JP2002114834A - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

エポキシ化合物の製造方法

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JP2002114834A
JP2002114834A JP2000305005A JP2000305005A JP2002114834A JP 2002114834 A JP2002114834 A JP 2002114834A JP 2000305005 A JP2000305005 A JP 2000305005A JP 2000305005 A JP2000305005 A JP 2000305005A JP 2002114834 A JP2002114834 A JP 2002114834A
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hydroxide
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reaction
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Takayuki Asakura
崇之 朝倉
Yasuhiro Maeda
保博 前田
Takashi Takayanagi
尚 高柳
Hiromitsu Morino
博満 森野
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Japan U-Pica Co Ltd
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Japan U-Pica Co Ltd
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】アルコール性水酸基を有するエポキシ化合物と
エピハロヒドリンとを反応させてグリシジルエーテル化
するに際して、高分子量化や加水分解性塩素を含む塩素
化合物の副生を抑制し、反応溶媒の製品中への残存が少
なく、水洗時の分離精製が容易であり、反応釜の容積効
率に優れたエポキシ化合物の製造を提供する。 【解決手段】1分子中に少なくとも1個のグリシジルエ
ーテル基および少なくとも1個のアルコール性水酸基を
有する芳香族エポキシ化合物のアルコール性水酸基とエ
ピハロヒドリンとを、第4級塩基性塩化合物および/ま
たはクラウンエーテル化合物ならびにアルカリ金属水酸
化物の存在下に反応させることを特徴とする芳香族エポ
キシ化合物の製造方法である。本発明方法は実質的に一
般に使用される反応溶剤を使用せずエポキシ化合物を製
造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ化合物の
製造方法に関する。さらに詳しくは、アルコール性水酸
基とエピハロヒドリンとの反応において、該水酸基のグ
リシジルエーテル化率が高く、塩素含有量の少ないエポ
キシ化合物を製造する方法であり、本発明は分離精製、
反応釜の容積効率に優れたエポキシ化合物の製造方法に
関するものである。本発明の製造方法により得られるエ
ポキシ化合物は、耐熱性、電気絶縁性、高い硬度と強靭
性を有し、耐水性、耐薬品性に優れ、成形材料、注型材
料、複合材料、塗料、接着剤、レジストなどの広範囲の
用途に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来から、エポキシ化合物はその優れた
密着性や耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性を有することか
ら、接着剤、注型材、積層材、塗料、封止剤等の用途に
広く使用されてきている。このエポキシ化合物に関し、
最近では、電気産業や半導体産業の発展に伴い、例え
ば、耐熱性、強靭性、耐水性、耐薬品性などの特性の向
上が更に要求され、かかる特性を満足すべく種々の新規
なエポキシ化合物が提案されている。例えば、特公昭3
7−9458号公報、特公昭59−24149号公報、
米国特許第2778855号では、アルコール性水酸基
とエピハロヒドリンとの反応(以後、グリシジルエーテ
ル化という)を、三フッ化ホウ素のようなルイス酸を触
媒として用いる方法が開示されている。このような強酸
を触媒として用いる方法は、エピハロヒドリンのアルコ
ール性水酸基への開環付加反応の工程と、ついで水酸化
ナトリウムなどによる閉環反応の工程(以後、二段法と
いう)とを必要とする。
【0003】二段法による製造方法は、収率は高いもの
の触媒として強酸を用いるので反応装置の腐食、取り扱
いの危険性、2モルのアルコールが縮合して得られるエ
ーテル化合物の副生、さらに加水分解性塩素が多く残存
する欠点がある。また、触媒として使用した強酸を水洗
する工程において使用される水の廃液処理がコストアッ
プになること、環境汚染問題の対策を十分に行う必要が
ある。
【0004】一方アルカリ金属水酸化物を触媒としてエ
ピハロヒドリンのアルコール性水酸基への付加反応と閉
環反応を同一反応工程内で行う方法(以後、一段法とい
う)は従来からよく知られた方法である。この一段法
は、反応工程が少ない利点と、得られるエポキシ化合物
中の加水分解性塩素含有量が、二段法のものに比べ低い
特長を有しているが、この方法により得られたエポキシ
化合物の加水分解性塩素および全塩素含有量は依然とし
て多く、電気部品用途に使用する場合には問題がある。
さらに、水酸基のグリシジルエーテル化率が低いこと、
原料であるエポキシ化合物中のグリシジルエーテル基が
エポキシ化合物の水酸基と反応し、高分子量化するなど
の問題もある。
【0005】また、生成する塩を水により洗浄する工程
でこの高分子量化したものが有機溶剤層と水層とを取り
込んでエマルジョン化し、分離が困難になる欠点があ
り、エマルジョン層が最後まで残り得られるエポキシ化
合物の収量が減少し、生産性が低下するという問題があ
る。
【0006】特開平1−168679号公報、特開平4
−128278号公報に、アルコール性水酸基とエピハ
ロヒドリンを反応させる方法が開示されている。これら
の方法ではジメチルスルホキシドのような非プロトン性
極性溶剤を使用することにより高収率でアルコール性水
酸基をグリシジルエーテル化することができ、しかも副
反応が少なく加水分解性塩素含有量の少ないものが得ら
れる特徴がある。
【0007】しかしながら、上記の方法は、回収したエ
ピハロヒドリン中にジメチルスルホキシドが混入するた
め、エピハロヒドリンの再利用が困難である問題点があ
る。さらに、ジメチルスルホキシドを用いた場合、副生
する塩を水により洗浄する工程でジメチルスルホキシド
の影響により有機溶剤層と水層との間でエマルジョン化
が起こり分離精製が困難になる問題点がある。また、有
機溶剤層と水層との分離をよくするためには大量の有機
溶剤を使用することが必要となり、反応釜の容積効率が
極端に低下し、生産性が悪くなると共に分離精製に用い
た水層中の生成塩、アルカリ金属水酸化物とともに、ジ
メチルスルホキシドが混入するために排水処理が問題と
なり、全体としてコスト高になる欠点がある。さらに、
ジメチルスルホキシドを使用する場合、高沸点のジメチ
ルスルホキシドを溶剤として使用することから得られた
エポキシ化合物中にどうしても少量の溶剤が残存するこ
ととなり、エポキシ化合物の軟化点が低下し、貯蔵中に
ブロッキングを起こし易く、作業性の低下や、成形品の
耐熱性の低下、耐水性の低下を招く要因となるなどの問
題点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルコール
性水酸基を有するエポキシ化合物とエピハロヒドリンと
を反応させてグリシジルエーテル化する際、上記に示す
ような高分子量化や加水分解性塩素を含む塩素化合物の
副生の抑制、反応溶剤の製品中への残存がなく、水洗時
の分離精製が容易であり、反応釜の容積効率に優れたエ
ポキシ化合物の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルコール性
水酸基を有するエポキシ化合物とエピハロヒドリンとの
反応において、第4級塩基性塩化合物および/またはク
ラウンエーテル化合物を特定の温度・時間で反応系に添
加混合したのち、アルカリ金属水酸化物を添加して反応
させることにより上記目的が達成されることを見出し本
発明を完成したものである。
【0010】すなわち、本発明は、(1)1分子中に少
なくとも1個のグリシジルエーテル基および少なくとも
1個のアルコール性水酸基を有する芳香族エポキシ化合
物のアルコール性水酸基とエピハロヒドリンとを、第4
級塩基性塩化合物および/またはクラウンエーテル化合
物ならびにアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させる
ことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
【0011】(2)また本発明は、下記一般式(1)、
(2)で表される1分子中に少なくとも1個のグリシジ
ルエーテル基および少なくとも1個のアルコール性水酸
基を有する芳香族エポキシ化合物のアルコール性水酸基
とエピハロヒドリンとを、第4級塩基性塩化合物および
/またはクラウンエーテル化合物ならびにアルカリ金属
水酸化物の存在下に反応させることを特徴とする一般式
(3)、(4)で表されるエポキシ化合物の製造方法に
関する。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】(3)また本発明は、1分子中に少なくと
も1個のグリシジルエーテル基および少なくとも1個の
アルコール性水酸基を有する芳香族エポキシ化合物が、
下記一般式(5)で表されるエポキシ化合物である上記
(1)または(2)記載のエポキシ化合物の製造方法に
関する。
【0017】
【化10】
【0018】(上記式(5)中、X、Yはそれぞれ異な
る二価の芳香族残基であり、Xが、ビフェノール型ジグ
リシジルエーテル、ビキシレノール型ジグリシジルエー
テル、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールフルオレン型ジグリシジルエーテル、ナフタレ
ン型ジグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも一種
の1分子中に少なくとも2個のグリシジルエーテル基を
有する芳香族エポキシ化合物の芳香族残基、Yが、ジヒ
ドロキシナフタレンおよびその誘導体、ビフェノールお
よびその誘導体、ビキシレノールおよびその誘導体、ビ
スフェノールおよびその誘導体、ハイドロキノンおよび
その誘導体、ビスフェノールフルオレンおよびその誘導
体から選ばれる少なくとも一種の1分子中に2個のフェ
ノール性水酸基を有する芳香族ジヒドロキシ化合物の芳
香族残基であり、l=1〜20である。)
【0019】(4)本発明は上記記載のエポキシ化合物
の製造において、第4級塩基性塩化合物および/または
クラウンエーテル化合物を室温〜80℃の温度範囲で反
応系内に添加して0.1〜3時間撹拌混合した後、次い
でアルカリ金属水酸化物を添加して40〜80℃で、反
応系内の水および反応生成水を、常圧または減圧下に反
応系外に留去しながら反応させるエポキシ化合物の製造
方法に関する。
【0020】(5)本発明は、第4級塩基性塩化合物と
して、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、第4級
ホスホニウムハイドロオキサイドまたは第4級アンモニ
ウムハイライドから選ばれる1種を使用する上記(1)
〜(4)に記載のエポキシ化合物の製造方法に関する。
【0021】(6)また上記の第4級塩基性塩化合物
が、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、または第
4級ホスホニウムハイドロオキサイドから選ばれる1種
である上記(1)〜(4)に記載のエポキシ化合物の製
造方法に関する。
【0022】(7)さらに本発明は、第4級アンモニウ
ムハイドロオキサイドまたは第4級ホスホニウムハイド
ロオキサイドを室温〜80℃の温度範囲で反応系内に添
加して0.1〜3時間撹拌混合した後、次いでアルカリ
金属水酸化物を添加して40〜80℃で、反応系内の水
および反応生成水を、常圧または減圧下に反応系外に留
去しながら反応させた後、100〜250℃の温度に加
熱して第4級アンモニウムハイドロオキサイドまたは第
4級ホスホニウムハイドロオキサイドを分解し、揮発分
を留去する上記(1)〜(4)に記載のエポキシ化合物
の製造方法に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ化合物の製造方
法は、1分子中に少なくとも1個のグリシジルエーテル
基および少なくとも1個のアルコール性水酸基を有する
芳香族エポキシ化合物のアルコール性水酸基とエピハロ
ヒドリンとを、第4級塩基性塩化合物および/またはク
ラウンエーテル化合物ならびにアルカリ金属水酸化物の
存在下に反応させることを特徴とするエポキシ化合物の
製造方法である。
【0024】上記1分子中に少なくとも1個のグリシジ
ルエーテル基および少なくとも1個のアルコール性水酸
基を有する芳香族エポキシ化合物は、下記一般式
(1)、(2)で表される。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】上記一般式(1)、(2)におけるX,Y
で表される二価の芳香族残基は、具体的には例えば、下
記の(a)〜(g)であり、(a),(b)においてR
1,R2,R3,R4は、水素原子、または炭素数1〜4の
アルキル基、またはハロゲン原子であり、p,q,r,
sは、R1,R2,R3,R4がアルキル基のときは1〜4
であり、ハロゲン原子のときは1または2である。
(c)、(d)、(g)においてR5,R6,R7,R8
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、
x,yは、1〜4,zは1〜4である。また(b)にお
けるAは、アルキレン、シクロアルキレン、ハロゲン原
子、アリール置換アルキレン、S、S=OまたはO=S
=Oである。
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】上記の一般式(1)、(2)あるいは
(5)で表される1分子中に少なくとも1個のグリシジ
ルエーテル基および少なくとも1個のアルコール性水酸
基を有する芳香族エポキシ化合物は、1分子中に少なく
とも1個のグリシジルエーテル基を有する芳香族エポキ
シ化合物と、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有
する芳香族ジヒドロキシ化合物とを原料とし、後述する
ような公知の触媒を用い、溶媒中または無溶媒中で反応
させることにより製造することができる。
【0036】上記の1分子中に少なくとも1個のグリシ
ジルエーテル基を有する芳香族エポキシ化合物は、1分
子中に少なくとも2個のグリシジルエーテル基およびす
くなくとも2個のアルコール性水酸基を有する芳香族エ
ポキシ化合物が好ましく、例えば、ビフェノール型ジグ
リシジルエーテル、ビキシレノール型ジグリシジルエー
テル、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールフルオレン型ジグリシジルエーテル、ナフタレ
ン型ジグリシジルエーテルなどの芳香族エポキシ化合物
が例示される。これらの芳香族エポキシ化合物は、例え
ばビフェノール化合物およびその誘導体、ビキシレノー
ル化合物およびその誘導体、ビスフェノール型化合物お
よびその誘導体、ビスフェノールフルオレン化合物およ
びその誘導体、ジヒドロキシナフタレン化合物およびそ
の誘導体とエピハロヒドリンとの反応により製造するこ
とができる。
【0037】上記一般式(2)で表される1分子中に少
なくとも1個のグリシジルエーテル基および少なくとも
1個のアルコール性水酸基を有する芳香族エポキシ化合
物として具体的には、下記式(5)で表される芳香族エ
ポキシ化合物が挙げられる。
【0038】
【化20】
【0039】(上記式(5)中、X、Yはそれぞれ異な
る二価の芳香族残基であり、Xが、ビフェノール型ジグ
リシジルエーテル、ビキシレノール型ジグリシジルエー
テル、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールフルオレン型ジグリシジルエーテル、ナフタレ
ン型ジグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも一種
の1分子中に少なくとも2個のグリシジルエーテル基を
有する芳香族エポキシ化合物の芳香族残基、Yが、ジヒ
ドロキシナフタレンおよびその誘導体、ビフェノールお
よびその誘導体、ビキシレノールおよびその誘導体、ビ
スフェノールおよびその誘導体、ハイドロキノンおよび
その誘導体、ビスフェノールフルオレンおよびその誘導
体から選ばれる少なくとも一種の1分子中に2個のフェ
ノール性水酸基を有する芳香族ジヒドロキシ化合物の芳
香族残基であり、l=1〜20である。)
【0040】また、上記の芳香族エポキシ化合物とし
て、市販のエポキシ化合物を使用することもできる。こ
のような市販のエポキシ化合物としては、例えば、ビフ
ェノール型ジグリシジルエーテルとして油化シェルエポ
キシ株式会社製の商品名「エピコートYL−6056」
等、ビキシレノール型ジグリシジルエーテルとして油化
シェルエポキシ株式会社製の商品名「エピコートYX−
4000」等、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル
として旭化成エポキシ株式会社製の商品名「AER#2
60」,商品名「AER#6071」等のビスフェノー
ルA型エポキシ化合物、大日本インキ化学工業株式会社
製の商品名「エピクロン830S」等のビスフェノール
F型エポキシ化合物、あるいは大日本インキ化学工業株
式会社製の商品名「エピクロンEXA1514」等のビ
スフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノールフル
オレン型ジグリシジルエーテルとして大阪ガスケミカル
株式会社製の商品名「BPF−G」、「BCF−G」等
のエポキシ化合物、またナフタレン型ジグリシジルエー
テルとして大日本インキ化学工業株式会社製の商品名
「エピクロンHP−4032(D)」等が挙げられる。
【0041】上記したエポキシ化合物は、それぞれ単独
であるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。またこれらのエポキシ化合物は剛直かつ左右対称の
構造を有するものを選択することにより耐水性、耐熱
性、強靭性、誘電率を含む電気特性の優れたエポキシ化
合物を得ることができる。
【0042】また、1分子中に2個のフェノール性水酸
基を有する芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例え
ば、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒド
ロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、
2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキ
シナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン等のジ
ヒドキシナフタレンおよびその誘導体、ビフェノール化
合物およびその誘導体、ビキシレノール化合物およびそ
の誘導体、ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビス
フェノールSなどのビスフェノール型化合物およびその
誘導体、ビスフェノールフルオレン化合物およびその誘
導体、ハイドロキノンおよびメチルハイドロキノン等の
ハイドロキノン誘導体などを挙げることができる。これ
らの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独であるいは2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0043】上記芳香族エポキシ化合物と芳香族ジヒド
ロキシ化合物との反応に使用される触媒としては、グリ
シジルエーテル基とフェノール性水酸基とが定量的に反
応するホスフィン類、アルカリ金属化合物、アミン類な
どが使用される。これらは単独であるいは適宜組み合わ
せて使用することができる。
【0044】ホスフィン類としては、トリブチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、等のトリアルキルホス
フィンまたはトリアリールホスフィンあるいはこれらと
酸化合物との塩類などが挙げられ、アルカリ金属化合物
としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの金属
水酸化物、ハロゲン化物、アルコラートなどが挙げら
れ、アミン類としては、トリメチルアミン、トリエチル
アミンなどの3級アミン化合物、あるいはこれらと酸化
合物との塩類を挙げることができる。
【0045】これらの触媒は、前記芳香族エポキシ化合
物と芳香族ジヒドロキシ化合物の総仕込量100重量部
に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.0
1〜1重量部の範囲で使用される。触媒の使用量が0.
001重量部未満では反応に長時間を要し経済的に好ま
しくない。一方、10重量部を超える量では反応が速過
ぎて温度制御が困難であり好ましくない。
【0046】前記芳香族エポキシ化合物と芳香族ジヒド
ロキシ化合物の反応は、上記の触媒の存在下に不活性ガ
ス気流中で130〜200℃の温度範囲で、必要に応じ
て反応に不活性の溶媒下に行われる。
【0047】また上記芳香族エポキシ化合物と芳香族ジ
ヒドロキシ化合物は、前記一般式(1)、(2)あるい
は(5)におけるm,n,およびlが1〜20の範囲に
なるような比率で反応される。m,n,およびlが1よ
りも少ない場合は伸び率、衝撃性などの特徴が発揮され
ず、20を超えるような範囲では反応時の粘度が極端に
高くなり使用できない。
【0048】次に本発明の目的とする前記の一般式
(3)または(4)および下記(6)式で示されるエポ
キシ化合物の製造方法について具体的に説明する。
【0049】
【化21】
【0050】すなわち、所定の反応容器に前記一般式
(1)、(2)または(5)で表されるエポキシ化合物
とエピハロヒドリンとを仕込み、攪拌しながら溶解させ
た混合溶液に、反応温度を室温〜80℃に保持しながら
触媒として第4級アンモニウムハイドロオキサイド、第
4級ホスホニウムハイドロオキサイドまたは第4級アン
モニウムハライドから選ばれる第4級塩基性塩化合物お
よび/またはクラウンエーテル化合物を添加し同温度で
0.1〜3時間攪拌混合した後、次いでアルカリ金属水
酸化物を添加し40〜80℃で生成水および反応系内の
水を系外に留去しながら反応させる。
【0051】本発明においては、芳香族エポキシ化合物
とエピハロヒドリンとの混合溶液を室温〜80℃、好ま
しくは30〜60℃、に保持しながら上記の触媒を添加
し、同温度に保持して0.1〜3時間、好ましくは0.
5〜1時間、反応(攪拌混合)させることが重要であ
る。反応温度が上記の範囲外、すなわち80℃を超える
場合は、原料エポキシ化合物のアルコール性水酸基のグ
リシジルエーテル化率が低くなり、高分子量化が起こり
良好な目的物が得られない。一方、室温よりも低い場合
には反応が進行し難く好ましくない。また反応時間(攪
拌混合時間)が0.1時間未満では第4級アンモニウム
ハイドロオキサイド、第4級ホスホニウムハイドロオキ
サイドまたは第4級アンモニウムハライドから選ばれる
第4級塩基性塩化合物および/またはクラウンエーテル
化合物と水酸基との間での錯塩形成が不十分になるため
にグリシジルエーテル化率が低くなり好ましくない。一
方、3時間を超えても錯塩形成が平衡状態となり長時間
の反応(攪拌混合)は生産性の面から好ましくない。
【0052】上記反応(攪拌混合)後、次いでアルカリ
金属水酸化物を添加し生成水および反応系内の水を、常
圧あるいは減圧下に、反応系外に留去しながらさらに反
応させるが、本発明においては20〜100mmHgの
減圧下に行うことが反応を円滑に進め、副反応を抑制す
る点から好ましい。
【0053】反応終了後、減圧下に過剰のエピハロヒド
リンを留去し、有機溶剤により残渣を溶解し、有機溶剤
に溶解した残渣を水洗して副生塩、アルカリ金属水酸化
物を分離除去する。有機溶剤層から常圧または減圧下で
有機溶剤を留去して目的とするエポキシ化合物を得る。
【0054】本発明に使用される第4級塩基性塩化合物
としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチ
ルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウム
ブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド等のテトラアルキル
アンモニウムハライド類、あるいは、トリメチルベンジ
ルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニ
ウムブロマイド等のトリアルキルベンジルアンモニウム
ハライド、あるいはテトラメチルアンモニウムバイカー
ボネート、テトラエチルアンモニウムバイカーボネート
等のテトラアルキルアンモニウムバイカーボネート類、
あるいはテトラメチルアンモニウムベンゾエート、テト
ラエチルアンモニウムベンゾエート等のテトラアルキル
アンモニウムベンゾエート類、あるいはビス(テトラメ
チルアンモニウム)フタレート等のビス(テトラアルキ
ルアンモニウム)フタレート類の第4級アンモニウム
塩、テトラエチルホスホニウムクロライド、ジメチルジ
シクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリフェニル
メチルホスホニウムヨーダイド等の第4級ホスホニウム
ハライド塩、または例えば、テトラメチルアンモニウム
ハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイド
ロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオ
キサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド等のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド
類、またはテトラメチルホスホニウムハイドロオキサイ
ド、テトラエチルホスホニウムハイドロオキサイド、テ
トラプロピルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ
ブチルホスホニウムハイドロオキサイド等のテトラアル
キルホスホニウムハイドロオキサイド類を挙げることが
できる。これらは単独であるいは2種以上を混合して使
用することができる。またこれらは固体または液体の状
態で使用される。
【0055】上記第4級塩基性塩化合物のうち、第4級
アンモニウムハライド、第4級アンモニウムハイドロオ
キサイド、または第4級ホスホニウムハイドロオキサイ
ドが好ましい。第4級アンモニウムハライドとしては、
例えば、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラ
ブチルアンモニウムブロマイドが反応収率の面から好ま
しく、第4級アンモニウムハイドロオキサイドとして
は、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、
テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テト
ラブチルアンモニウムハイドロオキサイドが好ましく、
または第4級ホスホニウムハイドロオキサイドとして
は、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド、テ
トラエチルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラプ
ロピルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラブチル
ホスホニウムハイドロオキサイドが好ましい。さらに
は、これらの第4級塩基性塩化合物のうち第4級アンモ
ニウムハイドロオキサイド類、または第4級ホスホニウ
ムハイドロオキサイド類が反応後、容易に分解除去でき
高品質の製品が得られるので特に好ましい。
【0056】第4級塩基性塩化合物は、前記一般式
(1)、(2)または(5)で表される芳香族エポキシ
化合物の水酸基1当量に対して、0.001〜2当量、
好ましくは0.05〜0.2当量の範囲で使用される。
0.001当量未満の場合はその効果が発現し難く、原
料エポキシ化合物のグリシジルエーテル基がエポキシ化
合物の水酸基と反応して高分子量化したりするので好ま
しくない。一方、2当量を超える量を添加してもそれ以
上の格別な効果の向上は見られない。
【0057】本発明の製造法においては、エピハロヒド
リンが反応溶剤としての機能を有するので従来一般的に
使用されている反応溶剤は使用されないが、必要に応じ
てシクロヘキサン、n−ヘキサンなどの低級脂肪族炭化
水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素などの反応に対して不活性の有機溶剤を添
加して反応させることもできる。しかしながら、溶剤を
使用することは反応釜の容積効率を低下させることにな
り、また高分子量化物の生成し易くなる要因ともなるの
で、多量の使用は好ましくない。
【0058】本発明で得られるエポキシ化合物は、加水
分解性塩素の含有量が従来の通常の製造方法に比べて相
当に低い値を示すものであるが、さらに加水分解性塩素
含有量を低くする場合には、得られたエポキシ化合物を
ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケト
ン等の有機溶剤に溶解し、水酸化アトリウム、水酸化カ
リウムなどのアルカリ金属水酸化物水溶液を添加し、さ
らに閉環反応を進め、ろ過または水洗し、減圧下に有機
溶剤を除去し加水分解性塩素含有量の少ないエポキシ化
合物とすることができる。
【0059】上記の方法により得られるエポキシ化合物
には、触媒として使用した微量の第4級塩基性塩化合物
が残存するのが実状である。これら触媒の製品中への残
存は、得られたエポキシ化合物をカルボキシル基含有化
合物と混合してインキを製造する場合、混合したインキ
の貯蔵安定性が極端に悪くなる傾向がある。また、ハロ
ゲンが多く含有する場合は電気、電子材料として使用す
る際に不都合であり好ましくない。このような場合に
は、上記触媒のうち第4級アンモニウムハイドロオキサ
イド、または第4級ホスホニウムハイドロオキサイドを
触媒として使用することが好ましく、得られたエポキシ
化合物を100〜250℃、好ましくは、120〜20
0℃の温度で熱処理することにより、得られたエポキシ
化合物中に微量に残存する第4級アンモニウムハイドロ
オキサイドまたは第4級ホスホニウムハイドロオキサイ
ドを低揮発分に分解し、常圧または減圧下に留去するこ
とができる。これにより、貯蔵安定性に優れ、塩素含有
量が低い高品質のエポキシ化合物を得られる。上記の熱
処理温度が250℃を超える高い温度の場合にはエポキ
シ化合物が重合したり、ゲル化する危険性があり、一
方、100℃未満の低い温度の場合は十分に分解せずエ
ポキシ化合物中に残存するので好ましくない。
【0060】本発明に使用されるエピハロヒドリンは、
アルコール性水酸基のグリシジルエーテル化の反応剤お
よび反応溶剤としての機能を有する。本発明において
は、実質的に通常使用されるような反応溶剤は使用せ
ず、いわゆる無溶剤下でエピハロヒドリンを反応溶剤と
して使用することから反応釜の容積効率を高めることが
できるものである。このようなエピハロヒドリンとして
は、たとえば、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリ
ン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン等が例
示されるが、工業的にはエピクロルヒドリンが使用され
る。エピハロヒドリンの使用量は、前記一般式(1)、
(2)または(5)で表されるエポキシ化合物の水酸基
1当量に対して、2〜15当量、好ましくは5〜10当
量の範囲で使用することが反応系の粘度、容積効率の面
から好ましい。エピハロヒドリンの使用量が2当量未満
の場合は反応が遅くなり、また反応系の粘度が高くなり
攪拌が不十分となる。一方、15当量を超える範囲では
容積効率が悪くなるので好ましくない。
【0061】本発明に使用される第4級アンモニウムハ
イドロオキサイド、第4級ホスホニウムハイドロオキサ
イド、第4級アンモニウムハライド等の第4級塩基性塩
化合物およびクラウンエーテル化合物は、まず、エピハ
ロヒドリンの存在下でアルコール性水酸基と効率よく錯
塩を形成し、アルコール性水酸基を活性化する作用と、
アルカリ金属水酸化物の添加時にエピハロヒドリンとの
付加反応および閉環反応を促進する効果を有する。
【0062】本発明に使用されるクラウンエーテル化合
物は、例えば、ベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロ
ヘキシル−18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラ
ウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8など
が例示される。このクラウンエーテル化合物は、前記一
般式(1)、(2)または(5)で表される芳香族エポ
キシ化合物100重量部に対して0.001〜0.1重
量部、好ましくは0.01〜0.05重量部の範囲で使
用される。0.001重量部未満ではその効果が得られ
ず水酸基のグリシジルエーテル化率が低い。0.1重量
部を超える量では製品のエポキシ化合物中に残存し耐薬
品性に影響を与えるので好ましくない。
【0063】本発明で使用されるアルカリ金属水酸化物
は、エピハロヒドリンのグリシジル基とアルコール性水
酸基との付加反応と、付加反応後の閉環反応の触媒とし
ての機能を有する。アルカリ金属水酸化物としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等が例示さ
れる。これらのアルカリ金属水酸化物は固体または水溶
液として使用することができる。固体状で使用する場合
は、粉砕物が反応率が高く好ましい。アルカリ金属水酸
化物の使用量は、グリシジルエーテル化する水酸基の化
学当量数と等当量で反応させることが好ましい。原料エ
ポキシ化合物の全水酸基をグリシジルエーテル化する場
合には、当該水酸基1当量に対して等当量〜2.0当量
の範囲で使用される。
【0064】本発明により製造されたエポキシ化合物
は、単独でまたは他の公知のエポキシ化合物と組み合わ
せて使用することができる。また従来のエポキシ化合物
と同様に、例えば、エポキシ樹脂ハンドブック(新保正
樹編、日刊工業新聞社発行)に記載されている公知の硬
化剤、例えば、アミン系化合物、酸無水物系化合物、ア
ミド系化合物、フェノール系化合物、硬化促進剤、例え
ば、イミダゾール系化合物、第3級アミン類、フェノー
ル類、金属化合物、等を添加することにより硬化させる
ことができる。
【0065】例えば、本発明で得られた前記一般式
(3)、(4)または(6)で表されるエポキシ化合物
に、硬化剤、充填材およびその他の添加剤を混合し、必
要に応じて押出機やニーダー、ロール等を用いて均一に
混合、混練してエポキシ樹脂組成物とし、このエポキシ
樹脂組成物を溶融した後、注型あるいはトランスファー
成形等により成形し、さらに80〜200℃に加熱する
ことにより硬化物を得ることができる。また、エポキシ
樹脂組成物を溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カーボン繊
維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アルミナ繊
維、紙などの基材に含浸あるいは塗布し、加熱乾燥して
得たプリプレグを熱成形して硬化物を得ることもでき
る。なお、上記のエポキシ樹脂組成物には、さらに必要
に応じて無機充填剤、有機充填剤、等の種々の配合剤を
添加することができる。
【0066】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるもの
ではない。本実施例において「部」は特に断らない限り
重量部である。また各特性は次に示す方法に従って測定
した。
【0067】[反応釜の容積効率]反応釜の容積効率
は、次式より算出した。反応釜の容積効率が高い程容積
効率に優れており、容積効率が低い程容積効率が悪いこ
とを示す。
【0068】[エポキシ当量]エポキシ化合物を、クロ
ロホルムとクロルベンゼンの混合溶液に溶解し、0.1
N臭化水素酢酸溶液で滴定することにより得られるエポ
キシ基1当量当たりの分子量を示す。
【0069】[貯蔵安定性]酸化100mgKOH/g
の日本ユピカ株式会社製「ネオポール8300」100
部と実施例1〜5、比較例1〜4で得たエポキシ化合物
25部を3本ロールで混練し、粘度変化を調べた。粘度
はB型粘度計を使用してJIS K6901に準拠して
測定した。評価方法は、混合直後の粘度をX、40℃、
10日間放置後の粘度をYとした場合、次式により算出
した粘度の増加率により○、△、×の3段階で判定し
た。粘度増加率の小さいのもが良好で、15%未満のも
のが望ましい。 粘度上昇率(%)=(Y−X)×100/X X:混合直後の粘度、 Y:40℃、10日放置後の粘度 ○:粘度上昇率15%未満 △:粘度上昇率15〜30% ×:粘度上昇率30%以上
【0070】[加水分解性塩素]エポキシ化合物をジオ
キサンに溶解し、1N水酸化カリウムのアルコール溶液
を加え、還流状態で30分加熱した時に脱離する塩素イ
オンを硝酸銀溶液で滴定により定量して得られた量を示
す。
【0071】[全塩素量]エポキシ化合物を、エチレン
グリコールモノブチルエーテルに溶解し、これに1N水
酸化カリウムのプロピレングリコール溶液を加え、20
分間還流させ、冷却後、脱離する塩素イオンを硝酸銀溶
液で滴定により定量して得られた量を示す。
【0072】[軟化点]JIS K2207 5.4(環
球法)に準じて測定した。
【0073】[ブロッキング性]塩化ビニル製の内径2
5mm,長さ150mmの円筒型容器に粉砕したエポキ
シ化合物20部を投入し、これを40℃の恒温槽に1週
間静置した後、恒温槽から取り出し23℃まで冷却す
る。この時の状態を観察し、以下の基準で評価した。 ○:粉砕したエポキシ化合物が投入時のままの状態であ
る。 ×:容積が小さくなり塊となっている。
【0074】[分子量分布]分子量分布は、ゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したクロマト
グラムを、分子量既知のポリスチレンにて分子量に換算
して得られた値の分子量分布曲線で示した。
【0075】原料エポキシ化合物の仕込み量(重量)
(A)、エピクロルヒドリンの仕込み量(重量)
(B)、溶剤の仕込み量(重量)(C)、反応釜の総仕
込み量(重量)(D)、得られたエポキシ化合物収量
(重量)(E)、反応釜の容積効率(%)(F)とした
とき、F(%)= E/D×100, D=A+B+C
である。
【0076】合成例 1 ガス導入管、攪拌装置、温度計、冷却管を備えた反応容
器に、油化シェルエポキシ株式会社製エポキシ当量19
2g/当量のビキシレノール型エポキシ化合物(商品名
「エピコートYX−4000」)867.2部、水酸基
当量80g/当量の1,5−ジヒドロキシナフタレン1
32.8部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌下110℃で
溶解させた。その後、トリフェニルホスフィン0.5部
を添加し、攪拌下150℃で90分間反応させ、エポキ
シ当量350g/当量、水酸基当量522g/当量、軟
化点84℃のエポキシ化合物(I)を得た。
【0077】合成例 2 合成例1と同様の反応容器に、油化シェルエポキシ株式
会社製エポキシ当量192g/当量のビキシレノール型
エポキシ化合物(商品名「エピコートYX−400
0」)818.8部、水酸基当量80g/当量の1,5
−ジヒドロキシナフタレン181.2部を仕込み、窒素
雰囲気下に攪拌下110℃で溶解させた。その後、トリ
フェニルホスフィン0.5部を添加し、攪拌下150℃
で90分間反応させた。エポキシ当量500g/当量、
水酸基当量673g/当量、軟化点107℃のエポキシ
化合物(II)を得た。
【0078】合成例 3 合成例1と同様の反応容器に、旭化成株式会社製エポキ
シ当量189g/当量のビスフェノールA型エポキシ化
合物(商品名「AER#2600」)778.9部、水
酸基当量175g/当量のビスフェノールフルオレン2
21.2部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌下110℃で
溶解させた。その後、トリフェニルホスフィン0.5部
を添加し、攪拌下150℃で90分間反応させた。エポ
キシ当量350g/当量、水酸基当量673g/当量、
軟化点87℃のエポキシ化合物(III)を得た。
【0079】合成例 4 合成例1と同様の反応容器に、旭化成株式会社製エポキ
シ当量189g/当量のビスフェノールA型エポキシ化
合物(商品名「AER#2600」)789.0部、水
酸基当量175g/当量のビスフェノールA123.4
部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌下110℃で溶解させ
た。その後、トリフェニルホスフィン0.5部を添加
し、攪拌下150℃で90分間反応させた。エポキシ当
量450g/当量、水酸基当量114g/当量、軟化点
75℃のエポキシ化合物(IV)を得た。
【0080】実施例 1 ガス導入管、攪拌装置、温度計、アルカリ金属水酸化物
水溶液の連続滴下用の滴下ロート、および水、エピクロ
ルヒドリンの蒸気を冷却、液化し、その凝縮液を有機層
と水層の二層に分離し、さらに水層を反応系外に除去お
よび有機層を反応系内に戻すための装置を付設した反応
容器に、合成例1で得たエポキシ化合物(I)1000
部、エピクロルヒドリン1775部を加え溶解させた
後、40℃まで冷却し、テトラメチルアンモニウムブロ
マイド29.6部を添加し、さらに40℃で60分間攪
拌した。その後、攪拌下に40℃で48%水酸化ナトリ
ウム水溶液175.9部を60分間を要して連続滴下し
た。次いでさらに反応容器内の圧力を80mmHgに減
圧し、45℃で6時間反応を行った。ここで反応中、系
内の水分をエピクロルヒドリンとの共沸により除去する
と共に、揮発成分を冷却、液化しエピクロルヒドリンと
水とを分離し、留出エピクロルヒドリンを反応系中に還
流しながら反応を行った。次いで過剰の未反応エピクロ
ルヒドリンを減圧蒸留により回収し、副生塩を含む反応
生成物をメチルイソブチルケトン1500.0部に溶解
させた。溶解後、水500部で2回水洗を行った。有機
溶媒層と水層を分離後、有機溶媒層よりメチルイソブチ
ルケトンを減圧蒸留して留去した。エポキシ当量 24
3g/当量、加水分解性塩素量270ppm、軟化点7
6℃のエポキシ化合物1010部を得た。
【0081】得られたエポキシ化合物は、エポキシ当量
から計算すると、前記一般式(5)におけるアルコール
性水酸基1.34個のうち、1.14個がグリシジルエ
ーテル化されている。従って、反応率は85.1%であ
る。また理論値に対する収率は92.5重量%である。
得られたエポキシ化合物の反応釜の容積効率、水洗時の
有機溶媒層と水層の分離状態、アルコール性水酸基のグ
リシジルエーテル化率、貯蔵安定性、加水分解性塩素
量、全塩素量、軟化点、ブロッキング性を表1に示し
た。
【0082】実施例 2 実施例1に使用したと同様の反応容器に、合成例1で得
たエポキシ化合物(I)1000部、エピクロルヒドリ
ン1775部を加えて溶解させた後、40℃まで冷却
し、テトラブチルアンモンモニウムブロマイド61.8
部を添加した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ
当量233g/当量、加水分解性塩素量261ppm、
軟化点73℃のエポキシ化合物1017部を得た。
【0083】得られたエポキシ化合物は、エポキシ当量
から計算して、前記一般式(5)におけるアルコール性
水酸基 1.34個のうち、1.32個がグリシジルエ
ーテル化されている。したがって、反応率は98.5%
である。また、理論値に対する収率は91.8重量%で
あった。得られたエポキシ化合物の反応釜の容積効率、
水洗時の有機溶媒層と水層の分離状態、アルコール性水
酸基のグリシジルエーテル化率、貯蔵安定性、加水分解
性塩素量、全塩素量、軟化点、ブロッキング性を表1に
示した。
【0084】実施例 3 実施例1に使用したと同様の反応容器を使用し、合成例
1で得られたエポキシ化合物(I)1000部、エピク
ロルヒドリン1775部を加え、溶解させた後、40℃
まで冷却し、26%テトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド水溶液67.3部を添加した以外は実施例1
と同様にしてメチルイソブチルケトンを減圧下に留去し
た。続いて、150℃に昇温して触媒を分解させ、揮発
成分を減圧下に留去した。30分後、冷却してエポキシ
当量238g/当量、加水分解性塩素量225ppm、
軟化点74℃のエポキシ化合物1052部を得た。
【0085】上記により得られたエポキシ化合物は、エ
ポキシ当量から計算して、前記一般式(5)におけるア
ルコール性水酸基1.34個のうち1.23個がグリシ
ジルエーテル化されている。したがって、反応率は9
1.8%である。また、理論値に対する収率は95.8
重量%であった。得られたエポキシ化合物の反応釜の容
積効率、水洗時の有機溶媒層と水層の分離状態、アルコ
ール性水酸基のグリシジルエーテル化率、貯蔵安定性、
加水分解性塩素量、全塩素量、軟化点、ブロッキング性
を表1に示した。
【0086】実施例 4 実施例1に使用したと同様の反応容器に、合成例2で得
たエポキシ化合物(II)1000部、エピクロルヒド
リン2321部を加えて溶解させた後、40℃まで冷却
し、26%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド水溶液87.9部、48%水酸化ナトリウム水溶液2
29.7部を使用した以外は、実施例1と同様に行い、
次いで、実施例3と同様に触媒を分解処理し、エポキシ
当量265g/当量、加水分解性塩素量237ppm、
軟化点87℃のエポキシ化合物1026部を得た。
【0087】上記により得られたエポキシ化合物は、エ
ポキシ当量から計算して、(5)式におけるアルコール
性水酸基2.51個のうち2.25個がグリシジルエー
テル化されている。したがって、反応率は89.6%で
ある。また、理論値に対する収率は91.1重量%であ
った。得られたエポキシ化合物の反応釜の容積効率、水
洗時の有機溶媒層と水層の分離状態、アルコール性水酸
基のグリシジルエーテル化率、貯蔵安定性、加水分解性
塩素量、全塩素量、軟化点、ブロッキング性を表1に示
した。
【0088】実施例 5 実施例1に使用したと同様の反応容器に、合成例3で得
たエポキシ化合物(III)1000部、エピクロルヒ
ドリン1376部を加えて溶解させた後、40%テトラ
ブチルホスホニウムハイドロオキサイド水溶液102.
7部、48%水酸化ナトリウム水溶液136.2部を使
用した以外は、実施例1と同様に行い、次いで、実施例
3と同様に触媒を分解処理し、エポキシ当量259g/
当量、加水分解性塩素量256ppm、軟化点70℃の
エポキシ化合物978部を得た。
【0089】上記により得られたエポキシ化合物は、エ
ポキシ当量から計算して、(5)式におけるアルコール
性水酸基1.04個のうち0.90個がグリシジルエー
テル化されている。したがって、反応率は86.5%で
ある。また、理論値に対する収率は91.1重量%であ
った。得られたエポキシ化合物の反応釜の容積効率、水
洗時の有機溶媒層と水層の分離状態、アルコール性水酸
基のグリシジルエーテル化率、貯蔵安定性、加水分解性
塩素量、全塩素量、軟化点、ブロッキング性を表1に示
した。
【0090】実施例 6 実施例1に使用したと同様の反応容器に、合成例4で得
たエポキシ化合物(IV)1000部、エピクロルヒド
リン2142部を加えて溶解させた後、26%テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液81.2
部、48%水酸化ナトリウム水溶液212.2部を使用
した以外は、実施例1と同様に行い、次いで、実施例3
と同様に触媒を分解処理し、エポキシ当量256g/当
量、加水分解性塩素量253ppm、軟化点65℃のエ
ポキシ化合物1011部を得た。
【0091】上記により得られたエポキシ化合物は、エ
ポキシ当量から計算して、アルコール性水酸基2.09
個のうち1.94個がグリシジルエーテル化されてい
る。したがって、反応率は92.8%である。また、理
論値に対する収率は90.2重量%であった。得られた
エポキシ化合物の反応釜の容積効率、水洗時の有機溶媒
層と水層の分離状態、アルコール性水酸基のグリシジル
エーテル化率、貯蔵安定性、加水分解性塩素量、全塩素
量、軟化点、ブロッキング性を表1に示した。
【0092】実施例 7 実施例1におけるテトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイドに替えてジベンゾ−18−クラウン−6を6
9.0部使用した以外は、実施例1と同様に行って、エ
ポキシ当量237g/当量、加水分解性塩素量230p
pm、軟化点75℃のエポキシ化合物1043部を得
た。上記により得られたエポキシ化合物は、エポキシ当
量から計算して、アルコール性水酸基1.34個のうち
1.25個がグリシジルエーテル化されている。したが
って、反応率は93.3%である。また、理論値に対す
る収率は94.8重量%であった。得られたエポキシ化
合物の反応釜の容積効率、水洗時の有機溶媒層と水層の
分離状態、アルコール性水酸基のグリシジルエーテル化
率、貯蔵安定性、加水分解性塩素量、全塩素量、軟化
点、ブロッキング性を表1に示した。
【0093】比較例 1 ガス導入管、撹拌装置、温度計、および水、エピクロル
ヒドリンの蒸気を冷却、液化し、その凝集液を有機層と
水層の2層に分離し、さらに水層を反応系外に除去およ
び有機層を反応系内に還流する装置を付設した反応容器
に、合成例1で得たエポキシ化合物(I)1000部、
エピクロルヒドリン1775部、ジメチルスルホキシド
1000部を加えて溶解させた後、40℃まで冷却し
た。その後、撹拌下に40℃で96%固形水酸化ナトリ
ウム159.9部を60分間を要して分割添加した。次
いで、反応容器内の圧力を80mmHgに減圧し、45
℃で6時間反応を行った。反応中は反応系内の水分をエ
ピクロルヒドリンとの共沸により除去すると共に、揮発
成分を冷却、液化し、エピクロルヒドリンと水との分離
を行い、留出エピクロルヒドリンを反応系内に還流しな
がら反応を行った。過剰の未反応エピクロルヒドリンお
よび大半のジメチルスルホキサイドを減圧蒸留して回収
し、副生塩およびジメチルスルホキシドを含有する反応
生成物をメチルイソブチルケトン2000部に溶解させ
た。溶解後、水1000部で4回洗浄し副生塩およびジ
メチルスルホキシドを除去した。有機層と水層とを分離
した後、有機層からメチルイソブチルケトンを減圧蒸留
により回収し、エポキシ当量237g/当量、加水分解
性塩素含有量210ppm、軟化点64℃のエポキシ化
合物976部を得た。
【0094】得られたエポキシ化合物は、エポキシ当量
から計算すると、前記一般式(5)におけるアルコール
性水酸基1.34個のうち、1.25個がグリシジルエ
ーテル化されている。したがって、反応率は93.3%
である。また、理論値に対する収率は、88.7重量%
であった。得られたエポキシ化合物の反応釜の容積効
率、水洗時の有機溶媒層と水層の分離状態、アルコール
性水酸基のグリシジルエーテル化率、貯蔵安定性、加水
分解性塩素量、全塩素量、軟化点、ブロッキング性を表
1に示した。
【0095】比較例 2 ガス導入管、撹拌装置、温度計、アルカリ金属水酸化物
水溶液の滴下用滴下ロートを備えた反応容器に合成例1
で得たエポキシ化合物(I)、エピクロルヒドリン17
75部を加え溶解させた。溶解後、撹拌下に40℃で4
8%水酸化ナトリウム水溶液175.9部を60分を要
して連続的に滴下した。さらに45℃で6時間反応を行
った後、過剰の未反応エピクロルヒドリンを減圧蒸留し
て回収し、副生塩を含む反応生成物をメチルイソブチル
ケトン2000部に溶解させた。溶解後水1000部で
2回洗浄し油層と水層とを分離後、油層からメチルイソ
ブチルケトンを減圧蒸留で回収して、エポキシ当量27
8g/当量、加水分解性塩素量1562ppm、軟化点
65℃のエポキシ化合物623部を得た。
【0096】得られたエポキシ化合物は、エポキシ当量
から計算すると、前記一般式(5)におけるアルコール
性水酸基1.34個のうち、0.65個がグリシジルエ
ーテル化されている。したがって、反応率は48.5%
である。また、理論値に対する収率は、59.2重量%
であった。尚、本比較例は反応系内に多量のゲルが生成
し、水洗による分液時に、有機層と水層の間に多量の乳
化した中間層を形成し、分液に多量の有機溶媒と長時間
を要した。得られたエポキシ化合物の反応釜の容積効
率、水洗時の有機溶媒層と水層の分離状態、アルコール
性水酸基のグリシジルエーテル化率、貯蔵安定性、加水
分解性塩素量、全塩素量、軟化点、ブロッキング性を表
1に示した。
【0097】合成例1、実施例1、および比較例2で得
られたエポキシ化合物について、それぞれ分子量分布を
測定し副生する高分子量化物の存在を確認した。その分
子量分布曲線を図1に示した。図1から本発明の製造方
法により得られた実施例1のエポキシ化合物は、原料で
ある合成例1のエポキシ化合物の分子量分布に極めて近
似しており、副反応物が少ないことが認められる。比較
例2で得られたエポキシ化合物は、高分子領域に分布を
示し、高分子量化していることが認められる。
【0098】
【表1】
【0099】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、反応釜の容
積効率がよく、高収量で目的とするエポキシ化合物が得
られるとともに、副生塩、アルカリ水酸化物等を水洗に
より精製する工程で良好な分離性を示し、グリシジルエ
ーテル化率も高いエポキシ化合物を得ることができる。
また本発明の方法により得られたエポキシ化合物は加水
分解性塩素量、全塩素量が極めて低く、軟化点が高く取
り扱い性に優れている。また、本発明においては、得ら
れたエポキシ化合物を熱処理することにより触媒成分が
分解、除去されており貯蔵安定性に優れているものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によるエポキシ化合物と比較例で
示したエポキシ化合物の分子量分布曲線を示す。
【符号の説明】
(1)原料エポキシ化合物、 (2)実施例1のエポキシ化合物 (3)比較例2のエポキシ化合物
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月11日(2000.10.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】本発明に使用される第4級塩基性塩化合物
としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチ
ルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウム
ブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド等のテトラアルキル
アンモニウムハライド類、あるいは、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモ
ニウムブロマイド等のトリアルキルベンジルアンモニウ
ムハライド、あるいはテトラメチルアンモニウムバイカ
ーボネート、テトラエチルアンモニウムバイカーボネー
ト等のテトラアルキルアンモニウムバイカーボネート
類、あるいはテトラメチルアンモニウムベンゾエート、
テトラエチルアンモニウムベンゾエート等のテトラアル
キルアンモニウムベンゾエート類、あるいはビス(テト
ラメチルアンモニウム)フタレート等のビス(テトラア
ルキルアンモニウム)フタレート類の第4級アンモニウ
ム塩、テトラエチルホスホニウムクロライド、ジメチル
ジシクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリフェニ
ルメチルホスホニウムヨーダイド等の第4級ホスホニウ
ムハライド塩、または例えば、テトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロ
オキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサ
イド等のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイ
ド類、またはテトラメチルホスホニウムハイドロオキサ
イド、テトラエチルホスホニウムハイドロオキサイド、
テトラプロピルホスホニウムハイドロオキサイド、テト
ラブチルホスホニウムハイドロオキサイド等のテトラア
ルキルホスホニウムハイドロオキサイド類を挙げること
ができる。これらは単独であるいは2種以上を混合して
使用することができる。またこれらは固体または液体の
状態で使用される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】本発明で得られるエポキシ化合物は、加水
分解性塩素の含有量が従来の通常の製造方法に比べて相
当に低い値を示すものであるが、さらに加水分解性塩素
含有量を低くする場合には、得られたエポキシ化合物を
ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケト
ン等の有機溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどのアルカリ金属水酸化物水溶液を添加し、さ
らに閉環反応を進め、ろ過または水洗し、減圧下に有機
溶剤を除去し加水分解性塩素含有量の少ないエポキシ化
合物とすることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】[反応釜の容積効率]反応釜の容積効率
は、次式より算出した。反応釜の容積効率が高い程容積
効率に優れており、容積効率が低い程容積効率が悪いこ
とを示す。原料エポキシ化合物の仕込み量(重量)
(A)、エピクロルヒドリンの仕込み量(重量)
(B)、溶剤の仕込み量(重量)(C)、反応釜の総仕
込み量(重量)(D)、得られたエポキシ化合物収量
(重量)(E)、反応釜の容積効率(%)(F)とした
とき、F(%)= E/D×100, D=A+B+C
である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 前田 保博 神奈川県平塚市東八幡5丁目3番3号 日 本ユピカ株式会社技術研究所内 (72)発明者 高柳 尚 神奈川県平塚市東八幡5丁目3番3号 日 本ユピカ株式会社技術研究所内 (72)発明者 森野 博満 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB01 CC02 CC03 JJ05 UU05 XX02 4J036 AB01 AB02 AB03 AB05 AB11 AD07 AD08 AD11 AD12 BA01 BA02 CA10 CA28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に少なくとも1個のグリシジル
    エーテル基および少なくとも1個のアルコール性水酸基
    を有する芳香族エポキシ化合物のアルコール性水酸基と
    エピハロヒドリンとを、第4級塩基性塩化合物および/
    またはクラウンエーテル化合物ならびにアルカリ金属水
    酸化物の存在下に反応させることを特徴とするエポキシ
    化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)、(2)で表される1
    分子中に少なくとも1個のグリシジルエーテル基および
    少なくとも1個のアルコール性水酸基を有する芳香族エ
    ポキシ化合物のアルコール性水酸基とエピハロヒドリン
    とを第4級塩基性塩化合物および/またはクラウンエー
    テル化合物ならびにアルカリ金属水酸化物の存在下に反
    応させることを特徴とする一般式(3)、(4)で表さ
    れるエポキシ化合物の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  3. 【請求項3】 1分子中に少なくとも1個のグリシジル
    エーテル基および少なくとも1個のアルコール性水酸基
    を有する芳香族エポキシ化合物が、下記一般式(5)で
    表されるエポキシ化合物である請求項1または2記載の
    エポキシ化合物の製造方法。 【化5】 (上記式(5)中、X、Yはそれぞれ異なる二価の芳香
    族残基であり、Xが、ビフェノール型ジグリシジルエー
    テル、ビキシレノール型ジグリシジルエーテル、ビスフ
    ェノール型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールフル
    オレン型ジグリシジルエーテル、ナフタレン型ジグリシ
    ジルエーテルから選ばれる少なくとも一種の1分子中に
    少なくとも2個のグリシジルエーテル基を有する芳香族
    エポキシ化合物の芳香族残基、Yが、ジヒドロキシナフ
    タレンおよびその誘導体、ビフェノールおよびその誘導
    体、ビキシレノールおよびその誘導体、ビスフェノール
    およびその誘導体、ハイドロキノンおよびその誘導体、
    ビスフェノールフルオレンおよびその誘導体から選ばれ
    る少なくとも一種の1分子中に2個のフェノール性水酸
    基を有する芳香族ジヒドロキシ化合物の芳香族残基であ
    り、l=1〜20である。)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のエポキシ化合物の製
    造において、第4級塩基性塩化合物および/またはクラ
    ウンエーテル化合物を室温〜80℃の温度範囲で反応系
    内に添加して0.1〜3時間撹拌混合した後、次いでア
    ルカリ金属水酸化物を添加して40〜80℃で、反応系
    内の水および反応生成水を、常圧または減圧下に反応系
    外に留去しながら反応させることを特徴とする請求項1
    〜3記載のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第4級塩基性塩化合物が、第4級アンモ
    ニウムハイドロオキサイド、第4級ホスホニウムハイド
    ロオキサイドまたは第4級アンモニウムハライドから選
    ばれる1種である請求項1〜4記載のいずれかに記載の
    エポキシ化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 第4級塩基性塩化合物が、第4級アンモ
    ニウムハイドロオキサイドまたは第4級ホスホニウムハ
    イドロオキサイドから選ばれる1種であることを特徴と
    する請求項1〜4記載のいずれかに記載のエポキシ化合
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】 第4級アンモニウムハライドが、テトラ
    ブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニ
    ウムブロマイド、トリブチルベンジルアンモニウムクロ
    ライド、トリブチルベンジルアンモニウムブロマイドで
    ある請求項1〜4記載のいずれかに記載のエポキシ化合
    物の製造方法。
  8. 【請求項8】 第4級アンモニウムハイドロオキサイド
    がテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テト
    ラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロ
    ピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルア
    ンモニウムハイドロオキサイドである請求項1〜4記載
    のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 第4級ホスホニウムハイドロオキサイド
    がテトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド、テト
    ラエチルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラプロ
    ピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルホ
    スホニウムハイドロオキサイドである請求項1〜4記載
    のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3記載のエポキシ化合物の
    製造において、第4級アンモニウムハイドロオキサイド
    または第4級ホスホニウムハイドロオキサイドを室温〜
    80℃の温度範囲で反応系内に添加して0.1〜3時間
    撹拌混合した後、次いでアルカリ金属水酸化物を添加し
    て40〜80℃で、反応系内の水および反応生成水を、
    常圧または減圧下に反応系外に留去しながら反応させた
    後、100℃〜250℃の温度に加熱して第4級アンモ
    ニウムハイドロオキサイドまたは第4級ホスホニウムハ
    イドロオキサイドを分解し、揮発分を留去することを特
    徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載のエポキシ
    化合物の製造方法。
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