JP2002115945A - 生鮮食品の鮮度保持方法とそれに使用する塩含有氷の製造方法と生鮮食品の鮮度保持システム - Google Patents
生鮮食品の鮮度保持方法とそれに使用する塩含有氷の製造方法と生鮮食品の鮮度保持システムInfo
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Abstract
での間の少なくとも一の過程を氷蔵状態に置く生鮮食品
の鮮度保持方法において、海水濃度以下の略0.5〜略
2.5%の塩分濃度を持つ塩含有水より形成されたスラ
リー状氷の使用により、浸透圧の影響を抑制するととも
に、好適なチルド冷蔵を可能とした、生鮮食品鮮度保持
方法とそれに使用する塩含有氷の製造方法と生鮮食品の
鮮度保持システムを提供する。 【構成】 本発明の生鮮食品の鮮度保持システムは、海
水供給部10と、塩分濃度調整部12と、淡水添加部1
3と、製氷機14と、貯氷庫15と、生鮮食品収納部1
6とより構成する。
Description
持の生産(畜産物)、収穫(農作物)、漁獲(水産物)
より出荷までの出荷段階と、出荷拠点での貯蔵段階と、
出荷拠点より消費地までに輸送、配送を含む流通段階の
少なくとも一の過程において行なう鮮度保持と品質保持
のために行なう氷蔵状態保持手段に、海水以下の適宜設
定した塩分濃度を有する塩含有水の凍結により得られた
塩含有氷による氷蔵状態の維持を図った生鮮食品の鮮度
保持方法と、それに使用する塩含有氷の製造方法と、生
鮮食品の鮮度保持システムに関する。
に使用されている氷蔵には、例えば魚介類の場合は、予
め0〜−2℃に冷却した海水に0℃の淡水氷からなる砕
氷を投入させた冷海水を用意し、該冷海水に漁獲直後の
魚介類を浸漬させて、鮮度保持を図った水氷式砕氷冷却
法を使用する0℃の氷蔵が行なわれ、敷き氷、積み氷、
抱き氷、掛け氷によって行なわれ、氷が融ける際の潜熱
と、融けた水が魚体の表面を流れる際の顕熱で魚体を冷
却するようにしたあげ氷式砕氷冷却法を使用する0℃の
氷蔵が、使用されている。その効果は、魚体の冷却に氷
の潜熱を使用するようにしたため冷却効果及び伝熱性が
大であり、湿気が保たれ被冷却食品に乾燥をもたらすこ
とがなく、冷却後残り氷があれば保冷の働きもする等の
利点がある。
0℃の氷蔵が、前記したように、冷却効率の良さと簡便
性から生鮮魚の短期貯蔵方法として広く使用され、水氷
(水/海水と氷との混合)は主に魚介類用に使用され、
みぞれ水(砕氷と水との混合)はブロイラ、野菜の冷却
に使用されている。しかし、魚介類の場合生鮮度の維持
期間は3〜4日が限度で、この維持期間のさらなる延長
のため、パーシャルフリージング貯蔵法やチルド冷蔵法
が提案されている。前者においては緩慢凍結による品質
劣化の問題があり、後者の場合には生鮮食品をそれの氷
結点直前の所謂氷温で凍らせずに貯蔵する方法であるが
定温保持の煩雑な問題がある。前記チルド温度帯とは一
名チルドと言い、食品の氷点に近いが氷結晶の析出が全
くない温度を指し、氷点が食品によって異なるため温域
の設定ができない問題がある。
「水産生物処理氷」として特許公開2000−1257
59号公報に開示され、また、生鮮食品の高鮮度、高品
質の保持の流通方法としての提案が「高鮮度、高品質の
食品流通加工方法」として、特開平11−46676号
公報に開示されている。
海洋深層水若しくは海洋深層水を含む水からなる液であ
って、死後の水産生物がその液に浸漬された場合に、水
産生物のK値(鮮度)が5日経過後20%以下に維持さ
れるようにしたことを特徴とした水産生物の処理液に関
するもので、または、海洋深層水を含む水が凍結されて
いる氷であって、死後の水産生物の前記氷による氷蔵後
のK値(鮮度)が5日経過後20%以下に維持されるよ
うにしたことを特徴とする水産生物の処理氷に関するも
のである。前記海洋深層水は約200m〜約1Kmの深
層水と約1Kmよりも深い深層水とを含む構成としてい
るが、水の希釈の度合いについての詳細な記載は無い。
の食品流通加工方法」の内容は、生産、収穫、漁獲した
畜産物、農作物、水産物又はその加工品等の生鮮食品を
高鮮度、高品質に保持させて流通加工する方法であっ
て、当該生鮮食品を、その生産・収穫・漁獲直後に0℃
以下の未凍結温度まで冷やし又は予冷し又は凍結し、次
いで、輸送、貯蔵、加工及び/又は保存の流通加工の過
程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度にて処理する
ことを特徴としたものである。
まで冷やす冷却手段には、リキッドアイス、ゲルアイ
ス、過冷却水(氷結点以下の未凍結水)、海水氷等が好
適なものとして使用されている。
て、「海水氷の製造方法及びその装置」として、特開平
5−256547公報記載に記載されているが、従来の
製氷機における淡水氷の製造に加え、淡水に塩水をスプ
レーして混合し、過冷却雰囲気で淡水と塩水の混合物か
ら氷の製氷化を図った後プレス成形により海水氷を生成
するそれまでの製法に対し、海水の氷結温度に相対する
圧力以下に減圧したタンク内に海水を供給して瞬間的に
自己凍結させたものである。
676号公報記載の提案における予冷手段に使用するリ
キッドアイス、ゲルアイス、過冷却氷、海水氷によると
いう記載だけでは、それぞれ異なるチルド温度帯を有す
る食品に対し、十分にして確実な0℃以下の未凍結温度
までの予冷ないし冷却を行なうことは疑問であり、ま
た、前記0℃以下の未凍結温度まで冷やすことにより、
死後硬直の遅延による鮮度維持は期待出来ても、それだ
けでは浸透圧の問題もあり前記記載だけでは高品質保持
は期待できない。
い悪いは、鮮度のよしあしを指し、当該魚介類の生きの
よさが重視されている。魚は死後しばらくすると硬直
し、1〜3日ぐらい硬直が持続した後、軟化を始め腐敗
にいたることは広く知られている。前記死後の完全硬直
より軟化を経ての腐敗に到る変化は図6に示すように、
硬直開始より完全硬直を経て軟化開始に到る生きの良さ
を示す期間と、軟化開始後の軟化状態より腐敗開始時期
に到る生きの悪さを示す期間とに分けることができ、前
記生きが良い期間は主として生体の活動に重要な役割を
持つ筋肉類の酵素の作用が介在し、生きが悪い期間とそ
れに続く腐敗は魚体に付着していた細菌の増殖とその細
菌の酵素により魚体の分解が加速されものと考えられ
る。
遅延させれば、前記生きのよさを示す期間が長くなり、
鮮度保持に貢献することになる。前記死後硬直を延期さ
せる条件は、生理条件、致死条件、死後の貯蔵条件に左
右される。結局、漁獲直後早期冷却と高速冷却が鮮度保
持には必要とされ、魚種特性に応じた0℃以下のチルド
温度帯での均質な氷蔵が、漁獲から流通段階での鮮度低
下を防止する最適手段と考えられる。なお、前記氷蔵と
は、食品を浸漬し、冷却して低温度で保持して非凍結状
態で貯蔵する方法を指し、品質劣化の主原因である酸
化、酵素の作用、微生物の増殖の防止をする。
場合には浸透圧による魚体の品質低下の問題もある。
り流通段階までの間の少なくとも一の過程を、氷蔵状態
に置く生鮮食品の鮮度保持方法において、浸透圧の影響
を抑制するとともに、好適なチルド冷蔵を可能とした、
生鮮食品鮮度保持方法と、それに使用する塩含有氷の製
造方法と生鮮食品の鮮度保持システムの提供を目的とす
るものである。
食品の生産又は収穫又は漁獲より流通段階までの間に行
なう淡水氷による氷蔵状態の維持の代わりに、海水濃度
以下の塩分濃度を持つ塩含有氷を使用したチルド冷蔵を
導入して、食品の酵素の活動を抑制し鮮度保持を図った
ものである。則ち、本発明の生鮮食品の鮮度保持方法
は、生鮮食品の生産/収穫/漁獲より出荷までの出荷段
階と、出荷拠点における貯蔵段階と、出荷拠点より消費
地までの輸送、配送の流通段階の少なくとも一の過程
を、氷蔵状態に置く生鮮食品の鮮度保持方法において、
少なくとも海水以下の略0.5〜略2.5%の塩分濃度
を有する塩含有水の凍結により得られた塩含有氷をスラ
リー状に形成して氷蔵状態の維持を図ったことを特徴と
する.
物、畜産物など生鮮食品の鮮度保持方法に関するもの
で、その収穫(農作物)/漁獲(水産物)/生産(畜産
物)より出荷までの出荷段階と、出荷拠点での貯蔵段
階、出荷拠点より物流拠点までの輸送と物流拠点より消
費地までの配送よりなる流通段階の、諸過程の少なくと
も一の過程に行なう鮮度保持と品質保持のための氷蔵
に、海水の塩分濃度より低い略0.5〜2.5%の塩分
濃度を持つ塩含有水を凍結させてスラリー状に形成した
塩含有氷によりチルド冷蔵を行なわせるようにしたもの
で、該塩含有氷の塩分濃度に対応した−1℃以下の当該
食品の氷点に近いチルド温度帯(氷結晶を析出しない)
を形成させて、当該食品のチルド温度帯における定温氷
蔵を可能とさせ、効率的鮮度保持を図ったものである。
なお、前記チルド冷蔵は、前記収穫/漁獲/生産直後に
行なわれる予冷過程またはその後についで行なうように
することが好ましい。
度を被貯蔵食品の品温に対し凍結点手前に維持できるよ
うに調整することを特徴とする。
記載の塩含有水の塩分濃度の設定に係わるもので、該塩
分濃度の設定により当該食品の凍結手前のチルド帯温度
になるべく近い値で対応させるとともに、当該食品の細
胞内の自由水の移動を抑制する最適浸透圧をその融解液
に持たすようにしたもので、高品質保持が出来るように
したものである。なお、バターの氷点は−2.2℃、チ
ーズの氷点は−8.3℃、鰹、蟹等の氷点は−2℃であ
るが、−6℃までの品温を利用し食品中に氷結晶を生じ
させ ない食品保存法もある。
塩分調整用の水をろ過、殺菌処理をしてスラリー状の氷
を形成したことを特徴とする。
状の海水氷の生成により、他の同一塩分濃度の板状氷な
いし塊状氷に比較し被氷蔵貯蔵物の凍結温度を低く設定
でき、また、損傷を与えることがない。
を使用したことを特徴とする。
記載の海水を使用する場合は、約200m以下の約4〜
10℃の深層冷海水の使用により、下記メリットが期待
できるようにしたものである。則ち、 a、深層水を原水とするため、清浄性が確保出来、生物
学的清浄な深層水によりより安全な衛生管理が可能であ
る。 b、塩分濃度の調整が容易である。 c、製氷効率を上げることができる。
方法は、生鮮食品の鮮度保持に用いる為に、少なくとも
海水以下の略0.5〜2.5%の塩分濃度を有する塩含
有水の凍結により得られた塩含有氷をスラリー状に形成
してなる塩含有水の製氷方法において、ろ過殺菌をした
海水等の原水を塩分調整して約1.0〜1.5%前後の
塩分濃度の塩含有水となし、該塩含有水に急速冷却を行
なうことにより前記塩分濃度に対応する−5〜−1℃の
氷点温度を持つスラリー状塩含有氷を生成したことを特
徴とする。
水以下の略0.5〜略2.5%の塩含有水の凍結による
スラリー状塩含有氷の製造方法に係わるもので、緩慢凍
結による凍結濃縮を避け急速冷却により塩含有氷を生成
させたもので、且つスラリー状塩含有氷の生成により、
下記メリットが期待出来る。則ち、 a、固液混相体を形成するため、均一温度分布が得ら
れ、全魚体を均一且つ迅速冷却を可能にしている。 b、氷結晶は小さい固液混相体で形成されるため、魚体
の損傷や凍結がなされ難く、且つ搬送は容易である。 c、急激な温度変化、例えば漁獲の増減に応じて氷の融
解が緩衝となり、急激な温度変化や温度上昇を抑えるこ
とができる。
含有水の塩分濃度の上限は、魚体の場合好ましくは1.
5%塩分濃度が最適と考えられ、該塩分濃度のスラリー
状氷を使用して計測された氷中の魚体温度は−0.8〜
−2.2℃を示し、文献値として知られている魚体の凍
結温度に整合している。また、本願発明者等が行なった
マイワシの浸漬試験によれば、蛋白質等の流出の点から
も塩分濃度は1.5%未満に保持する必要性があり、ま
た、その下限は目の白濁化や水の吸収による重量増加の
点より魚体と等張の1%塩分濃度が必要であることが示
されている。
供給する熱交換器の伝熱面への塩含有水の急速噴射によ
り、伝熱面上にフレーク状氷を形成させる瞬間的自己凍
結を行なうようにしたことを特徴とする。
面状に生成されたフレーク状氷を削り落とす必要があ
る。
塩含有水の過冷却解除により、粒状氷を形成させる瞬間
的自己凍結を行なうようにしたことを特徴とする。
氷を生成できる。
使用する好適な生鮮食品の鮮度保持システムは、生鮮食
品の鮮度保持に塩含有氷を使用する生鮮食品の鮮度保持
システムにおいて、ろ過・殺菌装置を含む海水等の原水
取水手段と、ろ過殺菌をした原水に略0.5〜略2.5
%の塩分調整をした塩含有水を得る塩分濃度調整手段
と、濃度調整をした塩含有水よりスラリー状塩含有氷を
生成する塩含有氷製氷手段と、該塩含有氷を貯留する貯
氷手段と、該貯留したスラリー状塩含有氷を生鮮食品の
収納部へ供給する供給手段とよりなることを特徴とす
る。
水して構成し、塩分濃度調整はろ過殺・菌済み淡水の適
量添加により構成したことを特徴とする。
わりに海水氷を使用した場合の好適な生鮮食品の鮮度保
持システムの構成に係わるものである。
の鮮度保持方法を使用する好適な冷熱を有効利用するセ
ミクローズド式鮮度保持システムは、生鮮食品の鮮度保
持に塩含有氷を使用する生鮮食品の鮮度保持システムに
おいて、調整手段により略0.5〜略2.5%の所用塩
分濃度に調整したスラリー状塩含有氷を貯氷する貯氷手
段と、該貯氷手段より取出して魚等の生鮮食品の鮮度保
持に使用する使用手段と、鮮度保持の際に生じた融解汚
染水を凍結濃縮する凍結手段と、凍結氷にろ過殺菌した
新海水を添加して所用塩分濃度のスラリー状塩含有氷を
得る調整手段と、前記新海水の供給手段と、前記凍結手
段により濃縮された濃縮水の排水処理をする排水処理手
段とよりなることを特徴とする。
使用の際生ずる被冷却物体液等による汚染水の冷熱を、
再利用するセミ・クローズド式鮮度保持システムに係わ
るもので、生鮮食品の鮮度保持に際してスラリー状塩含
有氷を循環使用すると、被冷却物体液等により汚染を受
けるが、この汚染を受けた低温融解汚染水の0℃付近の
冷熱を有効に利用するため、前記汚染水より凍結濃縮に
より汚染物は濃縮水として分離するとともに前記汚染を
除去した氷を製造し、その氷にろ過・殺菌した海水等の
原水により調合して約3%以下の塩分濃度を持つスラリ
ー状塩含有氷を製造して該氷の循環使用を図ったもので
ある。
を用いて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記
載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的
配置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の
範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例
にすぎない。図1は、鮮魚の保管に真水プレート氷、及
び本発明の塩含有氷を使用した場合の各魚体温度の経時
変化を示す図である。図2は、保管する塩含有水の塩分
濃度の違いによる鰯の鮮度(K値)の経時変化を示す図
である。図3は、本発明の生鮮食品の鮮度保持システム
の一実施例の概略の構成を示す図である。図4は、本発
明の生鮮食品の鮮度保持システムにおける、塩含有水の
循環使用を可能とするセミ・クローズド式鮮度保持シス
テムの概略の構成を示す図である。図5は、図4のセミ
・クローズド式システムの別の実施例の概略の構成を示
す図である。
1.5%、3.0%塩分濃度のプレート氷の場合は魚体
の凍結が認められ、その結果より、文献値として知られ
ている魚体の凍結温度が−2.2℃前後にあることを示
している。
浸漬保管した鰯の鮮度(K値)の経時変化を示してある
が、図に見るように、塩分濃度の上限値は1.5%未満
が必要で、また、下限は魚体と等張の1.0%の塩分濃
度が必要で、それらの範囲を持つ塩含有水ないし塩分調
整した海水による保管が必要になる。なお、最も好まし
い保管は、浸透圧の影響を受ける例えば眼等の部位は、
1.0%前後の塩含有水または該含有水に触れない状態
で保管し、魚体温度を低温に保持するためには、魚体の
凍結温度の手前の凍結しない1.5%前後の塩分濃度を
持つ塩含有氷ないし希釈海水氷による保管が適切であ
る。
品の鮮魚の鮮度保持には、1.5%〜1.0%前後の塩
分濃度を持つスラリー状氷による氷蔵が最適であること
を示している。
システムは、海水供給部10と、塩分濃度調整部12
と、淡水添加部13と、製氷機14と、貯氷庫15と、
生鮮食品収納部16とより構成する。前記海水供給部1
0は、海水取水部10aと、ろ過部10bと、殺菌部1
0cとよりなり、例えば前記海水取水部10aでは海面
下約200m以下の深さHの光の殆ど届かない深層冷海
水(約−2〜0℃)または湧昇流により形成された水深
域の深層冷海水を汲み揚げ、清浄な海水の確保により衛
生面での安全性の確保と製氷効率の向上を図っている。
そして汲み揚げた海水はフィルタによるろ過部10b
と、殺菌部10cを経由して、濃度約3.5%の海水氷
用原水11aを得る。
3.5%の海水氷用原水11aに適量の淡水13aを添
加して所用の濃度(例えば約0.5%〜2.5%)の塩
含有水12aを得るようにしたもので、前記淡水13a
は、ろ過部13b、殺菌部13cよりなる淡水添加部1
3により、適量の淡水を前記塩分濃度調整部12へ導入
されるようにしてある。
冷凍サイクルを介して急速冷凍させて塩含有氷のスラリ
ー状14aを生成するようにしたもので、例えば密閉ア
ンモニア冷凍機によりブライン(エチレングリコール)
冷却器を作動させ、得られた低温ブラインによりプレー
ト式熱交換器を介して伝熱面上に吹き付けた前記塩含有
水12aを急速冷却をさせ、フレーク状海水氷を生成さ
せ、塩含有氷のスラリー状氷14aを得るようにしてあ
る。なお、塩含有水より海水氷を製氷する別の実施例と
しては、過冷却塩含有水の過冷却解除による粒状海水氷
の生成方法もあるが、いずれの場合も伝熱面を介しての
塩含有水への熱伝達は高速熱流束による急速冷却により
行なうようにしてある。
成された塩含有氷のスラリー状氷14aを貯氷をし、生
鮮食品の収穫/生産/漁獲後の出荷段階と、出荷段階で
の貯蔵段階と、出荷拠点より消費地への輸送、配送の流
通段階の少なくとも一過程におけるチルド冷蔵に使用さ
せるため、当該食品の収納部16へ適宜搬送するように
したものである。
度の調整は、海水氷用原水濃度(約3.5%)よりは小
さく調整し、得られた海水氷の氷結点が当該氷蔵食品の
チルド温度帯近くの値を得て氷結晶の析出が全く無いチ
ルド冷蔵を可能にするとともに、淡水氷に比較し浸透圧
の影響を抑制して、食品に応じた高品質の保持ができる
最適の塩分濃度を設定するようにしてある。
ー状氷14aの使用を可能にしたため、 固液混相体を
形成するため、均一温度分布が得られ、チルド冷蔵を受
ける当該食品の全面にわたり均一且つ迅速冷却を可能に
し、スラリー状氷の結晶は小さく固液混相体で形成され
るため、食品が傷つきにくく、且つ搬送は容易である。
テムにおける、塩含有氷の循環使用を可能とするセミ・
クローズド式鮮度保持システムの概略の構成を示す図で
ある。図に示すように、本発明の生鮮食品の鮮度保持方
法を使用する好適な冷熱と水のリサイクルを図るセミ・
クローズド式鮮度保持システムは、調整器により略0.
5〜略2.5%の所用の塩分調整したスラリー状塩含有
氷を貯氷する貯氷部21と、貯氷部よりスラリー状塩含
有氷を取出して魚等の生鮮食品の鮮度保持に使用する氷
蔵部22と、氷蔵の際に生じた低温の汚染冷水22aを
凍結濃縮する凍結部17と、凍結氷にろ過殺菌した新海
水を添加して所用塩分濃度のスラリー状塩含有氷を得る
調整器20と、前記新海水の海水供給部11と、前記凍
結部により濃縮され濃縮水の排水処理をする排水処理部
19とより構成する。なお、前記凍結部17は、図示し
ない冷凍機より冷熱の供給を受けて作動するようにして
ある。上記構成により本セミ・クローズド式鮮度保持シ
ステムにおいては、氷蔵の際に生じる融解汚染水は凍結
部で汚染除去した凍結氷に変換され、更にろ過殺菌した
新海水の添加により、所用塩分濃度を持つスラリー状塩
含有氷となし、貯氷部を経由して再び氷蔵部へ還流さ
せ、水と熱とのリサイクルを図っている。
テムの別の実施例の概略の構成を示してある。図に示す
ように、前記図4と同じように、魚等の生鮮食品の鮮度
保持に使用した際に氷蔵部25より生じた汚染冷水22
aを凍結濃縮する凍結部17と、凍結氷にろ過殺菌した
新海水を添加して略0.5〜略2.5%の所用塩分濃度
のスラリー状塩含有水を得る調整器20と、前記新海水
の海水供給部11と、前記凍結部により濃縮された濃縮
水18aの排水処理をする排水処理部19とより構成す
るとともに、前記調整器20により得られたスラリー状
塩含有氷を貯留する蓄熱槽23と、該蓄熱槽23より塩
含有水を取り出し過冷却器24を介して過冷却塩含有水
を得る過冷却器24と、過冷却塩水より粒状塩含有氷を
得る製氷板24aとを付設し、スラリ状塩含有過冷却水
により所用冷却温度で安定氷蔵を行なうようにしたもの
である。なお、前記製氷板24aは過冷却水の衝突によ
り過冷却を解除して過冷却から氷への相変化をさせる機
能を持つものである。また、過冷却部23、凍結部17
は図示していない冷凍機よりの冷熱により作動する構成
にしてある。
穫、漁獲より流通段階までの間の少なくとも一の過程に
て行なう氷蔵において、海水以下の略0.5〜略2.5
%の塩分濃度を持つスラリー状氷を使用したため、浸透
圧の影響を抑制するとともに、好適なチルド冷蔵がで
き、早期、急速冷却が可能となり、生鮮食品の鮮度保持
をより効率的に行なうことができる。また、セミクロー
ズド式の生鮮保持システムにより塩含有氷の冷熱の有効
利用を可能とする塩含有氷の循環利用を図ることができ
る。
含有氷を使用した場合の各魚体温度の経時変化を示す図
である。
の鮮度(K値)の経時変化を示す図である。
施例の概略の構成を示す図である。
る、塩含有氷の循環利用を可能とするセミ・クローズド
式鮮度保持システムの概略の構成を示す図である。
の別の実施例の概略の構成を示す図である。
酵素の概略の関係を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 生鮮食品の生産/収穫/漁獲より出荷ま
での出荷段階と、出荷拠点における貯蔵段階と、出荷拠
点より消費地までの輸送、配送の流通段階の少なくとも
一の過程を、氷蔵状態に置く生鮮食品の鮮度保持方法に
おいて、 少なくとも海水以下の略0.5〜2.5%の塩分濃度を
有する塩含有水の凍結により得られた塩含有氷をスラリ
ー状に形成して氷蔵状態の維持を図ったことを特徴とす
る生鮮食品の鮮度保持方法。 - 【請求項2】 前記塩含有水は、塩分濃度を各被貯蔵食
品の品温に対し凍結点手前に維持できるように調整する
ことを特徴とする請求項1記載の生鮮食品の鮮度保持方
法。 - 【請求項3】 前記塩含有氷は、海水と塩分調整用の水
をろ過、殺菌処理をしてスラリー状の氷を形成したこと
を特徴とする請求項1記載の生鮮食品の鮮度保持方法。 - 【請求項4】 前記海水は、海洋深層水を使用したこと
を特徴とする請求項3記載の生鮮食品の鮮度保持方法。 - 【請求項5】 生鮮食品の鮮度保持に用いる為に、少な
くとも海水以下の略0.5〜2.5%の塩分濃度を有す
る塩含有水の凍結により得られた塩含有氷をスラリー状
に形成してなる塩含有水の製氷方法において、 ろ過殺菌をした海水等の原水を塩分調整して約1.0〜
1.5%前後の塩分濃度の塩含有水となし、該塩含有水
に急速冷却を行なうことにより前記塩分濃度に対応する
−5〜−1℃の氷点温度を持つスラリー状塩含有氷を生
成したことを特徴とする塩含有氷の製造方法。 - 【請求項6】 前記急速冷却は、冷熱を供給する熱交換
器の伝熱面への塩含有水の噴射により、伝熱面上にフレ
ーク状氷を形成させる瞬間的自己凍結を行なうようにし
たことを特徴とする請求項5記載の塩含有氷の製造方
法。 - 【請求項7】 前記急速冷却は、過冷却塩含有水の過冷
却解除により、粒状氷を形成させる瞬間的自己凍結を行
なうようにしたことを特徴とする請求項5記載の塩含有
氷の製造方法。 - 【請求項8】 生鮮食品の鮮度保持に塩含有氷を使用す
る生鮮食品の鮮度保持システムにおいて、 ろ過・殺菌装置を含む海水等の原水取水手段と、ろ過殺
菌をした取水に0.5〜2.5%の塩分調整をした塩含
有水を得る塩分濃度調整手段と、濃度調整をした塩含有
水よりスラリー状塩含有氷を生成する塩含有氷製氷手段
と、該塩含有氷を貯留する貯氷手段と、該貯留したスラ
リー状塩含有氷を生鮮食品の収納部へ供給する供給手段
とよりなることを特徴とする生鮮食品の鮮度保持システ
ム。 - 【請求項9】 前記原水は深層海水を取水して構成し、
塩分濃度調整はろ過殺菌済み淡水の適量添加により構成
したことを特徴とする請求項8記載の生鮮食品の鮮度保
持システム。 - 【請求項10】 生鮮食品の鮮度保持に塩含有氷を使用
する生鮮食品の鮮度保持システムにおいて、 調整手段により略0.5〜略2.5%の所用塩分濃度に
調整したスラリー状塩含有氷を貯氷する貯氷手段と、該
貯氷手段より取出して魚等の生鮮食品の鮮度保持に使用
する使用手段と、鮮度保持の際に生じた融解汚染水を凍
結濃縮する凍結手段と、凍結氷にろ過殺菌した新海水を
添加して所用塩分濃度のスラリー状塩含有氷を得る調整
手段と、前記新海水の供給手段と、前記凍結手段により
濃縮された濃縮水の排水処理をする排水処理手段とより
なることを特徴とするセミクローズド式鮮度保持システ
ム。
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