JPH075305A

JPH075305A - 光拡散シート材

Info

Publication number: JPH075305A
Application number: JP31793193A
Authority: JP
Inventors: Kimiko Kato; 公子加藤
Original assignee: Keiwa Shoko KK
Current assignee: Keiwa Shoko KK
Priority date: 1993-04-19
Filing date: 1993-12-17
Publication date: 1995-01-10

Abstract

(57)【要約】【目的】液晶表示ディスプレイにおけるライトイメー
ジおよび印刷パターンを解消するに好適な、薄層の光拡
散シート材を提供する。【構成】透明性もしくは半透明性の基材シート２と、
基材シート２上面に塗設された、バインダー（透明プラ
スチック樹脂）５と着色ビーズ４の混合物からなる拡散
層３から構成された光拡散シート材１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光源から導かれた光線
を均一に拡散させるための光拡散シート材に関し、特
に、液晶表示ディスプレイにおける、ライトから導かれ
た光の均一な拡散の実現に好適な光拡散シート材に関す
る。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、例えば直下型方式のバックライトを備えた液晶表示
ディスプレイ装置21においては、図３に示したように、
液晶パネルの裏側に配設された蛍光管（バックライト）
22より照射された光線が、拡散板23により均一に拡散通
過され、拡散板23の上方に配置された液晶表示素子24に
導かれる構成になっている。

【０００３】従来、この種の液晶表示ディスプレイにお
いては、直下のライトのイメージを解消するために、光
拡散シート材に、白色顔料等の無機物質フィラーが多量
に拡散樹脂層に分散混合されており、また、拡散シート
の厚みも２〜３mmという厚手のものが使用されていた。

【０００４】しかしながら、上記従来の無機物質フィラ
ーを多量に使用した光拡散シート材によると、無機物質
フィラーの光透過性の劣悪さに起因して、ライトの隠蔽
効果はある程度改善されるものの、拡散シートの輝度が
低下するという問題点があった。また、上述した拡散
シートの厚みは、ディスプレイのコンパクト化を阻害す
る要因になっていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来
技術が抱えていた問題点に鑑み、光は透過するが光拡散
シート材の直下にある光源や光拡散シート材の印刷パタ
ーンを隠蔽する機能を付与する目的で発明されたもので
あり、その要旨とするところは、透明ビーズおよび／ま
たは顔料で着色されたポリマービーズ等をバインダーへ
の拡散物質として用いたことにあり、具体的には；透明
性もしくは半透明性の物質から構成された基材シート
と、該基材シート上面に塗設された、バインダーとビー
ズの混合物からなる拡散層から構成された光拡散シート
材；前記ビーズが、透明ビーズ、着色ビーズ、あるいは
これらの混合物である光拡散シート材；および前記拡散
層が、無機質充填材をさらに含む光拡散シート材であ
る。

【０００６】すなわち、本発明の拡散層の構成には、以
下の四態様が含まれる。

【０００７】着色ビーズとバインダーからなる光拡
散層（図１(a))；透明ビーズ、着色ビーズ、およびバインダーからな
る光拡散層（図１(b))；着色ビーズ、バインダーおよびバインダー中に分散
混合した無機質フィラーからなる光拡散層（図１(c))；
および透明ビーズ、着色ビーズ、バインダーおよびバイン
ダー中に分散混合した無機質フィラーからなる光拡散層
（図１(d))。

【０００８】そして、本発明に用いる基材シートとして
は、プラスチック、ガラス、無機透明物質などの透明質
材料から構成される透明シート、あるいはこれら透明シ
ートの構成材料に、二酸化チタン等の顔料を配合した半
透明シート等が使用され、シート厚みは特に限定される
ものではないが、加工の難易性およびハンドリング性を
考慮して、10〜1000μm 程度が好ましい。

【０００９】また、着色ビーズとしては、プラスチック
（例えば、アクリルコポリマー）やガラス等をその主成
分とするものであれば良く、また、これらビーズを着色
するための着色材としては、顔料、例えば、乳白色を付
与する酸化チタン、青色を付与するフタロシアニンブル
ー、緑色を付与するシアニングリーン、茶色を付与する
赤色酸化鉄などが使用でき、この内、隠蔽効果の点から
して、酸化チタンが特に好ましい。なお、ビーズの粒
径は、特に限定されるものではないが、光拡散効果を考
慮して、５〜 100μm 程度が好ましい。

【００１０】さらに、バインダーとしては、透明プラス
チック樹脂（例えば、アクリル樹脂あるいはウレタン樹
脂）が、本発明において使用できる。

【００１１】さらに、光拡散層の厚みは特に限定される
ものではないが、基材シートへの塗設の難易性、強度、
および光拡散効果などを考慮して、10〜 500μm 程度が
好ましい。

【００１２】次に、透明ビーズと着色ビーズを混合して
使用する場合（図１(b) ・図１(d))、透明ビーズとして
は、アクリル樹脂ビーズ、ガラスビーズ等が使用でき、
この場合両者の混合比は、隠蔽効果および光拡散効果を
考慮して、１：99〜99：１（重量比）が好ましい。ま
た、透明ビーズの粒径は、特に限定されるものではない
が、光拡散効果などを考慮すれば、５〜 100μm 程度の
ものを、好ましくは、粒度の異なるビーズを混在させて
用いる。さらに、ビーズの配置態様としては、光拡散
効果などを考慮すれば、バインダーに埋設されたビーズ
とバインダーに部分的に埋設されたビーズを混在させて
用いること、ならびに、ビーズを基材シート表面に分散
あるいは基材シート表面をほぼ被うように分布させる態
様が好ましい。

【００１３】さらに、無機質フィラーを混合して使用す
る場合（図１(c) ・図１(d))、無機質フィラーとして
は、二酸化チタン、タルク、アルミナ、シリカ等が使用
でき、この場合の無機質フィラーの粒径は、特に限定さ
れるものでないが、隠蔽効果を考慮すれば、微粒子、特
に 0.1〜５μm 程度の粒径を有するものが好ましい。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付した図面を参照
しつつ説明する。

【００１５】本発明の構成により、図２にあるように、
光源11から発生した光線は、基材シート２を透過して、
拡散層３内に配置された着色ビーズ４との接触・屈折・
反射を幾度となく繰り返した末に、拡散層３を通過す
る。これにより、拡散層を通過した光の拡散の程度は
均質なものとなり、この均質な拡散光がディスプレイ部
に供給されるため、ライト（光源）のイメージを解消す
る機能を果たすのである。

【００１６】また、図２(b) に示したように、透明ビー
ズ６をさらに拡散層３内に配置することにより、光の拡
散の程度を加減することができるのみならず、着色ビー
ズ４と透明ビーズ６の混合比を調整することで輝度の加
減も可能とし、用途に応じた対応を可能にするものであ
る。

【００１７】なお、図１(c) および図１(d) にあるよう
な、無機質フィラー配合バインダー７の使用により、さ
らにライトイメージの解消の効果が期待できるのは勿論
である。

【００１８】また、本発明の光拡散シート材の使用態様
としては、上述した直下型々式の液晶表示ディスプレイ
装置（図３）に加え、ＬＥＤ型式（図４）あるいはエッ
ジライト型式（図５）のディスプレイ装置にも適用でき
るのは勿論である。

【００１９】実施例１ 125μm の厚さのポリエチレンテレフタレートシート
（「PET T-100 」；ダイヤホイル株式会社製）を基材シ
ートとして用い、その上面に、周知のロールコート方式
で、（バインダー層厚みが）厚さ20〜25μm となるよう
に、下記表１に示した組成の塗工液を塗設した。

【００２０】

【表１】

【００２１】このシート材を、全光線透過率、ヘイズ、
および表面硬度の各特性に関して、それぞれJIS K 7105
のＡ法、JIS K 7105、およびJIS K 5400の方法に準拠し
て試験を行った。また、このシート材をアクリル導光
板の上面にセットし、シート材の正面輝度を輝度計（色
彩輝度計「BM-7」：株式会社TOPCON社製）を用いて測定
した。その試験結果を下記表２に示した。

【００２２】

【表２】

【００２３】そして、本実施例で得られたシート材を、
直下型ライトタイプの液晶ディスプレイ装置の拡散シー
トとして使用したところ、直下のランプは液晶上面方向
からは見えなかった。

【００２４】実施例２実施例１と同じポリエチレンテレフタレートシートを基
材シートとして用い、その上面に、周知のロールコート
方式で、（バインダー層厚みが）厚さ30μm となるよう
に、下記表３に示した組成の塗工液を塗設した。

【００２５】

【表３】

【００２６】このシート材を、実施例１と同様の方法に
て、全光線透過率、ヘイズ、表面硬度、および輝度の各
特性に関して試験を行った。その試験結果を下記表４
に示した。

【００２７】

【表４】

【００２８】そして、本実施例で得られたシート材を、
ＬＥＤタイプの液晶ディスプレイ装置の拡散シートとし
て使用したところ、ＬＥＤランプは液晶上面方向からは
見えなかった。

【００２９】実施例３実施例１と同じポリエチレンテレフタレートシートを基
材シートとして用い、その上面に、周知のロールコート
方式で、（バインダー層厚みが）厚さ30μm となるよう
に、下記表５に示した組成の塗工液を塗設した。

【００３０】

【表５】

【００３１】このシート材を、実施例１と同様の方法に
て、全光線透過率、ヘイズ、表面硬度、および輝度の各
特性に関して試験を行った。その試験結果を下記表６
に示した。

【００３２】

【表６】

【００３３】そして、本実施例で得られたシート材を、
エッジライトタイプの液晶ディスプレイ装置の拡散シー
トとして使用したところ、本実施例のシート材でも、導
光板のドットは液晶上面方向からは見えなかった。

【００３４】実施例４ポリエチレンテレフタレート中に二酸化チタンを３重量
％含有した乳白色ポリエチレンテレフタレートシート
（全光線透過率：60％）を、基材シートとして用い、そ
の上面に、周知のロールコート方式で、バインダー厚み
が約30μm となるように、下記表７に示した組成の塗工
液を塗設した。

【００３５】

【表７】

【００３６】このシート材を、実施例１と同様の方法に
て、全光線透過率、ヘイズ、表面硬度、および輝度の各
特性に関して試験を行った。その試験結果を、下記表
８に示した。

【００３７】

【表８】

【００３８】そして、本実施例で得られたシート材を、
直下型ライトタイプの液晶ディスプレイ装置の拡散シー
トとして使用したところ、直下のランプは液晶上面方向
からは見えなかった。

【００３９】

【発明の効果】本発明の光拡散シート材によると、液晶
ディスプレイにおける光拡散板の用途において、直下型
方式液晶表示ディスプレイ装置のバックライトのイメー
ジを解消するのを初めとして、液晶面の輝度も改善で
き、さらには均質な拡散光をディスプレイ部に供給で
き、ディスプレイの表示美観を好ましいものにするなど
の種々の効果を奏するのである。

【００４０】また、従来の光拡散シート材と比較して、
顕著な薄層化を実現でき、液晶ディスプレイのコンパク
ト化に少なからずの貢献を果たすものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) 、(b) 、（c) および(d) は、本発明の一
実施例を示す一部断面図である。

【図２】(a) および(b) は、本発明の構成を説明する図
である。

【図３】直下型方式液晶表示ディスプレイ装置における
使用態様を示す断面図である。

【図４】本発明の他の使用態様を示す図である。

【図５】本発明の他の使用態様を示す図である。

【符号の説明】

１…光拡散シート２…基材シート３…拡散層４…着色ビーズ５…バインダー６…透明ビーズ７…フィラー配合バインダー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明性もしくは半透明性の物質から構成
された基材シートと、前記基材シート上面に塗設され
た、前記基材シートに導入された光を拡散させるための
拡散層から構成された光拡散シート材であって、前記拡散層が、バインダーとビーズの混合物から構成さ
れていることを特徴とする光拡散シート材。
【請求項２】前記ビーズが、着色ビーズ、透明ビーズ
あるいはこれらの混合物である請求項１に記載の光拡散
シート材。
【請求項３】前記ビーズが、様々な粒度のビーズから
構成されている請求項１もしくは２に記載の光拡散シー
ト材。
【請求項４】前記ビーズが、前記バインダーに埋設さ
れたビーズと、前記バインダーに部分的に埋設されたビ
ーズから構成されている請求項１ないし３のいずれかに
記載の光拡散シート材。
【請求項５】前記拡散層が、無機質充填材をさらに含
む請求項１ないし４のいずれかに記載の光拡散シート
材。