脂が好ましい。なお、上記の
自己架橋型水溶性ウレタン樹脂は、通常溶媒(水あるい
は水と他の溶媒の混合溶媒)に溶解した状態で使用す
る。
【0039】上記自己架橋型水溶性ウレタン樹脂におい
て、末端イソシアネート基をブロックするブロック剤と
しては、重亜硫酸塩類、スルホン基を含有したフェノー
ル類、アルコール類、ラクタム類、オキシム類、活性メ
チレン化合物類等が挙げられる。ブロック化されたイソ
シアネート基は、ウレタンプレポリマーを親水化あるい
は水溶化する。フィルム製造時の乾燥あるいは熱セット
の過程で、上記自己架橋型水溶性ウレタン樹脂に熱エネ
ルギーが与えられると、ブロック剤がイソシアネート基
からはずれるため、上記自己架橋型水溶性ウレタン樹脂
は自己架橋した網目に、共に混合された上記の分岐した
グリコールを構成成分とする共重合ポリエステル樹脂を
固定化し、また該共重合ポリエステル樹脂の末端基とも
反応する。高分子易接着層形成のための塗布液調製時に
は、上記自己架橋型水溶性ウレタン樹脂は、親水性であ
るため耐水性が悪いが、塗布、乾燥および熱セットの過
程を経て熱反応が完了すると、自己架橋型水溶性ウレタ
ン樹脂の親水基すなわちブロック剤がはずれるため、耐
水性が良好な塗膜が得られる。上記ブロック剤のうち、
熱処理温度および熱処理時間が適当で、工業的に広く用
いられているものとして、特に好適なものは重亜硫酸塩
類である。
【0040】上記自己架橋型水溶性ウレタン樹脂におい
て使用される、ウレタンプレポリマーの化学組成として
は、(i)分子内に2個以上の活性水素原子を有する、
分子量が200〜20,000の化合物、(ii)分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイ
ソシアネート、あるいは(iii)分子内に少なくとも
2個の活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得
られ、末端にイソシアネート基を有する化合物が挙げら
れる。
【0041】上記(i)の化合物として一般に知られて
いるのは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基、あるいはメルカプト基
を含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオール等が挙げられる。ポリエーテ
ルポリオールとしては、例えばエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド等のアルキレンオキシド類、スチレンオ
キシドおよびエピクロルヒドリン等を重合した化合物、
あるいはそれらのランダム共重合やブロック共重合ある
いは多価アルコールへの付加重合を行って得られた化合
物等が挙げられる。ポリエステルポリオールおよびポリ
エーテルエステルポリオールとしては、主として直鎖状
あるいは分岐状の化合物が挙げられ、コハク酸、アジピ
ン酸、フタル酸、無水マレイン酸等の多価の飽和あるい
は不飽和のカルボン酸、これらのカルボン酸の無水物等
と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等の多価
の飽和あるいは不飽和のアルコール類、比較的低分子量
のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール
等のポリアルキレンエーテルグリコール類、これらのア
ルコール類の混合物とを縮合することにより生成し得る
ものが挙げられる。さらに、ポリエステルポリオールと
しては、ラクトンおよびヒドロキシ酸から得られるポリ
エステル類が挙げられ、ポリエーテルエステルポリオー
ルとしては、あらかじめ製造されたポリエステル類に、
エチレンオキシド、プロピレンオキシド等を付加せしめ
たポリエーテルエステル類が挙げられる。
【0042】上記(ii)の有機ポリイソシアネートと
しては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳
香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシア
ネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシア
ネート等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、
あるいはそれら化合物の単一種あるいは複数種をトリメ
チロールプロパンなどとあらかじめ付加させたポリイソ
シアネート類が挙げられる。
【0043】上記(iii)の少なくとも2個の活性水
素原子を有する鎖伸長剤としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールなどのグリコール類、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ピぺラジン等のジアミン類、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール
類、チオジエチレングリコール等のチオジグリコール
類、あるいは水が挙げられる。
【0044】上記(iii)の化学組成を有するウレタ
ンプレポリマーを合成するには、上記鎖伸長剤を用いた
一段式あるいは多段式イソシアネート重付加方法によ
り、好ましくは150℃以下、さらに好ましくは70〜
120℃の温度において、5分ないし数時間反応させる
方法が挙げられる。活性水素原子に対するイソシアネー
ト基の当量比は、1以上であれば自由に選べるが、得ら
れるウレタンプレポリマー中に遊離のイソシアネート基
が残存することが必要である。さらに遊離のイソシアネ
ート基の含有量は10重量%以下であればよいが、ブロ
ック化された後のウレタンプレポリマー水溶液の安定性
を考慮すると、7重量%以下であるのが好ましい。
【0045】上記(i)〜(iii)の化学組成を有す
るウレタンプレポリマーは、好ましくは重亜硫酸塩を用
いてブロック化を行う。その具体的な方法は例えば次の
通りである。ウレタンプレポリマーと重硫酸水溶液と混
合し、約5分〜1時間、よく攪拌しながら反応を進行さ
せる。反応温度は60℃以下とするのが好ましい。その
後、水で希釈して適当な濃度にして、自己架橋型水溶性
ウレタン組成物とする。該ウレタン組成物は使用する
際、適当な濃度および粘度に調製するが、通常80〜2
00℃前後に加熱すると、ブロック剤の重亜硫酸塩が解
離し、活性なイソシアネート基が再生するため、プレポ
リマーの分子内あるいは分子間の重付加反応によってポ
リウレタン重合体が生成したり、また他の官能基への付
加を起こす性質を有するようになる。
【0046】上記自己架橋型水溶性ウレタン樹脂は一般
に市販されているものを使用でき、その一例としては、
第一工業製薬(株)製の商品名エラストロンが代表的に
例示される。エラストロンは、重亜硫酸ソーダによって
イソシアネート基をブロックしたものであり、分子末端
に強力な親水性を有するカルバモイルスルホネート基が
存在するため、水溶性となっている。
【0047】本発明において、高分子易接着層を構成す
る組成物中の、共重合ポリエステル樹脂とブロック型イ
ソシアネート基を含有する樹脂との配合比は固形分中の
重量比で、共重合ポリエステル樹脂/ブロック型イソシ
アネート基を含有する樹脂=10/90〜90/10が
好ましく、更に好ましくは30/70〜70/30の範
囲である。固形分中の共重合ポリエステル樹脂の割合が
10重量%未満では、基材への高分子易接着層の密着性
が低下しやすく、また90重量%を超えると、ビーズコ
ート層の密着性が低下しやすい。
【0048】本発明において、高分子易接着層を構成す
る組成物には表面易滑性を付与するために、表面粗面化
物質を添加するのが好ましい。上記表面粗面化物質とし
ては、高分子易接着層を構成する樹脂に密着する粒子で
あれば特に限定されないが、特に平均粒径0.6〜6μ
mの、無機系粒子あるいは有機系粒子が好ましい。更に
好ましくは、無機系粒子としてはシリカ系粒子、炭酸カ
ルシウム系粒子、有機系粒子としてはメラミン系粒子、
ベンゾグアナミン・メラミン共重合樹脂粒子が、高分子
易接着層を構成する樹脂との密着性に優れてよい。他の
組成を有する粒子の場合、高分子易接着層を構成する樹
脂との密着性は低下する。これらは2種以上を混合して
用いても良い。上記粒子の平均粒径が、上記平均粒径の
範囲外である場合、上記粒子組成が、シリカ系粒子、炭
酸カルシウム系粒子、メラミン系粒子、ベンゾグアナミ
ン・メラミン共重合樹脂粒子であっても、高分子易接着
層を構成する樹脂との密着性は低下する。
【0049】上記表面粗面化物質の、高分子易接着層を
構成する組成物中への配合比は、高分子易接着層を形成
する際に塗布液とした場合の、固形分の全重量に対し、
1〜30重量%であるのが好ましく、更に好ましくは3
〜5重量%の範囲である。表面粗面化物質の割合が1重
量%未満であると、表面粗面化物質の配合効果が得にく
く、表面易滑性が低下して後工程においてキズが発生し
やすくなる。表面粗面化物質の割合が30重量%を超え
ると、基材への高分子易接着層の密着性が低下しやす
い。
【0050】高分子易接着層には、さらに必要に応じ
て、本発明の作用を阻害しない範囲で、帯電防止剤、ブ
ロッキング防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、滑剤等を
含有させることができる。
【0051】高分子易接着層を構成成分を含有する塗布
液を塗布して形成する場合、塗布液中の固形分比率は3
0重量%以下であるのが好ましく、さらに好ましくは1
0重量%以下であるのがよい。固形分比率が30重量%
を超えると、塗布時にコートむらが生じ、外観に欠点を
生じやすい。
【0052】本発明において、基材上に高分子易接着層
を形成する方法は特に限定されないが、高分子易接着層
の構成成分と必要に応じて溶媒をあらかじめ所定量混合
して塗布液を調整し、該塗布液をリバースロール・コー
ト法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブ
ラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、
ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・
コート法およびカーテン・コート法等の通常のコーティ
ング方法を単独あるいは組み合わせて用いて基材上へ塗
布し、熱固定化処理を施す方法が挙げられる。
【0053】また、高分子易接着層は、別個に形成した
基材表面に形成しても良いが、好ましくは基材の形成工
程において同時に形成するのが好ましい。未延伸、ある
いは一軸延伸、二軸延伸を施した基材に塗布液を塗布し
た後、さらに延伸を施しても良く、好ましくは、結晶配
向が完成する前の状態で塗布液を塗布するのがよく、一
軸方向に延伸された基材表面に塗布液を塗布し、さらに
先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法がよい。
【0054】基材上に高分子易接着層を形成する方法と
して、塗布液を塗布する方法を用いる場合、塗布液の塗
布厚さは、乾燥時で0.04〜5g/m2が好ましく、
更に好ましくは0.2〜4g/m2である。塗布厚さが
0.04g/m2未満では、基材への高分子易接着層の
密着性が低下しやすく、また表面粗面化物質の密着性も
低下しやすい。乾燥時の塗布厚さが5g/m2を超える
ように塗布すると、塗布液の物性およびレオロジー、加
えて設備などの問題により、均一に塗布しにくくなる。
【0055】本発明の光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体の製造方法は特に限定されない。以下にその具体
例として基材がポリエチレンテレフタレート(以下PE
Tと略称する)からなる場合の製造方法を挙げるが、本
発明はこれに限定されるものではない。実質的に易滑性
付与を目的とした粒子を含有しないPETのペレットを
十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、約280
℃でフィルム状に溶融押し出しし、冷却固化せしめて未
延伸PETフィルムを形成する。この際溶融樹脂が約2
80℃に保たれた任意の場所で樹脂中に含まれる異物を
除去するために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾
過に用いられる濾材は特に限定はされないがステンレス
焼結体の濾材がPET樹脂中の触媒、粒子、添加物に起
因する凝集物、外部からの混入物、及び高融点有機物の
除去性能に優れ好適である。
【0056】上記濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率
95%)は10μm以下であるのが好ましい。10μm
を超えると15μm以上、特に20μm以上の異物が十
分除去できない。
【0057】未延伸フィルムを冷却するには通常良く知
られた方法が取られるが溶融物を回転冷却ドラム上にダ
イスからフィルム状に押し出し、フィルム状溶融物を回
転冷却ドラムに密着させながら、急冷してフィルムとす
る公知の方法が適用出来る。フィルム状溶融物を回転冷
却ドラムに密着させる方法としては、例えばフィルム状
溶融物にエアナイフを使用する方法や静電荷を印荷する
方法等が好ましく適用出来る。これらの方法では後者が
好ましく使用される。フィルム状物のエア面の冷却をす
る方法としては、公知の方法が適用出来、例えばフィル
ム面に槽内の冷却用液体に接触させる方法、フィルムエ
ア面にスプレーノズルで蒸散する液体を塗布する方法や
高速気流を吹きつけて冷却する方法を併用しても良い。
【0058】得られた未延伸フィルムは80〜120℃
に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸し
て一軸配向PETフィルムが得られる。さらに、フィル
ムの端部をクリップで把持して80〜180℃に加熱さ
れた熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0
倍に延伸する。引き続き160〜240℃の熱処理ゾー
ンに導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完
了させる。この熱処理工程中で必要に応じて幅方向ある
いは長手方向に1〜12%の弛緩処理を施してもよい。
【0059】上記工程中の任意の段階で基材表面に、前
述した高分子易接着層形成用の塗布液を塗布するのが好
ましい。高分子易接着層形成用の塗布液が塗布された基
材は、延伸および熱固定のためにテンターに導かれ、そ
こで加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜を形成
し、高分子易接着層を有する基材となる。ビーズコート
層に対する優れた接着性を得るためには、この時の塗布
量がフィルム1m2 あたり0.05g/m2 以上であっ
て、100℃、1分以上の熱処理を施すのが好ましい。
【0060】本発明の光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体は、本発明の作用を阻害しない範囲で保護層など
の他層をさらに有していても良い。
【0061】本発明の光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体は、ビーズコートフィルム積層体全体の光線透過
率(JIS K7105に準拠して測定)が90%以上
である必要がある。光線透過率が90%未満であると本
発明の光拡散板用ビーズコートフィルム積層体を光拡散
板の構成材として用いた液晶素子の画像の鮮明度が低下
する。
【0062】本発明の光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体は、光学的に均一で耐久性にも優れるため、液晶
表示装置等の光拡散の主構成材として好適である。
【0063】以下、試験例、及び実施例を用いて、本発
明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 試験例 1.試験方法 (1)基材のヘイズ値 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3で使用する
基材のヘイズ値(%)をJIS−K7105に準じ、ヘ
イズメーター(東京電色工業社製、モデルTC−H3D
P)を用いて測定した。
【0064】(2)基材中の1平方メートル当たりの2
0μm以上の異物個数 実施例1〜6、比較例1〜5で使用する基材より、25
0mm×250mmの試験片16枚を作成し、該試験片
について、下記の光学欠点検出方法により、光学的に2
0μm以上の大きさと認識される光学欠点を検出した。 (光学欠点検出方法)投光器として20W×2灯の蛍光
灯をXYテーブル下方400mmに配置し、XYテーブ
ル上に設けたスリット幅10mmのマスク上に測定対象
の試験片を載置する。投光器と受光器を結ぶ線と、試験
片表面の鉛直方向とのなす角度を12度となるよう光を
入射すると、入射位置の試験片の基材に光学欠点が存在
すると、その部分が光り輝くため、その部分の光量をX
Yテーブル上方500mmに配置したCCDイメージセ
ンサカメラを用いて電気信号に変換し、その電気信号を
増幅し、微分してスレッシュホールドレベルとコンパレ
ータで比較して、光学欠点の検出信号を出力する。ま
た、CCDイメージセンサカメラを用いて、光学欠点の
画像を入力し、入力された画像のビデオ信号を所定の手
順により解析して、光学欠点の大きさを計測し、20μ
m以上の欠点の位置を表示する。光学欠点の検出は、試
験片の両面について行った。検出した光学欠点部分か
ら、粒子の粗大凝集物、および異物による光学欠点を選
出した。上記の試験片を適当な大きさに裁断し、スケー
ル付き顕微鏡を用いて、試験片即ちフィルムの表面に対
して垂直方向から観察した時の光学欠点の大きさを測定
した。異物による光学欠点で、異物の形状に長手方向と
短い方向がある場合は長手方向の大きさを測定し、大き
さ20μm以上の大きさの異物の1m2当たりの個数を
求めた。
【0065】(3)ビーズコート層中のポリアクリル系
樹脂ビーズの真球度 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3で使用する
ポリアクリル系樹脂ビーズ10gを、エタノールとH2
Oの 50/50(重量比、エタノール/H2O)混合溶
剤100gに分散させてその分散液をフィルム上にマイ
ヤーバー#5にて塗工し、フィルムの0.5mm×0.
5mmの面を電子顕微鏡の倍率200倍で観察し、観測
される粒子の直径を任意の位置から角度をπ/4ずつず
らした8箇所で測定した。その最大値と最小値の比が
1.01以下である粒子の個数比率が99%以上である
ものを○、最大値と最小値の比が1.01以下である粒
子の個数比率が99%未満であるものを×とした。
【0066】(4)ビーズコート層中のポリアクリル系
樹脂ビーズの平均粒径 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3で使用する
ポリアクリル系樹脂ビーズを電子顕微鏡で観察した画像
を写真撮影した画像写真より、粒径分布を求め、平均粒
径(μm)を算出した。
【0067】(5)ビーズコート層中の粒径が(√2−
1)D以上であるポリアクリル系樹脂ビーズの個数比率 上記試験(4)と同様にして、粒径分布を求め、平均粒
径D(μm)より粒径が(√2−1)D以上であるポリ
アクリル系樹脂ビーズの個数比率(%)を算出した。
【0068】(6)ビーズコート層中のポリアクリル系
樹脂ビーズにおける着色ビーズの個数比率 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3の光拡散板
用ビーズコートフィルム積層体について、ビーズコート
層面の0.5mm×0.5mmの面積部分を光学顕微鏡
を用いて観察し、倍率200倍の像をカラー写真撮影し
て、該写真よりポリアクリル系樹脂ビーズ総数と着色ビ
ーズ個数を数えて着色ビーズの個数比率を算出した。
【0069】(7)光拡散板用ビーズコートフィルム積
層体の光線透過率 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3の光拡散板
用ビーズコートフィルム積層体について、JIS−K7
105に準じ、ヘイズメーター(東京電色工業社製モデ
ルTC−H3DP)を用いて光線透過率を測定した。な
お、参考例2においては高分子易接着層を有しない方の
ビーズコート層側から測定を行った。
【0070】(8)基材とビーズコート層との密着性 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3の光拡散板
用ビーズコートフィルム積層体について、JIS−K5
400の8.5.1記載に準じた試験方法により、下記
のように基材とビーズコート層との密着性(接着性)を
測定した。ビーズコート層表面(参考例2においては高
分子易接着層を有しない方のビーズコート層表面)から
高分子易接着層を貫通し、基材に達する100個の升目
状の切り込みを隙間間隔2mmのカッターガイドを用い
て付け、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、405
番;24mm幅)を升目状の切り込み形成面に張り付
け、セロハン粘着テープ上より消しゴムで擦過して完全
に密着させた後、ビーズコート層表面から垂直方向にに
引き剥がした。引き剥がし後にビーズコート層の剥離状
態を、目視により観察し、下記の式から基材とビーズコ
ート層との密着性(接着性)を算出し、下記の基準によ
り評価した。 密着性(%)=(1−剥離した升目の数/100)×1
00 (評価基準) ○:密着性が90%以上 ×:密着性が90%未満
【0071】(9)光拡散板用ビーズコートフィルム積
層体の画像斑 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3の光拡散板
用ビーズコートフィルム積層体について、表面(参考例
2においては高分子易接着層を有しない方のビーズコー
ト層表面)の任意の位置で0.3mm×0.3mmのサ
イズに区切りその中の顕微鏡写真を101枚撮影した画
像写真について着色ビーズの個数比率(Ci)を求め
た。この個数比率より、下記の式を用いて算出されるχ
2が、67未満を○、67以上77未満を△、77以上
を×とした。なお、χ2が77未満であれば実用上問題
ない。 Co:設定した着色ビーズの比率 Ci:観測した着色ビーズの比率(i=1〜101)
【数1】
【0072】(10)光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体のカラーb*値 実施例1〜3、比較例1〜5、参考例1〜3の光拡散板
用ビーズコートフィルム積層体について、測色色差計
(日本電色工業株式会社社製、ZE2000)を用いて
カラーb*値を測定した。なお、参考例2においては高
分子易接着層を有しない方のビーズコート層側から測定
を行った。カラーb*が6未満を○、6以上を×とし
た。
【0073】2.試験結果 上記試験(1)〜(10)の結果を、表1,表2に示
す。
【0074】
【実施例】実施例1 (1)高分子易接着層形成用塗布液の調整 高分子易接着層形成に用いる塗布液を以下の方法に従っ
て調製した。ジメチルテレフタレート95重量部、ジメ
チルイソフタレート95重量部、エチレングリコール3
5重量部、ネオペンチルグリコール145重量部、酢酸
亜鉛0.1重量部および三酸化アンチモン0.1重量部
を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル
交換反応を行った。次に5−ナトリウムイソフタル酸
6.0重量部を添加し、240℃で1時間かけてエステ
ル化反応を行った後、250℃で減圧下(1333〜2
7Pa)で2時間かけて重縮合反応を行い、分子量19
500、軟化点60℃のポリエステル樹脂を得た。得ら
れたポリエステル樹脂の30重量%水分散液を6.7重
量部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基
を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂の20重量%水
溶液(第一工業製薬製:商品名 エラストロンH−3)
を40重量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製:
商品名 Cat64)を0.5重量部、水を44.3重
量部およびイソプロピルアルコールを5重量部、それぞ
れ混合し、さらにアニオン系界面活性剤の10重量%水
溶液を0.6重量部、コロイダルシリカ粒子(日産化学
工業社製:スノーテックスOL、平均粒径:40nm)
の20重量%水溶液を1.8重量部、乾式法シリカ粒子
(日本アエロジル社製;アエロジルOX50、平均粒径
200nm、平均一次粒径40nm)の4重量%水分散
液を1.1重量部添加して混合し、塗布液(塗布液A
B)とした。
【0075】(2)基材及び高分子易接着層の形成 固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)樹脂の、粒子を含有しないペレットを1
35℃で6時間減圧乾燥(133Pa)した後、押し出
し機に供給し、約280℃でフィルム状に溶融押し出し
て、表面温度20℃に保った金属ロール上で急冷固化
し、厚さ1400μmのキャストフィルムを得た。溶融
時に、溶融樹脂の異物除去用濾材として濾過粒子サイズ
(初期濾過効率95%)10μmのステンレス製焼結濾
材を用いて精密濾過を行った。次に上記キャストフィル
ムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃
に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に
3.5倍延伸して一軸配向ポリエチレンテレフタレート
フィルムを得た。その後、上記(1)の塗布液ABを濾
過粒子サイズ(初期濾過効率95%)25μmのフェル
ト型ポリプロピレン製濾材を用いて精密濾過し、リバー
スロール法で、上記一軸配向ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの両面に塗布し、乾燥した。この時の塗布量
は乾燥時で各々0.07g/m2であった。塗布後引き
続いて、フィルムの端部をクリップで把持して130℃
に加熱された熱風ゾーンに導き、6秒間乾燥後、幅方向
に4.0倍に延伸し、両面に高分子易接着層を有する二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ポリエチ
レンテレフタレート部分の厚みが100μm)を得た。
【0076】(3)ポリアクリル系樹脂ビーズの作成 イオン交換水81.9重量部、燐酸第三カルシウム1.
4重量部を重合槽に供給し、次に重合槽内の温度を70
℃に保って、撹拌下、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム0.008重量部、メタクリル酸1.6重量
部、メタクリル酸メチル14.2重量部、メチロールプ
ロパントリメタクリレート0.8重量部をそれぞれ別個
の供給口より上記重合槽内に連続的に滴下して重合を開
始した。上記各単量体および触媒液の滴下は30分間で
終了するように、滴下速度を調節し、滴下終了後もさら
に1時間30分同一条件に保って、重合を継続する。得
られた重合物を濾過し、中和、冷却、洗浄、乾燥して、
平均粒径9μmのポリアクリル系樹脂ビーズを得た。な
お、着色ビーズの作成はポリアクリル系樹脂ビーズを作
成する時にフタロシアニンブルーを上記各単量体および
触媒液の総量100重量部に対し1重量部加えた他は、
上記透明ビーズと同様に行った。
【0077】(4)ビーズコート層形成用の塗布液(ビ
ーズコート液)の作成 アクリルポリオール(固形分50%、アクリディックA
−807:大日本インキ化学工業社製)150重量部、
イソシアネート(固形分60重量%、タケネートD11
0N:武田薬品工業社製)30重量部、メチルエチルケ
トン200重量部、酢酸ブチ ル200重量部と、上記
(3)で作成した透明ビーズおよび着色ビーズを、個数
比率50/50(透明ビーズ/着色ビーズ)となるよう
に混合したものを40重量部混合してビーズコート層形
成用の塗布液(ビーズコート液)を作成した。
【0078】(5)光拡散板用ビーズコートフィルム積
層体の作成 上記(2)で得られた両面に高分子易接着層を有する二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に、
上記(4)のビーズコート層形成用の塗布液を乾燥時の
厚みが12μmとなる様に塗布し、160℃×60秒の
条件で硬化させてビーズコート層を形成して光拡散板用
ビーズコートフィルム積層体を作成した。
【0079】実施例2 ビーズコート層形成用の塗布液(ビーズコート液)の作
成時に、実施例1の(3)で作成した透明ビーズおよび
着色ビーズを、個数比率30/70(透明ビーズ/着色
ビーズ)となるように混合したもの用いた以外は実施例
1と同様に光拡散板用ビーズコートフィルム積層体を作
成した。
【0080】実施例3 基材形成時に、異物除去用濾材として濾過粒子サイズ
(初期濾過効率95%)25μmのステンレス製焼結濾
材を用いて溶融樹脂の濾過を行った以外は、実施例1と
同様に光拡散板用ビーズコートフィルム積層体を作成し
た。
【0081】比較例1 実施例1の(3)で作成したポリアクリル系樹脂ビーズ
と同様にして、平均粒径が3μmの透明ビーズおよび平
均粒径が15μmの透明ビーズを作成した。ビーズコー
ト層形成用の塗布液(ビーズコート液)の作成時に、透
明ビーズとして平均粒径が3μmの透明ビーズを40重
量部と平均粒径が15μmの透明ビーズを60重量部混
合したものを用い、着色ビーズとして実施例1の(3)
で作成した着色ビーズを用いて、個数比率50/50
(透明ビーズ/着色ビーズ)となるように混合したもの
を用いた以外は実施例1と同様に光拡散板用ビーズコー
トフィルム積層体を作成した。
【0082】比較例2 ビーズコート層形成用の塗布液(ビーズコート液)の作
成時に、透明ビーズ、着色ビーズとも、実施例1の
(3)で作成したポリアクリル系樹脂ビーズと同様の組
成で、平均粒径は10μmであるが、真球でないポリア
クリル系樹脂ビーズを用いた以外は実施例1と同様に光
拡散板用ビーズコートフィルム積層体を作成した。
【0083】比較例3 ビーズコート層形成用の塗布液(ビーズコート液)の作
成時に、実施例1の(3)で作成した透明ビーズおよび
着色ビーズを、個数比率100/0(透明ビーズ/着色
ビーズ)となるようにしたもの用いた以外は実施例1と
同様に光拡散板用ビーズコートフィルム積層体を作成し
た。
【0084】比較例4 ビーズコート層形成用の塗布液(ビーズコート液)の作
成時に、実施例1の(3)で作成した透明ビーズおよび
着色ビーズを、個数比率95/5(透明ビーズ/着色ビ
ーズ)となるようにしたもの用いた以外は実施例1と同
様に光拡散板用ビーズコートフィルム積層体を作成し
た。
【0085】比較例5 基材形成時に、平均粒径25μmのシリカ粒子を200
ppm含有する、固有粘度が0.60dl/gのポリエ
チレンテレフタレート樹脂のペレットを用いた以外は、
実施例1と同様に光拡散板用ビーズコートフィルム積層
体を作成した。
【0086】参考例1 高分子易接着層形成用の塗布液として、実施例1の
(1)で得られたポリエステル樹脂の30重量%水分散
液を33.5重量部、水を47.8重量部およびイソプ
ロピルアルコールを18.7重量部をそれぞれ混合し、
さらにアニオン系界面活性剤の10重量%水溶液を0.
6重量部、コロイダルシリカ(日産化学工業社製:スノ
ーテックスOL)を樹脂固形分に対し5重量%添加し、
混合した塗布液(塗布液A)を用いた以外は実施例1と
同様に光拡散板用ビーズコートフィルム積層体を作成し
た。
【0087】参考例2 高分子易接着層を基材の一方の面のみに形成した以外
は、実施例1と同様に光拡散板用ビーズコートフィルム
積層体を作成した。
【0088】参考例3 実施例1の(3)で作成したポリアクリル系樹脂ビーズ
と同様にして、平均粒径が60μmの透明ビーズ及び着
色ビーズを作成した。ビーズコート層形成用の塗布液
(ビーズコート液)の作成時に、透明ビーズ及び着色ビ
ーズのいずれも上記ビーズを用い、個数比率50/50
(透明ビーズ/着色ビーズ)となるように混合したもの
を用いた以外は実施例1と同様に光拡散板用ビーズコー
トフィルム積層体を作成した。
【0089】
【発明の効果】本発明の光拡散板用ビーズコートフィル
ム積層体は、ビーズコート層に含有されるポリアクリル
系ビーズとして着色ビーズを特定比率で含有し、さらに
特定粒径分布とすることにより、ビーズコート層の着色
性が向上して着色の不均一性がなくなり、色調が黄色く
なる欠点が解消され、さらに画像斑が減少して光学的に
均一でとなる。また、透明性にも優れるため、本発明の
光拡散板用ビーズコートフィルム積層体を光拡散板の構
成材として用いた場合の画像の鮮明度に優れる。しか
も、耐水性、堅牢性、耐候性にも優れ、製造も従来に比
較して容易になる。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 直樹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA12 BA16 BA20 4F100 AA20H AK25B AK25C AK42A AK42G AK42J AK51B AK51C AK51G AL01G AL05G AS00B AS00C BA03 BA06 BA10B BA10C CA23 CB00 DE01B DE01C DE04B DE04C EJ38A JB07 JL09 JL10 JL10B JL10C JN01 JN08 YY00 YY00B YY00C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸配向ポリエステルフィルムを基材と
    し、該基材の少なくとも一方の面に主としてポリアクリ
    ル系樹脂ビーズとバインダーからなるビーズコート層を
    有するビーズコートフィルム積層体であって、前記ビー
    ズコート層に含有されるポリアクリル系樹脂ビーズが、
    ポリアクリル系樹脂ビーズ全体に対し着色ビーズを個数
    比率で10〜100%含有し、かつポリアクリル系樹脂
    ビーズの平均粒径Dに対して、粒径が(√2−1)D以
    上であるポリアクリル系樹脂ビーズが全ポリアクリル系
    樹脂ビーズのうち個数比率で90%以上であって、さら
    にビーズコートフィルム積層体全体の光線透過率(JI
    S K7105に準拠して測定)が90%以上であるこ
    とを特徴とする光拡散板用ビーズコートフィルム積層
    体。
  2. 【請求項2】 前記基材が、前記二軸配向ポリエステル
    フィルムの両面に高分子易接着層を形成してなることを
    特徴とする請求項1記載の光拡散板用ビーズコートフィ
    ルム積層体。
  3. 【請求項3】 前記高分子易接着層が、共重合ポリエス
    テル系樹脂およびブロック型イソシアネート基を含有す
    る樹脂から主としてなることを特徴とする請求項2記載
    の光拡散板用ビーズコートフィルム積層体。
  4. 【請求項4】 前記基材が、内部に、実質的に粒子を含
    有せず、かつ、大きさ20μm以上の異物が1平方メー
    トル当たり10個以下であることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか一項に記載の光拡散板用ビーズコート
    フィルム積層体。
  5. 【請求項5】 前記ポリアクリル系樹脂ビーズが、平均
    粒径3〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか一項に記載の光拡散板用ビーズコートフィ
    ルム積層体。
  6. 【請求項6】 前記着色ビーズが青色であることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光拡散板
    用ビーズコートフィルム積層体。
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