JP2509673B2 - エポキシ化合物およびこれを必須成分とするエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ化合物およびこれを必須成分とするエポキシ樹脂組成物

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JP2509673B2 JP63127350A JP12735088A JP2509673B2 JP 2509673 B2 JP2509673 B2 JP 2509673B2 JP 63127350 A JP63127350 A JP 63127350A JP 12735088 A JP12735088 A JP 12735088A JP 2509673 B2 JP2509673 B2 JP 2509673B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈発明の技術分野〉 本発明は、エポキシ化合物およびこれを必須成分とす
るエポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは耐熱性が
高く、かつ機械特性に優れた低誘電率のエポキシ樹脂硬
化物を提供するための新しい化学構造を有するエポキシ
化合物、およびこの新規なエポキシ化合物を必須構成成
分として含むエポキシ樹脂組成物に関するものである。
〈従来技術とその問題点〉 エポキシ樹脂硬化物は電気特性、接着性及び耐熱性に
優れ、電気絶縁材料、接着剤、塗料などに広く使用され
ている。近年、電気電子分野を中心にした使用用途の高
度が進み、耐熱性、機械特性及び電気特性の高度化が要
求されている。
耐熱性に優れた硬化物を生じさせるエポキシ樹脂とし
てはオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOC
N)、フェノールボラック型エポキシ樹脂が挙げられ
る。しかしながら、これらエポキシ樹脂の硬化物は脆い
という問題が残っている。
エポキシ樹脂硬化物は従来から脆い、即ち可撓性が不
足していたが、更に耐熱性を向上させると、可撓性の低
下を招くことになる。可撓性が不足していると、例えば
塗料においては塗膜に衝撃を受けるとその亀裂を生じ易
いとか、接着剤においては期待される程の剥離強度を発
現しないとか、注型品では熱衝撃によるクラックを発生
し易いなどの問題が生じてくる。
可撓性の改善されたエポキシ樹脂としてポリアルキレ
ングリコールのジグリシジルエーテル、ラクトン変性エ
ポキシ樹脂等が知られているが、これら樹脂から得られ
る硬化物では可撓性は改善されるものの、耐熱性、強度
の面で性能が低下する。高度の使用用途に対応した耐熱
性、可撓性に優れた樹脂の開発が切望されている。
一方、積層板分野では、コンピューターの演算速度の
向上を目的に積層板の低誘電率化が要求されている。こ
れまではファインパターン化、高密度化で演算速度向上
が図られて来たが、物理的に限界となり、素材の低誘電
率化が着目されたわけである。
低誘電率化はポリエチレン樹脂、弗素樹脂を用いるこ
とで既に検討されているが、多くの場合に次の欠点を伴
う。
1.機械的強度に劣る 2.寸法安定性に劣る 3.銅箔剥離強度が低下する 一方、素材ガラスを石英に変えることも検討されてい
るが、穿孔時にドリルの消耗が激しくなるという問題が
ある。
上述のようにエポキシ樹脂が従来備えている特性を保
持し、かつ低誘電率樹脂の出現も又望まれている。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、耐熱性及び可撓性に優れ、又従来の
エポキシ樹脂に比して低誘電率の樹脂を生じさせ得る新
規なエポキシ化合物及びこれを成分とするエポキシ樹脂
組成物を提供しようとする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明に係るエポキシ化合物は、グリシジル基が結合
した芳香族環の例えばオルソ位に第3ブチル基等の三級
アルキル基を有する新規な化学構造を有する化合物であ
る。また本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、このエポ
キシ化合物を必須成分として含み、これに硬化剤と、硬
化促進剤とを添加してなることを特徴としている。そし
て、上記のエポキシ化合物から得られる硬化物は、その
構成単位である前記エポキシ化合物の第3アルキル基に
より引き起こされる立体障害により、従来知られている
エポキシ樹脂硬化物と比較して耐熱性および可撓性に優
れた低誘電率の樹脂である。
〈課題を解決するための手段〉 本発明の第1の態様は下記一般式(A)で表わされる
ことを特徴とするエポキシ化合物を提供する。
(ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1
R2、R3は水素原子またはC1〜C6のアルキル基であり、R1
は好ましくは水素またはメチル基であり、R2は好ましく
はメチル基、エチル基、プロピル基から選ばれる基であ
る。
R3は好ましくはメチル基またはエチル基であって、好
ましくは芳香環の酸素原子に対してメタ位を占める。
R4は三級アルキル基、好ましくはt−ブチル基であ
り、好ましくは芳香環の酸素原子に対してオルト位を占
める。
本発明の第2の態様は、下記一般式(A)で表わされ
るエポキシ化合物と、硬化剤と、硬化促進剤とを含むこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供する。
(ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1
R2、R3は水素原子またはC1〜C6のアルキル基であり、R1
は好ましくは水素またはメチル基であり、R2は好ましく
はメチル基、エチル基、プロピル基から選ばれる基であ
る。
R3は好ましくはメチル基またはエチル基であって、好
ましくは芳香環の酸素原子に対してメタ位を占める。
R4は三級アルキル基で、好ましくはt−ブチル基であ
って、好ましくは芳香環の酸素原子に対してオルト位を
占める。
なお、ビスフェノール類として好ましいものは例え
ば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(通常ビスフェノール A) ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(通常ビスフ
ェノール F) 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(通常
ビスフェノール AD)がある。
特に、R1が水素、R2がn−プロピル基、R3がメチル
基、R4がt−ブチル基であるエポキシ化合物の分子量
(MW)は、n=5の場合に2684となり、そのエポキシ価
(EEW)は1342となる。すなわちエポキシ価は分子量の1
/2である。
以下に本発明を詳細に説明する。
上記一般式(A)で表わされるエポキシ化合物は、次
の一般式(I)で表わされるビスフェノール類とエピク
ロルヒドリンとを、ビスフェノール類1モルに対してエ
ピクロルヒドリン3〜30モルの割合で反応させることに
より得られる。
(式中、R1、R2、R3は水素原子またはC1〜C6のアルキル
基であり、R1は好ましくは水素またはメチル基であり、
R2は好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基から選
ばれる基である。
R3は好ましくはメチル基またはエチル基であって、好
ましくは芳香環の酸素原子に対してメタ位を占める。R4
は三級アルキル基、好ましくはt−ブチル基であって好
ましくは芳香環の酸素原子に対してオルト位を占め
る。) この反応は、従来公知のこの種の反応と同様な種々の
方法で行なうことができる。その一つの方法は、アルカ
リ化合物、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、好ま
しくは水酸化ナトリウムを、ビスフェノール類のフェノ
ール性水酸基1当量に対して1倍モル量以上、好ましく
は1.02〜1.05倍モルを用いて、ビスフェノール類とエピ
クロルヒドリンとを、エーテル化工程と脱ハロゲン化水
素化工程とを同時に行ないながら、水の存在下において
約60〜90℃の温度で反応させ、次いで反応終了後反応混
合物から未反応のハロヒドリン類、水および生成した塩
を除去し、反応生成物たるエポキシ化合物を乾燥し、取
得する方法である。
また、上記のようなエーテル化工程と脱ハロゲン化水
素化工程とを同時にではなく、順次行なう方法を採用す
ることもでき、この場合には、安定した品質のエポキシ
樹脂を得ることができる。
上記のようなエーテル化工程は、ビスフェノール類の
フェノール性水酸基1当量に対して約0.005〜5モル%
のエーテル化触媒、たとえばトリメチルアミン、トリエ
チルアミンなどの第3アミン、トリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィンなどの第3ホスフィン、テト
ラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、塩化コリン
などの第4アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウム
ブロマイド、テトラメチルホスホニウムアイオダイド、
トリフェニルプロピルホスホニウムブロマイドなどの第
4ホスホニウム塩、ベンジルジブチルスルホニウムクロ
ライド、ベンジルジメチルスルホニウムクロライドなど
の第3スルホニウム塩など、好ましくは第4アンモニウ
ム塩の存在下で反応が行われる。
このエーテル化工程では、ビスフェノール類の水酸基
の少くとも約50%以上、好ましくは約80%以上がエーテ
ル化されるまで反応が行われる。この反応は、一般に約
60〜110℃の温度で約1〜12時間行われ、この際水は存
在しない方が好ましいが、もし水が存在する場合には3.
0重量%以下の量となるように制御されることが好まし
い。
次の脱ハロゲン化水素化工程には、エーテル化工程の
反応生成物がそのまま、すなわち未反応のエピハロヒド
リンを含んだまま反応に供せられる。この反応の触媒と
しては、上記のエーテル化工程で使用されたようなアル
カリ化合物、たとえばアルカリ金属水酸化物、好ましく
は水酸化ナトリウムが、ビスフェノール類のフェノール
性水酸基1当量に対して0.5倍モル以上、好ましくは0.8
倍モル以上の割合で用いられる。ただし、この使用割合
は、ゲル化などの不都合を避けるために1倍モル以下と
することが望ましい。
この反応は、一般に約60〜100℃の温度で約1〜3時
間行われ、水酸化ナトリウムが触媒として用いられた場
合には、副生した水を反応系から除去しながら行なうこ
とが好ましい。
反応終了後は、減圧蒸留により未反応のエピハロヒド
リンの除去、水洗などによる副生塩の除去および必要に
応じてリン酸、リン酸二水素ナトリウムなどの弱酸によ
る中和がそれぞれ行われ、次いで目的化合物としてのエ
ポキシ化合物が乾燥されて取得される。
以上のようにして得られる本発明に係る新規なエポキ
シ化合物は、積層板用途にはエポキシ当量(EEW)200〜
2000、好ましくは230〜1500、軟化点45〜130℃、好まし
くは55〜110℃とするのが良い。
このような本発明に係る新規なエポキシ化合物の1つ
としての下記に示すエポキシ化合物[1,1−ビス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン]は、以下のような特性を有している。
NMR分析1 H−NMRチャートを第1図に示す。
δ(ppm) (TMS基準) 7.08 s 2プロトン 6.53 s 2プロトン 3.75〜4.25 m 4プロトン 3.10〜3.50 m 2プロトン 2.60〜3.0 m 4プロトン 2.20 s 6プロトン 0.75〜2.10 m 8プロトン 1.3 s 18プロトン IR分析 IRチャートを第2図に示す。
なおこのエポキシ化合物の軟化点は約60℃であった。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、上記のような新
規なエポキシ化合物と硬化剤と硬化促進剤とを含んでい
る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬
化物は次の各種の長所を備えている。
1.R4で表わされる嵩高い三級アルキル基により、モビリ
ティーの低下を実現し、その結果、硬化物が優れた耐熱
性を示す 2.R1、R2、及びR3で表わされるアルキル基の内部可塑化
作用により、硬化物が可撓性を示す 3.R1〜R4で表わされるメチル基を多く含むアルキル基の
存在により、低誘電率を示す 本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては
次に示す酸無水物類、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリア
ミン、イミダゾール、フェノール樹脂類などが使用され
る。
酸無水物類としては、具体的には、無水フタル酸、無
水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタ
ル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルナ
ジック酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、
無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水ドデシルコ
ハク酸、無水クロレンディック酸などが用いられる。
芳香族ポリアミンとしては、具体的には、ジアミノジ
フェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、アミン
アダクトなどが用いられる。
脂肪族ポリアミンとしては、トリエチレンテトラミ
ン、ジエチレントリアミン、メンセンジアミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、3,9−ビ
ス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ
[5,5]ウンデカン、アミンアダクトなどが用いられ
る。
フェノール樹脂類は、フェノール樹脂ノボラック、ア
ルキル置換フェノールノボラック樹脂を例示することが
できる。
また、硬化剤としてジシアンジアミド、メタキシリレ
ンジアミンなども用いることができる。
イミダゾールとしては、具体的には2−メチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2
−エチル−4−メチルイミダゾールアジン、1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾールなどから用いられる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物中に含まれる硬化促
進剤としては、下記のようなイミダゾール、第3級アミ
ンなどが用いられる。
イミダゾールとしては、具体的には2−メチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2
−エチル−4−メチルイミダゾールアジン、1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾールなどが用いられる。
また第3級アミンとしては、具体的には、N,N−ベン
ジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノールなどが用いられる。
また硬化促進剤として、1,8−ジアザビシクロ−(5,
4,0)ウンデセン−7のオクチル酸塩、(サンアボット
社 Ucat SA 102)、モノエチルアミンと三フッ化ホウ素
の錯体などを用いることもできる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、その目的を損わ
ない範囲内において、他のエポキシ化合物、例えばビス
フェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エ
ポキシ化合物、1,1−ビス(グリシドキシフェニル)エ
タン、フェノールノボラック型エポキシ化合物、0−ク
レゾール−ノボラック型エポキシ化合物、グリシジルエ
ステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ
化合物、脂環式エポキシ化合物などを含むことができ
る。また、エポキシ樹脂硬化物に難燃性を付与する場合
には、テトラブロムビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテルなどが併用される。
特に本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、フェノール
ノボラックエポキシ樹脂、なかでも具体的にオルトクレ
ゾールノボラックエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂100重
量部に対して、通常0〜30重量部、好ましくは0〜20重
量部併用すると耐熱性向上の効果がある。
さらに本発明に係るエポキシ樹脂組成物には、以上の
各成分以外に、フタル酸エステル、グリコール類のエー
テルまたはエステル類、フェノールなどの非反応性希釈
剤、長鎖アルキレンオキサイド、ブチルグリシジルエー
テル、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチルフェニ
ルグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤、炭酸カルシ
ウム、クレー、アスベスト、シリカ、マイカ、石英粉、
アルミニウム粉末、グラファイト、酸化チタン、アルミ
ナ、酸化鉄、ガラス粉末、ガラス繊維などの充填剤、カ
ーボンブラック、トルイジン赤、ハンザイエロー、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの着色
剤などを適宜配合することもできる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物では、各成分は下記
のような割合で配合されることが好ましい。
エポキシ樹脂:100重量部 硬化剤 :1〜150重量部(好ましくは3〜110重量
部、ジシアンジアミドの場合は少量で可) 硬化促進剤 :0.1〜3重量部 このような各成分を、加熱溶融して混合するか、また
は溶剤を用いて溶解し混合することにより、本発明に係
るエポキシ樹脂組成物が得られる。
このようなエポキシ樹脂組成物の硬化反応は、常温ま
たは60〜250℃程度に加熱することにより行なわれる。
〈実施例〉 以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) 1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3
ブチルフェニル)ブタン393.8g、エピクロルヒドリン12
21g、水33gを攪拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温
度計を付けた反応器に仕込み、70℃に昇温した。1,1−
ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフ
ェニル)ブタンが溶解したところで、得られた溶液に5
3.2重量%のテトラメチルアンモニウムクロライド水溶
液1.2gを添加し、70℃で2時間攪拌した。
次いで減圧下に48重量%水酸化ナトリウム水溶液169.
6gを、70℃の温度で2時間かけて加えた。この時エピク
ロルヒドリンの共沸を利用して、水36.6gを2時間かけ
て系外に除去し、留出したエピクロルヒドリンは水と分
離した後、反応系に戻した。反応系の減圧度は単位時間
当りの水の系外への除去量が反応系に添加する水酸化ナ
トリウム水溶液中の水の量と、反応により生成する水の
量との和に等しくなるよう調節した。
水酸化ナトリウム水溶液の全量を添加した後、同温度
でさらに0.5時間攪拌をした。
このようにして第1閉環反応終了後、未反応のエピク
ロルヒドリンおよび水を減圧下に留去し、残留物にメチ
ルイソブチルケトン634.6g、水377gを加え、95℃で攪拌
した後、静置して分液した。有機相をサンプリングし、
脱溶媒後分析したところ加水分解可能塩素濃度は0.58重
量%であった。
有機相を反応器に入れ90℃に昇温し、測定した加水分
解可能塩素量の1.5倍モルに相当する48重量%水酸化ナ
トリウム水溶液9.8gを添加し、90℃で2時間攪拌し、第
2閉環反応を行った。反応終了後、30重量%リン酸モノ
ナトリウム水溶液70.4gを添加して中和し分液し有機相
を得た。
有機相中の水分を共沸で除き、ガラスフィルターを使
用して無機塩を濾別した。濾液から減圧下でメチルイソ
ブチルケトンを留去し、ガラス状のグリシジル化物485g
を得た。この得られたエポキシ化合物は軟化点60℃、エ
ポキシ当量307g/当量であり、加水分解可能塩素濃度は
0.015重量%、繰返し単位nの数は0.27であった。
(実施例2) 1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3
ブチルフェニル)ブタン213.8g、エピクロロヒドリン66
3g、水21gを反応器に仕込み昇温した。反応系が均一に
なった時点で53.2%テトラメチルアンモニウムクロライ
ド1.2gを添加し、70℃で6時間、さらに80℃で2時間攪
拌を行った。
その後は実施例1と同じ操作を行った。ただし、第2
閉環反応を行う前の加水分解可能塩素濃度は0.61重量%
であった。
得られた247gのガラス状のグリシジル化物であるエポ
キシ化合物のエポキシ当量は300g/当量であり、加水分
解可能塩素濃度は0.007重量%で、繰返し単位nの数は
0.24であった。
(実施例3) 実施例1で得たエポキシ化合物100重量部、硬化剤と
しての無水メチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化
(株)リカシッドMH−700)55重量部および硬化促進剤
としての1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)ウンデセン−
7のオクチル酸塩(サンアボット社Ucat SA 102)0.5重
量部を、加熱混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。これ
を注型板金型内に注入し100℃で1時間、120℃で2時
間、150℃で2時間、170℃で4時間で硬化させ、エポキ
シ樹脂硬化物を得た。
得られた硬化物の物性を表1に示す。
(比較例1〜2) 実施例1で得たエポキシ化合物の代わりにビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量189、比較例
1)、そしてオルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂
“EOCN 103S(日本化薬(株)製、エポキシ当量209、比
較例2)を用い、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、1,
8−ジアザビシクロー(5,4,0)ウンデセン−7のオクチ
ル酸塩を表1に示した配合割合で混合したほかは、実施
例3と同様にし、エポキシ樹脂硬化物を得た。
得られた硬化物の物性を表1に示す。
(実施例4) 実施例1で得た樹脂29部、p−t−オクチルフェノー
ルノボラック(軟化点116℃、OH当量214g/eq)20部を15
0℃の温度で混合脱泡して均一溶液とした。同温度で0.1
4部の2−メチルイミダゾールを加え、さらに攪拌・脱
泡後に注型板金型内に注入した。
150℃で4時間、さらに170℃で4時間硬化を行い硬化
物を得た。
硬化物の物性は以下の通りであった。
ガラス転移点(℃) 150 誘電率(1MHz) 2.7 誘電正接(1MHz) 0.011 (実施例5) 実施例1で得た樹脂38部、p−ノニルフェノールノボ
ラック(軟化点72℃、OH当量250g/eq)30部を120℃の温
度で混合、脱泡し均一溶液とした。同温度で0.18部の2
−メチル−イミダゾールを加え、さらに攪拌脱泡後注型
板金型内に注入した。
120℃で3時間、さらに150℃で2時間、最後に170℃
で4時間硬化を行い硬化物を得た。
ガラス転移点(℃) 120 誘電率(1MHz) 2.8 誘電正接(1MHz) 0.008 (実施例6) 実施例1で得た樹脂1070部、p−t−オクチルフェノ
ールノボラック(軟化点116℃、OH当量214g/eq)713
部、2−エチル−4−メチルイミダゾール10部、トルエ
ン560部を均一に攪拌混合してワニスを得た。
この樹脂ワニスをガラス布(旭シュエーベル製6232/1
050/AS450)に含浸乾燥させてプリプレグを作成した。
次いで上記のプリプレグ15枚を積層し180℃、10kgf/c
m260minの成形条件にて加熱加圧成形して積層板を作成
した。
この積層板の性能は以下の通りであった。
樹脂含有率(wt%) 41.1 ガラス転移点(℃) 150 曲げ強度(kgf/mm2) 51 曲げ弾性率(kgf/mm2) 1940 誘電率(1MHz) 3.4 誘電正接(1MHz) 0.0065 表1から明らかなように、本発明に係るエポキシ樹脂
組成物を硬化させて得られるエポキシ樹脂粗硬化物は、
R4で示されるベンゼン環に結合する三級アルキル基の効
果すなわち三級アルキル基の嵩高によるモビリティの低
下により、耐熱性に優れ、しかも耐熱性が高いにも拘ら
ず、R1、R2およびR3で表わされるアルキル基の内部可塑
化作用により弾性率が低く、硬化物が可撓性を示す。
また、R1〜R4で表わされるメチル基を多く含むアルキ
ル基の存在により低い誘電率を示す。
〈発明の効果〉 本発明の新規なエポキシ化合物は、これを成分として
エポキシ樹脂組成物とし、樹脂硬化物とすると、耐熱性
および可撓性に優れ、従来のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂に比
較し、誘電率の低い硬化物が得られる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物
は、電気、電子分野での封止材あるいは絶縁塗料として
耐熱性に優れるとともに、脆さが改良され低誘電率の有
用なエポキシ樹脂硬化物として用いられうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る新規なエポキシ化合物のNMRチャ
ートであり、第2図はそのIRチャートである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(A)で表わされることを特徴
    とするエポキシ化合物。 (ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1
    R2、R3は水素原子またはC1〜C6のアルキル基であり、R4
    は三級アルキル基である。)
  2. 【請求項2】下記一般式(A)で表わされるエポキシ化
    合物と、硬化剤と、硬化促進剤とを含むことを特徴とす
    るエポキシ樹脂組成物。 (ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1
    R2、R3は水素原子またはC1〜C6のアルキル基であり、R4
    は三級アルキル基である。)
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